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特開2024-43554姿見装置および姿見装置用のプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043554
(43)【公開日】2024-04-01
(54)【発明の名称】姿見装置および姿見装置用のプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/66 20230101AFI20240325BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240325BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240325BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
H04N5/232 030
H04N5/232 300
H04N5/232 935
H04N7/18 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148654
(22)【出願日】2022-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】515240599
【氏名又は名称】株式会社知財アシスト
(72)【発明者】
【氏名】小石川 由紀乃
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA07
5C054FE14
5C054GB02
5C122EA60
5C122FK12
5C122FK23
5C122FK40
5C122FK42
5C122FL03
5C122GA24
5C122GC17
5C122GC38
5C122GC53
5C122GC76
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】自分の姿が映る画面を見ているユーザが保存したいと思った時の画像を簡単に保存できるようにする。
【解決手段】表示装置(モニタ12)を備えるミラーユニット1と、動画撮影が可能なカメラ23を備えるカメラユニット2とが相互に通信可能に接続されて成る姿見装置において、ミラーユニット1はカメラユニット2から受信した動画を表示している間にユーザからあらかじめ定めた方式によるキャプチャ指令を受け付けたことに応じて、カメラユニット2に画像のキャプチャを命じるコマンドを送信する。カメラユニット2は、動画像の撮影と当該動画像をミラーユニット2に送信する処理とを実行している間に上記のコマンドを受信したことに応じて、その受信後に生成された動画像に対するキャプチャ処理を実行し、キャプチャされた画像のデータを自装置のメモリに保存する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置を備えるミラーユニットと、動画撮影が可能なカメラを備えるカメラユニットとが相互に通信可能に接続され、前記カメラにより生成された動画像がカメラユニットからミラーユニットにリアルタイムに送信されてミラーユニットの表示装置に表示される姿見装置において、
前記ミラーユニットは、前記カメラユニットから受信した動画像を表示している間にユーザからあらかじめ定めた方式によるキャプチャ指令を受け付けたことに応じて、カメラユニットに画像のキャプチャを命じるコマンドを送信し、
前記カメラユニットは、動画像の撮影と当該動画像をミラーユニットに送信する処理とを実行している間にミラーユニットから前記コマンドを受信したことに応じて、その受信後に生成された動画像に対するキャプチャ処理を実行し、キャプチャされた画像のデータを自装置のメモリに保存する、
ことを特徴とする姿見装置。
【請求項2】
前記カメラユニットは、前記カメラにより生成された動画像を表示する表示部を備え、前記キャプチャ処理として、前記コマンドの受信後の所定の時点または所定の期間内に前記表示部の画面に表示される画像をキャプチャする、
請求項1に記載された姿見装置。
【請求項3】
表示装置に表示用データを出力して画面に表示させる機能を有する通信端末装置を、動画撮影が可能なカメラおよび当該カメラにより生成された動画像を外部の装置にリアルタイムに送信する機能を備えたカメラユニットと双方向通信を行って当該カメラユニットから受信した動画像を前記表示装置に表示するミラーユニットとして機能させるために、当該ミラーユニットとなる通信端末装置の制御部であるコンピュータに組み込まれるプログラムであって、
前記ミラーユニットは、
前記カメラユニットから受信した動画像を表示している間にユーザからあらかじめ定めた方式によるキャプチャ指令を受け付けたことに応じてカメラユニットに画像のキャプチャを命じるコマンドを送信することによって、当該カメラユニットに、前記コマンドの受信後に生成された動画像に対するキャプチャ処理と、キャプチャされた画像のデータを当該カメラユニットのメモリに保存する処理とを実行させる機能を有する、
ことを特徴とする姿見装置のミラーユニット用のプログラム。
【請求項4】
動画撮影が可能なカメラを備える通信端末装置を、動画像の表示が可能な表示装置および通信の機能を備えるミラーユニットと双方向通信を行って前記カメラにより生成された動画像を前記表示装置に表示させる目的でミラーユニットにリアルタイムに送信するカメラユニットとして機能させるために、当該カメラユニットとなる通信端末装置の制御部であるコンピュータに組み込まれるプログラムであって、
前記カメラユニットは、
動画像の撮影と当該動画像をミラーユニットに送信する処理とを実行している間に前記ミラーユニットから画像のキャプチャを命じるコマンドを受信したことに応じて、その受信後に生成された動画像に対するキャプチャ処理を実行し、キャプチャされた画像のデータを自装置のメモリに保存する機能を有する、
ことを特徴とする姿見装置のカメラユニット用のプログラム。
【請求項5】
動画撮影が可能なカメラと当該カメラにより生成された動画像を表示することが可能な表示部とを備える通信端末装置を、動画像の表示が可能な表示装置および通信の機能を備えるミラーユニットと双方向通信を行って前記カメラにより生成された動画像を前記表示装置に表示させる目的でミラーユニットにリアルタイムに送信するカメラユニットとして機能させるために、当該カメラユニットとなる通信端末装置の制御部であるコンピュータに組み込まれるプログラムであって、
前記カメラユニットは、
動画像の撮影と当該動画像をミラーユニットに送信する処理と当該動画像を前記表示部に表示する処理とを実行している間に前記ミラーユニットから画像のキャプチャを命じるコマンドを受信したことに応じて、その受信後の所定の時点または所定の期間内に前記表示部の画面に表示される画像をキャプチャし、キャプチャされた画像のデータを自装置のメモリに保存する機能を有する、
ことを特徴とする姿見装置のカメラユニット用のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を備えるミラーユニットと、動画撮影が可能なカメラを備えるカメラユニットとが相互に通信可能に接続されて、カメラにより生成された動画像をカメラユニットからミラーユニットにリアルタイムに送信してミラーユニットの表示装置に表示することにより、表示装置の前にいるユーザの姿を表示装置の画面に映し出せるようにした装置(以下、「姿見装置」という。)に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の姿見装置に関して、特許文献1には、制御部を含むディスプレイが組み込まれた鏡装置(ミラーユニットに相当。)と、専用のアプリケーションソフトがインストールされたカメラ付きの携帯端末(カメラユニットに相当。)とを無線により通信させ、携帯端末から送信された画像を鏡装置のディスプレイに表示することが記載されている。さらに特許文献1には、接続対象の携帯端末の識別情報をあらかじめ鏡装置に登録し、登録されている識別情報に一致する情報を送信した携帯端末のみを鏡装置に接続すること、この接続方法によって複数の携帯端末をそれぞれ個別に鏡装置と通信できるようにすること、鏡装置において画像の表示に関する操作や携帯端末との接続の終了の指定操作を行えるようにすることなどが記載されている。
【0003】
特許文献2にも、ユーザの姿を映すためのミラーモニタ(ミラーユニットに相当。)とユーザを撮影するカメラ(カメラユニットに相当。)とを無線により通信させ、カメラで生成された撮影映像をミラーモニタに送信して表示する構成の装置が開示されている。また、この特許文献2には、カメラやミラーモニタのメモリに撮影映像を記憶することや、ミラーモニタおよびカメラの制御に関する指示を音声によりミラーユニットに入力できるようにすることが記載されている。さらに特許文献2には、上記のカメラとは別体の携帯端末(ユーザが所有するスマートフォンなど)に、ミラーモニタがカメラから受信した撮影映像を送信し、この携帯端末から外部のサーバに撮影映像を送信して保存することや、ユーザが携帯端末に保存された撮影映像の中からお気に入りのものを選択してSNSに公開できるようにすることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-64114号公報
【特許文献2】特開2020-136971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
姿見装置は、通常の鏡では確認することができない方向から見える自分の姿を目の前に映し出すことを主目的とするが、これを利用して身なりやヘアスタイルを整えたユーザが、映し出された画像を、いわゆる「自撮り」として保存することを希望する可能性も少なからずあると思われる。
【0006】
特許文献1には、画像の保存に関することは何も記載されていない。
特許文献2には、カメラにより生成された撮影映像、すなわち動画像を、カメラ,ミラーモニタ,ユーザ端末等に保存すると記載されているが、その保存をどのような条件で行うのかについての具体的な記載は見当たらない。特許文献2の記載から読み取ることができるのは、撮影や表示と同時に録画を行い、記録された動画像データを各種装置に保存することくらいであるが、そのような方法では、ユーザは、事後に、動画像を再生しながら欲しいと思うシーンの画像を探し出し、そのシーンを切り取って別に保存するなどの作業をしなければならず、ユーザの負担が大きくなる可能性がある。
【0007】
本発明は、上記の問題に着目し、カメラユニットから送信されてミラーユニットに表示される動画像のうち、ミラーユニットの表示画面を見ているユーザが保存したいと思ったときの画像を簡単に保存できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による姿見装置は、表示装置を備えるミラーユニットと、動画撮影が可能なカメラを備えるカメラユニットとが相互に通信可能に接続され、カメラにより生成された動画像がカメラユニットからミラーユニットにリアルタイムに送信されてミラーユニットの表示装置に表示される構成のものである。ミラーユニットとカメラユニットとの間の通信は無線により行われるのが望ましいが、双方のユニットを通信ケーブルで接続し、その通信ケーブルを介してデータを伝送する構成を採用してもよい。
【0009】
本発明のミラーユニットは、カメラユニットから受信した動画像を表示している間にユーザからあらかじめ定めた方式によるキャプチャ指令を受け付けたことに応じて、カメラユニットに画像のキャプチャを命じるコマンドを送信する。
【0010】
たとえば、ミラーユニットにキーボード,マウス,タッチパネル等の操作部が接続または一体化されている場合には、その操作部に対する操作によりキャプチャ指令を出すことができる。ミラーユニットに音声認識機能が組み込まれる場合には、あらかじめ定めた言葉を表す音声を発生することによってキャプチャ指令を出すこともできる。ミラーユニットにもカメラが設けられ、そのカメラにより生成された画像からあらかじめ定められた動作を見分ける機能がミラーユニットに組み込まれる場合には、その動作をすることをもってキャプチャ指令を出すことができる。
【0011】
上記のミラーユニットと組み合わせられるカメラユニットは、動画像の撮影と当該動画像をミラーユニットに送信する処理とを実行している間にミラーユニットから上記のコマンドを受信したことに応じて、その受信後に生成された動画像に対するキャプチャ処理を実行し、キャプチャされた画像のデータを自装置のメモリに保存する。
【0012】
ここでキャプチャされる画像は、動画像の1コマにあたる静止画像であっても良いし、コマンドを受信した後の所定期間に生成される動画像であっても良い。
またキャプチャ処理は、ミラーユニットからコマンドを受信した直後に実行しても良いし、コマンドを受信してから所定時間が経過した時点で実行しても良い。
【0013】
カメラユニットにおける画像のキャプチャは、カメラにより毎時生成されるフレーム画像を対象にすることができる。また、カメラユニットにも表示部が設けられ、この表示部にカメラにより生成された動画像が表示される場合には、ミラーユニットからのコマンドの受信後の所定の時点または所定の期間内に表示部の画面に表示される画像をキャプチャすることもできる。
【0014】
いずれの方法でキャプチャ処理を行う場合も、ミラーユニットの表示装置に表示された動画像を見ているユーザがキャプチャ指令を出すことによって、その指令を受けたミラーユニットからカメラユニットに画像のキャプチャを命じるコマンドが送信され、カメラユニットの側で、コマンドに従ったキャプチャ処理が実行される。これにより、ユーザは、画像を保存したいと思ったときに、その要望にかなう画像を保存することができ、事後の画像の確認や探索も容易に行うことができる。
【0015】
本発明では、パーソナルコンピュータやタブレット端末などの汎用の通信端末装置を上記のミラーユニットとして動かすためのアプリケーションソフトウェアや、スマートフォン、タブレット端末などの汎用のカメラ付きの通信端末装置を上記のカメラユニットとして動かすためのアプリケーションソフトウェアを提供することができる。
【0016】
汎用の通信端末装置によるミラーユニットでは、その装置に標準装備されているディスプレイをカメラユニットから受信した動画像を表示する表示装置として機能させることができる。また、この通信端末装置に別体のディスプレイ装置を接続し、そちらを表示装置として機能させることもできる。
【0017】
ミラーユニットは汎用の通信端末装置に限らず、専用のソフトウェアが組み込まれた制御装置や通信回路が内蔵または外付けされた構成のディスプレイ装置をミラーユニットとすることもできる。
【0018】
カメラユニットも同様に、専用のソフトウェアが組み込まれた制御装置や通信回路やカメラを有する専用の装置として提供することもできる。この場合には、制御装置や通信回路が内蔵された筐体とカメラとを別体にすることもできる。メモリも内蔵メモリに限らず、USBメモリやSDカードなどのリムーバブル記憶媒体を使用してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザは、ミラーユニットの表示装置に映し出される自分の姿を見ながら、画像を保存したいと思ったときにキャプチャ指令を出すことによって、その要望にかなう画像をカメラユニットに保存することができる。したがって、ユーザにとって不要な画像が無駄に保存されるのを防ぐことができ、事後の画像の確認や探索も容易に行うことができる。
【0020】
さらに、本発明では、ミラーユニット、カメラユニットについて、それぞれ専用のソフトウェアを提供することによって、ミラーユニット用のソフトウェアが導入された任意の通信端末装置と、カメラユニット用のソフトウェアが導入された任意の通信端末装置とを相互に通信可能に接続して姿見装置を構築することができる。
【0021】
そうすると、カメラユニットとなる通信端末装置しか持っていないユーザでも、他者が所持するミラーユニットとなる通信端末装置に自分の通信端末装置を一時的に接続することによって、ミラーユニットに自分の姿を映し出してその姿を見ることができる。さらに、適宜、キャプチャ指令を出すことによって、欲しいと思った画像のデータを自分自身の通信端末装置(カメラユニット)に保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明が適用された姿見装置の構成例を表すブロック図である。
図2】上記姿見装置のミラーユニットの機能ブロック図である。
図3】上記姿見装置のカメラユニットの機能ブロック図である。
図4】各ユニットが接続されてミラーユニットにユーザの姿が映し出されるまでの画面の遷移を表した図である。
図5】ミラーユニットが動画像の受信や表示と並列して実行する手順を表すフローチャートである。
図6】カメラユニットが動画撮影や動画像の送信・表示と並列して実行する手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明が適用された姿見装置の構成例を表すブロック図である。
この実施例の姿見装置は、それぞれ独立した筐体を備えるミラーユニット1とカメラユニット2とを、図示しないWi-Fiルータを介して相互に通信可能に接続することによって、カメラユニット2により生成された動画像をリアルタイムでミラーユニット1に送信して表示できるようにしたものである。
【0024】
ミラーユニット1は、専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされたコンピュータによる制御部10,通信回路11,モニタ12,操作部13などを有する通信端末装置である。
モニタ12と操作部13とはタッチパネルとして一体化することができるが、ミラーユニット1の本体とは別のディスプレイ装置を接続して、そのディスプレイ装置をモニタ12にすることもできる。
【0025】
カメラユニット2は、専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされたコンピュータによる制御部20,通信回路21,表示部および操作部の機能を有するタッチパネル22,動画撮影用のカメラ23などが1つの筐体にまとめられた携帯型の通信端末装置である。
【0026】
ミラーユニット1とカメラユニット2との接続は、Wi-Fiルータを介したものに限らず、ミラーユニット1にアクセスポイントの機能を設け、そのアクセスポイントを介してユニット1,2を接続する方法を採用することもできる。いずれの接続方法でもミラーユニット1が主導権を持ち、後述する2次元コードに埋め込まれたコード情報を含む接続要求を送信したカメラユニット2のみに画像の送信を許可するようにしている。また、ミラーユニット1に同時に複数台のカメラユニット2を接続することも禁止される。
【0027】
ミラーユニット1となる具体的な通信端末装置は、パーソナルコンピュータまたはタブレット端末である。カメラユニット2となる具体的な通信端末装置は、スマートフォンまたはタブレット端末である。ミラーユニット1の制御部10には、専用のアプリケーションソフトウェアによって図2に示す機能が設定され、カメラユニット2の制御部20には、専用のアプリケーションソフトウェアによって図3に示す機能が設定される。
【0028】
なお、昨今のスマートフォンの多くには、筐体の前面側(タッチパネルの側)を写すカメラと背面側を写すカメラとが搭載されているが、その種のスマートフォンがカメラユニット2として使用される場合は、背面側を写すカメラ(背面側の撮影用に複数のカメラが設けられている場合は、それらのうちのいずれか1つ)を上記のカメラ23として使用するのが望ましい。
【0029】
図2は、ミラーユニット1の制御部10に設けられる主要な4つの機能(通信制御部101,表示制御部102,2次元コード生成部103,操作受付部104)を、それら4機能の間の関係や図1に示した各構成要素との関係と共に表したものである。
【0030】
通信制御部101は、カメラユニット2と接続するための設定処理、接続完了後にカメラユニット2から動画像を受信する処理、後述するコマンドや通知をカメラユニット2に送信する処理などを担当する。表示制御部102は、カメラユニット2との接続に用いられる2次元コードの表示、カメラユニット2から受信した動画像の表示、後述する文字ボタンの表示や有効・無効の切り替えなど、表示に関する制御を担当する。
【0031】
操作受付部104は、メニュー画面や動画像の表示画面内の文字ボタンに対する操作部13の操作を認識し、認識した操作の内容をその操作に関わる処理を実行する主体(通信制御部101,表示制御部102,2次元コード生成部103のうちのいずれか)に伝達する。2次元コード生成部103は、操作受付部104が2次元コードを表示する旨の指示操作を受け付けたことに応じて上記の2次元コードの画像データを生成し、当該画像データを表示制御部102に提供する。
【0032】
図3は、カメラユニット2の制御部20に設けられる主要な5つの機能(通信制御部201,タッチパネル制御部202,撮影制御部203,2次元コード読取部204,キャプチャ処理部205)を、それら5機能の間の関係ならびに図1に示した各構成要素や画像保存用のメモリ24との関係と共に表したものである。
【0033】
通信制御部201は、ミラーユニット1と接続するための設定処理、接続完了後にミラーユニット1に動画像を送信する処理、ミラーユニット1からコマンドや通知を受け取ってそれらに応答する処理などを担当する。タッチパネル制御部202は、タッチパネル22に表示される画面の切り替えやカメラ23により生成されている動画像の表示などの表示に関する制御や、表示画面に対する操作を受け付けてその操作内容を認識し、認識した操作の内容をその操作に関わる処理を実行する主体(通信制御部201,タッチパネル制御部202,撮影制御部203,2次元コード読取部204のいずれか)に伝える処理を実行する。撮影制御部203は、カメラ23を動かすための外部アプリケーションと協働してカメラ23に動画撮影を行わせ、その撮影により生成された動画像を表示や送信に適した形式にしてタッチパネル制御部202や通信制御部201に提供する。
【0034】
2次元コード読取部204は、タッチパネル制御部202が後述する2次元コードの読取り枠Wを表示したことに応じて、その枠Wの内部に2次元コードが含まれるか否かを確認する探索処理を行う。この探索により2次元コードが検出されると、2次元コード読取部204は、当該2次元コードを読み取り、その読み取りにより得たコード情報を通信制御部201に提供する。
【0035】
キャプチャ処理部205は、通信制御部201がミラーユニット1から画像のキャプチャを命じるコマンドを受けたことに応じて、タッチパネル制御部202と協働してタッチパネル22の表示画面に対するキャプチャ処理を実行する。具体的にこの実施例のキャプチャ処理部205には、画面にある瞬間に表示される画像をキャプチャしてその静止画像データを生成する機能と、所定の期間内に画面に表示される画像を連続的にキャプチャしてそれらによる動画像データを生成する機能とが含まれる。静止画像データは、メモリ24内の画像フォルダ25に保存され、動画像データはメモリ24内のビデオフォルダ26に保存される。
【0036】
なお、メモリ24は、カメラユニット2となる通信端末装置に標準装備されているもの(物理的には制御部20の一部とすることもできる。)で、この実施例以外のアプリケーションでも使用される。
画像フォルダ25やビデオフォルダ26もカメラユニット2の専用のフォルダではなく他のアプリケーションと共有されるフォルダである。したがって、キャプチャ処理により生成された静止画像データや動画像データは、カメラ23の通常の撮影により生成された画像と同じ場所に格納される。
【0037】
この実施例では、カメラユニット2がミラーユニット1のモニタ12の前にいるユーザの姿を映すのに適した位置関係にあること、具体的には当該カメラユニット2のカメラ23とモニタ12の画面とが正対する関係になっていることを動画像の表示を開始するための条件としている。この条件に基づいてカメラユニット2をミラーユニット1に位置合わせする作業のことを、以下では、「カメラ合わせ」という。カメラ合わせでは、ホルダ付きのスタンド等によりカメラユニット2を適当な高さに支持するのが望ましい。
【0038】
図4は、カメラ合わせの作業に伴って各ユニット1,2に表示される画面の遷移に、それらの画面が表示されているときに行われる処理を対応づけて表したものである。
なお、この例では、カメラユニット2を縦長姿勢にして撮影を行うと共に,その撮影による動画像の全画面表示ができるように、ミラーユニット1のモニタ12も縦長の姿勢にしている。
【0039】
図4では省略したが、各ユニット1,2は、それぞれ起動するとメニュー画面を表示する。ミラーユニット1の側のメニュー画面には、2次元コードの表示を指示するためのボタンが含まれており、カメラユニット2の側のメニュー画面には2次元コードの読取りを指示するためのボタンが含まれている。
【0040】
以下、図4を参照しながら、ユニット1,2の間の接続が完了してカメラ23により生成された動画像がミラーユニット1のモニタ12に表示されるまでの処理の流れを説明する。
【0041】
ミラーユニット1において2次元コードの表示を指示する操作が行われると、2次元コード生成部103と表示制御部102との協働処理によって、モニタ12の画面の中央に2次元コードが表示される(図4(A))。この2次元コードには、ミラーユニット1のアドレス情報(IPアドレス)と任意の文字列とにより成るパスワードとを組み合わせたコード情報が埋め込まれている。
【0042】
ユーザは、ミラーユニット1のメニュー画面で2次元コードの表示を指示すると共に、カメラユニット2のメニュー画面で、2次元コードの読取りを指示する。この操作に応じてカメラユニット2では、撮影制御部203の制御によってカメラ23の動画撮影が開始されると共に、生成された動画像がタッチパネル制御部202によってタッチパネル22の画面に表示される。このときの画面の中央部には2次元コードの読取り枠Wも表示される(図4(a1))。カメラユニット2の2次元コード読取部204も作動して、枠Wの内部に対する2次元コードの探索処理が開始される。
【0043】
ここで、ユーザが、上述したカメラ合わせの趣旨をふまえて、カメラユニット2のカメラをモニタ12に正対させ、枠W内に2次元コードが入るようにカメラユニット2の位置を調整する(図4(a2))と、2次元コード読取部204によって2次元コードの内容が読み取られる。読み取られたコード情報は通信制御部201に提供される。
【0044】
コード情報の提供を受けた通信制御部201は、当該コード情報に含まれるアドレス情報に基づきミラーユニット1にアクセスし、上記のコード情報の全てを含む接続要求を送信する。
【0045】
上記の接続要求を受けたミラーユニット1の通信制御部101は、接続要求に含まれるコード情報が表示中の2次元コードに埋め込まれているものに一致することを確認した上で、カメラユニット2に対し、接続を許可する通知(以下「接続許可通知」という。)を送信する。
【0046】
なお、2次元コードに含められるパスワードは、毎回、ランダムに生成または複数のパスワードの中から抽選により選択されるのが望ましい。ただし、2次元コードにパスワードを含めずに、ミラーユニット1のアドレス情報だけを含むものにしても差し支えはない。
【0047】
カメラユニット2では、接続許可通知を受けたことに応じて、引き続き動画撮影を行いながら、ミラーユニット1への動画像データの送信を開始する。タッチパネル22でも引き続き動画像が表示されるが、2次元コードの読取り枠Wは消える(図4(b))。
【0048】
ミラーユニット1も、接続許可通知の送信に応じて2次元コードの表示を終了し、カメラユニット2から受信した動画像の表示を開始する(図4(B))。これにより、ミラーユニット1のモニタ12とカメラユニット2のタッチパネル22には、同内容の画像(モニタ12が映っている画像)がほぼ同じタイミングで表示される状態になる。
【0049】
なお、図4(b),図4(B)では、表示画面を、ミラーユニット1のモニタ12の画像120のみを含むものに簡易化して表しているが、カメラユニット2による撮影で生成される実際の画像にはミラーユニット1の周囲の物品が映り込む場合がある。また、各ユニット1,2の画面では、モニタ12の画像120の中にも撮影中の画像と同じものが映し出され、その現象の連続による入れ子状の画像が表示される。
【0050】
こうして、カメラユニット2により生成された動画像がミラーユニット1のモニタ12に表示される状態になったところで、ユーザがモニタ12とカメラ23との間に入ることによって、カメラ23にユーザの後ろ姿を撮影させながらその撮影により生成された画像をユーザの前方のモニタ12の画面に映し出すことができる(図4(C)および図4(c))。さらに、ユーザは、カメラ23の位置や角度を変更することによって種々の方向から自分の姿を撮影し、同様にモニタ12に映し出して正面視により確認することができる。撮影対象も頭部に限るものではなく、肩や背中などを含むより広い範囲を撮影することもできる。
【0051】
さらに、図4(B)(C)中の二点鎖線枠rの範囲に示すように、この実施例のミラーユニット1の動画像の表示画面の下端部には、「写真撮影」「録画」「戻る」という文字が表示される。
【0052】
「写真撮影」は、表示中の動画像の一コマを表す静止画像(スクリーンショット)の取得を指令するための文字ボタンである。「録画」は、表示中の動画像のリアルタイム記録を指令するための文字ボタンである。「戻る」は、動画像の表示を終了してメニュー画面に戻る指令を行うための文字ボタンである。
【0053】
これらのボタンは、マウス等によるクリックや指でタップする方法により操作することができる。いずれかのボタンが操作されたときは、その操作に対する処理が終了するまで各ボタンは無効化または表示されない状態になる。
【0054】
図5は画像の表示が開始された後のミラーユニット1における処理の概略手順を表すフローチャートである。図6は、ミラーユニット1への画像の送信が開始された後のカメラユニット2における処理の概略手順を表すフローチャートである。図5の手順は動画像の表示と並列して実施され、図6の手順は撮影や送信と並列して実施される。
以下、これらのフローチャートを参照して、上記の各文字ボタンの操作に伴って行われる処理の内容を説明する。
【0055】
ミラーユニット1では、カメラユニット2から動画像を受信して表示する処理を行いながら、図5中のステップS1~S4のループを繰り返す。カメラユニット2では、動画撮影・表示・送信の各処理を行いながら図6中のステップT1~T4のループを繰り返す。
【0056】
ミラーユニット1において、「写真撮影」のボタンが操作されると、ステップS1からステップS5に進んで、カメラユニット2に表示中の画像のスクリーンショットの取得を命じるコマンド(以下「スクリーンショット取得コマンド」という。)が送信される。
【0057】
上記のコマンドを受信したカメラユニット2では、ステップT1からステップT5に進んで、受信直後にタッチパネル22に表示された画面の画像をキャプチャする。さらに続くステップT6において、キャプチャにより生成された静止画像データをメモリ24内の画像フォルダ25に保存する。
このときの画像のキャプチャは1回に限らず、複数回のキャプチャを一定時間おきに行って、それらの処理により生成された複数の静止画像データを画像フォルダ25に保存してもよい。
【0058】
静止画像データの保存を終えたカメラユニット2は、ミラーユニット1にスクリーンショットの取得が完了したことを知らせる通知を送信し(ステップT7)、T1~T4のループに戻る。ミラーユニット1は、この通知を受けるまでステップS6で待機しているが、通知を受けたことに応じてステップS7に進み、モニタ12の画面にスクリーンショットの取得が完了したことを表すメッセージを一定時間表示する。表示後は3つの文字ボタンを有効な状態に戻してS1~S4のループに戻る。
【0059】
ミラーユニット1において、「録画」のボタンが操作された場合には、ステップS2からステップS8に進んで、カメラユニット2に動画像の記録の開始を命じるコマンド(以下「録画開始コマンド」という。)が送信される。
【0060】
録画開始コマンドを受信したカメラユニット2は、ステップT2からステップT8に進んで、表示中の画面の画像を連続的にキャプチャして自装置の作業メモリに記録する処理(録画)を開始する。さらにカメラユニット2は、ミラーユニット1に録画を開始したことを知らせる通知を送信し(ステップT9)、ミラーユニット1から録画終了コマンドを受信するまで動画像の記録を続ける。
【0061】
カメラユニット2から録画開始の通知を受けたミラーユニット1は、ステップS9からステップS10に進んで「録画」の文字ボタンを「録画停止」に変更して有効化し、この文字ボタンに対する操作に待機する(ステップS11)。
【0062】
「録画停止」のボタンが操作されると、ミラーユニット1はステップS11からステップS12に進んで、カメラユニット2に録画終了コマンドを送信する。このコマンドを受信したカメラユニット2は、ステップT10からステップT11に進んで画面を記録する処理を終了して、記録された情報に基づく動画像データを生成し、当該動画像データをメモリ24内のビデオフォルダ26に保存する。さらにカメラユニット2は、ミラーユニット1に録画の完了を知らせる通知を送信し(ステップT12)、T1~T4のループに戻る。
【0063】
録画完了の通知を受けたミラーユニット1は、ステップS13からステップS14に進んで、モニタ12の画面に録画が完了したことを表すメッセージを一定時間表示する。その後は3つの文字ボタンを有効な状態に戻してS1~S4のループに戻る。
【0064】
ミラーユニット1で「戻る」のボタンが操作された場合はステップS3が「YES」となる。この判定に応じてミラーユニット1はステップS15に進んでカメラユニット2との接続を切断し、さらにつぎのステップS16でモニタ12の画面をメニュー画面の表示に切り替える。
このときのカメラユニット2は、ミラーユニット1から接続を遮断されたことに応じてステップT3からステップT13に進み、動画撮影や表示を終了する。さらに、つぎのステップT14で、タッチパネル22の画面をメニュー画面の表示に切り替える。
【0065】
図4には示さなかったが、カメラユニット2の動画像の表示画面の隅にも、メニュー画面に戻る指令を行うためのボタンが表示される。このボタンがミラーユニット1の「戻る」のボタンより先に操作された場合は、図6のステップT4が「YES」となる。この判定に応じてカメラユニット2はステップT13に進んで動画撮影や表示を終了し、つぎのステップT14でタッチパネル22の画面をメニュー画面の表示に切り替える。
このときのミラーユニット1では、カメラユニット2から動画像が送信されなくなったことに応じてステップS4が「YES」となり、自装置で戻り操作が行われたときと同様にステップS15,S16が実行される。これにより、ミラーユニット1とカメラユニット2との接続は切断され、双方の画面がともにメニュー画面の表示に戻される。
【0066】
各ユニット1,2のメニュー画面で終了操作が行われた場合は完全に処理終了となるが、再び2次元コードの表示や読取りを指示する操作が行われた場合には、前述したカメラ合わせの手順を進めることで両ユニット1,2を再接続し、動画像の送信や表示を再開することができる。また、カメラユニット2において動画撮影および動画像の表示ならびに送信が行われ、ミラーユニット1において動画像の表示が行われている間は、いつでも「写真撮影」や「録画」のボタン操作によって、カメラユニット2にスクリーンショットの取得や録画を行わせ、それらの処理により生成された静止画像データや動画像データをカメラユニット2の画像フォルダ25やビデオフォルダ26に保存することができる。
【0067】
図5のフローチャートでは煩雑になるのを避けるため省略したが、ミラーユニット1がステップS5,S8,S12においてカメラユニット2にコマンドを送信した後にそのコマンドに対応したカメラユニット2からの通知に待機する場合(ステップS6,S9,S13)の待機時間は一定の長さまでに制限される。この制限時間が経過してもカメラユニット2からの通知を受信できなかった場合は、コマンドに応じた処理は実行されなかったものとみなしてS1~S4のループに戻る。
【0068】
ステップS11で録画停止操作に待機する場合の待機時間も一定の長さまでに制限され、この制限時間内に録画停止操作が行われなかった場合は、ステップS12に進むようにしている。これにより、ユーザが録画開始操作をした後に録画停止操作をせずに放置した場合にも、カメラユニット2では、録画開始操作から一定時間が経過するまでの動画像がキャプチャされてビデオフォルダ26に保存される。
【0069】
録画の終了については、ユーザの停止操作に応じて行うことを原則とせず、常に、録画の開始から一定時間が経過したことに応じてカメラユニット2の側で自動的に録画を終了し、生成された動画像データをビデオフォルダ26に保存してミラーユニット1に録画完了通知を送信する、という流れにしてもよい。
【0070】
上記実施例のカメラユニット2では、ミラーユニット1からスクリーンショット取得コマンドや録画開始コマンドを受信した直後に当該コマンドに応じた処理を実行するので、「写真撮影」のボタンが操作された場合は、その操作直後にユーザが大きく動かない限り、操作の時点とほぼ同じ姿をとらえた静止画像データをカメラユニット2の画像フォルダ25に保存することができる。「録画」のボタンが操作された場合も、その操作直後に記録したい動作を開始することによって、その開始の時点からの動作を反映した動画像をビデオフォルダ26に保存することができる。
【0071】
ただし、カメラユニット2側のキャプチャ処理は、ミラーユニット1からのコマンドを受信してからある程度の時間(たとえば3秒程度)が経過してから実行してもよい。その場合には、ミラーユニット1のモニタ12にキャプチャ処理が開始されるまでの残り時間を表示したり、カメラユニット2からキャプチャ処理を開始するまでの残り時間を表す音声を出力するなどの方法により、ユーザにキャプチャ処理が開始されるタイミングを報知することで、ユーザはスクリーンショットの取得のタイミングに合わせて姿勢を正したり、録画が開始されるタイミングに合わせて記録したい動作を開始することができる。
【0072】
なお、カメラユニット2でのキャプチャの対象となる画面に、カメラ23により生成された動画像とは関係のない表示(前述した戻りボタンなど)が含まれる場合には、その表示もキャプチャされる可能性がある。これを回避するには、キャプチャ処理が行われるときは動画像と関係のない表示を消しておくのが望ましい。
【0073】
この実施例でキャプチャされた画像のデータが保存される画像フォルダ25やビデオフォルダ26は、カメラユニット2となる通信端末装置でカメラユニット2が起動していない状態下で撮影が行われたときの画像の保存先と同じであるので、ユーザは、カメラユニット2としての利用を終了した後も、難なく画像フォルダ25やビデオフォルダ26にアクセスして、保存された画像を確認することができる。
【0074】
上記実施例では、ミラーユニット1からのコマンドに対し、カメラユニット2のタッチパネル22の画面に対するキャプチャ処理を行うようにしたが、これに限らず、キャプチャ処理部205と撮影制御部203との協働処理によって、カメラ23により生成されるフレーム画像をキャプチャすることも可能である。
【0075】
たとえば、「写真撮影」の操作に対しては、ミラーユニット1からスクリーンショット取得コマンドを受信した時点または受信から一定の時間が経過した時点に生成されたフレーム画像を取得し、これを静止画像データとして画像フォルダ25に保存することができる。また「録画」の操作に対しては、ミラーユニット1から録画開始コマンドを受信した時点または受信から一定の時間が経過した時点からフレーム画像の取得を開始し、録画終了コマンドを受信したことに応じてフレーム画像の取得を終了し、各フレーム画像に基づく動画ファイルを生成してビデオフォルダ26に保存することができる。
【0076】
カメラユニット2にキャプチャ処理を実行させるためにユーザが行う指令も、ボタンの操作に限るものではない。たとえば、ミラーユニット1に音声認識機能を設け、簡単な言葉(「撮って」「録画スタート」など)をスクリーンショット取得コマンドや録画開始コマンドに紐付けておけば、ユーザはそれらの言葉を声に出すことによってミラーユニット1にカメラユニット2へのコマンドを送信させることができる。
【0077】
ミラーユニット1にもカメラが設けられる場合には、各コマンドに簡単な動作(目をつぶる、口を開けるなど)を紐付け、カメラによりユーザの顔を撮影しながら生成された画像から上記の動作を認識できるようにすれば、ユーザはそれらの動作をすることによってミラーユニット1にカメラユニット2へのコマンドを送信させることができる。
【0078】
いずれの方法でも、ユーザは、目の前のモニタ12に表示された動画像を見ながら保存したいと思ったときに指令を出すことによって、保存したい画像をカメラユニット2に保存することができる。
【0079】
この実施例ではミラーユニット1に同時に複数台のカメラユニット2を接続することはできないが、一台ずつであれば、ミラーユニット1との無線通信が可能な状態にして上述したカメラ合わせの処理を行うことによって、任意の数のカメラユニット2をミラーユニット1に接続することができる。
【0080】
したがって、カメラユニット2となる通信端末装置しか持っていないユーザでも、他者が所持するミラーユニット1となる通信端末装置に自分の通信端末装置を一時的に接続することによって、ミラーユニット1に自分の姿を映し出してその姿を見ることができる。さらに、適宜、「写真撮影」や「録画」の操作を行うことによって、欲しいと思った画像データを自分自身の通信端末装置(カメラユニット2)に保存することができる。
【0081】
上記の仕組みを利用すれば、美容室や着付けサービス事業などを運営する事業者が所持する通信端末装置によるミラーユニット1に顧客の通信端末装置によるカメラユニット2を接続し、顧客に髪型や着付けの仕上がりの確認をしてもらいながら顧客が気に入った姿を映した画像を顧客の通信端末装置に保存することができる。
【0082】
また、フィットネスジム、ヨガスタジオ、バッティングセンターなどのトレーニングサービス事業の事業者が所持する通信端末装置によるミラーユニット1に顧客の通信端末装置によるカメラユニット2を接続し、顧客に運動中の姿を後方や斜め横からとらえた動画像を確認してもらいながら、適宜、顧客の希望するタイミングで顧客の通信端末装置に動画像を記録することもできる。
【0083】
いずれの場合も、前述した特許文献1に記載されているように、あらかじめミラーユニット1にカメラユニット2の識別情報を登録する必要はなく、カメラ合わせの作業を行うだけで接続を完了することができ、カメラユニット2から送信された動画像やキャプチャされた画像がミラーユニット1や外部のサーバ等に保存されることもないので、顧客らのプライベート情報を守ることができる。よって、顧客らは安心して、ミラーユニット1に自身の通信端末装置を接続して、動画像の表示機能やキャプチャ機能を利用することができる。
【0084】
上記のように事業者のサービスに使用する場合には、ミラーユニット1となる通信端末装置に別体のディスプレイ装置を接続し、そのディスプレイ装置と通信端末装置に備え付けのディスプレイとの双方にカメラユニット2から受信した動画像を表示し、前者のディスプレイ装置をメインのモニタ12として、その画面の正面に被写体となるユーザを正対させ、事業者側の担当者が備え付けのディスプレイの画面を見ながらユーザの希望に応じて「写真撮影」や「録画」の操作を行うようにしてもよい。
【0085】
ミラーユニット1は、汎用の通信端末装置に限らず、ディスプレイ装置が前面に設けられた筐体の内部に専用のアプリケーションソフトウェアが導入された制御装置や通信回路が配備された構成の専用機とすることもできる。専用機では、カメラユニット2との接続は無線に限らず、有線接続にすることもできる。
【0086】
カメラユニット2も図1に示した構成を備える専用機とすることもできる。この場合には、キャプチャされた画像の保存先は内部のメモリに限らず、USBメモリやSDカードなどのリムーバブル記憶媒体を接続してこちらに画像フォルダ25やビデオフォルダ26を設定することもできる。
【0087】
ミラーユニット1に別体のディスプレイ装置を接続してこれをモニタ12とする場合やミラーユニット1を専用機にする場合には、モニタ12を普通の鏡としても使用できるように、その画面の表面にハーフミラーを装着することもできる。
【符号の説明】
【0088】
1 ミラーユニット
2 カメラユニット
10 20 制御部
11 21 通信回路
12 モニタ
13 操作部
22 タッチパネル
23 カメラ
101 201 通信制御部
102 表示制御部
104 操作受付部
203 撮影制御部
205 キャプチャ処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6