(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043523
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】物体のインフィルジオメトリを生成するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 30/23 20200101AFI20240322BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20240322BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240322BHJP
G06F 113/10 20200101ALN20240322BHJP
【FI】
G06F30/23
B33Y50/00
B33Y80/00
G06F113:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023150237
(22)【出願日】2023-09-15
(31)【優先権主張番号】17/933,054
(32)【優先日】2022-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エルフォード, マイケル シー.
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146DJ02
5B146DJ08
5B146EA18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】内部コアと外被との間の複数の界面位置におけるトポロジを一定にするよう、三次元物体の内部コアのインフィルジオメトリを生成する方法、システム及び物体を提供する。
【解決手段】方法は、四面体要素で構成されたドライバメッシュを提供し、三角面を有する正四面体内に適合するよう構成された基準ユニットセルメッシュを提供する。方法は、また、ドライバメッシュの四面体要素の各々について定義される基底関数を使用することを通じて、基準ユニットセルメッシュを調整して、四面体要素にそれぞれ適合させることにより、マッピングされたユニットセルメッシュで構成されたインフィルジオメトリを得るように、基準ユニットセルメッシュを四面体要素にそれぞれマッピングし、マッピングされたユニットセルメッシュ同士をステッチングして、ステッチングされたメッシュを得て、それに対して一又は複数の平滑化工程を実施し、平滑化されたメッシュを得る。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体(120)のインフィルジオメトリ(152)を生成する方法であって、
前記物体(120)の中実バージョンを表現するドライバメッシュ(132)を提供することであって、前記ドライバメッシュ(132)が複数の四面体要素(134)で構成される、ドライバメッシュ(132)を提供することと、
三角面(204)を有する正四面体(202)内に正確に適合するよう構成された基準ユニットセルメッシュ(300)を提供することであって、前記基準ユニットセルメッシュ(300)は、複数のセルメッシュ要素及び関連するセルメッシュノード(306)で構成されており、かつ前記三角面(204)上の前記セルメッシュノード(306)の配置に関して対称である、基準ユニットセルメッシュ(300)を提供することと、
前記ドライバメッシュ(132)の前記複数の四面体要素(134)の各々について定義される基底関数を使用することを通じて、複数の前記基準ユニットセルメッシュ(300)のサイズ及び形状を調整して、前記複数の四面体要素(134)にそれぞれ適合させることにより、複数のマッピングされたユニットセルメッシュ(302)で構成されたインフィルジオメトリ(152)を得るように、前記複数の基準ユニットセルメッシュ(300)を前記複数の四面体要素(134)にそれぞれマッピングすることと、
前記マッピングされたユニットセルメッシュ(302)同士をステッチングすることにより、前記物体(120)の前記インフィルジオメトリ(152)を表現するステッチングされたメッシュ(148)を得ることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ステッチングされたメッシュ(148)に一又は複数の平滑化工程を実施することにより、平滑化されたメッシュ(150)を得ることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準ユニットセルメッシュ(300)を提供することが、
一又は複数のトリミングされたパラメトリック面として前記基準ユニットセルメッシュ(300)を構築し、その後に、前記一又は複数のトリミングされたパラメトリック面をメッシュ化することにより、シェル要素(308)で構成された基準ユニットセルメッシュ(300)を得ることと、
体積を囲む一又は複数のトリミングされたパラメトリック面によって表現される中実構造(210)として前記基準ユニットセルメッシュ(300)を構築し、その後に、前記体積をメッシュ化することにより、中実要素(310)で構成された基準ユニットセルメッシュ(300)を得ること、
のうちの一方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の基準ユニットセルメッシュ(300)を前記ドライバメッシュ(132)にマッピングすることが、
線形基底関数を使用して、前記複数の基準ユニットセルメッシュ(300)を前記ドライバメッシュ(132)の前記複数の四面体要素(134)にそれぞれマッピングすることと、
二次基底関数を使用して、前記複数の基準ユニットセルメッシュ(300)を前記ドライバメッシュ(132)の前記複数の四面体要素(134)にそれぞれマッピングすること、
のうちの一方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ドライバメッシュ(132)を提供することが、
前記物体(120)のドライバデジタルモデル(122)に三次元ドロネー三角形分割を実施することによって、ドライバメッシュ(132)を構築することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ドライバメッシュ(132)を提供することが、
前記物体(120)の少なくとも1つの領域にわたって空間分級された密度を有するドライバメッシュ(132)を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ドライバメッシュ(132)の前記四面体要素(134)の最外部の前記三角面(204)又は外被(102)を画定するトリミングされたパラメトリック面のメッシュ化表現のいずれかによって表現される前記外被(102)に、ある厚さを割り当てることと、
外被メッシュを、外被(102)に対して直角の方向に、割り当てられた厚さと等しい量だけ押し出すことと、
前記外被(102)及び前記インフィルジオメトリ(152)を含む、前記物体(120)の物体デジタル表現(312)を構築することと、
前記物体デジタル表現(312)を使用して、前記物体(120)を付加製造することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
三次元物体(120)のインフィルジオメトリ(152)を生成するためのプロセッサベースのシステム(500)であって、
メモリデバイス(506)を備え、前記メモリデバイス(506)は、
複数の四面体要素(134)で構成されている、前記物体(120)の中実バージョンを表現するドライバメッシュ(132)と、
三角面(204)を有する正四面体(202)内に正確に適合するよう構成された基準ユニットセルメッシュ(300)であって、複数のセルメッシュ要素及び関連するセルメッシュノード(306)で構成されており、かつ、前記三角面(204)上の前記セルメッシュノード(306)の配置に関して対称である、基準ユニットセルメッシュ(300)と、を記憶するように構成されており、
プロセッサベースのシステム(500)は更に、
前記ドライバメッシュ(132)の前記複数の四面体要素(134)について定義される基底関数を使用することを通じて、複数の前記基準ユニットセルメッシュ(300)のサイズ及び形状を調整して、前記複数の四面体要素(134)にそれぞれ適合させることにより、複数のマッピングされたユニットセルメッシュ(302)で構成されたインフィルジオメトリ(152)を得るように、前記複数の基準ユニットセルメッシュ(300)を前記複数の四面体要素(134)にそれぞれマッピングするように構成された、ユニットセルマッピングモジュール(516)を備える、
プロセッサベースのシステム(500)。
【請求項9】
重複セルメッシュノード(306)同士をマージすることによって、ステッチングされたメッシュ(148)を得るよう構成された、メッシュステッチングモジュール(518)と、
前記ステッチングされたメッシュ(148)に一又は複数の平滑化工程を実施することにより、平滑化されたメッシュ(150)を得るよう構成された、メッシュ平滑化モジュール(520)と、を更に備える、請求項8に記載のプロセッサベースのシステム(500)。
【請求項10】
前記ユニットセルマッピングモジュール(516)は、線形基底関数又は二次基底関数の一方を使用して、前記基準ユニットセルメッシュ(300)を前記ドライバメッシュ(132)上にマッピングするよう構成される、請求項8に記載のプロセッサベースのシステム(500)。
【請求項11】
少なくとも1つのドライバメッシュ(132)が、前記物体(120)の少なくとも1つの領域にわたって空間分級されている、請求項8に記載のプロセッサベースのシステム(500)。
【請求項12】
外被(102)及び前記インフィルジオメトリ(152)であって、各々がシェル要素(308)又は中実要素(310)の一方によって画定される、外被(102)及び前記インフィルジオメトリ(152)を表現する前記ドライバメッシュ(132)に、数値解析を実施するよう構成された、物体解析モジュール(522)を更に備え、
前記数値解析は、前記物体(120)の負荷、拘束条件、及び材料特性の所与の組み合わせの適用に応答して、前記ドライバメッシュ(132)の全体にわたる物理量の分布を決定することを含む、請求項9に記載のプロセッサベースのシステム(500)。
【請求項13】
前記数値解析が有限要素解析である、請求項12に記載のプロセッサベースのシステム(500)。
【請求項14】
前記物体解析モジュール(522)は、前記ドライバメッシュ(132)を精錬して、前記ドライバメッシュ(132)全体にわたるスカラー量の前記分布に対応して空間分級された密度を有する精錬されたドライバメッシュ(462)にするよう構成され、
前記ユニットセルマッピングモジュール(516)は、前記基底関数を使用することを通じて、複数の前記基準ユニットセルメッシュ(300)を、前記精錬されたドライバメッシュ(462)の複数の四面体要素(134)にそれぞれマッピングすることにより、前記三次元物体(120)の精錬されたインフィルジオメトリ(464)を得るよう構成される、請求項12に記載のプロセッサベースのシステム(500)。
【請求項15】
物体(120)であって、
外被(102)と、
複数のユニットセル構造(206)を含むインフィル構造(154)であって、前記複数のユニットセル構造(206)が、互いに接続されて前記物体(120)の内部を通って延在する格子を形成する、インフィル構造(154)と、を備え、前記ユニットセル構造(206)の最外層は前記外被(102)に接続されており、前記ユニットセル構造(206)と前記外被(102)との間の全ての界面(110)が同一のトポロジを有し、各ユニットセル構造(206)は、三角面(204)を有する四面体要素(134)内に正確に適合するよう構成される、
物体(120)。
【請求項16】
前記ユニットセル構造(206)は、前記物体(120)の三次元ドロネー三角形分割にしたがって配置される、請求項15に記載の物体(120)。
【請求項17】
前記ユニットセル構造(206)の各々が中空又は中実のいずれかである、請求項15に記載の物体(120)。
【請求項18】
前記インフィル構造(154)が、前記ユニットセル構造(206)同士の間の接続部に平滑な移行部を有する、請求項16に記載の物体(120)。
【請求項19】
前記ユニットセル構造(206)の密度が、前記物体(120)の少なくとも1つの領域にわたって空間分級されている、請求項15に記載の物体(120)。
【請求項20】
前記外被(102)は、少なくとも部分的に前記インフィル構造(154)を囲む、請求項15に記載の物体(120)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して付加製造(additive manufacturing)に関し、詳細には、付加製造可能な三次元物体のインフィルジオメトリ(infill geometry)を生成するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造は、材料の複数の層を互いの上部に連続的に付加し、固化させることにより、三次元の物品又は物体を作製するプロセスである。付加製造された物体は、外被(outer skin)によって覆われた内部コアを含みうる。この内部コアは、相互接続された表面又は要素で構成されたインフィルジオメトリを有してよく、これにより、物体は、中実の内部コアを有する物体よりも軽量になる。
【0003】
三次元物体を付加製造する従来型のプロセスは、従来技術のインフィルジオメトリに基づいて内部コアを作製することを伴う。従来技術のインフィルジオメトリは、サイズ及び形状が均一の、直交反復する構造パターンを有する。この構造パターンのうち、外被の覆いの内部を満たしている部分のみが、付加製造において作製される。これにより、内部コアと外被との間の界面に、不規則かつ不整合なトポロジがもたらされる。特定の界面位置の形状によっては、物体に機械的負荷がかかった時に応力集中が生じうる。
【0004】
理解可能なことであるが、当該技術分野においては、内部コアと外被との間の複数の界面位置におけるトポロジを一定にするように、三次元物体の内部コアのインフィルジオメトリを生成する方法が、必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
付加製造される物体のインフィルジオメトリに関連する上述の必要性は、本開示によって対処される。本開示は、物体の中実バージョンを表現するドライバメッシュを提供することを含む、物体のインフィルジオメトリを生成する方法を提供する。ドライバメッシュは、複数の四面体要素で構成される。この方法は、更に、三角面を有する正四面体内に正確に適合するよう構成された基準ユニットセルメッシュを提供することを含む。基準ユニットセルメッシュは、複数のセルメッシュ要素及び関連するセルメッシュノードで構成される。基準ユニットセルメッシュは、三角面上のセルメッシュノードの配置に関して対称である。方法は、複数の四面体要素の各々について定義される基底関数を使用することを通じて、複数の基準ユニットセルメッシュのサイズ及び形状を調整して、複数の四面体要素にそれぞれ適合させるように、複数の基準ユニットセルメッシュを、ドライバメッシュの複数の四面体要素内にそれぞれマッピングし、これにより、複数のマッピングされたユニットセルメッシュで構成されたインフィルジオメトリを得ることも含む。加えて、方法は、マッピングされたユニットセルメッシュ同士をステッチングすることにより、物体のインフィルジオメトリを表現するステッチングされたメッシュを得ることを含む。
【0006】
三次元物体のインフィルジオメトリを生成するための、プロセッサベースのシステムも開示される。このプロセッサベースのシステムは、ドライバメッシュ及び基準ユニットセルメッシュを記憶するよう構成されたメモリデバイスを含む。ドライバメッシュは、物体の中実バージョンを表現するものであり、複数の四面体要素で構成される。基準ユニットセルメッシュは、複数のセルメッシュ要素及び関連するセルメッシュノードで構成されている。基準ユニットセルメッシュは、三角面を有する正四面体内に正確に適合するよう構成されており、かつ、三角面上のセルメッシュノードの配置に関して対称である。プロセッサベースのシステムは、複数の四面体要素について定義される基底関数を使用することを通じて、複数の基準ユニットセルメッシュのサイズ及び形状を調整して、複数の四面体要素にそれぞれ適合させるように、複数の基準ユニットセルメッシュを、ドライバメッシュの複数の四面体要素内にそれぞれマッピングし、これにより、複数のマッピングされたユニットセルメッシュで構成されたインフィルジオメトリを得るよう構成された、ユニットセルマッピングモジュールも含む。
【0007】
加えて、外被及びインフィル構造を含む物体も開示される。このインフィル構造は複数のユニットセル構造を含む。この複数のユニットセル構造は、互いに接続されて物体の内部を通って延在する格子を形成し、ユニットセル構造の最外層は外被に接続される。ユニットセル構造と外被との間の全ての界面は、同一のトポロジを有する。ユニットセル構造の各々は、三角面を有する四面体要素内に正確に適合するよう構成されるという特性、及び、三角面上のセルメッシュノードの配置に関して対称であるという特性、を有する。
【0008】
前述の特徴、機能、及び利点は、本開示の様々なバージョンにおいて個別に実現可能であるか、又は、更に別のバージョンにおいて組み合わされることもあり、これらのバージョンの更なる詳細事項は、以下の説明及び図面を参照することで理解されうる。
【0009】
本開示は、添付図面と併せて下記の詳細説明を参照することで、より深く理解されうる。添付図面は、好ましく例示的なバージョンを示しているが、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。図面は例であり、本明細書又は特許請求の範囲に対する限定を意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】従来技術の物体の、従来技術のインフィルジオメトリを有する内部コアの斜視図である。
【
図2】
図1の従来技術のインフィルジオメトリに重ねられた球体の輪郭の斜視図である。
【
図3】
図2の内部コアを包含する外被を有する物体の斜視図であり、外被が部分的に切り取られて、内部コアと外被との間の界面における不規則かつ不整合なトポロジを示している。
【
図4】三次元物体のインフィルジオメトリを生成する方法に含まれる工程のフロー図である。
【
図5】球形の三次元物体のドライバデジタルモデル(例えば3Dコンピュータ支援設計モデル)の一例の斜視図である。
【
図6】
図5のドライバデジタルモデルをメッシュ化することによって生成されたドライバメッシュの一例の斜視図であり、ドライバメッシュを構成する複数の四面体要素を示している。
【
図7】ドライバメッシュの、
図6の参照番号7によって特定された部分の拡大図であり、ドライバメッシュの複数の四面体要素のうちの1つの四面体要素の複数のドライバメッシュノードを示している。
【
図8】ユニットセルジオメトリの中空バージョンの一例の斜視図である。
【
図9】
図8の中空ユニットセルジオメトリの基準ユニットセルメッシュの表現の一例の斜視図であり、シェル要素で構成された基準ユニットセルメッシュを示している。
【
図10】
図8の中空ユニットセルジオメトリの基準ユニットセルメッシュ表現の斜視図であり、六面体要素で構成された基準ユニットセルメッシュを示している。
【
図11】
図8のユニットセルジオメトリの中実バージョンの斜視図である。
【
図12】
図11の中実ユニットセルジオメトリの基準ユニットセルメッシュ表現の一例の斜視図であり、四面体要素で構成された基準ユニットセルメッシュを示している。
【
図13】基準ユニットセルメッシュをドライバメッシュの線形四面体要素上にマッピングする方法に含まれる工程のフロー図である。
【
図14】4つの角ノードを有する正四面体の一例の斜視図であり、該正四面体内に完全に包含された関心点及び関心四面体を更に示している。
【
図15】4つの角ノードを有する正四面体内に包含された基準ユニットセルメッシュの一例の斜視図である。
【
図16】ドライバメッシュの4ノードの線形四面体要素上にマッピングされた、
図15の基準ユニットセルメッシュの斜視図である。
【
図17】4つの角ノード及び6つの中間側(mid-side)ノードを有する正四面体の一例の斜視図である。
【
図18】10ノードの正四面体内に包含された基準ユニットセルメッシュの斜視図である。
【
図19】ドライバメッシュの二次四面体要素上にマッピングされた、
図18の基準ユニットセルメッシュの斜視図である。
【
図20】互いにステッチングされてステッチングされたメッシュを形成している複数のマッピングされたユニットセルメッシュで構成された、インフィルメッシュの一例の斜視図である。
【
図21】ステッチングされたメッシュの、
図20の参照番号21により特定された部分の拡大図である。
【
図22】ステッチングされたメッシュの、
図21の参照番号22により特定された部分の拡大図である。
【
図23】
図20のステッチングされたメッシュに複数の平滑化工程を実施することによって生成された、平滑化されたメッシュの一例の斜視図である。
【
図24】平滑化されたメッシュの、
図23の参照番号24により特定された部分の拡大図である。
【
図25】
図8の基準ユニットセルメッシュを
図6のドライバメッシュ上にマッピングすることによって生成された、付加製造可能な物体の斜視図であり、インフィル構造と外被との間の界面における一定したトポロジを示している。
【
図26】本書で開示しているシステム及び方法を使用して生成されたインフィルジオメトリを有する三次元物体を製造するための、付加製造装置の一例の側面図である。
【
図27】螺旋物体のドライバデジタルモデルの一例の斜視図である。
【
図28】
図27のドライバデジタルモデルをメッシュ化することによって生成されたドライバメッシュの一例の斜視図である。
【
図29】
図27の螺旋物体の付加製造可能なバージョンの斜視図であり、基準ユニットセルメッシュを
図28のドライバメッシュ上にマッピングすることによって生成されたインフィルジオメトリを明らかにするために、外被は部分的に描かれていない。
【
図30】円筒物体のドライバメッシュの一例の斜視図であり、ドライバメッシュの空間分級(spatial grading)を示している。
【
図31】基準ユニットセルメッシュを
図30のドライバメッシュ上にマッピングすることによって生成されたインフィルジオメトリの斜視図である。
【
図33】貫通穴を有する直方体のドライバデジタルモデルの一例の斜視図である。
【
図34】
図33のドライバデジタルモデルをメッシュ化することによって生成されたドライバメッシュの一例の斜視図であり、貫通穴の周囲のドライバメッシュの空間分級を示している。
【
図35】
図33の直方体の付加製造可能なバージョンの斜視図であり、基準ユニットセルメッシュを
図34のドライバメッシュ上にマッピングすることによって生成されたインフィルジオメトリを明らかにするために、外被は部分的に描かれていない。
【
図36】貫通穴を有するクレビスブラケットのドライバデジタルモデルの一例の斜視図である。
【
図37】
図36のドライバデジタルモデルをメッシュ化することによって生成されたドライバメッシュの一例の斜視図であり、貫通穴の周囲のドライバメッシュの空間分級を示している。
【
図38】
図36のクレビスブラケットの付加製造可能なバージョンの斜視図であり、基準ユニットセルメッシュを
図37のドライバメッシュ上にマッピングすることによって生成されたインフィルジオメトリを明らかにするために、外被は部分的に描かれていない。
【
図39】三次元物体のインフィルジオメトリを生成するための本書で開示している方法の工程を実施するための、プロセッサベースのシステムの一例のブロック図である。
【
図40】
図39のプロセッサベースのシステムのユーザインターフェースの一例を示す。
【
図41】四半円物体のドライバデジタルモデルの一例の斜視図である。
【
図42】
図41のドライバデジタルモデルをメッシュ化することによって生成されたドライバメッシュの一例の斜視図である。
【
図43】基準ユニットセルメッシュを
図42のドライバメッシュ上にマッピングすることによって生成されたインフィルジオメトリの側面図である。
【
図44】
図41の四半円物体の斜視図であり、四半円物体への機械的負荷及び拘束条件の適用に応じた、この物体全体にわたるミーゼス応力(von Mises stress)分布を示している。
【
図45】
図44のミーゼス応力分布に対応して空間分級されている、精錬されたメッシュの斜視図である。
【
図46】基準ユニットセルメッシュを
図45の精錬されたメッシュ上にマッピングすることによって生成された、四半円物体のインフィルジオメトリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この開示において示している図は、提示されているバージョンの様々な態様を表しており、以下では相違のみを詳述する。
【0012】
本書では以下、添付図面を参照しつつ開示されている例についてより網羅的に説明する。添付図面には、開示されている例の一部(全部ではない)が示されている。実際には、いくつかの異なる例が提供されることがあるが、これらの例は、本書に記載されている例に限定されると解釈すべきではない。これらの例はむしろ、この開示が包括的なものになり、かつ本開示の範囲が当業者に十分に伝わるように、提供されている。
【0013】
この明細書は、「一部の例(some examples)」、又は「一例(one example若しくはan example)」に対する言及を含む。「一部の例」又は「一例」という表現がある場合、それは必ずしも同一の例を指し示すわけではない。特定の特徴、構造、又は特性は、この開示と矛盾のない任意の好適な様態で組み合わされうる。
【0014】
本書で使用される場合、「備える・含む(comprising)」という語はオープンエンド形式であり、特許請求の範囲において使用される場合、この語は追加の構造又はステップを除外するものではない。
【0015】
本書で使用される場合、「よう構成され(configured to)」という語は、様々な部品又は構成要素が一又は複数のタスクを実施する「よう構成され」ていることを、説明しうるか又は特許請求しうることを意味する。かかる文脈においては、「よう構成され」という語は、かかる部品又は構成要素が工程においてかかる一又は複数のタスクを実施する構造を含むことを示すことによって、構造を暗示するために使用される。そのため、かかる部品又は構成要素は、たとえその時点において稼働可能でなくとも(例えばオンでなくとも)、かかるタスクを実施するよう構成される、と述べられうる。
【0016】
本書で使用される場合、単数形で、及び「一」又は「1つの(a又はan)」という語の後に記載される要素又はステップは、複数のかかる要素又はステップを必ずしも除外しないと理解すべきである。
【0017】
本書で使用される場合、列挙されたアイテムと共に使用される際の「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という表現は、列挙されたアイテムのうちの一又は複数の種々の組み合わせが使用されうること、及び、列挙された各アイテムのうちの1つだけが必要とされうることを意味している。換言すると、「のうちの少なくとも1つ」は、アイテムの任意の組み合わせ及び任意の数のアイテムが列挙された中から使用されうるが、列挙されたアイテムのすべてが必要なわけではないことを意味している。このアイテムとは、特定の物体、物品、またはカテゴリでありうる。
【0018】
これより図面を参照する。
図1には、付加製造可能な従来技術の三次元物体100の内部コア106の、従来技術のインフィルジオメトリ108の一例が示されている。従来技術のインフィルジオメトリ108は、サイズ及び形状が均一な直交反復する構造パターンを有する。従来技術の三次元物体100を付加製造するための準備においては、従来型のソフトウェアが、
図2に示している、構造パターンの、従来技術の物体100の外被102の境界の内部にある部分を算出する。これにより、
図3に示しているように、内部コア106と外被102との間の界面110におけるトポロジが不規則かつ不整合になる。上述したように、特定の界面110の位置の形状によっては、局所的な応力集中が生じうる。
【0019】
図4に加えて
図5-25を参照するに、
図4には工程のフロー図が示されており、これらの工程は、任意形状(例えば
図25の球体)の三次元物体120(
図25)のインフィルジオメトリ152(
図25)を生成する方法700に含まれる。方法700のステップ702は、物体120の中実バージョンのサイズ及び形状を表現するドライバメッシュ132(
図6)を提供することを含む。ドライバメッシュ132は複数の四面体要素134(
図6)で構成される。ドライバメッシュ132の四面体要素134は、物体120内に包含される体積の全体を通じて延在する。各四面体要素134は、ドライバメッシュノード140(
図6)を含む。加えて、各四面体要素134は、ドライバメッシュノード140同士の間に延在するエッジ146を含む。
【0020】
図5-7を参照するに、ドライバメッシュ132は、物体120のドライバデジタルモデル122(例えばコンピュータ支援設計(CAD)モデル)をメッシュ化することによって構築されうる。
図5は、球体のドライバデジタルモデル122の一例を示している。
図6は、
図5のドライバデジタルモデル122をメッシュ化することによって生成されたドライバメッシュ132の一例を示している。
図7は、
図6のドライバメッシュ132の一部分を示しており、ドライバメッシュ132の複数の四面体要素134のうちの1つの、複数のドライバメッシュノード140を図示している。ドライバデジタルモデル122のメッシュ化は、好適なメッシュ化アルゴリズムを介して実施されてよく、かかるメッシュ化アルゴリズムは、オプションで、市販のソフトウェアパッケージ(例えばAbaqus CAE
TM、Patran
TM、Ansys Workbench
TMなど)によって、又はオープンソースソフトウェアプログラム(例えばGmsh)によって、ホストされうる。一部の例では、ドライバメッシュ132を提供するステップ702は、物体120のドライバデジタルモデル122に三次元ドロネー三角形分割(Delaunay triangulation)を実施することによって、ドライバメッシュ132を構築することを含む。加えて一部の例では、ステップ702は、
図30-46の例に示し、かつ以下で詳述するような、物体120の少なくとも1つの領域にわたって空間分級されているドライバメッシュ132を提供することを含む。
【0021】
ドライバメッシュ132は、線形四面体要素136(例えば
図16参照)で構成されることがある。
図15及び
図16に示し、かつ以下で詳述するように、線形四面体要素136の各々は4つの角ノード142を有し、これにより、線形四面体要素136の各々の各エッジ146は2つの角ノード142からなる。ドライバメッシュ132は、線形四面体要素136の代わりとして、二次四面体要素138(例えば
図17参照)で構成されることもあるが、これは、より複雑なジオメトリを有する物体の場合に望ましいことでありうる。
図17に示しているように、二次四面体要素138の各々は、4つの角ノード142及び6つの中間側ノード144を有し、これにより、二次四面体要素138の各々の各エッジ146は、2つの角ノード142と、この2つの角ノード142の間に位置する及び1つの中間側ノード144からなるが、これについては以下で詳述する。
【0022】
図18-19を参照するに、方法700のステップ704は、基準ユニットセルメッシュ300(例えば
図9、
図10、及び
図12参照)を提供することを含む。基準ユニットセルメッシュ300は、複数のセルメッシュ要素及び関連するセルメッシュノード306で構成される。後述するように、セルメッシュ要素は、シェル要素308又は中実要素310のいずれかである。基準ユニットセルメッシュ300は、
図15の例に示しているように、正四面体202内に正確に適合するよう構成される。正四面体202は4つの三角面204を有し、基準ユニットセルメッシュ300は、三角面204上のセルメッシュノード306の配置に関して対称である。この意味で、基準ユニットセルメッシュ300は、互いに交差する4つのセルブランチ214を有する4ブランチ構造の形態をとりうる。
図15に示しているように、各セルブランチ214は、正四面体202の4つの三角面204のうちの1つに対して直角に配向される。図示している例では、各セルブランチ214は、R化された三角形の断面形状を有する。しかし、他の例(図示せず)では、セルブランチ214は、代替的な断面形状(例えば円形の断面形状)を有することもある。更なる例(図示せず)では、基準ユニットセルメッシュ300の中心が泡型形状を融資、この泡型形状からセルブランチ214が延在していることもある。また更なる例(図示せず)では、基準ユニットセルメッシュ300が、各三角面204に2つ以上のセルブランチ214を有することもある。基準ユニットセルメッシュ300は、4つのセルブランチ214を有するものに限定されるわけではない。
【0023】
図8-12を参照するに、
図8には、ユニットセルジオメトリ212のユニットセルデジタルモデル216の一例が示されている。図示しているこの例では、ユニットセルジオメトリ212は中空である。この意味で、交差しているセルブランチ214の各々も中空である。
図9は、
図8の中空ユニットセルジオメトリ212の基準ユニットセルメッシュ300の表現の一例を示している。
図9の基準ユニットセルメッシュ300は、シェル要素308で構成されている。基準ユニットセルメッシュ300がシェル要素308で構成されていることから(例えば
図9参照)、基準ユニットセルメッシュ300を提供するステップ704は、トリミングされたパラメトリック面として基準ユニットセルメッシュ300を構築し、その後にこのトリミングされたパラメトリック面をメッシュ化することにより、シェル要素308で構成された基準ユニットセルメッシュ300を得ることを含む。
【0024】
図10は、
図8の中空ユニットセルジオメトリ212の基準ユニットセルメッシュ300の表現を示している。
図10の基準ユニットセルメッシュ300は、中実要素310で構成されており、図示しているこの例では、中実要素310は六面体要素である。この意味で、中空セルブランチ214の各々を画定するブランチ壁208も、六面体要素で構成されている。
図11は、
図8のユニットセルジオメトリ212を表現する中実構造210(すなわち中空ではない構造)のユニットセルデジタルモデル216の一例を示している。
図12は、
図11の中実ユニットセルジオメトリ212の基準ユニットセルメッシュ300の表現の一例を示している。
図12の基準ユニットセルメッシュ300は、中実要素310で構成されており、図示しているこの例では、中実要素310は四面体要素である。基準ユニットセルメッシュ300が中実要素310で構成されていることから(例えば
図10及び
図12参照)、基準ユニットセルメッシュ300を提供するステップ704は、体積を囲む一又は複数のトリミングされたパラメトリック面によって表現される基準ユニットセルメッシュ300を構築し、その後にこの体積をメッシュ化することにより、中実要素310で構成された基準ユニットセルメッシュ300を得ることを含む。
【0025】
基準ユニットセルメッシュ300が、後述するようにドライバメッシュ132上にマッピングされると、基準ユニットセルメッシュ300の対称性により、(互いに隣接関係で位置付けられている)マッピングされたユニットセルメッシュ302で構成されたインフィルジオメトリ152がもたらされる(例えば
図20-21参照)。隣接するマッピングされたユニットセルメッシュ302のセルブランチ214同士がステッチングされて、ステッチングされた連続メッシュ148を形成する。以下で詳述するように、次いでステッチングされたメッシュ148に平滑化工程が実施され、
図23-24に示しているような平滑化されたメッシュ150が得られる。ステッチングされたメッシュ148が複数回の平滑化工程を経ると、ステッチングされたメッシュ148は、ステッチングされたメッシュ148にそれぞれマッピングされる基準ユニットセルメッシュ300の初期形状が様々であることに関わらず、これらの基準ユニットセルメッシュ300が同一のトポロジを有している限り、結果として、概して同じ形状の平滑化されたメッシュ150となる。平滑化されたメッシュ150は、物体120(
図25)の付加製造のための準備において、物体デジタル表現312に変換される。結果として得られる、付加製造される物体120のインフィル構造154は、
図25に示し、かつ後述するような、相互接続されたユニットセル構造206で構成される。
【0026】
図13-20を参照するに、方法700のステップ706は、複数の基準ユニットセルメッシュ300(
図15及び図 18)を、複数の四面体要素134(
図16及び
図19)の各々について定義される基底関数を使用することを通じて、ドライバメッシュ132の複数の四面体要素134上にそれぞれマッピングすることを含む。以下で詳述するように、基底関数を介してマッピングするプロセスは、複数の基準ユニットセルメッシュ300のサイズ及び形状を調整して、複数の四面体要素134のサイズ及び形状にそれぞれ適合させ、これにより、ドライバメッシュ132の複数の四面体要素134内にそれぞれ適合する複数のマッピングされたユニットセルメッシュ302(
図20)で構成されたインフィルジオメトリ152(
図20)を得るように、実施される。基準ユニットセルメッシュ300は、パラメータ空間200において、
図15の例に示しているように、正四面体202内に座標ζ
1、ζ
2、ζ
3、ζ
4が画定されている四面体体積座標系にしたがって説明される。
4つの座標(ζ
1、ζ
2、ζ
3、ζ
4)は、四面体内の任意の所与の点において総計が1となる(ζ
1+ζ
2+ζ
3+ζ
4=1)。ドライバメッシュ132は、現実空間130において、
図16の例に示しているように、(例えばx軸、y軸、z軸を有する)現実空間座標系にしたがって説明される。マッピングが完遂された後に、結果として、互いに接続され、かつ物体120の外被102に接続された複数のマッピングされたユニットセルメッシュ302で構成された、インフィルジオメトリ152(例えば
図25参照)が得られる。この意味で、物体120は一体的に構築されたものである。有利には、本書で開示しているマッピングプロセスにより、インフィルジオメトリ152と外被102との間の界面110(
図25)における、一定したトポロジ(すなわち同一の形状又はフットプリント)が得られる。
【0027】
次に、複数の基準ユニットセルメッシュ300をドライバメッシュ132の複数の四面体要素134上にそれぞれマッピングするステップ706について、
図13の方法800を参照しつつ説明する。方法800は、ドライバメッシュ132の四面体要素134の各々について実施されるものであり、基準ユニットセルメッシュ300のセルメッシュノード306の各々について、ステップ802、804、及び806を順次実施することを含む。
【0028】
方法800はまず、
図14-16を参照しつつ、ドライバメッシュ132(
図16)が線形四面体要素136(
図16)で構成される例について説明される。かかる例では、マッピングするプロセスは、線形基底関数を使用して、複数の基準ユニットセルメッシュ300をドライバメッシュ132の線形四面体要素136上にマッピングすることを含む。上述したように、線形四面体要素136の各々は、
図16の例に示しているように、現実空間130における、p
1…p
4と特定される4つの角ノード142を有する。
図14及び
図15は、パラメータ空間200、及び正四面体202上でp
1…p
4と特定されている角ノード142に対応する位置を画定する、正四面体202を示している。加えて、
図14は、正四面体202内に包含されている関心点304(例えばセルメッシュノード306)も示している。正四面体202内に完全に包含された関心四面体305も図示されている。関心四面体305は、角ノードp
1、p
2、p
3及び関心点304によって画定される。加えて、
図15は、正四面体202内に包含されている基準ユニットセルメッシュ300の一例も示している。
【0029】
本開示の文脈において、基底関数は、関心点の周囲の複数の点における重み付けされた値の組み合わせを使用して、ある領域内の関心点の値を説明するものである。
図14において、関心点304は、ドライバメッシュ132(
図16)の線形四面体要素136(
図16)上にマッピングされつつあるセルメッシュノード306(
図15)である。線形基底関数の場合、関心点304の周囲の複数の点は角ノード142である。
図15を参照するに、方法800のステップ802は、次の方程式を使用して、パラメータ空間200内のセルメッシュノード306における体積座標ζ
1、ζ
2、ζ
3、ζ
4を算出することを含む。
図14を参照するに、式中、
V
1234は、点p
1、p
2、p
3、p
4によって画定される正四面体の体積であり、
V
P234は、関心点304及び点p
2、p
3、p
4によって画定される四面体の体積であり、
V
P134は、関心点304及び点p
1、p
3、p
4によって画定される四面体の体積であり、
V
P124は、関心点304及び点p
1、p
2、p
4によって画定される四面体の体積であり、
V
P123は、関心点304及び点p
1、p
2、p
3によって画定される四面体の体積である。
【0030】
体積座標が算出された後にステップ804が実施される。ステップ804は、次の方程式を使用して、セルメッシュノード306における線形基底関数N
1…N
4を算出することを含む。
【0031】
線形基底関数が算出された後にステップ806が実施される。ステップ806は、次の方程式を使用して、現実空間130内のセルメッシュノード306における位置ベクトルp=(p
x、p
y、p
z)を算出することを含む。
式中、pi
x、pi
y、及びpi
zはそれぞれ、現実空間130における角ノード142(すなわち点p
1...p
4)のx成分、y成分、及びz成分である。
【0032】
上述したように、ステップ802、804、及び806は、基準ユニットセルメッシュ300の各セルメッシュノード306について、順次実施される。
図16は、
図15の基準ユニットセルメッシュ300を
図16の線形四面体要素136上にマッピングすることによって得られた、マッピングされたユニットセルメッシュ302を示している。このマッピングプロセスは、ドライバメッシュ132の線形四面体要素136の各々について反復される。
【0033】
方法800は次に、
図17-19を参照しつつ、ドライバメッシュ132が二次四面体要素138で構成される例について説明される。かかる例では、マッピングするプロセスは、二次基底関数を使用して、複数の基準ユニットセルメッシュ300をドライバメッシュ132の二次四面体要素138の各々上にマッピングすることを含む。上述したように、二次四面体要素138の各々は、
図18及び19の例に示しているように、現実空間130における、4つの角ノード142(p
1…p
4)及び6つの中間側ノード144(p
5…p
10)を有する。
図17及び
図18は、パラメータ空間200、及び正四面体202上の角ノードp
1…p
4及び中間側ノードp
5…p
10に対応する位置を画定する、正四面体202を示している。関心点304は、マッピングされるセルメッシュノード(
図18)である。加えて、
図18は、正四面体202内に包含されている基準ユニットセルメッシュ300も示している。
【0034】
図18を参照するに、方法800のステップ802は、上述したように上記の方程式を使用して、パラメータ空間200内のセルメッシュノード306における体積座標ζ
1、ζ
2、ζ
3、ζ
4を算出することを含む。体積座標が算出された後にステップ804が実施される。ステップ804は、次の方程式を使用して、セルメッシュノード306の二次基底関数N
1…N
10を算出することを含む。
【0035】
二次基底関数が算出された後にステップ806が実施される。ステップ806は、次の方程式を使用して、現実空間130内のセルメッシュノード306における位置ベクトルp=(p
x、p
y、p
z)
Tを算出することを含む。
【0036】
ステップ802、804、及び806は、基準ユニットセルメッシュ300のセルメッシュノード306の各々を二次四面体要素138上にマッピングするために、順次実施される。
図19は、
図18の基準ユニットセルメッシュ300を
図19の二次四面体要素138上にマッピングすることによって得られた、マッピングされたユニットセルメッシュ302を示している。
図20は、基準ユニットセルメッシュ300を、
図6のドライバメッシュ132の四面体要素134上にマッピングした結果を示している。
【0037】
図20を参照するに、方法700のステップ708は、マッピングされたユニットセルメッシュ302同士をステッチングすることを含む。このステッチングプロセスにおいて、重複(coincident)セルメッシュノード306同士がマージされ、これにより、隣接するマッピングされたユニットセルメッシュ302のセルブランチ214同士がステッチングされることになる。
【0038】
図20-24を参照するに、方法700のステップ710は、ステッチングされたメッシュ148(
図20-22)に対して一又は複数の平滑化工程を実施することにより、平滑化されたメッシュ150(
図23-24)を得ることを含む。平滑化工程は、ラプラス平滑化工程、ラプラス-ベルトラミ平滑化工程、体積制約付きラプラス平滑化、トウビン平滑化、又は別種の平滑化工程でありうる。一例では、関心セルメッシュノードにラプラス平滑化を適用することは、この関心セルメッシュノードの近傍ノード全ての位置の重み付けされた平均をとることによって、関心セルメッシュノードの新たな位置を算出することを伴う。
図22は、ステッチングされたメッシュ148の、
図21の参照番号22により特定された部分の拡大図であり、ステッチングされたメッシュ148の2つのセルブランチ214A、214Bの接合部を示している。図示している例では、関心ノードAの新たな位置は、次の方程式を使用して、その近傍ノード全ての位置の重み付けされた平均をとることによって算出される。
ここで、A
x、A
y、及びA
zはそれぞれ、セルメッシュノードAの更新された位置のx成分、y成分、及びz成分である。pi
x、pi
y、及びpi
zはそれぞれ、i番目の近傍ノード(例えば、この具体例ではノードB、C、D、E、F、G、H、又はIのうちの1つ)の位置のx成分、y成分、及びz成分である。
は、i番目の近傍ノードに関連付けられた重みを意味し、kは、近傍ノードの総数である(すなわち、この例ではk=8)。少なくとも1つの例では、重みの全ての値は1.0に等しく、これにより、重みづけされない相加平均(average sum)が提供される。別の例では、重みは、セルメッシュノードAとi番目の近傍ノードとの間の距離に反比例する。更に別の例では、重みは、セルメッシュノードAとi番目の近傍ノードとの間の距離の二乗に反比例する。
【0039】
ステッチングされたメッシュ148全体にラプラス平滑化を適用するためには、あらゆるセルメッシュノード306について、それぞれの独自の近傍ノードのセットを考慮しつつ、上述した工程が実施される。このプロセスは次いで、何回か反復され、各回につき、ラプラス平滑化工程によって生成された新たなメッシュが使用される。典型的には、ラプラス平滑化の適用は100回反復される。ただし、平滑化工程の回数は、少ない(例えば1回である)ことも、多い(例えば1000回以上である)こともある。
【0040】
図23-24は、
図20のステッチングされたメッシュ148に複数の平滑化工程を繰り返し実施することによって生成された、平滑化されたメッシュ150の一例を示している。この具体例では、ステッチングされたメッシュ148に対して、重み付けされないラプラス平滑化工程の適用が100回反復された。この平滑化工程の結果として、セルブランチ214同士の間の接合部は、
図24に示しているように、ノッチ、段差、又は鋭角を伴わない、なだらかに湾曲した移行部156となっている。同様に、平滑化されたメッシュ150のセルブランチ214と外被メッシュ(図示せず)との間の各界面110も、全体的に湾曲した形状を有している。有利には、平滑化工程により、付加製造された物体120(
図25)における応力集中の発生が減少しうる。
【0041】
図25を参照するに、上述の方法を使用して生成されたインフィルジオメトリ152を有する三次元物体120の、物体デジタル表現312の一例が示されている。物体デジタル表現312は、インフィルジオメトリ152に加えて、外被102の外被ジオメトリも含む。一又は複数の例では、物体デジタル表現312の外被102は、ドライバメッシュ132(
図6)の四面体要素134(
図6)の最外部の三角面204(
図6)によって表現されている外被ジオメトリを、外被102に対して直角の方向に押し出すこと(extruding)によって構築される。他の例では、物体デジタル表現312の外被102は、ドライバデジタルモデル122の外被102に関連付けられたトリミングされたパラメトリック面(図示せず)をメッシュ化することにより、外被メッシュ(図示せず)を生成すること、及び、外被メッシュ内に包含される要素を、外被102に対して直角の方向に押し出すことによって、構築される。外被メッシュとインフィルメッシュとを付加的な様態で互いに結合するために、オプションで、ブール演算(boolean operation)が適用されることもある。
【0042】
物質的なバージョンでは、物体120は、外被102の少なくともいくらかの部分及びインフィル構造154を含む。インフィル構造154及び外被102は、物体120を付加製造するのに使用される粉体410(
図26)の材料組成に応じて、高分子の、セラミックの、及び/又は金属の材料で形成される。外被102は、少なくとも部分的に、インフィル構造154を囲む。図示している例では、外被102は、非平面であり、均一な主曲率を有して二重になって湾曲している(すなわち、この例では球状である)。しかし、図示していない他の例では、物体120は、物体120の少なくとも1つの領域において均一ではない主曲率を有して二重になって湾曲している、外被102を有することもある(例えば楕円体や鞍形状)。他の例では、物体120は、物体120の少なくとも1つの領域内にただ1つの非ゼロの主曲率を有する外被102を有しうる(例えば円錐形又は円筒形物体)。更なる例では、物体120は、物体120の少なくとも1つの領域内に曲率を包含しない(すなわち平面である)外被102を有しうる。
【0043】
図25に示しているように、インフィル構造154は、複数のユニットセル構造206で構成される。上述したように、各ユニットセル構造206は、4つのセルブランチ214を有してよく、かつ、三角面204を有する四面体要素134内に正確に適合するよう構成される。各ユニットセル構造206は、三角面204上のセルメッシュノード306の配置に関して対称であることで、ユニットセル構造206が、互いに接続されて物体120全体を通って延在する樹状格子を形成することが可能になる。上述した平滑化工程の結果として、インフィル構造154は、ユニットセル構造206同士の間の接続部に平滑な(すなわち全体的に湾曲した)移行部156を有することになる。これにより、物体120全体を通じた応力のなだらかな分布が促進され、また、応力集中の低減又は最小化が可能になる。
【0044】
ユニットセル構造206は、上述したように、物体120の三次元ドロネー三角形分割にしたがって配置されうる。
図25には示していないが、一部の例では、以下で詳述するように、ユニットセル構造206の密度は、物体120の少なくとも1つの領域にわたって空間分級される(例えば、
図31、32、35、38、46参照)。ユニットセル構造206の最外層は、外被102に接続される。上述したように、ユニットセル構造206と外被102との間の全ての界面110が、同一のトポロジ(すなわち同一の概形)を有する。この意味で、界面110の接続部の全てが、互いに微分同相であり、かつS
1のセットと微分同相である。界面110における一定したトポロジにより、界面110における応力集中が低減又は最小化されうる。この意味で、かかる界面110の複数位置における応力が低減することで、付加製造された物体120の疲労寿命が改善されうる。
【0045】
図25-26を参照するに、方法700は、一部の例では、物体120のデジタル表現を使用して、付加製造プログラム536(例えばソフトウェアプログラム・
図39参照)を実現することを含む。付加製造プログラム536は、三次元物体120を製造するために、付加製造装置400によって使用されうる。
図26は、
図25の物体120を製造するための付加製造装置400の一例を示している。
【0046】
図26の例では、付加製造装置400は、付加製造のための選択的レーザー溶融を使用する、粉体床融解機として構成されている。付加製造装置400は、粉体410を包含する粉体供給チャンバ412を含む。粉体410は、高分子粉体、セラミック粉体、金属粉体、又はこれらの任意の組み合わせでありうる。粉体供給チャンバ412は、粉体供給アクチュエータ418によって駆動される粉体供給ピストン416を介して、垂直方向に可動に支持される。
【0047】
付加製造装置400は、粉体水平化装置420(ローラなど)、及びビルドチャンバ402を含む。ビルドチャンバ402は、粉体床414を支持するビルドプラットフォーム404を含む。ビルドプラットフォーム404は、ビルドプラットフォームアクチュエータ408によって駆動されるビルドプラットフォームピストン406を介して、段階的に垂直方向に可動である。付加製造装置400は、エネルギー源424又は熱源(例えば、レーザービーム428を発出するよう構成されたレーザーデバイス426)を更に含む。物体120の付加製造中に、粉体水平化装置420は、粉体供給チャンバ412内に包含された粉体410を横切って粉体床414上へと周期的に動くことにより、粉体410の薄層を粉体床414上に移動させる。余剰の粉体410は、粉体オーバーフローチャンバ422内に落下する。
【0048】
レーザービーム428は、物体120の物体デジタル表現312(
図25)の薄片断面形状(図示せず)を形成するように動かされる。レーザービーム428は、粉体410の粒子を溶融させ、融解させて、薄片形状の固体層にする。ビルドプラットフォーム404は、ビルドプラットフォームピストン406を介して段階的に下方に動く。その後、粉体水平化装置420が、ビルドチャンバ402の粉体床414内の直近に形成された固体層の上に、粉体410の新たな層を分配する。このプロセスは、物体120の製造が完遂されるまで、層毎に反復される。付加製造装置400を、選択的レーザー溶融システムとして図示し、説明しているが、本開示の方法を使用して三次元物体120を製造するために、多種多様な代替的な種類の付加製造技術(例えば電子ビーム溶融、直接エネルギー堆積、超音波粒子堆積、バインダジェット法など)のうちの任意のものが実装されうる。
【0049】
図27-38を参照するに、物体120(このために、本開示のシステム及び方法を使用してインフィルジオメトリ152が生成される)の異なる構成のいくつかの例が示されている。
図27は、螺旋物体450のドライバデジタルモデル122(すなわちCADモデル)の一例を示している。
図28は、上述の方法700を使用してドライバデジタルモデル122をメッシュ化することによって生成された、ドライバメッシュ132の一例を示している。上述したように、ドライバメッシュ132は、四面体要素134で構成されている。
図29は、
図27の螺旋物体450の付加製造可能なバージョンを示しており、基準ユニットセルメッシュ300を
図28のドライバメッシュ132上にマッピングすることによって生成されたインフィルジオメトリ152を明らかにするために、外被102は部分的に描かれていない。基準ユニットセルメッシュ300の対称性により、インフィルジオメトリ152のユニットセル構造206は互いに接続されている。この方法により、螺旋物体450のインフィル構造154と外被102との間の界面110において、一定したトポロジが得られる。
【0050】
図30は、円筒物体452のドライバメッシュ132の一例を示している。ドライバメッシュノード140の密度は空間分級されている。より具体的には、ドライバメッシュ132の左側は、右側よりも高いノード密度を有している。結果として、ドライバメッシュ132の左側の四面体要素134のサイズは、これに対応して、右側の四面体要素134のサイズよりも小さくなっている。
図31-32は、基準ユニットセルメッシュ300(
図12)を
図30のドライバメッシュ132上にマッピングすることによって生成された、インフィルジオメトリ152を示している。ドライバメッシュ132の空間分級の結果として、インフィルジオメトリ152の左側では、ユニットセル構造206の密度が、右側よりも高くなっている。ユニットセル構造206の密度が左側で高くなることは、左側が高い応力を受ける場合に、望ましいことでありうる。ドライバメッシュ132のノード密度は、物体120が曝露されうる多種多様な物理量(例えば応力、熱、電流など)のうちのいずれかに基づいて、局所的に調整されうる(例えば増大又は低減されうる)ことが、認識されよう。
【0051】
図33は、貫通穴を有する直方体454のドライバデジタルモデル122の一例を示している。
図34は、
図33のドライバデジタルモデル122をメッシュ化することによって生成されたドライバメッシュ132の一例を示している。ドライバメッシュ132は、直方体454の四面体要素134の密度が貫通穴の周囲で他のエリアよりも高くなるように、空間分級されている
図35は、直方体454の付加製造可能なバージョンの一例を示しており、ドライバメッシュ132の空間分級の結果としてユニットセル構造206の密度が貫通穴の周囲で高くなっていることを示すために、外被102が部分的に切り取られている。上述したように、空間分級により、強度重量比が改善されてもインフィル構造154と外被102との間に一定した界面110を維持する物体120を創出するための、手段がもたらされる。
【0052】
図36は、貫通穴を有するクレビスブラケット456のドライバデジタルモデル122の一例を示している。
図37は、
図36のドライバデジタルモデル122をメッシュ化することによって生成されたドライバメッシュ132の一例を示しており、貫通穴の周囲のドライバメッシュ132の空間分級を示している。
図38は、
図36のクレビスブラケット456の付加製造可能なバージョンの一例を示しており、
図37のドライバメッシュ132の空間分級の結果としてユニットセル構造206の密度が貫通穴の周囲で高くなっていることを示すために、外被102は部分的に描かれていない。
【0053】
図39を参照するに、上述の方法700及び800は、全体として又は部分的に、コンピュータ実装プロセスにおいて(例えば、プロセッサベースのシステム又は他の好適なコンピュータシステムで)実施されうる。プロセッサベースのシステム500は、コンピュータ可読プログラム命令534を実施するよう構成される。コンピュータ可読プログラム命令534は、方法700又は800の上述の工程又はステップを実装するために、プロセッサベースのシステム500に提供されるか又はローディングされる。非限定的な例では、プロセッサベースのシステム500及び/又はコンピュータ可読プログラム命令534が、三次元物体120のインフィルジオメトリ152を生成する。
【0054】
図39のブロック図は、物体120インフィルジオメトリ152を生成するための有利な例における、プロセッサベースのシステム500を示している。プロセッサベースのシステム500は、一又は複数の構成要素を通信可能に連結し、これらの構成要素間でのデータの伝送を促進するために、データ通信経路502(データ回線など)を含む。通信経路502は、一又は複数のデータバス、又は、プロセッサベースのシステム500の構成要素及びデバイスの間でのデータの伝送を促進する、他の任意の好適な通信経路502を含む。非限定的な例では、構成要素は、プロセッサ504、メモリデバイス506、記憶デバイス508、通信デバイス512、入出力デバイス510、ディスプレイデバイス514、ユニットセルマッピングモジュール516、メッシュステッチングモジュール518、メッシュ平滑化モジュール520、物体解析モジュール522、付加製造プログラム生成部524、のうちの一又は複数を含む。
【0055】
メモリデバイス506は、一又は複数のドライバメッシュ132(各々が物体120の中実バージョンを表現する)を記憶するよう構成される。上述したように、各ドライバメッシュ132は、複数の四面体要素134で構成される。四面体要素134は、上述したように、線形四面体要素136であるか、又は二次四面体要素138である。一部の例では、少なくとも1つのドライバメッシュ132は、物体120の少なくとも1つの領域におけるドライバメッシュ132に精錬か粗大化(coarsen)のいずれかが行われるよう、かかる領域にわたって空間分級される。
【0056】
メモリ506は、一又は複数のドライバメッシュ132を記憶するのに加えて、一又は複数の基準ユニットセルメッシュ300も記憶するよう構成される。上述したように、基準ユニットセルメッシュ300の各々は、異なるユニットセルジオメトリ212を有し、正四面体202内に正確に適合するようそれぞれ構成される。基準ユニットセルメッシュ300の各々は、正四面体202の三角面204上のセルメッシュノード306の配置に関して対称である。基準ユニットセルメッシュ300の対称性により、隣接するマッピングされたユニットセルメッシュ302が互いに接続される(すなわちステッチングされる)ことが可能になり、これにより、ステッチングされた連続メッシュ148がもたらされる。
【0057】
図39を更に参照するに、プロセッサベースのシステム500は、複数の基準ユニットセルメッシュ300を、ドライバメッシュ132の複数の四面体要素134上にそれぞれマッピングするよう構成された、ユニットセルマッピングモジュール516を含む。ユニットセルマッピングモジュール516は、複数の基準ユニットセルメッシュ300のサイズ及び形状を調整して、複数の四面体要素134内にそれぞれ適合させることにより、互いに接続された複数のマッピングされたユニットセルメッシュ302を含むインフィルジオメトリ152を得るように、複数の四面体要素134について定義された基底関数にしたがってユニットセルメッシュ300をマッピングすることによって、上述のマッピング工程を実施する。ユニットセルマッピングモジュール516は、上述したように、ドライバメッシュ132が線形四面体要素136で構成されているか、それとも二次四面体要素138で構成されているかに応じて、線形基底関数又は二次基底関数のいずれかを使用して、基準ユニットセルメッシュ300をドライバメッシュ132上にマッピングする。
【0058】
図40は、プロセッサベースのシステム500のユーザインターフェース538の非限定的な例を示している。図示しているこの例では、ユーザインターフェース538は、メモリデバイス506に記憶された複数の異なる種類のドライバメッシュ132であって、各ドライバメッシュ132が異なる物体構成(すなわち、異なる周長サイズ、異なる形状、異なる空間分級、及び/又は異なる輪郭線(contour)など)を表現する、複数の異なる種類のドライバメッシュ132の中から、あるドライバメッシュ132(「Driver mesh File」)を選択する能力を提示している。ユーザインターフェース538は、ドライバメッシュ132を選択するのに加えて、メモリデバイス506に記憶された複数の異なる構成のユニットセルジオメトリ212の中から、あるユニットセルジオメトリ212(「Cell Geometry」)を選択する能力も提示している。ユーザインターフェース538は、ステッチングされたメッシュ148に平滑化工程を適用すべきかどうか(「Apply Smoothing」)、及び実施されるべき平滑化の反復の回数(「Number of Smoothing Iterations」)を、選択する能力も提示している。
【0059】
図39を再度参照するに、プロセッサベースのシステム500は、ステップ708に関連して上述したように、四面体要素134の重複セルメッシュノード306同士をマージすることによって、ステッチングされたメッシュ148を得るよう構成された、メッシュステッチングモジュール518を含む。上述したように、マッピングが完遂された後、マッピングされたユニットセルメッシュ302の各々はドライバメッシュ132の四面体要素134のうちの1つの形状に一致し、隣接するマッピングされたユニットセルメッシュ302は、互いにステッチングされてステッチングされた連続メッシュ148を形成する。プロセッサベースのシステムは、ステッチングされたメッシュ148に一又は複数の平滑化工程を実施することにより、平滑化されたメッシュ150を得るよう構成された、メッシュ平滑化モジュール520も含む。ステップ710に関連して上述したように、平滑化工程は、ラプラス平滑化工程、ラプラス-ベルトラミ平滑化工程、体積制約付きラプラス平滑化、トウビン平滑化、又は別種の平滑化工程でありうる。
【0060】
上述の選択を行った後に、ユーザは、ユーザインターフェース538で「体積インフィルメッシュを生成する(Generate Volume Infill Mesh)」を選択して、プロセッサベースのシステム500に、外被102に接続されたインフィルジオメトリ152を有する平滑化されたメッシュ150の生成を実行させる。ユーザインターフェース538は、「キャンセル(Cancel)」ボタン及び「体積インフィルメッシュを生成する」ボタンの上方に、プログレスバーを含む。プロセッサベースのシステム500は、平滑化されたメッシュ150を物体120の物体デジタル表現312に変換するよう構成される。付加製造プログラム生成部524(
図39)は、物体120の物体デジタル表現312を使用して、付加製造プログラム536(すなわちソフトウェアプログラム)を生成するよう構成される。付加製造プログラム536は、上述したように物体120の物質的なバージョンを製造するよう構成された、付加製造装置400(例えば
図26参照)に出力される。
【0061】
図39を更に参照するに、一部の例では、プロセッサベースのシステム500は、ステッチングされたメッシュ148(又は、選択された場合には平滑化されたメッシュ150)に対して数値解析を実施するよう構成された、物体解析モジュール522を含む。数値解析は、負荷(例えば機械的負荷や熱負荷など)、拘束条件(例えば固定拘束条件又はピン拘束条件)、及び材料特性(例えば機械的特性や熱特性など)の所与の組み合わせを適用することに応答して、ステッチングされたメッシュ148又は平滑化されたメッシュ150の全体にわたる物理量(例えば変位、緊張、圧力、温度など)の分布を決定することを伴う。一例では、物体解析モジュール522によって実施される数値解析は、有限要素解析及び数値シミュレーション(例えば、機械的負荷が加わった時の物体120の応力及び偏位のシミュレーション)である。
【0062】
図41-46を参照するに、一部の例では、物体解析モジュール522は、ドライバメッシュ132を精錬して、ドライバメッシュ全体にわたるスカラー量の分布(又はスカラー量の勾配)に対応して空間分級された密度を有する、精錬されたドライバメッシュ462にするよう構成される。例えば、
図41は、四半円物体458のドライバデジタルモデル122の一例を示している。
図42は、
図41のドライバデジタルモデル122をメッシュ化することによって得られたドライバメッシュ132を示している。図示している例では、ドライバメッシュ132全体を通じたノード密度は均一である。
図43は、基準ユニットセルメッシュ300(
図12)を
図42のドライバメッシュ132上にマッピングすることによって生成された、インフィルジオメトリ152を示している。ドライバメッシュ132におけるドライバメッシュノード140の分布がおおよそ均一であることの結果として、インフィルジオメトリ152のユニットセル構造206のサイズもおおよそ均一になっている。
【0063】
図44は、四半円物体458への機械的負荷及び拘束条件の適用に応答した、四半円物体458全体にわたるミーゼス応力の輪郭線を示している。四半円物体458の上部が応力集中460を示していることが視認できる。その結果として、物体解析モジュール522は、
図44のミーゼス応力分布に対応して四面体要素134が空間分級されている、精錬されたドライバメッシュ462を生成する。プロセッサベースのシステムのユニットセルマッピングモジュール516は、精錬されたドライバメッシュ462を使用して、複数の基準ユニットセルメッシュ300(
図11)を、基底関数の使用を通じて、精錬されたドライバメッシュ462の複数の四面体要素134上にそれぞれマッピングするよう構成される。
図46は、
図45の精錬されたドライバメッシュ462上にマッピングすることの結果として得られた、精錬されたインフィルジオメトリ464を示している。
図46に示しているように、精錬されたインフィルジオメトリ464のユニットセル構造206は、ミーゼス応力分布に対応して空間分級されている。
【0064】
図39を再度参照するに、ディスプレイデバイス514は、オプションで、メモリデバイス506に記憶されたドライバメッシュ132及び/又は基準ユニットセルメッシュ300のうちのいずれかを1つを画像表示するよう構成される。加えて、ディスプレイデバイス514は、オプションで、基準ユニットセルメッシュ300をドライバメッシュ132上にマッピングすることの結果として得られた、ステッチングされたメッシュ148又は平滑化されたメッシュ150を画像表示するよう構成される。ディスプレイデバイス514は、プロセッサベースのシステム500の対応する構成要素のうちの一又は複数から、通信経路502を介して、上述のデータを受信する。
【0065】
プロセッサベースのシステム500は、メモリデバイス506にインストールされたコンピュータ可読プログラム命令534の命令を実行するための、プロセッサ504を含む。あるいは、プロセッサベースのシステム500は、2つ以上の一体型のプロセッサコアを有するマルチプロセッサコアを含む。また更に、プロセッサ504は、チップに搭載されたメインプロセッサ及び一又は複数の二次プロセッサも含みうる。プロセッサ504は、同様に構成された複数のプロセッサを有するマルチプロセッサシステムを含むこともある。
【0066】
図39を更に参照するに、プロセッサベースのシステム500はメモリデバイス506を含み、メモリデバイス506は、一又は複数の揮発性又は不揮発性の記憶デバイス508を含みうる。しかし、メモリデバイス506は、データを記憶するための任意のハードウェアデバイスを含みうる。例えば、メモリデバイス506は、ランダムアクセスメモリ、又は、通信経路502に含まれるインターフェース及び/若しくは集積メモリコントローラハブのキャッシュを含みうる。メモリデバイス506は、多種多様な別種のデータ、コンピュータ可読のコード若しくはプログラム命令、又は他の任意の種類の情報、のうちのいずれかを恒久的及び/又は一次的に記憶しうる。記憶デバイス508は、フラッシュメモリデバイス、ハードドライブ、光ディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は長期記憶に適した他の任意の例、を含むがこれらに限定されるわけではない、多種多様な構成で提供されうる。加えて、記憶デバイス508は、取り外し可能なデバイス(例えば取り外し可能なハードドライブ)を含みうる。
【0067】
プロセッサベースのシステム500は、プロセッサベースのシステム500に接続された構成要素間でのデータの伝送を促進するために、追加的に入出力デバイス510の一又は複数を含みうる。入出力デバイス510は、プロセッサベースのシステム500に、直接的及び/又は間接的に連結されうる。入出力デバイス510は、周辺デバイス(例えばキーボード、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、及び、プロセッサベースのシステム500にデータを入力することに適した他の任意のデバイス)によって、ユーザ入力を促進する。入出力デバイス510は、プロセッサベースのシステム500の出力のデータ表現を伝送するための、出力デバイスを更に含みうる。例えば、入出力デバイス510は、プロセッサベースのシステム500によって処理されたデータの結果を表示するための、ディスプレイデバイス514(例えばコンピュータモニタ又はコンピュータスクリーン)を含みうる入出力デバイス510は、オプションで、プロセッサベースのシステム500によって処理された情報のハードコピーを印刷するための、プリンタ又はファクスの機械を含みうる。
図40は、上述のユーザインターフェース538の形態の入出力デバイス510の一例を示している。
【0068】
図39を更に参照するに、プロセッサベースのシステム500は、コンピュータネットワーク内の及び/又はプロセッサベースのシステムを用いる、プロセッサベースのシステム500の通信を促進するために、一又は複数の通信デバイス512を含みうる。コンピュータネットワーク又は別のプロセッサベースのシステムを用いるプロセッサベースのシステム500の通信は、無線手段及び/又は有線接続によるものでありうる。例えば、通信デバイス512は、プロセッサベースのシステム500とコンピュータネットワークとの間の無線又は有線の通信を可能にするための、ネットワークインターフェースコントローラを含みうる。通信デバイス512は、モデム及び/若しくはネットワークアダプタ、又はデータを送受信するための多種多様な代替的なデバイスのうちの任意のものも含みうる。
【0069】
上述の方法700、800の工程のうちの一又は複数は、コンピュータ可読プログラム命令534を使用して、プロセッサ504によって、並びに/又は、ユニットセルマッピングモジュール516、メッシュステッチングモジュール518、メッシュ平滑化モジュール520、物体解析モジュール522、及び付加製造プログラム生成部524のうちの一又は複数によって、実施される。コンピュータ可読プログラム命令534はプログラムコードを含んでよく、このプログラムコードは、コンピュータ可用プログラムコード及びコンピュータ可読プログラムコードを含みうる。コンピュータ可読プログラム命令534は、プロセッサ504によって読み出され、実行される。コンピュータ可読プログラム命令534は、プロセッサ504が、物体120のインフィルジオメトリ152を生成することに関連付けられた上述の例の一又は複数の工程を実施することを可能にする。
【0070】
図39を再度参照するに、コンピュータ可読プログラム命令534は、プロセッサベースのシステム500のための動作命令を含み、アプリケーション及びプログラムを更に含む。コンピュータ可読プログラム命令534は、プロセッサ504によって、並びに/又はユニットセルマッピングモジュール516、メッシュステッチングモジュール518、メッシュ平滑化モジュール520、物体解析モジュール522、及び/又は付加製造プログラム生成部524によって実行されるように、メモリデバイス506及び/又は記憶デバイス508のうちの一又は複数の中に包含されてよく、かつ/又はかかる一又は複数にローディングされうる。上記で示したように、メモリデバイス506及び/又は記憶デバイス508は、
図39に図示しているこれら以外の構成要素のうちの一又は複数に、通信経路502を通じて通信可能に連結されうる。
【0071】
コンピュータ可読プログラム命令534は、有形又は無形、かつ一過性又は非一過性のコンピュータ可読媒体528に包含されてよく、更に、プロセッサ504によって実行されるように、プロセッサベースのシステム500にローディングされうるか、又は伝送されうる。コンピュータ可読プログラム命令534及びコンピュータ可読媒体528は、コンピュータプログラム製品526を含む。一例では、コンピュータ可読媒体528は、コンピュータ可読記憶媒体530及び/又はコンピュータ可読信号媒体532を含みうる。
【0072】
コンピュータ可読記憶媒体530は、ドライブ、フラッシュメモリドライブ、又はその他の記憶デバイス若しくは記憶デバイスにデータを伝送するためのハードウェア(ハードドライブなど)に搭載されうる、光ディスク及び磁気ディスクを含むが、これらに限定されるわけではない、多種多様な異なる例を含みうる。コンピュータ可読記憶媒体530は、プロセッサベースのシステム500に取り外し不能にインストールされることもある。コンピュータ可読記憶媒体530は、半導体システム又は伝播媒体を含むがこれらに限定されるわけではない、任意の好適な記憶媒体を含みうる。この意味で、コンピュータ可読記憶媒体530は、電子媒体、磁気媒体、光媒体、電磁媒体、及び赤外線媒体を含みうる。例えば、コンピュータ可読記憶媒体530は、磁気テープ、コンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ、及び読取専用メモリを含みうる。光ディスクの非限定的な例は、コンパクトディスク-読取専用メモリ、コンパクトディスク-読取/書込、及びデジタルビデオディスク/デジタル多用途ディスクを含む。
【0073】
コンピュータ可読信号媒体532は、コンピュータ可読プログラム命令534を包含してよく、電磁信号及び光信号を含むがこれらに限定されるわけではない、多種多様なデータ信号構成において具現化されうる。かかるデータ信号は、任意の好適な通信リンク(無線手段又はハードウェア手段によるものを含む)によって伝送されうる。例えば、ハードウェア手段は、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、信号ワイヤ、及び、無線手段又は物理的手段によってデータを伝送することに適した他の任意の手段を含みうる。
【0074】
図39を再度参照するに、コンピュータ可読信号媒体532は、プロセッサベースのシステム500において使用される不揮発性の記憶装置若しくは他の好適な記憶デバイス又はメモリデバイス506への、コンピュータ可読プログラム命令534のダウンロードを促進しうる。例えば、コンピュータ可読記憶媒体530内に包含されたコンピュータ可読プログラム命令534は、サーバ又は別のシステムのクライアントコンピュータから、コンピュータネットワークを経由して、プロセッサベースのシステム500にダウンロードされうる。
【0075】
プロセッサベースのシステム500の多種多様な異なる例のうちのいずれかが、コンピュータ可読プログラム命令534を実行することが可能な任意のハードウェアデバイス又はシステムを使用して実装されうる。例えば、プロセッサ504は、一又は複数の特定の機能を実施するように構成されたハードウェアユニットを含んでよく、この機能を実施するためのコンピュータ可読プログラム命令534は、メモリデバイス506に予めローディングされている。
【0076】
一例では、プロセッサ504は、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックデバイス、又は、一又は複数の特定の機能又は動作を実施するよう構成された他の任意のハードウェアデバイスを含みうる。例えば、プログラマブルロジックデバイスは、物体120のインフィルジオメトリ152を生成することに関連する動作のうちの一又は複数を実施するよう、一時的又は恒久的にプログラムされうる。プログラマブルロジックデバイスは、プログラマブルロジックアレイ、プログラマブルアレイロジック、フィールドプログラマブルロジックアレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の任意の好適なロジックデバイスを含みうるが、これらに限定されるわけではない。一例では、コンピュータ可読プログラム命令534は、プロセッサ504及び/又はプロセッサ504と通信する一又は複数のハードウェアユニットを含む他のデバイスによって、動作させられうる。コンピュータ可読プログラム命令534のある部分は、一又は複数のハードウェアユニットによって実行されうる。
【0077】
更に、本開示は以下の条項による例を含む。
【0078】
条項1.物体(120)のインフィルジオメトリ(152)を生成する方法であって、物体(120)の中実バージョンを表現するドライバメッシュ(132)を提供することであって、ドライバメッシュ(132)が複数の四面体要素(134)で構成されている、ドライバメッシュ(132)を提供することと、三角面(204)を有する正四面体(202)内に正確に適合するよう構成された基準ユニットセルメッシュ(300)を提供することであって、基準ユニットセルメッシュ(300)は、複数のセルメッシュ要素及び関連するセルメッシュノード(306)で構成されており、かつ三角面(204)上のセルメッシュノード(306)の配置に関して対称である、基準ユニットセルメッシュ(300)を提供することと、ドライバメッシュ(132)の複数の四面体要素(134)の各々について定義される基底関数を使用することを通じて、複数の基準ユニットセルメッシュ(300)のサイズ及び形状を調整して、複数の四面体要素(134)にそれぞれ適合させることにより、複数のマッピングされたユニットセルメッシュ(302)で構成されたインフィルジオメトリ(152)を得るように、複数の基準ユニットセルメッシュ(300)を複数の四面体要素(134)にそれぞれマッピングすることと、マッピングされたユニットセルメッシュ(302)同士をステッチングすることにより、物体(120)のインフィルジオメトリ(152)を表現するステッチングされたメッシュ(148)を得ることと、
を含む、方法。
【0079】
条項2.ステッチングされたメッシュ(148)に一又は複数の平滑化工程を実施することにより、平滑化されたメッシュ(150)を得ることを更に含む、条項1に記載の方法。
【0080】
条項3.基準ユニットセルメッシュ(300)を提供することが、一又は複数のトリミングされたパラメトリック面として基準ユニットセルメッシュ(300)を構築し、その後に、一又は複数のトリミングされたパラメトリック面をメッシュ化することにより、シェル要素(308)で構成された基準ユニットセルメッシュ(300)を得ることと、体積を囲む一又は複数のトリミングされたパラメトリック面によって表現される中実構造(210)として基準ユニットセルメッシュ(300)を構築し、その後に、この体積をメッシュ化することにより、中実要素(310)で構成された基準ユニットセルメッシュ(300)を得ること、
のうちの一方を含む、条項1に記載の方法。
【0081】
条項4.複数の基準ユニットセルメッシュ(300)をドライバメッシュ(132)にマッピングすることが、線形基底関数を使用して、複数の基準ユニットセルメッシュ(300)をドライバメッシュ(132)の複数の四面体要素(134)にそれぞれマッピングすることと、二次基底関数を使用して、複数の基準ユニットセルメッシュ(300)をドライバメッシュ(132)の四面体要素(134)にそれぞれマッピングすること、
のうちの一方を含む、条項1に記載の方法。
【0082】
条項5.ドライバメッシュ(132)を提供することが、物体(120)のドライバデジタルモデル(122)に三次元ドロネー三角形分割を実施することによって、ドライバメッシュ(132)を構築することを含む、条項1に記載の方法。
【0083】
条項6.ドライバメッシュ(132)を提供することが、物体(120)の少なくとも1つの領域にわたって空間分級された密度を有するドライバメッシュ(132)を提供することを含む、条項1に記載の方法。
【0084】
条項7.ドライバメッシュ(132)の四面体要素(134)の最外部の三角面(204)、又は外被(102)を画定するトリミングされたパラメトリック面のメッシュ化表現のいずれかによって表現される外被(102)に、ある厚さを割り当てることと、外被メッシュを、外被(102)に対して直角の方向に、割り当てられた厚さと等しい量だけ押し出すことと、外被(102)及びインフィルジオメトリ(152)を含む、物体(120)の物体デジタル表現(312)を構築することと、物体デジタル表現(312)を使用して、物体(120)を付加製造することと、を更に含む、条項1に記載の方法。
【0085】
条項8.三次元物体(120)のインフィルジオメトリ(152)を生成するためのプロセッサベースのシステム(500)であって、メモリデバイス(506)を備え、メモリデバイス(506)は、複数の四面体要素(134)で構成されている、物体(120)の中実バージョンを表現するドライバメッシュ(132)と、三角面(204)を有する正四面体(202)内に正確に適合するよう構成された基準ユニットセルメッシュ(300)であって、複数のセルメッシュ要素及び関連するセルメッシュノード(306)で構成されており、かつ、三角面(204)上のセルメッシュノード(306)の配置に関して対称である、基準ユニットセルメッシュ(300)と、を記憶するように構成され、
プロセッサベースのシステム(500)は更に、ドライバメッシュ(132)の複数の四面体要素(134)について定義される基底関数を使用することを通じて、複数の基準ユニットセルメッシュ(300)のサイズ及び形状を調整して、複数の四面体要素(134)にそれぞれ適合させることにより、複数のマッピングされたユニットセルメッシュ(302)で構成されたインフィルジオメトリ(152)を得るように、複数の基準ユニットセルメッシュ(300)を複数の四面体要素(134)にそれぞれマッピングするよう構成された、ユニットセルマッピングモジュール(516)を備える、
プロセッサベースのシステム(500)。
【0086】
条項9.重複セルメッシュノード(306)同士をマージすることによって、ステッチングされたメッシュ(148)を得るよう構成された、メッシュステッチングモジュール(518)と、ステッチングされたメッシュ(148)に一又は複数の平滑化工程を実施することにより、平滑化されたメッシュ(150)を得るよう構成された、メッシュ平滑化モジュール(520)と、を更に備える、条項8に記載のプロセッサベースのシステム(500)。
【0087】
条項10.ユニットセルマッピングモジュール(516)は、線形基底関数又は二次基底関数の一方を使用して、基準ユニットセルメッシュ(300)をドライバメッシュ(132)上にマッピングするよう構成される、条項8に記載のプロセッサベースのシステム(500)。
【0088】
条項11.少なくとも1つのドライバメッシュ(132)が、物体(120)の少なくとも1つの領域にわたって空間分級される、条項8に記載のプロセッサベースのシステム(500)。
【0089】
条項12.外被(102)及びインフィルジオメトリ(152)であって、各々がシェル要素(308)又は中実要素(310)の一方によって画定される、外被(102)及びインフィルジオメトリ(152)を表現するドライバメッシュ(132)に数値解析を実施するよう構成された、物体解析モジュール(522)を更に備え、数値解析は、物体(120)の負荷、拘束条件、及び材料特性の所与の組み合わせの適用に応答して、ドライバメッシュ(132)の全体にわたる物理量の分布を決定することを含む、条項9に記載のプロセッサベースのシステム(500)。
【0090】
条項13.数値解析が有限要素解析である、条項12に記載のプロセッサベースのシステム(500)。
【0091】
条項14.物体解析モジュール(522)は、ドライバメッシュ(132)を精錬して、ドライバメッシュ(132)全体にわたるスカラー量の分布に対応して空間分級された密度を有する、精錬されたドライバメッシュ(462)にするよう構成され、ユニットセルマッピングモジュール(516)は、基底関数を使用することを通じて、複数の基準ユニットセルメッシュ(300)を、精錬されたドライバメッシュ(462)の複数の四面体要素(134)にそれぞれマッピングすることにより、三次元物体(120)の精錬されたインフィルジオメトリ(464)を得るよう構成される、条項12に記載のプロセッサベースのシステム(500)。
【0092】
条項15.物体(120)であって、外被(102)と、複数のユニットセル構造(206)を含むインフィル構造(154)であって、複数のユニットセル構造(206)が、互いに接続されて物体(120)の内部を通って延在する格子を形成する、インフィル構造(154)と、を備え、ユニットセル構造(206)の最外層は外被(102)に接続されており、ユニットセル構造(206)と外被(102)との間の全ての界面(110)が、同一のトポロジを有し、ユニットセル構造(206)の各々が、三角面(204)を有する四面体要素(134)内に正確に適合するよう構成される、
物体(120)。
【0093】
条項16.ユニットセル構造(206)は、物体(120)の三次元ドロネー三角形分割にしたがって配置される、条項15に記載の物体(120)。
【0094】
条項17.ユニットセル構造(206)の各々が、中空又は中実のいずれかである、条項15に記載の物体(120)。
【0095】
条項18.インフィル構造(154)が、ユニットセル構造(206)同士の間の接続部に平滑な移行部を有する、条項16に記載の物体(120)。
【0096】
条項19.ユニットセル構造(206)の密度が、物体(120)の少なくとも1つの領域にわたって空間分級される、条項15に記載の物体(120)。
【0097】
条項20.外被(102)が少なくとも部分的にインフィル構造(154)を囲む、条項15に記載の物体(120)。
【0098】
前述の説明及び関連図面に提示した教示の利点を有する、この開示が関連する技術分野における当業者には、本開示の多数の修正例並びにその他のバージョン及び例が想起されよう。本書に記載のバージョン及び例は、例示のためのものであり、限定的であることも、網羅的であることも意図されていない。本書では特定の語が用いられているが、これらの語は、一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではない。本書に記載の方法及び装置に加えて、本開示の範囲に含まれる機能的に同等な方法及び装置も、前述の説明から実現可能となる。かかる修正例及び変形例は、付随する特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。本開示は、付随する特許請求の範囲の条件と共に、かかる特許請求の範囲が認められる同等物の全範囲によってのみ、限定されるものとする。
【外国語明細書】