(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043657
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】送りピッチチェック方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148765
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東野 昌記
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC01
5E353CC03
5E353CC04
5E353CC05
5E353CC12
5E353DD02
5E353EE24
5E353GG01
5E353HH01
5E353HH29
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353KK02
5E353KK03
5E353LL02
5E353LL03
5E353LL04
(57)【要約】
【課題】部品供給テープの送りピッチの設定値が適切であるか判定する。
【解決手段】送りピッチチェック方法は、部品Pが一定の間隔を空けて保持された部品供給テープ16を一定の送りピッチで送りながら部品Pを供給するフィーダー13を備える部品実装装置10の生産プログラムを作成するために、予め部品P毎に設定される送りピッチの設定値をチェックする送りピッチチェック方法であって、部品Pの部品サイズを含む部品データ60に基づいて、設定値が適切であるか判定する、送りピッチチェック方法である。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品が一定の間隔を空けて保持された部品供給テープを一定の送りピッチで送りながら前記部品を供給するフィーダーを備える部品実装装置の生産プログラムを作成するために、予め前記部品毎に設定される前記送りピッチの設定値をチェックする送りピッチチェック方法であって、
前記部品の部品サイズを含む部品データに基づいて、前記設定値が適切であるか判定する、送りピッチチェック方法。
【請求項2】
前記設定値が前記部品サイズ以下である場合には前記設定値が適切でないと判定する、請求項1に記載の送りピッチチェック方法。
【請求項3】
前記部品データに基づいて、前記送りピッチの推奨値を取得し、
前記設定値を前記推奨値に変更する、請求項2に記載の送りピッチチェック方法。
【請求項4】
前記部品データに基づいて、前記送りピッチの推奨値を取得し、
前記設定値が適切でない旨のメッセージと前記推奨値とを通知する、請求項2に記載の送りピッチチェック方法。
【請求項5】
前記部品データに基づいて、前記送りピッチの推奨値を取得し、
前記設定値と前記推奨値とが等しい場合には前記設定値が適切であると判定し、前記設定値と前記推奨値とが異なる場合には前記設定値が適切でないと判定する、請求項1に記載の送りピッチチェック方法。
【請求項6】
前記設定値が適切でないと判定された場合、前記設定値を前記推奨値に変更する、請求項5に記載の送りピッチチェック方法。
【請求項7】
前記設定値が適切でないと判定された場合、前記設定値が適切でない旨のメッセージと前記推奨値とを通知する、請求項5に記載の送りピッチチェック方法。
【請求項8】
前記送りピッチの最適値が既知とされる前記部品は、既知部品とされ、
前記部品データは、前記既知部品の前記部品サイズと前記最適値との相関関係を示す相関表を含み、
前記相関表を参照して、前記部品の前記部品サイズに対応する前記送りピッチの前記推奨値を取得する、請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の送りピッチチェック方法。
【請求項9】
前記設定値は、前記フィーダーで前記部品供給テープを送り出し可能とされる複数の候補値から選択されるようになっており、
前記複数の候補値のうち、前記部品の前記部品サイズより大きく、かつ、最小とされる前記候補値を前記推奨値とする、請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の送りピッチチェック方法。
【請求項10】
前記送りピッチの最適値が既知とされる前記部品は、既知部品とされ、
前記部品データは、前記部品供給テープの種類と、前記フィーダーの種類と、を含み、
前記部品と前記部品サイズが類似し、前記部品供給テープの種類及び前記フィーダーの種類が同一である前記既知部品が存在する場合、その前記既知部品の前記最適値を前記推奨値とする、請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の送りピッチチェック方法。
【請求項11】
前記部品実装装置は、前記部品が供給される部品供給位置に位置する前記部品を吸着する実装ヘッドと、前記部品供給位置に位置する前記部品供給テープ及び前記部品を撮像可能なカメラと、を有し、
前記部品供給テープを所定の単位長さだけ送り出して前記カメラにより前記部品供給位置で前記部品供給テープを撮像する動作を繰り返し、前記部品供給テープが前記設定値だけ送り出された場合にのみ前記部品の撮像に成功した場合に、送りピッチ確認済みフラグを設定する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の送りピッチチェック方法。
【請求項12】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の送りピッチチェック方法をコンピューターに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品実装装置のフィーダーにおいて部品供給テープが送り出される送りピッチの設定値をチェックするための送りピッチチェック方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2009-272377号公報(下記特許文献1)に記載の実装機が知られている。この実装機は、部品を収納したテープをピッチ送りして部品を部品供給位置に送給するフィーダーを備えている。実装機は、フィーダーにより生産プログラムに登録されたピッチ送り量で部品供給位置に送給された部品を基板に実装するように構成されている。ピッチ送り量が未登録である部品については、作業者がテープをフィーダーに取り付ける段取り作業の際、フィーダー段取りステーションにおいて確認済みのピッチ送り量をフィーダーの記憶部に書き込む。すると、コントローラによって、フィーダーの記憶部に書き込まれたピッチ送り量が生産プログラムに登録される。これにより、次回以降、当該部品を用いた生産が行われる際、再度、作業者がピッチ送り量の確認を行わなくてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成では、作業者がテープの現物を入手して段取り作業を行うことで、生産プログラムにピッチ送り量が登録される。しかし、特許文献1では、テープの現物を入手する前の段階で、適切なピッチ送り量を設定し、生産プログラムを作成することについては、考慮されていない。このため、生産前に正確なタクトシミュレーションを行うことが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の送りピッチチェック方法は、部品が一定の間隔を空けて保持された部品供給テープを一定の送りピッチで送りながら前記部品を供給するフィーダーを備える部品実装装置の生産プログラムを作成するために、予め前記部品毎に設定される前記送りピッチの設定値をチェックする送りピッチチェック方法であって、前記部品の部品サイズを含む部品データに基づいて、前記設定値が適切であるか判定する、送りピッチチェック方法である。
【0006】
また、本開示のプログラムは、上記の送りピッチチェック方法をコンピューターに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、部品供給テープの送りピッチの設定値が適切であるか判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1の送りピッチチェック方法を実行する外部端末及び部品実装装置の電気的構成を示す図である。
【
図3】
図3は、部品供給テープについて示す図である。
【
図4】
図4は、部品データの主要パラメータについて示す図である。
【
図5】
図5は、送りピッチチェック方法にかかるフローチャートである。
【
図6】
図6は、送りピッチチェック処理について示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、推奨値取得処理について示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、通知処理について示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態2の推奨値取得処理について示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施形態3の推奨値取得処理について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0010】
(1)本開示の送りピッチチェック方法は、部品が一定の間隔を空けて保持された部品供給テープを一定の送りピッチで送りながら前記部品を供給するフィーダーを備える部品実装装置の生産プログラムを作成するために、予め前記部品毎に設定される前記送りピッチの設定値をチェックする送りピッチチェック方法であって、前記部品の部品サイズを含む部品データに基づいて、前記設定値が適切であるか判定する、送りピッチチェック方法である。
【0011】
部品供給テープの現物がない場合でも、部品データに基づいて、送りピッチの設定値が適切であるか判定することができる。また、実装ライン外において送りピッチの設定値が適切であるか判定することができる。
【0012】
(2)(1)に記載の送りピッチチェック方法において、前記設定値が前記部品サイズ以下である場合には前記設定値が適切でないと判定することが好ましい。
【0013】
送りピッチの設定値が部品サイズ以下になることを防止することができる。
【0014】
(3)(2)に記載の送りピッチチェック方法において、前記部品データに基づいて、前記送りピッチの推奨値を取得し、前記設定値を前記推奨値に変更することが好ましい。
【0015】
送りピッチの設定値が推奨値に変更されるから、送りピッチの設定値が適切である可能性を高めることができる。
【0016】
(4)(2)に記載の送りピッチチェック方法において、前記部品データに基づいて、前記送りピッチの推奨値を取得し、前記設定値が適切でない旨のメッセージと前記推奨値とを通知することが好ましい。
【0017】
送りピッチの設定値が適切でない旨及び送りピッチの推奨値をオペレータが認識することができる。
【0018】
(5)(1)に記載の送りピッチチェック方法において、前記部品データに基づいて、前記送りピッチの推奨値を取得し、前記設定値と前記推奨値とが等しい場合には前記設定値が適切であると判定し、前記設定値と前記推奨値とが異なる場合には前記設定値が適切でないと判定することが好ましい。
【0019】
送りピッチの設定値と推奨値とを比較することにより、送りピッチの設定値が適切であるかさらに正確に判定することができる。
【0020】
(6)(5)に記載の送りピッチチェック方法において、前記設定値が適切でないと判定された場合、前記設定値を前記推奨値に変更することが好ましい。
【0021】
送りピッチの設定値が推奨値に変更されるから、送りピッチの設定値が適切である可能性を高めることができる。
【0022】
(7)(5)に記載の送りピッチチェック方法において、前記設定値が適切でないと判定された場合、前記設定値が適切でない旨のメッセージと前記推奨値とを通知することが好ましい。
【0023】
送りピッチの設定値が適切でない旨及び送りピッチの推奨値をオペレータが認識することができる。
【0024】
(8)(3)から(7)のいずれか一つに記載の送りピッチチェック方法において、前記送りピッチの最適値が既知とされる前記部品は、既知部品とされ、前記部品データは、前記既知部品の前記部品サイズと前記最適値との相関関係を示す相関表を含み、前記相関表を参照して、前記部品の前記部品サイズに対応する前記送りピッチの前記推奨値を取得することが好ましい。
【0025】
既知部品の部品サイズと送りピッチの最適値との相関関係を示す相関表に基づいて、部品の部品サイズに対応する送りピッチの推奨値を取得することができる。
【0026】
(9)(3)から(7)のいずれか一つに記載の送りピッチチェック方法において、前記設定値は、前記フィーダーで前記部品供給テープを送り出し可能とされる複数の候補値から選択されるようになっており、前記複数の候補値のうち、前記部品の前記部品サイズより大きく、かつ、最小とされる前記候補値を前記推奨値とすることが好ましい。
【0027】
フィーダーで部品供給テープを送り出し可能とされる複数の候補値と、部品の部品サイズと、の比較により、推奨値を取得することができる。
【0028】
(10)(3)から(7)のいずれか一つに記載の送りピッチチェック方法において、前記送りピッチの最適値が既知とされる前記部品は、既知部品とされ、前記部品データは、前記部品供給テープの種類と、前記フィーダーの種類と、を含み、前記部品と前記部品サイズが類似し、前記部品供給テープの種類及び前記フィーダーの種類が同一である前記既知部品が存在する場合、その前記既知部品の前記最適値を前記推奨値とすることが好ましい。
【0029】
部品と部品サイズが類似し、部品供給テープの種類及びフィーダーの種類が同一である既知部品の送りピッチの最適値を推奨値として用いることができる。
【0030】
(11)(1)から(7)のいずれか一つに記載の送りピッチチェック方法において、前記部品実装装置は、前記部品が供給される部品供給位置に位置する前記部品を吸着する実装ヘッドと、前記部品供給位置に位置する前記部品供給テープ及び前記部品を撮像可能なカメラと、を有し、前記部品供給テープを所定の単位長さだけ送り出して前記カメラにより前記部品供給位置で前記部品供給テープを撮像する動作を繰り返し、前記部品供給テープが前記設定値だけ送り出された場合にのみ前記部品の撮像に成功した場合に、送りピッチ確認済みフラグを設定することが好ましい。
【0031】
送りピッチ確認済みフラグが設定されているか否かにより、送りピッチの設定値が正しいことをオペレータが認識することができる。
【0032】
(12)本開示のプログラムは、(1)から(7)のいずれか一つに記載の送りピッチチェック方法をコンピューターに実行させるプログラムである。
【0033】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0034】
<実施形態1>
本開示の実施形態1について、
図1から
図10を参照しつつ説明する。以下、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。実施形態1は、部品実装装置10のフィーダー13によって送られる部品供給テープ16の送りピッチの設定値をチェックする送りピッチチェック方法、及び送りピッチチェック方法を外部端末1(コンピューターの一例)に実行させるプログラムに関わる。
【0035】
[外部端末]
外部端末1は、部品実装装置10を含む実装ラインの外部に配されている。
図1に示すように、外部端末1は、部品実装装置10と通信ネットワークを介して通信可能に無線接続されている。外部端末1は制御部2、記憶部3、操作部4、表示部5等を備えている。表示部5は例えば液晶ディスプレイである。操作部4はキーボード、タッチパネル、マウス等で構成されている。
【0036】
[部品実装装置の全体構成]
部品実装装置10は、
図2に示すように、フィーダー13によって供給される電子部品等の部品P(
図2参照)をプリント基板等の基板B上に実装する。部品実装装置10は、基台11と、基板Bを搬送する搬送コンベア14と、ヘッドユニット30と、ヘッドユニット30を基台11上にて移動させる駆動装置20とを備えている。なお、以下の説明において、基台11の長手方向(
図2の左右方向)を左右方向、基台11の奥行方向(
図2の上下方向)を前後方向、
図2の紙面垂直方向を上下方向とする。また、部品実装装置10で設定されている座標系を用いて、左右方向をX方向、前後方向をY方向、上下方向をZ方向として説明する場合がある。
【0037】
搬送コンベア14は、基台11の中央に配置されている。搬送コンベア14は左右方向に循環駆動する一対の搬送ベルト15を備えており、搬送ベルト15上の基板Bを、搬送ベルト15との摩擦により右方に搬送する。本実施形態では、基板Bは、左側より搬送コンベア14を通じて部品実装装置10の内部へと搬入される。搬入された基板Bは、搬送コンベア14により基台11の中央の作業位置まで運ばれ、そこで停止される。
【0038】
基台11上には、作業位置の周囲を囲むようにして、部品供給部12が4箇所設けられている。各部品供給部12には、部品Pを供給するフィーダー13が左右方向に隣接して多数設置されている。
【0039】
図3に示すように、フィーダー13により供給される部品Pは、部品供給テープ16に含まれている。部品供給テープ16は、キャリアテープ16Aと、これに貼着されるトップテープ16Bとから構成されている。キャリアテープ16A及びトップテープ16Bの材質は、例えば、PS(ポリスチレン)等の合成樹脂や紙である。キャリアテープ16Aは、上方に開口した空洞状の部品収納部16Cを一定間隔置きに有しており、各部品収納部16Cには部品Pが収納されている。また、キャリアテープ16Aの一辺側には、縁部に沿って係合孔16Dが一定間隔で設けられている。係合孔16Dの内壁がフィーダー13に設けられるスプロケットの歯(図示せず)と係合することで、部品供給テープ16が巻き取られ、部品Pが搬送されるようになっている。この部品供給テープ16は、フィーダー13の外側の位置において、図外のリールに巻回されて支持されている。
【0040】
フィーダー13が部品供給テープ16を送り出す機構にかかる座標系は、(X1,Y1,Z)で表される。X1方向は部品供給テープ16の送出方向である。Y1方向は部品供給テープ16の幅方向である。Z方向は、X1方向及びY1方向の双方に直交する方向である。フィーダー13が部品実装装置10に取り付けられた状態では、X1方向はY方向に対応し、Y1方向はX方向に対応し、Z方向は上下方向に対応している。なお、本実施形態と異なり、フィーダー13が部品供給テープ16を送り出す機構にかかる座標系は、部品実装装置10の座標系と統一されていてもよい。
【0041】
フィーダー13は、部品供給テープ16のトップテープ16Bをキャリアテープ16Aから剥離し、キャリアテープ16Aを一定の送りピッチでX1方向(Y方向)に送り出すことで、部品供給位置に部品Pを搬送する。この送りピッチは、X1方向に隣り合う部品収納部16C間の距離D1(もしくはX1方向に隣り合う部品Pの中心間の距離)と等しくなっている。
【0042】
部品供給位置に搬送された部品Pは、ヘッドユニット30の実装ヘッド32により吸着される(
図2参照)。実装ヘッド32に吸着された部品Pは、作業位置において、基板B上に実装される。その後、部品Pが実装された基板Bは搬送コンベア14を通じて右方に運ばれ、部品実装装置10の外部に搬出されるようになっている。
【0043】
駆動装置20は、ヘッドユニット30を所定の可動範囲内でX方向およびY方向に搬送するものである。駆動装置20は、
図2に示すように、X軸ビーム21、Y軸フレーム22、X軸サーボモータ23、Y軸サーボモータ24などを備えている。ヘッドユニット30は、X軸ビーム21に支持され、X軸サーボモータ23によりX方向に往復移動可能となっている。X軸ビーム21は、Y軸フレーム22に支持され、Y軸サーボモータ24によりY方向に往復移動可能となっている。
【0044】
ヘッドユニット30は、箱形状をなすヘッドユニット本体31と、部品Pの実装動作を行う3つの実装ヘッド32と、各実装ヘッド32を撮像するための側面撮像カメラ40及び第1照明41と、を有している。
【0045】
実装ヘッド32は、ヘッドユニット本体31から下方に突出した形態とされている。実装ヘッド32は、上下方向に延びるシャフトと、シャフトの下端部に着脱可能とされるノズルと、を有している。実装ヘッド32には、図示しないエア供給装置から負圧が供給されることで、ノズルの先端部に吸引力が生じるようになっている。これにより、ノズルによる部品Pの吸着および実装が可能とされている。
【0046】
実装ヘッド32には、ヘッドユニット本体31内に設けられたZ軸サーボモータが取り付けられている。実装ヘッド32のシャフト及びノズルは、Z軸サーボモータによって上下方向に昇降可能とされている。
【0047】
部品実装装置10は、ヘッドユニット30の3つの実装ヘッド32をそれぞれの軸線の回りに回転させるR軸サーボモータを備えている。
【0048】
ヘッドユニット30には基板撮像カメラ42(カメラの一例)が撮像面を下に向けた状態で配置されている。基板撮像カメラ42は、基板Bの位置および姿勢を認識するために、基板Bのフィデューシャルマーク(図示せず)を撮像するように構成されている。また、基板撮像カメラ42の近傍には第2照明(図示せず)が設けられている。第2照明は、基板撮像カメラ42の撮像時に可視光を基板Bに照射するように構成されている。これにより、基板撮像カメラ42により基板Bを鮮明に撮像することができる。また、本実施形態では、後述するように、基板撮像カメラ42は、部品供給位置において部品供給テープ16及び部品供給テープ16に保持された部品Pを撮像可能とされている。
【0049】
基台11上には部品撮像カメラ43が撮像面を上に向けて配置されている。部品撮像カメラ43は、ノズルに吸着された部品Pの画像(下面画像)を撮像し、ノズルによる部品Pの吸着姿勢を検出する。また、部品撮像カメラ43の近傍には、第3照明(図示せず)が設けられている。第3照明は、部品撮像カメラ43の撮像時に可視光をノズルに吸着された部品Pに照射するように構成されている。これにより、部品撮像カメラ43によりノズルに吸着された部品Pを鮮明に撮像することが可能である。
【0050】
[部品実装装置の電気的構成]
次に、部品実装装置10の電気的構成を、
図1を参照して説明する。部品実装装置10は、制御装置50を備えている。制御装置50は、制御部51、記憶部52、操作部53、及び表示部54を備えている。
【0051】
制御部51はCPU、ROM、RAM等を備えており、ROMに記憶されている制御プログラムを実行することによって部品実装装置10の各部を制御する。
【0052】
制御部51はX軸サーボモータ23、Y軸サーボモータ24、Z軸サーボモータ、R軸サーボモータ、コンベア駆動モータ等の各種モータを回転させる。
【0053】
制御部51は側面撮像カメラ40や基板撮像カメラ42、部品撮像カメラ43等の各種カメラから出力される画像信号が取り込まれるように構成されており、出力された画像信号に基づいてデジタル画像を生成する。
【0054】
制御部51は部品実装装置10の本体に設けられている各種センサ類から出力される検出信号が取り込まれるように構成されている。また、制御部51は各種アクチュエータ類に対する動作制御を行うように構成されている。
【0055】
制御部51はフィーダー13と通信可能に構成されている。
【0056】
操作部53はタッチパネル、キーボード、マウス等の入力装置を備えている。オペレータは操作部53を操作して各種の設定等を行うことができる。表示部54は例えば液晶ディスプレイである。
【0057】
記憶部52には、部品Pに関するデータである部品データ60や生産プログラム等の各種のデータが記憶されている。部品データ60には、部品Pの部品名や部品Pの外形寸法(部品サイズ)等が含まれている。
図4は、部品データ60の主要なパラメータを示す表である。部品データ60の詳細については後述する。生産プログラムには、生産が予定されている基板Bの生産枚数や品種に関する情報、基板Bに実装される部品Pの数や種類に関する情報、各部品Pを基板Bに実装する実装位置に関する情報、それらの部品Pの実装順序に関する情報等が含まれている。
【0058】
[送りピッチの設定値]
基板Bの生産に先立って、オペレータは部品P毎に送りピッチを設定し、生産プログラムを作成する必要がある。部品供給テープ16の現物が手元にある場合、部品収納部16C間の距離D1を実際にメジャー等で測定することにより、送りピッチの設定値を決定することができる。しかしながら、部品供給テープ16の現物がない場合には、送りピッチを部品Pの外形寸法等から推定し、設定する必要がある。部品供給テープ16の現物を入手するまでは、オペレータは送りピッチの設定値が適切であるかチェックすることが困難であった。
【0059】
本実施形態にかかる送りピッチチェック方法によれば、オペレータが設定した送りピッチの設定値が適切であるか外部端末1により判定することができる。すなわち、実装ライン外において送りピッチの設定値が適切であるか判定することができる。送りピッチの設定値が適切と判定されれば、その送りピッチの設定値に基づいて作成された生産プログラムのタクトシミュレーションの信頼性を向上させることができる。また、送りピッチの設定値が適切でないと判定された場合、生産前に生産プログラムを修正することができる。
【0060】
図5を参照して本開示の送りピッチチェック方法にかかるフローの概略を説明する。まず、オペレータにより送りピッチの設定値が入力される(S10)。本実施形態では、
図4に示すように、部品データ60は送りピッチの設定値を含み、オペレータによって任意の数値を入力可能となっている。部品データ60には外部端末1からアクセス可能とされている。生産プログラムは、この部品データ60とその他各種のデータを用いて、制御部51により作成されるようになっている。
【0061】
外部端末1の制御部2により、送りピッチの設定値がチェックされる(送りピッチチェック処理、
図5のS11)。本実施形態の送りピッチチェック処理では、外部端末1の制御部2は、送りピッチの設定値が適切であるか判定するだけでなく、送りピッチの設定値を自動で修正するか、あるいはオペレータに修正を促すようになっている(詳細後述)。送りピッチチェック処理は、オペレータが選択した部品Pのみについて行われてもよいし、生産にかかる全ての部品Pについて行われてもよい。また、後述するように、送りピッチ確認済みフラグが設定されていない部品Pのみについて、ピッチチェック処理が行われてもよい。
【0062】
S11の後、オペレータまたは部品実装装置10により、送りピッチの設定値が実際に最適であるか実装ライン内においてチェックされる(S12、詳細後述)。S12において送りピッチが最適に設定された後、基板Bの生産が行われる(S13)。
【0063】
[送りピッチチェック処理]
本実施形態の送りピッチチェック処理のフローについて
図6を参照しつつ説明する。
まず、部品データ60から部品サイズが取得される(S20)。ここで、部品サイズとは部品供給テープ16の送出方向(X1方向)における部品Pの寸法を指す。
図3に示す場合、部品Pの部品サイズはD2である。
図4においては、部品サイズは外形寸法の長さ(X1)である。
【0064】
チップ部品等の部品サイズは、外形寸法のうち2番目に大きい寸法であることが多く、比較的推測しやすい(
図3参照)。しかし、SOPやQFP等の大型部品においては、部品供給テープ16に対する配置がその形状等により異なるため、外形寸法から部品サイズを推測することが難しい場合がある。このような場合、形状や大きさが類似した部品Pの部品サイズを参照することができる。また、リードを有する部品Pについては、リード長等も考慮して部品サイズを計算する場合もある。
【0065】
次に、送りピッチの設定値が部品サイズより大きいか判定がなされる(S21)。前述したように、送りピッチはX1方向に隣り合う部品Pの中心間の距離と等しいから、部品供給テープ16の構成上、送りピッチは部品サイズより必ず大きくなる。すなわち、送りピッチの設定値が部品サイズ以下である場合(S21:No)、送りピッチの設定値が適切でないと判定されることとなる(S22)。S22以降のフローについては、後述する。
【0066】
送りピッチの設定値が部品サイズより大きい場合(S21:Yes)、推奨値取得処理が行われる(S23)。
【0067】
[実施形態1の推奨値取得処理]
実施形態1の推奨値取得処理の詳細について説明する。本実施形態では、部品データ60は送りピッチの最適値が既知である部品P(既知部品P1とする)のデータを含んでいる。ここで、送りピッチの最適値が既知である場合とは、部品実装装置10上で送りピッチが確認されている場合、生産実績がある(生産プログラムが作成済みである)場合、部品供給テープ16の採寸により送りピッチが確認されている場合等が挙げられる。そして、部品データ60は、既知部品P1の部品サイズと既知部品P1の送りピッチの最適値との相関関係を示す相関表65(
図8参照)を含んでいる。相関表65は、オペレータが作成してもよいし、部品実装装置10の制御部51や外部端末1の制御部2により作成されてもよい。
【0068】
図7に示すように、実施形態1の推奨値取得処理では、まず相関表65が参照される(S30)。そして、部品Pの部品サイズに対応する送りピッチの最適値が相関表65から読み取られ、送りピッチの推奨値とされる(S31)。例えば、
図8の相関表65に示すように、既知部品AAAA,BBBB,CCCC,…の部品サイズと送りピッチの最適値との関係から、このタイプのフィーダー13及び部品供給テープ16では、部品サイズが1.3mm未満の場合、送りピッチの最適値が2mmとなっており、部品サイズが1.3mm以上かつ2.5mm未満の場合、送りピッチの最適値が4mmとなっている。一方、
図4に示すように、部品DDDDは、これら既知部品AAAA,BBBB,CCCC,…と、フィーダー13の機種(F1)、キャリアテープ16Aの幅(5mm、
図3に示すD3)、キャリアテープ16Aの素材(PS)が同一である。ここで、部品DDDDの部品サイズは1.3mmであるから、部品DDDDの送りピッチの推奨値は4mmとなる。
【0069】
図6に示すように、推奨値取得処理(S23)の後、送りピッチの設定値が推奨値と等しいか判定がなされる(S24)。送りピッチの設定値が推奨値と等しい場合(S24:Yes)、送りピッチの設定値が適切であると判定される(S25)。例えば、
図4に示す場合、部品DDDDの送りピッチの設定値は4mmとなっており、推奨値と等しいから、設定値が適切であると判定される。
【0070】
送りピッチの設定値が推奨値と異なる場合には(
図6のS24:No)、送りピッチの設定値が適切でないと判定される(S26)。この場合、送りピッチの設定値が自動的に推奨値に変更されるようにしてもよい(自動変更処理、S27)。
【0071】
続いて、
図6のS22以降のフローについて説明する。送りピッチの設定値が適切でないと判定された後、S23と同様にして推奨値取得処理が行われる(S28)。これにより、送りピッチの設定値の適否判定だけでなく、自動変更処理を行うことができる(S27)。
【0072】
また、S27では自動変更処理の代わりに、
図9に示す通知処理が行われてもよい。通知処理では、送りピッチの設定値が適切でない旨のメッセージと送りピッチの推奨値が表示部5に表示される(S40)。この表示により、オペレータが送りピッチの設定値を操作部4により修正できるようにしてもよい(S41)。
【0073】
例えば、
図10は、部品EEEEの送りピッチの設定値が2mmであった場合に、通知処理により、表示部5に表示される通知70である。
図4において、部品EEEEの長さ(X1)、すなわち部品サイズは2.2mmであり、送りピッチの設定値2mmより大きい。よって、送りピッチの設定値が部品サイズに適合していない旨のエラーメッセージが通知されている。また、通知70は、エラーメッセージとともに推奨値4mmを含んでいる。この推奨値は、部品EEEEと同タイプのフィーダー13(F2)及び部品供給テープ16を有する既知部品P1の部品サイズと送りピッチの最適値との相関関係から導出されている(相関表は不図示)。通知70においては、オペレータが操作部4により任意の修正値を入力し直すことで、送りピッチを再度設定可能となっている。なお、修正値のデフォルト値は推奨値とされている。
以上により、送りピッチチェック処理が終了する。
【0074】
[送りピッチ確認済みフラグ]
本実施形態では、送りピッチチェック処理が完了した部品Pを、部品実装装置10上で部品認識することにより、送りピッチチェック処理によりチェックされた送りピッチの設定値が適切であることが確認された場合に、部品データ60に送りピッチ確認済みフラグが設定されるようになっている。詳細には、フィーダー13からキャリアテープ16Aを単位長さ(例えば1mm)だけ送り、部品供給位置に位置するキャリアテープ16Aを基板撮像カメラ42により撮像し、撮像画像を用いて部品認識を行うという一連の動作が、所定回数繰り返される。送りピッチが設定値の整数倍である場合にのみ、部品供給位置に部品Pが配されて、部品認識に成功していることにより、送りピッチチェック処理によりチェックされた送りピッチの設定値が適切であることが確認できる。部品実装装置10上での部品認識、及び送りピッチ確認済みフラグの設定は、部品実装装置10の制御部51により行われる。
【0075】
また、上記の場合に加え、オペレータが部品供給テープ16の現物の部品収納部16C間の距離D1を測ることで、送りピッチを確認した場合にも、送りピッチ確認済みフラグを設定できる構成としてもよい。
【0076】
図4に示す部品データ60においては、既知部品AAAA,BBBB,CCCCに、送りピッチ確認済みフラグが設定されている(ON状態)。部品DDDD,EEEEについては、送りピッチ確認済みフラグは設定されていない(OFF状態)。
【0077】
送りピッチ確認済みフラグが設定されている部品Pについては、次回以降の生産開始前に部品実装装置10上での送りピッチの設定値の確認を省略してもよいし、次回以降の外部端末1による送りピッチチェック処理を省略してもよい。
【0078】
[実施形態1の作用効果]
以上のように、実施形態1にかかる送りピッチチェック方法は、部品Pが一定の間隔を空けて保持された部品供給テープ16を一定の送りピッチで送りながら部品Pを供給するフィーダー13を備える部品実装装置10の生産プログラムを作成するために、予め部品P毎に設定される送りピッチの設定値をチェックする送りピッチチェック方法であって、部品Pの部品サイズを含む部品データ60に基づいて、設定値が適切であるか判定する、送りピッチチェック方法である。
【0079】
部品供給テープ16の現物がない場合でも、部品データ60に基づいて、送りピッチの設定値が適切であるか判定することができる。また、実装ライン外において送りピッチの設定値が適切であるか判定することができる。
【0080】
実施形態1の送りピッチチェック方法において、設定値が部品サイズ以下である場合には設定値が適切でないと判定することが好ましい。
【0081】
送りピッチの設定値が部品サイズ以下になることを防止することができる。
【0082】
実施形態1の送りピッチチェック方法において、部品データ60に基づいて、送りピッチの推奨値を取得し、設定値を推奨値に変更することが好ましい。
【0083】
送りピッチの設定値が推奨値に変更されるから、送りピッチの設定値が適切である可能性を高めることができる。
【0084】
実施形態1の送りピッチチェック方法において、部品データ60に基づいて、送りピッチの推奨値を取得し、設定値が適切でない旨のメッセージと推奨値とを通知することが好ましい。
【0085】
送りピッチの設定値が適切でない旨及び送りピッチの推奨値をオペレータが認識することができる。
【0086】
実施形態1の送りピッチチェック方法において、部品データ60に基づいて、送りピッチの推奨値を取得し、設定値と推奨値とが等しい場合には設定値が適切であると判定し、設定値と推奨値とが異なる場合には設定値が適切でないと判定することが好ましい。
【0087】
送りピッチの設定値と推奨値とを比較することにより、送りピッチの設定値が適切であるかさらに正確に判定することができる。
【0088】
実施形態1の送りピッチチェック方法において、設定値が適切でないと判定された場合、設定値を推奨値に変更することが好ましい。
【0089】
送りピッチの設定値が推奨値に変更されるから、送りピッチの設定値が適切である可能性を高めることができる。
【0090】
実施形態1の送りピッチチェック方法において、設定値が適切でないと判定された場合、設定値が適切でない旨のメッセージと推奨値とを通知することが好ましい。
【0091】
送りピッチの設定値が適切でない旨及び送りピッチの推奨値をオペレータが認識することができる。
【0092】
実施形態1の送りピッチチェック方法において、送りピッチの最適値が既知とされる部品Pは、既知部品P1とされ、部品データ60は、既知部品P1の部品サイズと最適値との相関関係を示す相関表65を含み、相関表65を参照して、部品Pの部品サイズに対応する送りピッチの推奨値を取得することが好ましい。
【0093】
既知部品P1の部品サイズと送りピッチの最適値との相関関係を示す相関表65に基づいて、部品Pの部品サイズに対応する送りピッチの推奨値を取得することができる。
【0094】
実施形態1の送りピッチチェック方法において、部品実装装置10は、部品Pが供給される部品供給位置に位置する部品Pを吸着する実装ヘッド32と、部品供給位置に位置する部品供給テープ16及び部品Pを撮像可能なカメラ(基板撮像カメラ42)と、を有し、部品供給テープ16を所定の単位長さだけ送り出してカメラにより部品供給位置で部品供給テープ16を撮像する動作を繰り返し、部品供給テープ16が設定値だけ送り出された場合にのみ部品Pの撮像に成功した場合に、送りピッチ確認済みフラグを設定することが好ましい。
【0095】
送りピッチ確認済みフラグが設定されているか否かにより、送りピッチの設定値が正しいことをオペレータが認識することができる。
【0096】
実施形態1のプログラムは、上記の送りピッチチェック方法をコンピューター(外部端末1)に実行させるプログラムである。
【0097】
<実施形態2>
本開示の実施形態2について、
図11を参照しつつ説明する。なお、実施形態2の送りピッチチェック処理(送りピッチチェック方法)は、推奨値取得処理を除いて、実施形態1と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0098】
本実施形態では、送りピッチの複数の候補値と部品サイズとの大小関係から推奨値を決定する。フィーダー13には、それぞれ部品供給テープ16を送り出すことができる送りピッチが複数用意されている。すなわち、送りピッチは複数の候補値を有している。送りピッチの複数の候補値は、フィーダー13の機種等により異なるが、例えば、小さい方から2mm、4mm、6mm、…というように離散的な数値となっている。
【0099】
実施形態2にかかる推奨値取得処理では、まず送りピッチの複数の候補値が取得される(S50)。複数の候補値は、フィーダー13の制御部や、部品実装装置10の制御部51、記憶部52の各種のデータ等から取得することができる。
【0100】
得られた複数の候補値のうち、部品Pの部品サイズより大きく、かつ最小の候補値が推奨値とされる(S51)。部品Pの種類にもよるが、このように推奨値を取得することにより、比較的容易に、送りピッチの最適値を推測することができる。
【0101】
[実施形態2の作用効果]
実施形態2の送りピッチチェック方法において、設定値は、フィーダー13で部品供給テープ16を送り出し可能とされる複数の候補値から選択されるようになっており、複数の候補値のうち、部品Pの部品サイズより大きく、かつ、最小とされる候補値を推奨値とすることが好ましい。
【0102】
フィーダー13で部品供給テープ16を送り出し可能とされる複数の候補値と、部品Pの部品サイズと、の比較により、推奨値を取得することができる。
【0103】
<実施形態3>
本開示の実施形態3について、
図12を参照しつつ説明する。なお、実施形態3の送りピッチチェック処理(送りピッチチェック方法)は、推奨値取得処理を除いて、実施形態1と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0104】
本実施形態では、部品Pと類似する既知部品P1の送りピッチの最適値が推奨値とされる。詳細には、まず部品データ60から部品Pと部品サイズが類似し、部品供給テープ16の種類(キャリアテープ16Aの幅や素材等)、及びフィーダー13の種類が同一とされる既知部品P1があるか否かの判定がなされる(S60)。ここで、部品サイズが類似する場合とは、例えば、部品Pの部品サイズ(長さ(X1))と比較して、既知部品P1が誤差10パーセント以内に収まる部品サイズを有する場合等とすることができる。なお、部品サイズ(長さ(X1))以外の外形寸法(幅(Y1)、高さ(Z))についても、既知部品P1が部品Pと類似する寸法を有することがより好ましい。
【0105】
部品Pに類似する既知部品P1がある場合(S60:Yes)、その既知部品P1の送りピッチの最適値が推奨値とされる(S61)。例えば、実施形態1の
図4において、部品DDDDの送りピッチの設定値のチェックを行う場合、既知部品CCCCは部品DDDDと同様の外形寸法を有し、フィーダー13の機種、キャリアテープ16Aの幅及び素材が同一であることから、部品DDDDに類似しているといえる。よって、部品CCCCの送りピッチの最適値4mmが、部品CCCCの送りピッチの推奨値とされる。
【0106】
一方、部品Pに類似する既知部品P1がない場合(S60:No)、その旨を通知するメッセージが表示部5に表示される(S62)。なお、部品Pに類似する既知部品P1がない場合には(S60:No)、S62の代わりに、実施形態1あるいは実施形態2の推奨値取得処理がなされてもよい。
【0107】
[実施形態3の作用効果]
実施形態3の送りピッチチェック方法において、送りピッチの最適値が既知とされる部品Pは、既知部品P1とされ、部品データ60は、部品供給テープ16の種類と、フィーダー13の種類と、を含み、部品Pと部品サイズが類似し、部品供給テープ16の種類及びフィーダー13の種類が同一である既知部品P1が存在する場合、その既知部品P1の最適値を推奨値とすることが好ましい。
【0108】
部品Pと部品サイズが類似し、部品供給テープ16の種類及びフィーダー13の種類が同一である既知部品P1の送りピッチの最適値を推奨値として用いることができる。
【0109】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態1では、送りピッチチェック処理は、送りピッチの設定値と部品サイズとの大小関係を判定する処理(
図6のS21)を含んでいたが、送りピッチの設定値と部品サイズとの大小関係を判定する処理は省略してもよい。
(2)上記実施形態1から3では、送りピッチチェック処理(送りピッチチェック方法)は、特に言及しない限り、外部端末1の制御部2により実行されたが、送りピッチチェック処理(送りピッチチェック方法)の少なくとも一部は、部品実装装置10の制御部51やオペレータにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1:外部端末(コンピューター)
2:制御部、3:記憶部、4:操作部、5:表示部
10:部品実装装置
11:基台、12:部品供給部、13:フィーダー、14:搬送コンベア、15:搬送ベルト、16:部品供給テープ、16A:キャリアテープ、16B:トップテープ、16C:部品収納部、16D:係合孔、20:駆動装置、21:X軸ビーム、22:Y軸フレーム、23:X軸サーボモータ、24:Y軸サーボモータ、30:ヘッドユニット、31:ヘッドユニット本体、32:実装ヘッド、40:側面撮像カメラ、41:第1照明、42:基板撮像カメラ(カメラ)、43:部品撮像カメラ、50:制御装置、51:制御部、52:記憶部、53:操作部、54:表示部
60:部品データ、65:相関表
70:通知
B:基板、P,DDDD,EEEE:部品、P1,AAAA,BBBB,CCCC:既知部品、D1:部品収納部間の距離、D2:部品サイズ、D3:キャリアテープの幅