(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043585
(43)【公開日】2024-04-01
(54)【発明の名称】異なる視覚属性を有するパネル
(51)【国際特許分類】
B60J 1/00 20060101AFI20240325BHJP
B32B 7/023 20190101ALI20240325BHJP
B32B 9/00 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
B60J1/00 H
B32B7/023
B32B9/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023150757
(22)【出願日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】63/407,846
(32)【優先日】2022-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】デヴィッド イー キングマン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター エフ マッシュライン
(72)【発明者】
【氏名】ポール エム コナリー
(72)【発明者】
【氏名】アルバート ジェイ ゴルコ
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AD00D
4F100AR00A
4F100AR00B
4F100AR00C
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100GB32
4F100HB00B
4F100HB00D
4F100JL10B
4F100JL10D
4F100JN01A
4F100JN01B
4F100JN01C
4F100JN02D
(57)【要約】
【課題】異なる視覚属性を有するパネルを提供する。
【解決手段】構造体のパネルは、外側層と、外側層よりも構造体の内装面の近くに配置される内側層とを含む。中間層は、外側層と内側層との間に配置され、マスク層は、外側層と中間層との間に配置されている。マスク層は、外側部分及び内側部分を含み、外側部分は、外側層と中間層との間に配置され、内側部分は、外側部分と中間層との間に配置されている。外側部分及び内側部分は、異なる視覚属性を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビークルのパネルであって、
外側層と、
前記外側層よりも前記ビークルの内装面の近くに配置される内側層と、
前記外側層と前記内側層との間に配置される中間層と、
前記外側層と前記中間層との間に配置され、かつ外側部分と内側部分とを含む、マスク層と、
を備え、
前記外側部分が、前記外側層と前記中間層との間に配置され、前記内側部分が、前記外側部分と前記中間層との間に配置されており、
前記外側部分及び前記内側部分が各々、異なる視覚属性を含む、パネル。
【請求項2】
前記内側部分が、前記ビークルの前記内装面の視覚属性にほぼ一致する視覚属性を有するように構成されている、請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
前記内側部分が、前記ビークルの前記内装面の色にほぼ一致する色を有するように構成されている、請求項2に記載のパネル。
【請求項4】
前記内側部分が、前記ビークルの前記内装面のテクスチャにほぼ一致するテクスチャを有するように構成されている、請求項2に記載のパネル。
【請求項5】
前記内側部分が、外部環境の前記パネルを通じた視界が制限されるように不透明である、請求項2に記載のパネル。
【請求項6】
前記外側層、前記内側層、及び前記中間層が各々、少なくとも部分的に半透明であり、前記マスク層が不透明である、請求項1に記載のパネル。
【請求項7】
前記内側部分の幅が、前記外側部分の幅よりも大きい、請求項1に記載のパネル。
【請求項8】
前記内側部分が有機インクを含み、前記外側部分がセラミックを含む、請求項1に記載のパネル。
【請求項9】
ビークルのパネルであって、
外側層と、
前記外側層よりも前記ビークルの内装面の近くに配置される内側層と、
前記外側層と前記内側層との間に配置される中間層と、
前記中間層と前記内側層との間に配置される外側マスク層と、
前記外側マスク層と前記内側層との間に配置される内側マスク層であって、前記内側マスク層の幅が、前記外側マスク層の幅よりも大きい、内側マスク層と、
を備える、パネル。
【請求項10】
前記内側マスク層及び前記外側マスク層が各々、異なる色を含む、請求項9に記載のパネル。
【請求項11】
前記外側マスク層の色が黒を含み、前記内側マスク層が、前記ビークルの内装面の色にほぼ一致する色を有するように構成されている、請求項10に記載のパネル。
【請求項12】
前記内側マスク層が、前記ビークル内から見たときに前記外側マスク層の一部を覆い隠すように構成されている、請求項9に記載のパネル。
【請求項13】
前記内側マスク層及び前記外側マスク層が各々、異なるテクスチャを含む、請求項9に記載のパネル。
【請求項14】
前記内側マスク層が、前記ビークルの内装面のテクスチャにほぼ一致するテクスチャを有するように構成されている、請求項13に記載のパネル。
【請求項15】
ビークルのパネルであって、
モノリシック外側層と、
前記ビークルの内装面の視覚属性にほぼ一致する視覚属性を含む内側マスク層であって、前記モノリシック外側層よりも前記ビークルの内装面の近くに配置されている、内側マスク層と、
前記内側マスク層と前記モノリシック外側層との間に配置される外側マスク層と、
を備える、パネル。
【請求項16】
前記内側マスク層が、前記ビークルの前記内装面の色にほぼ一致する色を有するように構成されている、請求項15に記載のパネル。
【請求項17】
前記内側マスク層が、前記ビークルの前記内装面のテクスチャにほぼ一致するテクスチャを有するように構成されている、請求項15に記載のパネル。
【請求項18】
前記内側マスク層が、前記外側マスク層のテクスチャとは異なるテクスチャを有するように構成されている、請求項17に記載のパネル。
【請求項19】
前記内側マスク層の幅が、前記外側マスク層の幅よりも大きい、請求項15に記載のパネル。
【請求項20】
前記内側マスク層がインクを含み、前記外側マスク層がセラミックを含む、請求項15に記載のパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年9月19日に出願された米国特許仮出願第63/407,846号の利益を主張するものであり、この出願の内容は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は概して、構造体と結合されたパネルの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
パネルは、構造体上又は構造体の周囲の様々な位置に配置することができ、パネルを通じて外部環境を見ることができる表面を提供することができる。パネルは、例えば、透明及び/又は半透明の表面を含むことができ、構造体の様々な部分の上に配置することができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の1つの態様は、外側層と、外側層よりもビークルの内装面の近くに配置される内側層とを含む、ビークルのパネルである。中間層は、外側層と内側層との間に配置され、マスク層は、外側層と中間層との間に配置されている。マスク層は、外側部分及び内側部分を含み、外側部分は、外側層と中間層との間に配置され、内側部分は、外側部分と中間層との間に配置されている。外側部分及び内側部分は、異なる視覚属性を含む。
【0005】
本開示の別の態様は、外側層と、外側層よりもビークルの内装面の近くに配置される内側層とを含む、ビークルのパネルである。中間層は、外側層と内側層との間に配置され、外側マスク層は、中間層と内側層との間に配置されている。内側マスク層は、外側マスク層と内側層との間に配置され、内側マスク層の幅は、外側マスク層の幅よりも大きい。
【0006】
本開示の更に別の態様は、モノリシック外側層及び内側マスク層を含むビークルのパネルである。内側マスク層は、ビークルの内装面の視覚属性にほぼ一致する視覚属性を含み、内側マスク層は、モノリシック外側層よりもビークルの内装面の近くに配置されている。外側マスク層は、モノリシック外側層と内側マスク層との間に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ビークルの内装面に結合されたビークルのパネルの図である。
【
図2A】A-Aにわたって切り取られた
図1のパネルの一部の断面図である。
【
図2B】A-Aにわたって切り取られた
図1のパネルの一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書の開示は、ビークルの乗員がパネルを通じて外部環境を見ることを可能にするビークルのパネルに関する。パネルは、パネルを形成するために一緒に結合される様々な層を含むことができる。いくつかの実装形態では、パネルは、両方ともガラスを含む外側層及び内側層を含むことができる。パネルはまた、ポリマーを含む中間層を含むことができ、外側層、内側層、及び中間層が、加熱プロセスで結合される。パネルはまた、パネルをビークルに接合するために使用される接着剤を覆い隠すように構成されるマスク層を含んでもよく、マスク層は通常、ビークル内の乗員が見ることができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、マスク層は、異なる視覚属性を有する内側部分及び外側部分を含む。例えば、外側部分は、ビークルの内装面とは異なる色を含んでもよく、内側部分は、ビークルの内装面にほぼ一致する色を含んでもよい。加えて、外側部分は、ビークルの内装面とは異なるテクスチャを含んでもよく、内側部分は、ビークルの内装面のテクスチャにほぼ一致するテクスチャを含んでもよい。
【0010】
いくつかの構成では、マスク層は、内側マスク層及び外側マスク層の2つのマスク層を含み、内側マスク層の幅は、外側マスク層の幅よりも大きい。外側マスク層の一部は、内側マスク層の幅に基づいて視界から覆い隠されてもよい。より具体的には、内側マスク層は、パネルをビークルの座席から見たときに、外側マスク層を覆い隠すことができる。
【0011】
図1は、ビークル102の内装面104に結合されたビークル102のパネル100の図である。いくつかの実装形態では、ビークル102は、ガス又はディーゼル駆動ビークル、電気ビークル、ボート又は他の海洋ビークル、航空機(例えば、飛行機、ヘリコプターなど)、遠隔制御ビークルなどを含むがこれらに限定されない任意のタイプのビークルであってもよい。いくつかの実装形態では、ビークル102は、自律ビークルである。いくつかの実装形態では、ビークル102は、1人以上の乗員を収容するように構成された乗用車であってもよい。
【0012】
パネル100は、ビークル102上の様々な位置に配置され得る。例えば、パネル100は、ビークル102の前部、後部、上部、底部、及び/又は側部若しくは外周の周りの様々な位置に配置され得る。いくつかの実装形態では、ビークル102は、パネル100を1つだけ含んでもよい。いくつかの実装形態では、パネル100は、説明した複数の位置にわたってもよい。例えば、パネル100は、ビークル102の前部から後部まで、ビークル102の一方の側部から他方の側部まで、ビークル102の上部から底部まで、及び/又はこれらの組み合わせにわたってもよい。したがって、パネル100は、ビークル102の外に位置する外部環境232(
図2~
図5に示す)のパノラマ視界を提供するように構成することができる。
【0013】
パネル100は、ビークル102の内装面104に結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、内装面104は、美観上の理由で、ビークル102の機能部品(例えば、構造部品、電気部品など)を覆うように構成された内装トリムである。いくつかの実施形態では、パネル100は、マスク層106がビークル102の外から見られるときに、パネル100をビークル102に固定するために使用される接着剤を隠すように構成されたマスク層106を含む。マスク層106は、パネル100の層のうちの1つの表面に塗布されたコーティングであり得て、加熱プロセスを介してパネル100に接着されているセラミック材料を含み得る。マスク層106はまた、パネル100の外縁110からパネル100の外周の周りに延びるセラミック材料のソリッドバンドを含んでもよく、ソリッドバンドからパネル100の中央部分108に向かって延びる別個のドット(例えば、フリット)を含むように、徐々に先細になっていてもよい。加えて、マスク層106は、塗料、インク、接着剤、及び/又はそれらの組み合わせなどの、追加の及び/又は他の材料を含んでもよい。いくつかの実装形態では、マスク層106は黒色を含み、(
図2に示すように)ビークル102の内装234から見ることができる。
図1に示すように、マスク層106は、パネル100の外縁の周りに延び、乗員が外部環境232を見ることができる中央部分108を画定する。
【0014】
図2A~
図2Bは、A-Aにわたって切り取られた
図1のパネル100の一部の断面図である。
図2Aに示すように、パネル100は、外側層220と、外側層220よりもビークル102の内装234の近くに配置される内側層222とを含む。中間層224は、外側層220と内側層222との間に配置されている。外側層220、内側層222、及び中間層224は、光がパネル100を透過することを可能にするように、透明又は半透明であってもよい(例えば、透明又は半透明材料から形成されてもよい)。いくつかの実装形態では、外側層220及び内側層222は、ガラスを含んでもよい。外側層220及び内側層222はまた、透明又は半透明のポリマーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、中間層224はまた、ポリビニルブチラール(「PVB」)などの透明若しくは半透明ポリマー、接着剤、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。したがって、外側層220、内側層222、及び中間層224の各々は、少なくとも部分的に半透明である。外側層220、内側層222、及び中間層224は、化学プロセス及び/又は熱プロセスを介して接合されて、焼き戻し材料又は積層材料を形成することができる。
【0015】
マスク層106は、外側層220と内側層222との間に配置され、かつ外側部分228及び内側部分230を含む。いくつかの実施形態では、マスク層106は、単一の塗布で追加される(例えば、外側部分228及び内側部分230が同時に塗布される)。マスク層106はまた、2回以上の塗布で追加されてもよい(例えば、外側部分228及び内側部分230が異なる時に塗布される)。外側部分228は、外側層220と中間層224との間に配置され、内側部分230は、外側部分228と中間層224との間に配置されている。いくつかの実装形態では、外側部分228は、セラミック材料を含んでもよい。外側部分228はまた、外側部分228を通じた外部環境232の視界が制限されるように不透明であってもよい。いくつかの実装形態では、外側部分228は黒色を含む。内側部分230は、外側部分228と同様にパネル100上に構成されたセラミック材料を含んでもよい。内側部分230はまた、インク(例えば、有機インク又は無機インク)を含んでもよい。いくつかの実装形態では、内側部分230はまた、マスク層106が不透明であるように不透明である。
【0016】
いくつかの実装形態では、外側部分228及び内側部分230は、異なる視覚属性(例えば、ビークル102の内部から及び/又は外部から見ることができる特性)を含む。例えば、視覚属性は、色、テクスチャ、パターン、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。加えて、外側部分228及び内側部分230の視覚属性は、ビークル102の内装面104の視覚属性と同様であっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、内側部分230の視覚属性は、ビークル102の内装面104の視覚属性にほぼ一致する。より具体的には、内側部分230の視覚属性及び内装面104の視覚属性は、色であってもよく、内側部分230の色は、ビークル102の内装面104の色にほぼ一致していてもよい。例えば、ビークル102の内装面104は、茶色を有し得る内装トリムを含んでもよく、内側部分230は、ビークル102の内装面104の茶色にほぼ一致する茶色を含んでもよい。例えば、内装面104及び内側部分230の色は、互いの10パーセント以内である、赤、緑、及び青(「RGB」)値、並びに/又はシアン、マゼンタ、黄、及び黒(「CMYK」)値を有してもよい。上記の例を使用することにより、内装面104の茶色は、(135,62,35)のRGB値及び/又は(0,54,74,47)のCMYK値を有し得る。内装面104の茶色にほぼ一致させるために、内側部分230の茶色は、(122~149,56~68,32~39)のRGB値及び(0,49~59,67~81,42~52)のCMYK値の範囲を含み得る。説明したように色をほぼ一致させることにより、色がほぼ一致しなかった場合に存在するであろう、ビークル102の内装面104とパネル100との間の色のコントラストが低減される。
【0017】
別の例として、内側部分230の視覚属性及びビークル102の内装面104の視覚属性は、テクスチャであってもよく、内側部分230のテクスチャは、ビークル102の内装面104のテクスチャにほぼ一致していてもよい。例えば、内側部分230のテクスチャと内装面104のテクスチャは、互いに隣接する2つの表面の縁部において10パーセント以下の不一致を有し得る。より具体的には、ビークル102の内装面104は、交互の山及び谷を含むテクスチャを含むことができ、内側部分230は、ビークル102の内装面104の交互の山及び谷にほぼ一致するテクスチャを含むことができる(例えば、内装面104の縁部における山及び谷と、内側部分230の隣接する縁部における山及び谷との間の不一致は、10パーセント未満である)。説明したようにテクスチャをほぼ一致させることにより、テクスチャがほぼ一致しなかった場合に存在するであろう、ビークル102の内装面104とパネル100との間のテクスチャのコントラストが低減される。
【0018】
加えて、内側部分230の視覚属性及びビークル102の内装面104の視覚属性はパターンであってもよく、内側部分230のパターンは、ビークル102の内装面104のパターンにほぼ一致していてもよい。例えば、内側部分230及び内装面104のパターンは、互いに隣接する2つの表面の縁部において10パーセント以下の不一致を有し得る。例えば、ビークル102の内装面104は、木目を含むパターンを含むことができ、内側部分230は、ビークル102の内装面104の木目にほぼ一致するパターンを含むことができる(例えば、内装面104の縁部における木目パターンと、内側部分230の隣接する縁部における木目パターンとの間の不一致は、10パーセント未満である)。説明したようにパターンをほぼ一致させることにより、パターンがほぼ一致しなかった場合に存在するであろう、ビークル102の内装面104とパネル100との間のパターンのコントラストが低減される。
【0019】
図2Bに示すように、いくつかの実装形態では、内側部分230の幅W
iは、外側部分228の幅W
oよりも大きい。例えば、内側部分230の幅W
iは、外側縁部110からパネル100の中央部分108に向かって、外側部分228の幅W
oよりも更に延びていてもよい。説明したように構成されると、内側部分230は、ビークル102内から(例えば、ビークル102の座席236から)見たときに、外側部分228の少なくとも一部分を覆い隠し得る。
【0020】
図3A~
図3Bは、別のパネル300の一部の断面図である。パネル300はパネル100と同様であるが、層及びマスク層の構造に関して異なる。
図3Aに示すように、パネル300は、外側層220と、外側層220よりもビークル102の内装234の近くに配置される内側層222とを含む。パネル300はまた、外側層220と内側層222との間に配置される中間層224を含む。
図2のマスク層106とは対照的に、パネル300は、2つの異なるマスク層、すなわち、中間層224と内側層222との間に配置される外側マスク層340と、外側マスク層340と内側層222との間に配置される内側マスク層342とを含む。外側マスク層340は、パネル300をビークル102に固定するために使用される接着剤が見えるのを覆い隠すように構成されてもよい。
【0021】
図3Bに示すように、いくつかの実装形態では、内側マスク層342の幅W
imは、外側マスク層340の幅W
omよりも大きい(例えば、パネル300の外縁110からパネル300の中央部分108に向かって延びる内側マスク層342の幅W
imは、パネル300の外縁110からパネル300の中央部分108に向かって延びる外側マスク層340の幅W
omよりも大きい)。
図1のマスク層106に関して説明したように、内側マスク層342及び外側マスク層340の幅をこのように構成することによって、内側マスク層342は、ビークル102内から(例えば、ビークル102の座席256から)見たときに外側マスク層340の少なくとも一部を覆い隠すように構成される。より具体的には、内側マスク層342は、パネル300をビークル102内から見たときに外側マスク層340を覆い隠すように構成される。
【0022】
図3C~
図3Eは、ビークル内から見た、内側マスク層342及び外側マスク層340の図である。内側マスク層342の一部は、外側マスク層を示すために切り取られて示されており、外側マスク層は、そうでなければ内側マスク層342によってブロックされる。
図3Cに示すように、内側マスク層342及び外側マスク層340は、異なる色を含んでもよい。例えば、外側マスク層340の色は、黒を含んでもよい(例えば、外側マスク層340は、マスク層106を参照して説明したような黒セラミック材料を含んでもよい)。内側マスク層342は、黒以外の色を含んでもよい。例えば、内側マスク層342の色は、青を含んでもよい。より具体的には、内側マスク層342は、ビークル102の内装面104の色にほぼ一致する色を含んでもよい。上述のように、ビークル102の内装面104は内装トリムを含んでもよく、内装トリムは、例えば青色を含んでもよい。内側部分230はまた、ビークル102の内装トリムの青色にほぼ一致する青色を含んでもよい。説明したように色をほぼ一致させることにより、色がほぼ一致しなかった場合に存在するであろう、ビークル102の内装面104とパネル300との間の色のコントラストが低減される。
【0023】
図3Dに示すように、内側マスク層342及び外側マスク層340は、異なるテクスチャを含んでもよい。例えば、外側マスク層340のテクスチャは、比較的粗いテクスチャを含んでもよい(例えば、外側マスク層340の表面は、比較的高い表面粗さ測定値を含む)。
図3Cに示す例示的な実施形態では、外側マスク層は、木のテクスチャを含んでもよい。内側マスク層342は、ビークル102の内装面104(例えば、内装トリム)のテクスチャにほぼ一致するテクスチャを含んでもよい。例えば、ビークル102の内装面104のテクスチャは、比較的滑らかなテクスチャを含んでもよい(例えば、内装トリムの表面は、比較的低い表面粗さ測定値を含む)。内側マスク層342はまた、比較的低い表面粗さ測定値を有するテクスチャを含んでもよい。
図3Cに示す例示的な実施形態では、内側マスク層342及び内装面104のテクスチャは、滑らかなプラスチックに類似している。上述のように、テクスチャを説明したようにほぼ一致させることにより、テクスチャがほぼ一致しなかった場合に存在するであろう、ビークル102の内装面104とパネル300との間のテクスチャのコントラストが低減される。
【0024】
図3Eに示すように、内側マスク層342は、ビークル102の内装面104(例えば、内装トリム)の視覚属性(例えば、色、テクスチャ、パターン、又はこれらの組み合わせ)にほぼ一致する視覚属性を含む。加えて、外側マスク層340及び内側マスク層342の視覚属性は、異なっていてもよい。例えば、内側マスク層342のテクスチャ、色、又はパターン(又はこれらの組み合わせ)は、外側マスク層340のテクスチャ、色、又はパターン(又はこれらの組み合わせ)と異なっていてもよい。いくつかの実装形態では、視覚属性の差は、内側マスク層342の材料及び外側マスク層340の材料に関連し得る。例えば、内側マスク層342は、インク(例えば、有機インク、無機インク、又はこれらの組み合わせ)を含んでもよく、外側マスク層340は、セラミックを含んでもよく、インク及びセラミックは、異なる視覚属性を含んでもよい。
図3Eに示す例示的な実施形態では、外側マスク層342は、ヘリンボーンパターンを含んでもよい。内側マスク層340は、玉石パターンを含んでもよく、内装面104の玉石パターンにほぼ一致していてもよい。
【0025】
図4A~
図4Bは、別のパネル400の一部の断面図である。パネル400は、パネル100、300に類似しているが、層の構造に関して異なる。
図4Aに示すように、パネル400は、外側層220と、外側層220よりもビークル102の内装234の近くに配置される内側マスク層342とを含む。パネル400はまた、外側層220と内側マスク層342との間に配置される外側マスク層340を含む。内側層222は、外側マスク層340と外側層220との間に配置され、中間層224は、内側層222と外側層220との間に配置されている。
【0026】
図4Bに示すように、内側マスク層342の幅W
imは、外側マスク層340の幅W
omよりも大きくてもよく、それによって、内側マスク層342は、ビークル102内から(例えば、ビークル102の座席256から)見たときに外側マスク層340を覆い隠すように構成される。より具体的には、内側マスク層342は、パネル400をビークル102内から見たときに外側マスク層340を覆い隠すように構成される。
【0027】
図2~
図4に示す層の構成に加えて、外側マスク層340及び内側マスク層342は、外側層220、中間層224、及び内側層222に対して他の構成で配置されてもよい。例えば、外側マスク層340は、外側層220と中間層224との間に配置されてもよく、内側マスク層342は、中間層224及び内側層222が外側マスク層340と内側マスク層342との間にあるように、内側層222に隣接して配置されてもよい。別の例として、外側マスク層340は、中間層224と内側層222との間に配置されてもよく、内側マスク層342は、内側層222が外側マスク層340と内側マスク層342との間にあるように、内側層222に隣接して配置されてもよい。他の構成もまた、実装され得る。
【0028】
図5は、パネル500の一部の断面図である。パネル500は、モノリシック外側層550と、外側マスク層340と、内側マスク層342とを含む。モノリシック外側層550は、ガラス又はポリマーの単一層を含んでもよい。内側マスク層342は、モノリシック外側層550よりもビークル102の内装234の近くに配置され、外側マスク層340は、モノリシック外側層550と内側マスク層342との間に配置されている。
【0029】
図2~
図5に示すように、パネル100、300、400、500の様々な層は、様々な厚さを有するものとして示されている。例えば、外側層220は厚さT
oを有し、内側層222は厚さT
iを有する。モノリシック層550は、厚さT
mを有する。外側マスク層340は厚さT
omを有し、内側マスク層342は厚さT
imを有する。いくつかの実装形態では、T
o及びT
iは同様であってもよく、両方ともT
om及びT
imよりも大きくてもよい。より具体的には、T
o対T
iの厚さの比は、約1:1であってもよい(例えば、比は、ちょうど1:1の15パーセント以内であってもよい)。いくつかの実装形態では、中間層224は、T
o及びT
iの両方よりも小さい厚さT
interを有する。T
interはまた、T
om及びT
imの両方よりも大きくてもよい。より具体的には、T
o及び/又はT
i対T
interの比は、約2:1であってもよい(例えば、比は、ちょうど2:1の15パーセント以内であってもよい)。いくつかの実装形態では、T
o及びT
iは各々、約0.08インチであってもよく、T
interは、約0.04インチであってもよい。いくつかの実装形態では、T
o及びT
iは同様の厚さを有してもよく、例えばT
o対T
om及びT
imの厚さの比は、約400:1:1であってもよい(例えば、比は、ちょうど400:1:1の15パーセント以内であってもよい)。提供された例示的な実装形態では、T
om及びT
imは約0.0002インチであってもよい。いくつかの実施形態では、T
om及びT
imは異なっていてもよい。例えば、T
omは約0.0002インチであってもよく、T
imは、約0.0001インチであってもよい。したがって、T
om対T
imの比は、約2:1であってもよい。
【0030】
上述のように、本技術の1つの態様は、パネル100、300、400を含むビークルの動作中に使用するために、様々なソースから利用可能なデータを収集及び使用することである。例として、そのようなデータは、ユーザを識別することができ、また、ユーザ固有の設定又は好みを含むことができる。本開示は、いくつかの場合には、この収集されたデータが、特定の人を一意に識別する個人情報データ、又は特定の人に連絡する若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含み得ることを意図する。そのような個人情報データとしては、人口統計データ、位置情報データ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッターID、自宅の住所、ユーザの健康又はフィットネスのレベル(例えば、バイタルサイン測定値、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、又は任意のその他の識別情報若しくは個人情報を挙げることができる。
【0031】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報データの使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、ユーザ嗜好関連情報に従ってビークルの動作の調整を可能にする、ユーザ嗜好関連情報を記憶する、ユーザプロファイルが確立されてもよい。これにより、そのような個人情報データの使用は、ユーザ体験を向上させる。
【0032】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、送信、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守するものとなることを意図する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集及び/又は使用が変更されるにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。その上、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護及び安全化し、個人情報データへのアクセス権を有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を忠実に守ることを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更に、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、サードパーティによる評価を自らが受けることができる。更には、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、アメリカ合衆国では、特定の健康データの収集又はそれへのアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)などの、連邦法及び/又は州法に準拠し得る。その一方で、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国において、異なる個人データのタイプに関して異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0033】
前述の事柄にも関わらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も意図している。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するために、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素が提供され得ることを意図している。例えば、ビークルを動作させるためのユーザプロファイルを記憶する場合、本技術は、ユーザが、サービスの登録中又はその後のいつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択することを可能にするように構成され得る。別の実施例では、ユーザが、特定のアプリケーションの使用に関するデータを提供しないように選択することができる。更に別の実施例では、ユーザは、アプリケーション使用に関するデータが維持される期間を制限する、又はアプリケーション使用プロファイルの構築を完全に禁止することを選択することができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」のオプションを提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを意図している。例えば、ユーザは、アプリのダウンロード時に、ユーザの個人情報データがアクセスされることを通知され、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再び注意されてもよい。
【0034】
更には、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは許可のないアクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データが必要でなくなると削除することにより、リスクを最小化することができる。追加的に、かつ、特定の健康関連アプリケーションを含み、適用可能な場合、ユーザのプライバシーを保護するために、データの匿名化を使用することができる。匿名化は、必要に応じて、特定の識別子(例えば、生年月日など)を削除すること、記憶されたデータの量又は特異性を制御すること(例えば、位置データを、住所レベルではなく都市レベルで収集する)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、ユーザ間でデータを集約する)、及び/又は他の方法によって、容易にすることができる。
【0035】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データの使用を広範に網羅するものであるが、本開示はまた、そのような個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することも可能であることを意図している。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部が欠如することにより、動作不可能にされるものではない。例えば、ユーザ嗜好情報は、ユーザ嗜好関連情報をリアルタイムで入力することなどによって、その後に情報を記憶したり特定のユーザに関連付けたりすることなく、ビークルが使用されるたびに決定されてもよい。
【外国語明細書】