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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043560
(43)【公開日】2024-04-01
(54)【発明の名称】車両前面標識灯ユニット
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/26 20060101AFI20240325BHJP
   F21S 43/237 20180101ALI20240325BHJP
   F21S 43/30 20180101ALI20240325BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240325BHJP
   F21S 43/50 20180101ALI20240325BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20240325BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20240325BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20240325BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20240325BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240325BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20240325BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20240325BHJP
   F21W 105/00 20180101ALN20240325BHJP
【FI】
B60Q1/26 A
F21S43/237
F21S43/30
F21S43/14
F21S43/50
B60Q1/00 E
F21W103:55
F21W103:10
F21W103:20
F21Y115:10
F21W103:00
F21Y113:10
F21W105:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148666
(22)【出願日】2022-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】清水 邦宏
(72)【発明者】
【氏名】檀浦 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 英恵
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA32
3K339BA01
3K339BA02
3K339BA03
3K339BA04
3K339BA05
3K339BA30
3K339CA22
3K339CA24
3K339DA01
3K339EA05
3K339EA09
3K339FA09
3K339GB02
3K339HA01
3K339HA02
(57)【要約】
【課題】 各標識灯機能に要求される法規を充たしながら、見栄えに優れた、車両の前面のグリル部分に設けられた車両前面標識灯ユニットを提供する。
【解決手段】 車両前方から車両を見たときに複数の標識灯機能を所要の連続的光パターンの発光により実行する車両前面標識灯ユニット1では、車両の右側前照灯の配置位置と車両の左側前照灯の配置位置との間の領域により設けられる第1の領域61と、車両幅方向の中心線から車幅方向に所定の距離内にある第2の領域62とを設け、複数の標識灯機能のうちの第1の標識灯機能は、少なくとも第1の領域61の一部分において配置され、複数の標識灯機能のうちの第2の標識灯機能は、少なくとも第1の領域61の一部分において配置されるとともに、第2の領域62においては配置される。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方から車両を見たときに複数の標識灯機能を所要の連続的光パターンの発光により実行する車両前面標識灯ユニットであって、
前記車両の右側前照灯の配置位置と前記車両の左側前照灯の配置位置との間の領域により設けられる第1の領域と、
車幅方向の中心線から車幅方向に所定の距離内にある第2の領域とを設け、
前記複数の標識灯機能のうちの第1の標識灯機能は、少なくとも前記第1の領域の一部分において配置され、
前記複数の標識灯機能のうちの第2の標識灯機能は、少なくとも前記第1の領域の一部分において配置されるとともに、前記第2の領域においては配置される、
車両前面標識灯ユニット。
【請求項2】
前記第1の標識灯機能はポジションランプであり、前記第2の標識灯機能はディタイムランニングライトである請求項1の車両前面標識灯ユニット。
【請求項3】
前記第1の標識灯機能は複数のLED光源と導光体とを備えた第1標識灯ユニットにより、前記第2の標識灯機能は複数のLED光源とレフレクタとの組み合わせを備えたに第2標識灯ユニットにより実行される請求項1の車両前面標識灯ユニット。
【請求項4】
ハウジング部材と、
マスク部材と、
アウターレンズとをさらに備え、
前記所要の連続的光パターンは前記マスク部材が前記第1標識灯ユニットおよび前記第2標識灯ユニットからの光を遮光し、前記マスクを通過した光が前記アウターレンズから放射されることにより形成される請求項3の車両前面標識灯ユニット。
【請求項5】
前記所要の連続的光パターンは、車両幅方向の中心線を中心にして右側パターンおよび左側のパターンとして左右対称に形成されるように前記第1標識灯ユニットおよび前記第2標識灯ユニットからの光を遮光する前記マスク部材は形成されている請求項4の車両前面標識灯ユニット。
【請求項6】
前記右側パターンおよび前記左側のパターンの各々は複数の略平行四辺形形状のパターンを含み、前記略平行四辺形形状のパターンの大きさは、それぞれ異なり、車両幅方向の中心線に近くにあるパターンほど小さくなるように、前記第1標識灯ユニットおよび前記第2標識灯ユニットからの光を遮光する前記マスク部材は形成されている請求項5の車両前面標識灯ユニット。
【請求項7】
前記右側パターンおよび前記左側のパターンの各々の大きさは前記中心線の下部にある中心点を中心として、放射状に大きくなるように、前記第1標識灯ユニットおよび前記第2標識灯ユニットからの光を遮光する前記マスク部材は形成されている請求項6の車両前面標識灯ユニット。
【請求項8】
複数の標識灯機能のうちの一つは車両の充電状態を示す、第3の標識灯機能としてのチャージングライトである請求項1の車両前面標識灯ユニット。
【請求項9】
複数の標識灯機能のうちの一つは、第4の標識灯機能としてのターンインディケータであり、少なくとも前記第1の領域の車幅方向外側の領域に配置されている請求項1の車両前面標識灯ユニット。
【請求項10】
前記車両前面標識灯ユニットの車両前方側の前表面のうちの少なくとも一部分は、前記車両の表面に施された塗装の色と同じ色の塗装が施されるとともに、光透過部分が設けられ、前記標識灯機能は前記光透過部分を介して実行される請求項1の車両前面標識灯ユニット。
【請求項11】
前記前表面の一部分は、車両前面標識灯ユニットと前記車両の境界部分に設けられる請求項10の車両前面標識灯ユニット。
【請求項12】
車両前面標識灯ユニットの車両前方側の表面全面が前記車両の表面に施された塗装の色と同じ色の塗装が施されるとともに、前記光透過部分が前記表面全面に亘り設けられる請求項10の車両前面標識灯ユニット。
【請求項13】
前記光透過部分はレーザーエッチングにより形成される請求項10乃至12の車両前面標識灯ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前面のグリル部分に灯具ユニットを設け、所要の光照明機能もしくは標識灯機能を実現する車両前面標識灯ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のグリル部分に車両用光学装置を設け、種々のメッセージ等を照明により表示するようにした技術が開発されてきた。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-59445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような車両のグリル部分に設けられた光学装置により、本来、車両に必要とされる種々の標識灯機能を実現する現実的な車両用灯具ユニットは未だ開発されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、各標識灯機能に要求される法規を充たしながら、見栄えに優れた、車両の前面のグリル部分に設けられた車両前面標識灯ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、車両前方から車両を見たときに複数の標識灯機能を所要の連続的光パターンの発光により実行する車両前面標識灯ユニットであって、車両の右側前照灯の配置位置と前記車両の左側前照灯の配置位置との間の領域により設けられる第1の領域と、中心線から車幅方向に所定の距離内にある第2の領域とが設けられ、複数の標識灯機能のうちの第1の標識灯機能は、少なくとも第1の領域の一部分において配置され、複数の標識灯機能のうちの第2の標識灯機能は、少なくとも第1の領域の一部分において配置されるとともに、第2の領域においては配置されない車両前面標識灯ユニットにより解決されうる。
【0007】
第1の標識灯機能はポジションランプであり、第2の標識灯機能はディタイムランニングライトであるかもしれない。
【0008】
第1の標識灯機能は複数のLED光源と導光体とを備えた第1標識灯ユニットにより、第2の標識灯機能は複数のLED光源とレフレクタとの組み合わせを備えたに第2標識灯ユニットにより実行されるかもしれない。
【0009】
本発明の車両前面標識灯ユニットは、ハウジング部材と、マスク部材と、アウターレンズとをさらに備え、所要の連続的光パターンがマスク部材が第1標識灯ユニットおよび第2標識灯ユニットからの光を遮光し、前記マスクを通過した光が前記アウターレンズから放射されることにより形成されるかもしれない。
【0010】
所要の連続的光パターンは、車両幅方向の中心線を中心にして右側パターンおよび左側のパターンとして左右対称に形成されるように第1標識灯ユニットおよび第2標識灯ユニットからの光を遮光するマスク部材は形成されているかもしれない。
【0011】
右側パターンおよび左側のパターンの各々は複数の略平行四辺形形状のパターンを含み、略平行四辺形形状のパターンの大きさは、それぞれ異なり、車両幅方向の中心線に近くにあるパターンほど小さくなるように、第1標識灯ユニットおよび第2標識灯ユニットからの光を遮光するマスク部材は形成されているかもしれない。
【0012】
右側パターンおよび左側のパターンの各々の大きさは中心線の下部にある中心点を中心として、放射状に大きくなるように、第1標識灯ユニットおよび前記第2標識灯ユニットからの光を遮光するマスク部材は形成されているかもしれない。
【0013】
複数の標識灯機能のうちの一つは車両の充電状態を示す、第3の標識灯機能としてのチャージングライトであるかもしれない。
【0014】
複数の標識灯機能のうちの一つは、第4の標識灯機能としてのターンインディケータであり、少なくとも第1の領域の車幅方向外側の領域に配置されているかもしれない。
【0015】
車両前面標識灯ユニットの車両前方側の前表面のうちの少なくとも一部分は、車両の表面に施された塗装の色と同じ色の塗装が施されるとともに、光透過部分が設けられ、標識灯機能は光透過部分を介して実行されるかもしれない。
【0016】
前表面の一部分は、車両前面標識灯ユニットと車両の境界部分に設けられるかもしれない。
【0017】
車両前面標識灯ユニットの車両前方側の表面全面が車両の表面に施された塗装の色と同じ色の塗装が施されるとともに、光透過部分が表面全面に亘り設けられるかもしれない。
【0018】
光透過部分はレーザーエッチングにより形成されるかもしれない。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、車両全面において好適な標識灯機能を実行でき、かつ、見栄えの良い照明をもたら車両前面標識灯ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は本車両前面標識灯ユニット1の分解斜視図である。
図2図2は、複数のLED光源とレフレクタの組み合わせからなる標識灯ユニット12の中の1つのLED光源21とレフレクタ22の組み合わせの構造を示す断面図である。
図3図3は複数のLED光源とレフレクタの組み合わせからなる標識灯ユニット12がどのように配置されているかを説明するための図である。
図4図4は長尺導光体13と,1対の導光体アセンブリ14a,14bとが、ハウジング11内のどのようなに位置に収容されるかを説明するための図である。
図5図5は車両前方から、ハウジング11にマスク部材18が取り付けられた状態を見た場合を説明するための図である。
図6図6は、各標識灯機能の配置位置について説明するための図である。
図7図7は車両前方から車両をみたときに、第1の標識灯機能、すなわち、ポジショニングランプがどのように見えるかを説明するための図である。
図8図8は車両前方から車両をみたときに、第2の標識灯機能、すなわち、ディタイムランニングライトがどのように見えるかを説明するための図である。
図9図9は車両前方から車両をみたときに、第3の標識灯機能、すなわち、チャージングライトがどのように見えるかを説明するための図である。
図10図10は、本発明の他の実施例を示す図である。
図11図11は、さらなる他の実施例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る車両前面標識灯ユニットの実施形態を図面に基づいて説明する。本車両前面標識灯ユニットは、車両の前面部に取り付けられる一体型のユニットであり、e-Grilleと称されるかもしれない。本実施例においては、本車両前面標識灯ユニットを電気自動車に適用する場合を説明するが、電気自動車に限らず、他の形態の自動車においても適用可能であるかもしれない。
【0022】
なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。以下の説明において、前後、上下、左右の各方向は、本車両前面標識灯ユニットが車両に搭載された車両搭載状態における方向であって、運転席から車両の進行方向を見た場合における方向を示す。なお、本実施形態では、上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向であるとする。また、正面方向及び背面方向については、車両用灯具ユニットから光が出射される方向を正面方向とし、正面方向の反対方向を背面方向とする。
【0023】
図1は本車両前面標識灯ユニット1の分解斜視図である。図1において、本車両前面標識灯ユニット1の主な構成要素として、本車両前面標識灯ユニットを収容するハウジング11と、複数のLED光源とレフレクタの組み合わせからなる標識灯ユニット12a,12b(第2の標識灯ユニット)と、長尺導光体13と,1対の導光体アセンブリ14a,14bと、長尺導光体13のための1対のLED光源15a,15bと、1対の導光体アセンブリ14a,14bのための1対のLED光源16a,16bと、アクリル製の透明なインナーレンズ17と、マスク部材18と、アクリル製の透明なアウターレンズ19とが示されている。
【0024】
長尺導光体13と,1対の導光体アセンブリ14a,14bと、長尺導光体13のための1対のLED光源15a,15bと、1対の導光体アセンブリ14a,14bのための1対のLED光源16a,16bとが第1の標識灯ユニットを構成する。1対の導光体アセンブリ14a,14bは横方向に延びる6本の導光体と中央付近で支持する支持部材14c、14dを含む。1対の導光体アセンブリ14a,14bは中央付近で支持する支持部材14c、14dと共に、左右のアセンブリ毎に一体成型されてもいい。
【0025】
マスク部材18は、黒色のポリカーボネート製エクステンションであり、遮光製を有する。アウターレンズ19の裏面には多孔質フィルム19aが印刷成形により形成されている。
【0026】
図2は、複数のLED光源とレフレクタの組み合わせからなる標識灯ユニット12の中の1つのLED光源21とレフレクタ22の組み合わせの構造を示す断面図である。LED光源21は基板23上に設けられ、LED光源21から発せられた光はレフレクタ22で反射し、車両前方方向に出射される。レフレクタ22は、ポリカーボネートをアルミ蒸着したものである。
【0027】
図3は複数のLED光源とレフレクタの組み合わせからなる標識灯ユニット12がどのように配置されているかを説明するための図である。まず、ハウジング11の左右の上方部分に、3×8=計24個のマトリクス状に配列された、第1のLED光源とレフレクタ群31a,31bが設けられている。この第1のLED光源とレフレクタ群31a,31bより車両内側に設けられた1×5=計5個の第2のLED光源とレフレクタ群32a,32bと、この第2のLED光源とレフレクタ群32a,32bより車両内側に設けられた1×4=計4個の第3のLED光源とレフレクタ群33a,33bと、この第3のLED光源とレフレクタ群33a,33bより車両内側に設けられた1×3=計3個の第4のLED光源とレフレクタ群34a,34bとが設けられている。
【0028】
第1のLED光源とレフレクタ群31a,31bは、第2の標識灯ユニットを構成する。さらに、この第1のLED光源とレフレクタ群31a,31bはディタイムランニングライト(DRL)の機能を実行する。なお、第1のLED光源とレフレクタ群31a,31bのLED光源は白色である。
【0029】
第2~4のLED光源とレフレクタ群32a~34a,32b~34bは、ポジションランプの一部、もしくは、チャージングライトの機能を実行する。第2~4のLED光源とレフレクタ群32a~34a,32b~34bの光源は、青色、白色の2個のLEDが設けられており、第2~4のLED光源とレフレクタ群32a~34a,32b~34bがポジションランプの一部として機能する場合、白色のLEDが駆動され、チャージングライトとして機能する場合は青色のLEDを駆動される。
【0030】
図4は長尺導光体13と,1対の導光体アセンブリ14a,14bとが、ハウジング11内のどのようなに位置に収容されるかを説明するための図である。1対の導光体アセンブリ14a,14bには、横方向に延びる6本の導光体が上下方向にほぼ等間隔で配置され、下から4本の導光体の長さはハウジング11の左右の傾斜端部で終点となる長さである。上から2本の導光体は、上述の第1のLED光源とレフレクタ群31a,31bによる発光の邪魔にならないような位置に配置される。
【0031】
図5は車両前方から、ハウジング11にマスク部材18が取り付けられた状態を見た場合を説明するための図である。マスク部材18には、左右対称に7×4×2=合計56個の開口が設けられている。各開口はほぼ平行四辺形の形状である。開口は上下方向には略等間隔に配置されている。開口の大きさは、車両の幅方向の中心線に近い開口ほど、小さい開口となるように形成されている。また、図示のごとく、全体的に、車両の幅方向の中心線の下部を起点として、放射状に広がって見えるように夫々、マスク部材18の開口の大きさが調整されて開口は形成されている。これらの開口を介して車両前方方向に放射される光が連続的光パターンの発光となり、車両前方から車両を見たときに複数の標識灯機能を実行する。
【0032】
図5において、枠51に囲われた開口(計56個)は、ポジションランプ(PL)として機能するようにこれらの開口を通過する光源からの光を車両前方方向に放射する。
【0033】
枠52に囲われた開口(左右含め計6個)は、ディタイムランニングライト(DRL)として機能するようにこれらの開口を通過する光源からの光を車両前方方向に放射する。なお、1個の開口につき、8個のLED光源とレフレクタが割り当てられている。また、枠52で囲われた開口を通過する光がディタイムランニングライトとして機能する場合は、第1のLED光源とレフレクタ群31a,31bのLED光源に供給される電力は、ポジションランプ(PL)として機能するときと比べ、大電力が供給され、発する明るさも明るいものとなる。
【0034】
枠53に囲われた開口(左右含め計6個)は、チャージライトとして機能するようにこれらの開口を通過する光源からの光を車両前方方向に放射する。チャージングライトは電気自動車の場合、充電量が十分かどうかを示す青色の光となる。
【0035】
図6は、各標識灯機能の配置位置について説明するための図である。図6において、車両前方から前記車両を見たときの車両の前照灯63の配置位置より車両中心線方向に向けて内側の第1の領域61と、車両中心線から車幅方向に所定の距離内にある第2の領域62が示されている。本実施例においては、所定の距離は、車両中心線の左右300mm、総全体幅600mmに設定されている。図5の枠51からもたらされるポジションランプ(PL)として機能する光機能(第1の標識灯機能)は少なくとも第1の領域61において配置され、発光する。図5の枠52からもたらされるディタイムランニングライト(DRL)として機能する光機能(第2の標識灯機能)は第2の領域62以外の、第1の領域61において少なくとも配置され、発光する。第1の光機能、第2の光機能ともに、第1の領域61の外側にも追加的に設けられてもよい。
【0036】
図7は車両前方から車両をみたときに、第1の標識灯機能、すなわち、ポジショニングランプがどのように見えるかを説明するための図である。上述のマスク部材18の構成により、車両の幅方向の中心線に近づくにつれ、発光部分の面積は順次、小さくなる。また、図示のごとく、車両の幅方向の中心線の下部を中心として、放射状に光のパターンの面積が広がるような連続的光パターンの発光がもたらされる。このとき、上述の全ての白色LEDが点灯されてる。
【0037】
図示のとおり、所要の連続的光パターンが車両幅方向の中心線を中心にして右側パターン54および左側のパターン55として左右対称に形成されるように、第1標識灯ユニット(ポジションランプ機能を実行)からの光を遮光するマスク部材18は形成されている。
【0038】
右側パターン54および左側のパターン55の各々は複数の略平行四辺形形状のパターンを含み、略平行四辺形形状のパターンの大きさは、それぞれ異なり、車両幅方向の中心線に近くにあるパターンほど小さくなるように、マスク部材18は形成されている。
【0039】
右側パターン54および左側のパターン55の各々の大きさは車両の幅方向の中心線76の下部にある中心点77を中心として、放射状に大きくなるように、マスク部材18は形成されている。
【0040】
図8は車両前方から車両をみたときに、第2の標識灯機能、すなわち、ディタイムランニングライトがどのように見えるかを説明するための図である。このとき、第1のLED光源とレフレクタ群31a,31b(第2の標識灯ユニット)の光源のみ電力供給され、これらのLEDのみが点灯し、対応する部分81,82の部分のみが発光する。供給される電力はポジショニングランプ点灯時に供給される電力よりも大きく、したがって、発光強度の強くなる。また、第2の標識灯機能はLED光源とレフレクタにより構成されているので、導光体等により構成される場合に比べ、強い光強度がもたらされる。なお、この場合、LED光源15a,15b、16a,16bには電力供給されず、長尺導光体13と,1対の導光体アセンブリ14a,14bは発光しない。また、第2~4のLED光源とレフレクタ群32a~34a,32b~34bにも電力供給されず、この部分も発光しない。
【0041】
図9は車両前方から車両をみたときに、第3の標識灯機能、すなわち、チャージングライトがどのように見えるかを説明するための図である。このとき、第2~4のLED光源とレフレクタ群32a~34a,32b~34bの青色LEDのみに電力供給され、これらLEDに対応する部分(91,92)のみが青色に発光する。なお、チャージングライトは、緑色とか、オレンジ色でもよい。
【0042】
図示にはないが、複数の標識灯機能のうちの一つとして、ターンインディケータ(第4の標識灯機能)が本発明の車両前面標識灯ユニットに設けられてもよい。この場合、ターンインディケータは、少なくとも第1の領域の車幅方向外側の領域に配置される。
【0043】
図10は、本発明の他の実施例を示す図である。枠101に囲まれた部分が本発明の車両前面標識灯ユニットである。枠102で囲まれた部分は、一見、車体の位置部分であるかのように見えるが、この部分も本発明の車両前面標識灯ユニットの一部分である。同ユニットのこの枠102部分の表面には車体と同じ色の塗装、コーティングが施され、公知のレーザーエッチング技術により光を透過する光透過部分(103a~g)が設けられている。なお、向かって右側も同じように光透過部分(104a~g)が設けられている。これら光透過部分(光機能のための開口)を介して、車両前面標識灯ユニット内に設けられたレーザーエッチング前方方向に出射せしめ、複数の標識灯機能のうちの一部、例えば、ポジションランプあるいはディタイムランニングライトの光として、使うことができる。
【0044】
車両前面標識灯ユニットの車両前方側の表面のうちの少なくとも一部分は、車両の表面に施された塗装の色と同じ色の塗装が施されるとともに、レーザーエッチングにより光透過部分が設けられ、前記標識灯機能は光透過部分を介して実行される。車両の表面に施された塗装の色と同じ色の塗装(コーティング)が施されるとともに、レーザーエッチングにより光透過部分が設けられた一部レーザーエッチング灯ユニットと車両の車体表面との境界部分に設けられると、あたかも、車体から標識灯ユニットの光が発せられたかのように看取され、非常に見栄えがよい。
【0045】
図11は、さらなる他の実施例を説明するための図である。車両前面標識灯ユニットの前面の全面に車体と同じ色のコーティングを施し、公知のエッチング技術により光を透過する光透過部分を設け、その光透過部分を介して、複数の標識灯機能を実行するようにしても良い。車両前面標識灯ユニットの車両前方側の表面全面が車両の表面に施された塗装の色と同じ色の塗装が施されるとともに、前記光透過部分が前記表面全面に亘り設けられるので、光機能が実行されない限り、本車両前面標識灯ユニットが外部から見て目立つことはない。
【0046】
すなわち、車両の表面に施された塗装の色と同じ色の塗装が施されるとともに、レーザーエッチングにより光透過部分が設けられた部分は、車両前面標識灯ユニットの車両前方側の表面全面に設けられる。図11(a)は標識灯が点灯されたとき、図11(b)は標識灯が消灯されたときを示している。図11(a)中、ディタイムランニングライト111が点灯している状態が図示されている。
【0047】
本実施例では、標識灯機能として、ディタイムランニングライト、ポジションランプ、ターンインディケータなどを例示したが、他の標識灯機能、例えば、高輝度のポジションランプなどにも適用できる。また、第1の標識灯ユニットに用いられる導光体などは、surfacic light guideなどのdioptric optical element(屈折光学部材)でも代替可能である。また、fresnel lenns(フレネルレンズ)/microfresnels(マイクロフレネル)/fresnel array(フレネルアレイ)などと共に実現しうる。さらに、第2の標識灯ユニットはLED光源、レフレクタ、dioptric system(屈折システム)の組み合わせによってでも実現できる。また、光透過部分はレーザーエッチングにより形成される場合を例示したが、塗装前に施されるマスク技法によってでも形成されうる。
【符号の説明】
【0048】
1 本車両前面標識灯ユニット
11 ハウジング
12 標識灯ユニット
13 長尺導光体
14 導光体アセンブリ
15 LED光源
16 LED光源
17 インナーレンズ
18 マスク部材
19 アウターレンズ
21 LED光源
22 レフレクタ
23 基板
31 レフレクタ群
32 レフレクタ群
33 レフレクタ群
34 レフレクタ群
51,52,53 枠
54 右側パターン
55 左側パターン
61,62 領域
76 中心線
77 中心点
81,82 対応する部分
91,92 対応する部分
101,102 枠
103,104 光透過部分
111 ディタイムランニングライト

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11