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特開2024-43500載荷型Ruおよび/またはNi触媒及びその製造方法
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  • 特開-載荷型Ruおよび/またはNi触媒及びその製造方法 図1
  • 特開-載荷型Ruおよび/またはNi触媒及びその製造方法 図2
  • 特開-載荷型Ruおよび/またはNi触媒及びその製造方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043500
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】載荷型Ruおよび/またはNi触媒及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 37/04 20060101AFI20240322BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20240322BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20240322BHJP
   B01J 23/46 20060101ALI20240322BHJP
   B01J 23/80 20060101ALI20240322BHJP
   B01J 23/89 20060101ALI20240322BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
B01J37/04 101
B01J37/08 ZAB
B01J37/02 101Z
B01J23/46 301A
B01J23/80 A
B01J23/89 A
B01D53/86 228
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023143849
(22)【出願日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】202211127938.0
(32)【優先日】2022-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519113491
【氏名又は名称】福州大学
(71)【出願人】
【識別番号】523338761
【氏名又は名称】福大紫金▲チィン▼能科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】江莉龍
(72)【発明者】
【氏名】陳崇啓
(72)【発明者】
【氏名】羅宇
(72)【発明者】
【氏名】倪軍
(72)【発明者】
【氏名】張卿
【テーマコード(参考)】
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
4D148AA08
4D148AB03
4D148BA01X
4D148BA03X
4D148BA04Y
4D148BA06X
4D148BA14X
4D148BA16X
4D148BA32X
4D148BA38X
4D148BA41X
4D148BA42X
4D148BA44X
4D148BB01
4D148BB17
4D148DA03
4D148DA11
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA09
4G169BA01A
4G169BA01B
4G169BA01C
4G169BA06A
4G169BA06B
4G169BA14C
4G169BA15C
4G169BA20A
4G169BA20B
4G169BA26C
4G169BA27C
4G169BA47C
4G169BB04C
4G169BB05C
4G169BB06A
4G169BB06B
4G169BB08C
4G169BB12C
4G169BB14C
4G169BB16C
4G169BB20C
4G169BC02C
4G169BC03C
4G169BC10A
4G169BC10B
4G169BC16A
4G169BC16B
4G169BC35A
4G169BC35B
4G169BC68A
4G169BC68B
4G169BC70A
4G169BC70B
4G169BD02C
4G169BD03C
4G169BD12C
4G169BE08C
4G169BE46C
4G169CA02
4G169CA10
4G169CA11
4G169DA06
4G169EA02Y
4G169EC03Y
4G169EC06Y
4G169EC14Y
4G169EC18Y
4G169EC24
4G169FA01
4G169FA02
4G169FB07
4G169FB14
4G169FB19
4G169FB30
4G169FB57
4G169FB67
4G169FC02
4G169FC03
4G169FC04
4G169FC07
4G169FC08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】比較的簡易であり、孔径サイズが適切で、比表面積が大きい、載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】Mg前駆体、Zn前駆体またはNi前駆体を、Al前駆体と固相で混合し、助剤を添加後、第1の温度で焙焼してスピネル型担持体を得るステップS1と、Ruおよび/またはNi金属塩溶液を含浸、乾燥し、第2の温度で焙焼して、載荷型Ruおよび/またはNi触媒を得るステップS2を含む。助剤としてポリリン酸、ホウ酸、ケイ酸、ケイ酸ナトリウム、リン酸塩の1種以上を用いるのが望ましい。得られる触媒は、工業上で広く使用されるアンモニア分解に用いることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法は、以下のステップを含み、即ち、
マグネシウム前駆体、亜鉛前駆体またはニッケル前駆体をアルミニウム前駆体と固相で混合させ、助剤を添加して、大きな比表面積を獲得し、第1の温度で焙焼して、スピネル型担持体を得る、固相法による前記スピネル型担持体を製造するステップS1と
前記スピネル型担持体をRuおよび/またはNi金属塩溶液に入れ、含浸及び乾燥を介して、第2の温度で焙焼して、載荷型Ruおよび/またはNi触媒を得る、Ruおよび/またはNi活性成分を前記スピネル型担持体に載荷するステップS2と、
を含むことを特徴とする載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法。
【請求項2】
前記スピネル型担持体が、MgAl、ZnAl、NiAlのいずれか一種であり、
ここで、前記アルミニウム前駆体は、酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸アルミニウム、それらのいずれかの一種または複数の種類の組み合わせであり、
前記スピネル型担持体がMgAlである場合、前記マグネシウム前駆体は、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、それらのいずれか一種または複数の種類の組み合わせであり、
前記スピネル型担持体がZnAlである場合、前記亜鉛前駆体は塩基性炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、水酸化亜鉛、それらのいずれかの一種または複数の種類の組み合わせであり、
前記スピネル型担持体がNiAlである場合、前記ニッケル前駆体は硝酸ニッケルまたは水酸化ニッケル、いずれか一種または複数の種類の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法。
【請求項3】
前記S1において、前記マグネシウム前駆体、前記亜鉛前駆体または前記ニッケル前駆体は前記アルミニウム前駆体とは、其の中、二価金属Mg2+、Zn2+、またはNi2+は、Alとのモル比が0.5:1~1:4であることを特徴とする請求項1に記載の載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法。
【請求項4】
前記助剤が、ポリリン酸、ホウ酸、ケイ酸、ケイ酸ナトリウム、リン酸塩、それらのいずれか1種または複数の種類の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法。
【請求項5】
前記助剤の重量比率が、総重量の0.5~10重量%であることを特徴とする請求項1に記載の載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法。
【請求項6】
前記S1において、前記第1の温度が500~700℃であり、昇温速度が1~10℃/分であることを特徴とする請求項1に記載の載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法。
【請求項7】
前記S2において、含浸を複数回繰り返し、乾燥温度が70~120℃であり、乾燥時間が0.5~24時間であることを特徴とする請求項1に記載の載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法。
【請求項8】
前記S2において、前記載荷型Ruおよび/またはNi触媒では、Ruおよび/またはNiの担持量が以下であり、Niは総重量の10~30重量%、Ruは総重量の0.5~12重量%を占めることを特徴とする請求項1に記載の載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法。
【請求項9】
前記S2において、Ni塩がNi(NO、NiCl、Ni(CHCOO)、それらのいずれか1種または複数の種類の混合物であり、Ru塩は、Ru(NO、RuCl、KRuO、それらのいずれか1種類または複数の種類の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の製造方法により製造された前記載荷型Ruおよび/またはNi触媒であることを特徴とする載荷型Ruおよび/またはNi触媒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属スピネル型担持体触媒の分野に属し、特に載荷型Ruおよび/またはNi触媒及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、工業上で広く使用されているアンモニア分解触媒は、Ru、Rh、Fe、Ni、Moなどを活性成分としてAlやMgO担持体に載荷したものが使用されている。例えば、特許文献1には、MoとTiからなるガスアンモニア分解触媒が開示されており、700~900℃の反応温度でガス中の少量のNHをNとHに分解することができる。また、特許文献2では、酸化マグネシウムを担持体として、ニッケルを活性成分として使用しており、含浸法で製造された球状触媒は1300℃の高温の使用要件を満たすことができる。更に、特許文献3には、アンモニア分解触媒が記載されており、モリブデンとニッケルを活性成分として、Al担持体に載荷して、750℃の場合でNHの転化率は99.8%を超えている。特許文献4には、酸化マグネシウムを担持体として活性成分であるニッケルを含浸させてハニカム形触媒を製造でき、触媒の使用温度は1300℃であるアンモニア分解触媒及びその製造方法が開示されている。また、特許文献5には、アルミニウムゾルと、硝酸マグネシウムと、硝酸エステル希土類とを脱イオン水に溶解して混合溶液を製造し、相互に反応させた後、乾燥して造粒して担持体を得る;更に担持体をニッケルとモリブデンの混合溶液に含浸させることにより触媒が得られるコークス炉ガスアンモニア分解触媒及びその製造方法が開示されている。しかし、これらの触媒の製造方法は比較的複雑であり、生成した触媒の組織特性が適切でなく、反応面積が小さく、孔径サイズが適切でないため、触媒のアンモニア分解活性が低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公報第5,188,811号
【特許文献2】中国特許CN1141214A
【特許文献3】中国特許公開公報CN1245737A
【特許文献4】中国特許公開公報102188977A
【特許文献5】中国特許公開公報CN108031474A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術の欠点を考慮して、本発明は、製造方法が比較的複雑であり、生成される触媒の孔径サイズが適切でないという技術的問題を解決するために、載荷型Ruおよび/またはNi触媒及びその製造方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、本発明は、載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法を提供し、以下のステップを含む、即ち、
マグネシウム前駆体、亜鉛前駆体またはニッケル前駆体をアルミニウム前駆体と固相で混合させ、助剤を添加して、大きな比表面積を獲得し、第1の温度で焙焼してスピネル型担持体を得る、固相法による前記スピネル型担持体を製造するステップS1と、
前記スピネル型担持体をRuおよび/またはNi金属塩溶液に入れ、含浸及び乾燥を介して、第2の温度で焙焼して、載荷型Ruおよび/またはNi触媒を得る、Ruおよび/またはNi活性成分を前記スピネル型担持体に載荷するステップS2と、含む。
【0006】
好ましくは、前記スピネル型担持体が、MgAl、ZnAl、NiAlのいずれか一種である。
【0007】
ここで、前記アルミニウム前駆体は、酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸アルミニウム、それらのいずれかの一種または複数の種類の組み合わせである。
【0008】
前記スピネル型担持体がMgAlである場合、前記マグネシウム前駆体は、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、それらのいずれか一種または複数の種類の組み合わせである。
【0009】
前記スピネル型担持体がZnAlである場合、前記亜鉛前駆体は塩基性炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、水酸化亜鉛、それらのいずれかの一種または複数の種類の組み合わせである。
【0010】
前記スピネル型担持体がNiAlである場合、前記ニッケル前駆体は硝酸ニッケルまたは水酸化ニッケル、いずれか一種または複数の種類の組み合わせである
【0011】
好ましくは、S1において、マグネシウム前駆体、亜鉛前駆体またはニッケル前駆体は、アルミニウム前駆体とは、其の内、二価金属Mg2+、Zn2+、またはNi2+ は、Alとのモル比が0.5:1~1:4である。
【0012】
好ましくは、助剤が、ポリリン酸、ホウ酸、ケイ酸、ケイ酸ナトリウム、リン酸塩のいずれか一種または複数の種類の混合物である。
【0013】
好ましくは、助剤の重量比率が、総重量の0.5~10重量%である。
【0014】
好ましくは、S1において、前記第1の温度が500~700℃であり、昇温速度が1~10℃/分である。
【0015】
好ましくは、S2において、含浸を複数回繰り返し、乾燥温度が70~120℃であり、乾燥時間が0.5~24時間である。
【0016】
好ましくは、S2において、載荷型Ruおよび/またはNi触媒では、 Ruおよび/またはNiの担持量が以下であり、Niは総重量の10~30重量%、Ruは総重量の0.5~12重量%を占める。
【0017】
好ましくは、S2において、Ni塩がNi(NO)、NiCl、Ni(CHCOO)、それらのいずれか一種または複数の種類の混合物であり、Ru塩は、Ru(NO、RuCl、KRuO、それらのいずれか一種類または複数の種類の混合物である。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、本発明は、上記製造方法によって製造された載荷型Ruおよび/またはNi触媒を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の有益効果は次のとおりである。
本発明では、固相反応、即ち固体-固体反応を用いてスピネル担持体を合成しており、反応原料は全て固体である。固相反応は物質移動や熱伝動の影響を受け、ある程度の高温で反応を行う必要があり、反応速度は遅く、生成物は均一であり、廃液の排出がない。本発明は、反応物がより低い温度でより高い拡散速度を得ることができるように、反応物に一定量の助剤を加え、その後、化学反応を発生させて、大きな比表面積(実施形態では> 100m/g)で、適切な細孔径分布を持つスピネル型酸化物が得られる。スピネル型酸化物を担持体として含浸 (または複数回の含浸) することによって活性金属を載荷することで、活性金属が担持体粒子の外表面及び孔路の内表面に均一に載荷され、活性金属の分散性が向上し、より高い触媒反応性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の載荷型Ruおよび/またはNi触媒を製造するフローチャートである。
図2】本発明の実施例1及び2の方法により製造された触媒の窒素吸脱着等温線図である。
図3】本発明の実施例1及び2の方法により製造された触媒の孔径分布曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
可能な応用シナリオ、技術原理、実施可能な具体的な解決策、達成可能な目標および効果などを詳細に説明するために、以下、列挙された具体的な実施形態および添付の図面と併せて詳細に説明する。本明細書で説明される実施形態は、本願の技術的解決策をより明確に説明するためにのみ使用されるため、単なる例であり、本願の保護範囲を制限するために使用することはできない。
【0022】
本明細書では、言及された「実施形態」とは、その実施形態を併せて説明される特定の特徴、構造、または特性が本出願の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書における様々な箇所で使用される「実施形態」という言葉は、必ずしも同じ実施形態を指すものではなく、また、他の実施形態との独立性や関連性を特に限定するものではない。原則として、本出願では、技術的矛盾またはコンフリクトがない限り、各実施形態で言及された各技術的特徴を任意の方式で組み合わせて、対応する実施可能な技術的解決策を形成することができる。
【0023】
別途の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語の意味は、本出願が当業者によって一般に理解されるものと同じであり、本明細書での関連用語の使用は、具体的な実施形態を説明するためだけに使用されており、本出願を限定することを意図するものではない。
【0024】
以下、適宜図面を参照しながら、開示された本発明の実施形態について具体的に詳細に説明する。ただし、不必要な詳細な説明を省略する場合がある。例えば、周知された事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に長くなるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。また、図面および以下の説明は、当業者が本出願を完全に理解するために提供されるものであり、特許請求の範囲に記載される主題を限定することを意図するものではない。
【0025】
本明細書に開示された「範囲」は、下限および上限の形式として限定され、付与範囲は、下限および上限を選定することによって限定され、選定された下限および上限は特定範囲の境界を限定する。この方式で定義された範囲は、エンドバリューを含めてもよく、エンドバリューを含めなくてもよく、任意に組み合わせてよく、即ち、任意の下限を任意の上限と組み合わせて範囲を形成してよい。例えば、特定のパラメータに対して60~120および80~110の範囲が列挙される場合、 60~110および80~120の範囲が予期されることを理解する。また、最小範囲値 1 と 2 および最大範囲値 3、4、および 5が列挙される場合、次の範囲はすべて予期される、即1~3、1~4、1~5、2~3、2~4、2~5である。本出願では、他の説明がない限り、数値範囲「a~b」は、aとbの間の任意の実数の組み合わせの省略表現を示し、aとbは何れも実数である。例えば、数値範囲「0~5」は、明細書で「0~5」の間のすべての実数が列挙されていることを示しており、「0~5」はこれらの値の組み合わせの省略表現にすぎない。なお、あるパラメータが2以上の整数であることを表現する場合、そのパラメータは例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12等である。
【0026】
特別な説明がない場合、本願のすべての実施形態および任意の実施形態は、互いに組み合わせて、新たな技術的解決策を形成することができる。
【0027】
特別な説明がない場合、本出願のすべての技術的特徴およびオプションの技術的特徴は、互いに組み合わせて新しい技術的解決策を形成することができる。
【0028】
特別な説明がない場合、本出願のすべてのステップは、順次的にまたはランダムに実行してもよく、好ましくは順次的に実行してもよい。例えば、前記方法は、ステップ(a)および(b)を含み、これは、前記方法が、順次に実行されるステップ(a)および(b)を含むことを示してもよく、また、順次に実行されるステップ(b)および(a)を含むことを示してもよい。例えば、前記方法がステップ(c)もさらに含んでもよく、これは、ステップ(c)が任意の順序で方法に追加されてもよく、例えば、前記方法はステップ(a)、(b)および(c)を含んでもよく、ステップ(a)、(c)、および(b)を含んでもよく、ステップ(c)、(a)、および(b)を含んでもよい。
【0029】
特別な説明がない場合、本願で言及される「備える」および「含む」は、開放型であってもよく、閉鎖型であってもよい。例えば、前記「備える」および前記「含む」は、列挙されていない他の構成要素を備え、または含んでもよく、または列挙された構成要素のみが備え、または含んでよい。
【0030】
本出願で使用される「以上」および「以下」という用語は、本数値を含む。例えば、「1種以上」は1種類または複数の種類を指し、「AおよびBのうちの1種類以上」は「A」、「B」、または「A」、「B」、または「AとB」を指す。
【0031】
特別な説明がない場合、本出願では、「または」という用語は包括的である。例えば、「A または B」という言葉は、「A、B、または AとB の両方」を意味する。具体的には、以下の何れか一つの条件は「A または B」という条件を満たし、A が 真 (または存在する) かつ B が 偽(または存在しない);A が 偽(または存在しない) かつ B が 真(または存在する) ; または A と B が何れも真 (または存在する)。
【0032】
別途の説明がない限り、本出願の明細書における含有量および百分率は質量に基づいて計量する。
【0033】
以下の実施例における前記実験方法は、特に説明のない限り、何れも通常の方法である。試薬や材料は、特に説明のない限り、何れも商業ルートから入手可能である。
【0034】
図1に示すように、本発明は、載荷型Ruおよび/またはNi触媒の製造方法を提供し、以下のステップを含む、即ち、
【0035】
マグネシウム前駆体、亜鉛前駆体またはニッケル前駆体をアルミニウム前駆体と固相で混合させ、助剤を添加して、大きな比表面積を獲得し、第1の温度で焙焼して、スピネル型担持体を得る、固相法による前記スピネル型担持体を製造するステップS1と、
前記スピネル型担持体をRuおよび/またはNi金属塩溶液に置き、反応した後に乾燥して、第2の温度で焙焼して、載荷型Ruおよび/またはNi触媒を得る、Ruおよび/またはNiをスピネル型担持体に載荷するステップS2と、を含む。
【実施例0036】
載荷型RuまたはNi基(アンモニア分解に使用可能、以下同じ)触媒の製造方法であって、以下のステップを含む、即ち、固相法によりMgAl担持体を ワンステップで製造し、ステップは次のとおりである。
Mg/Al モル比 1:4である硝酸マグネシウムと硝酸アルミニウムをボールミルによって30分間で固相混合させ、完全に混合した後、5重量% ポリリン酸を混合物に添加し、均一に混練して押出する。押出された生成物を600℃で4時間焙焼して、MgAl担持体が得られるスピネル型担持体(MgAlを例とする)を製造するステップS1と、
上記MgAl担持体を2g秤量し、金属イオン濃度が0.1mol/L である溶液 10mL に入れ、Ru含有量が目標載荷量(Ru:10重量%)に達するまで同条件で複数回含浸させる。乾燥したサンプルを500℃で4時間焙焼して載荷型Ru触媒が得られる載荷型Ru基触媒を製造するS2と、を含む。
【実施例0037】
載荷型RuまたはNi基のアンモニア分解触媒の製造方法であって、以下のステップを含む、即ち、固相法によりZnAl担持体をワンステップで製造し、ステップは次のとおりである。
Zn/Alモル比1:2である塩基性炭酸亜鉛と水酸化アルミニウムを固相混合させ、15分間で固相研磨混合し、十分に混合した後、10重量%のケイ酸ナトリウムを混合物に添加し、均一に混練して押出し、550℃で4時間焙焼してZnAl担持体が得られるスピネル型担持体を製造するS1と、
上記ZnAl担持体を2g秤量し、金属イオン濃度が0.1mol/Lである溶液10mLに入れ、RuとNiの含有量が目標載荷量(Ni:10重量%、Ru:5重量%)に達するまで同条件で複数回含浸させる。乾燥したサンプルを5℃/分の昇温速度で700℃まで4時間焙焼して、載荷型Ru-Ni触媒が得られる載荷型Ru-Ni基触媒を製造するS2と、を含む。
【実施例0038】
載荷型Ru-Ni基アンモニア分解触媒の製造方法であって、以下のステップを含む、即ち、NiAl担持体を固相法によりワンステップで製造し、ステップは次のとおりである。
Ni/Alモル比1:1.5である硝酸ニッケルと擬ベーマイトを固相混合し、固相研磨を用いて15分間混合し、十分に混合した後、10重量%ホウ酸を混合物に添加し、均一に混練して押出し、押出された生成品を2℃/分の昇温速度で600℃まで4時間焙焼して、NiAl担持体が得られるスピネル型担持体を製造する第1のステップと、
載荷量が1重量% のRuのKRuOを計算して秤量し、それを10ml水に溶解し、その後に第1のステップで製造されたNiAl担持体を2g秤量し、上記の溶液に入れ、Ruの含有量が目標載荷量に達するまで複数回含浸させ、乾燥したサンプルを2℃/分の昇温速度で600℃まで4時間焙焼して、載荷型Ru-Ni基触媒が得られる載荷型Ru-Ni基触媒を製造する第2のステップと、を含む。
【0039】
本発明の載荷型Ru-Ni基触媒の製造の効果を説明するために、本発明者は、上記実施形態で作製した載荷型Ru-Ni基触媒の物理的および化学的性質について研究実験を行い、触媒の窒素吸脱着の等温曲線及び触媒の孔径分布の曲線を研究し、それぞれ図2図3に示している。また、表1に示すように触媒の構造パラメータも測定した。本発明の方法を採用することにより、製造された触媒の最確孔直径が1.0~6.0nmであり、触媒の比表面積が大きく、より高いアンモニア分解反応効率が得られる。
【0040】
【表1】
表1.触媒構造パラメータ
【0041】
触媒窒素吸脱着等温曲線試験方法:米国Micromeritics社のASAP2020装置を使用し、N物理吸着法を採用して、液体窒素温度(-196℃ )で触媒窒素吸脱着等温曲線を測定し 、試験前にサンプルを200 ℃で4 時間真空脱気する。触媒の孔径分布はバレット・ジョイナー・ハレンダ(BJH)法により求め、触媒の比表面積はブルナウアー・エメット・テラー(BET)法により算出する。
【0042】
図2から、等温吸脱着曲線がIVであり、触媒が小さなメソ孔を有し、ヒステリシス リングがH型で、孔構造がインクボトルであることがわかる。
【0043】
図3から、触媒の孔径は主に 1.0~6.0nm の範囲に分布しており、メソ孔構造であることがわかる。
【0044】
実験例
上記の実施形態で製造された載荷型Ruおよび/またはNi触媒の具体的な適用方法は以下の通りである、即ち、触媒のアンモニア分解活性は固定床反応器内で測定され、原料ガスは純アンモニアであり、触媒は500℃で2時間還元される。反応空間速度は10000 mL.g-1.h-1 、触媒活性試験温度範囲は450~650℃である。
【0045】
触媒の活性はNH変換率で表される。
【0046】
NH変換率=(1-VNH3’/VNH3)/(1+VNH3)×100%
【0047】
ここで、VNH3'は反応器出口ガス中のNHの体積百分率であり、VNH3は供給ガス中のNHの体積百分率である。上述のNH変換率の式によれば、測定データから、実施例1、実施例2、実施例3の異なる温度での触媒効果を得ることができ、450℃でも低い温度状況下では、実施例1はより高いアンモニア分解触媒活性も有し、温度が650℃に達した後、実施例1~3のNHの転化率はそれぞれ99.8%に達した。
【0048】
【表2】
表2. 触媒アンモニア分解活性評価結果
【0049】
最後に、上記の実施形態は、本発明の技術的解決策を説明するためにのみ使用され、限定することはない。実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、本発明の技術的解決策に修正または同等の置換を行い、技術的解決策の精神および範囲から逸脱することなく、それらはすべて本発明の特許請求の範囲に含まれるものとすると理解すべきである。
図1
図2
図3
【外国語明細書】