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特開2024-43472MSAでの呼び出し関係の追跡およびこれによるログ情報のディスプレイ方法
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  • 特開-MSAでの呼び出し関係の追跡およびこれによるログ情報のディスプレイ方法 図1
  • 特開-MSAでの呼び出し関係の追跡およびこれによるログ情報のディスプレイ方法 図2a
  • 特開-MSAでの呼び出し関係の追跡およびこれによるログ情報のディスプレイ方法 図2b
  • 特開-MSAでの呼び出し関係の追跡およびこれによるログ情報のディスプレイ方法 図3
  • 特開-MSAでの呼び出し関係の追跡およびこれによるログ情報のディスプレイ方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043472
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】MSAでの呼び出し関係の追跡およびこれによるログ情報のディスプレイ方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/32 20060101AFI20240322BHJP
   G06F 11/07 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
G06F11/32 130
G06F11/07 140A
G06F11/07 175
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034859
(22)【出願日】2023-03-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0117143
(32)【優先日】2022-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】523083436
【氏名又は名称】オープンマル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】OPENMARU, INC.
【住所又は居所原語表記】31, Ttukseom-ro 1-gil Seondong-gu, Seoul, 04778 REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】キム・ヨンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ジュンシク
(72)【発明者】
【氏名】イ・ギュヨン
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042GA12
5B042GA19
5B042KK07
5B042KK15
5B042MA08
5B042MC35
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】本発明は、MSAでの呼び出し関係の追跡およびこれによるログ情報のディスプレイ方法に関する。
【解決手段】本発明は、マイクロサービスアーキテクチャーで多数のアプリケーションによる全体のサービスが提供される過程中に問題が発生した場合、どのステップのサービスで問題が発生したかを容易に把握するように構成された方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のアプリケーションで構成されたマイクロサービスアーキテクチャーが構築されたサーバで、前記多数のアプリケーション間の呼び出し関係を追跡し、呼び出し関係に関するログ情報をディスプレイする方法であって、
(a)前記多数のアプリケーションのうち第1アプリケーションが呼び出されるステップと、
(b)前記第1アプリケーションにインストールされた第1ログ収集エージェントで前記第1アプリケーションのログ情報が収集されるステップと、
(c)前記第1アプリケーションでのAPI(Application Programming Interface)呼び出しにより前記多数のアプリケーションのうち第2アプリケーションが呼び出されるステップと、
(d)前記第2アプリケーションにインストールされた第2ログ収集エージェントで前記第2アプリケーションのログ情報が収集されるステップと、
(e)前記(b)ステップで収集された前記第1アプリケーションのログ情報および前記(d)ステップで収集された前記第2アプリケーションのログ情報がログ収集サーバに転送され、転送された前記第1アプリケーションのログ情報および転送された前記第2アプリケーションのログ情報が前記ログ収集サーバのディスプレイ部でディスプレイされるステップとを含み、
前記第1ログ収集エージェントは、第1トランザクションID発行部、第1API呼び出し部、第1アプリケーションログ情報収集部、第1ログ情報転送部および第1parentトランザクションID受信部を含み、
前記第2ログ収集エージェントは、第2トランザクションID発行部、第2API呼び出し部、第2アプリケーションログ情報収集部、第2ログ情報転送部および第2parentトランザクションID受信部を含み、
前記(b)ステップにおいて、前記第1アプリケーションが呼び出されることによって前記第1トランザクションID発行部でその呼び出しによる唯一の第1トランザクションIDが発行され、発行された前記第1トランザクションIDが前記第1アプリケーションログ情報収集部に収集され、
前記(c)ステップにおいて、前記第1アプリケーションの前記第1API呼び出し部で前記第2アプリケーションに対する呼び出しが行われ、この際、前記第1ログ収集エージェントで前記第1トランザクションIDがメッセージヘッダーに追加された状態で、前記第2アプリケーションに対する呼び出しが行われ、
前記(d)ステップにおいて、前記第2アプリケーションが呼び出されることによって前記第1トランザクションIDを前記第2parentトランザクションID受信部が受信し、parentトランザクションIDとして設定された状態で、前記第2トランザクションID発行部で唯一の第2トランザクションIDが発行され、前記parentトランザクションIDとして設定された第1トランザクションIDおよび発行された前記第2トランザクションIDが前記第2アプリケーションログ情報収集部に収集され、
前記(e)ステップにおいて、前記第1アプリケーションログ情報収集部に収集された前記第1トランザクションIDが前記第1ログ情報転送部を介して前記ログ収集サーバに転送され、前記第2アプリケーションログ情報収集部に収集された前記parentトランザクションIDとして設定された第1トランザクションIDおよび前記第2トランザクションIDが前記第2ログ情報転送部を介して前記ログ収集サーバに転送され、
前記(e)ステップにおいて、前記ディスプレイ部で前記多数のアプリケーションのログ情報がディスプレイされ、この際、前記第1ログ情報転送部を介して前記ログ収集サーバに転送された前記第1トランザクションIDと、前記第2ログ情報転送部を介して前記ログ収集サーバに転送された前記parentトランザクションIDとして設定された第1トランザクションIDおよび前記第2トランザクションIDに基づいて前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとの間の呼び出し関係が追跡され、前記第1トランザクションIDで識別される前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションの呼び出し関係による前記第1アプリケーションのログ情報および前記第2アプリケーションのログ情報が、前記多数のアプリケーションのログ情報で識別されるようにディスプレイされる、方法。
【請求項2】
前記ディスプレイ部で前記多数のアプリケーションのトポロジーがディスプレイされ、この際、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションが互いに連結された状態のトポロジーとして、前記第1トランザクションIDで識別される前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションの呼び出し関係に対するトポロジーがディスプレイされる、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロサービスアーキテクチャーで多数のアプリケーション間の呼び出し関係を追跡し、このような呼び出し関係によるログ情報をディスプレイする方法に関し、マイクロサービスアーキテクチャーで多数のアプリケーションによって全体のサービスが提供される過程中に問題が発生した場合、どのステップのサービスで問題が発生したかを容易に把握するように、サービスを実行する多数のアプリケーション間の呼び出し関係を追跡し、このような呼び出し関係によるアプリケーションのログ情報を容易に認識するようにディスプレイする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロサービスアーキテクチャー(MSA)とは、サーバに構築されている状態で一つの大きなアプリケーションまたはコンピュータサービスをそれぞれ特化した機能を担当する複数個のアプリケーションに分けて実現したアーキテクチャーを意味する。マイクロサービスアーキテクチャーでは、複数個のアプリケーションの変更と組み合わせにより全体のサービスを構成することから、従来のモノリシック(monolithic)アーキテクチャーに比べて、機能の追加、削除、または改善が自由である。
【0003】
従来技術によると、マイクロサービスアーキテクチャーを構成する多数のアプリケーションは、それぞれ機能別に分けられた状態で個別に実行され、このように実行されたアプリケーションのログ情報は、それぞれ別の記憶空間に記憶されている状況である。
【0004】
多数のアプリケーションの実行によって全体のサービスが提供される過程中に問題が発生することがある。
【0005】
一例として、オンラインショッピングモールにおいて所定の会員資格で顧客が商品を注文した時に、計算された金額が注文時に予想された金額とは異なって計算される問題が発生することがある。このような場合、会員資格を検証するサービスステップでの問題であるか、注文した商品の値段を認証するサービスステップでの問題であるか、金額を計算するサービスステップでの問題であるか、それとも、他のサービスステップでの問題であるか確認したときに、発生した問題を解決することができる。
【0006】
全体のサービスは、多数のアプリケーションの実行により提供される。すなわち、ある一つのサービスが提供されるある一つのアプリケーションが実行され、次のステップのサービスが提供されるために、このようなアプリケーションでのAPI呼び出しに応じて次のステップのサービスを提供する他の一つのアプリケーションが呼び出されて実行される方式で全体のサービスが提供される。
【0007】
このような状況で、全体のサービスが提供される過程中に多数のアプリケーション間の呼び出し関係に関する情報が明確ではなく、別に記憶されているそれぞれのアプリケーションのログ情報からサービスが提供されて、生成されたログ情報のそれぞれを詳細に分析しなければならない不都合が伴われる。
【0008】
換言すれば、API呼び出しによるアプリケーション間の呼び出し関係が不明確な状況で、発生した問題がどのステップのサービスで発生したか把握するために、それぞれ分散して記憶された状態の多数のアプリケーションそれぞれのログ情報を追跡し分析する必要があるが、全体のサービスを提供する多数のアプリケーションのログ情報の全体をそれぞれ分析するには多くの時間と人力が必要となり、全体のログ情報をそれぞれ分析して上述の問題を見つけることは、ある程度限界がある状況である。
【0009】
さらに、多数のアプリケーションの実行による全体のログ情報を所定の時間範囲に限定してディスプレイされるように実現するとしても、如何なるログ情報と如何なるログ情報が互いに呼び出し関係によるログ情報であるか分からない状態であるため、ログ情報が分析されて問題点が把握されるとしても、どの呼び出し関係によるログ情報であるか分からない状態でディスプレイされるため、把握した問題が最初に見つけようとする問題であるか正確に分からない状態でディスプレイされるという問題がある。
【0010】
したがって、全体のサービスが提供されるように多数のアプリケーションが実行されながら発生する問題がどのステップのサービスで発生したかを容易に把握することができる技術的特徴に関する研究が切実に必要とされる状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2337962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述の従来技術による問題を解決すべく、全体のサービスが提供される際に、多数のアプリケーションが実行されながら発生する問題がどのステップのサービスで発生したかを容易に把握することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の従来技術による問題を解決するための方法は、多数のアプリケーションで構成されたマイクロサービスアーキテクチャーが構築されたサーバで、前記多数のアプリケーション間の呼び出し関係を追跡し、呼び出し関係に関するログ情報をディスプレイする方法であって、(a)前記多数のアプリケーションのうち第1アプリケーションが呼び出されるステップと、(b)前記第1アプリケーションにインストールされた第1ログ収集エージェントで前記第1アプリケーションのログ情報が収集されるステップと、(c)前記第1アプリケーションでのAPI(Application Programming Interface)呼び出しにより前記多数のアプリケーションのうち第2アプリケーションが呼び出されるステップと、(d)前記第2アプリケーションにインストールされた第2ログ収集エージェントで前記第2アプリケーションのログ情報が収集されるステップと、(e)前記(b)ステップで収集された前記第1アプリケーションのログ情報および前記(d)ステップで収集された前記第2アプリケーションのログ情報がログ収集サーバに転送され、転送された前記第1アプリケーションのログ情報および転送された前記第2アプリケーションのログ情報が前記ログ収集サーバのディスプレイ部でディスプレイされるステップとを含み、
前記(e)ステップにおいて、前記(c)ステップでのAPI呼び出しによる前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションの呼び出し関係による前記第1アプリケーションのログ情報および前記第2アプリケーションのログ情報が識別されるようにディスプレイされることができる。
【0014】
好ましくは、前記(b)ステップにおいて、前記第1アプリケーションが呼び出されることによって前記第1ログ収集エージェントで第1トランザクションIDが発行され、
前記(c)ステップにおいて、前記(b)ステップで発行された第1トランザクションIDに関する情報が含まれた状態のAPIが呼び出されて、前記第2ログ収集エージェントが、前記第1トランザクションIDに関する情報を受信することができる。
【0015】
好ましくは、前記(d)ステップにおいて、収集される前記第2アプリケーションのログ情報は、前記(c)ステップでのAPI呼び出しによって行われたログに関する情報として、前記第1トランザクションIDで識別されるログ情報を含むことができる。
【0016】
好ましくは、前記(e)ステップにおいて、前記第1トランザクションIDとともに前記第1トランザクションIDで識別される前記第1アプリケーションのログ情報および前記第2アプリケーションのログ情報が前記ログ収集サーバに転送されることができる。
【0017】
好ましくは、前記ディスプレイ部で前記多数のアプリケーションのトポロジーがディスプレイされ、この際、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションが互いに連結された状態のトポロジーとして、前記第1トランザクションIDで識別される前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションの呼び出し関係に対するトポロジーがディスプレイされ、
前記ディスプレイ部で前記多数のアプリケーションのログ情報がディスプレイされ、この際、前記第1トランザクションIDで識別される前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションの呼び出し関係による前記第1アプリケーションのログ情報および前記第2アプリケーションのログ情報が前記多数のアプリケーションのログ情報で識別されるようにディスプレイされることができる。
【発明の効果】
【0018】
上述の課題を解決するための手段により、全体のサービスが提供される際に、多数のアプリケーション間の呼び出し関係が追跡されることができ、さらには、このような呼び出し関係によるログ情報が全体のログ情報で識別されるようにディスプレイされることができ、これにより、問題になるログ情報を把握し、問題になるログ情報が生成された呼び出し関係が特定されることができ、どのサービスステップで問題が発生したか容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明によるマイクロサービスアーキテクチャーを概念的に図示した図である。
図2a】本発明によるマイクロサービスアーキテクチャーを概念的に図示した図である。
図2b】本発明によるマイクロサービスアーキテクチャーを概念的に図示した図である。
図3】ログ収集エージェントからログ収集サーバに転送されるログメッセージに含まれる内容を概略的に図示した図である。
図4】本発明によって呼び出し関係が追跡される状態を概略的に図示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明による方法の好ましい実施形態について、添付の図面を参照して説明する。この過程で、図面に図示されている線の厚さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜性のために誇張して図示されることがある。また、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であり、これは、ユーザまたは運用者の意図または慣例に応じて変化し得る。そのため、このような用語に対する定義は、本明細書の全般にわたる内容に基づいて定めるべきである。
【0021】
図1図3を参照して、多数のアプリケーションで構成されたマイクロサービスアーキテクチャーが構築されたサーバにおいて、多数のアプリケーション間の呼び出し関係を追跡し、このような呼び出し関係に関するログ情報をディスプレイする方法を実行する装置について説明する。
【0022】
マイクロサービスアーキテクチャーは、多数のアプリケーションで構成されており、全体のサービスが提供されるために、多数のアプリケーションが実行される。
【0023】
本発明によるマイクロサービスアーキテクチャーは、多数のアプリケーション、それぞれのアプリケーションにインストールされたログ収集エージェントおよびログ収集エージェントで収集されたアプリケーションのログ情報をネットワークを介して転送されるログ収集サーバを含むことができる。
【0024】
それぞれのログ収集エージェントは、トランザクションID発行部、アプリケーションログ情報収集部、API呼び出し部、ログ情報転送部、parentトランザクションID受信部を含むことができる。
【0025】
トランザクションID発行部では、ログ収集エージェントがインストールされたアプリケーションが呼び出されることによって唯一のトランザクションIDが発行されることができる。したがって、ユーザ呼び出しに応じて、または他のアプリケーションのAPI呼び出しに応じて当該アプリケーションが呼び出される場合、トランザクションID発行部でその呼び出しによる唯一のトランザクションIDが発行されることができる。
【0026】
アプリケーションログ情報収集部では、当該アプリケーションのログ、トランザクションID発行部で発行した唯一のトランザクションID、サーバIP、Instance ID、Client IP、ログインしたユーザID、Session IDなどの情報が収集されることができ、収集された情報は、ログ情報転送部を介してログ収集サーバに転送されることができる。アプリケーションで使用するLogging Frameworkで残すログおよびサーバIP、Instance ID、ログインしたユーザIDなどの情報をアプリケーションの変更なしにエージェントが収集するように、Java言語の場合、Java Agent Services(JSR 87)技術が使用されることができる。
【0027】
API呼び出し部では、次のステップのサービスが提供されるアプリケーションに対する呼び出しが行われ、ここで、現在実行中のアプリケーションのトランザクションID発行部で発行された唯一のトランザクションIDがメッセージヘッダーにアプリケーション変更なしにエージェントで自動追加された状態で、API呼び出しが行われることができる。
【0028】
parentトランザクションID受信部では、前のステップのサービスを提供するアプリケーションの唯一のトランザクションIDを受信し、これをparentトランザクションIDとして設定した状態で、アプリケーションログ情報収集部で当該アプリケーションのログ情報が収集されることができる。すなわち、アプリケーションが呼び出される場合、トランザクションID発行部で発行された唯一のトランザクションIDとAPI呼び出しによって受信したparentトランザクションIDが設定された状態でログ情報が収集されることができる。
【0029】
一例として、第1アプリケーションのAPI呼び出しに応じて第2アプリケーションが呼び出される場合、第1アプリケーションにインストールされた第1ログ収集エージェントのトランザクションID発行部で発行した第1トランザクションIDを、第2アプリケーションの第2ログ収集エージェントのparentトランザクションID受信部が受信する。この際、第2ログ収集エージェントでは、呼び出しによる第2トランザクションIDが発行され、さらには、第1トランザクションIDがparentトランザクションIDとして設定された状態で、ログ情報に対する収集が行われることができる。
【0030】
再度、第2アプリケーションのAPI呼び出しに応じて第3アプリケーションが呼び出される場合、第2アプリケーションにインストールされた第2ログ収集エージェントのトランザクションID発行部で発行した第2トランザクションIDを、第3アプリケーションの第3ログ収集エージェントのparentトランザクションID受信部が受信する。この際、同様に、第3ログ収集エージェントでは、呼び出しによる第3トランザクションIDが発行され、さらには、第2トランザクションIDがparentトランザクションIDとして設定された状態で、ログ情報に対する収集が行われることができる。
【0031】
このような方式で、第1アプリケーションと第2アプリケーションの呼び出し関係、第2アプリケーションと第3アプリケーションの呼び出し関係、これによる第1アプリケーション、第2アプリケーションおよび第3アプリケーション間の呼び出し関係が把握されることができる。
【0032】
ログ情報転送部は、収集されたログ情報などがログ収集サーバに転送されるようにする。ログ情報がログ収集サーバに転送される際に、呼び出し関係、サーバIPまたはClient IDなどによるログ情報が識別されるように、図3に図示されているような情報がメッセージヘッダーに追加されて転送されることができる。
【0033】
ログ収集サーバは、ログ情報の受信/記録部、ディスプレイ部およびログ情報記憶部を含むことができる。
【0034】
ログ情報の受信/記録部では、アプリケーションそれぞれのログ収集エージェントで収集したログ情報を受信し、ログ情報記憶部に記録して記憶する。
【0035】
ディスプレイ部では、ログ情報記憶部に記憶されたログ情報がディスプレイされ、この際、ユーザが希望する様々な形態でディスプレイされることができる。
【0036】
ディスプレイ方式の一例を図示した図4に図示されているように、ディスプレイ部で多数のアプリケーションのトポロジーがディスプレイされ、この際、呼び出し関係にある多数のアプリケーションが互いに連結された状態のトポロジーがディスプレイされることができる。すなわち、FrontアプリケーションのAPI呼び出しによってBillアプリケーションが呼び出され、また、BillアプリケーションのAPI呼び出しによってSupportアプリケーションとCustomerアプリケーションが呼び出された状態の呼び出し関係トポロジーがディスプレイされることができる。これと共に、FrontアプリケーションからUserアプリケーションへ、また、UserアプリケーションからERPアプリケーションへの呼び出し関係トポロジーがディスプレイされることができる。
【0037】
このような呼び出し関係トポロジーは、呼び出すアプリケーションのログ収集エージェントで発行されたトランザクションIDと、呼び出されたアプリケーションがこれを受信してparentトランザクションIDとして設定し、さらには、呼び出されたアプリケーションのログ収集エージェントで発行された自体トランザクションIDが発行されるようにし、また、次に呼び出されたアプリケーションが前に呼び出したアプリケーションのトランザクションIDを受信してparentトランザクションIDとして設定し、呼び出されたアプリケーションのログ収集エージェントでまた自体トランザクションIDが発行された状態で、このようなアプリケーションそれぞれのトランザクションIDの連結関係を追跡して形成された呼び出し関係トポロジーであることができる。
【0038】
さらに、このようなアプリケーションそれぞれのトランザクションIDとともに、呼び出しログ、実行ログなど、アプリケーションそれぞれのログ情報とともにログ収集サーバに転送されることから、呼び出し関係トポロジーでアプリケーションがクリックされると、当該アプリケーションの呼び出し関係によるログ情報がディスプレイ部でディスプレイされることができる。
【0039】
さらに他のディスプレイ方式の一例を説明すると、多数のアプリケーションでの実行により提供される全体のサービスで生成されたログ情報がリアルタイムでディスプレイされることができる。全体のサービスで生成されたログ情報のうち特定のサーバIPまたはClient IDなどによる当該ログ情報のみディスプレイされ得、さらには、インデントまたは色相などを用いて、特定の呼び出し関係が識別されるようにディスプレイされることができる。または、所定の呼び出し関係のみを特定し、所定の呼び出し関係によるログ情報のみディスプレイされ得ることは言うまでもない。
【0040】
さらに他のディスプレイ方式の一例を説明すると、全体のサービスで生成されたログ情報が時間順にディスプレイされると、同時に呼び出されるアプリケーションのログ情報がともにディスプレイされてログ情報の区分が難しいため、容易に区分されるようにするために、全体のサービスで生成されたログ情報がそれぞれのアプリケーション別にグルーピングされてディスプレイされることができる。
【0041】
さらに、トランザクションIDで識別される呼び出し関係別にグルーピングされてディスプレイされ得ることは言うまでもない。
【0042】
このようなトランザクションIDで識別される呼び出し関係および呼び出し関係によるログ情報が様々なディスプレイ方式で容易に区分されることにより、どのステップのサービスで問題が発生したか容易に把握することができる。
【0043】
マイクロサービスアーキテクチャーで多数のアプリケーション間の呼び出し関係を追跡し、このような呼び出し関係によるログ情報をディスプレイする方法について説明する。
【0044】
1.多数のアプリケーションのうち第1アプリケーションが呼び出されるステップ
全体のサービスが提供されるために多数のアプリケーションが実行される際に、ある一つのアプリケーションの実行とともにAPI(Application Programming Interface)呼び出しによって他のアプリケーションが呼び出され得、他のアプリケーションの実行とともにAPI呼び出しによってさらに他のアプリケーションが呼び出され得るため、多数のアプリケーションの間には多数の呼び出し関係が成立されることができる。
【0045】
このような多数の呼び出し関係で、多数のアプリケーションのうち第1アプリケーションが呼び出されることができる。
【0046】
第1アプリケーションは、ユーザによって呼び出されるユーザインタフェースであり得、ユーザインタフェースではなく、全体のサービスのいずれか一つのサービスを提供するアプリケーションとして、ユーザインタフェースのAPI呼び出しによるアプリケーションであり得、全体のサービスのいずれか一つのサービスを提供するアプリケーションのAPI呼び出しによる他の一つのサービスを提供するアプリケーションであり得ることは言うまでもない。
【0047】
これにより、後述する第2アプリケーションは、第1アプリケーションのAPI呼び出しによるアプリケーションであることができる。
【0048】
2.第1アプリケーションのログ情報の収集および第1トランザクションIDの発行のステップ
第1アプリケーションが呼び出されることによって第1アプリケーションの第1ログ収集エージェントのトランザクションID発行部で第1トランザクションIDが発行され、第1ログ収集エージェントのログ情報収集部で呼び出しログ、実行ログなど、ログ情報が収集される。収集されるログ情報は、呼び出しログ、実行ログなどに関する情報として、第1トランザクションIDで識別されるログ情報を含むことができる。
【0049】
3.第1アプリケーションのAPI呼び出しによって第2アプリケーションが呼び出されるステップ
呼び出された第1アプリケーションが実行されるとともに、次のステップのサービスを提供するためにAPI呼び出しが行われ、このようなAPI呼び出しによって第2アプリケーションが呼び出される。
【0050】
ここで、第1アプリケーションの第1ログ収集エージェントのトランザクションID発行部で発行された第1トランザクションIDに関する情報がメッセージヘッダーに含まれた状態のAPI呼び出しが行われ、これにより、呼び出された第2アプリケーションの第2ログ収集エージェントのparentトランザクションID受信部が第1トランザクションIDを受信し、parentトランザクションIDとして設定される。第2アプリケーションが呼び出されることによって第2ログ収集エージェントのトランザクションID発行部で第2トランザクションIDが発行されることは言うまでもない。
【0051】
4.第2アプリケーションのログ情報が収集されるステップ
第2アプリケーションの第2ログ収集エージェントのログ情報収集部でログ情報が収集される。ここで、ログ情報には、API呼び出しによって行われたログに関する情報が含まれることができ、具体的には、API呼び出しによって受信されて設定されたparentトランザクションIDである第1トランザクションIDおよび第2トランザクションIDで識別されるログ情報が含まれることができる。
【0052】
5.トランザクションIDおよびログ情報がログ収集サーバに転送され、転送されたログ情報がディスプレイされるステップ
第1ログ収集エージェントのログ情報収集部で収集された前記第1アプリケーションのログ情報および第2ログ収集エージェントのログ情報収集部で収集された第2アプリケーションのログ情報がログ収集サーバに転送され、転送された第1アプリケーションのログ情報および第2アプリケーションのログ情報がログ収集サーバのディスプレイ部でディスプレイされることができる。
【0053】
ログ収集サーバにログ情報が転送される際に、第1トランザクションIDとともに第1トランザクションIDで識別される第1アプリケーションのログ情報および第2アプリケーションのログ情報が転送されることができる。これにより、ログ収集サーバで呼び出し関係が追跡されることができ、追跡された呼び出し関係によるログ情報が識別される状態でディスプレイされることができる。
【0054】
ディスプレイ部では、ログ情報記憶部に記憶されたログ情報がディスプレイされ、この際、上述のように、ユーザが希望する様々な形態でディスプレイされることができる。
【0055】
以上、本明細書は、本発明を当業者が容易に理解し再現することができるように図面に図示した実施形態を参照して説明されているが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者であれば、本発明の実施形態から様々な変形および均等な他の実施形態が可能である点を理解することができる。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって定められなければならない。
図1
図2a
図2b
図3
図4