(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043516
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】高電力用途用のサーマルカットオフデバイス
(51)【国際特許分類】
H01H 37/76 20060101AFI20240322BHJP
H01H 85/08 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H01H37/76 B
H01H85/08
H01H37/76 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023149700
(22)【出願日】2023-09-15
(31)【優先権主張番号】202211128068.9
(32)【優先日】2022-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】504144507
【氏名又は名称】サーム-オー-ディスク・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャンツァイ・ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】リージュエン・フアン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・シー
(72)【発明者】
【氏名】カンション・リン
(72)【発明者】
【氏名】グオジン・シャオ
(72)【発明者】
【氏名】ロン・グワン
(72)【発明者】
【氏名】シャン・ゴン
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ジャオ
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502AA02
5G502AA09
5G502BB12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高電力DC回路用の温度ヒューズアセンブリが、提供される。
【解決手段】温度ヒューズアセンブリは、第1のケース端部から第2のケース端部まで延びるケースと、前記第2のケース端部から突出する絶縁されたリードとを含む。ブッシングが、絶縁されたリードをケースから電気的に絶縁する。高ゲージワイヤが、第1のワイヤ端部においてケースに電気的に接続され、第2のワイヤ端部において、絶縁されたリードに電気的に接続される。高ゲージワイヤの一部は、ブッシングの外部周りにらせん状に巻き付けられる。温度ヒューズアセンブリの温度が閾値温度を超えたとき、温度ヒューズアセンブリは、高電力DC回路のDC電流を、高ゲージワイヤを通るように導くように構成される。高ゲージワイヤは、DC電流の負荷下で溶け、高電力DC回路を遮断するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電力DC回路用の温度ヒューズアセンブリであって、
第1のケース端部から第2のケース端部へと延びるケースと、
前記第2のケース端部から突出する絶縁されたリードと、
前記絶縁されたリードを前記ケースから電気的に絶縁するブッシングと、ここで、前記ブッシングが前記第2のケース端部から突出し、
第1のワイヤ端部において前記ケースに電気的に接続され、第2のワイヤ端部において、前記絶縁されたリードに電気的に接続された高ゲージワイヤと
を備え、
前記高ゲージワイヤの一部が、前記ブッシングの外部周りにらせん状に巻き付けられ、
前記温度ヒューズアセンブリの温度が閾値温度を超えたとき、前記温度ヒューズアセンブリは、前記高電力DC回路のDC電流を、前記高ゲージワイヤを通るように導くように構成され、
前記高ゲージワイヤが、前記DC電流の負荷下で溶け、前記高電力DC回路を遮断するように構成されている、温度ヒューズアセンブリ。
【請求項2】
前記ケースに電気的に接続され、前記第1のケース端部から突出する固定されたリードをさらに備える、請求項1に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項3】
前記ケース内に配設され、前記固定されたリードと前記絶縁されたリードとの間に配置された移動可能な接点部材をさらに備える、請求項2に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項4】
前記ケース内に配設され、前記固定されたリードと前記移動可能な接点部材との間に配置された熱ペレットをさらに備え、前記熱ペレットが、前記閾値温度以上で固体の物理的状態から非固体の物理的状態に移行する非導電性材料からなる、請求項3に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項5】
第1の電気回路が、前記固定されたリードから前記ケースへ、前記ケースから前記移動可能な接点部材へ、そして前記移動可能な接点部材から前記絶縁されたリードへと確立され、
第2の電気回路が、前記固定されたリードから前記ケースまで、前記ケースから前記高ゲージワイヤまで、そして前記高ゲージワイヤから前記絶縁されたリードまで確立され、
前記第2の電気回路が、前記第1の電気回路に対して電気的に並列であり、
前記第2の電気回路が、前記第1の電気回路より高い抵抗を有する、請求項4に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項6】
前記熱ペレットの温度が前記閾値温度を超えたとき、前記移動可能な接点部材は、前記絶縁されたリードから電気的に接続解除され、前記DC電流は、前記第2の電気回路を通って流れる、請求項5に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項7】
前記熱ペレットの温度が前記閾値温度を下回るとき、前記移動可能な接点部材は、前記固定されたリードと前記絶縁されたリードの両方に電気的に接続され、前記DC電流は、前記第1の電気回路を通って流れる、請求項5に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項8】
前記高ゲージワイヤの前記一部が、前記ブッシングの外部と当接する、請求項1に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項9】
前記高ゲージワイヤの前記一部が、時計回りまたは反時計回りの方向に前記ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられる、請求項1に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項10】
前記高ゲージワイヤ上に配設されたシーリングコンパウンドをさらに備え、前記高ゲージワイヤが前記シーリングコンパウンド内に埋め込まれるようになっている、請求項1に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項11】
高電力DC回路において動作電流を遮断するためのサーマルカットオフデバイスであって、
第1のケース端部から第2のケース端部へと延びるケースと、
前記ケースに電気的に接続され、前記第1のケース端部に配設された第1の固定された導電性部材と、
前記第2のケース端部に配設された第2の固定された導電性部材と、
前記第2の固定された導電性部材と前記ケースとの間に径方向に配置されたブッシングと、ここで、前記ブッシングが前記第2の固定された導電性部材を前記ケースから電気的に絶縁し、
前記ケースに電気的に接続され、前記第1の固定された導電性部材と前記第2の固定された導電性部材との間に軸方向に配設された第3の移動可能な導電性部材と、
前記ケースに電気的に接続された第1のワイヤ端部と、前記第2の固定された導電性部材に電気的に接続された第2のワイヤ端部とを備える高ゲージワイヤと、ここで、前記第1のワイヤ端部と前記第2のワイヤ端部との間の前記高ゲージワイヤの一部が、前記ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられており、
を備え、
前記サーマルカットオフデバイスの温度が閾値温度を上回るとき、前記第3の移動可能な導電性部材は、前記第2の固定された導電性部材から電気的に接続解除され、前記動作電流は、前記高ゲージワイヤに分路される、サーマルカットオフデバイス。
【請求項12】
前記高ゲージワイヤの前記一部が、前記ブッシングと当接する、請求項11に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項13】
前記高ゲージワイヤの前記一部が、時計回りまたは反時計回りの方向に前記ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられている、請求項11に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項14】
前記高ゲージワイヤの前記一部が、前記ブッシングの周りにらせん状にN回巻き付けられており、Nは整数である、請求項11に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項15】
Nが1より大きく、Nは10未満である、請求項14に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項16】
前記第1のワイヤ端部および前記第2のワイヤ端部が、前記ブッシングに隣接して位置している、請求項11に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項17】
前記第1のワイヤ端部が、前記第2のケース端部に隣接して位置している、請求項16に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項18】
前記ブッシングが、第1のブッシング端部から第2のブッシング端部へと延び、前記第1のブッシング端部が前記ケースの内側に配設され、前記第2のブッシング端部が前記ケースの外側に配設されている、請求項11に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項19】
前記第2のワイヤ端部が、前記第2のブッシング端部に隣接して位置している、請求項18に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項20】
高電力DC回路において動作電流を遮断するためのサーマルカットオフデバイスであって、
第1のケース端部から第2のケース端部へと長手方向軸に沿って延びるケースと、
前記ケースに電気的に接続され、前記第1のケース端部に配設され、前記長手方向軸に沿った方向に前記ケースから延びる第1の固定された導電性部材と、
前記第1のケース端部近くの前記ケース内に配設され、閾値温度以上で固体の物理的状態から非固体の物理的状態に移行する非導電性材料を備える熱応答性部材と、
前記第2のケース端部に配設され、前記長手方向軸に沿った方向に前記ケースから延びる第2の固定された導電性部材と、
前記第2の固定された導電性部材と前記ケースとの間に径方向に配設され、電気絶縁性材料を備えるブッシングと、ここで、前記ブッシングが前記第2の固定された導電性部材を前記ケースから電気的に絶縁し、
前記熱応答性部材と前記第2の固定された導電性部材との間に軸方向に配設された第3の移動可能な導電性部材と、
前記熱応答性部材と前記第3の移動可能な導電性部材との間に軸方向に配設された第1の付勢部材と、ここで、前記第1の付勢部材が、第1の付勢力によって、前記第3の移動可能な導電性部材を、前記第2の固定された導電性部材に向かって前記長手方向軸に沿って第1の方向に付勢し、
前記第3の移動可能な導電性部材と前記第2のケース端部との間に軸方向に配設された第2の付勢部材と、ここで、前記第2の付勢部材が、前記第3の移動可能な導電性部材と係合し、第2の付勢力によって、前記第3の移動可能な導電性部材を、前記第2の固定された導電性部材から離れるように前記長手方向軸に沿って第2の方向に付勢し、前記第2の付勢力は、前記第1の付勢力以下であり、
前記ケースに電気的に接続された第1のワイヤ端部と、前記第2の固定された導電性部材に電気的に接続された第2のワイヤ端部とを備える高ゲージワイヤと、ここで、前記第1のワイヤ端部と前記第2のワイヤ端部との間の前記高ゲージワイヤの一部が、前記ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられており、
を備え、
前記熱応答性部材が前記閾値温度を下回るとき、前記第3の移動可能な導電性部材は、前記第1の固定された導電性部材と前記第2の固定された導電性部材の両方に電気的に接続され、前記動作電流は、前記第1の固定された導電性部材、前記第3の移動可能な導電性部材および前記第2の固定された導電性部材を通って流れ、
前記熱応答性部材が前記閾値温度を上回るとき、前記第3の移動可能な導電性部材は、前記第2の固定された導電性部材から電気的に接続解除され、前記動作電流は、前記高ゲージワイヤに分路され、
前記高ゲージワイヤが、前記動作電流を備える負荷下で溶けるように構成されている、サーマルカットオフデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、高電力用途、具体的には高電力DC用途用のサーマルカットオフデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]本項は、必ずしも従来技術ではない、本開示に関連する背景情報を提供する。
【0003】
[0003]電化製品、電子装置、モータなどを含む電気デバイスの動作温度は、通常、最適なまたは好ましい範囲を有する。最適なまたは好ましい範囲を上回る温度になると、デバイスまたはその構成要素に損傷が起こる可能性があり、またはデバイスを安全に動作させることが問題となってくる。さまざまなデバイスは、デバイス内の電流を遮断することによって過温状態から保護することができる。
【0004】
[0004]過温保護および電流遮断に特に適した1つのデバイスは、サーマルカットオフ(TCO)デバイスとして知られている。TCOデバイスは、通常、望ましくない過温状態の発生時にデバイス内でまたはデバイスへの回路の連続性を遮断することができるように、電流源と電気構成要素との間の電気的用途内に設置される。したがって、TCOデバイスは、しばしば、その用途への電流の流れを不可逆的にシャットオフするように設計される。
【0005】
[0005]しかし、現在のTCOデバイスは、低い電力用途のみに対する遮断能力に限定される。たとえば、現在のTCOデバイスは、16VDC/50A、24VDC/5Aおよび380VDC/1Aしか遮断できない。TCOデバイスの遮断能力を電気自動車(EV)および家電製品などの高電力用途まで拡張する必要が依然としてある。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本項は、本開示の全般的な概要を提供しており、その全範囲またはその特徴のすべての包括的な開示ではない。
【0007】
[0007]本開示は、高電力DC回路用の温度ヒューズアセンブリを提供する。温度ヒューズアセンブリは、ケースと、絶縁されたリードと、ブッシングと、高ゲージワイヤとを含む。ケースは、第1のケース端部から第2のケース端部まで延びる。絶縁されたリードは、第2のケース端部から突出する。ブッシングは、絶縁されたリードをケースから電気的に絶縁し、ブッシングは、第2のケース端部から突出する。高ゲージワイヤは、第1のワイヤ端部においてケースに電気的に接続され、第2のワイヤ端部において、絶縁されたリードに電気的に接続される。高ゲージワイヤの一部は、ブッシングの外部周りにらせん状に巻き付けられる。温度ヒューズアセンブリの温度が閾値温度を超えたとき、温度ヒューズアセンブリは、高電力DC回路のDC電流を、高ゲージワイヤを通るように導くように構成される。高ゲージワイヤは、DC電流の負荷下で溶け、高電力DC回路を遮断するように構成される。
【0008】
[0008]上記の段落の温度ヒューズアセンブリのいくつかの構成では、固定されたリードが、ケースに電気的に接続され、第1のケース端部から突出する。
【0009】
[0009]上記の段落のいずれかの温度ヒューズアセンブリのいくつかの構成では、移動可能な接点部材が、ケース内に配設され、固定されたリードと絶縁されたリードとの間に配置される。
【0010】
[0010]上記の段落の任意のものの温度ヒューズアセンブリのいくつかの構成では、熱ペレットがケース内に配設され、固定されたリードと移動可能な接点部材との間に配置される。熱ペレットは、閾値温度以上で固体の物理的状態から非固体の物理的状態に移行する非導電性材料からなる。
【0011】
[0011]上記の段落の任意のものの温度ヒューズアセンブリのいくつかの構成では、第1の電気回路が、固定されたリードからケースまで、ケースから移動可能な接点部材まで、そして移動可能な接点部材から絶縁されたリードまで確立される。第2の電気回路が、固定されたリードからケースまで、ケースから高ゲージワイヤまで、そして高ゲージワイヤから絶縁されたリードまで確立される。第2の電気回路は、第1の電気回路に対して電気的に平行であり、第2の電気回路は、第1の電気回路より高い抵抗を有する。
【0012】
[0012]上記の段落の任意のものの温度ヒューズアセンブリのいくつかの構成では、熱ペレットの温度が閾値温度を超えたとき、移動可能な接点部材は、絶縁されたリードから電気的に接続解除され、DC電流は、第2の電気回路を通って流れる。
【0013】
[0013]上記の段落の任意のものの温度ヒューズアセンブリのいくつかの構成では、熱ペレットの温度が閾値温度を下回るとき、移動可能な接点部材は、固定されたリードと絶縁されたリードの両方に電気的に接続され、DC電流は、第1の電気回路を通って流れる。
【0014】
[0014]上記の段落の任意のものの温度ヒューズアセンブリのいくつかの構成では、高ゲージワイヤのその一部は、ブッシングの外部と当接する。
【0015】
[0015]上記の段落の任意のものの温度ヒューズアセンブリのいくつかの構成では、高ゲージワイヤのその一部は、時計回りまたは反時計回りの方向にブッシングの周りにらせん状に巻き付けられる。
【0016】
[0016]上記の段落の任意のものの温度ヒューズアセンブリのいくつかの構成では、シーリングコンパウンドが高ゲージワイヤ上に配設され、前記高ゲージワイヤが前記シーリングコンパウンド内に埋め込まれるようになっている。
【0017】
[0017]本開示は、高電力DC回路において動作電流を遮断するためのサーマルカットオフデバイスを提供する。サーマルカットオフデバイスは、ケースと、第1の固定された導電性部材と、第2の固定された導電性部材と、ブッシングと、第3の移動可能な導電性部材と、高ゲージワイヤとを含む。ケースは、第1のケース端部から第2のケース端部まで延びる。第1の固定された導電性部材は、ケースに電気的に接続され、第1のケース端部に配設される。第2の固定された導電性部材は、第2のケース端部に配設される。ブッシングは、第2の固定された導電性部材とケースとの間に径方向に配置される。ブッシングは、第2の固定された導電性部材をケースから電気的に絶縁する。第3の移動可能な導電性部材は、ケースに電気的に接続され、第1の固定された導電性部材と第2の固定された導電性部材との間に軸方向に配設される。高ゲージワイヤは、ケースに電気的に接続された第1のワイヤ端部と、第2の固定された導電性部材に電気的に接続された第2のワイヤ端部とを備える。第1のワイヤ端部と第2のワイヤ端部との間の高ゲージワイヤの一部は、ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられる。サーマルカットオフデバイスの温度が閾値温度を上回るとき、第3の移動可能な導電性部材は、第2の固定された導電性部材から電気的に接続解除され、動作電流は、高ゲージワイヤに分路される。
【0018】
[0018]上記の段落のサーマルカットオフデバイスのいくつかの構成では、高ゲージワイヤのその一部は、ブッシングに当接する。
【0019】
[0019]上記の段落のいずれかのサーマルカットオフデバイスのいくつかの構成では、高ゲージワイヤのその一部は、時計回りまたは反時計回りの方向にブッシングの周りにらせん状に巻き付けられる。
【0020】
[0020]上記の段落の任意のもののサーマルカットオフデバイスのいくつかの構成では、高ゲージワイヤのその一部は、ブッシングの周りにらせん状にN回巻き付けられ、Nは整数である。
【0021】
[0021]上記の段落の任意のもののサーマルカットオフデバイスのいくつかの構成では、Nは1より大きく、Nは10未満である。
【0022】
[0022]上記の段落の任意のもののサーマルカットオフデバイスのいくつかの構成では、第1のワイヤ端部および第2のワイヤ端部は、ブッシングに隣接して配置される。
【0023】
[0023]上記の段落の任意のもののサーマルカットオフデバイスのいくつかの構成では、第1のワイヤ端部は、第2のケース端部に隣接して配置される。
【0024】
[0024]上記の段落の任意のもののサーマルカットオフデバイスのいくつかの構成では、ブッシングは、第1のブッシング端部から第2のブッシング端部まで延び、第1のブッシング端部は、ケースの内側に配設され、第2のブッシング端部は、ケースの外側に配設される。
【0025】
[0025]上記の段落の任意のもののサーマルカットオフデバイスのいくつかの構成では、第2のワイヤ端部は、第2のブッシング端部に隣接して配置される。
【0026】
[0026]本開示は、高電力DC回路において動作電流を遮断するためのサーマルカットオフデバイスを提供する。サーマルカットオフデバイスは、ケースと、第1の固定された導電性部材と、熱応答性部材と、第2の固定された導電性部材と、ブッシングと、第3の移動可能な導電性部材と、第1の付勢部材と、第2の付勢部材と、高ゲージワイヤとを含む。ケースは、第1のケース端部から第2のケース端部まで長手方向軸に沿って延びる。第1の固定された導電性部材は、ケースに電気的に接続され、第1のケース端部に配設される。第1の固定された導電性部材は、長手方向軸に沿った方向にケースから延びる。熱応答性部材は、第1のケース端部近くのケース内に配設され、閾値温度以上で固体の物理的状態から非固体の物理的状態に移行する非導電性材料を備える。第2の固定された導電性部材は、第2のケース端部に配設され、長手方向軸に沿った方向にケースから延びる。ブッシングは、第2の固定された導電性部材とケースとの間に径方向に配設され、電気絶縁性材料を備える。ブッシングは、第2の固定された導電性部材をケースから電気的に絶縁する。第3の移動可能な導電性部材は、熱応答性部材と第2の固定された導電性部材との間に軸方向に配設される。第1の付勢部材は、熱応答性部材と第3の移動可能な導電性部材との間に軸方向に配設される。第1の付勢部材は、第1の付勢力によって、第3の移動可能な導電性部材を、第2の固定された導電性部材に向けて長手方向軸に沿って第1の方向に付勢する。第2の付勢部材は、第3の移動可能な導電性部材と第2のケース端部との間に軸方向に配設される。第2の付勢部材は、第3の移動可能な導電性部材と係合し、第2の付勢力によって、第3の移動可能な導電性部材を、第2の固定された導電性部材から離れるように長手方向軸に沿って第2の方向に付勢する。第2の付勢力は、第1の付勢力以下である。高ゲージワイヤは、ケースに電気的に接続された第1のワイヤ端部と、第2の固定された導電性部材に電気的に接続された第2のワイヤ端部とを備える。第1のワイヤ端部と第2のワイヤ端部との間の高ゲージワイヤの一部は、ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられる。熱応答性材料が閾値温度を下回るとき、第3の移動可能な導電性部材は、第1の固定された導電性部材と第2の固定された導電性部材の両方に電気的に接続され、動作電流は、第1の固定された導電性部材、第3の移動可能な導電性部材、および第2の固定された導電性部材を通って流れる。熱応答性部材が閾値温度を上回るとき、第3の移動可能な導電性部材は、第2の固定された導電性部材から電気的に接続解除され、動作電流は、高ゲージワイヤに分路される。高ゲージワイヤは、動作電流を備える負荷下で溶けるように構成される。
【0027】
[0027]適用可能性のさらなる分野が、本明細書に提供される説明から明らかになるであろう。本概要の説明および特有の例は、例証の目的のみに意図され、本開示の範囲を限定するようには意図されない。
【0028】
[0028]本明細書に説明される図は、選択された実施形態の例証のためにすぎず、すべての可能な実施態様ではなく、本開示の範囲を限定するようには意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】[0029]本開示の原理によるサーマルカットオフデバイスの正面断面図。
【
図2】[0030]本開示の原理による別のサーマルカットオフデバイスの部分的な正面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[0031]対応する参照番号は、いくつかの図を通じて対応する部分を示す。
【0031】
[0032]次に、例示的な実施形態が、添付の図を参照しながらより完全に説明される。
【0032】
[0033]本開示が完璧になり、当業者にその範囲をすべて伝えるように、例示的な実施形態が提供される。特有の構成要素、デバイス、および方法の例などの数多くの特有の詳細が、本開示の実施形態の完璧な理解を提供するために記載される。特有の詳細を使用する必要はないこと、例示的な実施形態は多くの異なる形態で具現化されてもよいこと、そしていずれのものも本開示の範囲を限定すると解釈されてはならないことが、当業者に明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態では、よく知られているプロセス、よく知られているデバイス構造、およびよく知られている技術は、詳細に説明されない。
【0033】
[0034]本明細書で使用される専門用語は、特定の例示的な実施形態のみを説明するためのものであり、限定するようには意図されない。本明細書では、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その」は、内容が別途明確に示さない限り、複数形も含むように意図され得る。用語「備える」、「備えている」、「含んでいる」および「有している」は、包括的であり、したがって、言及された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそのグループの存在または追加を排除しない。本明細書に説明される方法ステップ、プロセス、および動作は、パフォーマンスの順序として詳細に特定されていない限り、論じられたまたは図示された順序でのそのパフォーマンスを必ずしも必要とするものとして解釈されるものではない。また、追加または代替のステップが使用されてもよいことを理解されたい。
【0034】
[0035]要素または層が別の要素または層の「上にある」、これらに「係合される」、「接続される」、または「結合される」と称されるとき、これは、他の要素または層の直接上にあってもよく、これらに係合、接続もしくは結合されてもよく、または介入要素または層が存在してもよい。これとは対照的に、要素が別の要素または層の「直接上にある」、これらに「直接係合される」、「直接接続される」、または「直接結合される」と称されるとき、介入要素または層は存在することはできない。要素間の関係を説明するために使用される他の用語が、同様の形で(たとえば「の間にある」対「の直接間にある」、「隣接する」対「直接隣接する」など)解釈されなければならない。本明細書では、用語「および/または」は、関連するリストされた項目の1つまたは複数のあらゆるすべての組み合わせを含む。
【0035】
[0036]さまざまな要素、構成要素、領域、層および/またはセクションを説明するために、第1、第2、第3などの用語が使用されてもよいが、これらの要素、構成要素、領域、層および/またはセクションは、これらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層またはセクションを別の領域、層、またはセクションから区別するためにのみ使用されてもよい。本明細書において使用されるときの「第1」、「第2」、および他の数値用語などの用語は、文脈によって明確に示されない限り、順番または順序を示唆するものではない。したがって、以下に論じられる第1の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、またはセクションとして呼ばれ得る。
【0036】
[0037]1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を図に示されるように説明するために、「内側」、「外側」、「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」などの空間的相対用語が、説明を容易にするために本明細書において使用されてもよい。空間的相対用語は、図に示される配向に加えて、使用または動作上のデバイスの異なる配向を包含するように意図され得る。たとえば、図のデバイスがひっくり返された場合、他の要素または特徴の「下方」または「下」にあると説明された要素は、このとき、他の要素または特徴の「上方」に配向される。したがって、例示的な用語「下方」は、上方と下方の両方の配向を包含することができる。デバイスは、別様に配向(90度または他の配向に回転)されてもよく、本明細書で使用される空間的相対記述子は、それにしたがって解釈されてもよい。
【0037】
[0038]
図1を参照すれば、DC回路を遮断することができるサーマルカットオフデバイス50(すなわち温度ヒューズアセンブリ)が、提供される。より具体的には、サーマルカットオフデバイス50は、電気自動車(EV)および家電製品に使用されるような高電力DC回路を遮断することができる。たとえば、高電力DC回路は、155VDC/17Aおよび400VDC/30Aを含んでもよい。
【0038】
[0039]本開示のサーマルカットオフデバイス50は、動作能力を改善し、参照によって本明細書に全体的に各々が組み込まれる、米国特許第5,530,417号および米国特許第9,378,910号に説明されるサーマルカットオフデバイスなどの知られているサーマルカットオフデバイスを上回る他の利点を提供する。たとえば、本開示のサーマルカットオフデバイス50は、より高速の遮断速度、信頼性および耐久性の向上を実証し、外部力に対してより弾性的であり、損傷からより良好に保護される。
【0039】
[0040]サーマルカットオフデバイス50は、第1のケース端部56と、第1のケース端部56の反対側の第2のケース端部58との間を長手方向軸54に沿って延びるケース52を含む。第1の壁60が、第1のケース端部56に配設され、ケース開口部を有する第2の壁62が、第2のケース端部58に配設される。側壁66が、第1と第2の壁60、62間を延びる。第1の壁60、第2の壁62、および側壁66は、ケース52内にケース空洞68を画定するように共働する。ケース52は、内側ケース表面70と、内側ケース表面70の反対側の外側ケース表面72とを有する。
【0040】
[0041]第1の固定された導電性部材74(すなわち第1のリード)が、ケース52に電気的に接続され、第1のケース端部56に配設される。第1のリード74は、ケース52の第1の壁60内に配置された第1のリードヘッド76と、長手方向軸54に沿った方向に第1のリードヘッド76から離れるように延びる第1のリード本体78とを含む。換言すれば、第1のリード74は、ケース52の第1の壁60内に部分的に配置され、第1のケース端部56から突出する。
【0041】
[0042]熱応答性部材80(すなわち熱ペレット)が、ケース空洞68内に配設され、ケース52の第1の壁60に隣接して配置される。熱ペレット80は、閾値温度以上で固定の物理的状態から非固体の物理的状態に移行する非導電性材料からなる。本開示のサーマルカットオフデバイスでの使用に適した特性を有する熱ペレット80の材料組成物は、当技術分野においてよく知られている。
【0042】
[0043]第2の固定された導電性部材82(すなわち第2のリード、絶縁されたリード)が、第2のケース端部58に配設される。第2のリード82は、ケース開口部を介してケース空洞68内に受け入れられた第2のリードヘッド84と、長手方向軸54に沿った方向に第2のリードヘッド84から離れるように延びる第2のリード本体86とを含む。換言すれば、第2のリード82は、ケース52内に部分的に配置され、第2のケース端部58から突出する。したがって、第1および第2のリード74、82は、ケース52の両端に配設され、相反する方向に延びる。
【0043】
[0044]ブッシング88が、第2のケース端部58に配設され、電気絶縁性材料からなる。たとえば、電気絶縁性材料は、セラミックを含んでもよい。ブッシング88は、第1のブッシング端部90と、第1のブッシング端部90の反対側の第2のブッシング端部92との間を延びる。第1のブッシング端部90は、ケース空洞68内に配置され、第2のブッシング端部92は、ケース52の外側に配置される。ブッシング88は、第2のケース端部58を通って延び、ケース開口部を封入する。したがって、ブッシング88の第1の部分94は、ケース52の内側に配置され、ブッシング88の第2の部分96は、ケース52の外側に配置される。ブッシング88の第1の部分94は、内側ケース表面70と当接する。追加的に、ブッシング88は、内側ブッシング表面98と、外側ブッシング表面100(すなわちブッシングの外部)とを含む。内側ブッシング表面98は、第1のブッシング端部90と第2のブッシング端部92との間を延びるブッシング開口部102を画定する。ブッシング開口部102は、長手方向軸54に位置合わせされる。第2のリード82は、第2のブッシング端部92を介してブッシング開口部102内に受け入れられる。第2のリードヘッド84および第2のリード本体86の一部は、ブッシング開口部102内に配置される。より詳細には、第2のリード本体86のその部分は、内側ブッシング表面98と当接し、それによって第2のブッシング端部92においてブッシング開口部102を封入する。したがって、ブッシング88は、第2のリード82をケース52から電気的に絶縁するように配置される。
【0044】
[0045]第3の移動可能な導電性部材104(すなわち移動可能な接点部材、フローティング接点部材)が、ケース52内に配設され、熱ペレット80と第2のリード82との間に配置される。移動可能な接点部材104は、第1の部材端部106と第2の部材端部108との間を延びる。第1の部材端部106は、ケース空洞68内に配置され、第2の部材端部108は、ブッシング開口部102内に配置される。より詳細には、第2の部材端部108は、ブッシング88の第2のブッシング端部92内に受け入れられ、第2のリードヘッド84と移動可能に電気的に接触するように動作可能である。
【0045】
[0046]移動可能な接点部材104は、ヘッド110と細長いシャンク112とを含む。ヘッド110は、第1の部材端部106に配設され、細長いシャンク112は、ヘッド110から第2の部材端部108まで延びる。1つの例では、ヘッド110は、約2.30ミリメートルから約3.30ミリメートルの範囲の呼び径、好ましくは2.90ミリメートルから2.70ミリメートルの間の直径を有する。細長いシャンク112は、約1.25ミリメートルから約1.75ミリメートルの範囲の呼び径、好ましくは1.52ミリメートルの直径を有する。細長いシャンク112は、第2の部材端部にある直径が約1.00ミリメートルとなるように径方向に内向きに湾曲する。しかし、移動可能な接点部材104のヘッド110および細長いシャンク112は、任意の適切な直径にサイズ設定されてもよい。
【0046】
[0047]移動可能な接点部材104のヘッド110は、たとえば、半球状、円錐状、凹状、または凸状などのさまざまな形状の任意のものを有してもよい。任意選択により、円錐状のくぼみ114が、移動可能な接点部材104の第1の部材端部106においてヘッド110内に形成されてもよい。円錐状のくぼみ114は、長手方向軸54に沿って第2の部材端部108に向かって延びる。したがって、移動可能な接点部材104のヘッド110は、第1の部材端部106において形成されたヘッド接触表面116を有してもよい。図示される例では、ヘッド接触表面116は、円錐状のくぼみ114の周りに環状またはリング形状で形成される。しかし、ヘッド接触表面116は、任意の他の適切な形状で形成されてもよい。移動可能な接点部材104は、長手方向軸54に沿ってヘッド接触表面116から円錐状のくぼみ114の頂点まで測定されたくぼみ深さを有する。1つの例では、くぼみ深さは、0.15ミリメートルの好ましい深さを含んで、約0.05ミリメートルから約0.25ミリメートルの範囲である。
【0047】
[0048]摺動接点118が、ケース空洞68内に配設されてもよい。摺動接点118は、ケース52の内側ケース表面70と係合することができる周囲または円周方向リップまたは縁部を有する本体120を含むことができる。1つの構成では、複数のフィンガ122が、本体120から延び、本体120の周りに円周方向に離間される。本体120および複数のフィンガ122は、凹部124を画定するように共働する。移動可能な接点部材104のヘッド110は、摺動接点118の凹部124内に受け入れられ、摺動接点118の本体120と電気接触して配置される。追加的に、複数のフィンガ122は、ケース52の内側ケース表面70との間の電気接触を提供するために、その内側ケース表面70と摺動係合する。したがって、摺動接点118は、ケース52および移動可能な接点部材104と電気接触する。
【0048】
[0049]第1のディスク126および第2のディスク128が、ケース空洞68内に配設され、内側ケース表面70と当接してもよい。第1および第2のディスク126、128は、長手方向軸54に沿って離間される。より詳細には、第1のディスク126は、熱ペレット80に隣接して配置され、第2のディスク128は、摺動接点118に隣接して配置される。第1および第2のディスク126、128は、ケース空洞68内で長手方向軸154に沿って摺動可能であるように構成される。
【0049】
[0050]第1の付勢部材130(すなわち第1のばね)が、第1と第2のディスク126、128間に配設される。第2の付勢部材132(すなわち第2のばね)が、摺動接点118と第1のブッシング端部90との間に配設される。第2のばね132は、移動可能な接点部材104の周りをらせん状に延びる。第1および第2のばね130、132のそれぞれは、図示されるようにまっすぐなトリップばねであってもよく、または代替的にはテーパ状ばねであってもよい。第1のばね130は、第1の付勢力によって、摺動接点118および移動可能な接点部材104を長手方向軸54に沿って第1の方向に、そして第2のケース端部58に向かって付勢するように構成される。第2のばね132は、第2の付勢力によって、摺動接点118および移動可能な接点部材104を長手方向軸54に沿って第2の方向に、そして第1のケース端部56に向かって付勢するように構成される。第2の付勢力は、第1の付勢力以下である。
【0050】
[0051]サーマルカットオフデバイス50は、比較的高い抵抗を有する高ゲージ(すなわち小さい直径)ワイヤ134を含む。高ゲージワイヤ134は、Ag、Au、AgCu合金、AgSn合金、AgZnまたはAgCuNi合金から作製されることが可能である。高ゲージワイヤ134は、通常約24ga.から約50ga.の範囲、より詳細には32ga.から44ga.の間のワイヤゲージを有することができる。高ゲージワイヤは、100オーム/1000ft(304.8m)から1200オーム/1000ft(304.8m)、より詳細には350オーム/1000ft(304.8m)から700オーム/1000ft(304.8m)の公称電気抵抗を有することができる。当然ながら、サーマルカットオフデバイス50が使用される動作状態および/または用途に応じて、高ゲージワイヤ134の好ましいゲージおよび抵抗は、異なっていてもよい。高ゲージワイヤ134は、第1のワイヤ端部136と、第1のワイヤ端部136の反対側の第2のワイヤ端部138との間を延びる。ワイヤ長さは、第1のワイヤ端部136から第2のワイヤ端部138まで測定される。1つの例では、ワイヤ長さは、約5ミリメートルから約30ミリメートルの範囲である。より好ましくは、ワイヤ長さは、約10ミリメートルから約20ミリメートルである。第1のワイヤ端部136は、ケース52に電気的に接続される。より詳細には、第1のワイヤ端部136は、ケース52の第2の壁62に電気的に接続され、ブッシング88に隣接して配置される。第2のワイヤ端部138は、第2のリード82に電気的に接続される。より詳細には、第2のワイヤ端部138は、第2のリード本体86に電気的に接続され、第2のブッシング端部92に隣接して配置される。
【0051】
[0052]第1のワイヤ端部136と第2のワイヤ端部138との間の高ゲージワイヤ134の少なくとも一部は、ブッシング88の第2の部分96において外側ブッシング表面100と当接してもよい。高ゲージワイヤ134の一部は、ブッシング88上またはブッシング88の周りに配設されてもよい。換言すれば、高ゲージワイヤ134の一部は、たとえば、ブッシング88および/または外側ブッシング表面100の周りに巻き付けられ、巻かれ、円周方向に配設され、または別様に配置されたワイヤ巻線134aの形態をとってもよい。ワイヤ巻線134aは、ブッシング88をN周し、ここでNは、1から10の間の整数である。たとえば、ワイヤ巻線134aは、ブッシング88の周りに少なくとも1回巻き付けられてもよい。別の例では、ワイヤ巻線134aは、ブッシングの周りに10回未満巻き付けられてもよい。図示される例では、ワイヤ巻線134aは、ブッシング88を3周する。
【0052】
[0053]ワイヤ巻線134aは、円筒状コイルまたはらせん状コイルの形態をとってもよい。これは、対称的、非対称的、均一または不均一であってもよく、および/または一定のピッチまたは可変のピッチを有してもよい。ワイヤ巻線134aは、時計回りまたは反時計回りの方向に巻き付けられてもよい。別の例では、ワイヤ巻線134aは、第2のケース端部58から第2のブッシング端部92まで、またはその間の任意の部分的距離を前後に延び得る蛇行パターンで外側ブッシング表面100の周りに環状に配設されてもよい。代替的には、ワイヤ巻線134aのその部分は、外側ブッシング表面100上またはその周りに任意の他の適切なパターンで形成されてもよい。
【0053】
[0054]有利には、ケース52、外側ブッシング表面100および第2のリード82に対する高ゲージワイヤ134の配置は、高ゲージワイヤ134の支持および/または保護を提供し、それによってサーマルカットオフデバイス50の信頼性および耐久性を向上させる。したがって、高ゲージワイヤは、外部力に対してより弾性的であり、損傷からより良好に保護される。高ゲージワイヤ134はまた、遮断速度を向上させることもできる。
【0054】
[0055]
図2を参照すれば、別のサーマルカットオフデバイス50’が、提供される。サーマルカットオフデバイス50’は、これが、誘電体と、任意選択により、断熱シーリングコンパウンド140’とを含むことを除いて、サーマルカットオフデバイス50と同じである。シーリングコンパウンド140’は、高ゲージワイヤ134’、より詳細には、ワイヤ巻線134a’上に配設されてもよい。追加的に、シーリングコンパウンド140’は、ブッシング88’の第2の部分96’上に配設されてもよい。この構成では、高ゲージワイヤ134’もまた、シーリングコンパウンド140’内に埋め込まれてもよい。シーリングコンパウンド140’は、高ゲージワイヤ134’を損傷からさらに保護し、電気および熱の絶縁体として作用するように動作可能であることができる。
【0055】
[0056]サーマルカットオフデバイス50、50’の動作が、次いで、説明される。サーマルカットオフデバイス50およびサーマルカットオフデバイス50’の動作は、同じであるため、動作を説明するために、サーマルカットオフデバイス50の参照番号のみが使用される。
図1に戻れば、サーマルカットオフデバイス50は、これが、所定の動作温度などの閾値カットオフ温度を満たすか、またはこれを超えた温度になったとき、第1のリード74と第2のリード82との間のDC回路を遮断することによって過熱からの保護を提供する。サーマルカットオフデバイス50の温度が閾値カットオフ温度を満たすか、またはこれを超えたとき、電流は遮断され、サーマルカットオフデバイス50が配設された電気回路の連続性を切断する。サーマルカットオフデバイス50の閾値カットオフ温度は、熱ペレット80の物理的特性に基づくことができる。
【0056】
[0057]
図1は、正常動作状態(たとえば温度を含む正常な動作条件下)にあるサーマルカットオフデバイス50を示しており、ここでは、主要または第1の電気回路は、第1のリード74と第2のリード82との間で閉じられている。正常な動作条件下、熱ペレット80が閾値温度を下回るとき、移動可能な接点部材104は、第1のリード74と第2のリード82の両方に電気的に接続される。より詳細には、熱ペレット80は、固体の物理的状態にあり、第2のばね132の第2の付勢力は、第1のばね130の第1の付勢力未満である。したがって、摺動接点118を移動可能な接点部材104の第1の部材端部106と電気的に接触するように促すために、摺動接点118に対して正味の力が作用する。このようにして、第1の電気回路は確立され、動作電流は、第1のリード74からケース52の第1の壁60へ、ケース52の第1の壁60からケース52の側壁66へ、ケース52の側壁66から摺動接点118へ、摺動接点118から移動可能な接点部材104へ、そして移動可能な接点部材104から第2のリード82へと流れる。第1の電気回路は、サーマルカットオフデバイスの効率的な動作を促進するために低い抵抗を有し、いかなる電流誘導(I
2R)加熱も低減する。
【0057】
[0058]高ゲージワイヤ134もまた、サーマルカットオフデバイス50内に電気的連続性を提供する。より詳細には、第2の電気回路が、第1のリード74からケース52の第1の壁60へ、ケース52の側壁66へ、ケース52の第2の壁62へ、第1のワイヤ端部136を介して高ゲージワイヤ134へ、高ゲージワイヤ134を通って第2のワイヤ端部138へ、そして最終的に第2のリード82へと確立される。第2の電気回路は、第1の電流回路に対して電気的に並列である。第2の電気回路は、高ゲージワイヤ134により、高い抵抗を有する。抵抗が最も少ない経路を追い求める動作電流は、正常な動作条件下では第1の電気回路を通って流れる。
【0058】
[0059]動作中、サーマルカットオフデバイス50および熱ペレット80の温度が上昇して閾値カットオフ温度を満たすか、または超えた場合、サーマルカットオフデバイス50を通る第1の電気回路の連続性は切断される。より詳細には、熱ペレット80は、非固体の物理的状態に変換し、ケース空洞68内の容積を占有しなくなる。したがって、第1のばね130は、第2のばね132の付勢に打ち勝つのに十分な力で移動可能な接点部材104と係合するように摺動接点118を付勢しなくなる。その結果、第2のばね132の付勢は、移動可能な接点部材104を強制して第2のリード82との電気接触から外す。
【0059】
[0060]従来のサーマルカットオフデバイスでは、第2のリード82から移動可能な接点部材104が引き離されたとき(すなわち、移動可能な接点部材104が第2のリード82から係合解除するとき)、特に高電力用途では、動作電流は、移動可能な接点部材104から第2のリード82まで流れ続けようとし、および/またはその間にアークを発生させようとし得る。動作電流が移動可能な接点104と第2のリード82との間を流れようとする、および/またはその間にアークを発生させようするとき、移動可能な接点104および第2のリード82は、互いに融合(すなわち溶接)し得る。したがって、移動可能な接点104は、第1の電気回路内に切断部を作りだすために第2のリード82から係合解除できなくなる。これは、サーマルカットオフデバイスが設置されたデバイスに損傷を与える場合がある。しかし、本開示のサーマルカットオフデバイス50では、第2の電気回路は、分路として作用し、動作電流に代替の電気経路を提供する。より具体的には、第1の電気回路が切断されたとき、動作電流の最小抵抗の経路は、第2の電気回路を通って流れることである。
【0060】
[0061]高い抵抗を有する高ゲージワイヤ134は、動作電流を備える負荷下ですばやく溶けるように構成される。高ゲージワイヤ134の温度は、動作電流が高ゲージワイヤ134を通って流れるときにI
2R加熱によって急激に上昇する。その後、高ゲージワイヤ134は、その融合温度にすばやく到達し、第2の電気回路を遮断するために溶け、デバイスの遮断速度を向上させる。より詳細には、高ゲージワイヤ134内の切断部(
図2の142’を参照)が、高ゲージワイヤ134が溶け始める場所に作りだされ、それによってサーマルカットオフデバイス50を通る電流の流れを遮断する。動作電流は、高ゲージワイヤ134内の切断部が作りだされる前の少なくとも一定の持続時間(すなわち分路の持続時間)の間高ゲージワイヤ134に進行するため、移動可能な接点部材104と第2のリード82との間のアーク発生のリスクは、大きく低減または解消される。図示される例では、その持続時間は、約50ミリ秒から60秒、好ましくは20ミリ秒から30秒の範囲である。しかし、持続時間は、高ゲージワイヤ134の材料、高ゲージワイヤ134のゲージ、高ゲージワイヤ134の長さ、高ゲージワイヤ134の抵抗、高ゲージワイヤ134を通って流れる電流負荷、および高ゲージワイヤ134を通って流れる電圧負荷を含むいくつかの因子に応じて変化する。したがって、持続時間は、任意の適切な時間に変更されてもよい。
【0061】
[0062]実施形態の前述の説明は、例証および説明の目的で提供されてきた。これは、制限的である、または本開示を限定するようには意図されない。具体的な実施形態の個々の要素または特徴は、通常その具体的な実施形態に限定されず、適用可能な場合、交換可能であり、詳細に図示または説明されなくとも選択された実施形態で使用されることが可能である。同じことでも数多くの方法で変更されてもよい。そのようなバリエーションは、本開示からの逸脱としてみなされるものではなく、すべてのそのような改変形態は、本開示の範囲内に含まれるように意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電力DC回路用の温度ヒューズアセンブリであって、
第1のケース端部から第2のケース端部へと延びるケースと、
前記第2のケース端部から突出する絶縁されたリードと、
前記絶縁されたリードを前記ケースから電気的に絶縁するブッシングと、ここで、前記ブッシングが前記第2のケース端部から突出し、
第1のワイヤ端部において前記ケースに電気的に接続され、第2のワイヤ端部において、前記絶縁されたリードに電気的に接続された高ゲージワイヤと
を備え、
前記高ゲージワイヤの一部が、前記ブッシングの外部周りにらせん状に巻き付けられ、
前記温度ヒューズアセンブリの温度が閾値温度を超えたとき、前記温度ヒューズアセンブリは、前記高電力DC回路のDC電流を、前記高ゲージワイヤを通るように導くように構成され、
前記高ゲージワイヤが、前記DC電流の負荷下で溶け、前記高電力DC回路を遮断するように構成されている、温度ヒューズアセンブリ。
【請求項2】
前記ケースに電気的に接続され、前記第1のケース端部から突出する固定されたリードをさらに備える、請求項1に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項3】
前記ケース内に配設され、前記固定されたリードと前記絶縁されたリードとの間に配置された移動可能な接点部材をさらに備える、請求項2に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項4】
前記ケース内に配設され、前記固定されたリードと前記移動可能な接点部材との間に配置された熱ペレットをさらに備え、前記熱ペレットが、前記閾値温度以上で固体の物理的状態から非固体の物理的状態に移行する非導電性材料からなる、請求項3に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項5】
第1の電気回路が、前記固定されたリードから前記ケースへ、前記ケースから前記移動可能な接点部材へ、そして前記移動可能な接点部材から前記絶縁されたリードへと確立され、
第2の電気回路が、前記固定されたリードから前記ケースまで、前記ケースから前記高ゲージワイヤまで、そして前記高ゲージワイヤから前記絶縁されたリードまで確立され、
前記第2の電気回路が、前記第1の電気回路に対して電気的に並列であり、
前記第2の電気回路が、前記第1の電気回路より高い抵抗を有する、請求項4に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項6】
前記熱ペレットの温度が前記閾値温度を超えたとき、前記移動可能な接点部材は、前記絶縁されたリードから電気的に接続解除され、前記DC電流は、前記第2の電気回路を通って流れる、請求項5に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項7】
前記熱ペレットの温度が前記閾値温度を下回るとき、前記移動可能な接点部材は、前記固定されたリードと前記絶縁されたリードの両方に電気的に接続され、前記DC電流は、前記第1の電気回路を通って流れる、請求項5に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項8】
前記高ゲージワイヤの前記一部が、前記ブッシングの外部と当接する、請求項1に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項9】
前記高ゲージワイヤの前記一部が、時計回りまたは反時計回りの方向に前記ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられる、請求項1に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項10】
前記高ゲージワイヤ上に配設されたシーリングコンパウンドをさらに備え、前記高ゲージワイヤが前記シーリングコンパウンド内に埋め込まれるようになっている、請求項1に記載の温度ヒューズアセンブリ。
【請求項11】
高電力DC回路において動作電流を遮断するためのサーマルカットオフデバイスであって、
第1のケース端部から第2のケース端部へと長手方向軸に沿って延びるケースと、
前記ケースに電気的に接続され、前記第1のケース端部に配設され、前記長手方向軸に沿った方向に前記ケースから延びる第1の固定された導電性部材と、
前記第1のケース端部近くの前記ケース内に配設され、閾値温度以上で固体の物理的状態から非固体の物理的状態に移行する非導電性材料を備える熱応答性部材と、
前記第2のケース端部に配設され、前記長手方向軸に沿った方向に前記ケースから延びる第2の固定された導電性部材と、
前記第2の固定された導電性部材と前記ケースとの間に径方向に配設され、電気絶縁性材料を備えるブッシングと、ここで、前記ブッシングが前記第2の固定された導電性部材を前記ケースから電気的に絶縁し、
前記熱応答性部材と前記第2の固定された導電性部材との間に軸方向に配設された第3の移動可能な導電性部材と、
前記熱応答性部材と前記第3の移動可能な導電性部材との間に軸方向に配設された第1の付勢部材と、ここで、前記第1の付勢部材が、第1の付勢力によって、前記第3の移動可能な導電性部材を、前記第2の固定された導電性部材に向かって前記長手方向軸に沿って第1の方向に付勢し、
前記第3の移動可能な導電性部材と前記第2のケース端部との間に軸方向に配設された第2の付勢部材と、ここで、前記第2の付勢部材が、前記第3の移動可能な導電性部材と係合し、第2の付勢力によって、前記第3の移動可能な導電性部材を、前記第2の固定された導電性部材から離れるように前記長手方向軸に沿って第2の方向に付勢し、前記第2の付勢力は、前記第1の付勢力以下であり、
前記ケースに電気的に接続された第1のワイヤ端部と、前記第2の固定された導電性部材に電気的に接続された第2のワイヤ端部とを備える高ゲージワイヤと、ここで、前記第1のワイヤ端部と前記第2のワイヤ端部との間の前記高ゲージワイヤの一部が、前記ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられており、
を備え、
前記熱応答性部材が前記閾値温度を下回るとき、前記第3の移動可能な導電性部材は、前記第1の固定された導電性部材と前記第2の固定された導電性部材の両方に電気的に接続され、前記動作電流は、前記第1の固定された導電性部材、前記第3の移動可能な導電性部材および前記第2の固定された導電性部材を通って流れ、
前記熱応答性部材が前記閾値温度を上回るとき、前記第3の移動可能な導電性部材は、前記第2の固定された導電性部材から電気的に接続解除され、前記動作電流は、前記高ゲージワイヤに分路され、
前記高ゲージワイヤが、前記動作電流を備える負荷下で溶けるように構成されている、サーマルカットオフデバイス。
【請求項12】
前記高ゲージワイヤの前記一部が、前記ブッシングと当接する、請求項11に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項13】
前記高ゲージワイヤ上に配設されたシーリングコンパウンドをさらに備え、前記高ゲージワイヤが前記シーリングコンパウンド内に埋め込まれるようになっている、請求項12に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項14】
前記高ゲージワイヤの前記一部が、時計回りまたは反時計回りの方向に前記ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられている、請求項11に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項15】
前記高ゲージワイヤの前記一部が、前記ブッシングの周りにらせん状にN回巻き付けられており、Nは整数である、請求項11に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項16】
Nが1より大きく、Nは10未満である、請求項15に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項17】
前記第1のワイヤ端部および前記第2のワイヤ端部が、前記ブッシングに隣接して位置している、請求項11に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項18】
前記第1のワイヤ端部が、前記第2のケース端部に隣接して位置している、請求項17に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項19】
前記ブッシングが、第1のブッシング端部から第2のブッシング端部へと延び、前記第1のブッシング端部が前記ケースの内側に配設され、前記第2のブッシング端部が前記ケースの外側に配設されている、請求項18に記載のサーマルカットオフデバイス。
【請求項20】
前記第2のワイヤ端部が、前記第2のブッシング端部に隣接して位置している、請求項19に記載のサーマルカットオフデバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
[0062]実施形態の前述の説明は、例証および説明の目的で提供されてきた。これは、制限的である、または本開示を限定するようには意図されない。具体的な実施形態の個々の要素または特徴は、通常その具体的な実施形態に限定されず、適用可能な場合、交換可能であり、詳細に図示または説明されなくとも選択された実施形態で使用されることが可能である。同じことでも数多くの方法で変更されてもよい。そのようなバリエーションは、本開示からの逸脱としてみなされるものではなく、すべてのそのような改変形態は、本開示の範囲内に含まれるように意図される。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 高電力DC回路用の温度ヒューズアセンブリであって、
第1のケース端部から第2のケース端部へと延びるケースと、
前記第2のケース端部から突出する絶縁されたリードと、
前記絶縁されたリードを前記ケースから電気的に絶縁するブッシングと、ここで、前記ブッシングが前記第2のケース端部から突出し、
第1のワイヤ端部において前記ケースに電気的に接続され、第2のワイヤ端部において、前記絶縁されたリードに電気的に接続された高ゲージワイヤと
を備え、
前記高ゲージワイヤの一部が、前記ブッシングの外部周りにらせん状に巻き付けられ、
前記温度ヒューズアセンブリの温度が閾値温度を超えたとき、前記温度ヒューズアセンブリは、前記高電力DC回路のDC電流を、前記高ゲージワイヤを通るように導くように構成され、
前記高ゲージワイヤが、前記DC電流の負荷下で溶け、前記高電力DC回路を遮断するように構成されている、温度ヒューズアセンブリ。
[2] 前記ケースに電気的に接続され、前記第1のケース端部から突出する固定されたリードをさらに備える、[1]に記載の温度ヒューズアセンブリ。
[3] 前記ケース内に配設され、前記固定されたリードと前記絶縁されたリードとの間に配置された移動可能な接点部材をさらに備える、[2]に記載の温度ヒューズアセンブリ。
[4] 前記ケース内に配設され、前記固定されたリードと前記移動可能な接点部材との間に配置された熱ペレットをさらに備え、前記熱ペレットが、前記閾値温度以上で固体の物理的状態から非固体の物理的状態に移行する非導電性材料からなる、[3]に記載の温度ヒューズアセンブリ。
[5] 第1の電気回路が、前記固定されたリードから前記ケースへ、前記ケースから前記移動可能な接点部材へ、そして前記移動可能な接点部材から前記絶縁されたリードへと確立され、
第2の電気回路が、前記固定されたリードから前記ケースまで、前記ケースから前記高ゲージワイヤまで、そして前記高ゲージワイヤから前記絶縁されたリードまで確立され、
前記第2の電気回路が、前記第1の電気回路に対して電気的に並列であり、
前記第2の電気回路が、前記第1の電気回路より高い抵抗を有する、[4]に記載の温度ヒューズアセンブリ。
[6] 前記熱ペレットの温度が前記閾値温度を超えたとき、前記移動可能な接点部材は、前記絶縁されたリードから電気的に接続解除され、前記DC電流は、前記第2の電気回路を通って流れる、[5]に記載の温度ヒューズアセンブリ。
[7] 前記熱ペレットの温度が前記閾値温度を下回るとき、前記移動可能な接点部材は、前記固定されたリードと前記絶縁されたリードの両方に電気的に接続され、前記DC電流は、前記第1の電気回路を通って流れる、[5]に記載の温度ヒューズアセンブリ。
[8] 前記高ゲージワイヤの前記一部が、前記ブッシングの外部と当接する、[1]に記載の温度ヒューズアセンブリ。
[9] 前記高ゲージワイヤの前記一部が、時計回りまたは反時計回りの方向に前記ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられる、[1]に記載の温度ヒューズアセンブリ。
[10] 前記高ゲージワイヤ上に配設されたシーリングコンパウンドをさらに備え、前記高ゲージワイヤが前記シーリングコンパウンド内に埋め込まれるようになっている、[1]に記載の温度ヒューズアセンブリ。
[11] 高電力DC回路において動作電流を遮断するためのサーマルカットオフデバイスであって、
第1のケース端部から第2のケース端部へと延びるケースと、
前記ケースに電気的に接続され、前記第1のケース端部に配設された第1の固定された導電性部材と、
前記第2のケース端部に配設された第2の固定された導電性部材と、
前記第2の固定された導電性部材と前記ケースとの間に径方向に配置されたブッシングと、ここで、前記ブッシングが前記第2の固定された導電性部材を前記ケースから電気的に絶縁し、
前記ケースに電気的に接続され、前記第1の固定された導電性部材と前記第2の固定された導電性部材との間に軸方向に配設された第3の移動可能な導電性部材と、
前記ケースに電気的に接続された第1のワイヤ端部と、前記第2の固定された導電性部材に電気的に接続された第2のワイヤ端部とを備える高ゲージワイヤと、ここで、前記第1のワイヤ端部と前記第2のワイヤ端部との間の前記高ゲージワイヤの一部が、前記ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられており、
を備え、
前記サーマルカットオフデバイスの温度が閾値温度を上回るとき、前記第3の移動可能な導電性部材は、前記第2の固定された導電性部材から電気的に接続解除され、前記動作電流は、前記高ゲージワイヤに分路される、サーマルカットオフデバイス。
[12] 前記高ゲージワイヤの前記一部が、前記ブッシングと当接する、[11]に記載のサーマルカットオフデバイス。
[13] 前記高ゲージワイヤの前記一部が、時計回りまたは反時計回りの方向に前記ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられている、[11]に記載のサーマルカットオフデバイス。
[14] 前記高ゲージワイヤの前記一部が、前記ブッシングの周りにらせん状にN回巻き付けられており、Nは整数である、[11]に記載のサーマルカットオフデバイス。
[15] Nが1より大きく、Nは10未満である、[14]に記載のサーマルカットオフデバイス。
[16] 前記第1のワイヤ端部および前記第2のワイヤ端部が、前記ブッシングに隣接して位置している、[11]に記載のサーマルカットオフデバイス。
[17] 前記第1のワイヤ端部が、前記第2のケース端部に隣接して位置している、[16]に記載のサーマルカットオフデバイス。
[18] 前記ブッシングが、第1のブッシング端部から第2のブッシング端部へと延び、前記第1のブッシング端部が前記ケースの内側に配設され、前記第2のブッシング端部が前記ケースの外側に配設されている、[11]に記載のサーマルカットオフデバイス。
[19] 前記第2のワイヤ端部が、前記第2のブッシング端部に隣接して位置している、[18]に記載のサーマルカットオフデバイス。
[20] 高電力DC回路において動作電流を遮断するためのサーマルカットオフデバイスであって、
第1のケース端部から第2のケース端部へと長手方向軸に沿って延びるケースと、
前記ケースに電気的に接続され、前記第1のケース端部に配設され、前記長手方向軸に沿った方向に前記ケースから延びる第1の固定された導電性部材と、
前記第1のケース端部近くの前記ケース内に配設され、閾値温度以上で固体の物理的状態から非固体の物理的状態に移行する非導電性材料を備える熱応答性部材と、
前記第2のケース端部に配設され、前記長手方向軸に沿った方向に前記ケースから延びる第2の固定された導電性部材と、
前記第2の固定された導電性部材と前記ケースとの間に径方向に配設され、電気絶縁性材料を備えるブッシングと、ここで、前記ブッシングが前記第2の固定された導電性部材を前記ケースから電気的に絶縁し、
前記熱応答性部材と前記第2の固定された導電性部材との間に軸方向に配設された第3の移動可能な導電性部材と、
前記熱応答性部材と前記第3の移動可能な導電性部材との間に軸方向に配設された第1の付勢部材と、ここで、前記第1の付勢部材が、第1の付勢力によって、前記第3の移動可能な導電性部材を、前記第2の固定された導電性部材に向かって前記長手方向軸に沿って第1の方向に付勢し、
前記第3の移動可能な導電性部材と前記第2のケース端部との間に軸方向に配設された第2の付勢部材と、ここで、前記第2の付勢部材が、前記第3の移動可能な導電性部材と係合し、第2の付勢力によって、前記第3の移動可能な導電性部材を、前記第2の固定された導電性部材から離れるように前記長手方向軸に沿って第2の方向に付勢し、前記第2の付勢力は、前記第1の付勢力以下であり、
前記ケースに電気的に接続された第1のワイヤ端部と、前記第2の固定された導電性部材に電気的に接続された第2のワイヤ端部とを備える高ゲージワイヤと、ここで、前記第1のワイヤ端部と前記第2のワイヤ端部との間の前記高ゲージワイヤの一部が、前記ブッシングの周りにらせん状に巻き付けられており、
を備え、
前記熱応答性部材が前記閾値温度を下回るとき、前記第3の移動可能な導電性部材は、前記第1の固定された導電性部材と前記第2の固定された導電性部材の両方に電気的に接続され、前記動作電流は、前記第1の固定された導電性部材、前記第3の移動可能な導電性部材および前記第2の固定された導電性部材を通って流れ、
前記熱応答性部材が前記閾値温度を上回るとき、前記第3の移動可能な導電性部材は、前記第2の固定された導電性部材から電気的に接続解除され、前記動作電流は、前記高ゲージワイヤに分路され、
前記高ゲージワイヤが、前記動作電流を備える負荷下で溶けるように構成されている、サーマルカットオフデバイス。
【外国語明細書】