(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043580
(43)【公開日】2024-04-01
(54)【発明の名称】差込コネクタおよび差込コネクタ用の絶縁体ハウジング
(51)【国際特許分類】
H01R 4/48 20060101AFI20240325BHJP
【FI】
H01R4/48 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023148550
(22)【出願日】2023-09-13
(31)【優先権主張番号】20 2022 105 275.1
(32)【優先日】2022-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】511051753
【氏名又は名称】ヴァーゴ・フェアヴァルトゥングスゲゼルシャフト・エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ・マステル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単で経済的な取り付けを可能にする差込コネクタおよび差込コネクタ用の絶縁体ハウジングを提供する。
【解決手段】絶縁体ハウジング2と電気導体を接続する為の導体収容部4及びコンタクトピン接続部5を有するコンタクトインサート3を備えた単極又は多極の差込コネクタ1であって絶縁体ハウジングが導体収容部へ電気導体を案内する為の導体挿入路6及びコンタクトピン接続部へコンタクトピンを案内する為のコンタクトピン挿入路7を有し導体挿入路及びコンタクトピン挿入路が互いに角度αをなして延び絶縁体ハウジングが主ハウジング部分2a及び蓋ハウジング部分を有し導体挿入路がコンタクトインサートの取付方向Mに略平行に及びコンタクトピン挿入路が略垂直に延びるように蓋ハウジング部分が主ハウジング部分に配置されコンタクトインサートの取付方向は蓋ハウジング部分を用いて閉鎖可能な主ハウジング部分の取付口18により画定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単極または多極の差込コネクタ(1)であって、絶縁体ハウジング(2)と、電気導体を接続するための導体収容部(4)およびコンタクトピン接続部(5)を有するコンタクトインサート(3)と、を備え、
前記絶縁体ハウジング(2)が、前記導体収容部(4)へ前記電気導体を案内するための導体挿入路(6)および前記コンタクトピン接続部(5)へコンタクトピンを案内するためのコンタクトピン挿入路(7)を有し、前記導体挿入路(6)および前記コンタクトピン挿入路(7)が、互いに対して角度(α)をなして延びるように方向決めされており、
前記絶縁体ハウジング(2)が主ハウジング部分(2a)および蓋ハウジング部分(2b)を有し、
前記導体挿入路(6)が前記コンタクトインサート(3)の取付方向(M)に対して実質的に平行に延在し、前記コンタクトピン挿入路(7)が前記取付方向に対して実質的に垂直に延在し、前記コンタクトインサート(3)の前記取付方向(M)が、前記蓋ハウジング部分(2b)によって閉じられるように構成される前記主ハウジング部分(2a)の取付口(18)によって画定されるように、前記蓋ハウジング部分(2b)が前記主ハウジング部分(2a)に配置されることを特徴とする、差込コネクタ(1)。
【請求項2】
前記導体挿入路(6)が前記蓋ハウジング部分(2b)に向かって延びていることを特徴とする、請求項1に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項3】
前記コンタクトピン挿入路(7)が前記蓋ハウジング部分(2b)の主伸長平面(H)に対して実質的に平行に延びていることを特徴とする、請求項1または2に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項4】
前記導体挿入路(6)および/または前記コンタクトピン挿入路(7)が完全に前記主ハウジング部分(2a)内に配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項5】
前記主ハウジング部分(2a)および/または前記蓋ハウジング部分(2b)が、前記主ハウジング部分(2a)に前記蓋ハウジング部分(2b)を固定するための少なくとも1つの蓋係止要素(8)を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項6】
前記主ハウジング部分(2a)が前記コンタクトインサート(3)のための設置ウェブ(11)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの蓋係止要素(8)が前記設置ウェブ(11)に配置されていることを特徴とする、請求項5および6に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項8】
前記主ハウジング部分(2a)および/または前記蓋ハウジング部分(2b)が分離要素(12)を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項9】
前記差込コネクタ(1)の極ごとに、設置ウェブ(11)が前記主ハウジング部分(2a)に設けられ、ならびに/または少なくとも1つの分離要素(12)が前記主ハウジング部分(2a)および/もしくは前記蓋ハウジング部分(2b)に設けられていることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項10】
前記コンタクトピン接続部(5)が、基部区域から突出する1つもしくは2つのコンタクトピンアームを備えたコンタクトピンとして、または前記基部区域から突出する2つのコンタクトピン収容アームを備えたコンタクトピン収容部として形成されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項11】
前記コンタクトインサート(3)の前記コンタクトピン接続部(5)が、コンタクトフォークアーム(14)を備えたコンタクトフォークとして形成されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項12】
前記コンタクトインサート(3)がクランプバネ(15)を有することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項13】
前記コンタクトインサート(3)が、一部品として形成されるコンタクト部材(10)を有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項14】
前記絶縁体ハウジング(2)が、モジュール式で組立てられることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の差込コネクタ(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の差込コネクタ(1)のための主ハウジング部分(2a)および蓋ハウジング部分(2b)を備えた絶縁体ハウジング(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁体ハウジングと、電気導体を接続するための導体収容部およびコンタクトピン接続部を有するコンタクトインサートとを備えた単極または多極の差込コネクタに関する。本発明はさらに、そのような差込コネクタ用の絶縁体ハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
差込コネクタは、電気接続システムから知られている。差込コネクタは、電気機械的な接続部品として、電気接続を確立するために、可撓性および剛性の電気導体の接続に用いられる。差込コネクタは、例えば、電気導体がクランプバネのバネ力によって導電性のコンタクト部材に向かってクランプされるバネ式クランプ接続部を有し得る。コンタクト部材とクランプバネとが互いに組み合わされた構成を、本件ではコンタクトインサートと称する。
【0003】
コンタクトインサートは、電気導体、例えば可撓性の電気導体を接続するための導体収容部を有する。これは、例えば絶縁材を取り除いた導線として存在する電気導体が、コンタクトインサートの一領域に挿入可能であることを意味し、これにより、電気導体がコンタクト部材に接触し、かつ導体の電気接続が確立可能であり、その際、クランプバネが電気導体をコンタクト部材に固定することで電気接続を確実にし、かつ改善する。コンタクト部材は実際には、送電レールもしくはコンタクトバーまたはバスバーとも称される。コンタクト部材は、十分に剛性の電気導体であり、例えば、電気導体用の収容部または挿入区域または接触区域を形成するために例えば一部の区域で折り曲げることもできる金属ストリップであり得る。コンタクトインサートはそれに加えてコンタクトピン接続部を有する。
【0004】
絶縁体ハウジングはコンタクトインサートを収容する。絶縁体ハウジングは、絶縁性で非導電性の材料、例えばプラスチックから成るハウジングである。絶縁体ハウジングは、導体収容部へと電気導体を案内するための導体挿入路およびコンタクトピン接続部へとコンタクトピンを案内するためのコンタクトピン挿入路を有する。導体挿入路およびコンタクトピン挿入路は、互いに対して所定の角度をなして延びるように方向決めされている。
【0005】
導体挿入案内とコンタクトピン挿入案内の互いに対して角度の付いた輪郭、及びこれに対応するコンタクトインサートの導体収容部およびコンタクトピン接続部の配置によって、この絶縁体ハウジング内へのコンタクトインサートの取付けは、通常のものとは異なっている。通常、絶縁体ハウジングは、導体挿入方向およびコンタクトピン挿入方向にわたって広がる平面またはこれに平行に延びる平面において2つのハウジング半体に分割され、コンタクトインサートは、一方のハウジング半体に、導体挿入方向に対して横方向にかつコンタクトピン挿入方向に対して横方向に挿入されて、もう一方のハウジング半体によって閉じられる。しかしながらこれらのハウジング半体は、適切に確実に閉鎖され得るよう高い寸法安定性をもって製造されなければならず、かつコンタクトインサートは、この目的のために設けられたハウジング半体内の領域に目的通り、正確に嵌合配置されなければならない。複数のコンタクトインサートを備えた多極差込コネクタの場合、慣例的な手順に基づいて可能な取付けは、限定的であるかまたは非常に手間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これを踏まえて本発明の基礎となる課題は、差込コネクタのより簡単でより経済的な装着を可能にする差込コネクタおよび差込コネクタ用の絶縁体ハウジングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に基づく差込コネクタおよび請求項15に基づく差込コネクタ用の絶縁体ハウジングによって解決される。有利な実施形態は、従属請求項、明細書、および図面に開示されている。
【0008】
絶縁体ハウジングは、主ハウジング部分および蓋ハウジング部分を有し、つまり少なくとも二分されて形成されている。本発明によれば、導体挿入路がコンタクトインサートの取付方向に実質的に平行に、およびコンタクトピン挿入路が取付方向に実質的に垂直に延びるように、蓋ハウジング部分が主ハウジング部分に配置されていることが企図されており、これに関しコンタクトインサートの取付方向は、蓋ハウジング部分により閉鎖可能な取付口によって画定されている。
【0009】
これにより、差込コネクタの装着が簡素化され得る。絶縁体ハウジングは、従来技術で知られているものとは異なる分割平面において分割されている。絶縁体ハウジングは、導体挿入方向およびコンタクトピン挿入方向にわたって広がる平面またはこれに平行に延びる平面ではなく、導体挿入方向およびコンタクトピン挿入方向にわたって広がる平面に垂直な平面において分割されている。簡単に言うと、コンタクトインサートは、本発明による差込コネクタを装着する際に、絶縁体ハウジングに横から挿入されるのではなく、絶縁体ハウジング内に後ろ側から押し込まれる。このときコンタクトインサートの挿入に利用される取付口は、コンタクトインサートの取付方向を画定または予め画定し、導体挿入方向およびコンタクトピン挿入方向にわたって広がる平面で絶縁体ハウジングを分割する場合の取付口よりも、小さく寸法決定されている。これにより絶縁体ハウジングの製造時に、より良好な寸法安定性が保たれ得る。それに加えて、差込コネクタを装着するための明瞭で直観的な挿入作業が可能になる。さらに、差込コネクタのよりコンパクトな設計が達成される。
【0010】
コンタクトインサートは、主ハウジング部分内に挿入され得る。主ハウジング部分の内部では、コンタクトインサートの導体収容部により、接続されるべき電気導体のための導体接続空間が、およびコンタクトインサートのコンタクトピン接続部により、接続されるべきコンタクトピンのためのコンタクトピン接続空間が生じている。蓋ハウジング部分は、絶縁体ハウジングの閉鎖部を形成しており、主ハウジング部分内に挿入されたコンタクトインサートならびに導体接続空間および/またはコンタクトピン接続空間を覆う。主ハウジング部分には、差込コネクタのさらなる機能要素、例えば作動要素または検査口が配置され得る。蓋ハウジング部分は、好ましくは取り外し可能に主ハウジング部分と接続可能であるかまたは接続されている。これにより、主ハウジング部分に蓋ハウジング部分を取り付けた後も、コンタクトインサートの検査、整備、または交換が可能である。取り外し可能な接続として、例えば差込接続、ネジ接続、または係止接続が考えられる。
【0011】
主ハウジング部分と蓋ハウジング部分との間の分割平面は、例えば、コンタクトピンを接続するために形成されているコンタクトピン接続部内へのコンタクトピンの挿入方向に平行に、またはコンタクトピン収容部(例えばソケット)にコンタクトピンを接続するために形成されているコンタクトピン接続部のコンタクトピンの伸長方向に平行に延びてよい。分割平面は、例えば導体収容部内への電気導体の挿入方向に垂直に延びてよい。
【0012】
取付口によって画定されるコンタクトインサートの取付方向とは、絶縁体ハウジング内へのコンタクトインサートの挿入方向のことであり、これに関して、コンタクトインサートが取付口を通ってのみ絶縁体ハウジングに挿入可能であることが好ましい。この場合、取付口が取付方向を定義する。コンタクトインサートが、特定の向きでのみ取付口を通って絶縁体ハウジング内に挿入可能であることが好ましく、これにより、誤った取付けが排除され得る。このために取付口は、例えば対応する寸法決め、幾何形状、または符号化(換言すれば、コード化)を有し得る。蓋ハウジング部分は、取付口を閉鎖するように構成されており、つまり蓋ハウジング部分が主ハウジング部分に取り付けられているときには、取付口を少なくとも部分的にまたは完全に覆っている。取付口はさらに、主ハウジング部分と蓋ハウジング部分との間の分割平面を画定する。
【0013】
導体挿入路は取付方向にほぼ平行に延びている。これは、例えば導体挿入路の最長の主伸長方向であり得る長手方向伸長部、または例えば円筒形もしくは円錐形の導体挿入路の仮想中心長手方向軸が、取付方向と一致する空間方向に延びているかまたはこれに平行に延びていることを意味する。コンタクトピン挿入路は取付方向にほぼ垂直に延びている。これは、例えばコンタクトピン挿入路の最長の主伸長方向であり得る長手方向伸長部、または例えば円筒形もしくは円錐形のコンタクトピン挿入路の仮想中心長手方向軸が、取付方向である空間方向に垂直な空間方向に延びていることを意味する。この関連では、「ほぼ」という限定は、厳密な平行または垂直からの僅かな角度のずれ、例えば最大3%、5%、または最大10%のずれが内包されている。
【0014】
取付方向は、導体挿入路内に挿入される電気導体の導体挿入方向とはほぼ正反対の向きに延びてよい。
単極または多極の差込コネクタは、1つのコンタクトインサートまたは複数のコンタクトインサート、例えば極ごとに1つのコンタクトインサートを備えた差込コネクタであり得る。したがってこの差込コネクタは、複数の電気導体およびコンタクトピンの多極接続用に構成され得る。
【0015】
導体挿入路およびコンタクトピン挿入路は、互いに対して角度をなして方向決めされる。この角度は、例えば実質的に90°であり得る。基本的には、互いに対する向きの他の角度、例えば45°~135°の角度も考えられる。
【0016】
導体挿入路は蓋ハウジング部分に向かって延びてよい。したがって蓋ハウジング部分は主ハウジング部分に、主ハウジング部分内を延びる導体挿入路が蓋ハウジング部分に向かうように配置され得る。よって導体挿入路および導体収容部内に挿入される導体は、挿入の際、蓋ハウジング部分に向かって案内される。
【0017】
蓋ハウジング部分は、蓋ハウジング部分の幅および長さにわたって広がる主伸長平面を有することができ、これに関し蓋ハウジング部分の幅および長さは、蓋ハウジング部分の深さより大きい。蓋ハウジング部分が主ハウジング部分に配置されているときには、差込コネクタのコンタクトピン挿入路は、蓋ハウジング部分の主伸長平面にほぼ平行に延びてよい。
【0018】
導体挿入路および/またはコンタクトピン挿入路は完全に主ハウジング部分内に配置され得る。この意味では、主ハウジング部分内で閉じられた断面を有する導体挿入路および/またはコンタクトピン挿入路が生じる。この実施形態では、挿入路断面が、部分的に主ハウジング部分および蓋ハウジング部分によって形成されるのではなく、または分割平面もしくは取付口によって交差されるものでもない。これにより、絶縁体ハウジングのより簡単な作製ならびに電気導体および/またはコンタクトピンのより安定した案内および収容が可能にされ得る。ただしその他の実施形態では、基本的には、例えばコンタクトピン挿入路を部分的に主ハウジング部分によって、かつ部分的に蓋ハウジング部分によって形成することも考えられる。
【0019】
主ハウジング部分および/または蓋ハウジング部分は、主ハウジング部分に蓋ハウジング部分を固定するための少なくとも1つの蓋係止要素を有し得る。主ハウジング部分および/または蓋ハウジング部分に、複数の蓋係止要素が設けられていてもよい。蓋係止要素は、一方のハウジング部分での例えば係止突起、係止耳部、または係止フックであることができ、かつもう一方のハウジング部分での係止縁部の後ろ側に係合し得るか、またはもう一方のハウジング部分での係止開口に係合し得る。この係止縁部または係止開口は、例えば相手側係止要素と称され得る。相手側係止要素に関連して、蓋係止要素が主ハウジング部分に蓋ハウジング部分を力嵌合式および形状嵌合式に固定することを確実にする。蓋ハウジング部分は、例えば主ハウジング部分上に嵌めるかまたはスライドさせることができ、その後に、蓋係止要素によって主ハウジング部分に固定されることができる。蓋ハウジング部分と主ハウジング部分との間の係止接続を可能にする蓋係止要素により、主ハウジング部分に蓋ハウジング部分を簡単に工具なしで取り付けることができる。
【0020】
主ハウジング部分はコンタクトインサートのための設置ウェブを有し得る。設置ウェブは、主ハウジング部分内で、一部片として形成されるバー状の材料突起として形成でき、例えば取付方向にまたはそれにほぼ平行に延びてよい。コンタクトインサートは、コンタクト部材、例えば導体収容部の導体設置区域および/またはコンタクトピン接続部を介して、設置ウェブに支持され得る。設置ウェブは、コンタクトインサートが絶縁体ハウジング内に嵌め込まれる際にコンタクトインサートを案内することができ、これにより取付けが容易になる。それに加え、設置ウェブを介するコンタクトインサートの支持が導体収容部に近くで行われるので、差込コネクタの操作中に生じる接触力の、より好ましい吸収が可能になる。
【0021】
少なくとも1つの蓋係止要素が設置ウェブに配置され得る。例えば設置ウェブが、取付口または蓋ハウジング部分に面したその端部に係止フックを有することができ、この係止フックが、主ハウジング部分に蓋ハウジング部分を固定するために蓋ハウジング部分の係止開口に噛み合い得る。設置ウェブは弾性にたわむことができてもよく、これにより、係止接続は簡単に解除可能である。設置ウェブに蓋係止要素を配置することで設置ウェブが複数の機能を果たし、この複数の機能は、例えばコンタクトインサートの支持、取付け時のコンタクトインサートの案内、および蓋ハウジング部分を固定するための係止要素の提供を含む。それに加え、蓋係止要素を含む設置ウェブは、大部分、差込コネクタの中央に配置することができ、それにより、蓋ハウジング部分の好ましい安定した固定を促進し得る。
【0022】
主ハウジング部分および/または蓋ハウジング部分は分離要素を有し得る。分離要素は、多極差込コネクタの場合に、隣り合うコンタクトインサートを電気絶縁するための、ほぼ平面状の隔壁であり得る。分離要素は、主ハウジング部分または蓋ハウジング部分と一体的に形成され得る。分離要素により、ハウジング内での信頼できる絶縁が確立され、分離要素と、主ハウジング部分または蓋ハウジング部分との一体形成により、多極差込コネクタの取付けが簡略化される。
【0023】
差込コネクタの極ごとに、設置ウェブが主ハウジング部分に設けられ得る。その代わりにまたは追加的に、差込コネクタの極ごとに、少なくとも1つの分離要素が主ハウジング部分および/または蓋ハウジング部分に設けられ得る。これにより、差込コネクタの各コンタクトインサートに専用の設置ウェブおよび/または専用の分離要素が提供され、これにより主ハウジング部分における蓋ハウジング部分の固定がさらに最適化され、かつコンタクトインサートの互いからの絶縁がさらに改善される。しかし、1つの差込コネクタ内の共通の分離要素によって2つのコンタクトインサートを互いから絶縁することができるので、極の数より少ない数の分離要素が設けられることも考えられる。
【0024】
コンタクトピン接続部は、コンタクトピンを接続するために形成され得る。これが意味するのは、コンタクトピン、一般的には剛性の電気導体が、コンタクトインサートの一領域内に挿入可能であり、これによりコンタクトピンがコンタクト部材に接触でき、コンタクトピンの電気接続が確立可能ということである。
【0025】
この目的のため、コンタクトインサートのコンタクトピン接続部は、コンタクトフォークアームを備えたコンタクトフォークとして形成されていてもよい。これにより、相手側コンタクトとしてのコンタクトピンを収容するためのコンタクトピン収容部が提供される。コンタクトフォークアームは弾性にたわむことができてもよい。コンタクトフォークにより、コンタクトピン収容部内に挿入されたコンタクトピンの簡単で確実な固定および良好な電気接触が達成される。コンタクトフォークはフォーク基部を有することができ、このフォーク基部からコンタクトフォークアームが、互いに向かって延びるように突出する。主ハウジング部分が設置ウェブを有する場合、コンタクトピン接続部は、フォーク基部を介して設置ウェブ上に支持されることができ、この場合、コンタクトフォークアームの各々は、設置ウェブの一方の側を通過して案内される。これにより、接触力の好適な力の分配を有するコンパクトな差込コネクタが提供される。
【0026】
しかし、コンタクトピン接続部にコンタクトピンが配置されており、相手方としてソケットまたはコンタクトピン収容部が、コンタクトピン接続部に接続されることも考えられる。コンタクトピン接続部に形成されたコンタクトピンは、例えば、共通の基部区域に接続される2つの半体から形成される二分割コンタクトピンとして形成され得るか、または基部区域の一方の側にのみ接続されてもよい。
【0027】
コンタクトインサートはクランプバネを有し得る。互いに組み合わされて配置されてコンタクトインサートを形成するクランプバネおよびコンタクト部材により、コンタクト部材の導体設置区域に電気導体を接続するためのバネ式クランプ接続部が可能にされ得る。これにより、電気導体の簡単で確実な固定および十分な電気接触が可能である。クランプバネは、絶縁体ハウジングに接触するための接触脚部および導体をコンタクト部材にクランプするためのクランプ脚部を有し得る。このバネ式クランプ接続部はレバー作動式であり得る。レバー作動式の一実施形態では、絶縁体ハウジングが、作動レバーのための対応する収容部を有する。差込コネクタはこの実施形態では、1つまたは複数のコンタクトインサート、1つの絶縁体ハウジング、および1つまたは複数の作動レバーを有し得る。
【0028】
コンタクトインサートは、単一部品として形成されたコンタクト部材を有し得る。これに関しては導体収容部およびコンタクトピン接続部が、同じコンタクト部材によって形成される。コンタクト部材はそれに加え、クランプバネのためのバネ収容部を有し得る。一体的なコンタクト部材は、例えば平面的な板金ブランクの打ち抜きおよび曲げによって製造でき、その際、導体収容部、コンタクトピン接続部、および/またはバネ収容部は、板金ブランクの曲げられた区域によって形成され得る。そのようなコンタクトインサートは簡単に製造でき、絶縁体ハウジング内での安定的な自己保持を提供する。
【0029】
絶縁体ハウジングは、モジュール式で組立て可能であるかまたは組み立てられていてもよい。例えば、所望の極数に応じて等分されている主ハウジングモジュールが組立てられてよく、これらが、共通の蓋ハウジング部分に接続可能であり得る。この目的のため、極数に応じて様々に寸法決定された蓋ハウジング部分が用意され得る。これらの主ハウジングモジュールは、主ハウジングモジュール同士を係止するためのモジュール係止要素を有し得る。主ハウジングモジュールは追加的に、これらの主ハウジングモジュールに共通の蓋ハウジング部分を係止するための蓋係止要素を有し得る。モジュール式で組立て可能な絶縁体ハウジングにより、あらかじめ定められた顧客要求に対する、差込コネクタの柔軟な適合が必要に応じて行われ得る。
【0030】
本発明は、前述の特徴の少なくとも1つに基づく、差込コネクタ用の主ハウジング部分および蓋ハウジング部分を備えた絶縁体ハウジングにも関する。
本発明の開示は、以下のステップを有する差込コネクタの取り付け方法も含んでいる。
- 1つまたは複数のコンタクトインサートならびに主ハウジング部分および蓋ハウジング部分を備えた絶縁体ハウジングを提供するステップであって、絶縁体ハウジングが、導体収容部へと電気導体を案内するための導体挿入路およびコンタクトピン接続部へとコンタクトピンを案内するためのコンタクトピン挿入路を有し、導体挿入路およびコンタクトピン挿入路が、互いに対して角度をなして延びるように方向決めされる、ステップと、
- 1つまたは複数のコンタクトインサートを、主ハウジング部分の取付口を通して、主ハウジング部分の導体挿入路にほぼ平行におよびコンタクトピン挿入路にほぼ垂直に延びる取付方向で、主ハウジング部分内に挿入するステップと、
- 蓋ハウジング部分を主ハウジング部分に配置することにより、主ハウジング部分の取付口を閉鎖するステップ。
【0031】
差込コネクタ、コンタクトインサート、および絶縁体ハウジングは、上で差込コネクタとの関連で説明した特徴の1つに基づいて形成され得ることが好ましい。
本発明による方法によっても、本発明による差込コネクタの、容易にされかつ経済的な取り付けの利点が達成される。
【0032】
ごく一般論として、本出願との関連では単語「ein/eine(1つ)」は、明確にほかに定義されない限り、数詞としてではなく「少なくとも1つ」の語義をもつ不定冠詞として理解されるべきであり、したがって例えば1つのコンタクトインサートが、1つのクランプバネのみでなく複数のクランプバネも有し得る。
【0033】
本発明は様々な実施形態を許容し、以下では1つの例示的実施形態に基づいて、添付の図面を使ってより詳しく解説される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】差込コネクタの主ハウジング部分内に嵌め込まれているコンタクトインサートを備えた第1の実施形態に基づく差込コネクタの概略的な側断面図である。
【
図2】主ハウジング部分に装着された蓋ハウジング部分を備えた
図1に基づく差込コネクタの概略的な側断面図である。
【
図3】蓋ハウジング部分なしの第2の実施形態に基づく差込コネクタの概略的な側断面斜視図である。
【
図4】蓋ハウジング部分なしの第2の実施形態に基づく差込コネクタの概略的な後面斜視図である。
【
図5】装着された蓋ハウジング部分を備えた第2の実施形態に基づく差込コネクタの概略的な側断面斜視図である。
【
図6】装着された蓋ハウジング部分を備えた第2の実施形態に基づく差込コネクタの概略的な後面斜視図である。
【
図7】蓋ハウジング部分なしの第2の実施形態に基づく差込コネクタの概略的な上面図である。
【
図8】装着された蓋ハウジング部分を備えた第2の実施形態に基づく差込コネクタの概略的な上面図である。
【
図9】第2の実施形態に基づく差込コネクタのための蓋ハウジング部分の概略的な前面斜視図である。
【
図10】第2の実施形態に基づく差込コネクタのための蓋ハウジング部分の概略的な後面斜視図である。
【
図11】差込コネクタ用のコンタクトインサートの概略的な側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1および
図2は、コンタクトインサート3が嵌め込まれた絶縁体ハウジング2を備える、第1の実施形態に基づく差込コネクタ1を示している。コンタクトインサート3は、一体的に形成されたコンタクト部材10を有し、このコンタクト部材10は、平面的な板金ブランクから打ち抜きおよび曲げによって製造されており、かつ差込コネクタ1のバスバーとして設けられている。コンタクトインサート3はそれに加えてクランプバネ15を有し、クランプバネ15は、コンタクト部材10に取り付けられており、
図11で示したように、コンタクト部材10および絶縁体ハウジング2に接触するための接触脚部16ならびにコンタクト部材10に電気導体をクランプする(換言すれば、挟持する)ためのクランプ脚部17を有する。コンタクトインサート3は、電気導体の規定の接続箇所で、導体収容部(換言すれば、導体受け部)4を形成している。さらに、コンタクトインサート3は、コンタクト部材10の支援によりコンタクトピン接続部5を形成しており、コンタクト部材10と一体的に形成された弾性にたわみ得る2つのコンタクトフォークアーム14が、フォーク基部を起点としてコンタクト部材10から突出しており、これらのコンタクトフォークアーム14が、差し込まれるべきコンタクトピンのためのコンタクトフォークを形成している。
【0036】
図1および
図2に基づいて認識できるように、絶縁体ハウジング2は、主ハウジング部分2aおよび蓋ハウジング部分2bを有する。コンタクトインサート3は、主ハウジング部分2a内に嵌め込まれている。主ハウジング部分2aは、蓋ハウジング部分2bによって閉鎖され、したがって蓋ハウジング部分2bが主ハウジング部分2aに配置されているときには、絶縁体ハウジング2がコンタクトインサート3を包囲している。
【0037】
絶縁体ハウジング2、示した例示的実施形態では主ハウジング部分2aは、接続されるべき導体を導体収容部4へと案内するための導体挿入路6を有する。したがって導体は、導体挿入口を通って、導体挿入路6により導体収容部4へと案内され、導体収容部4では導体がクランプバネ15のクランプ脚部17を使ってコンタクト部材10にクランプされる。絶縁体ハウジング2、示した例示的実施形態では主ハウジング部分2aは、接続されるべきコンタクトピンをコンタクトピン接続部5へと案内するためのコンタクトピン挿入路7を有する。したがってコンタクトピンは、コンタクトピン挿入口を通って、コンタクトピン挿入路7によりコンタクトピン接続部5へと導かれ、コンタクトピン接続部5ではコンタクトピンがコンタクトフォークアーム14を使ってコンタクト部材10にクランプされる。導体挿入路6およびコンタクトピン挿入路7は、角度αで互いの方に向かって延びており、つまりそれらの中心長手軸は互いに角度αをなしている。示した例示的実施形態では、角度αは約90°であり、導体挿入路6およびコンタクトピン挿入路7は互いに対してほぼ垂直に延びている。図示した例示的実施形態では、導体挿入路6およびコンタクトピン挿入路7が全体的に主ハウジング部分2a内に配置されている。
図1および
図2に明らかなように、蓋ハウジング部分2bは、蓋ハウジング部分2bがコンタクトピン挿入路7の部分区域を形成しないよう、コンタクトピン挿入路7より上方に配置される。コンタクトピン挿入路7に隣接し、コンタクトフォークアーム14を含むコンタクトピン接続部5が中に配置されている、コンタクトピン接続部空間のみが、蓋ハウジング部分2bによって閉じられている。
【0038】
主ハウジング部分2aはその導体挿入口に面していない側に取付口18を有し、この取付口18を通ってコンタクトインサート3が取付方向Mで主ハウジング部分2a内に嵌め込まれ得る。取付口18は、蓋ハウジング部分2bの装着により、蓋ハウジング部分2bによって閉鎖される。取付方向Mは、導体挿入路6の長手方向にほぼ平行に延びており、かつ導体挿入方向Lとは逆向きである。導体挿入方向Lおよび取付方向Mは、コンタクトピン挿入方向Kにほぼ垂直である。コンタクトピン挿入路7は、コンタクトインサート3の取付方向Mにほぼ垂直に延びている。取付口18により、主ハウジング部分2a内へのコンタクトインサート3の取付方向Mが設定されている。蓋ハウジング部分2bが
図2に示したように主ハウジング部分2aに固定されているときには、導体挿入路6は蓋ハウジング部分2bに向かって延びている。
【0039】
図2に矢印表示によって示したように、蓋ハウジング部分2bは、コンタクトピン挿入路7またはコンタクトピン挿入方向Kにほぼ平行に延びる主伸長平面Hを有する。蓋ハウジング部分2bの主伸長平面Hは、蓋ハウジング部分2bの深さ方向(換言すれば、奥行方向)の伸長より大きく伸長する、その長さおよび幅にわたって広がっている。導体挿入方向Lは、主伸長平面Hにほぼ垂直に延びてよい。
【0040】
主ハウジング部分2aは設置ウェブ11を有し、この設置ウェブ11にコンタクト部材10が支持され、この目的のために設置領域によって設置ウェブ11に設置される。コンタクトフォークアーム14は、設置ウェブ11を通過して案内され、それぞれ設置ウェブ11の一方の側で、コンタクトピン挿入路7の方向に突出する。設置ウェブ11は、導体収容部4の下方で蓋ハウジング部分2bの方向に延びて取付口18内に突出している。設置ウェブ11は、主ハウジング部分2aの取付口18の領域では、主ハウジング部分2aに蓋ハウジング部分2bを係止させるために、係止フックとして形成されて蓋ハウジング部分2bの係止開口9に噛み合うよう適応された蓋係止要素8を有する。追加的に、主ハウジング部分2aにおける蓋ハウジング部分2bの固定をさらに最適化するため、コンタクトインサート3の設置ウェブ11とは反対の側で、主ハウジング部分2aに、さらなる同様に係止フックとして形成された蓋係止要素8が設けられている。差込コネクタ1はそれに加え、クランプバネ15のクランプ脚部17の変位によってスプリング式クランプ接続部を作動させるための作動レバー13を有する。
【0041】
図3~
図8は、さらなる一実施形態に基づく差込コネクタ1を示している。この差込コネクタ1は多極に形成されており、複数の、この例示的実施形態によればより正確には3つのコンタクトインサート3を有する。
図3および
図5では、差込コネクタ1が第3のコンタクトインサート3の領域内で切断されて示されている。図のより良い理解のため、
図3では1つのみのコンタクトインサート3が、
図4では2つのみのコンタクトインサート3が、絶縁体ハウジング2に嵌め込まれて示されている。絶縁体ハウジング2は、複数のコンタクトインサート3が嵌め込まれている主ハウジング部分2aおよび主ハウジング部分2aに固定される蓋ハウジング部分2bを有する。主ハウジング部分2aは取付口18を有し、この取付口18により、絶縁体ハウジング2内のコンタクトインサート3の取付方向Mが設定されている。主ハウジング部分2aは、コンタクトインサート3を互いから分離および絶縁する平面的な隔壁として形成された分離要素12を有する。分離要素12の伸長平面は、分離要素12の深さ方向の伸長より大きく伸長するその長さおよび幅によって画定されており、取付方向Mにほぼ垂直に、およびコンタクトピン挿入方向Kにほぼ平行に延びている。
【0042】
第1の実施形態に基づく差込コネクタ1の場合のように、第2の実施形態に基づく差込コネクタ1でのコンタクトインサート3は、導体収容部4およびコンタクトピン接続部5を備えたコンタクト部材10を有し、このコンタクトピン接続部5は、コンタクトフォークアーム14を備えたコンタクトフォークによって形成されている。
図4では、コンタクトフォークアーム14が、それぞれ、設置ウェブ11の一方の側を通過して案内されており、かつフォーク基部によって設置ウェブ11上に支持されていることが分かる。主ハウジング部分2aは、コンタクトインサート3ごとに1つの導体挿入路6および1つのコンタクトピン挿入路7を有する。それに加えてコンタクトインサート3ごとに、それぞれ1つの蓋係止要素8を備えた1つの設置ウェブ11が、および主ハウジング部分2aのうちコンタクトピン挿入路7とは逆の端部にそれぞれ1つのさらなる蓋係止要素8が設けられている。コンタクトインサート3ごとに、コンタクトインサート3のバネ式クランプ接続部を作動させるための作動レバー13が設けられている。
【0043】
図5および
図6では、装着された蓋ハウジング部分2bを備えた第2の実施形態に基づく差込コネクタ1が認識され得る。蓋ハウジング部分2bは主伸長平面Hを有する。蓋ハウジング部分2bの主伸長平面Hは、蓋ハウジング部分2bの深さ方向の伸長より大きく伸長するその長さおよび幅にわたって広がっている。蓋ハウジング部分2bは、コンタクトインサート3ごとにそれぞれ2つの係止開口9を有し、これらの係止開口9に、主ハウジング部分2aの蓋係止要素8が噛み合い得る。
【0044】
図7および
図8では、蓋ハウジング部分2bなしのおよび装着された蓋ハウジング部分2bを備えた第2の実施形態に基づく差込コネクタ1が上面図で示されている。蓋ハウジング部分2bが、コンタクトインサート3を包囲する絶縁体ハウジング2を形成するために主ハウジング部分2aの閉鎖部となっていることが分かる。さらに、
図9および
図10では、蓋ハウジング部分2bが分離されて前面図および後面図で示されており、これにより蓋ハウジング部分2bの構造が明確になる。示した実施形態では、蓋ハウジング部分2bも分離要素12を有することが認識でき、この分離要素12は、蓋ハウジング部分2bを主ハウジング部分2aに取り付けると主ハウジング部分2aの分離要素12に隣接し、これによりコンタクトインサート3の互いからの絶縁を向上させる。
【0045】
図11では、本発明の理解を容易にするために補充的に、絶縁体ハウジング2なしのコンタクトインサート3を示している。取り付けられたクランプバネ15と、曲げられた導体収容部4と、一体的に成形されたコンタクト部材10のコンタクトフォークアーム14とを備えたコンタクト部材10の一部品としてのコンパクトな形態が分かる。示したコンタクトインサート3は、電気導体がクランプされる間に加わる接触力が、周囲の絶縁体ハウジング2の代わりに、ほぼコンタクトインサート3内に伝達される自己支持型コンタクトインサート3である。
【0046】
図に基づき、本発明による差込コネクタ1の装着が、コンタクトインサート3が横から挿入される同等の従来技術による差込コネクタ解決策に対して、明らかに簡素化されていることが分かる。それに加え、変更された取付け状況により、非常にコンパクトな差込コネクタ1が提供され得る。
【符号の説明】
【0047】
1 差込コネクタ
2 絶縁体ハウジング
2a 主ハウジング部分
2b 蓋ハウジング部分
3 コンタクトインサート
4 導体収容部
5 コンタクトピン接続部
6 導体挿入路
7 コンタクトピン挿入路
8 蓋係止要素
9 蓋係止開口
10 コンタクト部材
11 設置ウェブ
12 分離要素
13 作動レバー
14 コンタクトフォークアーム
15 クランプバネ
16 接触脚部
17 クランプ脚部
18 取付口
α 導体挿入路とコンタクトピン挿入路との間の角度
H 蓋ハウジング部分の主伸長平面
K コンタクトピン挿入方向
L 導体挿入方向
M 取付方向
【外国語明細書】