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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043620
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】段ボール用接着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 103/02 20060101AFI20240326BHJP
   C09J 133/26 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
C09J103/02
C09J133/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148704
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000216243
【氏名又は名称】田岡化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松永 拓也
(72)【発明者】
【氏名】岸本 崇
(72)【発明者】
【氏名】竹川 俊明
【テーマコード(参考)】
4J040
【Fターム(参考)】
4J040BA111
4J040DF101
4J040LA07
4J040NA07
(57)【要約】
【課題】
ホルムアルデヒドを実質的に含有せず、耐水性能および40℃で24時間貯蔵後でもゲル化しない段ボール用澱粉系接着剤の提供。
【解決手段】
澱粉、ホウ素化合物、及び(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物を含有し、且つpHが特定の範囲にある段ボール用澱粉系接着剤によれば、ホルムアルデヒドを実質的に含有せず、耐水性能および40℃で24時間貯蔵後でもゲル化しない段ボール用澱粉系接着剤を提供することが可能となる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉、ホウ素化合物及び(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物を含有し、且つpHが9.0~12.0である、段ボール用澱粉系接着剤。
【請求項2】
(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物の含有量が、澱粉100重量部に対して0.1~25重量部である、請求項1に記載の段ボール用澱粉系接着剤。
【請求項3】
下記(1)~(3)の工程をこの順で含む、請求項1又は2に記載の段ボール用澱粉系接着剤の製造方法。
(1)未糊化澱粉を水及びアルカリ金属水酸化物により糊化させてキャリア部を調製する工程。
(2)前記キャリア部と、未糊化澱粉、水及びホウ素化合物を含むメイン部と、を混合して糊液を調製する工程。
(3)前記糊液に(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合体及び酸(但し、ホウ素化合物を除く。)を添加し、pHを9.0~12.0に調整する工程。
【請求項4】
酸が塩酸である、請求項3に記載の段ボール用澱粉系接着剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホルムアルデヒドを含有せず、耐水性能及び粘度安定性に優れる段ボール用澱粉系接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、段ボール箱を使用した物流の拡大が進み、青果物、鮮魚物、海産物、冷凍食品等の搬送にも段ボール箱が多用されている。これら用途に使われる段ボール箱は、内容物の箱詰め作業から搬送、積み置き貯蔵等の各場面において、内容物自体からの水分滲出や作業環境からの湿潤により、常に水気に曝される状況にあるため、段ボールを構成する原紙及び接着剤には、耐水性能が要求される。
【0003】
段ボールの製造において、ライナー部と中芯部との接着には、通常、澱粉系接着剤が使用されているが、澱粉は耐水性に乏しいため、段ボールを水に浸すと、ライナー部と中芯部との接着部分から容易に自然剥離を起こしてしまう。したがって、耐水性が求められる用途で使用される段ボール(耐水段ボール)の製造には、前記澱粉系接着剤に耐水性能を付与したものが用いられる。
【0004】
前記澱粉系接着剤に耐水性能を付与する手段として、従来から尿素・ホルムアルデヒド樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシノール・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化性樹脂であるホルムアルデヒド系樹脂を添加する方法が行われてきた。しかし、これらのホルムアルデヒド系樹脂は芳香族置換水酸基やアミノ基に対するホルムアルデヒドの付加縮合により合成されるものであり、ホルムアルデヒドが残存成分として含まれる。
【0005】
一方で、ホルムアルデヒドを含有しない段ボール用澱粉系接着剤の報告も幾つかなされており、例えば、ホルムアルデヒド系樹脂の代わりにポリアミドエポキシ樹脂等を耐水化剤として用いる方法等が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5-209159号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記ポリアミドエポキシ樹脂を耐水化剤として使用した段ボール用澱粉系接着剤は、製造後の粘度が安定せず、40℃で24時間貯蔵するとゲル化してしまう場合があった。
【0008】
本発明は、ホルムアルデヒドを実質的に含有せず、耐水性能および40℃で24時間貯蔵後でもゲル化しない段ボール用澱粉系接着剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、澱粉、ホウ素化合物、及び(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物を含有し、且つpHが特定の範囲にある段ボール用澱粉系接着剤によれば、前記課題が解決可能であることを見出した。具体的には、本発明は以下の発明を含む。
【0010】
〔1〕
澱粉、ホウ素化合物及び(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物を含有し、且つpHが9.0~12.0である、段ボール用澱粉系接着剤。
【0011】
〔2〕
(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物の含有量が、澱粉100重量部に対して0.1~25重量部である、〔1〕に記載の段ボール用澱粉系接着剤。
【0012】
〔3〕
下記(1)~(3)の工程をこの順で含む、請求項1又は2に記載の段ボール用澱粉系接着剤の製造方法。
(1)未糊化澱粉を水及びアルカリ金属水酸化物により糊化させてキャリア部を調製する工程。
(2)前記キャリア部と、未糊化澱粉、水及びホウ素化合物を含むメイン部と、を混合して糊液を調製する工程。
(3)前記糊液に(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合体及び酸(但し、ホウ素化合物を除く。)を添加し、pHを9.0~12.0に調整する工程。
【0013】
〔4〕
酸が塩酸である、〔3〕に記載の段ボール用澱粉系接着剤の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、通常インクジェット紙等にインクセット性を付与するためのインクセット剤として用いられる(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物を使用し、且つpHを特定の範囲とすることにより、ホルムアルデヒドを実質的に含有せず、耐水性能および粘度安定性に優れる段ボール用澱粉系接着剤を提供することができる。
【0015】
本発明の段ボール用澱粉系接着剤は、後述する実施例の項にて示す通り、40℃で24時間貯蔵した後でもゲル化せず、耐水性能にも優れる。したがって、本発明の段ボール用澱粉系接着剤は、特に耐水性が要求される段ボール用澱粉系接着剤として好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の段ボール用接着剤について詳細に説明する。なお、「ホルムアルデヒドを実質的に含有しない」とは、本発明の接着剤の原料である澱粉、耐水化剤等にホルムアルデヒドが含有されないか、接着剤の調製時又は調製後にホルムアルデヒドが副次的に発生しないことをいう。
【0017】
また、本明細書において、「澱粉系接着剤」は、澱粉が水を主体とする水性媒体に分散した分散液であり、澱粉の持つ吸水、膨潤及び糊化の特性により接着剤として機能するものである。「段ボール用澱粉系接着剤」は、段ボールの製造時に使用される接着剤のことを示し、具体的には、例えば、波形に成形された中芯部とライナー部との貼合に用いられる。段ボール用澱粉系接着剤における「澱粉」は、糊化(α化)していない澱粉(未糊化澱粉)と、未糊化澱粉を公知の方法により糊化(α化)した澱粉(糊化澱粉)とを含む。一般的な段ボール用澱粉系接着剤の構成としては、例えば、澱粉、水、アルカリ金属水酸化(及び/又はその塩)及びホウ素化合物を含むものが挙げられる。
【0018】
本発明の段ボール用澱粉系接着剤は、澱粉、ホウ素化合物及び(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物を含有し、且つpHが9.0~12.0(好ましくは10.0~12.0、より好ましくは11.0~11.5)である。なお、本明細書における「pH」は、特に断りがない限り、40℃におけるpHである。
【0019】
上記澱粉について、未糊化澱粉としては、例えば、穀類、塊茎、根、豆、草本類等の植物由来の澱粉等、段ボール用澱粉系接着剤に一般的に使用されるものが挙げられる。より詳しくは、前記植物由来の澱粉としては、例えば、コーンスターチ、ハイアミロース・コーンスターチ、ワキシー・コーンスターチ等のとうもろこし由来の澱粉、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉等、及びこれらの加工澱粉等が挙げられる。前記加工澱粉としては、例えば、アセチル化澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシアルキル化澱粉(ヒドロキシプロピル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉等)、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、アジピン酸架橋澱粉、オクテニルコハク酸澱粉等が挙げられる。これら未糊化澱粉の中でも、とうもろこし由来の澱粉、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉が好ましい。これら未糊化澱粉は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
また、糊化澱粉としては、例えば、上記した未糊化澱粉の1種または2種以上をドラムドライヤー法、エクストルーダー法、煮沸乾燥法、水及びアルカリ金属水酸化物等の塩基で糊化する方法(アルカリ糊化)等の公知の方法を用いて糊化(α化)したものが挙げられる。これら糊化澱粉の中でも、上記した未糊化澱粉1種または2種以上をアルカリ糊化して得られる糊化澱粉であることが好ましい。
【0021】
上記アルカリ糊化に使用される塩基としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等が挙げられるが、一般的にはアルカリ金属水酸化物が用いられる。アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等を適宜使用することができる。これらアルカリ金属水酸化物の中でも、一般的には水酸化ナトリウムが好適に使用される。これら塩基は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これら塩基は、塩基そのもの及び/又は段ボール用澱粉系接着剤中の酸性成分と反応した塩として本発明の段ボール用澱粉系接着剤に含まれ得る。
【0022】
本発明の段ボール用澱粉系接着剤に含まれるホウ素化合物としては、例えば、ホウ砂、ホウ酸、メタホウ酸ナトリウム等が挙げられる。
【0023】
本発明の段ボール用澱粉系接着剤におけるホウ素化合物の含有量は、例えば、澱粉100重量部に対して0.3~3.0重量部、好ましくは1.0~2.5重量部である。
【0024】
本発明の段ボール用澱粉系接着剤に含まれる(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミドと、ジアリルアミン誘導体及び/又はその塩との共重合物が挙げられる。
【0025】
上記ジアリルアミン誘導体としては、例えば、ジアリルアミン、ジアリルモノアルキルアミン等が挙げられる。ジアリルモノアルキルアミンとしては、例えば、ジアリルメチルアミン、ジアリルエチルアミン、ジアリルn-プロピルアミン、ジアリルiso-プロピルアミン、ジアリルn-ブチルアミン、ジアリルiso-ブチルアミン、ジアリルsec-ブチルアミン、ジアリルtert-ブチルアミン等が挙げられる。
【0026】
また、上記ジアリルアミン誘導体の塩としては、例えば、上記したジアリルアミン誘導体の無機酸塩、有機酸塩や、ジアリルアミン誘導体の4級アンモニウム塩等が挙げられる。塩を形成する無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。有機酸としては、例えば、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸等が挙げられる。また、ジアリルアミン誘導体の4級アンモニウム塩としては、例えば、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0027】
これらジアリルアミン誘導体及び/又はその塩の中でも、ジアリルアミン及び/又はその塩が好ましく、ジアリルアミン及び/又はその無機酸塩がより好ましく、ジアリルアミン及び/又はその塩酸塩が特に好ましい。これらジアリルアミン誘導体及び/又はその塩は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物を構成するモノマー単位中、(メタ)アクリルアミドの占める割合は、例えば、10~99モル%、好ましくは20~95モル%である。
【0029】
本発明の段ボール用澱粉系接着剤における(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物の含有量は、例えば、澱粉100重量部に対して0.1~25重量部、好ましくは0.5~20重量部である。
【0030】
本発明の段ボール用澱粉系接着剤は、段ボール用澱粉系接着剤で採用される一般的な製糊方式(例えば、ステインホール方式、ノーキャリア方式、プレミックス方式等)により製造することができるが、中でも、下記(1)~(3)の工程をこの順で含む製造方法により製造することが好ましい。
(1)未糊化澱粉を水及びアルカリ金属水酸化物により糊化させてキャリア部を調製する工程。
(2)前記キャリア部と、未糊化澱粉、水及びホウ素化合物を含むメイン部と、を混合して糊液を調製する工程。
(3)前記糊液に(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物及び酸(但し、ホウ素化合物を除く。)を添加し、pHを9.0~12.0に調整する工程。
【0031】
上記工程(1)~(3)に記載の未糊化澱粉、アルカリ金属水酸化物、ホウ素化合物及び(メタ)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物については、それぞれ上記したものを使用することができ、また、その使用量も上記の通りである。
【0032】
また、上記工程(3)で用いられる酸としては、無機酸、有機酸のどちらも使用することができ、無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。有機酸としては、例えば、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、酒石酸等が挙げられる。これら酸の中でも、塩酸、酢酸、酒石酸が好ましく、塩酸がより好ましい。また、これら酸は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。また、上記工程(3)におけるpHの範囲は、9.0~12.0、好ましくは10.0~12.0、より好ましくは11.0~11.5であり、酸の使用量は、前記pHの範囲に合わせて適宜調整することができる。
【実施例0033】
以下、実施例等を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0034】
(製造例1)糊液の調製
500mLステンレスカップにコーンスターチ13重量部を入れ、40℃に加熱した水135重量部を添加し撹拌して溶解させた後、水酸化ナトリウム(固形)2重量部を添加し、更に同温度で20分撹拌してキャリア部を完成させた。
【0035】
1Lステンレスカップにコーンスターチ87重量部を入れ、40℃に加熱した水135重量部を添加し撹拌して溶解させた後、ホウ砂2重量部を添加し、更に同温度で20分撹拌してメイン部を完成させた。
【0036】
撹拌下、40℃でメイン部とキャリア部とを混合して糊液を得た。
【0037】
(実施例1~6)
製造例1で得られた糊液に対し、それぞれ40℃で表1に示す量のアクリルアミド・ジアリルアミン塩共重合物(Sumirez(登録商標) Resin 1001、田岡化学工業社製)及び表1に示す種類の酸を添加、混合し、段ボール用澱粉系接着剤を調製した。得られた段ボール用澱粉系接着剤について、それぞれ後述する測定方法にしたがって各物性値を測定した。
【0038】
(比較例1)
製造例1で得られた糊液に対し、40℃で表2に示す量のポリアミドエポキシ樹脂を添加、混合し、段ボール用澱粉系接着剤を調製した。得られた段ボール用澱粉系接着剤について、後述する測定方法にしたがって各物性値を測定した。
【0039】
(比較例2)
製造例1で得られた糊液に対し、40℃で表2に示す量のアクリルアミド・ジアリルアミン塩共重合物(Sumirez(登録商標) Resin 1001、田岡化学工業社製)を添加、混合し、段ボール用澱粉系接着剤を調製した。得られた段ボール用澱粉系接着剤について、後述する測定方法にしたがって各物性値を測定した。
【0040】
(比較例3)
製造例1で得られた糊液に対し、40℃で表2に示す量のアクリルアミド・ジアリルアミン塩共重合物(Sumirez(登録商標) Resin 1001、田岡化学工業社製)及び表2に示す種類の酸を添加、混合し、段ボール用澱粉系接着剤を調製した。得られた段ボール用澱粉系接着剤について、後述する測定方法にしたがって各物性値を測定した。
【0041】
(比較例4)
製造例1で得られた糊液について、後述する測定方法にしたがって各物性値を測定した。
【0042】
<各物性値の測定方法>
(1)pH測定
調製直後の各実施例・比較例の段ボール用澱粉系接着剤(糊液)について、pHメーターを用いて40℃におけるpHを測定した。
【0043】
(2)粘度測定
各実施例・比較例の段ボール用接着剤(糊液)について、調製直後及び40℃で24時間貯蔵した後の粘度を、B型粘度計を用いて測定した。
【0044】
(3)耐水接着強度測定
160mm×60mmの耐水ライナーピース(耐水紙)を2枚用意し、片方の耐水ライナーピースの長辺側の端から12.5mmまでの範囲に各実施例・比較例の段ボール用接着剤(糊液)を塗布し、その上からもう一方の耐水ライナーピースを互い違いになるように貼り合わせ、更に110℃の熱プレス機で30秒間加熱圧着した(接着面:160mm×12.5mm)。その後、15mm幅にカットして、耐水接着強度測定用サンプルを作製した(接着面:15mm×12.5mm)。このサンプルを23℃、50%RHの空気中で24時間調湿し、更に23℃の水に60分浸漬した後、東洋精機VG1-E(試験速度20mm/min、)により引張せん断接着強さ試験を行い、耐水接着強度を測定した(なお、各実施例・比較例ごとに、それぞれサンプル8点について試験を行い、そのうち最大値と最小値を除いた6点のデータの平均値を「耐水接着強度」として表1・表2に示した)。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】