IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コロプラの特許一覧

特開2024-4346プログラム、情報処理システムおよび情報処理装置
<>
  • 特開-プログラム、情報処理システムおよび情報処理装置 図1
  • 特開-プログラム、情報処理システムおよび情報処理装置 図2
  • 特開-プログラム、情報処理システムおよび情報処理装置 図3
  • 特開-プログラム、情報処理システムおよび情報処理装置 図4
  • 特開-プログラム、情報処理システムおよび情報処理装置 図5
  • 特開-プログラム、情報処理システムおよび情報処理装置 図6
  • 特開-プログラム、情報処理システムおよび情報処理装置 図7
  • 特開-プログラム、情報処理システムおよび情報処理装置 図8
  • 特開-プログラム、情報処理システムおよび情報処理装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004346
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理システムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/45 20140101AFI20240109BHJP
   A63F 13/422 20140101ALI20240109BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20240109BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20240109BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/422
A63F13/533
A63F13/812 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103970
(22)【出願日】2022-06-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年3月31日(https://twitter.com/wcat_golf https://twitter.com/wcat_golf/status/1509455461434675205) 2022年3月31日(https://www.youtube.com/watch?v=KkaAL00bj78) 2022年4月5日(https://twitter.com/wcat_golf https://twitter.com/wcat_golf/status/1511288213297516552) 2022年4月8日(https://twitter.com/wcat_golf https://twitter.com/wcat_golf/status/1512354566343471104) 2022年4月8日(https://www.youtube.com/watch?v=ZkS4yuhm4Z0)
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】馬場 功淳
(72)【発明者】
【氏名】中前 秀太
(57)【要約】
【課題】ゲームの興趣性を向上させる。
【解決手段】第1状態と第2状態との間でゲーム状態を移行制御させる制御部として、コンピュータを機能させるプログラムであって、第1状態は、所定の目標の達成を目指すゲームを、オブジェクトに所定の作用を与えるユーザの操作に基づいて進行させる第1進行態様で進行させることが可能なゲーム状態であり、第2状態は、第1進行態様に比べ、ユーザの技量が所定の目標の達成に与える影響を低減させることが可能な第2進行態様でゲームを進行させることが可能なゲーム状態であり、制御部は、オブジェクトと所定のオブジェクトとの関係性が所定の関係性となる場合に、ゲーム状態を第2状態にする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1状態と第2状態との間でゲーム状態を移行制御させる制御部として、コンピュータを機能させ、
前記第1状態は、所定の目標の達成を目指すゲームを、オブジェクトに所定の作用を与えるユーザの操作に基づいて進行させる第1進行態様で進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記第2状態は、前記第1進行態様に比べ、前記ユーザの技量が前記所定の目標の達成に与える影響を低減させることが可能な第2進行態様で前記ゲームを進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記制御部は、前記オブジェクトと所定のオブジェクトとの関係性が所定の関係性となる場合に、ゲーム状態を前記第2状態にする
プログラム。
【請求項2】
前記制御部は、前記オブジェクトが、前記所定のオブジェクトから所定の範囲内に移動する場合に、ゲーム状態を前記第1状態と前記第2状態とのうちの一方から他方へ移行させる
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記制御部は、前記ゲーム中において難易度の高い場面に移行する際に、ゲーム状態を前記第1状態と前記第2状態とのうちの一方から他方へ移行させる
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2進行態様は、前記第1進行態様において前記オブジェクトに前記所定の作用を与える前記ユーザの操作の少なくとも一部を要さずに前記ゲームを進行させる進行態様であって、前記オブジェクトに与える前記所定の作用に関する所定の抽選の結果に基づいて前記ゲームを進行させる進行態様である
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2状態は、前記第1進行態様で前記ゲームを進行させるか、前記第2進行態様で前記ゲームを進行させるかを、前記ユーザの操作に基づいて決定することが可能なゲーム状態である
請求項1~4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
第1状態と第2状態との間でゲーム状態を移行制御させる制御部を備え、
前記第1状態は、所定の目標の達成を目指すゲームを、オブジェクトに所定の作用を与えるユーザの操作に基づいて進行させる第1進行態様で進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記第2状態は、前記第1進行態様に比べ、前記ユーザの技量が前記所定の目標の達成に与える影響を低減させることが可能な第2進行態様で前記ゲームを進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記制御部は、前記オブジェクトと所定のオブジェクトとの関係性が所定の関係性となる場合に、ゲーム状態を前記第2状態にする
情報処理システム。
【請求項7】
第1状態と第2状態との間でゲーム状態を移行制御させる制御部を備え、
前記第1状態は、所定の目標の達成を目指すゲームを、オブジェクトに所定の作用を与えるユーザの操作に基づいて進行させる第1進行態様で進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記第2状態は、前記第1進行態様に比べ、前記ユーザの技量が前記所定の目標の達成に与える影響を低減させることが可能な第2進行態様で前記ゲームを進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記制御部は、前記オブジェクトと所定のオブジェクトとの関係性が所定の関係性となる場合に、ゲーム状態を前記第2状態にする
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理システムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、オートでの進行が可能なゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-168381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゲームにおいては、興趣性の更なる向上が求められていた。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、ゲームの興趣性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に示す一実施形態によれば、
第1状態と第2状態との間でゲーム状態を移行制御させる制御部として、コンピュータを機能させ、
前記第1状態は、所定の目標の達成を目指すゲームを、オブジェクトに所定の作用を与えるユーザの操作に基づいて進行させる第1進行態様で進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記第2状態は、前記第1進行態様に比べ、前記ユーザの技量が前記所定の目標の達成に与える影響を低減させることが可能な第2進行態様で前記ゲームを進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記制御部は、前記オブジェクトと所定のオブジェクトとの関係性が所定の関係性となる場合に、ゲーム状態を前記第2状態にする
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ゲームシステムの概略構成を示す図である。
図2】ゲームシステムの機能的構成を示すブロック図である。
図3】第1状態における表示画面の一例を示す図である。
図4】移動オブジェクトが移動する様子を示す図である。
図5】移動オブジェクトが指標オブジェクトに到達した様子を示す図である。
図6】第1状態において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図7】第2状態における表示画面の一例を示す図である。
図8】第2状態において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図9】第2状態におけるゲームの進行の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
<ゲームシステムのハードウェア構成>
図1に示すように、本実施形態のゲームシステム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを備えている。
【0011】
端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク2を介して接続される。ネットワーク2は、例えば、インターネット、移動通信システム(例えば、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等)、WiFi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、またはこれらの組み合わせ等のいずれによって構成されていてもよい。また、端末装置10とサーバ20との接続は、有線接続であるか無線接続であるかを問わない。
【0012】
サーバ20(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってもよい。サーバ20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF(インターフェース)24と、入出力IF25と、を備える。サーバ20が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0013】
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ21は、ストレージ23からプログラムを読み出し、メモリ22に展開する。プロセッサ21は、展開したプログラムを実行する。
【0014】
メモリ22は、主記憶装置である。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置により構成される。メモリ22は、プロセッサ21がストレージ23から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ21に作業領域を提供する。メモリ22は、プロセッサ21がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0015】
なお、本実施形態においてプログラムとは、ゲームを端末装置10により実現するプログラムであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを端末装置10とサーバ20との協働により実現するプログラムであってもよい。なお、端末装置10とサーバ20との協働により実現されるゲームは、一例として、端末装置10において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを複数の端末装置10の協働により実現するプログラムであってもよい。また、各種データには、例えば、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、および端末装置10とサーバ20との間で送受信される指示や通知が含まれる。
【0016】
ストレージ23は、補助記憶装置である。ストレージ23は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。ストレージ23には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0017】
通信IF24は、サーバ20と端末装置10等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0018】
入出力IF25は、サーバ20がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、サーバ20がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF25は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0019】
端末装置10(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末、またはゲーム装置等であってもよい。端末装置10は、携帯端末であってもよい。端末装置10は、ユーザがゲームを実行する際に可搬型の端末であってもよい。
【0020】
端末装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、入力部17と、表示部18と、を備える。端末装置10が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0021】
プロセッサ11は、端末装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、CPU、MPUおよびGPU等を含み得る。プロセッサ11は、ストレージ13からプログラムを読み出し、メモリ12に展開する。プロセッサ11は、展開したプログラムを実行する。
【0022】
メモリ12は、主記憶装置である。メモリ12は、例えば、ROMおよびRAM等の記憶装置により構成される。メモリ12は、プロセッサ11がストレージ13から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ11に作業領域を提供する。メモリ12は、プロセッサ11がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0023】
ストレージ13は、補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD等の記憶装置により構成される。ストレージ13には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0024】
通信IF14は、端末装置10とサーバ20等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0025】
入出力IF15は、端末装置10がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、端末装置10がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行うこととしてもよい。入出力IF15は、入力部17または表示部18等を含み得る。
【0026】
入力部17は、ユーザによる入力を受け付ける。入力部17は、例えば、タッチパッド等のポインティングデバイスであってもよい。表示部18は、画像を表示する。表示部18は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。端末装置10は、例えば、入力部17と表示部18とを組み合わせた電子部品であるタッチスクリーン16を備える。
【0027】
入力部17は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびフリック操作等)により入力面に対して入力された位置を検知し、検知した位置を示す情報を入力信号として送信する機能を有する。入力部17としてのタッチパネルは、静電容量方式または抵抗膜方式等を採用することができるが、他の方式であってもよい。
【0028】
なお、入力部17は、例えば、キーボード、各種物理ボタン、各種センサ(例えば、加速度センサまたは角速度センサ等)、操作スティック、カメラ、またはマイク等であってもよい。また、表示部18は、例えば、プロジェクタ等であってもよい。
【0029】
<ゲームシステムの機能的構成>
図2は、サーバ20および端末装置10の機能的構成を示すブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、例えば、ゲームを実現するために必要な各種データおよびプログラムを各端末装置10に提供する機能、各端末装置10からゲームに関するデータを収集して管理する機能、ならびに複数の端末装置10間の同期処理を行う機能等を有する。
【0030】
なお、本実施形態において、サーバ20は、ゲームごとに事前に登録されるユーザのアカウントを用い、各ユーザおよび端末装置10を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置10またはパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に基づいて、ユーザのアカウント登録に必要な情報をサーバ20に送信し、サーバ20が、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成および保存することとしてもよい。
【0031】
図2に示すように、サーバ20は、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信IF(インターフェース)24、および入出力IF25等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム221、ゲーム情報222およびユーザ情報223がある。
【0032】
ゲームプログラム221は、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報222およびユーザ情報223は、制御部210がゲームプログラム221を実行するときに参照するデータである。
【0033】
なお、ゲームプログラム221は、サーバ20側で実行するゲームプログラムに加え、端末装置10に送信して端末装置10側で実行するプログラム(後述するゲームプログラム121)を含むこととしてもよい。あるいは、記憶部220が、サーバ20側で実行するゲームプログラム221と、端末装置10側で実行するプログラムとを格納することとしてもよい。
【0034】
ゲーム情報222は、アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報222は、例えば、各種ゲーム空間を規定するための情報を含む。ゲーム空間とは、ユーザが操作可能なキャラクタ(以下、「操作キャラクタ」あるいは「プレイヤキャラクタ」ともいう。)のオブジェクトが配置される空間である。また、ゲーム情報222は、例えば、ゲーム空間内に配置される建物や木、石等の背景オブジェクトやノンプレイヤキャラクタ(non player character:NPC)のオブジェクトの配置位置や大きさ、色、形状等、アカウント間で共通のオブジェクトに関する各種設定情報を含む。また、ゲーム情報222は、例えば、ノンプレイヤキャラクタの各種パラメータの設定値等を含む。以下においては、ゲーム空間に配置されたキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」ということもある。
【0035】
ユーザ情報223は、ゲームのアカウントごとに管理される情報である。ユーザ情報223は、例えば、操作キャラクタに関する情報、保有資産に関する情報、およびゲームの進行度合いを示す情報等を含む。保有資産として、例えば、ゲーム内通貨、アイテム、キャラクタの装備品等が挙げられる。
【0036】
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム221を実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、例えば、送受信部211、サーバ処理部212、データ管理部213および同期処理部214を有する。
【0037】
送受信部211は、各種データを送信または受信する。送受信部211は、例えば、各種データおよびプログラムの送信要求や、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求、同期処理の対象となるデータ等を、各端末装置10から受信し、サーバ処理部212に渡す。また、送受信部211は、サーバ処理部212による制御に従って、同期を取るための指示等を含む各種データやプログラムを、各端末装置10に送信する。
【0038】
本実施形態において、マルチプレイ機能とは、複数のアカウントによるゲーム処理を同期させた状態で進行させる機能である。ゲームシステム1のサーバ20および端末装置10は、ゲームシステム1にログインしているアカウントが同じゲームに複数参加する場合に、マルチプレイ機能に対応するための各種処理を実行する。
【0039】
サーバ処理部212は、端末装置10からの要求等に応じ、ゲームプログラム221に記述された演算処理を実行することで、端末装置10にゲームを提供する。サーバ処理部212は、例えば、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求や同期処理の対象となるデータを、送受信部211を介して端末装置10から受け取ると、マルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。また、サーバ処理部212は、ゲーム情報222またはユーザ情報223の送信指示を送受信部211に指令する。さらに、サーバ処理部212は、ゲーム情報222またはユーザ情報223のレコードの追加、更新または削除に関する指示をデータ管理部213に指令する。
【0040】
データ管理部213は、記憶部220に格納されている各種データをサーバ処理部212の指示に従って管理する。データ管理部213は、例えば、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222またはユーザ情報223を読み出し、送受信部211を介して端末装置10に送信する。また、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222またはユーザ情報223のレコードを、追加、更新または削除する。
【0041】
同期処理部214は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲームのマルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。同期処理部214は、例えば、サーバ20が複数の端末装置10に対して情報を送信するときに、各端末装置10に同時に情報を送信することで、各端末装置10間で進行するゲームの同期を取る。具体的に、同期処理部214は、各アカウントに対応する端末装置10から所定期間(例えば、一フレーム)内に受信した操作情報を、所定期間ごとに各端末装置10に同時に送信する。操作情報は、端末装置10に入力される操作に関する情報である。同期のタイミングや同期すべき情報は、サーバ処理部212から随時受信することとしてもよい。同期処理を実行することで、一つの端末装置10で入力された操作に起因するゲーム内の事象を、他の端末装置10に同時に反映させることが可能となる。
【0042】
本実施形態における端末装置10は、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能、およびゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能等を有する。
【0043】
端末装置10は、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、通信IF14、および入出力IF15等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。記憶部120は、制御部110が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム121、ゲーム情報122およびユーザ情報123がある。
【0044】
ゲームプログラム121は、端末装置10側でゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報122およびユーザ情報123は、制御部110がゲームプログラム121を実行するときに参照するデータである。
【0045】
ゲーム情報122は、上述したサーバ20のゲーム情報222と同様の情報を含む。したがって、ここではゲーム情報122の説明を省略する。
【0046】
ユーザ情報123は、端末装置10を使用するユーザのアカウントに関するデータであり、上述したサーバ20のユーザ情報223と同様の情報を含む。したがって、ここではユーザ情報123の説明を省略する。
【0047】
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム121を実行することにより、端末装置10において実行されるゲームに関する各種処理を制御する。制御部110は、例えば、操作受付部111、送受信部112、ゲーム進行部113および表示制御部114を有する。
【0048】
操作受付部111は、入力部17を介してユーザにより入力される操作(以下、「入力操作」ともいう。)を受け付ける。具体的には、操作受付部111は、入力部17に対する入力操作がされた場合に、入力位置の座標および入力操作の種類を検知する。入力操作の種類として、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン操作およびピンチアウト操作等の、手指等による各種操作が挙げられる。入力操作は、入力部17(例えば、タッチスクリーン16)に物理的に接触する操作に限らず、非接触による操作も含み得る。なお、タッチスクリーン16への接触を終了するタッチオフ操作等のそれまで行っていた入力操作を終了する操作も、入力操作の一態様ということができる。
【0049】
ここで、操作受付部111は、入出力IF15を介して接続された操作機器を用いてされる入力操作についても、入力部17に対する入力操作と同様に受け付けることができる。
【0050】
送受信部112は、各種データを送受信する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0051】
送受信部112は、ゲーム情報122またはユーザ情報123や、マルチプレイ機能に対応するための同期要求を、サーバ20に送信する。送受信部112は、各種データ、プログラム、およびマルチプレイ機能に対応するための同期のためのデータ等を、サーバ20から受信する。同期のためのデータには、例えば、マルチプレイに参加している各端末装置10間で同期を取るように指示するための同期指示データが含まれる。同期指示データには、例えば、同期対象となるデータおよびそのデータの種類や、同期する時期を特定するためのデータ等が含まれる。
【0052】
送受信部112は、操作受付部111により受け付けられた入力操作に関する操作情報を、サーバ20に送信する。送受信部112は、他の端末装置10において他のユーザにより入力された操作に関する操作情報を、サーバ20から受信する。
【0053】
ゲーム進行部113は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0054】
ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるゲーム空間を規定するための情報に基づいて、ゲーム空間を規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるオブジェクトの設定情報に基づいて、ゲーム空間にオブジェクトを配置する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間に配置したオブジェクトを制御する。具体的には、ゲーム進行部113は、ゲーム空間内でのオブジェクトの位置、向き、形状、色等を変更することや、オブジェクトに所定の動作を行わせるように、オブジェクトを制御する。
【0055】
ゲーム進行部113は、ゲーム空間のうちユーザに提示する領域を指定するための仮想カメラを規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間内での仮想カメラの位置および向きを規定することにより、ゲーム空間内に仮想カメラを配置する。ゲーム進行部113は、仮想カメラにより規定される視野領域およびこの視野領域に配置されているオブジェクトを描画した画像を生成するように、表示制御部114に指示する。
【0056】
仮想カメラの位置および向きは、ゲーム空間ごとに適宜決定することができる。例えば、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトの位置や向きを基準とし、特定のオブジェクトが特定の向きで視野領域の中央に位置するように、仮想カメラを配置する。その際、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトに対する方向、距離および角度を用い、仮想カメラの位置や向きを調整する。特定のオブジェクトは、例えば、操作キャラクタやノンプレイヤキャラクタ等の動的なオブジェクトであってもよいし、建物や木、石等の静的なオブジェクトであってもよい。動的なオブジェクトには、各ユーザの操作に基づいてそれぞれ動作する操作キャラクタと、ゲームプログラム121,221に基づいて動作するキャラクタ(例えば、ノンプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ等)とが含まれる。
【0057】
ゲーム進行部113は、操作受付部111により検知された入力位置の座標および入力操作の種類等に基づいて、ユーザの指示内容を解釈する。ゲーム進行部113は、解釈した指示内容等に基づいて、ゲームの進行に関わる各種判定処理を実行する。ゲーム進行部113は、判定処理の結果等に基づいて、オブジェクトや仮想カメラ等を制御しながらゲームを進行する。ゲーム進行部113は、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム情報122やユーザ情報123を更新、追加または削除する。
【0058】
表示制御部114は、表示部18に画像を表示させる。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0059】
表示制御部114は、ゲーム空間のうち、ゲーム進行部113が規定する仮想カメラの視野の領域と、その領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。表示制御部114は、表示部18に表示させる画像に対し、例えば、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(User Interface)に関わるオブジェクトを重畳して描画することができる。
【0060】
なお、図2に示す端末装置10およびサーバ20の機能は一例にすぎない。端末装置10およびサーバ20の各装置は、他の装置が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、端末装置10およびサーバ20等の各装置は、一体の機器により実現されるものでなくてもよく、例えば、ネットワーク等を介して接続される複数の機器によって実現されてもよい。また、ゲームシステム1は、例えば、端末装置10またはサーバ20のみによって構成されていてもよい。換言すると、ゲームシステム1は、ネットワークを介して接続される複数の機器によって実現されていなくてもよい。
【0061】
<本実施形態に係る処理>
次に、本実施形態に係る処理について説明する。なお、本実施形態では、端末装置10のプロセッサ11が、ゲームシステム1に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、後述する各処理を行うものとして説明する。ただし、後述する各処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ11とは別のプロセッサが実行するようにしてもよい。換言すると、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、端末装置10およびサーバ20のいずれであってもよく、また、複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0062】
以下では、本実施形態に係る構成をゴルフゲームに適用した場合を例に説明する。
【0063】
図3図5は、ゲーム空間30としてのゴルフコースを含む空間を示す表示画面例である。図3図5を参照しながら、ゲーム空間30およびゲーム空間30に重ねて表示される各種オブジェクトについて説明する。
【0064】
表示制御部114は、ゲーム進行部113の指示に応じて、表示部18にゲーム空間30の画像を表示させる。具体的には、表示制御部114は、ゲーム空間30のうち、制御部110が規定する仮想カメラの視野の領域と、当該領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。具体的には、表示制御部114は、ゲーム空間30に存在するオブジェクトである、ユーザの操作に基づいて移動する操作対象オブジェクトとしてのボール31、ボール31を導く目標地点となるオブジェクトとしてのカップ32、およびプレイヤキャラクタ33等を表示部18に表示させる。また、表示制御部114は、例えば、当該画像に、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(User Interface)に係るオブジェクトを重畳して描画し、表示部18に表示させる。具体的には、表示制御部114は、カップの位置を示すカップ指標36、ならびに、後述する移動オブジェクト40、パワー指標41、指標オブジェクト50、および第2ショット選択ボタン60(図7参照)等のオブジェクトを表示部18に表示させる。
【0065】
カップ指標36は、例えば、カップ32から所定の色彩の光が延び出るように表示される指標である。ゲーム進行部113は、例えば、カップ指標36を、コースの芝の色彩と区別がつくような色彩に設定する。カップ指標36を表示させることで、ユーザは、プレイヤキャラクタ33の背後から映されたゲーム空間30において、カップ32の位置を容易に視認できる。
【0066】
ゲーム進行部113は、所定の目標の達成を目指すゲーム中において、第1状態と第2状態との間でゲーム状態を移行させるゲーム状態制御処理を実行する。第1状態は、操作対象オブジェクトに所定の作用を与えるユーザの操作に基づいてゲームを進行させることが可能なゲーム状態となっている。また、第2状態は、第1状態と同様の態様でゲームが進行される場合に比べ、ユーザの技量が前記所定の目標の達成に与える影響を低減させることが可能な態様によりゲームを進行させることが可能なゲーム状態となっている。なお、ゲーム状態として、第1状態および第2状態以外のゲーム状態が用意されていてもよい。
【0067】
本実施形態では、ゲーム進行部113は、カップ32にボール31を入れるという目標の達成を目指す1ホール(換言すると、1ステージ)のゲームの実行中において、ユーザによる特定の操作(例えば、後述する第1操作)に基づいてボール31を移動させる第1状態と、ユーザによる当該特定の操作を介さずにボール31を移動させることが可能な第2状態と、の間でゲーム状態を移行させる。具体的には、ゲーム進行部113は、1ホールのゲームの実行中において、ボール31がカップ32から所定範囲内に位置していない場合(例えば、グリーン(ここで、グリーンとはカラーを含んでもよい。)上に位置していない場合)にゲーム状態を第1状態に設定し、ボール31がカップ32から所定範囲内に位置している場合(例えば、グリーン上に位置している場合)にゲーム状態を第2状態に設定する。なお、ゲーム進行部113は、このように、ボール31とカップ32(あるいはグリーン)との関係性が所定の関係性となる場合に、ゲーム状態を第2状態にするが、このような、ボール31とカップ32(あるいはグリーン)との関係性と、ゲーム状態と、の対応関係は、当該関係性となっているか否かをゲーム進行部113が直接的に判定することにより実現してもよく、異なる処理によって実現してもよい。例えば、ゲーム進行部113が、ボール31がカップ32から所定範囲内に位置してるか否かを判定してゲーム状態を切り替えることとしてもよく、ボール31がゲーム空間30内のどの位置に位置しているか(例えば、グリーン上に対応する領域に位置しているか否か)を判定してゲーム状態を切り替えることとしてもよく、パターでのショットが行われるか否かを判定してゲーム状態を切り替えることとしてもよい。なお、ゲーム状態の切り替えは、ボール31がカップ32から所定範囲内に位置しているか否かに応じて自動的に(換言すると、ユーザの操作を介することなく)行われる。換言すると、ゲーム進行部113は、ボール31がカップ32から所定範囲内に移動すると、ゲーム状態を第1状態から第2状態へ自動的に切り替える。なお、このような自動的なゲーム状態の切り替えを行うか否かは、ユーザが所定の設定画面等において予め設定(換言すると、選択)することが可能となっていてもよい。すなわち、このような設定が予めされている場合には、ボール31がカップ32から所定範囲内に移動する場合にゲーム状態を自動的に切り替え、当該設定がされていない場合には、ボール31がカップ32から所定範囲内に移動してもゲーム状態を切り替えないこととしてもよい。
【0068】
(第1状態におけるゲームの進行)
以下、図3図5を参照しながら、第1状態におけるゲームの進行について説明する。
【0069】
第1状態において、ゲーム進行部113は、図3に示すように、ボール31およびアドレスの姿勢を取るプレイヤキャラクタ33を表示部18に表示させるよう、表示制御部114に指示する。また、ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40を表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。
【0070】
移動オブジェクト40は、例えば、円形状を呈し、移動オブジェクト40から所定の方向に延び出る直線状の指標(図3においては、点状の図形とV字状の図形が直線状に並んだ指標。以下、「パワー指標41」という。)に沿って移動するオブジェクトである。パワー指標41は、ショットのパワーを示す数値が付されたものであってもよい。ショットのパワーを示す数値は、例えば、パワーの割合を示す百分率であってもよく、飛距離を示すヤードまたはメートル等であってもよい。
【0071】
操作受付部111は、ユーザによるタッチスクリーン16の所定位置を選択する操作を受け付ける。ゲーム進行部113は、ユーザによる、選択された所定位置からのスワイプ操作に応じて、移動オブジェクト40を移動させる(図4参照)。具体的には、ゲーム進行部113は、ユーザのタッチスクリーン16へのタッチ位置が移動オブジェクト40に重なると判断した場合、ユーザのスワイプ操作に応じて、移動オブジェクト40を移動させる。また、ゲーム進行部113は、ユーザのタッチスクリーン16へのタッチ位置が移動オブジェクト40を中心とした所定の範囲内にあると判断した場合、ユーザのスワイプ操作に応じて、移動オブジェクト40を移動させてもよい。これにより、ユーザはプレイヤキャラクタのテイクバック動作のイメージを掴むことができるため、ゲームの興趣性が向上される。
【0072】
なお、移動オブジェクト40は、パワー指標に沿って移動させることが可能であるが、「パワー指標に沿って」とは、パワー指標の直上を移動オブジェクト40が移動するものに限らず、パワー指標の延びる方向に移動オブジェクト40が移動するものであればよい。また、移動オブジェクト40を移動させるスワイプ操作は、パワー指標の直上を通るものでなくてもよい。換言すると、例えば、パワー指標41を目印とした予め定められた範囲や方向への操作を、移動オブジェクト40を移動させる操作とすることができる。
【0073】
また、ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40を移動させる際に移動オブジェクト40の形状を変化させてもよい(図3図5参照)。
【0074】
ゲーム進行部113は、ユーザが移動オブジェクト40をパワー指標41に沿ってスワイプ操作すると(換言すると、指標オブジェクト50から遠ざかる方向へスワイプ操作すると)、指標オブジェクト50を表示部18に移動表示させるよう、表示制御部114に指示する。以下、指標オブジェクト50の詳細について説明する。
【0075】
まず、指標オブジェクト50の構造の詳細について説明する。
図3に示すように、指標オブジェクト50は、例えば、扇形状の周縁部を外縁に沿って切り取った形状を呈し、複数の区切られた領域(以下、「指標領域51」という。)を有するオブジェクトである。指標領域51は、例えば、ショットの質を示す領域である。ここで、ショットの質とは、例えば、ショットされたボール31の曲がり具合や、ショットの成功度合い(例えば、狙った方向からの逸れ具合、ボール31への当たり具合)等であってもよい。具体的には、複数の指標領域51のうちの中心の領域を、ショットされたボール31が直進する(換言すると、狙った方向へ向かう)指標領域51とし、中心から一方側に離れた領域ほど、ショットされたボール31が一方側に曲がる(換言すると、狙った方向から一方側に逸れる)指標領域51とし、中心から他方側に離れた領域ほど、ショットされたボール31が他方側に曲がる(換言すると、狙った方向から他方側に逸れる)指標領域51とし、中心から所定範囲外に位置する領域を、ミスショットとなる指標領域51としてもよい。また、指標領域51は、ショットされたボール31の軌道を示す記号が付されたものであってもよい。ここで、当該記号は、例えばショットされたボール31の軌道の曲がり具合を示す矢印等であってもよい。
【0076】
ゲーム進行部113は、ゲーム空間30におけるボール31周辺の環境に基づき指標領域51を設定する。具体的には、ゲーム進行部113は、ボール31がラフ、傾斜面、またはバンカー等のフェアウェイ上から外れた位置に存在する場合、ボール31がフェアウェイ上に存在する場合に比べて、ボール31を狙ったところに導くことが難しくなるように指標領域51を定める。より具体的には、例えば、フェアウェイ上から外れた位置に存在する場合、ボール31がフェアウェイ上に存在する場合に比べて、ボール31が直進する(換言すると、狙った方向へ向かう)指標領域51に対するボール31が曲がる(換言すると、狙った方向から逸れる)指標領域51の大きさや、ミスショットとなる指標領域51の大きさが大きくなるように(換言すると、指標オブジェクト50におけるボールが曲がる指標領域51や、ミスショットとなる指標領域51の占める割合が大きくなるように)指標領域51を設定してもよい。また、例えば、ボール31がフェアウェイ上から外れた位置に存在する場合、ボール31がフェアウェイ上に存在する場合に比べて、指標オブジェクト50全体の幅が狭まる(あるいは広がる)などしてもよい。
【0077】
次に、指標オブジェクト50の動作の詳細について説明する。
ゲーム進行部113は、指標オブジェクト50を、プレイヤキャラクタがショットするボール31の進行方向(換言すると、飛球方向)と交差する方向に往復移動させる(図3図5参照)。ここで、進行方向とは、ユーザがボール31をショットしたときにボール31が進行する側の方向である。換言すると、ゲーム進行部113は、指標オブジェクト50を、パワー指標41の延びる方向と交差する方向に往復移動させる。具体的には、ゲーム進行部113は、指標オブジェクト50を、例えばパワー指標41の一方側の端部に接触させながら、所定の曲線に沿って所定の角速度で往復移動させる。これにより、正確なショットを実行する際の難易度を高めることができるため、ゲームの興趣性が向上される。
【0078】
ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40が指標オブジェクト50から遠ざかるに従って、指標オブジェクト50の往復移動の速度が速くなるように、指標オブジェクト50を制御してもよい。これにより、ユーザがショットのパワーを大きく設定するほど、ユーザの意図する軌道でのショットを実現しにくくなるため、ゲームの興趣性が向上される。
【0079】
また、ゲーム進行部113は、ボール31周辺の環境に基づいて、指標オブジェクト50の往復移動の移動速度を変化させてもよい。例えば、ゲーム進行部113は、ボール31が、ラフ、傾斜面またはバンカー等のフェアウェイ上から外れた位置に存在する場合、ボール31がフェアウェイ上に存在する場合に比べて、指標オブジェクト50の移動速度を速くしてもよい。これにより、ショットする環境が悪いほど適切なショットを実行するための難易度を高めることができるため、ゲームの興趣性が向上される。
【0080】
また、ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40がパワー指標41の所定の位置(例えば50%)に至るまでは指標オブジェクト50の往復速度を一定にしてもよい。さらに、ゲーム進行部113は、パワー指標41の当該所定の位置を超えて、移動オブジェクト40が指標オブジェクト50から遠ざかるに従って、指標オブジェクト50の往復速度が速くなるように、指標オブジェクト50を制御してもよい。これにより、ショットのパワーを大きく設定するほど、ユーザの意図する軌道でのショットを、さらに実現しにくくなるため、ゲームの興趣性が向上される。なお、単に「遠ざかるに従って」あるいは「遠ざかるほど」等といった場合、具体的には、例えば「遠ざかるに従って速度が速くなる」等といった場合、所定の位置に至るまでは速度が変化せず、当該所定の位置を越えると速度が速くなる場合等の、速度等が変化しない区間が含まれる場合を含む。また、この場合の速度等には、少なくとも2つの段階があればよい。
【0081】
また、ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40が指標オブジェクト50から遠ざかるに従って、ボール31を狙ったところに導くことが難しくなるように指標領域51の幅を変化させてもよい。具体的には、例えば、移動オブジェクト40が指標オブジェクト50から遠ざかるほど、ボール31が直進する(換言すると、狙った方向へ向かう)指標領域51に対するボール31が曲がる(換言すると、狙った方向から逸れる)指標領域51の大きさや、ミスショットとなる指標領域51の大きさが大きくなるように(換言すると、指標オブジェクト50におけるボールが曲がる指標領域51や、ミスショットとなる指標領域51の占める割合が大きくなるように)指標領域51を設定してもよい。また、例えば、移動オブジェクト40が指標オブジェクト50から遠ざかるほど、指標オブジェクト50全体の幅が狭まる(あるいは広がる)などしてもよい。
【0082】
また、ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40がパワー指標41の所定の位置(例えば100%)に至るまでは移動オブジェクト40を振動させず、パワー指標41の当該所定の位置を越える場合に、移動オブジェクト40を振動させるなどしてもよい。換言すると、ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40が指標オブジェクト50から遠ざかるほど、移動オブジェクト40がユーザの意に沿わない動きをするようにしてもよい。さらに換言すると、ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40が指標オブジェクト50に近い所定位置(例えば、パワー指標41の「100%」以下の位置)にある場合に比べ、移動オブジェクト40が当該所定位置よりも指標オブジェクト50から遠い他の所定位置にある場合の方が、ユーザの操作(例えば、スワイプ操作)に対する移動オブジェクト40の追従性が低下するようにしてもよい。これにより、ユーザがショットのパワーを大きく設定するほど、ユーザの意図する軌道でのショットを実現しにくくなるため、ゲームの興趣性が向上される。
【0083】
ゲーム進行部113は、ユーザの入力操作に基づいて移動オブジェクト40の位置を決定し、当該入力操作が解除されたときに、移動オブジェクト40を指標オブジェクト50に向かって移動させ、当該入力操作の解除位置と、指標オブジェクト50と移動後の移動オブジェクト40との位置関係で定まる指標領域51の指標と、に応じたショット(以下、「第1ショット」ともいう。)を実行する第1ショット実行処理を行う。換言すると、第1ショット実行処理は、特定の入力操作の解除位置と、指標オブジェクト50と移動後の移動オブジェクト40との位置関係で定まる指標領域51の指標とに基づいて、ボールの到達位置を判断する処理である。
【0084】
第1ショット実行処理は、パワー決定処理と軌道決定処理とを含んでいてもよい。
【0085】
パワー決定処理は、例えば、ユーザの入力操作が解除されたときの解除位置に基づいて、ショットのパワーを決定する処理である。具体的には、図4に示すように、ゲーム進行部113は、ユーザによって選択された所定位置から、ユーザのスワイプ操作に応じて移動オブジェクト40をパワー指標41に沿って移動させる。ここでのスワイプ操作は、例えば、指標オブジェクト50から遠ざかる方向への操作である。
【0086】
パワー決定処理において、ゲーム進行部113は、スワイプ操作の終点で定まる移動オブジェクト40の、指標オブジェクト50からの距離が長いほど、ショットのパワーを大きくさせる。具体的には、ゲーム進行部113は、例えば、解除位置に対応するパワー指標41に応じたパワーを判断する。パワー指標41に応じて判断されるパワーが大きいほど、ショットされたボール31が遠くに飛ぶこととなる。パワー指標41は、例えば、指標オブジェクト50から遠ざかるにつれて、パワーを示す数値が大きくなるように設定されている。図4では、パワー指標41の「90%」を示す位置で解除されているため、ショットのパワーは、最大パワーの「90%」となる。
【0087】
軌道決定処理は、例えば、移動後の移動オブジェクト40と指標オブジェクト50との位置関係でショットの軌道(換言すると、ボール31の向かう方向)を決定する処理である。具体的には、例えば、ゲーム進行部113は、パワーの決定に係る特定の入力操作(例えば、指標オブジェクト50から遠ざかる方向へのスワイプ操作)が解除されると、移動オブジェクト40を、指標オブジェクト50に向かって、パワー指標41に沿って移動させる(図4および図5参照)。すなわち、ショットのパワーを決定したと同時に、自動的にボールの軌道を決定する手順に移行される。これにより、ユーザにシームレスなショット操作を提供できるため、ゲームの興趣性が向上される。
【0088】
軌道決定処理において、ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40を、ユーザの操作によって指示された方向に移動させることとしてもよい。すなわち、ゲーム進行部113は、パワーの決定に係る特定の入力操作が解除されたときに、移動オブジェクト40を指標オブジェクト50に向かって移動させるが、このときに、例えば、当該解除の際にユーザがフリック操作で指示した方向に移動オブジェクト40を移動させることとしてもよい。図5は、この場合の表示画面例である。これにより、ユーザに自由度の高いショット操作を提供できるため、ゲームの興趣性が向上される。また、例えば、当該解除の際に、ユーザが、パワーの決定に係るスワイプ操作とは異なる方向へのスワイプ操作(例えば、移動オブジェクト40が指標オブジェクト50へ近づく方向へのスワイプ操作)を行い、当該異なる方向へのスワイプ操作によってユーザが指示した方向に移動オブジェクト40を移動させることとしてもよい。ここで、例えば、移動オブジェクト40が指標オブジェクト50に接触するまで当該異なる方向へのスワイプ操作をするようになっていてもよく、移動オブジェクト40が指標オブジェクト50に接触するよりも前の地点まで当該異なる方向へのスワイプ操作を行った後にフリック操作を行うようになっていてもよい。また、ショットのパワーの決定に係る特定の入力操作がされた後、タッチスクリーン16への接触を終了する操作(例えば、指を離すタッチオフの操作)がされると、移動オブジェクト40が、パワー指標41の指標オブジェクト50側の端部等の所定位置に向かって(換言すると、指標オブジェクト50に向かって)移動するようになっていてもよい。なお、当該所定位置は、パワーの決定に係る入力操作等に応じて変動してもよい。すなわち、本実施形態において「パワーの決定に係る特定の入力操作の解除」とは、例えば、タッチスクリーン16への指の接触が解除されることに限らず、所定方向(例えば、指標オブジェクト50から離れる方向)へ動かしていた指の移動方向が変わること(例えば、所定角度以上、あるいは指標オブジェクト50に近づく方向へ変わること)等であってもよい。換言すると、「特定の入力操作の解除」とは、それまで行っていた操作(例えば、所定方向へのスワイプ操作)が、他の操作(例えば、タッチオフ操作、フリック操作、他の方向へのスワイプ操作)に変わることであってもよい。また、当該入力操作の「解除位置」とは、当該入力操作が解除されたときの指の位置あるいは移動オブジェクト40の位置等ともいえる。なお、パワーの決定に係る特定の入力操作を行い、当該入力操作に係るタッチスクリーン16への接触を一旦解除した後に、移動オブジェクトの移動方向を指示するフリック操作やスワイプ操作等を行うことが可能となっていても。
【0089】
軌道決定処理において、ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40を、一定の速度で移動させてもよく、解除位置の指標オブジェクト50からの距離が長いほど、移動オブジェクト40の移動速度を大きくしてもよい。また、解除位置から、移動オブジェクト40が指標オブジェクト50に近づくに従って、移動オブジェクト40の移動速度を大きくしてもよい。これにより、ユーザの意図する軌道でショットが実現されにくくなるため、ゲームの興趣性が向上される。
【0090】
軌道決定処理において、ゲーム進行部113は、図5に示すように、移動後の移動オブジェクト40が到達した指標オブジェクト50の指標領域51(以下、「到達指標51」という。)を判断する。ゲーム進行部113は、到達指標51に基づいてボール31の軌道を決定する。例えば、ボールが右に曲がるように設定された指標領域51が到達指標51となった場合、ゲーム進行部113は、ショットされたボール31がスライスあるいはフェードするよう設定する。これにより、ユーザの操作によりボールの軌道を意図的に曲げることができ、また、意図せずボールの軌道が曲がるような状況をユーザに提供することもできるため、ゲームの興趣性が向上される。
【0091】
すなわち、ゲーム進行部113は、第1ショット実行処理において、例えば、パワー決定処理で決定されたショットのパワーと、軌道決定処理で決定されたショットの軌道(換言すると、ボールの31の向かう方向)とに基づいて、ボールの到達位置を判断する。
【0092】
次に、図6を参照して、第1状態において端末装置10で実行される処理のフローについて説明する。図6は、端末装置10で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0093】
ステップS100において、ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40等のオブジェクトを表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。具体的には、ゲーム進行部113は、図3に示すように、アドレスの姿勢を取るプレイヤキャラクタ33、移動オブジェクト40、パワー指標41、および指標オブジェクト50等を表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。
【0094】
次いで、ステップS101において、ゲームシステム1は、タッチスクリーン16に対するユーザの入力操作を受け付ける。ゲーム進行部113は、例えば、移動オブジェクト40を中心とした所定の範囲内がタッチされたと判断した場合、処理をステップS102に移行させる。
【0095】
次いで、ステップS102において、ゲーム進行部113は、ユーザのスワイプ操作に応じて移動オブジェクト40を、パワー指標41に沿って移動させる。
【0096】
次いで、ステップS103において、ゲーム進行部113は、指標オブジェクト50を、移動(例えば、往復移動)させる。
【0097】
次いで、ステップS104において、ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40を移動させるスワイプ操作を解除するユーザの操作(例えば、タッチオフ操作、フリック操作、他の方向へのスワイプ操作)を受け付ける。
【0098】
次いで、ステップS105において、ゲーム進行部113は、解除位置を判断するとともに、当該解除位置に対応するショットのパワーを判断する。
【0099】
次いで、ステップS106において、ゲーム進行部113は、移動オブジェクト40を指標オブジェクト50に向けて移動させる。
【0100】
次いで、ステップS107において、ゲーム進行部113は、移動後の移動オブジェクト40が到達した指標オブジェクト50の到達指標51を判断する。ゲーム進行部113は、到達指標51に対応するボール31の軌道を判断する。
【0101】
次いで、ステップS108において、ショットのパワーと到達指標51とに基づいてボール31の到達位置を特定する。
【0102】
次いで、ステップS109において、ゲーム進行部113は、プレイヤキャラクタがショット動作する画像を表示部18に表示させる。また、ゲーム進行部113は、判断されたショットのパワーおよびボール31の軌道に応じてゲーム空間30内におけるボール31の位置を移動させる。
【0103】
ゲームシステムは、ステップS100~S109のステップを、ショット毎に繰り返し実行する。
【0104】
(第2状態におけるゲームの進行)
以下、図7を参照しながら、第2状態におけるゲームの進行について説明する。
【0105】
第2状態において、ゲーム進行部113は、ボール31およびアドレスの姿勢を取るプレイヤキャラクタ33を表示部18に表示させるよう、表示制御部114に指示する。また、ゲーム進行部113は、第2ショット選択ボタン60を表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。
【0106】
操作受付部111は、ユーザによる第2ショット選択ボタン60に対する操作(例えば、タッチ操作)を受け付ける。ゲーム進行部113は、第2ショット選択ボタン60に対する操作がされると、ゲーム空間30内の環境的要因と、プレイヤキャラクタの属性とに基づいて成否(換言すると、ボール31の到達位置)が決定されるショット(以下、「第2ショット」ともいう。)を実行する。具体的には、環境的パラメータと、キャラクタ属性とに基づいて、ボール31がカップ32に入るか否かが決定される。より具体的には、ボール31がカップ32に入るか、カップ32に近づくか、カップ32に入らずかつカップ32に近づかないかが決定される。なお、ここで「カップ32に近づかない」とは、例えば、ボール31の到達位置がカップ32から所定範囲内(例えば、「カップ32に近づいた」あるいは「カップ32に入った」と判定される範囲内)とならない場合を意味し、到達位置がショットをした地点よりはカップ32に近くなる場合や、ショットをしたボール31がカップ32の近傍(当該所定範囲内)を通り過ぎて当該所定範囲外に到達する等を含んでいてもよい。
【0107】
環境的パラメータは、ゲーム空間30内のショットをする環境に依存するパラメータである。また、環境的パラメータは、ステージの環境的要因に依存するパラメータともいえる。環境的パラメータは、キャラクタに依存しないパラメータとなっている。環境的パラメータには、距離パラメータと、高低差パラメータと、曲がりパラメータと、が含まれる。距離パラメータは、ボール31とカップ32との距離を示すパラメータである。高低差パラメータは、ボール31とカップ32との高低差を示すパラメータである。曲がりパラメータは、カップ32に向けてショットしたボール31の曲がり方(換言すると、ラインの曲がり方)を示すパラメータである。
【0108】
キャラクタ属性は、キャラクタ毎に設定されたパラメータであり、各キャラクタ特有のパラメータということができる。キャラクタ属性には、距離属性と、高低差属性と、曲がり属性と、が含まれる。距離属性は、距離パラメータの補正に関するパラメータである。高低差属性は、高低差パラメータの補正に関するパラメータである。曲がり属性は、曲がりパラメータの補正に関するパラメータである。
【0109】
第2状態においては、ゲーム進行部113は、環境的パラメータとキャラクタ属性とに基づいて、ショットの成否に係るパラメータを決定する成功率決定処理を実行する。具体的には、ゲーム進行部113は、例えば、ショットの成否に係るパラメータとして、ショットの成功率(例えば、ボール31がカップ32に入る確率およびカップ32から外れる確率)を決定する。ここで、ボール31がカップ32から外れる確率には、カップ32に近づく確率と、カップ32に近づかない確率とが含まれる。
【0110】
ショット成功率は、例えば、環境的パラメータに基づいて決定される確率基準値を、キャラクタ属性に基づいて補正することにより決定される。具体的には、ゲーム進行部113は、例えば、距離パラメータに所定の重み付けをして得られる値と、高低差パラメータに所定の重み付けをして得られる値と、曲がりパラメータに所定の重み付けをして得られる値と、に基づいて確率基準値を算出する。ゲーム進行部113は、例えば、距離パラメータの示す距離が長いものである場合ほど、確率基準値が低くなるように確率基準値を算出する。また、ゲーム進行部113は、例えば、高低差パラメータの示す高低差が大きいものである場合ほど、確率基準値が低くなるように確率基準値を算出する。また、ゲーム進行部113は、例えば、曲がりパラメータの示す曲がり方が大きく曲がるものである場合や複雑に曲がるものである場合ほど、確率基準値が低くなるように確率基準値を算出する。このとき、ゲーム進行部113は、例えば、カップ32に入る確率100%から計算を始め、距離パラメータに所定の係数をかけた値、高低差パラメータに所定の係数をかけた値、および曲がりパラメータに所定の係数を掛けた値に基づいてカップ32に入る確率を減少させていき確率基準値を算出することとしてもよい。
【0111】
また、ゲーム進行部113は、キャラクタ属性に基づいて確率基準値を補正し、ショット成功率を決定する。例えば、距離パラメータの示す距離が長距離である場合において、プレイヤキャラクタの距離属性が、「長距離に強い」ことを示すものである場合、ゲーム進行部113は、カップ32に入る確率が上昇するように確率基準値を補正する。また、例えば、高低差パラメータの示す高低差が、カップ32の方がボール31よりも高い位置にあることを示すもの(すなわち上り傾斜)である場合において、プレイヤキャラクタの高低差属性が、「上り傾斜に強い」ことを示すものである場合、ゲーム進行部113は、カップ32に入る確率が上昇するように確率基準値を補正する。また、例えば、曲がりパラメータの示す曲がり方が、ボール31が大きく曲がることを示すものである場合において、プレイヤキャラクタの曲がり属性が、「曲がるラインに強い(例えば、ライン読みの能力がある)」ことを示すものである場合、ゲーム進行部113は、カップ32に入る確率が上昇するように確率基準値を補正する。
【0112】
なお、「確率基準値を、キャラクタ属性に基づいて補正する」とは、確率基準値を決定してから補正するものでなくてもよく、例えば、距離パラメータに所定の係数をかけた値、高低差パラメータに所定の係数をかけた値、および曲がりパラメータに所定の係数を掛けた値に基づいてカップ32に入る確率を求める際に、各係数または各環境的パラメータをキャラクタ属性に基づいて補正してショット成功率を決定するもの等であってもよい。換言すると、「確率基準値を、キャラクタ属性に基づいて補正する」とは、ショット成功率の決定に、キャラクタ属性が反映されるものであればよい。
【0113】
また、確率基準値(換言すると、補正前のショット成功率)やショット成功率(換言すると、補正後のショット成功率)は、複数のパラメータから確率を求める所定の計算式によって求めてもよく、所定のテーブル等を用いて求めてもよい。
【0114】
また、環境的パラメータは、所定の数値であってもよく(例えば、「距離パラメータ:〇〇メートル」など)、数値でなくてもよい(例えば、「高低差パラメータ:上り傾斜」など)。また、キャラクタ属性は、所定の数値であってもよく、数値でなくてもよい。
【0115】
また、ショット成功率は、例えば、環境的パラメータおよびキャラクタ属性に基づいて実行される所定の抽選により決定されるなどしてもよい。
【0116】
なお、環境的パラメータには、例えば、設定された天気、気候、季節、または風の強さを示すパラメータ等が含まれていてもよい。例えば、天気が雨の場合には、天気が晴れの場合に比べてボール31が芝生の上を転がりにくくなるなどし、天気に応じてショット成功率が変動する(換言すると、ショット成功率が調整される)ようになっていてもよい。また、例えば、季節が冬の場合には、グリーンが凍ることにより、季節が春の場合に比べてボール31が芝生の上を転がりやすくなるなどし、季節に応じてショット成功率が変動する(換言すると、ショット成功率が調整される)ようになっていてもよい。
【0117】
また、キャラクタ属性には、例えば、キャラクタに係るそれまでのゲームの内容(換言すると、ゲームの経過)に基づくパラメータ(例えば、ゲーム中のスコア状況に関するパラメータ。例えば、「PARパットである」、「対戦相手に負けそうである」、といったゲーム中の一時的な属性を含む。)等が含まれていてもよい。例えば、PARパットや、負けそうな状況においては、スコア状況が他の所定の状況にある場合に比べ、ボール31が、カップ32に入る確率が高くなるようになっていてもよい。
【0118】
ゲーム進行部113は、第2ショット選択ボタン60に対する入力操作がされると、成功率決定処理で決定されるショット成功率に応じたショット(第2ショット)を実行する第2ショット実行処理を行う。換言すると、第2ショット実行処理は、環境的パラメータおよびキャラクタ属性に応じたショットを実行する処理である。さらに換言すると、第2ショット実行処理は、環境的パラメータとキャラクタ属性とに基づいて、ボール31の到達位置を判断する処理である。さらに換言すると、第2ショット実行処理は、環境的パラメータとキャラクタ属性とに基づいてショットの成否を決定する処理である。
【0119】
すなわち、第2ショット実行処理では、成功率決定処理で決定されるショット成功率に応じた確率で、ショットが成功する(換言すると、ボール31がカップ32に入る)こととなる。換言すると、第2ショット実行処理では、成功率決定処理で決定されるショット成功率に基づいて、ショットが成功するか否かを決定する抽選(換言すると、ボール31の到達位置を決定する抽選)を行う。なお、当該抽選は、第2ショット選択ボタン60に対する入力操作がされる前にされていてもよい。換言すると、ショットが成功するか否かは、第2ショット選択ボタン60に対する入力操作がされる前に予め決定されていてもよい。
【0120】
第2ショット実行処理は、第1ショット実行処理に比べ、ボールの到達位置の決定に係るユーザの技量の寄与度が低い処理となっている。
【0121】
本実施形態では、ゲーム進行部113は、図7に示すように、第2ショット選択ボタン60と成否情報オブジェクト61とを同時に表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。換言すると、ゲーム進行部113は、第2ショット選択ボタン60に対する入力操作が可能な状態において成否情報オブジェクト61が表示されるよう制御する。成否情報オブジェクト61は、第2ショット選択ボタン60を選択した場合のショットの成否に関する情報を示すオブジェクトである。具体的には、ゲーム進行部113は、例えば、ショット成功率として、ボール31がカップ32に入る確率、カップ32に近づく確率、およびカップ32に近づかない確率を表示させる。これにより、ユーザはショットの成功率を確認した上で第2ショットを実行させることができるため、ゲームの興趣性が向上される。なお、ゲーム進行部113は、成否情報オブジェクト61として、確率基準値(換言すると、補正前のショット成功率)を表示させてから、ショット成功率(換言すると、補正後のショット成功率)を表示させてもよい。これにより、各キャラクタ属性の影響度がわかりやすくなるため、ゲームの興趣性が向上される。
【0122】
また、第2状態において、ゲーム進行部113は、第1ショット実行処理を実行することも可能となっている。具体的には、ゲーム進行部113は、図7に示すように、第2ショット選択ボタン60と移動オブジェクト40(および指標オブジェクト50)とを同時に表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。そして、ゲーム進行部113は、第2ショット選択ボタン60に対する入力操作(例えば、タッチ操作)がされると、第2ショット実行処理を実行し、移動オブジェクト40に対する入力操作(例えば、タッチ操作、スワイプ操作および解除操作)がされると、第1ショット実行処理を実行する。すなわち、ゲーム進行部113は、第1ショット実行処理(換言すると、後述するマニュアルプレイ)によりゲームを進行させるか、第2ショット実行処理(換言すると、後述するオートプレイ)によりゲームを進行させるかを、表示部18を介して、ユーザに選択可能に提示する。また、本実施形態では、ゲームを進行させるための操作(具体的には、移動オブジェクト40に対する操作または第2ショット選択ボタン60に対する操作)が、マニュアルプレイでゲームを進行させるか、オートプレイでゲームを進行させるかを選択する操作を兼ねている。これにより、ユーザは第2状態において第1ショットと第2ショットとのいずれを行うかを選択することができるため、ゲームの興趣性が向上される。また、画面を切り替えることなく当該選択を行いゲームを進行させることができるため、ゲームの興趣性がさらに向上する。加えて、成否情報オブジェクト61を表示することで、第1ショットと第2ショットとのいずれを行うかを選択する上での参考にすることができるので、ゲームの興趣性が向上される。また、指標オブジェクト50を表示することで、第1ショットと第2ショットとのいずれを行うかを選択する上での参考にすることができるので、ゲームの興趣性が向上される。
【0123】
なお、第2状態における第1ショット実行処理を可能とする場合、例えば、プレイヤによる入力操作に基づいて導出される導出値(例えば、パワー決定処理により導出されるパワーに関する値、および軌道決定処理により導出されるボールの軌道に関する値等)が、環境的パラメータに基づいて導出される基準閾値内であるか否かに応じてショットの成否(例えば、ボール31がカップ32に入るか否か)を決定してもよい。
【0124】
なお、第2状態において、ゲーム進行部113は、図7に示すように、環境的パラメータに関する情報を示すオブジェクト(以下、「環境情報オブジェクト62」という。)を表示させることとしてもよい。図7では、距離パラメータ、高低差パラメータ、および曲がりパラメータに関する情報を示す環境情報オブジェクト62が表示される例を示している。
【0125】
次に、図8を参照して、第2状態において端末装置10で実行される処理のフローについて説明する。図8は、端末装置10で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0126】
ステップS200において、ゲーム進行部113は、環境的パラメータとキャラクタ属性とに基づいて、ショット成功率を決定する。
【0127】
次いで、ステップS201において、第2ショット選択ボタン60等のオブジェクトを表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。具体的には、ゲーム進行部113は、図7に示すように、アドレスの姿勢を取るプレイヤキャラクタ33、第2ショット選択ボタン60、および成否情報オブジェクト61を表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。
【0128】
次いで、ステップS202において、ゲームシステム1は、タッチスクリーン16に対するユーザの入力操作を受け付ける。ゲーム進行部113は、例えば、第2ショット選択ボタン60を中心とした所定の範囲内がタッチされたと判断した場合、処理をステップS203に移行させる。
【0129】
次いで、ステップS203において、環境的パラメータとキャラクタ属性とに基づいて、ボール31の到達位置を特定する。具体的には、ゲーム進行部113は、ステップ200で決定されたショット成功率に基づいて(換言すると、環境的パラメータとキャラクタ属性とに基づいて)、ショットの成否を決定する。
【0130】
次いで、ステップS204において、ゲーム進行部113は、プレイヤキャラクタがショット動作する画像を表示部18に表示させる。また、ゲーム進行部113は、特定されたボール31の到達位置に向かってボール31を移動させる。
【0131】
ゲームシステムは、ステップS200~S204のステップを、ショット毎に繰り返し実行する。
【0132】
以上のように、第1状態においては、第1ショット実行処理によりゲームを進行させる第1進行態様でのゲームの進行が可能となっている。換言すると、第1状態においては、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させるマニュアルプレイでのゲームの進行が可能となっている。具体的には、第1状態においては、第1操作に基づいて操作対象オブジェクトとしてのボール31を移動させるという第1進行態様でのゲームの進行が可能となっている。第1操作には、所定位置を選択する操作(具体的には、移動オブジェクト40を選択するタッチ操作)、所定位置から所定量指を移動させる操作(具体的には、移動オブジェクト40を移動させるスワイプ操作)およびタイミングを狙って所定の操作を解除する操作(具体的には、移動オブジェクト40に対する操作を解除する操作)とが含まれる。そして、第1進行態様においては、スワイプ操作における指(換言すると、移動オブジェクト40)の移動量および解除操作のタイミングに応じてボール31の到達位置が決定される。換言すると、第1操作には、ショットのパワー(換言すると、ボール31の移動量)を決める操作と、ボール31の軌道(換言すると、移動方向)を決める操作とが含まれる。
【0133】
また、第2状態においては、第2ショット実行処理によりゲームを進行させる第2進行態様でのゲームの進行が可能となっている。換言すると、第2状態においては、マニュアルプレイにおいてゲームの進行に影響を与えるユーザの操作の少なくとも一部を要さずにゲームを進行させることが可能なオートプレイでのゲームの進行が可能となっている。具体的には、第2状態においては、所定位置を選択する操作(具体的には、第2ショット選択ボタン60を選択するタッチ操作)のみによってゲームを進行させることが可能となっており、所定位置から所定量指を移動させる操作およびタイミングを狙っての操作を要さずにゲームを進行させることが可能となっている。すなわち、第2状態においては、第1操作を介さずに操作対象オブジェクトとしてのボール31を移動させるという第2進行態様でのゲームの進行が可能となっている。第2進行態様においては、指の移動量や、狙ったタイミングに関係なくボール31の到達位置が決定される。なお、第2ショット実行処理において、内部的に実行される抽選の結果に基づいて到達位置が決定される場合などには、操作のタイミングに応じてボール31の到達位置が変化し得るものの、実質的にランダムに到達位置が決定され、所定の到達位置に導くためのタイミングをユーザが狙うことが不可能であるため、このような場合については「狙ったタイミングに関係なくボール31の到達位置が決定される」といえる。
【0134】
すなわち、第2進行態様は、第1進行態様に比べて、ボール31の到達位置の決定に用いられるユーザの入力操作に関する情報が少なくなっている。ここで、入力操作に関する情報としては、例えば、操作における移動量、操作の時間、操作のタイミング、操作により示される方向等の情報が挙げられる。換言すると、第2進行態様は、第1進行態様に比べて、遊技者の技量がボール31の到達位置の決定に与える影響を低減させることが可能なゲームの進行態様となっている。さらに換言すると、本実施形態において、オートプレイとは、マニュアルプレイに比べ、ユーザの技量がゲームにおける目標の達成に与える影響を低減させることが可能なプレイ態様といえる。また、ここで、目標の達成に与える影響が低減されるとは、操作対象オブジェクトに影響を及ぼすユーザの操作の種類(タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびフリック操作)や操作の数が少なくなる場合や、ユーザの操作に対して所定の補正が行われる場合を含む。また、オートプレイは、マニュアルプレイにおける全ての操作を不要とするものでなくてもよく、少なくとも一部の操作を不要としたり、少なくとも一部の操作についてアシストが行われるものであってもよい。なお、オートプレイは、AI(Artificial Intelligence)を用いてゲームの進行がされるものであってもよい。
【0135】
本実施形態では、グリーン外に比べて繊細な操作が要求されるグリーン上でのショット(換言すると、パター)が行われる際に、ゲーム状態が第2状態となり、オートプレイでのゲームの進行が可能となる。すなわち、グリーン外においては、フェアウェイから外れない程度の精度でボール31を運べばよい一方で、グリーン上においては、カップ32にボール31を入れなければならず、グリーン上においてはグリーン外に比べてマニュアルプレイについての難易度が高くなる。このため、マニュアルプレイによってボール31をカップ32に入れることとした場合に、これに手間取ったとき等に、ユーザがストレスを抱いてしまうおそれがある。本実施形態では、グリーン上でのショット(換言すると、パター)については、オートプレイでのゲームの進行が可能となるので、ユーザがストレスを抱く可能性を低減させることができる。
【0136】
また、オートプレイにおいては、ショットの成否に、キャラクタ属性が影響する。したがって、キャラクタ選択の戦略性が向上し、ゲームの興趣性が向上される。
【0137】
なお、第2進行態様でのゲームの進行は、ユーザの操作を介さずに行われてもよい。具体的には、例えば、ボール31がグリーン上に位置している場合、第2ショット選択ボタン60を選択する操作を要することなく自動的に第2ショット実行処理が実行されるようになっていてもよい。
【0138】
また、第2進行態様でのゲームの進行は、第1進行態様でゲームを進行するときと同様のユーザーの操作(例えば、前記第1操作)に基づいて行われるものであるが、ユーザの技量が所定の目標の達成に与える影響(例えば、ボール31の到達位置の決定に与える影響)が、第1進行態様でのゲームの進行時に比べ低減されるものとしてもよい。具体的には、例えば、第2状態は、第1状態に比べ、移動オブジェクト40を操作してゲームを進行させる場合の、パワー決定処理で決定されるショットのパワーや、軌道決定処理で決定されるショットの軌道が、ボール31の到達位置の決定に与える影響が低減されていてもよい。具体的には、例えば、第2状態においては、パワー決定処理と、軌道決定処理とにより決定されるボール31の到達位置が、カップ32から大きくずれたものでない限り、ボール31がカップ32に入るようにゲーム進行部113がボール31の到達位置についての補正処理を行うようにしてもよい。また、例えば、第2進行態様でのゲームの進行は、第1進行態様でゲームを進行するときと同じ回数の操作(ここで、操作の種類は異なっていてもよい。)に基づいて行われるものであるが、ユーザの技量が所定の目標の達成に与える影響(例えば、ボール31の到達位置の決定に与える影響)が第1進行態様でのゲームの進行時に比べ低減されるものとしてもよい。
【0139】
また、第2状態において、第1進行態様でのゲームの進行が不可能となっていてもよい。例えば、第2状態においては、移動オブジェクト40が表示部18に表示されず、第1ショット実行処理が実行されないようになっていてもよい。また、第1状態において、第2進行態様でのゲームの進行が不可能となっていてもよい。例えば、第1状態においては、第2ショット選択ボタン60が表示部18に表示されず、第2ショット実行処理が実行されないようになっていてもよい。
【0140】
(変形例1)
次に、第2状態におけるゲームの進行に係る変形例について説明する。
上述のように、第2状態においては、成功率決定処理で決定されるショット成功率に応じたショットを実行する第2ショット実行処理によってゲームを進行させる第2進行態様でゲームを進行させることが可能となっている。本変形例においては、第2ショット実行処理には、成功率決定処理で決定されたショット成功率を変動させる成功率変動処理が含まれる。なお、以下では、成功率変動処理によってショット成功率を変動させる遊技を「ミニゲーム」とも呼ぶ。
【0141】
成功率変動処理は、例えば、ユーザの入力操作のタイミングに応じて、成功率決定処理で決定されたショット成功率を変動させる処理である。ここで、成功率変動処理について具体的に説明する。
【0142】
ゲーム進行部113は、成功率決定処理によりショット成功率が決定されると、図9に示すように、決定されたショット成功率(例えば、ボール31がカップ32に入る確率)を示す成否情報オブジェクト61と、ルーレットオブジェクト65と、停止指標66と、停止ボタン67と、を表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。
【0143】
ルーレットオブジェクト65は、例えば、左右方向に延びる棒状を呈し、複数の区切られた領域(以下、「成功率変動領域68」という。)を有するオブジェクトである。成功率変動領域68は、例えば、ショット成功率の変動量を示す領域である。具体的には、成功率変動領域68として、ショット成功率が上昇する領域、ショット成功率が低下する領域、およびショット成功率が変動しない領域等が設けられていてもよい。図9に示す例では、各成功率変動領域68に記載されている確率だけ、ショット成功率が変動するようになっており、確率の記載されていない成功率変動領域68(図9においては、黒く塗りつぶされた領域)は、ショット成功率の変動しない領域となっている。
【0144】
停止指標66は、ルーレットオブジェクト65上を左右に往復移動するライン状のオブジェクトである。ゲーム進行部113は、停止指標66が止まった地点の成功率変動領域68の示す変動量分、ショット成功率を変動させる。具体的には、まず、ゲーム進行部113は、ルーレットオブジェクト65と、停止ボタン67とが表示されている状態において、停止指標66をルーレットオブジェクト65上において左右に往復移動させる。次いで、ゲーム進行部113は、停止ボタン67に対する入力操作(例えば、タッチ操作)がされると、停止指標66を停止させる。次いで、ゲーム進行部113は、停止指標66が停止した成功率変動領域68(以下、「停止領域68」という。)を判断し、停止領域68に応じてショット成功率の変動量を決定する。次いで、ゲーム進行部113は、決定した変動量分、成功率決定処理により決定されたショット成功率を変動させる。例えば、図9における「+25」と記載された成功率変動領域68に停止指標66が停止した場合、ショット成功率が25%上昇する。具体的には、ショット成功率が40%から65%に上昇する。
【0145】
なお、第2ショット実行処理において成功率変動処理を行うか否かをユーザが選択可能となっていてもよい。具体的には、例えば、ゲーム進行部113は、成否情報オブジェクト61、ルーレットオブジェクト65、および停止ボタン67等と同時にスキップボタン69を表示させてもよい。そして、スキップボタン69に対する入力操作がされた場合、成功率変動処理を行わないこととしてもよい。換言すると、所定の入力操作がされた場合、成功率決定処理によって決定されたショット成功率のまま、ショット成功率を変動させずに、ショットを実行することとしてもよい。
【0146】
また、成功率決定処理の結果に応じて成功率変動処理が実行されない場合があってもよい。例えば、ゲーム進行部113は、成功率決定処理の結果、ショット成功率(例えば、ボールがカップに入る確率)が所定の確率(例えば、11%~89%)となる場合に成功率変動処理を実行し、当該所定の確率とならない場合に成功率変動処理を実行しないこととしてもよい。
【0147】
また、停止ボタン67に対する入力操作を受け付ける時間には、制限時間が設けられていてもよい。また、ゲーム進行部113は、当該制限時間を示すオブジェクトを表示させるようになっていてもよい。具体的には、例えば、図9に示すように、停止ボタン67が、当該制限時間を示すオブジェクトを兼ねていてもよい。より具体的には、例えば、時間の経過に伴い、円形の停止ボタン67における特定色の領域が減少していき、当該特定色の領域が無くなると、停止ボタン67に対する入力操作が不可能となるようにしてもよい。
なお、制限時間内に停止ボタン67が操作されなかった場合、ショット成功率を変動させないこととしてもよく、制限時間が経過した時点における停止指標66の位置(換言すると、停止領域68)に応じてショット成功率の変動量が決定されることとしてもよい。
【0148】
(変形例2)
ゴルフゲームは、例えば、ユーザが当該ユーザの端末装置10を用いて操作するプレイヤキャラクタと、他のユーザが当該他のユーザの端末装置10を用いて操作する相手キャラクタあるいはコンピュータが操作する相手キャラクタとの対戦を行うものであってもよい。なお、以下では、プレイヤキャラクタと相手キャラクタとのうち、先にショットを行うキャラクタを先攻キャラクタと呼び、後にショットを行うキャラクタを後攻キャラクタと呼ぶ。このような対戦を行うゴルフゲームにおいて、ゲーム状態が第2状態である場合に、ゲームシステム1のコンピュータ(例えば、ゲーム進行部113)は、ショット成功率を補正する成功率補正処理を行うこととしてもよい。そして、コンピュータは、成功率補正処理によって補正されたショット成功率でショット(第2ショット)を実行することとしてもよい。
【0149】
具体的には、コンピュータは、例えば、後攻キャラクタが特定打数時のパターを行う場合に、後攻キャラクタの当該パターについての成功率決定処理および成功率変動処理の結果と、先攻キャラクタの同打数のパターについての成功率決定処理および成功率変動処理の結果と、に基づいて、特定条件(例えば、両者のショット成功率(例えば、ボール31がカップ32に入る確率)の差が一定以上か等)を満たすか否かを判定する。また、このとき、コンピュータは、先攻キャラクタと後攻キャラクタとのどちらのショット成功率が高いかも判定する。
【0150】
特定条件を満たすと判定した場合、コンピュータは、先攻キャラクタのパターが成功したか失敗したか(例えば、ボール31がカップ32に入ったか否か)を判定する。
【0151】
先攻キャラクタの方がショット成功率が高く、かつ特定条件を満たす場合であって、先攻キャラクタのパターが失敗した場合、コンピュータは、後攻キャラクタのショット成功率を低下させる補正を行う。一方、先攻キャラクタの方がショット成功率が高く、かつ特定条件を満たす場合であって、先攻キャラクタのパターが成功した場合、コンピュータは、後攻キャラクタのショット成功率について補正を行わない。
【0152】
また、先攻キャラクタの方がショット成功率が低く、かつ特定条件を満たす場合であって、先攻キャラクタのパターが失敗した場合、コンピュータは、後攻キャラクタのショット成功率について補正を行わない。一方、先攻キャラクタの方がショット成功率が低く、かつ特定条件を満たす場合であって、先攻キャラクタのパターが成功した場合、コンピュータは、後攻キャラクタのショット成功率を上昇させる補正を行う。
【0153】
オートプレイ時に、ショット成功率が高いキャラクタのショットが失敗し、ショット成功率が低いキャラクタのショットが成功すると、ショット成功率が高いキャラクタを操作するユーザが、理不尽に感じてしまうおそれがある。また、ミニゲームの結果等に応じてこの理不尽感が増大する場合があり、ユーザの納得感が薄れてしまうおそれがある。本変形例によれば、ユーザが理不尽に感じてしまう可能性を減少させ、遊技の興趣性を向上させることができる。
【0154】
<他のゲームへの適用>
本実施形態に係る構成は、ゴルフゲーム以外のゲームに適用することもできる。例えば、本実施形態に係る構成は、ボールあるいはプレイヤキャラクタ等の操作対象オブジェクトを移動させて、所定の目標の達成を目指すゲームに適用することもできる。また、本実施形態に係る構成は、これ以外のゲームに適用することもできる。以下に具体例を挙げて説明する。
【0155】
(RPGへの適用)
操作対象オブジェクトとしてのプレイヤキャラクタを動かして、敵キャラクタ(例えば、ザコキャラクタおよびボスキャラクタ)を倒していくRPG(ロールプレイングゲーム)に、本実施形態に係る構成を適用することもできる。具体的には、所定のステージ(例えば、ダンジョン等)において、ザコキャラクタを倒しながら進み、ボスキャラクタのいる場所にプレイヤキャラクタが到達するとボスキャラクタとの戦闘が始まるゲームに、本実施形態に係る構成を適用することもできる。
【0156】
具体的には、例えば、ボスキャラクタのいる場所に到達するまでは第2進行態様でゲームを進行させ、ボスキャラクタのいる場所に到達すると、第1進行態様でゲームを進行させるようにしてもよい。
【0157】
ここで、第1進行態様は、例えば、プレイヤキャラクタの移動および敵キャラクタへの攻撃や回復等の動作をユーザが手動で行うゲームの進行態様である。これに対し、第2進行態様は、例えば、第1進行態様においてユーザが手動で行う操作のうちの少なくとも一部が自動で行われるゲームの進行態様とすることができる。具体的には、敵キャラクタにプレイヤキャラクタが近づく動き、敵キャラクタの攻撃をプレイヤキャラクタが躱す動き、敵キャラクタをプレイヤキャラクタが攻撃する動き、またはプレイヤキャラクタの体力値等の所定のパラメータを回復する動き等の、第1進行態様においてはユーザの操作を介して行う動きを、第2進行態様においてはユーザの操作を介さずに行うこととしてもよい。すなわち、第2進行態様は、ゲーム進行部113が、ユーザの操作をアシストする処理であって、第1進行態様において実行されない処理を行う進行態様ということもできる。
【0158】
ゲーム進行部113は、プレイヤキャラクタがボスキャラクタのいる場所に到達するまではゲーム状態を第2進行態様でのゲームの進行が可能な第2状態に設定し、ボスキャラクタのいる場所に到達すると、ゲーム状態を第1進行態様でのゲームの進行が可能な第1状態に設定する。すなわち、ゲーム状態の切り替えは、ボスキャラクタのいる場所に到達しているか否かに応じて自動的に(換言すると、ユーザの操作を介することなく)行われる。
【0159】
このRPGの例については、操作対象オブジェクトとしてのプレイヤキャラクタと、所定のオブジェクトとしてのボスキャラクタとの関係性が、プレイヤキャラクタがボスキャラクタから所定範囲内に位置していないという関係性であるときにゲーム状態が第2状態となり、所定範囲内に位置しているという関係性であるときにゲーム状態が第1状態となることとなる。なお、このような、プレイヤキャラクタとボスキャラクタとの関係性と、ゲーム状態と、の対応関係は、当該関係性となっているか否かをゲーム進行部113が直接的に判定することにより実現してもよく、異なる処理によって実現してもよい。例えば、ゲーム進行部113が、プレイヤキャラクタがボスキャラクタから所定範囲内に位置してるか否かを判定してゲーム状態を切り替えることとしてもよく、プレイヤキャラクタが所定の位置(例えば、ボスキャラクタの部屋)に到達したか否かを判定してゲーム状態を切り替えることとしてもよく、ボスキャラクタとの戦闘が開始されるときに特定の状態に設定されるフラグが当該特定の状態となっているか否かを判定してゲーム状態を切り替えることとしてもよい。
【0160】
(音楽ゲームへの適用)
例えば、操作対象オブジェクトとしての所定形状物(例えば、棒状や丸状等の物体)が表示部18の画面上を移動し、ユーザは、所定形状物が画面上の所定位置に位置するタイミングに合わせて入力部17に対する操作を行う音楽ゲームに、本実施形態に係る構成を適用することもできる。具体的には、所定の曲に合わせて所定の操作を行い、当該曲の完走または所定の得点の獲得等を目指すゲームに、本実施形態に係る構成を適用することもできる。この場合、入力部17に対する操作は、所定形状物に光って消える等の作用を与える操作ということができる。
【0161】
具体的には、ゲーム中において難しい場面に到達するまでは第1進行態様でゲームを進行させ、難しい場面に到達すると、第2進行態様でゲームを進行させるようにしてもよい。
【0162】
ここで、第1進行態様は、例えば、画面上を移動する全ての所定形状物について、各所定形状物が所定位置に位置するタイミングに合わせて入力部17に対する操作を行う進行態様である。これに対し、第2進行態様は、例えば、第1進行態様においてユーザが手動で行う操作のうちの少なくとも一部が自動で行われるゲームの進行態様とすることができる。具体的には、画面上を移動する所定形状物のうちの少なくとも一部について、所定形状物が所定位置に位置するタイミングで入力部17に対する操作が行われたものとして(換言すると、ユーザの操作を介さずに)ゲームを進行させることとしてもよい。すなわち、第2進行態様は、ゲーム進行部113が、ユーザの操作をアシストする処理であって、第1進行態様において実行されない処理を行う進行態様ということもできる。
なお、第2進行態様において自動で行われる操作の成功率は、第1進行態様におけるユーザの操作(換言すると、それまでのプレイ結果)に基づいて算出される成功率に基づいて決定されてもよい。ここで、成功率とは、例えば、各操作が正確なタイミングで行われたか、少しずれたタイミングで行われたか、大きくずれたタイミングで行われたか等を示すパラメータ等である。
【0163】
ゲーム進行部113は、曲中における難しい場面に到達するまではゲーム状態を第1進行態様でのゲームの進行が可能な第1状態に設定し、難しい場面に到達すると、ゲーム状態を第2進行態様でのゲームの進行が可能な第2状態に設定する。すなわち、ゲーム状態の切り替えは、難しい場面のプレイ中であるか否かに応じて自動的に(換言すると、ユーザの操作を介することなく)行われる。なお、ここでは、難易度の高い場面に移行する際にゲーム状態を切り替えるようになっているが、「難易度の高い場面に移行する際に」あるいは「難易度の高い場面に移行する場合に」とは、移行してから状態が変わるものであってもよく、状態が変わってから移行するものであってもよい。換言すると、難易度と状態(換言すると、ゲームの進行態様)との対応関係が成り立つものであればよい。
【0164】
この音楽ゲームの例については、例えば、次に操作する操作対象オブジェクトと、所定のオブジェクトとしての次に操作する操作対象オブジェクト以外の操作対象オブジェクトとの関係性が、所定の密集度となる場合(換言すると、所定範囲内における操作対象オブジェクトの数や種類等が所定数以上となる場合)にゲーム状態が第2状態となり、所定の密集度とならない場合にゲーム状態が第1状態となることとしてもよい。なお、このような、特定の操作対象オブジェクトと他の操作対象オブジェクトとの関係性と、ゲーム状態と、の対応関係は、当該関係性となっているか否かをゲーム進行部113が直接的に判定することにより実現してもよく、異なる処理によって実現してもよい。例えば、ゲーム進行部113が、所定範囲内に位置している操作対象オブジェクトの数を判定してゲーム状態を切り替えることとしてもよく、曲の演奏が所定の位置に到達したか否かを判定してゲーム状態を切り替えることとしてもよい。
【0165】
(麻雀ゲームへの適用)
操作対象オブジェクトとしての手牌の中から、捨てる牌を選択していき、アガリ(換言すると、勝利)を目指す麻雀ゲームに、本実施形態に係る構成を適用することもできる。
【0166】
具体的には、ゲーム中において難しい場面に到達するまでは第1進行態様でゲームを進行させ、難しい場面に到達すると、第2進行態様でゲームを進行させるようにしてもよい。
【0167】
ここで、第1進行態様は、例えば、ユーザが、捨てる牌を自分で選択してゲームを進める進行態様である。これに対し、第2進行態様は、例えば、ユーザの操作を介さずに捨てる牌が自動で選択されゲームが進行される進行態様としてもよい。なお、第2進行態様において捨てる牌は、ゲーム進行部113が牌効率またはアガった場合の点の高さ等に基づいて決定してもよい。
【0168】
ゲーム進行部113は、局中の難しい場面に到達するまではゲーム状態を第1進行態様でのゲームの進行が可能な第1状態に設定し、難しい場面に到達すると、ゲーム状態を第2進行態様でのゲームの進行が可能な第2状態に設定する。すなわち、ゲーム状態の切り替えは、難しい場面のプレイ中であるか否かに応じて自動的に(換言すると、ユーザの操作を介することなく)行われる。
【0169】
この麻雀ゲームの例については、例えば、操作対象オブジェクトとしての手牌(例えば、14牌)のうちの特定の牌と、所定のオブジェクトとしての特定の牌以外の牌(例えば、他の13牌)との関係性が、同一種類(例えば、萬子、筒子または索子等)の牌の数が所定数以上となる場合にゲーム状態が第2状態となり、所定数以上とならない場合にゲーム状態が第1状態となることとしてもよい。なお、第2状態においては、自動で捨て牌を選択することを指示するボタンが表示部18の画面上に表示され、ユーザが当該ボタンに対する操作を行うことで、第2進行態様でのゲームの進行がされることとしてもよい。また、第2状態においては、ユーザからの操作が無く所定時間が経過すると、自動で捨て牌が選択される第2進行態様でのゲームの進行がされることとしてもよい。なお、このような、特定の操作対象オブジェクトと他の操作対象オブジェクトとの関係性と、ゲーム状態と、の対応関係は、当該関係性となっているか否かをゲーム進行部113が直接的に判定することにより実現してもよく、異なる処理によって実現してもよい。
【0170】
(シューティングゲームへの適用)
例えば、操作対象オブジェクトとしてのプレイヤキャラクタ(換言すると、自機)を動かして、ステージクリアを目指すシューティングゲームに、本実施形態に係る構成を適用することもできる。
【0171】
具体的には、ゲーム中において難しい場面に到達するまでは第1進行態様でゲームを進行させ、難しい場面に到達すると、第2進行態様でゲームを進行させるようにしてもよい。
【0172】
ここで、第1進行態様は、例えば、プレイヤキャラクタの移動および敵キャラクタへの攻撃をユーザが手動で行うゲームの進行態様である。これに対し、第2進行態様は、例えば、第1進行態様においてユーザが手動で行う操作のうちの少なくとも一部が自動で行われるゲームの進行態様としてもよい。具体的には、敵キャラクタの弾をプレイヤキャラクタが躱す動き、敵キャラクタをプレイヤキャラクタが攻撃する動き、または敵キャラクタに照準を定める動き等の、第1進行態様においてはユーザの操作を介して行う動きを、第2進行態様においてはユーザの操作を介さずに行うこととしてもよい。すなわち、第2進行態様は、ゲーム進行部113が、ユーザの操作をアシストする処理であって、第1進行態様において実行されない処理を行う進行態様ということもできる。
【0173】
ゲーム進行部113は、ステージ中の難しい場面に到達するまではゲーム状態を第1進行態様でのゲームの進行が可能な第1状態に設定し、難しい場面に到達すると、ゲーム状態を第2進行態様でのゲームの進行が可能な第2状態に設定する。すなわち、ゲーム状態の切り替えは、難しい場面のプレイ中であるか否かに応じて自動的に(換言すると、ユーザの操作を介することなく)行われる。
【0174】
このシューティングゲームの例については、操作対象オブジェクトとしてのプレイヤキャラクタと、所定のオブジェクトとしてのボスキャラクタとの関係性が、プレイヤキャラクタがボスキャラクタから所定範囲内に位置していないという関係性であるときにゲーム状態が第1状態となり、所定範囲内に位置しているという関係性であるときに、ゲーム状態が第2状態となるとしてもよい。また、操作対象オブジェクトとしてのプレイヤキャラクタと、所定のオブジェクトとしての敵の弾との関係性が、プレイヤキャラクタから所定範囲内に占める敵の弾の割合が所定割合以上となる関係性であるときに、ゲーム状態が第1状態となるとしてもよい。なお、このような、プレイヤキャラクタとボスキャラクタあるいは敵の弾との関係性と、ゲーム状態と、の対応関係は、当該関係性となっている否かをゲーム進行部113が直接的に判定することにより実現してもよく、異なる処理によって実現してもよい。
【0175】
(囲碁ゲームへの適用)
例えば、操作対象オブジェクトとしての石を盤上に置いていき勝利を目指す囲碁ゲームに、本実施形態に係る構成を適用することもできる。
【0176】
ここで、第1進行態様は、例えば、石をどこに置くかをユーザが選択してゲームを進める進行態様である。これに対し、第2進行態様は、例えば、ユーザの操作を介さずに石を置く場所が自動で選択されゲームが進行される進行態様としてもよい。
【0177】
ゲーム進行部113は、対局が終盤に到達するまではゲーム状態を第1進行態様でのゲームの進行が可能な第1状態に設定し、終盤に到達すると、ゲーム状態を第2進行態様でのゲームの進行が可能な第2状態に設定する。すなわち、ゲーム状態の切り替えは、対局の終盤であるか否かに応じて自動的に(換言すると、ユーザの操作を介することなく)行われる。すなわち、ゲーム状態の切り替えは、難しい場面に到達した場合に行われるものでなくてもよく、例えば、ゲームの終盤において行われるものとしてもよい。
【0178】
この囲碁ゲームの例については、操作対象オブジェクトとしてのユーザが置く石と、所定のオブジェクトとしての既に盤上に置かれた石との関係性が、所定の関係性となる場合に、ゲーム状態が第2状態となることとしてもよい。具体的には、操作対象オブジェクトとしての石を置ける箇所(例えば、有効な置き場所)が、既に盤上に置かれた石との関係で、所定数以下となる場合(例えば、取り得る択が所定数以下となる場合)に、ゲーム状態が第2状態となることとしてもよい。なお、このような、置く石と盤上の石との関係性と、ゲーム状態と、の対応関係は、当該関係性となっている否かをゲーム進行部113が直接的に判定することにより実現してもよく、異なる処理によって実現してもよい。
【0179】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、任意の構成要素の変形、または任意の構成要素の省略等が可能である。また、本明細書において説明した処理の流れはあくまで一例であり、各処理の順序や構成は異なるものであってもよい。
【0180】
<付記>
以上の実施形態で説明した事項は、以下の付記のようにも記載され得る。
【0181】
(付記1)
第1状態と第2状態との間でゲーム状態を移行制御させる制御部(例えば、制御部110)として、コンピュータを機能させ、
前記第1状態は、所定の目標の達成を目指すゲームを、オブジェクトに所定の作用を与えるユーザの操作に基づいて進行させる第1進行態様で進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記第2状態は、前記第1進行態様に比べ、前記ユーザの技量が前記所定の目標の達成に与える影響を低減させることが可能な第2進行態様で前記ゲームを進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記制御部は、前記オブジェクトと所定のオブジェクトとの関係性が所定の関係性となる場合に、ゲーム状態を前記第2状態にする
プログラム。
このような構成によれば、オブジェクトと所定のオブジェクトとの関係性に応じてゲーム状態を切り替えることが可能となり、場面に適した進行態様でのゲームを提供することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0182】
(付記2)
前記制御部は、前記オブジェクトが、前記所定のオブジェクトから所定の範囲内に移動する場合に、ゲーム状態を前記第1状態と前記第2状態とのうちの一方から他方へ移行させる
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、オブジェクトが所定のオブジェクトから所定の範囲内に移動し、マニュアルプレイでのゲームの進行が適した場面となる場合、あるいは、オートプレイでのゲームの進行が適した場面となる場合に、場面に適した進行態様でのゲームを提供することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0183】
(付記3)
前記制御部は、前記ゲーム中において難易度の高い場面に移行する際に、ゲーム状態を前記第1状態と前記第2状態とのうちの一方から他方へ移行させる
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、難易度の高い場面に移行する際にマニュアルプレイからオートプレイに切り換えることで難易度の高い場面におけるユーザのプレイを補助すること、あるいは、難易度の高い場面に移行する際にオートプレイからマニュアルプレイに切り換えることで難易度の低い場面について手軽なプレイを可能とすることができ、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0184】
(付記4)
前記第2進行態様は、前記第1進行態様において前記オブジェクトに前記所定の作用を与える前記ユーザの操作の少なくとも一部を要さずに前記ゲームを進行させる進行態様であって、前記オブジェクトに与える前記所定の作用に関する所定の抽選の結果に基づいて前記ゲームを進行させる進行態様である
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させる第1進行態様と、所定の抽選の結果に基づいてゲームを進行させる第2進行態様とで、異なるゲーム性を持たせることができ、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0185】
(付記5)
前記第2状態は、前記第1進行態様で前記ゲームを進行させるか、前記第2進行態様で前記ゲームを進行させるかを、前記ユーザの操作に基づいて決定することが可能なゲーム状態である
付記1~4のいずれか1つに記載のプログラム。
このような構成によれば、第2状態について、オートプレイでのゲームの進行だけでなく、マニュアルプレイでのゲームの進行が可能となり、多様なプレイが可能となるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0186】
(付記6)
第1状態と第2状態との間でゲーム状態を移行制御させる制御部(例えば、制御部110)を備え、
前記第1状態は、所定の目標の達成を目指すゲームを、オブジェクトに所定の作用を与えるユーザの操作に基づいて進行させる第1進行態様で進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記第2状態は、前記第1進行態様に比べ、前記ユーザの技量が前記所定の目標の達成に与える影響を低減させることが可能な第2進行態様で前記ゲームを進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記制御部は、前記オブジェクトと所定のオブジェクトとの関係性が所定の関係性となる場合に、ゲーム状態を前記第2状態にする
情報処理システム。
このような構成によれば、付記1に記載のプログラムと同様の作用効果を奏することができる。
【0187】
(付記7)
第1状態と第2状態との間でゲーム状態を移行制御させる制御部(例えば、制御部110)を備え、
前記第1状態は、所定の目標の達成を目指すゲームを、オブジェクトに所定の作用を与えるユーザの操作に基づいて進行させる第1進行態様で進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記第2状態は、前記第1進行態様に比べ、前記ユーザの技量が前記所定の目標の達成に与える影響を低減させることが可能な第2進行態様で前記ゲームを進行させることが可能なゲーム状態であり、
前記制御部は、前記オブジェクトと所定のオブジェクトとの関係性が所定の関係性となる場合に、ゲーム状態を前記第2状態にする
情報処理装置。
このような構成によれば、付記1に記載のプログラムと同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0188】
1 ゲームシステム、10 端末装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、16 タッチスクリーン、17 入力部、18 表示部、20 サーバ、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、30 ゲーム空間、31 ボール、32 カップ、33 プレイヤキャラクタ、110 制御部、111 操作受付部、112 送受信部、113 ゲーム進行部、114 表示制御部、120 記憶部、210 制御部、211 送受信部、212 サーバ処理部、213 データ管理部、214 同期処理部、220 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9