IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大和ハウス工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-異常判定システム 図1
  • 特開-異常判定システム 図2
  • 特開-異常判定システム 図3
  • 特開-異常判定システム 図4
  • 特開-異常判定システム 図5
  • 特開-異常判定システム 図6
  • 特開-異常判定システム 図7
  • 特開-異常判定システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043475
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】異常判定システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20240322BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049648
(22)【出願日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2022148635
(32)【優先日】2022-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】竹内 愛
(72)【発明者】
【氏名】梶 雄登
(72)【発明者】
【氏名】片岡 夏海
(72)【発明者】
【氏名】西口 絵里子
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086CA06
5C086CB27
5C086FA12
5C086FA15
5C086FA17
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA10
5C087AA12
5C087AA16
5C087AA19
5C087BB74
5C087DD03
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】対象者の異常を好適に判定可能な異常判定システムを提供する。
【解決手段】居室1における対象者の位置、及び、姿勢を検出可能な対象者検出センサ110と、前記居室1を分割するように設定された複数のエリアのうち前記対象者が存在するエリアと、前記対象者の姿勢と、に基づいて、前記対象者の初期異常の発生の有無を判定する第一異常判定処理を実行するサーバ130と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
居室における対象者の位置、及び、姿勢を検出可能な検出部と、
前記居室を分割するように設定された複数のエリアのうち前記対象者が存在するエリアと、前記対象者の姿勢と、に基づいて、前記対象者の第一の異常の発生の有無を判定する第一異常判定処理を実行する制御部と、
を具備する異常判定システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第一異常判定処理において、前記エリア及び前記対象者の姿勢の組み合わせと、前記第一の異常の発生の有無と、の関係が規定された異常判定テーブルに基づいて、前記第一の異常の発生の有無を判定する、
請求項1に記載の異常判定システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第一異常判定処理によって前記第一の異常が発生したと判定した場合、前記対象者の姿勢の継続時間に基づいて、前記対象者の第二の異常の発生の有無を判定する第二異常判定処理を実行する、
請求項1に記載の異常判定システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第一異常判定処理によって前記第一の異常が発生しておらず、かつ、正常でもないと判定した場合、前記対象者が存在する前記エリアと、前記対象者の姿勢の継続時間に基づいて、前記対象者の第三の異常の発生の有無を判定する第三異常判定処理を実行する、
請求項1に記載の異常判定システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記検出部による検出結果に基づいて前記対象者の身体の特定の部位の位置を算出し、当該特定の部位の位置に基づいて前記対象者の姿勢を判定する、
請求項1に記載の異常判定システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記対象者の前記特定の部位の高さ位置を算出し、当該特定の部位の高さ位置と所定の閾値とを比較することで前記対象者の姿勢を判定するものであり、
前記所定の閾値は、前記対象者の身長に基づいて決定される、
請求項5に記載の異常判定システム。
【請求項7】
前記制御部は、
報知手段を用いて判定結果の報知を行う、
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の異常判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者の異常の発生の有無を判定する異常判定システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象者の異常の発生の有無を判定する異常判定システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、「倒れた状態」及び「倒れていない状態」の多数の人体画像を予め学習し、学習した画像の特徴量と、検知対象となる人体の画像の特徴量と、を比較することで、検知対象となる人体の姿勢(「倒れた状態」か、「倒れていない状態」か)を判定する技術が開示されている。検知対象となる人が「倒れた状態」であることを検出した場合、その人に異常(転倒)が発生していると判断することができる。
【0004】
しかしながら、例えば「倒れた状態」が検出された場合であっても、その検知対象となる人が存在する場所によっては、異常が発生したとは言えない場合がある。例えば、寝具(布団)が配置されている場所で人が「倒れた状態」となっている場合には、当該人は単に寝ている状態であり、異常が発生していない可能性もある。したがって、対象となる人の位置に応じて、より好適に異常を判定することが可能な技術が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】再表2014-010203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、対象者の異常を好適に判定可能な異常判定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、居室における対象者の位置、及び、姿勢を検出可能な検出部と、前記居室を分割するように設定された複数のエリアのうち前記対象者が存在するエリアと、前記対象者の姿勢と、に基づいて、前記対象者の第一の異常の発生の有無を判定する第一異常判定処理を実行する制御部と、を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記制御部は、前記第一異常判定処理において、前記エリア及び前記対象者の姿勢の組み合わせと、前記第一の異常の発生の有無と、の関係が規定された異常判定テーブルに基づいて、前記第一の異常の発生の有無を判定するものである。
【0010】
請求項3においては、前記制御部は、前記第一異常判定処理によって前記第一の異常が発生したと判定した場合、前記対象者の姿勢の継続時間に基づいて、前記対象者の第二の異常の発生の有無を判定する第二異常判定処理を実行するものである。
【0011】
請求項4においては、前記制御部は、前記第一異常判定処理によって前記第一の異常が発生しておらず、かつ、正常でもないと判定した場合、前記対象者が存在する前記エリアと、前記対象者の姿勢の継続時間に基づいて、前記対象者の第三の異常の発生の有無を判定する第三異常判定処理を実行するものである。
【0012】
請求項5においては、前記制御部は、前記検出部による検出結果に基づいて前記対象者の身体の特定の部位の位置を算出し、当該特定の部位の位置に基づいて前記対象者の姿勢を判定するものである。
【0013】
請求項6においては、前記制御部は、前記対象者の前記特定の部位の高さ位置を算出し、当該特定の部位の高さ位置と所定の閾値とを比較することで前記対象者の姿勢を判定するものであり、前記所定の閾値は、前記対象者の身長に基づいて決定されるものである。
【0014】
請求項7においては、前記制御部は、報知手段を用いて判定結果の報知を行うものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
本発明においては、対象者の異常を好適に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る異常判定システム、及び、異常判定システムが適用された居室の全体的な構成を示した模式図。
図2】対象者の姿勢と点群データの分布との関係の一例を示した図。
図3】異常判定テーブルの一例を示した図。
図4】異常判定システムによる異常判定処理の内容を示したフローチャート。
図5図4の続きを示すフローチャート。
図6】対象者の姿勢と点群データの分布との関係の別例を示した図。
図7】身長の異なる対象者の胸部の位置と、閾値を比較した図。
図8】異常判定システムによる異常判定処理の内容の別例を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、図1を用いて、本発明の一実施形態に係る異常判定システム100について説明する。
【0019】
異常判定システム100は、対象者の異常(特に本実施形態では、転倒)の発生の有無を判定(以下、単に「異常判定」とも称する)するものである。まず、本実施形態で想定している対象者、及び、当該対象者の居室1の一例について説明する。
【0020】
本実施形態では、異常判定システム100による異常判定の対象となる人(以下、「対象者」と称する)として、転倒し易く、また、転倒による危険性(病気や怪我の重症化の可能性)の高い高齢者を想定している。また、本実施形態では、異常判定システム100を、高齢者施設における対象者の居室1に適用することを想定している。
【0021】
図1には、対象者の居室1の一例を示している。居室1には、ベッド10、ダイニングテーブル20、ダイニングチェア30及びトイレ40等が設置されている。トイレ40が配置される空間は、隔壁41によってその他の空間と区画されている。
【0022】
次に、異常判定システム100の構成について説明する。異常判定システム100は、主として対象者検出センサ110、スタッフ端末120及びサーバ130を具備する。
【0023】
対象者検出センサ110は、対象者の位置及び姿勢を検出するためのものである。対象者検出センサ110は、非接触式のセンサである。本実施形態では、対象者検出センサ110として、ミリ波センサを用いている。対象者検出センサ110は、ミリ波(波長が1~10mm、周波数が30~300GHzの電波)を対象物に照射し、反射された電波を観測することで、対象物の位置、速度、角度等を測定することができる。
【0024】
本実施形態では、対象者検出センサ110は、居室1の壁に設置され、居室1全域に電波を照射することができる。ミリ波は直進性が高く、薄い壁等を透過することができるため、トイレ40(隔壁41の内側)や物陰の対象者も検出することができる。なお、本実施形態では、1つの対象者検出センサ110で居室1全域を検出する例を示しているが、必要に応じて複数の対象者検出センサ110を用いてもよい。
【0025】
スタッフ端末120は、異常判定システム100による判定結果等を報知するためのものである。スタッフ端末120としては、例えばパーソナルコンピュータを用いることができる。スタッフ端末120は、対象者の生活の手助け(介助、介護等)を行う人が確認可能な場所に設置される。本実施形態では、例えば高齢者施設のスタッフの詰所に配置することができる。スタッフ端末120のモニタに各種の情報を表示させることで、当該情報をスタッフに報知することができる。なお、スタッフ端末120としては、その他種々の機器(例えば、携帯型端末等)を用いることも可能である。
【0026】
サーバ130は、異常判定に関する処理を行うためのものである。サーバ130は、クラウドサーバにより構成される。サーバ130は、対象者検出センサ110及びスタッフ端末120との間で相互に情報をやり取りすることができる。
【0027】
サーバ130は、対象者検出センサ110により得られたデータに基づいて、対象者の位置及び姿勢を判断することができる。具体的には、サーバ130は、反射された電波に基づいて得られた点群データのうち、動きのあるデータが人(本実施形態では、対象者)であると判断することができる。特に本実施形態ではミリ波センサを用いているため、対象者の微細な動きまで精度良く検出することができる。サーバ130は、動きのあるデータのみを抽出し、居室1における当該データの位置を対象者の位置であると判断することができる。またサーバ130は、動きのあるデータのみを抽出し、その分布を確認することで、対象者が立っている(立位)、座っている(座位)、横たわっている(臥位)など、対象者の姿勢を判断することができる。
【0028】
図2には、対象者の姿勢(立位、座位、臥位)と点群データの分布との関係の一例を示している。図中の棒グラフは、高さ方向に沿った点群データの反射強度の大きさを示している。動きが大きく、かつ、反射面積が大きいほど、点群データの反射強度は大きくなる。
【0029】
図に示すように、対象者の姿勢に応じて、高さ方向における点群データの分布範囲が異なっている。このような分布範囲の違いから、対象者の姿勢を判断することができる。例えば、分布範囲が比較的広く、分布中の比較的高い位置における反射強度が大きい場合、対象者が立位であると判断することができる。また、分布範囲が中程度の広さである場合、対象者がいすに座っている(座位(いす))と判断することができる。また、分布範囲が比較的狭く、分布が床付近の低い位置に集中している場合、対象者が床に横たわっている(臥位(床))と判断することができる。また、分布範囲が比較的狭く、分布が床から離れた位置(ベッド10の高さ)に集中している場合、対象者がベッド10の上で横たわっている(臥位(ベッド))と判断することができる。また、図示していないが、分布範囲が座位(いす)より狭く、かつ臥位(床)より広い場合、対象者が床に座っている(座位(床))と判断することができる。
【0030】
なお、上述の対象者の姿勢の判断基準は一例であり、対象者の姿勢を判断するための判断基準は任意に設定することができる。
【0031】
サーバ130には、居室1を複数に分割したエリアの位置情報が予め記憶されている。本実施形態では、図1に示すように、家具等の配置に応じて、ベッドエリアA、ダイニングエリアB、トイレエリアC及びその他のエリアDが設定されている。
【0032】
ベッドエリアAは、ベッド10が配置されるエリアである。ベッドエリアAは、例えば平面視でベッド10よりも一回り大きい範囲となるように設定される。同様に、ダイニングテーブル20及びダイニングチェア30が配置されるエリアに、ダイニングエリアBが設定される。トイレエリアCは、隔壁41で囲まれた範囲に設定される。居室1のうち、ベッドエリアA、ダイニングエリアB及びトイレエリアC以外のエリアが、その他のエリアDとして設定される。なお、上記各エリアは一例であり、居室1に配置される家具等に応じて任意にエリアを設定することが可能である。
【0033】
サーバ130には、エリアと対象者の姿勢との組み合わせに応じて異常(転倒)の有無を判定するための異常判定テーブルが予め記憶されている。図3には、異常判定テーブルの一例を示している。
【0034】
本実施形態に係る異常判定テーブルでは、対象者が立っている姿勢(立位)の場合、対象者がどのエリアにいても、対象者は正常である(転倒していない)と判定するように設定されている。
【0035】
また、本実施形態に係る異常判定テーブルでは、対象者がダイニングエリアBにいる状態でいすに座っている姿勢(座位(いす))の場合、ダイニングチェア30に着座していると推定されるため、対象者は正常である(転倒していない)と判定するように設定されている。一方、対象者がベッドエリアA、トイレエリアC及びその他のエリアDで座位(いす)の姿勢の場合、後述する時間計測が必要であると判定するように設定されている。なお、時間計測については後述する。
【0036】
また、本実施形態に係る異常判定テーブルでは、対象者が床に座っている姿勢(座位(床))の場合、対象者がどのエリアにいても、対象者に異常が発生している(転倒している)と判定するように設定されている。
【0037】
また、本実施形態に係る異常判定テーブルでは、対象者がベッドエリアAにいる状態で、ベッド10の高さに横たわっている姿勢(臥位(ベッド))の場合、ベッド10の上で寝ていると推定されるため、対象者は正常である(転倒していない)と判定するように設定されている。一方、対象者がダイニングエリアB、トイレエリアC及びその他のエリアDで臥位(ベッド)の姿勢の場合、ベッド10が配置されていないエリアでベッド10の高さ(床から浮いた位置)に横たわった姿勢となるのは不可能であるため、何らかのエラー(対象者検出センサ110の故障等)が発生していると判定するように設定されている。
【0038】
また、本実施形態に係る異常判定テーブルでは、対象者が床に横たわっている姿勢(臥位(床))の場合、対象者がどのエリアにいても、対象者に異常が発生している(転倒している)と判定するように設定されている。
【0039】
以下では、上述の如く構成された異常判定システム100によって、対象者の異常を判定する方法(以下、「異常判定処理」とも称する)の概略を説明する。
【0040】
まずサーバ130は、対象者検出センサ110から得られた対象者の位置(エリア)及び姿勢を、異常判定テーブル(図3参照)と照合し、「異常」の有無や、「時間計測」の要否、「エラー」の有無等の判定を行う。以下では便宜上、この異常判定テーブルを用いて判定される異常を「初期異常」と称する。
【0041】
サーバ130は、初期異常が発生していると判定した場合、時間計測を開始し、所定の時間(例えば、10秒)以上初期異常が検出され続けた場合に、「異常」であると判定し、スタッフ端末120を用いて高齢者施設のスタッフに異常が発生したことを報知する。以下では便宜上、この時間計測によって判定される異常を「継続異常」と称する。
【0042】
一方サーバ130は、初期異常が所定の時間(例えば、10秒)以上継続しない場合には、継続異常とは判定せず、スタッフへの報知も行わない。この場合、サーバ130は、初期異常を検知したこと(具体的には、初期異常の発生日時、場所等)を記録に残し、後からスタッフがその記録を確認できるようにする。
【0043】
また、サーバ130は、対象者検出センサ110の検出結果を異常判定テーブルと照合した結果、時間計測が必要であると判定した場合、当該対象者の姿勢が、そのエリアに応じて定められた時間だけ継続するか否かを判定する。本実施形態では、ベッドエリアA、トイレエリアC及びその他のエリアDで対象者が座位(いす)の姿勢であることが検出された場合に、時間計測が必要であると判定するように設定されている(図3参照)。
【0044】
ここで、本実施形態では、ダイニングチェア30はダイニングエリアBに配置されているものと想定しているため、原則的には、ダイニングエリアB以外のエリアで対象者がダイニングチェア30に座ること(姿勢が座位(いす)になること)は想定していない。しかしながら、ダイニングエリアB以外のエリアで対象者の姿勢が座位(いす)となったとしても、直ちに異常が発生しているとは断定できないため、この場合に時間計測が必要であると判定するように設定されている。
【0045】
例えば、その他のエリアDで座位(いす)が検出された場合(以下、この場合を「ケース1」と称する)、対象者がダイニングチェア30をその他のエリアDへと移動させて座っている可能性がある。そこで本実施形態では、サーバ130は、ケース1の場合、時間計測を開始すると共に、対象者がダイニングチェア30を移動させた可能性があることをスタッフに報知する。なお、この場合は、異常の発生の可能性は低いと考えられるため、計測された時間に関わらず、異常(継続異常)であるとは判定しない。
【0046】
また、トイレエリアCで座位(いす)が検出された場合(以下、この場合を「ケース2」とする)、対象者がトイレ40に座っている可能性がある。そこで本実施形態では、サーバ130は、ケース2の場合、時間計測を開始し、座位(いす)の姿勢が所定時間(例えば、20分)以上検出され続けた場合に異常(継続異常)であると判定し、スタッフに異常が発生したことを報知する。
【0047】
また、ベッドエリアAで座位(いす)が検出された場合(以下、この場合を「ケース3」とする)、対象者がベッド10に座っている可能性がある。そこで本実施形態では、サーバ130は、ケース3の場合、時間計測を開始し、座位(いす)の姿勢が所定時間(例えば、20分)以上検出され続けた場合に異常(継続異常)であると判定し、スタッフに異常が発生したことを報知する。
【0048】
以下では図4及び図5を用いて、これまで説明した異常判定システム100による異常判定処理の具体的なフローチャートの概要を説明する。
【0049】
サーバ130は、対象者検出センサ110が居室1内で人(対象者)を検知した場合(ステップS101でYES)、対象者検出センサ110により得られたデータに基づいて、対象者の位置情報及び対象者の姿勢情報を抽出する(ステップS102、ステップS103)。すなわちサーバ130は、対象者が存在しているエリアと、対象者の姿勢を判定する。
【0050】
その後サーバ130は、スタッフ端末120のモニタに、現在の状況を表示させる(ステップS104)。具体的には、サーバ130は、対象者の位置(エリア)、姿勢をモニタに表示させる。またサーバ130は、後述する処理で判定される対象者の状態(正常、異常、エラー)、及び、後述する処理により計測されている時間をモニタに表示させる。
【0051】
次にサーバ130は、対象者の位置と姿勢を異常判定テーブル(図3参照)と照合し、「異常」の有無や、「時間計測」の要否、「エラー」の有無等の判定を行う。サーバ130は、判定結果が「正常」である場合(ステップS106でYES)には、後述する処理によるモニタの点滅を消し(ステップS107)、再度ステップS101の処理に戻る。
【0052】
サーバ130は、判定結果が「異常」(初期異常)である場合(ステップS108でYES)には、時間計測を開始する(ステップS109)。サーバ130は、対象者が「異常」の姿勢のまま所定の時間(図例では、10秒)が経過した場合(ステップS110でYES)、「異常」(継続異常)であると判定し(ステップS111)、スタッフ端末120のモニタに異常を知らせるメッセージ等を表示させてスタッフへアラートを通知する(ステップS112)。さらにサーバ130は、スタッフ端末120のモニタの表示色を変えると共に、点滅表示させる(ステップS113)。
【0053】
一方、サーバ130は、所定の時間(10秒)が経過する前に対象者の「異常」が解消された(「異常」以外の姿勢となった)場合(ステップS110でNO)、「異常」(初期異常)が発生したこと、並びに当該「異常」を計測した時間を記録し(ステップS114)、再度ステップS101の処理に戻る。
【0054】
またサーバ130は、判定結果が「時間計測」である場合(ステップS115でYES)、時間計測を開始する(ステップS116)。本実施形態では、前述のように、「時間計測」と判定される場合として、ケース1~ケース3を想定している。
【0055】
ケース1の場合(その他のエリアDで座位(いす)が検出された場合)、サーバ130は計測時間を記録し(ステップS117)、スタッフ端末120のモニタの表示色を変えると共に、点滅表示させる(ステップS113)。この点滅により、対象者がダイニングチェア30を移動させた可能性があることをスタッフに報知することができる。
【0056】
ケース2の場合(トイレエリアCで座位(いす)が検出された場合)、サーバ130は、対象者が「時間計測」の姿勢のまま所定の時間(図例では、20分)が経過した場合(ステップS118)、「異常」(継続異常)であると判定し(ステップS111)、スタッフ端末120のモニタに異常を知らせるメッセージ等を表示させてスタッフへアラートを通知する(ステップS112)。
【0057】
ケース3の場合(ベッドエリアAで座位(いす)が検出された場合)、サーバ130は、対象者が「時間計測」の姿勢のまま所定の時間(図例では、20分)が経過した場合(ステップS119)、「異常」(継続異常)であると判定し(ステップS111)、スタッフ端末120のモニタに異常を知らせるメッセージ等を表示させてスタッフへアラートを通知する(ステップS112)。
【0058】
なお、図示は省略しているが、ケース2及びケース3(ステップS118及びステップS119)で所定の時間(20分)が経過する前に対象者の「時間計測」が解消された(「時間計測」以外の姿勢となった)場合、対象者に特に異常はないと考えられるため、サーバ130は再びステップS101の処理に戻ることができる。また、ケース2及びケース3(ステップS118及びステップS119)で例示した異常の判定基準となる時間(20分)は一例であり、対象者の姿勢や検出すべき異常に応じて任意に変更することが可能である。
【0059】
またサーバ130は、判定結果が「正常」、「異常」及び「時間計測」ではない場合(ステップS101、ステップS108及びステップS115でいずれもNO)、「エラー」と判定する(ステップS120)。その後サーバ130は、スタッフ端末120のモニタの表示色を変えると共に、点滅表示させる(ステップS113)。この点滅により、エラーが発生していることをスタッフに報知することができる。
【0060】
サーバ130は、図4及び図5に示す処理を継続して実行することで、居室1内にいる対象者の異常(転倒)を検出し、スタッフへと報知することができる。
【0061】
特に本実施形態では、ミリ波センサ(対象者検出センサ110)を用いて対象者の異常を検出することができるため、居室1内の映像を撮影する必要はなく、対象者のプライバシーを守りながら、かつ、非接触で転倒を検出することができる。
【0062】
またミリ波センサ(対象者検出センサ110)を用いることで、薄い壁等も透過して異常を検出することができる。これによって、例えばカメラでの撮影に比べて死角を減らすことができ、対象者の異常を検出し易い。
【0063】
また本実施形態では、異常発生後(転倒後)の対象者の姿勢、位置及び計測時間を用いて異常を判定することができる。すなわち本実施形態では、異常が発生している最中(例えば、転倒中)の対象者の動作を検出するなど、複雑な処理を行うことなく、異常を検出することができる。
【0064】
なお、本実施形態において、対象者が隣接するエリアの境界付近に位置している場合、複数のエリアにわたって対象者の位置や姿勢が検出されることが想定される。本実施形態では、エリアごとに異常の判定基準が異なる(図3参照)ため、異常を適切に判定できないことが懸念されるが、本実施形態ではこのような場合であっても、対象者の異常の有無を適切に判定することができるように設定されている。
【0065】
例えば、対象者の姿勢が立位であることが検出された場合、図3に示すように、エリアに関わらず「正常」と判定されるため、異常判定に問題は生じない。また、対象者の姿勢が座位(床)又は臥位(床)であることが検出された場合、エリアに関わらず「異常」と判定されるため、異常判定に問題は生じない。また、対象者の姿勢が臥位(ベッド)であることが検出された場合、ベッドエリアA以外のエリアではエラーと判定されるため、異常の誤判定が生じることはない。
【0066】
上記以外の場合、すなわち、対象者の姿勢が座位(いす)であることが検出された場合、ダイニングエリアBであれば「正常」、それ以外のエリアであれば「時間計測」と判定される。
【0067】
ここで、例えば、ダイニングエリアBとその他のエリアDとの境界付近に対象者が位置している場合、対象者検出センサ110は、ダイニングエリアBとその他のエリアDで交互に対象者を検出する可能性が考えられる。このような状況では、「時間計測」と「正常」が交互に判定されるため、モニタの点滅と(ステップS113)、点滅の停止(ステップS107)とが交互に繰り返されることになる。スタッフはこのモニタの状況を確認することで、対象者が「異常」ではなく、エリアの境界付近にいることが確認できる。したがってスタッフは、緊急に対象者の介助に向かう必要はなく、必要に応じたタイミングで対象者の様子を確認すれば十分である。
【0068】
以上の如く、本実施形態に係る異常判定システム100は、
居室1における対象者の位置、及び、姿勢を検出可能な対象者検出センサ110(検出部)と、
前記居室1を分割するように設定された複数のエリアのうち前記対象者が存在するエリアと、前記対象者の姿勢と、に基づいて、前記対象者の初期異常(第一の異常)の発生の有無を判定する第一異常判定処理(ステップS101~ステップS108)を実行するサーバ130(制御部)と、
を具備するものである。
【0069】
このように構成することにより、対象者の異常を好適に判定することができる。すなわち、エリアと対象者の姿勢に基づいて異常を判定できるため、好適に異常を判定することができる。特に本実施形態では、対象者の姿勢の画像を予め事前に学習する必要がないため、比較的容易な構成で異常を検出することができる。また本実施形態では、対象者検出センサ110としてミリ波センサを用いているため、カメラを用いる場合に比べて対象者のプライバシーにも配慮することができる。また対象者検出センサ110としてミリ波センサを用いることで、死角を減らすことができる。
【0070】
また、前記サーバ130は、
前記第一異常判定処理(ステップS101~ステップS108)において、前記エリア及び前記対象者の姿勢の組み合わせと、前記初期異常の発生の有無と、の関係が規定された異常判定テーブル(図3参照)に基づいて、前記初期異常の発生の有無を判定するものである。
【0071】
このように構成することにより、エリアに応じた判断基準に基づいて適切に異常を判定することができる。
【0072】
また、前記サーバ130は、
前記第一異常判定処理(ステップS101~ステップS108)によって前記初期異常が発生したと判定した場合、前記対象者の姿勢の継続時間に基づいて、前記対象者の継続異常(第二の異常)の発生の有無を判定する第二異常判定処理(ステップS109~ステップS111)を実行するものである。
【0073】
このように構成することにより、対象者の異常をより適切に判定することができる。例えば、初期異常の姿勢が短時間しか継続しなかった場合には、対象者に大きな問題(怪我等)はなく、介助は必要ないと判断することができるため、スタッフの作業負担を軽減することができる。
【0074】
また、前記サーバ130は、
前記第一異常判定処理(ステップS101~ステップS108)によって前記初期異常が発生しておらず、かつ、正常でもないと判定した場合、前記対象者が存在する前記エリアと、前記対象者の姿勢の継続時間に基づいて、前記対象者の継続異常(第三の異常)の発生の有無を判定する第三異常判定処理(ステップS115~ステップS119、ステップS111)を実行するものである。
【0075】
このように構成することにより、直ちに異常と判断し難い姿勢でも、継続時間に基づいて異常(継続異常)を適切に判定することができる。これによって、異常が発生した対象者を適切に介助することができる。
【0076】
また、前記サーバ130は、
スタッフ端末120(報知手段)を用いて判定結果の報知を行うものである。
【0077】
このように構成することにより、異常が発生した対象者を速やかに把握し、介助することができる。
【0078】
なお、本実施形態に係る対象者検出センサ110は、本発明に係る検出部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る初期異常は、本発明に係る第一の異常の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る継続異常は、本発明に係る第二の異常及び第三の異常の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るスタッフ端末120は、本発明に係る報知手段の実施の一形態である。
【0079】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0080】
例えば、本実施形態では、対象者の異常として、特に転倒を判定する例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、対象者のその他の異常(例えば、うずくまる、など)に適用することも可能である。
【0081】
また、本実施形態では、異常判定システム100を高齢者施設の居室1に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、その他種々の施設、住宅等に適用することが可能である。
【0082】
また、本実施形態で例示した居室1の各エリアは一例であり、家具の配置、当該エリアの使用用途等に応じて、任意にエリアを設定することが可能である。
【0083】
また、本実施形態では、対象者の位置、及び、姿勢を検出する検出部として対象者検出センサ110(ミリ波センサ)を例示したが、本発明はこれに限らず、対象者の姿勢等を検出可能な種々のセンサ(サーモセンサ、超音波センサ等)を用いることも可能である。
【0084】
また、本実施形態では、各種処理を実行する制御部としてサーバ130を例示したが、本発明はこれに限らず、その他種々の装置(パーソナルコンピュータ、タブレット端末等)を用いることも可能である。
【0085】
また、本実施形態で用いた異常判定テーブル(図3参照)の具体的な内容は一例であり、居室1に設定された各エリアの利用用途や、検出すべき異常の種類に応じて、任意に変更することが可能である。
【0086】
以下では、上記実施形態で説明した対象者の姿勢の判断方法の具体例について説明する。
【0087】
上述のように、対象者検出センサ110(ミリ波センサ)を用いることで対象者の点群データを取得し、対象者の姿勢を判断することができる。ここで、対象者から得られる点群データの反射強度は、動きが大きく、かつ、反射面積が大きいほど大きくなる。
【0088】
例えば図6には、対象者の姿勢(立位、座位(椅子)、座位(床)、臥位(床)、臥位(ベッド))と点群データの分布との関係の一例を示している。図6には、高さ方向(Z方向)に沿った点群データの反射強度の大きさ、及び、水平方向(X方向又はY方向)に沿った点群データの反射強度の大きさを、それぞれ棒グラフで示している。対象者が大きく動いていない状態では、図6に示すように、胸部付近の反射強度が大きくなることが分かっている。
【0089】
図6に示したような反射強度の分布と、対象者検出センサ110により得られる対象者の体積と、を用いることで、対象者の重心ポイント(3次元上の重心の座標)を算出することができる。算出された重心ポイントの値(特に、高さ方向の値。以下、「Z値」とも称する)と、対象者の点群データの分布範囲を用いることで、立位、座位等の姿勢を判断することができる。
【0090】
例えば、Z値がある程度高い場合、対象者が立位であると判断することができる。また、Z値が立位よりも低い場合、対象者が椅子に座っている(座位(椅子))と判断することができる。また、Z値が座位(椅子)よりも低い場合、対象者が床に座っている(座位(床))と判断することができる。
【0091】
また、水平方向(X方向又はY方向)における反射強度の分布範囲の違いに基づいて、座位と臥位とを区別することができる。具体的には、対象者が横たわった状態(臥位)では、座位の場合と比べて反射強度の分布範囲が広くなるため、反射強度が広い範囲に分布している場合には臥位であると判断することができる。また対象者が臥位であると判断された場合、Z値によって、対象者が床に横たわっている状態(臥位(床))と、ベッドの上に横たわっている状態(臥位(ベッド))とを区別することができる。
【0092】
ここで、上述のようにZ値に応じて姿勢を判断するためには、当該Z値を区別するための閾値を設定する必要がある。当該閾値を、対象者の身長に応じた値に設定することで、対象者の姿勢を精度良く判断することができる。以下では、この閾値の設定方法について説明する。
【0093】
一般的に、日本人は平均的に7頭身とされている。7頭身の場合、胸部の高さは身長の5/7の高さとされている。したがって、立位の対象者の胸部の高さは、「身長×5/7」で算出できる。
【0094】
椅子に座った際の胸部の高さは、「座高+椅子の高さ-頭頂部から胸部までの高さ」で算出することができる。一般的に座高は「0.55×身長」で表され、一般的な椅子の平均的な高さは450mmであることから、椅子に座った際の対象者の胸部の高さは「(0.55×身長+450)-身長×2/7」で表される。
【0095】
また、床に座った際の胸部の高さは、「座高-頭頂部から胸部までの高さ」で算出することができる。一般的に座高は「0.55×身長」で表されることから、床に座った際の対象者の胸部の高さは「0.55×身長-身長×2/7」で表される。
【0096】
対象者検出センサ110(ミリ波センサ)によって測定される対象者の各姿勢のZ値は、上述の各数式で算出された値付近になると考えられる。そこで、上述の各数式により算出された値を、各姿勢の中心値と仮定すると、立位と座位(椅子)の中心値の平均値、及び、座位(椅子)と座位(床)の中心値の平均値を、各姿勢を区別するための閾値とすることができる。
【0097】
一例として、図7には、対象者の身長が180cmと150cmである場合における、各姿勢の中心値と、その中心値から算出される閾値を示している。
【0098】
図7の例では、身長180cmの対象者については、Z値が1106mm以上である場合には立位、701mm以上1106mm未満である場合には座位(椅子)、701mm未満である場合には座位(床)と判断することができる。
【0099】
また、身長150cmの対象者については、Z値が959mm以上である場合には立位、621mm以上959mm未満である場合には座位(椅子)、621mm未満である場合には座位(床)と判断することができる。
【0100】
ここで、測定されたZ値が1000mm程度である場合、身長180cmの対象者であれば座位(椅子)と判断され、身長150cmの対象者であれば立位と判断されることになる。このように、測定されたZ値が同じでも、対象者の身長によって姿勢が異なる場合がある。したがって、身長に応じて閾値の設定を変えることで、各姿勢の判断の精度を向上させることができる。
【0101】
以下では図8を用いて、図4に示した異常判定処理に上述の閾値を設定するための処理を追加した変形例について説明する。
【0102】
なお、図8に示した変形例が、図4に示した例と異なる点は、ステップS121及びステップS122をさらに備えている点であり、その他のステップの処理は概ね同様である。そこで以下では、当該相違点(ステップS121及びステップS122)について説明し、その他のステップの処理については説明を省略する。
【0103】
ステップS121において、サーバ130には、対象者の身長が入力される。例えば、キーボードやタッチパネル等の入力装置を用いて、サーバ130に対象者の身長の値を入力することができる。なお、対象者の身長の入力方法はこれに限るものではなく、例えば各種センサによって対象者の身長を測定し、その測定値をサーバ130に入力することができる。この際、本実施形態の対象者検出センサ110の検出値に基づいて、対象者の身長を測定することも可能である。対象者検出センサ110を用いることで、別途対象者の身長を測定するためのセンサを設ける必要がなくなり、コストの削減を図ることができる。
【0104】
サーバ130は、入力された対象者の身長に基づいて、各姿勢を区別するための閾値を算出する(ステップS122)。当該閾値の算出方法は、上述の通りである。その後、図4に示したステップS101以降の処理と同様の処理が行われる。そして、ステップS103において対象者の姿勢を判定する際には、ステップS122において算出された閾値が用いられる。このように、対象者の身長に基づいた閾値を用いることで、姿勢を精度良く判断することができる。
【0105】
以上の如く、本実施形態に係る異常判定システム100のサーバ130(制御部)は、
前記対象者検出センサ110(検出部)による検出結果に基づいて前記対象者の身体の特定の部位(胸部)の位置を算出し、当該特定の部位の位置に基づいて前記対象者の姿勢を判定するものである。
【0106】
このように構成することにより、簡素な判定方法で対象者の姿勢を判定することができる。
【0107】
また、前記サーバ130は、
前記対象者の前記特定の部位の高さ位置(Z値)を算出し、当該特定の部位の高さ位置と所定の閾値とを比較することで前記対象者の姿勢を判定するものであり、
前記所定の閾値は、前記対象者の身長に基づいて決定されるものである。
【0108】
このように構成することにより、精度良く対象者の姿勢を判断することができる。すなわち、対象者の身長に応じて閾値を設定することで、対象者に応じて適切な閾値を設定することができるため、精度良く対象者の姿勢を判断することができる。
【符号の説明】
【0109】
1 居室
100 異常判定システム
110 対象者検出センサ
120 スタッフ端末
130 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8