(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043565
(43)【公開日】2024-04-01
(54)【発明の名称】車両用マナーノッククラクション装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 5/00 20060101AFI20240325BHJP
【FI】
B60Q5/00 670D
B60Q5/00 620B
B60Q5/00 690Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190347
(22)【出願日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0117760
(32)【優先日】2022-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522434495
【氏名又は名称】キム,テ ワン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,テ ワン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】既存の車両に設置されたクラクションを代替し、運転者同士正確な情報を伝達し、大きな警笛音による不快感を与える問題点を解決し、車両に簡便に設置することができる車両用マナーノッククラクション装置を提供する。
【解決手段】車両の室内に設置され、音声メッセージを予め保存しており、動作ボタン120によって音声メッセージ情報を伝送するスイッチ装置100と、スイッチ装置100から離れた位置の車両に付着される方式で設置され、スイッチ装置100と無線で連結され、伝達された音声メッセージ情報に対応する音声信号を外部に発生させるスピーカー装置200とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内に設置され、音声メッセージを予め保存しており、動作ボタン(120)によって音声メッセージ情報を伝送するスイッチ装置(100)と、
前記スイッチ装置(100)から離れた位置の車両に付着される方式で設置され、前記スイッチ装置(100)と無線で連結され、伝達された音声メッセージ情報に対応する音声信号を外部に発生させるスピーカー装置(200)と、を含むことを特徴とする、車両用マナーノッククラクション装置。
【請求項2】
前記スイッチ装置(100)は、本体(110)と、前記本体(110)の上部中央に形成された動作ボタン(120)と、前記動作ボタン(120)の一側に音声メッセージを変更するように形成されたセットボタン(130)とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両用マナーノッククラクション装置。
【請求項3】
前記セットボタン(130)は、前記動作ボタン(120)より小さいサイズを有することを特徴とする、請求項2に記載の車両用マナーノッククラクション装置。
【請求項4】
前記本体(110)の上部には、中央に行くほど深く凹んでいる形態の凹部(111)が形成され、前記動作ボタン(120)が前記凹部(111)の内側中央に形成され、前記動作ボタン(120)が内側に凹んでいる形態に形成されることを特徴とする、請求項2に記載の車両用マナーノッククラクション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用マナーノッククラクション装置に関するものであり、より詳しくは既存の車両に設置されたクラクションを代替し、運転者同士正確な情報を伝達し、大きな警笛音による不快感を与える問題点を解決し、車両に簡便に設置することができる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、大部分の自動車には外部に大きな音の警笛音を出すことができるクラクション装置が設置されることで、運転者は多様な状況で警笛音を出して他の車両またはヒトに警告または警報を与えている。
【0003】
しかし、このような警笛音は、運転者の意図とは違い、その他の運転者または歩行者にも伝達してけんかが起きるかあおり運転のような問題が発生するか、または警笛音を出さなくても良い状況で習慣的に警笛音を出す問題によって都市の騷音公害を発生させるなどのさまざまな問題を引き起こしている。
【0004】
さらに、警笛音が非常に大きな音に設定されており、クラクションスピーカーはボネットの前方に設置されるので、背が低い子供の聴力に損傷を加えることがある構造的問題がある。
【0005】
これに関連した先行技術として、韓国登録実用新案第20-0483745号公報(自動車マナークラクション装置)には、メイン警笛音を発生させるように自動車に備えられたメイン警笛音発生器と、前記メイン警笛音より小さい音のサブ警笛音を発生させるように自動車に備えられたサブ警笛音発生器と、自動車のハンドルに備えられたメインクラクションボタンと、自動車のハンドルに備えられたサブクラクションボタンと、前記メインクラクションボタンが押されると、前記メイン警笛音発生器を介してメイン警笛音を発生させ、前記サブクラクションボタンが押されると、前記サブ警笛音発生器を介して前記メイン警笛音より小さい音のサブ警笛音を発生させる電子制御ユニットとを含む技術が開示されている。
【0006】
前記先行技術は、小さい音のサブ警笛音を出すようにして騷音を減らし、大きい音の警笛音と併用するようにした技術であるが、前記先行技術は単純に警笛音の大きさのみを減らしたものであるだけで、2個の警笛音発生器を使うので、設置及び使用が煩わしく、警笛音自体による運転者及び歩行者の不快感は依然として存在し、単一音を有する警笛音は他の運転者または歩行者に正確な情報伝達が難しい問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録実用新案第20-0483745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記のような問題点を解決するために案出されたものであり、車両の室内に警笛音を制御することができる装置を簡便に設置することができるようにし、既存の騷音の激しい自動車警笛音の代わりに、他の運転者または歩行者に不快感を与えない音声を送出することで、騷音公害を減らし、運転者の情報伝達を正確に遂行して2次事故を防止しようとした車両用マナーノッククラクション装置を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、車両の室内に設置され、音声メッセージを予め保存しており、動作ボタンによって音声メッセージ情報を伝送するスイッチ装置と、前記スイッチ装置から離れた位置の車両に付着される方式で設置され、スイッチ装置と無線で連結され、伝達された音声メッセージ情報に対応する音声信号を外部に発生させるスピーカー装置とを含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記スイッチ装置は、本体と、前記本体の上部中央に形成された動作ボタンと、前記動作ボタンの一側に音声メッセージを変更するように形成されたセットボタンとを含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記セットボタンは、動作ボタンより小さいサイズを有することを特徴とする。
【0012】
また、前記本体の上部には、中央に行くほど深く凹んでいる形態の凹部が形成され、動作ボタンが凹部の内側中央に形成され、動作ボタンが内側に凹んでいる形態に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は他の運転者または歩行者に我が車両の状況を音声メッセージの形態として正確に伝達して事故を事前に防止することができる効果があり、既存のクラクションを押す状況と同じ状況であっても他の人々に不快感を与えないメッセージとして伝達することで、運転者間の言い争いを最小化し、あおり運転のような2次事故を事前に防止することができる効果がある。
【0014】
また、本発明は、設置便宜性を高めて老若男女の多様な運転者が簡便に使うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の車両用マナーノッククラクション装置の全体構成を示す図である。
【
図2】本発明の車両用マナーノッククラクション装置のスイッチ装置を示す図である。
【
図3】本発明の車両用マナーノッククラクション装置に車両情報収集端末機をさらに含む他の実施例を示す図である。
【
図4】本発明の車両情報収集端末機を用いた音声メッセージ変更を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。そして、本発明の説明において、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0017】
従来のクラクション装置は車両のハンドルに備えられて一定の警笛音を発生させるように使われて来た。しかし、このような形態の警笛音はあまりにも大きくて不快な騷音に相当するから、多様な社会的問題を引き起こした。したがって、本発明によってこのような問題を解決しようとする。
【0018】
本発明の車両用マナーノッククラクション装置は、
図1に示すように、車両の室内に設置され、音声メッセージを予め保存しており、動作ボタン120によって音声メッセージ情報を伝送するスイッチ装置100と、前記スイッチ装置100から離れた位置の車両に付着するように設置され、スイッチ装置100と無線で連結され、伝達された音声メッセージ情報に対応する音声信号を外部に発生させるスピーカー装置200とを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明のスイッチ装置100は車両の室内に設置されるものであり、ハンドルの周辺または中央のメディアまたは空調機を操作する部分の付近に使用者が願う位置に設置されることができる。設置方法は、動作ボタン120の反対側に接着機能を提供して容易に付着できるように構成されるか、または磁石を用いて着脱可能に設置されることができる。
【0020】
前記スイッチ装置100は、
図2に示すように、本体110と、前記本体110の上部中央に形成された動作ボタン120と、前記動作ボタン120の一側に形成され、音声メッセージを変更するセットボタン130とを含む。前記動作ボタン120はスピーカー装置200に音声メッセージを送出することができるように作動信号を伝達するボタンであり、セットボタン130は送出しようとする音声メッセージを変更するときに使われるものである。
【0021】
前記動作ボタン120を介して送出される音声メッセージの種類は「ありがとうございます」、「通してください」、「少々お待ちください」のように多様に適用することができる。前記音声メッセージはスイッチ装置100自体に内蔵されているものであり、セットボタン130を介して変更することができ、セットボタン130を長く押す方式で韓国語及び外国語の設定が可能である。
【0022】
したがって、使用便宜性のために、一番多く押す動作ボタン120は本体110の中央に大きなボタンとして形成され、動作ボタン120に比べて少なく押すセットボタン130は動作ボタン120に比べて小さなサイズになるように構成することが好ましい。
【0023】
さらに、前記本体110の上部には、図面に示すように、中央に行くほど深く凹んでいる形態の凹部111が形成され、動作ボタン120が凹部111の内側中央に形成され、動作ボタン120が内側に凹んでいる形態に形成されることが良い。
【0024】
前記動作ボタン120が本体110の凹部111に形成されることで、動作ボタン120が本体110から突出しないので、使用者が意図に反して誤って押すことを防止することができ、使用者が目で確認しなくても手の感触のみで動作ボタン120の位置を容易に探すことができる利点を有する。
【0025】
本発明のスピーカー装置200はスイッチ装置100から離れた位置に付着されるものであり、好ましくは車両のボネットの内部に設置されることが良い。前記スピーカー装置200への電源供給には自己バッテリーを用いることができるが、車両用バッテリーを用いる方式で構成されることもできる。
【0026】
前記スピーカー装置200はスイッチ装置100と無線で連結されるものであって、スイッチ装置100を介して伝達される音声メッセージに応じて外部に音声信号を直接発生させる構成である。すなわち、スイッチ装置100を介して「ありがとうございます」という音声メッセージ情報が伝達されると、スピーカー装置200を介して「ありがとうございます」という音声信号を発生させることで、他の車両の運転者または歩行者が聞けるようにする。
【0027】
さらに、本発明の車両用マナーノッククラクション装置は、
図3に示すように、車両に備えられたOBD端子に連結される車両情報収集端末機300をさらに含むことができる。前記車両のOBD(On Board Diagnosis)端子は車両の多様な情報を外部の他の機器に送出するためのものであり、主に故障診断のために使われる。
【0028】
前記車両情報収集端末機300は車両のOBD端子に結合され、収集された情報はスイッチ装置100と連動する方式で使われることができる。すなわち、車両情報収集端末機300を介して収集された情報に基づき、状況に応じてスイッチ装置の音声メッセージを自動で変更することができる。
【0029】
再び説明すると、前記車両情報収集端末機300はスイッチ装置100と無線で通信することができるようにすることで、車両の現在状況をスイッチ装置100に提供する。よって、スイッチ装置100の動作ボタン120を押すと、車両の現在状況によって異なる種類の音声メッセージの信号をスピーカー装置200に送出するようになる。
【0030】
前記車両情報収集端末機300を介して提供される車両の情報は、OBD2端子を基準に、測定時刻、エンジン回転数、車両速度、ギアレバーの位置、加速ペダルの動作量、瞬間燃料消耗量、エンジン警告灯、GPS緯度/軽度、ギア段数、ペダル及びサイドブレーキの有無、X/Y/Z軸の勾配、エアコンの有無、瞬間トルク、ハンドル操舵角、安全ベルト着用有無、及び方向指示灯の状態を含む。
【0031】
したがって、前記車両情報収集端末機300によるスイッチ装置の音声メッセージ変更は次のようである。車両速度が一定の速度以下の場合に方向指示灯を作動した場合、第1条件が成立されて第1音声メッセージが選択され、車両の停止状で非常点滅灯を作動した場合、第2条件が成立されて第2音声メッセージが選択され、ギアレバーの位置が後進状態で車両の速度が一定の速度以上になった場合、第3条件が成立されて第3音声メッセージが選択され、一定の時間内に車両の速度及び加速ペダルの動作量が設定値を超えた状態で非常点滅灯が作動した場合、第4条件が成立されて第4音声メッセージが選択される。
【0032】
それぞれの音声メッセージの状況を説明すると次のようである。
【0033】
前記第1音声メッセージは低速または停車状態で車路を変更する状況の第1条件である。第1音声メッセージの好適な例示は「少々お待ちください」、「車路を変更します」のようなメッセージを適用することができる。
【0034】
さらに、前記第1音声メッセージが送出された状態で一定の時間内に動作ボタン120を押すと、車線変更が完了した状態と認識して第1-1音声メッセージを送出するようにすることが好ましい。ここで、第1-1音声メッセージは後ろの車の譲歩によって車線を変更することができたので「ありがとうございます」のようなメッセージが良い。
【0035】
前記第2音声メッセージは車両がちょっと停車中の状況の第2条件であり、「しばらく停車中です」を適用することができる。そして、第3音声メッセージは車両が後進するとき、他の運転者または歩行者にこれを知らせようとする状況の第3条件であり、「後進中です」、「気を付けてください」のようなメッセージを適用することができる。
【0036】
そして、前記第4音声メッセージは急加速を行う状況で他の運転者にこれを知らせようとする状況の第4条件である。好適なメッセージとしては、「先に通していただきます」、「急な用事があります」のような形態のメッセージを適用することが良い。
【0037】
前記第1、第2、第3、及び第4条件のいずれにも当たらなければ、スイッチ装置100では基本値の音声メッセージが選択される。基本値の音声メッセージは使用者が一番多く使用するメッセージであり、このような音声メッセージは、前述したように、使用者がセットボタン130を介していくらでも変更することができる。
【0038】
このように構成される本発明は、他の運転者または歩行者に我が車両の状況を正確に伝達して事故を事前に防止することができる効果があるだけでなく、既存のクラクションを押す状況と同じ状況であっても他の人々に不快感を与えないメッセージを伝達することで、運転者間の言い争いを最小化し、あおり運転のような2次事故を事前に防止することができる。
【0039】
以上で本発明を前記実施例に基づいて説明したが、本発明の技術思想の範囲内で多様な変形実施が可能であるというのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0040】
100 スイッチ装置
110 本体
111 凹部
120 動作ボタン
130 セットボタン
200 スピーカー装置
300 車両情報収集端末機