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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043649
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】土木用添加剤供給装置
(51)【国際特許分類】
   B28C 7/12 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
B28C7/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148751
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊田 和哉
(72)【発明者】
【氏名】岡田 康平
【テーマコード(参考)】
4G056
【Fターム(参考)】
4G056AA06
4G056CB15
4G056DA05
4G056DA08
(57)【要約】
【課題】気温によらず土木用添加剤の設定量を供給することができる土木用添加剤供給装置を提供する。
【解決手段】土木用添加剤供給装置10は、送液制御部17を備える。送液制御部17は、土木用添加剤Aの粘度関連情報を取得し、その取得した粘度関連情報に対応する粘度の土木用添加剤Aの設定量を送液するのに必要な送液実行部14による土木用添加剤Aの送液時間を計算し、送液実行部14に土木用添加剤Aの送液を開始させ、土木用添加剤Aの送液を開始してから計算した送液時間が経過したとき、送液実行部14による土木用添加剤Aの送液を停止させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木用添加剤を貯留するコンテナと、
前記コンテナから延びる添加剤供給管と、
前記コンテナの前記土木用添加剤を前記添加剤供給管を介して送液する送液実行部と、
前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を制御する送液制御部と、
前記土木用添加剤の粘度関連情報を検知する粘度関連情報検知部と、
を備えた土木用添加剤供給装置であって、
前記送液制御部は、
前記粘度関連情報検知部から前記土木用添加剤の粘度関連情報を取得する粘度関連情報取得手段と、
前記取得した粘度関連情報に対応する粘度の前記土木用添加剤の設定量を前記送液実行部により送液するのに必要な送液時間を計算する送液時間計算手段と、
前記送液実行部に前記土木用添加剤の送液を開始させる送液開始手段と、
前記土木用添加剤の送液を開始してから前記計算した送液時間が経過したとき、前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を停止させる送液停止手段と、
を有する土木用添加剤供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載された土木用添加剤供給装置において、
前記土木用添加剤の前記粘度関連情報が、前記土木用添加剤の温度情報である土木用添加剤供給装置。
【請求項3】
請求項1に記載された土木用添加剤供給装置において、
前記送液実行部は、前記添加剤供給管に介設されており、
前記粘度関連情報検知部は、前記添加剤供給管の前記送液実行部よりも上流側の部分における前記土木用添加剤の前記粘度関連情報を検知する土木用添加剤供給装置。
【請求項4】
請求項1に記載された土木用添加剤供給装置において、
前記送液制御部は、供給する前記土木用添加剤の設定量の入力を促す供給量入力要求手段を更に有する土木用添加剤供給装置。
【請求項5】
請求項1に記載された土木用添加剤供給装置において、
前記送液実行部により送液される前記土木用添加剤の流量情報を検知する流量情報検知部を更に備え、
前記送液制御部は、
前記流量情報検知部から前記土木用添加剤の流量情報を取得する流量情報取得手段と、
前記取得した流量情報を用いて、前記土木用添加剤の送液を開始してからの総流量を計算する総流量計算手段と、
前記計算した土木用添加剤の総流量が、前記土木用添加剤の送液を開始してから前記計算した送液時間が経過する前に、前記土木用添加剤の設定量に達しているとき、前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を停止させる送液時間短縮調整手段と、
を更に有する土木用添加剤供給装置。
【請求項6】
請求項1に記載された土木用添加剤供給装置において、
前記送液実行部により送液される前記土木用添加剤の流量情報を検知する流量情報検知部を更に備え、
前記送液制御部は、
前記流量情報検知部から前記土木用添加剤の流量情報を取得する流量情報取得手段と、
前記取得した流量情報を用いて、前記土木用添加剤の送液を開始してからの総流量を計算する総流量計算手段と、
前記計算した土木用添加剤の総流量が、前記土木用添加剤の送液を開始してから前記計算した送液時間が経過したとき、前記土木用添加剤の設定量に達していない場合、前記送液停止手段による前記土木用添加剤の送液停止を中止するとともに、前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を継続させ、その後、前記計算した土木用添加剤の総流量が前記土木用添加剤の設定量に達したとき、前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を停止させる送液時間延長調整手段と、
を更に有する土木用添加剤供給装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載された土木用添加剤供給装置において、
前記送液実行部は、前記添加剤供給管に介設されており、
前記流量情報検知部は、前記添加剤供給管の前記送液実行部よりも下流側の部分に設けられている土木用添加剤供給装置。
【請求項8】
請求項1に記載された土木用添加剤供給装置において、
前記添加剤供給管から前記土木用添加剤を気相に排出して供給するように構成されているとともに、前記添加剤供給管の先端部に逆止弁が設けられた土木用添加剤供給装置。
【請求項9】
コンテナに貯留された土木用添加剤を送液実行部により前記コンテナから延びる添加剤供給管を介して送液する土木用添加剤供給方法であって、
前記土木用添加剤の粘度関連情報を取得し、前記取得した粘度関連情報に対応する粘度の前記土木用添加剤の設定量を送液するのに必要な前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液時間を計算し、前記送液実行部に前記土木用添加剤の送液を開始させ、前記土木用添加剤の送液を開始してから前記計算した送液時間が経過したとき、前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を停止させる土木用添加剤供給方法。
【請求項10】
土木用添加剤を貯留するコンテナと、
前記コンテナから延びる添加剤供給管と、
前記コンテナの前記土木用添加剤を前記添加剤供給管を介して送液する送液実行部と、
前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を制御するコンピュータで構成された送液制御部と、
前記土木用添加剤の粘度関連情報を検知する粘度関連情報検知部と、
を備えた土木用添加剤供給装置で用いられるコンピュータプログラムであって、
前記送液制御部を構成するコンピュータに、
前記粘度関連情報検知部から前記土木用添加剤の前記粘度関連情報を取得する手順と、
前記取得した粘度関連情報に対応する粘度の前記土木用添加剤の設定量を送液するのに必要な前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液時間を計算する手順と、
前記送液実行部に前記土木用添加剤の送液を開始させる手順と、
前記土木用添加剤の送液を開始してから前記計算した送液時間が経過したとき、前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を停止させる手順と、
を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載されたコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木用添加剤供給装置及び土木用添加剤供給方法、並びにそれに用いるコンピュータプログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
土木分野において、セメントミルクに分散剤等の土木用添加剤を加えることが知られている。例えば、特許文献1には、水及び分散剤を混合した分散剤溶液をセメントと混練してセメントミルクを作製することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-114065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
土木用添加剤の添加供給は、通常、屋外で行われる。また、土木用添加剤の粘度は、気温の高い夏場は低くなる一方、気温の低い冬場は高くなる。そのため、土木用添加剤の供給量は、供給時間を一定として管理した場合、夏場の方が冬場よりも多くなる。
【0005】
本発明の課題は、気温によらず土木用添加剤の設定量を供給することができる土木用添加剤供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、土木用添加剤を貯留するコンテナと、前記コンテナから延びる添加剤供給管と、前記コンテナの前記土木用添加剤を前記添加剤供給管を介して送液する送液実行部と、前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を制御する送液制御部と、前記土木用添加剤の粘度関連情報を検知する粘度関連情報検知部とを備えた土木用添加剤供給装置であって、前記送液制御部は、前記粘度関連情報検知部から前記土木用添加剤の粘度関連情報を取得する粘度関連情報取得手段と、前記取得した粘度関連情報に対応する粘度の前記土木用添加剤の設定量を前記送液実行部により送液するのに必要な送液時間を計算する送液時間計算手段と、前記送液実行部に前記土木用添加剤の送液を開始させる送液開始手段と、前記土木用添加剤の送液を開始してから前記計算した送液時間が経過したとき、前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を停止させる送液停止手段とを有する。
【0007】
本発明は、コンテナに貯留された土木用添加剤を送液実行部により前記コンテナから延びる添加剤供給管を介して送液する土木用添加剤供給方法であって、前記土木用添加剤の粘度関連情報を取得し、前記取得した粘度関連情報に対応する粘度の前記土木用添加剤の設定量を送液するのに必要な前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液時間を計算し、前記送液実行部に前記土木用添加剤の送液を開始させ、前記土木用添加剤の送液を開始してから前記計算した送液時間が経過したとき、前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を停止させるものである。
【0008】
本発明は、土木用添加剤を貯留するコンテナと、前記コンテナから延びる添加剤供給管と、前記コンテナの前記土木用添加剤を前記添加剤供給管を介して送液する送液実行部と、前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を制御するコンピュータで構成された送液制御部と、前記土木用添加剤の粘度関連情報を検知する粘度関連情報検知部とを備えた土木用添加剤供給装置で用いられるコンピュータプログラムであって、前記送液制御部を構成するコンピュータに、前記粘度関連情報検知部から前記土木用添加剤の前記粘度関連情報を取得する手順と、前記取得した粘度関連情報に対応する粘度の前記土木用添加剤の設定量を送液するのに必要な前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液時間を計算する手順と、前記送液実行部に前記土木用添加剤の送液を開始させる手順と、前記土木用添加剤の送液を開始してから前記計算した送液時間が経過したとき、前記送液実行部による前記土木用添加剤の送液を停止させる手順とを実行させるものである。
【0009】
本発明は、本発明のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、土木用添加剤の粘度関連情報を取得し、その粘度関連情報に対応する粘度の土木用添加剤の設定量を送液するのに必要な送液時間を計算するので、土木用添加剤の粘度が送液時間に反映されるため、気温によらず土木用添加剤の設定量を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係る土木用添加剤供給装置の構成を示す図である。
図2】実施形態1でのコントローラによる情報処理を示すフローチャートである。
図3】実施形態2に係る土木用添加剤供給装置の構成を示す図である。
図4】実施形態2でのコントローラによる情報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について詳細に説明する。
【0013】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る土木用添加剤供給装置10を示す。この土木用添加剤供給装置10は、主として屋外でセメントミルクを作製する際に、分散剤等の土木用添加剤Aを添加供給するのに用いられるものである。
【0014】
実施形態1に係る土木用添加剤供給装置10は、土木用添加剤Aを貯留するIBCコンテナ11と、土木用添加剤Aを送液するための添加剤供給管12とを備える。添加剤供給管12は、一端がIBCコンテナ11に接続されているとともに、IBCコンテナ11からアジテーター21の上側に設けられた添加剤供給先のミキサー22の上部開口の上方まで延びており、且つ他端の先端部に逆止弁13が設けられている。したがって、この土木用添加剤供給装置10では、添加剤供給管12から土木用添加剤Aを気相に排出してミキサー22に供給するように構成されており、逆止弁13が土木用添加剤Aの供給の過少及び過多を規制する。なお、土木用添加剤供給装置10は、添加剤供給管12から土木用添加剤Aをアジテーター21に供給するように構成されていてもよい。
【0015】
実施形態1に係る土木用添加剤供給装置10は、添加剤供給管12に介設されたポンプ14を備える。ポンプ14は、IBCコンテナ11の土木用添加剤Aを添加剤供給管12を介して送液する。したがって、このポンプ14が送液実行部を構成する。
【0016】
実施形態1に係る土木用添加剤供給装置10は、添加剤供給管12のポンプ14よりも上流側の部分に設けられた温度センサ15を備える。温度センサ15は、添加剤供給管12内の土木用添加剤Aの粘度関連情報として、土木用添加剤Aの温度情報を検知する。したがって、この温度センサ15が粘度関連情報検知部を構成する。
【0017】
実施形態1に係る土木用添加剤供給装置10は、添加剤供給管12の温度センサ15よりも更に上流側の部分に介設されたフィルタ16を備える。フィルタ16は、ポンプ14の破損を防止するため、土木用添加剤Aに混在する異物を除去する。
【0018】
実施形態1に係る土木用添加剤供給装置10は、ポンプ14及び温度センサ15が接続されたコントローラ17を備える。コントローラ17は、ポンプ14による土木用添加剤Aの送液を制御する。したがって、このコントローラ17が送液制御部を構成する。
【0019】
コントローラ17は、添加剤送液制御用のコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータで構成されている。
【0020】
その添加剤送液制御用のコンピュータプログラムは、大略として、コントローラ17を構成するコンピュータに、
供給する土木用添加剤Aの設定量Xの入力を促す手順と、
温度センサ15から土木用添加剤Aの温度情報を取得する手順と、
取得した温度情報に対応する粘度の土木用添加剤Aの設定量Xを送液するのに必要なポンプ14による土木用添加剤Aの送液時間Tを計算する手順と、
ポンプ14に土木用添加剤Aの送液を開始させる手順と、
土木用添加剤Aの送液を開始してから計算した送液時間Tが経過したとき、ポンプ14による土木用添加剤Aの送液を停止させる手順と、
を実行させるものである。このコンピュータプログラムは、CD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体として独立した取引対象となり得る。
【0021】
次に、実施形態1に係る土木用添加剤供給装置10を用いた土木用添加剤供給方法について、図2のフローチャートに従って具体的に説明する。
【0022】
まず、スタート後のステップS1では、コントローラ17のディスプレイ等の表示部(不図示)に、供給する土木用添加剤Aの設定量Xの入力を促す表示をさせ、コントローラ17のキーボード等の入力部(不図示)から適切な入力があった場合には、続くステップS2に進む。したがって、このステップS1を実行するコントローラ17が供給量入力要求手段を構成する。
【0023】
ステップS2では、温度センサ15から土木用添加剤Aの温度情報を取得し、続くステップS3に進む。したがって、このステップS2を実行するコントローラ17が粘度関連情報取得手段を構成する。
【0024】
ステップS3では、取得した温度情報に対応する粘度の土木用添加剤Aの設定量Xをポンプ14により送液するのに必要な送液時間Tを計算し、続くステップS4に進む。したがって、このステップS3を実行するコントローラ17が送液時間計算手段を構成する。ここで、この送液時間Tの計算は、土木用添加剤Aの温度と粘度との関係データ及び土木用添加剤Aの粘度とポンプ14による送液量の関係データに基づいて行う。
【0025】
ステップS4では、ポンプ14への電力供給をオンにし、ポンプ14に、IBCコンテナ11に貯留された土木用添加剤Aの添加剤供給管12を介した送液を開始させ、続くステップS5に進む。したがって、このステップS4を実行するコントローラ17が送液開始手段を構成する。
【0026】
ステップS5では、土木用添加剤Aの送液を開始してからの経過時間tが、計算した送液時間T以上であるか否かを判断し、YESの場合にはステップS6に進み、ポンプ14への電力供給をオフにし、ポンプ14による土木用添加剤Aの送液を停止させて終了し、NOの場合にはステップS5に戻る。
【0027】
以上の構成の実施形態1に係る土木用添加剤供給装置10によれば、土木用添加剤Aの粘度関連情報である温度情報を取得し、その温度情報に対応する粘度の土木用添加剤Aの設定量Xを送液するのに必要な送液時間Tを計算するので、土木用添加剤Aの粘度が送液時間Tに反映されるため、気温によらず土木用添加剤Aの設定量Xを供給することができる。
【0028】
(実施形態2)
図3は、実施形態2に係る土木用添加剤供給装置10を示す。なお、実施形態1と同一構成の部分は、実施形態1と同一符号で示す。
【0029】
実施形態2に係る土木用添加剤供給装置10は、実施形態1に係る土木用添加剤供給装置10の構成に加え、添加剤供給管12のポンプ14よりも下流側の部分に設けられた流量計18を備える。流量計18は、ポンプ14により送液される土木用添加剤Aの流量情報を検知する。したがって、この流量計18が流量情報検知部を構成する。流量計18は、コントローラ17に接続されている。この流量計18は、コリオリ式であることが好ましい。
【0030】
実施形態2に係る土木用添加剤供給装置10でも、コントローラ17は、添加剤送液制御用のコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータで構成されている。
【0031】
その添加剤送液制御用のコンピュータプログラムは、大略として、コントローラ17を構成するコンピュータに、
供給する土木用添加剤Aの設定量Xの入力を促す手順と、
温度センサ15から土木用添加剤Aの温度情報を取得する手順と、
取得した温度情報に対応する粘度の土木用添加剤Aの設定量Xを送液するのに必要なポンプ14による土木用添加剤Aの送液時間Tを計算する手順と、
ポンプ14に土木用添加剤Aの送液を開始させる手順と、
流量計18から土木用添加剤Aの流量情報を取得する手順と、
取得した流量情報を用いて、土木用添加剤Aの送液を開始してからの総流量Yを計算する手順と、
計算した土木用添加剤Aの総流量Yが、土木用添加剤Aの送液を開始してから計算した送液時間Tが経過する前に、土木用添加剤Aの設定量Xに達しているとき、ポンプ14による土木用添加剤Aの送液を停止させる手順と、
土木用添加剤Aの送液を開始してから計算した送液時間Tが経過したとき、原則、ポンプ14による土木用添加剤Aの送液を停止させるが、計算した土木用添加剤Aの総流量Yが土木用添加剤Aの設定量Xに達していない場合、ポンプ14による土木用添加剤Aの送液停止を中止するとともに、ポンプ14による土木用添加剤Aの送液を継続させ、その後、計算した土木用添加剤Aの総流量Yが土木用添加剤Aの設定量Xに達したとき、ポンプ14による土木用添加剤Aの送液を停止させる手順と、
を実行させるものである。このコンピュータプログラムは、CD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体として独立した取引対象となり得る。
【0032】
次に、実施形態2に係る土木用添加剤供給装置10を用いた土木用添加剤供給方法について、図4のフローチャートに従って具体的に説明する。
【0033】
まず、スタート後のステップSS1では、コントローラ17のディスプレイ等の表示部(不図示)に、供給する土木用添加剤Aの設定量Xの入力を促す表示をさせ、コントローラ17のキーボード等の入力部(不図示)から適切な入力があった場合には、続くステップSS2に進む。
【0034】
ステップSS2では、温度センサ15から土木用添加剤Aの温度情報を取得し、続くステップSS3に進む。
【0035】
ステップSS3では、取得した温度情報に対応する粘度の土木用添加剤Aの設定量Xをポンプ14により送液するのに必要な送液時間Tを計算し、続くステップSS4に進む。
【0036】
ステップSS4では、ポンプ14への電力供給をオンにし、ポンプ14に、IBCコンテナ11に貯留された土木用添加剤Aの添加剤供給管12を介した送液を開始させ、続くステップSS5に進む。
【0037】
ここまでのステップSS1からステップSS4までは、実施形態1のステップS1からステップS4までと同一である。
【0038】
ステップSS4の後のステップSS5では、流量計18から土木用添加剤Aの流量情報を取得し、続くステップSS6に進む。したがって、このステップSS5を実行するコントローラ17が流量情報取得手段を構成する。
【0039】
ステップSS6では、取得した流量情報を用いて、土木用添加剤Aの送液を開始してからの流量を積算して総流量Yを計算し、続くステップSS7に進む。したがって、このステップSS6を実行するコントローラ17が総流量計算手段を構成する。
【0040】
ステップSS7では、土木用添加剤Aの送液を開始してからの経過時間tが、計算した送液時間T未満であるか否かを判断し、YESの場合にはステップSS8に進み、NOの場合にはステップSS10に進む。
【0041】
ステップSS8では、計算した土木用添加剤Aの総流量Yが土木用添加剤Aの設定量X以上か否かを判断し、YESの場合にはステップSS9に進み、ポンプ14への電力供給をオフにし、ポンプ14による土木用添加剤Aの送液を停止させて終了し、NOの場合にはステップSS5に戻る。したがって、ステップSS7、ステップSS8、及びステップSS9を実行するコントローラ17が送液時間短縮調整手段を構成する。
【0042】
ステップSS10では、計算した土木用添加剤Aの総流量Yが土木用添加剤Aの設定量X以上か否かを判断し、YESの場合にはステップSS11に進み、ポンプ14への電力供給をオフにし、ポンプ14による土木用添加剤Aの送液を停止させて終了し、NOの場合にはステップSS5に戻る。したがって、ステップSS7及びステップSS10を実行した後、ステップSS5に戻ることなく、ステップSS11を実行するコントローラ17が送液停止手段を構成する。また、ステップSS8からステップSS5に戻り、ステップSS7及びステップSS8を複数回実行した後、ステップSS11を実行するコントローラ17が送液時間延長調整手段を構成する。
【0043】
以上の構成の実施形態2に係る土木用添加剤供給装置10によれば、実施形態1の場合と同様、土木用添加剤Aの粘度関連情報である温度情報を取得し、その温度情報に対応する粘度の土木用添加剤Aの設定量Xを送液するのに必要な送液時間Tを計算するので、土木用添加剤Aの粘度が送液時間Tに反映されるため、気温によらず土木用添加剤Aの設定量Xを供給することができる。しかも、それに加え、流量計18で取得した流量情報を用いて計算した土木用添加剤Aの総流量Yもモニタするので、土木用添加剤Aの設定量Xの供給を高精度で行うことができる。
【0044】
(その他の実施形態)
上記実施形態1及び2では、IBCコンテナ11に土木用添加剤Aを貯留する構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば工事現場の規模によっては、コンテナとしてのバケツに土木用添加剤Aを貯留する構成であってもよい。
【0045】
上記実施形態1及び2では、土木用添加剤Aの粘度関連情報として温度情報を検知する構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、土木用添加剤Aの粘度情報を直接検知する構成であってもよい。
【0046】
上記実施形態1及び2では、添加剤供給管12内の土木用添加剤Aの温度情報を検知する構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、IBCコンテナ11内の土木用添加剤Aの温度情報を検知する構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、土木用添加剤供給装置及び土木用添加剤供給方法、並びにそれに用いるコンピュータプログラム及び記録媒体の技術分野について有用である。
【符号の説明】
【0048】
A 土木用添加剤
10 土木用添加剤供給装置
11 IBCコンテナ
12 添加剤供給管
13 逆止弁
14 ポンプ
15 温度センサ
16 フィルタ
17 コントローラ
18 流量計
21 アジテーター
22 ミキサー
図1
図2
図3
図4