(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043619
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】電動排水栓付き風呂装置
(51)【国際特許分類】
F24H 15/196 20220101AFI20240326BHJP
F24H 15/136 20220101ALI20240326BHJP
F24H 15/223 20220101ALI20240326BHJP
F24H 15/45 20220101ALI20240326BHJP
F24H 15/395 20220101ALI20240326BHJP
F24H 15/31 20220101ALI20240326BHJP
F24H 15/258 20220101ALN20240326BHJP
【FI】
F24H15/196 301U
F24H15/136
F24H15/223
F24H15/45 101
F24H15/395
F24H15/31
F24H15/258
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148703
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 聡
(72)【発明者】
【氏名】阿部 基
【テーマコード(参考)】
3L024
【Fターム(参考)】
3L024CC26
3L024DD03
3L024DD05
3L024DD17
3L024DD19
3L024DD27
3L024DD28
3L024EE02
3L024FF04
3L024FF11
3L024FF16
3L024GG01
3L024GG02
3L024HH11
3L024HH39
(57)【要約】
【課題】浴室内のカビや湿気を抑制するために入浴終了後は、電動排水栓を手動操作により浴槽水を排水すると、外気温度が低い季節においては、浴槽水を風呂循環回路と浴槽とで循環させることができず、風呂循環回路内の水が凍結してしまう恐れがあるという課題があった。
【解決手段】リモコン32で電動排水栓36による排水開始を操作すると、制御装置29は、リモコン32から所定量の湯張り運転を行うか否かを選択させる報知を行い、リモコン32で湯張り運転を行うことを選択されている場合、排水終了後、外気温度センサ31の検出値が所定温度未満であると、制御装置29は、所定量の湯張り運転を行い、所定量の湯張り運転終了後、外気温度センサ31の検出値が所定温度よりも低い所定凍結防止運転開始温度以下の場合、制御装置29は、凍結防止運転を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内の浴槽と、
前記浴槽内の浴槽水を排水する排水栓を電動で開閉可能な電動排水栓と、
前記浴槽に接続され、風呂循環ポンプにより前記浴槽水が循環される風呂循環回路と、
前記浴槽に湯水を湯張りする湯張り回路と、
各種運転の指示を行うことが可能であると共に、使用者に特定の操作を促す報知を行うことが可能なリモコンと、
外気温度を検出する外気温度センサと
所望された量の湯水を前記湯張り回路から前記浴槽に湯張りする湯張り運転と、前記浴槽水を前記浴槽と前記風呂循環回路とで所定時間循環させて前記風呂循環回路の凍結を防止する凍結防止運転との制御を行うと共に、前記リモコンと通信可能に接続された制御装置とを備えた電動排水栓付き風呂装置において、
前記リモコンで前記電動排水栓による排水開始を操作すると、前記制御装置は、前記リモコンから所定量の前記湯張り運転を行うか否かを選択させる報知を行い、
前記リモコンで前記湯張り運転を行うことを選択されている場合、前記排水終了後、前記外気温度センサの検出値が所定温度以下であると、前記制御装置は、前記所定量の前記湯張り運転を行い、
前記所定量の湯張り運転終了後、前記外気温度センサの検出値が前記所定温度以下である所定凍結防止運転開始温度以下の場合、前記制御装置は、前記凍結防止運転を行うことを特徴とする電動排水栓付き風呂装置。
【請求項2】
前記リモコンで前記湯張り運転を行うことを選択されている場合、前記排水終了後、前記外気温度センサの検出値が前記所定温度よりも高い温度である場合は、前記制御装置は選択された前記湯張り運転を行わず、
前記外気温度センサの検出値が前記所定温度以下になると前記制御装置は、前記所定量の前記湯張り運転を行うことを特徴とする請求項1記載の電動排水栓付き風呂装置。
【請求項3】
前記リモコンで前記電動排水栓による排水開始を操作すると、前記制御装置は、前記外気温度センサの検出値が前記所定温度よりも高い所定凍結予想温度以下である場合、前記所定量の前記湯張り運転を行うか否かを選択させる報知を行うことを特徴とする請求項1または2記載の電動排水栓付き風呂装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動排水栓を有した風呂装置の凍結防止運転に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の電動排水栓を有した風呂装置において、電動排水栓は、湯張り運転を実施する場合に自動で排水栓を閉状態に切り替えたり、入浴が終了した場合にリモコンの操作スイッチを使用者が手動操作することによって浴槽の湯水を排水させることができることが知られてた(特許文献1)。
【0003】
また、外気温度が低い季節、湯張り運転や追い焚き運転等の風呂運転を行ってない時間帯であると、浴槽に接続された風呂循環回路内の水が凍ってしまうため、浴槽水の水を浴槽と風呂循環回路内とで循環させる凍結防止運転を行っていた(特許文献2)。
【0004】
また、配管が凍結する可能性がある温度まで外気温度が低下したら、電動排水栓を閉状態にして、浴槽に湯水を湯張りし、浴槽に溜まった浴槽水を風呂循環回路を介して循環させることで、風呂循環回路の凍結を防止することが知られていた(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-198379号公報
【特許文献2】特開平11-325597号公報
【特許文献3】特開2014-95518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、この従来のものでは、外気温度センサの検出値で凍結防止運転の開始を決定し、湯張り運転を実施してしまうため、浴槽内に幼児やペットがいたり、もしくは浴槽を入浴以外の用途で使用していた場合、予期せぬ不意のタイミングで湯張り運転を行ってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、上記課題を解決するため、本発明の請求項1では、浴室内の浴槽と、前記浴槽内の浴槽水を排水する排水栓を電動で開閉可能な電動排水栓と、前記浴槽に接続され、風呂循環ポンプにより前記浴槽水が循環される風呂循環回路と、前記浴槽に湯水を湯張りする湯張り回路と、各種運転の指示を行うことが可能であると共に、使用者に特定の操作を促す報知を行うことが可能なリモコンと、外気温度を検出する外気温度センサと所望された量の湯水を前記湯張り回路から前記浴槽に湯張りする湯張り運転と、前記浴槽水を前記浴槽と前記風呂循環回路とで所定時間循環させて前記風呂循環回路の凍結を防止する凍結防止運転との制御を行うと共に、前記リモコンと通信可能に接続された制御装置とを備えた電動排水栓付き風呂装置において、前記リモコンで前記電動排水栓による排水開始を操作すると、前記制御装置は、前記リモコンから所定量の前記湯張り運転を行うか否かを選択させる報知を行い、前記リモコンで前記湯張り運転を行うことを選択されている場合、前記排水終了後、前記外気温度センサの検出値が所定温度以下であると、前記制御装置は、前記所定量の前記湯張り運転を行い、前記所定量の湯張り運転終了後、前記外気温度センサの検出値が前記所定温度以下である所定凍結防止運転開始温度以下の場合、前記制御装置は、前記凍結防止運転を行う。
【0008】
また、請求項2では、前記リモコンで前記湯張り運転を行うことを選択されている場合、前記排水終了後、前記外気温度センサの検出値が前記所定温度よりも高い温度である場合は、前記制御装置は選択された前記湯張り運転を行わず、前記外気温度センサの検出値が前記所定温度以下になると前記制御装置は、前記所定量の前記湯張り運転を行う。
【0009】
また、請求項3では、前記リモコンで前記電動排水栓による排水開始を操作すると、前記制御装置は、前記外気温度センサの検出値が前記所定温度よりも高い所定凍結予想温度以下である場合、前記所定量の前記湯張り運転を行うか否かを選択させる報知を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、排水終了後に所定量の湯張り運転を行うか否かを予め選択できるようにすることで、外気温度が低下したとき、浴槽内に幼児やペットがいたり、もしくは浴槽を入浴以外の用途で使用していた場合に、不意のタイミングで所定量の湯張り運転が開始されてしまうことを防止することができると共に、浴槽の使用予定に基づいて確実に風呂循環回路の凍結を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】同一実施形態の凍結防止運転を説明するフローチャート
【
図3】風呂循環ポンプのON/OFF制御に関する表
【
図4】同一実施形態の排水終了後の凍結防止運転を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。1は温水を貯湯する貯湯タンク、2は温水を加熱する加熱手段として屋外に設けられた室外機であるヒートポンプユニット、3は浴槽である。
【0013】
4は貯湯タンク1とヒートポンプユニット2を循環可能に接続する加熱循環回路で、加熱循環ポンプ5を有し貯湯タンク1の下部に接続されたヒーポン往き管4aおよび貯湯タンク1上部に接続されたヒーポン戻り管4bより構成され、貯湯タンク1下部の冷水をヒーポン往き管4aを介してヒートポンプユニット2で加熱し、加熱された高温の温水をヒーポン戻り管4bで貯湯タンク1上部に戻して貯湯タンク1内に温水を加熱貯湯するものである。なお、貯湯タンク1の外周面には縦に複数個の貯湯温度センサ6a、6b、6c、6dを有しており、この貯湯温度センサ6が所定貯湯温度以上を検出することで貯湯量を検出するものである。
【0014】
7は貯湯タンク1に水を供給する給水管、8は貯湯タンク1内の温水を出湯する出湯管、9は給水管7からの冷水と出湯管8からの温水を設定温度になるように混合する混合弁、10は混合された設定温度の温水を給湯する給湯管、11は給湯管10の端部に設けられる蛇口である。12は混合弁9の下流に設けた給湯温度センサ、13は給湯量をカウントする給湯流量センサである。なお、14は水道圧を所定の圧力に減圧する減圧弁、15は加熱されることによる過圧を逃がす圧力逃し弁である。
【0015】
16は風呂循環回路で、貯湯タンク1内に設けられた蛇管よりなる間接熱交換器17と浴槽3とを風呂往き管16aおよび風呂戻り管16bとで循環可能に接続するものである。18は風呂循環回路16に設けられた風呂循環ポンプ、19は流水の有無を検出する流水センサ、20は風呂循環回路16を流れる浴槽水の温度を検出する風呂温度センサ、21は浴槽水の水圧から浴槽3内の水位を検出する水位センサである。
【0016】
ここでは、水位センサ21は風呂循環回路16内に設けられており、浴槽水の水圧を検知するには、図示しない浴槽の循環口よりも水面が上に来ていないと浴槽水を風呂循環回路内で循環させることができないため、循環口よりも水面が下の場合は浴槽水があったとしても浴槽に水は無いと判定し、循環口よりも水面が上の場合は浴槽に水があると判定する。
【0017】
22は間接熱交換器17をバイパスして風呂往き管16aと風呂戻り管16bとを接続するバイパス管で、三方弁よりなる流路切替手段23がバイパス管22と風呂戻り管16bの接続部に設けられ、風呂循環回路16を流れる温水を間接熱交換器17に流すか否かを選択的に切換えるものである。
【0018】
24は給湯管10途中から分岐されて風呂循環回路16に接続され浴槽3への湯張りを行うための湯張り管、25はこの湯張り管24に設けられ浴槽3への湯張りの開始、停止を行う湯張り弁、26は浴槽3への湯張り量をカウントする風呂流量センサである。なお、27は湯張り管24と水位センサ21との間に設けられる二方弁で、湯張り時に一旦開弁して風呂戻り管16bの湯張り管24から浴槽3までの配管のエアパージを行った後、閉弁して水位センサ21で正確な水位を監視しながら湯張りを行えるようにするものである。
【0019】
28はヒートポンプユニット2の加熱制御を行う加熱制御部、29は沸き上げ運転や給湯および風呂の制御を行う制御装置である。なお、制御装置29には、後述する凍結防止運転を制御する凍結防止運転制御手段30が備えられ、ヒートポンプユニット2には、外気温度を検出する外気温度センサ31が備えられている。
【0020】
32は、浴室内もしくは浴室外に設けられたリモコンである。リモコン32は、各種情報を画面に表示する報知手段の一つである表示部33と、制御装置29に各種運転の指示を行うと共に、表示された情報に従ってユーザーが操作を行う操作手段34と、各種情報を音により知らせる報知手段の一つであるスピーカー35とを備えており、制御装置29と相互に通信可能に接続されている。
【0021】
36は、電動排水栓であり、ユーザーがリモコン32を操作することで制御装置29から電気信号を電動排水栓36に送信して、遠隔で開閉を行わせる排水栓である。
【0022】
次に、この貯湯式風呂給湯装置の作動を以下に説明する。
まず、貯湯タンク1内の湯水をヒートポンプユニット2により沸き上げる沸き上げ運転について説明すると、時間帯別契約電力の電力単価安価な深夜電力時間帯になって貯湯温度センサ6a~dが貯湯タンク1内に翌日に必要な熱量が残っていないことを検出すると、制御装置29は加熱制御部28に対して沸き上げ運転開始を指示する。指示を受けた加熱制御部28は図示しない圧縮機や加熱循環ポンプ5の駆動を開始させ、加熱循環回路4を介して貯湯タンク1下部から供給される冷水を水冷媒熱交換器(図示せず)にて高温に沸き上げ、貯湯タンク1上部に戻し、貯湯タンク1上部から順次積層して高温水を貯湯していく。そして、貯湯温度センサ6a~dが必要な熱量が貯湯タンク1内に貯湯されたことを検出すると、制御装置29は加熱制御部28に対して沸き上げ運転停止を指示し、指示を受けた加熱制御部28は圧縮機や加熱循環ポンプ5の駆動を停止させ、沸き上げ運転を終了するものである。
【0023】
そして、蛇口11が開かれると、制御装置29は混合弁9の開度を調整して、給水管7からの冷水と出湯管8からの高温水とが混合されて制御装置29に接続されたリモコン32で設定された給湯設定温度になるようにして給湯を行う。
【0024】
次に、リモコン32にて風呂の湯張りが指示されると、制御装置29は湯張り弁25を開弁し、給水管7からの冷水と出湯管8からの温水とが混合弁9にてリモコン32にて設定された風呂設定温度に調節され、湯張り管24および風呂循環回路16を介して浴槽3へ風呂流量センサ26で予め設定された設定量をカウントするまで湯張りを行う。このとき、バイパス管22に設けられた流路切替手段23はバイパス管22側に切換えられ、湯張りによって風呂循環回路16に流入する設定温度に調節された湯はバイパス管22を流れるので、一度混合弁9にて設定温度に調節された湯がそれよりも高温の温水が貯められた貯湯タンク1内の間接熱交換器17を流れることがなく、間接熱交換器17によって設定温度を上回って加熱されてしまうことがなくなる。
【0025】
また、リモコン32にて風呂の追焚きが指示されると、制御装置29は流路切替手段23を間接熱交換器17側に切換えて風呂循環ポンプ18を駆動し、浴槽3内の湯水を貯湯タンク1内の高温の温水中に設けられた間接熱交換器17を流通させ、貯湯タンク1の貯湯温水の熱を利用して浴槽水を加熱するものである。貯湯タンク1の温水を用いて浴槽3内の温水を追焚きあるいは保温可能にしたため、追焚きあるいは保温専用の電熱ヒータが不要となり、コストの低減および電力消費量の低減を図れるものである。
【0026】
昼間時間帯において給湯や湯張り等によって貯湯タンク1内の湯量が少なくなって貯湯温度センサ6a~6dが必要な熱量が不足していることを検出すると、制御装置29は加熱制御部28に対して沸き増し運転開始を指示する。指示を受けた加熱制御部28は圧縮機や加熱循環ポンプ5の駆動を開始させ、加熱循環回路4を介して貯湯タンク1下部から供給される冷水を水冷媒熱交換器にて高温に沸き上げ、貯湯タンク1上部に戻し、貯湯タンク1上部から順次積層して高温水を貯湯していく。そして、貯湯温度センサ6a~dが必要な熱量が貯湯タンク1内に貯湯されたことを検出すると、制御装置29は加熱制御部28に対して沸き増し運転停止を指示し、指示を受けた加熱制御部28は圧縮機や加熱循環ポンプ5の駆動を停止させ、沸き増し運転を終了するものである。なお、昼間時間帯の沸き増しを禁止する設定がされている場合は、沸き増し運転は行われない。
【0027】
次に、冬期等に風呂循環回路16中の浴槽水に凍結が生じるおそれがある場合の凍結防止運転について、
図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
凍結防止運転制御手段30は、湯張りや追い焚き等の風呂運転を行っていない状態で、ヒートポンプユニット2の外気温度センサ31が凍結防止運転を開始する温度である所定凍結防止開始温度(ここでは2℃)以下を検出すると(ステップS1でYes)、流路切替手段23をバイパス管22側に切換え(ステップS2)、風呂循環ポンプ18を駆動する(ステップS3)。なお、この実施形態では外気温度センサ31で検出する外気温度に応じて凍結防止運転の開始を判定したが、風呂温度センサ20の検出する浴槽水温度や、図示しない機内温度センサの検出する温度から凍結防止運転の開始を判定してもよく、凍結の危険度を検出することができる温度センサであれば何でも良いものである。
【0028】
そして、凍結防止運転制御手段30は、流水センサ19がオンしているかどうかを判定し(ステップS4)、オンしていれば浴槽3に循環可能な量の浴槽水が残っている判定し(ステップS5)、オフしていれば浴槽3に浴槽水がないことを判定する(ステップS9)。このとき、制御装置29は、浴槽3の循環口よりも高い位置に水面が来るまでの湯量である所定量の湯張り運転を実行した履歴があり、その後、電動排水栓36が開状態にした履歴がない場合、水位確認のステップを省略してもよい。
【0029】
ステップS5で浴槽3に浴槽水があると判定した場合、凍結防止運転制御手段30は
図4の表のON/OFF制御を参照し、外気温度に応じた時間での駆動と駆動停止を行って、凍結防止動作を開始する(ステップS6)。
【0030】
そして、
図4の表に従って風呂循環ポンプ18をON時間駆動させ(S7)、オフ時間停止させる(S8)。
【0031】
また、ステップS9で浴槽3に浴槽水がないと判定する場合、凍結防止運転制御手段30は
図4の表のON/OFF制御を参照し、外気温度に応じた時間での駆動と駆動停止を行って、凍結防止動作を開始する(ステップS10)。
【0032】
次に電動排水栓36で浴槽3の水を排水する場合の凍結防止動作の説明を
図4のフローチャートに基づいて詳しく説明する。
まず、リモコン32を用いて電動排水栓36を開状態にするように指示すると(S11がYes)、凍結防止運転制御手段30は外気温度センサ31で検出した外気温度と、今後風呂循環回路16内の水が凍結する可能性があるかの判定温度である所定凍結予想温度(ここでは、例えば7℃)との比較を行う(S12)。
【0033】
凍結防止運転制御手段30は、外気温度が所定凍結予想温度以下の場合(S12がYes)、今後風呂循環回路16内の水が凍結する可能性があると判定し、リモコン32から「外気温度が低く、配管の凍結の可能性があります。凍結防止運転時に所定量の湯張り運転を行っても良いでしょうか」という旨の報知をリモコン32の報知手段から報知を行うと共に、所定量の湯張り運転の「許可」または「不許可」を選択する選択肢を表示する(S13)。このとき、ユーザーはリモコン32の表示部33に表示された選択肢から操作手段34を用いて選択を行うことが可能となる。
【0034】
そして、排水終了後(S14がYes)、凍結防止運転制御手段30は、S13で所定量の湯張り運転が許可されているかを確認する(S15)。
【0035】
所定量の湯張り運転が許可されている状態で(S15がYes)、外気温度センサ31で検出した外気温度が、凍結防止運転を開始するための準備開始を判定する所定温度(ここで、例えば3℃)以下になったら(S16がYes)、浴槽3の循環口よりも高い位置に水面が来るまでの湯量である所定量の湯張り運転を開始する(S18がYes)。
【0036】
そして、凍結防止運転制御手段30は、所定量の湯張り運転終了後、外気温度センサ31で検出した外気温度が凍結防止運転の開始を決定する温度である所定凍結防止運転開始温度以下(ここでは、2℃以下)であるかを確認し(S19)、
図3に示される表に従って凍結防止運転1を開始する(S21)。その後、
図3に示される表に従って風呂循環ポンプ18の駆動オンと駆動オフを行ったら凍結防止運転を終了し(S21がYes)、S19に戻り、以降繰り返す。この繰り返し制御は、例えば、午前0時の1日の切り替え時間や、入浴のために湯張り運転を実行したタイミング、電動排水栓36の開状態への切り替えでリセットするようにしても良い。
【0037】
このように、排水終了後に所定量の湯張り運転を「許可」するか「不許可」するかを予め選択できるようにすることで、外気温度が低下したとき、浴槽3内に幼児やペットがいたり、もしくは浴槽3を入浴以外の用途で使用していた場合に、不意のタイミングで所定量の湯張り運転が開始されてしまうことを防止することができると共に、ユーザーは浴槽3の使用予定に合わせて確実に風呂循環回路16の凍結を防止することができる。
【0038】
また、凍結防止運転制御手段30は、S12で所定凍結予想温度よりも外気温度が高い場合(S12がNo)、凍結防止運転を行わない可能性が高い季節であると判定する。
【0039】
しかし、時間経過により外気温度が凍結の恐れがある温度まで低下した場合は凍結防止運転を行う必要があるため、凍結防止運転制御手段30は、外気温度センサ31による外気温度の検出は継続し、外気温度センサ31で検出した外気温度が所定凍結防止運転開始温度以下になった場合は(S22がYes)、
図3に示される表に従って凍結防止運転2を開始する(S23)。その後、
図3に示される表に従って風呂循環ポンプ18の駆動オンと駆動オフを行ったら凍結防止運転を終了し(S24がYes)、S22に戻り、以降繰り返す。
【0040】
このように、外気温度が所定凍結予想温度よりも高い場合、凍結防止運転が行われる可能性が低いにも関わらず、電動排水栓36の操作を行う度に凍結防止運転時に所定量の湯張りを行うか否かの選択肢を選択しなければいけないという煩わしい操作を省略することができると共に、もし外気温度が急激に下がり、所定凍結防止運転開始温度以下まで下がってしまった場合は、所定量の湯張りを行わずに凍結防止運転を行うことで風呂循環回路16の凍結を防止することができる。
【0041】
また、凍結防止運転制御手段30は、S15で所定量の湯張り運転が許可されなかった、もしくは、ユーザーが操作手段34を操作せず、どちらも選択されていない場合、ユーザーは不意のタイミングで浴槽3に所定量の湯張りを行われるのを避けたいと判定する。
【0042】
しかし、時間経過により外気温度が凍結の恐れがある温度まで低下した場合は凍結防止運転を行う必要があるため、凍結防止運転制御手段30は、外気温度センサ31による外気温度の検出は継続し、外気温度センサ31で検出した外気温度が所定凍結防止運転開始温度以下になった場合は(S22がYes)、
図3に示される表に従って凍結防止運転2を開始する(S23)。その後、
図3に示される表に従って風呂循環ポンプ18の駆動オンと駆動オフを行ったら凍結防止運転を終了し(S24がYes)、S22に戻り、以降繰り返す。
【0043】
このように、所定量の湯張り運転を不許可とした場合、外気温度が所定温度以下に低下しても不意のタイミングで所定量の湯張り運転を行われてしまうことはなく、もし外気温度が急激に下がり、所定凍結防止運転開始温度まで下がってしまった場合は、所定量の湯張りを行わずに凍結防止運転を行うことで少なくとも風呂循環ポンプ18の凍結を防止することができる。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で改変可能なものであり、例えば、本発明では所定凍結予想温度、所定温度、所定凍結防止運転開始温度を具体的な温度を例にだしているが、この具体的な温度を全て同じ温度としても良い(所定凍結予想温度≧所定温度≧所定凍結防止運転開始温度。例えば、全て2℃)
【符号の説明】
【0045】
1 貯湯タンク
3 浴槽
6 貯湯温度センサ
16 風呂循環回路
17 間接熱交換器
18 風呂循環ポンプ
22 バイパス管
23 流路切替手段
30 凍結防止運転制御手段
31 外気温度センサ
32 リモコン
33 表示部(報知手段)
34 操作手段
35 スピーカー
36 電動排水栓