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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043582
(43)【公開日】2024-04-01
(54)【発明の名称】力制限減震装置
(51)【国際特許分類】
   B25D 1/12 20060101AFI20240325BHJP
   B25D 1/04 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
B25D1/12
B25D1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149620
(22)【出願日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】111135405
(32)【優先日】2022-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】595009235
【氏名又は名称】施 瑞源
(74)【代理人】
【識別番号】110003926
【氏名又は名称】弁理士法人イノベンティア
(72)【発明者】
【氏名】施 瑞源
【テーマコード(参考)】
2D058
【Fターム(参考)】
2D058AA03
2D058BA01
2D058BA08
2D058BA12
2D058BB06
2D058BB12
2D058DA14
2D058DA33
(57)【要約】
【課題】構造強度を向上させ、使用寿命を延ばし、打撃時の傾きを避ける力制限減震装置を提供する。
【解決手段】本発明は、環設孔を有する結合部が設けられる本体と、打撃部材であって、環設部と、打撃部と、螺合部と、前記環設部と前記打撃部との結合箇所に設けられる突起部とが設けられ、移動可能に前記本体と結合されて前記結合部に対して移動可能である打撃部材と、前記打撃部材の環設部に設けられると共に前記本体の結合部と前記打撃部材の打撃部との間に位置する弾性部材と、前記打撃部材に設けられると共に前記弾性部材と前記打撃部材の打撃部との間に位置し、かつ前記突起部に当接する強化部材と、が設けられる力制限減震装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
力制限減震装置であって、
一方の端部に環設孔を有する結合部が設けられ、前記結合部から離れる他方の端部に把持部が設けられる本体と、
移動可能に前記結合部の環設孔と結合される環設部と、前記環設部の一方の端部に設けられると共に前記結合部の下方に位置する打撃部と、前記環設部と結合されると共に前記結合部に当接する螺合部と、前記環設部と前記打撃部との結合箇所に設けられる突起部とを備え、移動可能に前記本体と結合されて前記結合部に対して移動可能である打撃部材と、
打撃時に、その打撃力が前記力制限減震装置で設定される力付与範囲を上回るかを使用者に通知するために、前記打撃部材の環設部に設けられ、且つ前記本体の結合部と前記打撃部材の打撃部との間に位置する弾性部材と、
前記打撃部材に設けられると共に、前記弾性部材と前記打撃部材の打撃部との間に位置し、かつ前記突起部に当接する強化部材と、が設けられ、
前記弾性部材と前記打撃部との間に設けられる前記強化部材、及び前記環設部と前記打撃部との間に形成される前記強化部材に当接する突起部により、打撃過程において前記弾性部材に発生する弾性力により前記環設部と前記打撃部との結合箇所に応力が集中して、前記結合箇所が破損や破断する状況を避けることを特徴とする、力制限減震装置。
【請求項2】
前記強化部材が前記弾性部材と一体成形されることを特徴とする、請求項1に記載の力制限減震装置。
【請求項3】
前記突起部が環状構造であることを特徴とする、請求項2に記載の力制限減震装置。
【請求項4】
前記突起部が多数の環状が間隔をおいて並んだ突起構造であることを特徴とする、請求項2に記載の力制限減震装置。
【請求項5】
前記突起部が厚みを有すると共に、前記強化部材が厚みを有し、前記強化部材の厚みが前記突起部の厚みより大きいことを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の力制限減震装置。
【請求項6】
前記突起部が厚みを有すると共に、前記強化部材が厚みを有し、前記強化部材の厚みが前記突起部の厚みと等しいことを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の力制限減震装置。
【請求項7】
前記突起部が厚みを有すると共に、前記強化部材が厚みを有し、前記強化部材の厚みが前記突起部の厚みより小さいことを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の力制限減震装置。
【請求項8】
前記突起部における、前記結合部に向かう側面が曲面に形成され、前記強化部材における、前記打撃部に向かう底面に接触面が設けられ、前記接触面が前記突起部の曲面に完全に接触可能であることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の力制限減震装置。
【請求項9】
前記突起部における、前記結合部に向かう側面に曲面が形成され、前記強化部材における、前記打撃部に向かう底面に接触面が設けられ、前記接触面が前記突起部の曲面に部分的に接触可能であることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の力制限減震装置。
【請求項10】
前記結合部の中段に前記環設孔と連通する収容空間が横方向に穿設され、前記螺合部は、前記収容空間内に位置して前記環設部と結合されつつ、前記本体の結合部に当接することを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の力制限減震装置。
【請求項11】
前記結合部における、前記環設孔が形成される端面に接触面が形成され、前記弾性部材の上端が前記結合部の接触面に当接することを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の力制限減震装置。
【請求項12】
前記打撃部材に、少なくとも1つの釘置き槽が設けられ、それぞれの前記釘置き槽は、前記打撃部の外周面に釘本体を配置するために、軸方向に前記打撃部の外周面に凹設されることを特徴とする、請求項11に記載の力制限減震装置。
【請求項13】
前記打撃部材のそれぞれの前記釘置き槽の内側に磁気吸着部材が設けられ、
釘本体は、それぞれの前記磁気吸着部材を介して、対応する釘置き槽に吸着されることを特徴とする、請求項12に記載の力制限減震装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの釘置き槽が、軸方向に前記打撃部材の打撃部の上面及び底面を貫通することにより、前記釘本体のヘッド部が、前記少なくとも1つの釘置き槽を介して前記接触面に当接可能であることを特徴とする、請求項12に記載の力制限減震装置。
【請求項15】
位置規制構造が設けられ、該位置規制構造には、
外から内に向かって軸方向に前記結合部を貫通すると共に、前記結合部の裏面に凹設され、かつ前記環設孔と連通する挿入槽と、
前記環設部の外面に凹設されると共に、前記環設孔内に位置する位置規制槽と、
位置規制部材とが、設けられ、
前記位置規制部材は、前記打撃部材が前記位置規制構造により前記本体に対して回動しないように、前記挿入槽と前記位置規制槽との間に位置させることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の力制限減震装置。
【請求項16】
前記打撃部が斧刃状であることを特徴とする、請求項15に記載の力制限減震装置。
【請求項17】
前記弾性部材の上部と中段部と底部との間隙は同一であり、前記環設部に環設されると共に、前記結合部と前記弾性部材との間に介在する補助部材が設けられ、前記補助部材における、該弾性部材に向かう側面にテーパーブロックが凸設され、前記弾性部材は、2つの前記テーパーブロックに当接するように、前記結合部と前記強化部材との間に安定して設けられつつ、前記強化部材における、前記弾性部材に向かう上面にテーパーブロックが凸設されることを特徴とする、請求項1に記載の力制限減震装置。
【請求項18】
前記把持部に少なくとも1つの減震部材が設けられ、前記少なくとも1つの減震部材の長さは、前記把持部の長さの1/2より大きく、前記把持部の長さ以下であることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の力制限減震装置。
【請求項19】
前記把持部に複数の減震部材が設けられ、
前記複数の減震部材は前記把持部に環設され、異なる材料で構成されることを特徴とする、請求項18に記載の力制限減震装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、力制限減震装置に関し、特に構造強度を向上させ、使用寿命を延ばし、打撃時の傾きを避ける力制限減震装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、業界では、ハンマーで打撃することにより釘本体を木板、セメント壁、金属板に固定するが、従来の工業用ハンマーは、ヘッド部が一体型の設計であるため、打撃時の反力により跳ね返りが発生することがよくある。この場合、ハンマーの打撃面と釘本体との接触時間が短くなるだけでなく、釘本体に曲がりや傾きが起こりやすくなり、かつ即座に弾む反発力は、熱エネルギーや騒音等の形態のエネルギー損失に変換されて損失してしまうので、使用者が加える力の効果が相対的に低下する。つまり、力が釘本体に十分に伝わらないことから、釘本体を木板や壁に打ち付けて固定するために、使用者は釘本体を複数回叩く必要があるので、打撃回数と所要時間が相対的に増加すると共に、打撃時に発生する跳ね返りにより、ハンマーの柄を把持する手に、振動などの不快感を与えてしまう。図25は、従来の、衝撃吸収構造が設けられていない伝統的なハンマーを打撃試験機に載せて力計を打撃した時の、打撃力(Kgf)と時間(S)との関係を示すグラフである。それによれば、従来のハンマーによる1回の打撃中に、剛体である従来のハンマーには1波の衝撃力F1のみが発生するが、前記衝撃力F1は非常に大きいため、ハンマーが跳ね返りやすく、反力により使用者の手に不快感を与えたり、怪我をさせたりすることがある。なお、図25では、第1波の衝撃力F1が現れた後に、第2波の力が測定されたが、当該第2波の力は、従来のハンマーを打撃する過程において、前記打撃試験機の継続的な下方への慣性力により従来のハンマーが下方へ移動することにより生じる打撃力B1であり、純粋にハンマーにより発生した衝撃力ではないので、実際の使用において、使用者がハンマーを把持して打撃した場合、前記打撃試験機で測定されたような第2波の力は発生しない。
【0003】
上述したような、使用過程においての、一体型のヘッド部設計に起因する問題を回避するために、図24に示すように、従来の工業用のハンマー90は、ヘッド部91の中段のロッド本体92に弾性部材93が環設され、該弾性部材93により減震の効果が得られるが、該工業用のハンマー90を打撃する過程において、より強い力で物体を打撃すると、該物体が工業用のハンマー90に伝わる反力、及び該弾性部材93の弾性力により、前記ヘッド部91の底端が傾くことがあり、これにより、前記ヘッド部91と前記ロッド本体92とが結合する接続面94は、応力で生じるトルクを受けることになるので、長期間の使用により該接続面94が損傷しやすくなり、ひいては工業用のハンマー90の使用寿命に影響を与えてしまう。さらに、該工業用のハンマー90の弾性部材93の内径は、前記ロッド本体92の外径よりも大きいことから、前記弾性部材93の裏面は前記ロッド本体92の外面に接触しないので、前記弾性部材93は、打撃過程において横方向に不均一に圧縮されて該ロッド本体92に対して移動しやすくなり、これにより、前記ヘッド部91の底端に傾きの現象が発生して前記接続面94に破断や損傷の状況が発生してしまう。故に、前記ロッド本体92をガイドしたり、その構造を支持したりする効果を提供することができないので、改善する余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾登録実用新案TW M607261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の問題に対し、本発明者は、従来の工業用のハンマーの構造や使用上発生すると思われる問題を考慮し、継続的な研究や試験を通じて、最終的に従来の課題を解決できる発明を案出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主な目的は、構造強度を向上させることにより打撃過程で発生する応力及びトルクを分散して吸収し、これにより、応力により発生するトルクによる破断や損傷を避け、使用寿命を効果的に向上させることができるだけでなく、弾性部材とロッド本体の構造的関係を介してガイド及び構造支持の効果を実現することができる力制限減震装置を提供し、更に、構造強度を向上させ、使用寿命を延ばし、打撃過程で発生する傾きを避ける力制限減震装置を提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、
力制限減震装置であって、
一方の端部に環設孔を有する結合部が設けられ、前記結合部から離れる他方の端部に把持部が設けられる本体と、
移動可能に前記結合部の環設孔と結合される環設部と、前記環設部の一方の端部に設けられると共に前記結合部の下方に位置する打撃部と、前記環設部と結合されると共に前記結合部に当接する螺合部と、前記環設部と前記打撃部との結合箇所に設けられる突起部とを備え、移動可能に前記本体と結合されて前記結合部に対して移動可能である打撃部材と、
打撃時に、その打撃力が前記力制限減震装置で設定される力付与範囲を上回るかを使用者に通知するために、前記打撃部材の環設部に設けられ、且つ前記本体の結合部と前記打撃部材の打撃部との間に位置する弾性部材と、
前記打撃部材に設けられると共に、前記弾性部材と前記打撃部材の打撃部との間に位置し、かつ前記突起部に当接する強化部材と、が設けられ、
前記弾性部材と前記打撃部との間に設けられる前記強化部材、及び前記環設部と前記打撃部との間に形成される前記強化部材に当接する突起部により、打撃過程において前記弾性部材に発生する弾性力により前記環設部と前記打撃部との結合箇所に応力が集中して、前記結合箇所が破損や破断する状況を避けることを特徴とする、力制限減震装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
上記技術特徴により、本発明の力制限減震装置を使用する時は、前記結合部と前記打撃部との間に位置する弾性部材を介して、反力による跳ね返りを遅らせて(Delayed Rebound)減震及び衝撃吸収効果を実現するだけでなく、前記打撃部と釘本体との接触時間を増加させることにより、釘本体の曲げを起こりにくくし、かつエネルギーの損失や騒音の発生を軽減し、ひいては打撃の回数と所要時間を相対的に減らすことができるので、使用者がしっかりと前記本体を把持して打撃することができる。また、構造の簡素化により、弾性強度の異なる弾性部材に交換したり、前記螺合部を回したりするだけで、弾性部材に異なる弾性張力を提供することができ、更に、前記弾性部材と前記打撃部との間に強化部材を設けると共に、前記環設部と前記打撃部との間に突起部を形成することで、打撃過程において前記弾性部材に発生する弾性力により前記環設部と前記打撃部との結合箇所に応力が集中し、前記結合箇所の破損や破断を回避することができる。その上、前記弾性部材の内径を前記環設部の外径と一致させることにより、前記弾性部材を介して前記環設部をガイド及び支持する効果を実現することができ、これによって、構造強度及び使用寿命を向上させ、かつ打撃過程で発生する傾きを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施例の斜視外観図。
図2】本発明の第1実施例の局所拡大斜視分解図である。
図3】本発明の第1実施例の局所拡大断面側面図である。
図4】本発明の第1実施例の釘本体を打撃する状態を示す操作時の側面図である。
図5】本発明の第1実施例の釘本体を打撃する状態を示す操作時の側面図である。
図6】本発明の第1実施例の釘本体を打撃する状態を示す操作時の側面図である。
図7】本発明の第2実施例の局所拡大断面側面図である。
図8】本発明の第3実施例の局所拡大断面側面図である。
図9】本発明の第4実施例の局所拡大断面側面図である。
図10】本発明の第5実施例の局所拡大断面側面図である。
図11】本発明の第6実施例の局所拡大断面側面図である。
図12】本発明の第7実施例の斜視外観図である。
図13】本発明の第7実施例の局所拡大斜視分解図である。
図14】本発明の第7実施例の他の局所拡大斜視分解図である。
図15】本発明の第7実施例の局所拡大側面外観図である。
図16】本発明の第7実施例の局所拡大断面側面図である。
図17】本発明の第8実施例の側面外観図である。
図18】本発明の第9実施例の側面外観図である。
図19】本発明の第9実施例の操作時の側面外観図である。
図20】本発明の第10実施例の局所拡大斜視分解図である。
図21】本発明の第10実施例の局所拡大断面側面図である。
図22】本発明の第11実施例の局所拡大斜視分解図である。
図23】本発明の第1実施例の打撃時の力と時間との関係グラフである。
図24】従来の工業用ハンマーで物体を打撃する時の操作模式図。
図25】従来のハンマーの打撃時の力と時間との関係グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の技術的特徴および実際の効果を詳しく理解し、明細書の内容に従って本発明を実現するために、以下では、図に示す好ましい実施例を用いて詳しく説明する。
【0011】
本発明は力制限減震装置に関するものであり、図1図3の第1実施例に示すように、前記力制限減震装置には、本体10と、打撃部材20と、弾性部材30と、強化部材40とが設けられる。
【0012】
前記本体10は棒状を呈する金属棒であり、前記本体10の一方の端部に結合部11が設けられ、前記結合部11の一方の端面に環設孔111が穿設され、好ましくは、前記結合部11の中段に前記環設孔111と連通する収容空間112が横方向に穿設され、前記結合部11における、環設孔111から離れる他方の端面に釘抜き構造113が形成され、前記結合部11における、環設孔11が形成される端面に接触面114が形成され、前記本体10における、前記結合部11から離れる端部に把持部12が設けられ、前記把持部12に減震部材121が設けられる。これにより、使用者は、前記把持部12を把持することで前記本体10を振ることができ、又、前記本体10を把持して打撃する時、前記減震部材121により減震効果が得られる。尚、前記減震部材121は、シリコーンゴム、ゴム、又は熱可塑性ゴム材料(Thermo-Plastic-Rubber material)からなるスリーブとすることができる。
【0013】
前記打撃部材20は、移動可能に前記本体10と結合され、前記結合部11に対して移動可能であり、前記打撃部材20には、移動可能に前記本体10の結合部11と結合される環設部21と、打撃部22と、螺合部23と、突起部24とが設けられ、前記環設部21は、前記結合部11の環設孔111に穿設されるロッド体であることが好ましく、前記環設部21の断面は、前記環設孔111の断面形状に対応する形状であることが好ましい。尚、前記環設部21が円形の断面を有する場合、前記環設部21は前記結合部11に対して回すことができ、一方、前記環設部21が多角形の断面を有する場合、前記環設部21は前記結合部11に対して移動はできるが、回動することはできなく、更に、該環設部21の一方の端部の外面に螺合構造211が設けられている。
【0014】
前記打撃部22は、前記環設部21における、前記螺合構造211から離れる一方の端部に設けられると共に、前記結合部11の下方に位置し、前記環設部21と一体に成形されている。また、前記打撃部22は、金属、ポリエチレン(Polyethylene;PE)、プラスチックなどの硬質材料、又はゴム、シリコーン、木材等の弾性材料で作成することができる。なお、前記打撃部22は、磁性を有する金属で作成してもよく、これにより、使用時に、前記打撃部22に釘本体を吸着させることができる。また、前記打撃部22は、球体、平面状、斧刃状、曲面状又はテーパー状の構造であってもよい。
【0015】
前記螺合部23は、前記収容空間112内において前記環設部21と結合されると共に、前記本体10の結合部11に当接し、これにより、前記打撃部22が前記結合部11の下方に位置し、前記螺合部23と前記環設部21とは、調整可能な構造であり、そのうち前記螺合部23は、前記環設部21の螺合構造211と結合されるボルトである。即ち、図3に示すように、前記螺合部23と前記環設部21との結合位置は使用者により調整可能であり、これにより、前記打撃部22と前記結合部11との間の間隔を変更でき、一方、前記突起部24は、前記環設部21と前記打撃部22との結合箇所に設けられ、又、前記突起部24は、前記環設部21及び前記打撃部22と一体に成形することができ、かつ前記突起部24は、環状構造であってもよく、多数の環状構造が間隔をおいて並べられる突起構造であってもよく、更に、前記突起部24は、前記環設部21と前記打撃部22との間に位置することができる厚みT1を有し、前記突起部24における、前記結合部11に向かう側面が曲面を形成する。
【0016】
前記弾性部材30は、打撃時、その打撃力が前記力制限減震装置で設定される力付与範囲を上回っているかを使用者に通知するために、前記打撃部材20の環設部21に設けられ、且つ前記本体10の結合部11と前記打撃部材20の打撃部22との間に位置し、前記弾性部材30の上端は、前記結合部11の接触面114に当接し、前記弾性部材30の底端は、前記打撃部材20の突起部24まで延びる。そして、前記弾性部材30の内径を前記環設部21の外径と一致させ、前記弾性部材30を前記環設部21と互いに接触させることにより、使用過程において前記弾性部材30を介して前記環設部21をガイド及び支持する効果を得る。更に、前記弾性部材30は、バネ、ゴム、シリコーン、金属ガスケット、弾性を有する金属ブロック、又は弾性を有するブロック等の所定の形状の弾性材料からなり、使用する時は、打撃力が、前記弾性部材30の予め設定された圧縮力より小さい場合、使用者は前記打撃部22が瞬間的に跳ね返る(Instant Rebound)感覚を実感でき、打撃力が前記弾性部材30の予め設定された圧縮力より大きい場合、使用者は前記打撃部22が遅れて跳ね返る(Delayed rebound)感覚を実感できる。従って、前記弾性部材30が圧縮されたかどうかを識別することにより使用者に打撃力を通知することができ、よって、力制限の通知という効果を奏することができる。
【0017】
図2及び図3に示すように、前記強化部材40は、前記打撃部材20に設けられると共に、前記弾性部材30と前記打撃部材20の打撃部22との間に位置し、かつ前記突起部24に当接し、そして、その厚みがT2であり、該T2を前記突起部24の厚みT1より大きくすることにより(即ち、T2>T1)、前記突起部24が前記弾性部材30と接触しない構造とし、更に、前記強化部材40に孔41が穿設され、前記強化部材40が前記孔41を介して前記打撃部材20の環設部21に環設され、前記強化部材40の上面が前記弾性部材30の底端に当接し、前記強化部材40における、前記打撃部22に向かう底面に接触面42が設けられ、前記接触面42は前記突起部24の曲面に完全に又は部分的に接触可能である。
【0018】
上記技術特徴により、本発明の力制限減震装置の第1実施例によると、釘本体を木板に打ち付ける際、図1及び図4に示すように、使用者が前記本体10の把持部12を把持して振ることにより、前記打撃部材20の打撃部22で釘本体70を打撃し、前記打撃部22が前記釘本体70に衝突すると、反力が生じ、前記反力が前記弾性部材30の予め設定された圧縮力より小さい場合、前記螺合部23は、前記環設部21と共に前記結合部11から離れることなく、かつ前記弾性部材30が圧縮されず、前記打撃部22は前記結合部11に対して移動しないことから、前記打撃部22は瞬間的な跳ね返り(Instant Rebound)の反力を受けることになる。
【0019】
更に、図5に示すように、使用者がより大きな力で打撃した時に、前記反力が前記弾性部材30の予め設定された圧縮力より大きくなる場合、前記打撃部材20が前記結合部11に対して移動し、前記螺合部23が前記環設部21と共に前記結合部11から離れ、前記弾性部材30が圧縮されると、打撃のエネルギーが前記弾性部材30の圧縮位置エネルギーに変換され、前記本体10が使用者の振る方向に沿って前記釘本体70に向かって移動し続ける(即ち、しばらく跳ね返らない)。このように、前記結合部11と前記強化部材40との間に位置する前記弾性部材30を設けることにより、反力による跳ね返りを遅らせて(Delayed Rebound)減震及び衝撃吸収効果を実現することができるだけでなく、釘本体70を打撃する過程において、瞬間的な跳ね返り(Instant Rebound)の状況が生じないことから、釘本体70に曲がりが起こりにくくなり、加えられた力を前記釘本体70に継続的に伝達することができるので、エネルギーの損失や騒音の発生を軽減することができる。従って、使用者は数回だけ打撃するだけで釘本体70を木板80に固定することができることから、打撃回数や所要時間を減少することができるので、作業効率の向上に繋がる。このように、前記弾性部材30は、減震及び衝撃吸収効果を実現することができるだけでなく、加えられた力の大きさを通知する効果も有する。更に、図2に示すように、前記螺合部23を回すことにより前記環設部21から離間させ、かつ前記結合部11と前記打撃部22との間に異なる弾性強度の弾性部材30を設け、又は図3に示すように、前記螺合部23を回して前記結合部11と前記打撃部22との間隔を変更することにより、前記弾性部材30に異なる圧縮状態を生じさせ、前記弾性部材30に異なる弾性張力を持たせることができる。
【0020】
更に、図3に示すように、前記強化部材40を前記突起部24に当接させることにより、前記弾性部材30が打撃過程において前記打撃部材20に与える応力やトルクは吸収されると共に、前記環設部21と前記打撃部22との結合箇所に集中する応力が分散されることから、長時間の使用による、前記結合箇所の破損や破断を回避することができ、かつ前記弾性部材30の内径を前記環設部21の外径と一致させることにより、前記弾性部材30を介して前記環設部21をガイド及び支持する効果を実現することができるので、打撃過程で発生する傾きによる前記打撃部材20への影響を回避することができる。更に、前記強化部材40の厚みT2は前記突起部24の厚みT1より大きいので、打撃過程において前記弾性部材30に生じる弾性力は、前記強化部材40を介して前記突起部24に伝達される。
【0021】
図4図6及び図23(力計で計測する)のうち、図23は、減震構造を有するハンマー(例えば、本発明の力制限減震装置の第1実施例)を打撃試験機に設置して力計を打撃した時の、その打撃力(Kgf)と時間(S)との関係を示すグラフであり、その本発明の力制限減震装置の第1実施例によれば、釘本体70を木板80に打ち付ける時、使用者は前記本体10の把持部12を把持して振ることにより、前記打撃部材20の打撃部22で釘本体70を打撃するが、図4に示すように、前記打撃部22が前記釘本体70に衝突した時に反力が生じ、その反力が前記弾性部材30が圧縮される弾性力より小さい場合、前記打撃部22は前記結合部11に対して移動しないことから、前記打撃部22に瞬間的な跳ね返り(Instant Rebound)の反力が生じ、この時、前記力制限減震装置は、前記釘本体70に衝撃力F1(図23に示すような第1波の力)を加え、一方、使用者が、図5に示すように、より大きな打撃力で前記釘本体70を前記木板80に打ち付ける時、前記反力が前記弾性部材30の弾性力より大きくなり、前記打撃部材20が前記結合部11に対して上方に移動して前記弾性部材30を圧縮させ、打撃のエネルギーが前記弾性部材30の圧縮位置エネルギーに変換される。この時、前記力制限減震装置は、前記弾性部材30の圧縮変形により剛体に転換され、前記釘本体70に応力F2(図23に示すような第2波の力)を更に加え、その内、前記第2波の力(応力F2)は、第1波の力(衝撃力F1)のほぼ半分である。
【0022】
また、図6に示すように、前記本体10は、使用者の振る方向に沿って前記釘本体70に向かって移動し続けることになり(即ち、しばらく跳ね返らない)、この時、該圧縮状態の弾性部材30の圧縮位置エネルギーが解放されて弾性部材30が伸びることにより、前記打撃部22を押圧して前記釘本体70に向かって移動させることにより、前記打撃部22と前記釘本体70との接触時間を増加させることになり、この時、前記力制限減震装置は、前記弾性部材30の弾性回復により前記釘本体70に弾性力F3(図23に示すような第3波の力)を加え、これにより、前記打撃部22と前記釘本体70との接触時間を増加させるだけでなく、前記弾性力F3により前記力制限減震装置を初期位置(元の高さ)に復位させることから、外力で前記力制限減震装置を持ち上げる必要がないので、使用上、省力化で利便性に優れている。なお、図23では、弾性力F3が生じた後に、他の力(即ち、第4波の力)が測定されたが、前記第4波の力は、打撃過程において、打撃試験機の継続的な下方への慣性力により本発明の力制限減震装置が下方へ移動することにより生じた打撃力B1であり、本発明の力制限減震装置により生じた衝撃力ではない。したがって、実際の使用において、使用者がハンマーを手に持って打撃した場合、前記打撃試験機で測定された、第4波のような力は発生しない。
【0023】
なお、図25(伝統的な従来のハンマー)と図23(本発明の力制限減震装置)のデータに示すように、同一の打撃速度での、伝統的な従来のハンマーの衝撃力F1はかなり大きく、研究の結果、鉄釘を木板に打ち込む際には、適切な力があれば十分であり、力が強すぎると、逆に反力が大きすぎて作業者の手を傷つける恐れがある。つまり、打撃過程において、より大きい反力が生じて使用者の手を傷つけやすくなるだけでなく、より大きな衝撃力F1により打撃過程において跳ね返りが発生することもあり、その結果、釘本体70との接触時間が短くなることから、エネルギーの伝達が効率的に行われず、かつ単一の衝撃力F1により、伝統的な従来のハンマーは打撃後に初期位置(元の高さ)に復位させることができない。故に、使用者は伝統的な従来のハンマーを使用した後、更に力を用いて伝統的な従来のハンマーを持ち上げて後続の打撃を準備する必要があることから、手間がかかるので、使用上、非常に不便である。
【0024】
一方、本発明の力制限減震装置は、伝統的な従来のハンマーと同一の打撃速度で、衝撃力F1が伝統的な従来のハンマーのほぼ半分であることから、本発明の力制限減震装置の衝撃力F1によれば、大きな反力を回避し、効率的に使用者の手に伝わる反力を低減することができるだけでなく、より小さな衝撃力F1により打撃過程において跳ね返りが発生する状況も回避し、かつ同時に応力F2の作用により、前記打撃部22と前記釘本体70とが接触する時間を大幅に延ばすことができる。更に、図23(本発明の力制限減震装置)と図25(伝統的な従来のハンマー)の力計のグラフによれば、ハンマーが力計に与える力の作用時間について、本発明の力制限減震装置による力の作用時間は、伝統的な従来のハンマーによる力の作用時間よりも顕著に長いので、エネルギーの伝達が効率的に行われ、かつ力計記録グラフにおける力及び時間積分、即ちエネルギーの累積によれば、本発明の力制限減震装置による力及び時間積分、即ち、エネルギーの累積は、伝統的な従来のハンマーによるエネルギーの累積よりも著しく大きい。又、ハンマーにより釘本体70を木板80に打ち込む深さの実験によると、同一の打撃速度で、本発明の力制限減震装置で釘本体70を打ち込む深さは、伝統的な従来のハンマーで釘本体70を打ち込む深さよりも30%以上大きいので、本発明の力制限減震装置による効率が比較的に高いことが分かる。
【0025】
また、本発明の力制限減震装置における、本体10、打撃部材20、弾性部材30及び強化部材40の分離式構造配置によれば、横方向に関する振動力が伝わりにくいことから、把持部12の振動を更に低減して、よりよい減震効果を実現し、かつ打撃過程において、減震や緩衝効果により、瞬間的に加わる大きな力から構造全体を保護することができるので、構造強度を増大する効果を実現することができ、更に、本発明の力制限減震装置は、打撃過程において、順に衝撃力F1、応力F2及び弾性力F3、即ち前記3波の力によるエネルギーの累積により前記釘本体70に3波の力を加えるものであり、打撃過程において単一波の衝撃力F1のみを釘本体70に加える伝統的な従来のハンマーに対して、本発明の力制限減震装置は、3波のエネルギー(衝撃力F1+応力F2+弾性力F3)により、前記釘本体70を安定的に且つ迅速に木板80に打ち込むので、打撃に必要な回数及び時間を効率的に低減するだけでなく、跳ね返りの発生及び反力により使用者の手に不快感を与えたり、怪我をさせたりすることを効率的に回避し、かつ打撃後に、弾性力F3により前記力制限減震装置を初期位置(高さ)に復位させ、即ち、高い位置エネルギーを保持することができる。ボールを地面に向かって叩きつけるとボールは自然と元の高さまで戻るような原理により、使用者は更なる力を用いずに後続の打撃作業を実行できるので、使用上、省力化で利便性に優れている。このように、本発明の力制限減震装置は、省力化、減震、及び元の持ち上げ高さに復位するとの利点を有するので、伝統的な従来のハンマーと比べて極めて効率がよい。
【0026】
上述したように、本発明の力制限減震装置によれば、前記結合部11と前記打撃部22との間に位置する弾性部材30を介して、反力による跳ね返りを遅らせて(Delayed Rebound)減震及び衝撃吸収効果を実現するだけでなく、前記打撃部22と釘本体70との接触時間を増加させることにより、釘本体70に曲がりが起こりにくくし、かつエネルギーの損失や騒音の発生を軽減し、ひいては打撃の回数と所要時間を相対的に減らすことができるので、使用者の不快感を軽減することができ、使用者がしっかりと前記本体10を把持して打撃することができる。また、構造の簡素化により、弾性強度の異なる弾性部材30に交換したり、前記螺合部23を回したりするだけで、弾性部材30に異なる弾性張力を提供することができ、更に、前記弾性部材30と前記打撃部22との間に強化部材40を設けるとともに、前記環設部21と前記打撃部22との間に突起部24を形成することで、打撃過程において前記弾性部材30に発生する弾性力により前記環設部21と前記打撃部22との結合箇所に応力が集中し、前記結合箇所の破損や破断を回避することができる。その上、前記弾性部材30の内径を前記環設部21の外径と一致させることにより、前記弾性部材30を介して前記環設部21をガイド及び支持する効果を実現し、横方向への傾き現象を効率的に軽減し、これによって、構造強度及び使用寿命を向上させ、かつ打撃過程で発生する傾きを回避することができる。
【0027】
更に、前記結合部11と前記強化部材40との間の弾性部材30を安定的に前記結合部11の接触面114及び前記強化部材40の上面に当接させるために、前記弾性部材30の上部及び底部は、製造時に平坦に加工され、平坦化加工を行う時に、前記弾性部材30を挟んで圧縮させる必要がある。図3に示すように、前記弾性部材30の上部及び底部の間隙G1、G2を、前記弾性部材30の他の箇所の間隙Gより小さくすることにより、前記力制限減震装置を使用する時、外力が発生して前記弾性部材30が圧縮されると、間隙G1、G2が小さいことから、前記弾性部材30の上部及び底部が、先に前記弾性部材30の他の箇所に当接するので、応力集中の現象が生じる。
【0028】
図7は、本発明の力制限減震装置の第2実施例であり、図1~3に示す本発明の第1実施例とは、「第2実施例においては、強化部材40Aの厚みT2と突起部24の厚みT1とが同一である(T2=T1)」点において異なり、この第2実施例の構成によれば、弾性部材30の底端が同時に前記強化部材40A及び前記突起部24に当接して、打撃過程において前記弾性部材30に生じる弾性力が、前記強化部材40A及び前記突起部24に伝達されるので、弾性力が直接に環設部21と打撃部22との結合箇所に伝達されること回避することができる。
【0029】
図8は、本発明の力制限減震装置の第3実施例であり、図1~3に示す本発明の第1実施例とは、「第3実施例においては、強化部材40Bの厚みT2が突起部24の厚みT1より小さい(T2<T1)」点において異なり、第3実施例では、この構成により、前記弾性部材30の底端は、前記突起部24に当接して、打撃過程において弾性部材30に生じる弾性力が、前記突起部24に伝達された後、前記強化部材40Bに伝達されるので、弾性力が直接に環設部21と打撃部22との結合箇所に伝達されることを回避することができる。
【0030】
図9は、本発明の力制限減震装置の第4実施例であり、図1~3に示す本発明の第1実施例とは、「該第4実施例においては、打撃部材20Cに少なくとも1つの釘置き槽25Cが設けられ、打撃部の外周面に釘本体70を配置するために、それぞれの釘置き槽25Cが、軸方向に前記打撃部の外周面に凹設され、更に、前記打撃部材20Cのそれぞれの前記釘置き槽25Cの内側に磁気吸着部材26Cが設けられ、釘本体70がそれぞれの前記磁気吸着部材26Cを介して、対応する釘置き槽25Cに吸着される」点において異なり、この第4実施例の構成によれば、使用者は手で釘本体70を把持しなくても釘本体70への打撃作業を行うことができ、手で釘本体70を目的の位置に合わせることで不注意による負傷を効果的に回避することができ、かつ該打撃部材20Cを設置する位置は、釘本体70を設置しようとする位置のみに限定されないので、使用上、非常に便利である。また、前記打撃部材20Cに複数の釘置き槽25Cが設けられ、前記複数の釘置き槽25Cの前記打撃部材の軸方向に沿う長さをそれぞれ異ならせることにより、それぞれの前記釘置き槽25Cを、長さの異なる釘本体70に応じて使用することが好ましい。更に、使用者は、釘本体70を設置しようとする位置に応じて、前記打撃部材を回して前記本体に対して回すことにより、該それぞれの釘置き槽25Cの本体に対する方向を調整し、該それぞれの釘置き槽25Cの本体に対する位置に従って、前記釘本体70を本体の異なる部位に設置し、前記釘本体70を設置しようとする位置に基づいて、前記釘本体70の本体に対する位置を調整する。
【0031】
図10は、本発明の力制限減震装置の第5実施例であり、図9に示す本発明の第4実施例とは、「第5実施例においては、釘本体70が磁気吸着部材26Dに吸着された後、前記釘本体70のヘッド部が、少なくとも1つの釘置き槽25Dを介して接触面114に当接可能となるように、前記少なくとも1つの釘置き槽25Dが、軸方向に打撃部材20Dの打撃部の上面及び底面を貫通する」点において異なり、この第5実施例の構成によれば、前記打撃部材20Dの移動に従って釘本体70を安定的に物体に打ち込むことができる。
【0032】
図11は、本発明の力制限減震装置の第6実施例であり、図1~3に示す本発明の第1実施例とは、「第6実施例においては、
位置規制構造60Eが設けられ、該位置規制構造60Eには、
外から内に向かって軸方向に前記結合部11Eを貫通すると共に、前記結合部11Eの裏面に凹設され、かつ前記環設孔と連通する挿入槽61Eと、
前記環設部の外面に凹設されると共に、該環設孔内に位置する位置規制槽62Eと、
位置規制部材63Eとが、設けられ、
前記位置規制部材63Eは、前記打撃部材20Eが前記位置規制構造60Eにより前記本体に対して回動しないように、前記挿入槽61Eと前記位置規制槽62Eとの間に位置させ、
また、前記打撃部材20Eは斧刃状である」点において異なる。
【0033】
図12~16は、本発明の力制限減震装置の第7実施例であり、図1~3に示す本発明の第1実施例とは、以下の点において異なる。即ち、第1実施例では、弾性部材30の上部及び底部の間隙G1、G2が、他の箇所の間隙Gより小さいので、使用過程において前記弾性部材30の上部及び底部に応力集中の現象が生じる。これに対し、本発明の第7実施例では、前記力制限減震装置の弾性部材30Fの上部及び底部の端縁の長さがそれぞれ縮減され、その縮減された前記弾性部材30Fの上部、中段部及び底部の間隙は同一であり(即ち、G1=G2=G)、更に、長さが縮減された前記弾性部材30Fを強化部材40Fと結合部11Fとの間に安定的に設けるために、前記力制限減震装置に、環設部21Fに環設されると共に、前記結合部11Fと前記弾性部材30Fの間に介在する補助部材50Fが設けられ、前記補助部材50Fにおける、前記弾性部材30Fに向かう側面にテーパーブロック51Fが凸設され、かつ前記弾性部材30Fの底部及び上部はそれぞれ、2つのテーパーブロック43F、51Fに当接した後、前記結合部11Fと前記強化部材40Fとの間に安定して設けられて傾きが生じないように、前記強化部材40Fにおける、前記弾性部材30Fに向かう上面にテーパーブロック43Fが凸設される。
【0034】
本発明の力制限減震装置の第7実施例を使用する時は、前記弾性部材30Fの各箇所の間隙G、G1、G2の大きさが同一であるので、前記弾性部材30Fは、圧縮される過程において、各箇所に同一の応力が作用し、応力集中の現象はない。故に、前記弾性部材30Fの使用寿命を延長することができるだけでなく、前記強化部材40Fと前記補助部材50Fとの間にテーパーブロック43F、51Fを設けることにより、長さが縮減された後の前記弾性部材30Fを前記強化部材40Fと前記結合部11Fとの間に安定的に設けることができるので、前記環設部21Fに対するガイド及び支持効果を実現することができる。
【0035】
図17は、本発明の力制限減震装置の第8実施例であり、図1~3に示す本発明の第1実施例とは、「力制限減震装置の第8実施例においては、把持部12Gの長さがL1であり、減震部材121Gの長さがL2であり、その内、前記減震部材121Gの長さL2は、前記把持部12Gの長さL1の1/2より大きく、かつ前記把持部12Gの長さL1以下である(1/2L1<L2≦L1)」点において異なり、この第8実施例の構成によれば、使用者が前記把持部12Gを把持して打撃する範囲を拡大することができる。
【0036】
図18は、本発明の力制限減震装置の第9実施例であり、図17に示す本発明の第8実施例とは、「力制限減震装置の第9実施例においては、把持部12Hに複数の減震部材121Hが設けられ、前記複数の減震部材121Hは前記把持部12Hに環設されると共に、異なる材料で構成される」点において異なり、この第9実施例の構成によれば、使用時に、使用者のニーズに応じて減震部材121Hの異なる位置を把持することができることから、前記把持部12H上の複数の減震部材121Hにより減震効果を得ることができる。
【0037】
図20及び21は、本発明の力制限減震装置の第10実施例であり、図1~3に示す本発明の第1実施例とは、「第10実施例においては、弾性部材30I及び強化部材40Iが一体成形の構造であり、その内、前記強化部材40Iは前記弾性部材30Iの底端に一体成形され、又は前記弾性部材30Iの底端に前記強化部材40Iが加工により形成され、使用時に、前記弾性部材30Iの底端に位置する強化部材40Iの接触面42Iを前記打撃部材20Iの突起部24Iに当接させることにより、前記弾性部材30Iが打撃過程において前記打撃部材20Iに与える応力及びトルクが吸収され、環設部21Iと打撃部22Iとの結合箇所に集中する応力が分散されるので、長時間使用による、前記結合箇所の破損や破断を回避することができる。一方、図22は、本発明の力制限減震装置の第11実施例であり、図20及び21に示す本発明の第10実施例とは、「第11実施例においては、弾性部材30Jの下方には、接触面42Jが加工により形成される」点において異なる。
【0038】
以上の説明は、単に本発明の好適な実施形態を示したものであり、ハンマーや斧に使用できる力制限減震装置に過ぎず、本発明に対して何ら限定を行うものではない。すべての当業者が、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲において、本発明に開示された技術内容に基づいて、簡単な修正、変更及び修飾などの同等な変形が行われたものを、等価な実施例とすることができる。故に、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない内容であれば何れも本発明の技術的思想の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
10 本体
11、11E、11F 結合部
111 環設孔
112 収容空間
113 釘抜き構造
114 接触面
12、12G、12H 把持部
121、121G、121H 減震部材
20、20C、20D、20E、20I 打撃部材
21、21F、21I 環設部
211 螺合構造
22、22I 打撃部
23 螺合部
24、24I 突起部
25C、25D 釘置き槽
26C、26D 磁気吸着部材
30、30F、30I、30J 弾性部材
40、40A、40B、40F、40I 強化部材
41 孔
42、42I、42J 接触面
43F テーパーブロック
50F 補助部材
51F テーパーブロック
60E 位置規制構造
61E 挿入槽
62E 位置規制槽
63E 位置規制部材
70 釘本体
80 木板
90 ハンマー
91 ヘッド部
92 ロッド本体
93 弾性部材
94 接続面
T1、T2 厚み
G、G1、G2 間隙
F1 衝撃力
F2 応力
F3 弾性力
B1 打撃力
L1、L2 長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25