(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043658
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240326BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240326BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148767
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005005
【氏名又は名称】不二サッシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 望
(57)【要約】
【課題】光源から天井や壁面の反射を経ていない光の漏洩を抑制する。
【解決手段】光源20が設置される設置板部31と、光源20からの光を遮蔽する遮蔽板部32と、遮蔽板部32に連なる基板部33と、建造物に直接的又は間接的に取り付けられる取付板部34とを備える形材30を有し、遮蔽板部32は、基板部33から角部を介して設置板部31又は基板部33に対する光源20側に向かって延出され、形材30の側方の端部において、遮蔽板部32の光源20との対向面側であって、遮蔽板部32の延出端部から角部を介して光源側に向かって配置された被覆部材40を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源が設置される設置板部と、前記光源からの光を遮蔽する遮蔽板部と、前記遮蔽板部に連なる基板部と、建造物に直接的又は間接的に取り付けられる取付板部とを備える形材を有し、
前記遮蔽板部は、前記基板部から角部を介して前記設置板部又は前記基板部に対する前記光源側に向かって延出され、
前記形材の側方の端部において、前記遮蔽板部の前記光源との対向面側であって、前記遮蔽板部の延出端部から前記角部を介して前記光源側に向かって配置された被覆部材を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
直列に並んだ複数の前記形材を備え、
隣り合う二つの前記形材に渡って前記被覆部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記形材の壁側の端部に前記被覆部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記遮蔽板部は、前記基板部から前記延出端部とは逆側に突出した突出部を有し、前記突出部は、その先端部に至るまで平板状であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記取付板部は、前記設置板部又は前記基板部に連なると共に前記設置板部又は前記基板部から離隔する方向に延出され、その延出端部に至るまで平板状であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記設置板部は、前記基板部よりも前記遮蔽板部の延出方向側に位置することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記設置板部と前記基板部とが、いずれも前記遮蔽板部に連なっており、
前記遮蔽板部から前記設置板部に連なる角部と前記遮蔽板部から前記基板部に連なる角部の双方に前記被覆部材が配置されていることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間接照明を利用した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建造物に利用される照明装置として、間接照明が利用される場合がある。間接照明は、光源の照明を天井や壁面に照射して、その反射光を間接光として利用している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記間接照明を利用した照明装置は、光源から天井や壁面の反射を経ていない光が建造物の利用者や居住者の視界に直接入らないように、遮蔽部が設けられている。
しかしながら、遮蔽部は、壁面側の端部や遮蔽部と遮蔽部とのつなぎ目から光源からの光が漏れ出る場合があった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するために、光源から天井や壁面の反射を経ていない光の漏洩を抑制することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、
照明装置において、
光源が設置される設置板部と、前記光源からの光を遮蔽する遮蔽板部と、前記遮蔽板部に連なる基板部と、建造物に直接的又は間接的に取り付けられる取付板部とを備える形材を有し、
前記遮蔽板部は、前記基板部から角部を介して前記設置板部又は前記基板部に対する前記光源側に向かって延出され、
前記形材の側方の端部において、前記遮蔽板部の前記光源との対向面側であって、前記遮蔽板部の延出端部から前記角部を介して前記光源側に向かって配置された被覆部材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本願発明は、被覆部材が、形材の側方の端部において、遮蔽板部の光源との対向面側であって、遮蔽板部の延出端部から角部を介して光源側に向かって配置されている。
このため、照明装置が設定された建造物内の人が目にする可能性がある遮蔽板部の前面からの光の漏洩を効果的に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第一の天井面の第二の壁面側の端部に第二の天井面が延在する建造物の内装を示す斜視図である。
【
図2】第一の天井面の、第二の壁面から離隔した位置に第二の天井面が延在する建造物の内装を示す斜視図である。
【
図3】
図1又は
図2に示す建造物の第一の天井面又は第二の天井面を形成するための構造物を示す斜視図である。
【
図4】第一の実施形態の照明装置を右方から見た側面図である。
【
図9】
図8とは異なる方向から見た形材の斜視図である。
【
図10】照明装置の取り付け方法の最初の工程を示した右側面図である。
【
図11】照明装置の取り付け方法の
図10に続く工程を示した右側面図である。
【
図12】照明装置の取り付け方法の
図11に続く工程を示した右側面図である。
【
図13】
図4に示す造作に替えて先付材を利用して照明装置を取り付ける例を示した右側面図である。
【
図14】第二の実施形態の照明装置を右方から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る照明装置の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態はあくまで本発明の一例であり、本発明が下記に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更可能である。
下記の実施形態は、本発明に係る照明装置を、例えば、天井面を用いた間接照明(いわゆるコーブ照明)に適用した場合について示している。
【0010】
以下の実施形態では、
図1又は
図2に示すように、建造物内の第一の天井面C1よりも低く設けられた第二の天井面C2側に設けられた照明装置10,10A(
図4、
図14参照)を例示する。
図1は第一の天井面C1の第二の壁面W2側の端部に第二の天井面C2が延在する建造物の内装を例示する。
図2は第一の天井面C1の、第二の壁面W2から離隔した位置に第二の天井面C2が延在する建造物の内装を例示する。
【0011】
図1及び
図2に示すように、実施の形態の説明の便宜上、第一の壁面W1に沿った水平方向を前後方向、第二の壁面W2に沿った水平方向を左右方向とする。なお、第一の壁面W1に対する第二の壁面W2側を「後」とし、その逆側を「前」とする。また、第二の壁面W2に対する第一の壁面W1側を「左」、その逆側を「右」とする。
また、第一の天井面C1と第二の天井面C2は、いずれも水平面であり、これらの天井面C1、C2に直交する方向を鉛直上下方向とする。
【0012】
後述する各実施形態では、照明装置10,10Aが
図1又は
図2に示す建造物内に設置された前提でこれらの図に示す各方向に基づいて説明を行う。
また、以下に示す実施形態では、
図1又は
図2に示す建造物において、第二の天井面C2の前端部側に左右方向に沿って照明装置10,10Aが設けられた場合を例示する。
なお、
図2の建造物の場合には、第二の天井面C2の後端部側にも左右方向に沿って照明装置10,10Aを設けてもよい。
【0013】
ここで、
図3は
図1又は
図2に示す建造物の第一の天井面C1又は第二の天井面C2を形成するための構造物100を示す斜視図である。
この構造物100は、吊りボルト110と、ハンガー120と、野縁受け130と、クリップ140と、野縁150とを、いずれも複数有する。
【0014】
野縁受け130及び野縁150は、例えば、所定の長さを有する断面が略コ字状の軽量鉄骨材である。なお、十分な剛性が確保できるのであれば、野縁受け130及び野縁150は、非鉄金属、例えば、断面形状の等しいアルミニウム合金の形材や木製、樹脂製の形材を利用してもよい。また、これらの断面形状は、他の形状、例えば、略C字状、略M字状、略I字状、略H字状、略T字状、略L字状、開口四角形状等であってもよい。
【0015】
複数の野縁受け130は、同一の水平方向(例えば、前後方向)に平行であってその直交方向(例えば、左右方向)に一定の間隔で並んで配置されている。
各野縁受け130は、前後方向の各所において、上から吊下された複数のハンガー120によって支持されている。ハンガー120は、上端部が吊りボルト110に締結されており、下端部がフック状に屈曲して野縁受け130を下から支える。
吊りボルト110は、その上端部が、建造物の天井面或いは天井面側に設けられたより強固な構造物に埋設又は締結されて固定されている。また、吊りボルト110の下端部は、ハンガー120の上端部に設けられたネジ穴に螺入され、一対のナットで上下からハンガー120を挟んで固定しており、当該一対のナットによりハンガー120の位置を上下に調整することが可能になっている。
【0016】
複数の野縁150は、野縁受け130と直交する同一の水平方向(例えば、左右方向)に平行であってその直交方向(例えば、前後方向)に一定の間隔で並んで配置されている。
各野縁150は、左右方向の複数個所において、野縁受け130に支持されたクリップ140によって係止されている。各野縁150は、断面における開口部が上方に向けられており、両側の側壁部の上端部が折り返されてフック状を呈している(
図4及び
図5参照)。クリップ140は、野縁受け130を上から抱持する構造であって、その下端部には、一対の係止爪を有する。クリップ140は、野縁150の開口部から内側に挿入され、両側の側壁部のフック状の部位に各係止爪を下方から挿入して野縁受け130の下側に野縁150を連結する。
【0017】
各野縁150は、各々の底面部が同一の水平面上に並んだ状態で各野縁受け130に支持される。そして、この水平面に石膏ボード等のボード材が取り付けられて、第二の天井面C2が形成される。
また、第一の天井面C1も同様に複数の野縁150によって形成してもよい。
【0018】
[第一の実施形態]
次に、第一の実施形態として、第二の天井面C2に設けられた照明装置10を説明する。
図4は照明装置10を右方から見た側面図、
図5は拡大した同側面図、
図6は正面図、
図7は照明装置10の壁側端部の正面図である。
第一の天井面C1の後端部と第二の天井面C2の前端部の間には、前方を向いた壁面部を構成する造作W3が設けられている。この造作W3は、左右方向について、第二の天井面C2と等しい長さで形成された角柱又は角筒である。
【0019】
照明装置10は、光源としてのLEDユニット20と、形材30と、被覆部材としてのジョイントプレート40とを有する。
照明装置10は、第二の天井面C2の前端部側で当該第二の天井面C2の左右方向のほぼ全長に渡って設けられている。
【0020】
[LEDユニット]
LEDユニット20は、LED素子21、回路基板(図示略)、拡散レンズ22を有する。
LEDユニット20は、一つのLED素子21を有する構成としても良いし、一列に並んだ複数のLED素子21を有する構成としても良い。
一つのLED素子21を有する構成の場合には、複数のLEDユニット20が形材30に左右方向に並んで一定の間隔で設けられる。
複数のLED素子21を有する構成の場合には、LED素子21の並び方向を左右方向に向けた状態でLEDユニット20が形材30に設けられる。LEDユニット20が形材30よりも短い場合には、形材30に対して複数のLEDユニット20を直列に配置してもよい。
いずれの場合も、LED素子21は、上方に向けられて形材30に配置される。なお、LED素子21の向きは上方に限定されず、他の方向を向いても配置してもよい。
【0021】
回路基板は、LED素子21の駆動回路(電源回路、調光回路等)が形成されている。
拡散レンズ22は、LED素子21の上方に設けられており、LED素子21からの出射光を拡散する。拡散レンズ22は、複数のLED素子21に対応する長尺のものでもよい。また、拡散レンズ22に替えて拡散板を使用してもよい。
【0022】
[形材]
図8は形材30の斜視図、
図9は異なる方向から見た形材30の斜視図である。
図4~
図9に示すように、形材30は、設置板部31と、遮蔽板部32と、基板部33と、取付板部34とを有し、これらは一体的に形成されている。
設置板部31は、LEDユニット20が設置される。
遮蔽板部32は、上下方向に延在してLEDユニット20から室内へ直接的に照射される光を遮蔽する。
基板部33は、形材30の底部に位置し、遮蔽板部32に連接されている。
取付板部34は、建造物内に構造物100や造作W3等を介して間接的に取り付けられ、照明装置10全体を固定する。なお、取付板部34は、建造物内の壁面等に直接的に取り付けてもよい。
【0023】
形材30は、例えば、
図4及び
図5に示す右側面視の端面形状が左右方向(長手方向)に一様に連続した形状となっている。形材30は、例えば、アルミニウム合金の押し出し加工により、
図4及び
図5に示す右側面視の端面形状が左右方向に一様に連続するように形成される。但し、厳密には、設置板部31、遮蔽板部32、基板部33、取付板部34のいずれかにおいて、平板状の厚さ方向に凸部や凹部や貫通孔が設けられている場合がある。
【0024】
なお、形材30は、十分な剛性が確保できるのであれば、アルミニウム合金以外の材料、例えば、軽量金属材料や樹脂から構成してもよい。但し、形材30は、軽量化の要請にも対応する材料とすることが好ましい。
また、形材30は、押し出しに限らず、他の方法で形成してもよい。
【0025】
形材30は、第二の天井面C2の左右方向のほぼ全長に渡って、複数本が直列に並べられて配置されている。
第二の天井面C2の左右方向の全長の等しい一本の形材30を使用することも可能である。しかしながら、製造性や運搬性を考慮した場合、より短い長さ(例えば、1~2[m]程度)の複数本の形材30を直列に並べて使用する方が有利である。
【0026】
形材30の取付板部34は、左右方向の全長に渡って設置板部31と一体的に連接されている。即ち、取付板部34は、設置板部31から上方(離隔する方向)に向かって延出されている。
取付板部34は、上下左右方向に平行に向けられた状態で前述した取り付けの対象となる造作W3の前面下端部に取り付けられる矩形の平板体である。取付板部34の左右方向の長さは、形材30の他の部位の全長と等しい。
取付板部34は、前面の上端部に左右方向に沿って所定幅の第一凹溝341とこれより幅の狭い第二凹溝342とが形成されている。
取付板部34は、第一凹溝341及び第二凹溝342以外は全体的に凹凸がない平板状を呈し、その上端部は真っ直ぐに上方に延びている。即ち、取付板部34は、上方に延出され、その上端部に至るまでその表裏面に凸部を有さない平板状である。
【0027】
取付板部34は、ネジ止めによって造作W3に固定される。その際に使用されるネジ91は、例えば、皿ネジであってタッピングネジやドリルビス等が利用される。
第一凹溝341は、ネジ91の頭部の外径より幾分上下幅が広い。第二凹溝342は、上下幅が第一凹溝341よりも十分に狭く、第一凹溝341の内底部における上下方向中央部に位置している。
ネジ91は、取付板部34の前側から第二凹溝342に位置決めしてねじ込まれ、造作W3に締結後は、頭部が第一凹溝341内に収まり、前方に突出しない。
【0028】
設置板部31は、第一脚部311と、第二脚部312と、台座部313とを有する。台座部313は、基板部33の上面から立設された第一脚部311及び第二脚部312を介してその上方に位置している。つまり、台座部313は、基板部33よりも後述する遮蔽板部32の延出方向側(上側)に位置している。
【0029】
台座部313は、前後左右方向に平行となる矩形の平板体であって、その後端部が一様に取付板部34の下端部と一体的に連接されている。台座部313の左右方向の長さは、形材30の他の部位の全長と等しい。
台座部313の後端部と取付板部34の下端部との間には、直角を成す角部が左右方向の全長に渡って形成されている。なお、角部は直角に限定されない。
台座部313の上面は、LEDユニット20の設置領域である。LEDユニット20は、台座部313の上面における取付板部34との角部よりも幾分前側に接着、粘着テープ又はネジ止め等によって固定される。また、爪等の凹凸構造を台座部313とLEDユニット20との間に設け、凹凸の嵌合によってLEDユニット20を固定してもよい。
【0030】
また、台座部313には、
図8に示すように、LEDユニット20に下から配線し、放熱を行うための複数の貫通孔317が左右方向に並んで上下に貫通形成されている。各貫通孔317は、第二脚部312よりも後方に形成されているので、第一脚部311と第二脚部312の間よりも放熱に有利である。また、肉抜きによる軽量化の効果も期待できる。
【0031】
第一脚部311と第二脚部312は、いずれも、上下左右方向に平行となる矩形の平板体である。第一脚部311及び第二脚部312の左右方向の長さは、形材30の他の部位の全長と等しい。
【0032】
第一脚部311の後面は、上端部近傍において、台座部313の前端部に一体的に連接されている。そして、第一脚部311の上端部は、台座部313よりもわずかに上方に突出している。なお、この上端部は突出してなくともよい。
また、第一脚部311の下端部は、左右方向の全長に渡って基板部33の上面と一体的に連接されている。
【0033】
さらに、第一脚部311の下端部近傍の前面には、前方に向かって凸となる凸条部314が左右方向の全長に渡って形成されている。この凸条部314は、基板部33の上面に近接しており、凸条部314と基板部33の間には、後方に凹となる凹溝が形成される。この凹溝は、後述するジョイントプレート40の後方に向かって延出された端部が挿入され、当該ジョイントプレート40を係止する係止溝として機能する。この凹溝の上下幅は、ジョイントプレート40が挿入可能な幅、例えば、ジョイントプレート40の厚さ程度(例えば、1~数[mm])である。
【0034】
なお、凸条部314は、第一脚部311の左右方向の全長に渡って形成されているが、これに限定されず、ジョイントプレート40を係止する機能を果たせればよい。このため、凸条部314は、形材30の左右の端部に、少なくともジョイントプレート40の左右方向幅の1/2倍の範囲に設ける構成としてもよい。また、より望ましくは、凸条部314は、形材30の左右の端部にジョイントプレート40の左右方向幅と等しい範囲に設ける構成としてもよい。
【0035】
第二脚部312の上端部は、台座部313の下面における前後方向中央部より幾分前側部分に一体的に連接されている。なお、第二脚部312は、より後方に設けてもよい。
また、第二脚部312の下端部は、左右方向の全長に渡って基板部33の上面と一体的に連接されている。
【0036】
基板部33は、前後左右方向に平行となる矩形の平板体である。基板部33の左右方向の長さは、形材30の他の部位の全長と等しい。
基板部33の後端部は、第二脚部312よりも後方、さらには、取付板部34よりも後方まで延出されている。基板部33の延出された後端部の下面には、左右方向に沿って第一凹溝331が形成され、その内底部の前後方向中央部には左右方向に沿って第二凹溝332が形成されている。第一凹溝331及び第二凹溝332は、いずれも上方に凹となっている。
基板部33は、取付板部34と同種のネジ91が下からねじ込まれて、ボード材としての石膏ボードPB3を介して第二の天井面C2側の野縁150の下面に締結固定される。
基板部33の下面の第一及び第二凹溝331,332は、取付板部34の第一及び第二凹溝341,342と同じ構造を有し、同じ機能を有するものである。
【0037】
基板部33の後端部は、第二脚部312よりも後方、さらには、取付板部34よりも後方まで延出されている。このため、その上面に石膏ボードPB3の前端部を乗せた状態で、形材30の取付作業を行うことができる。さらに、形材30と共に石膏ボードPB3を締結することができ、照明装置10の取付作業を円滑且つ効率的に行うことが可能となる。
【0038】
また、基板部33の前端部は、設置板部31の第一脚部311よりも前方にまで延出され、遮蔽板部32の後面に一体的に連接されている。
この構造により、基板部33と設置板部31の台座部313との間には、基板部33側が低位置となる段差が形成されている。また、遮蔽板部32と第一脚部311との間には、下方に凹となる凹溝が左右方向の全長に渡って形成されている。
【0039】
また、基板部33の上面における第一脚部311と第二脚部312との間は、左右方向全長に渡って下方に凹となる凹状領域333が形成されている。この凹状領域333は、基板部33の他の部位よりも板厚が薄くなっている。また、台座部313における凹状領域333との対向部位も台座部313の他の部位よりも板厚が薄くなっている。
凹状領域333の周囲は、第一脚部311と第二脚部312と台座部313と基板部33とにより四方が囲まれた角パイプ構造により高い剛性を有する。このため、台座部313及び凹状領域333の板厚を薄くしても十分な剛性を確保することができ、板厚を薄くすることにより形材30の軽量化を実現している。
【0040】
遮蔽板部32は、形材30の最も前側に位置している。
遮蔽板部32は、基板部33から直角又は略直角の角部を介して上側(台座部313又は基板部33に対するLEDユニット20側)に延出された上側遮蔽部321と基板部33から下側(上側遮蔽部321の延出方向の逆側)に突出した突出部としての垂下部322とを有する。基板部33に対する遮蔽板部32の角部は、直角を例示しているが、これに限定されず、傾斜した角度でもよい。
【0041】
上側遮蔽部321は、上下左右方向に平行となる矩形の平板体であって、左右方向の長さは、形材30の他の部位の全長と等しい。
垂下部322も、上下左右方向に平行となる矩形の平板体であって、左右方向の長さは、形材30の他の部位の全長と等しい。
上側遮蔽部321と垂下部322は、各々の前面が面一で平坦に連なっているが、垂下部322の方が前後方向の板厚が厚くなっている。
【0042】
上側遮蔽部321は、少なくともその上端部(延出端部)の高さが、台座部313上のLEDユニット20の上端部(拡散レンズ22の上面)よりも高く設定されている。これは、遮蔽板部32の正面から見た場合に、LEDユニット20の拡散光が直接視界に入ることを防止するためである。
なお、照明装置10が、人の視線よりも明らかに高い位置に設けられる場合には、上側遮蔽部321の上端部の高さをLEDユニット20の上端部よりも幾分低くしてもよい。
【0043】
また、上側遮蔽部321の上端部には、後方に直角に折り返された折り返し片323が左右方向の全長に渡って形成されている。さらに、折り返し片323の下面の後端部には、下方に向かって凸となる凸条部324が左右方向の全長に渡って形成されている。
上側遮蔽部321と折り返し片323と凸条部324とにより、上方に凹となる凹溝が形成される。この凹溝は、後述するジョイントプレート40の上方に向かって延出された端部が挿入され、当該ジョイントプレート40を係止する係止溝として機能する。この場合も、凹溝の上下幅は、ジョイントプレート40が挿入可能な幅、例えば、ジョイントプレート40の厚さ程度(例えば、1~数[mm])である。
【0044】
なお、折り返し片323及び凸条部324の左右方向の全長に渡って形成されているが、これに限定されず、ジョイントプレート40を係止する機能を果たせればよい。このため、折り返し片323及び凸条部324は、形材30の左右の端部に、少なくともジョイントプレート40の左右方向幅の1/2倍の範囲に設ける構成としてもよい。また、より望ましくは、折り返し片323及び凸条部324は、形材30の左右の端部に、ジョイントプレート40の左右方向幅に等しい範囲に設ける構成としてもよい。
【0045】
垂下部322は、前述した通り、基板部33より下方は凹凸がない平板状を呈し、その下端部は真っ直ぐに下方に延びている。即ち、垂下部322は、下方に延出され、その下端部に至るまでその表裏面に凸部も凹部も有さない平板状である。
このため、垂下部322の下端面322aは、前後方向の幅を板厚と等しい最小限の幅とすることができる。
【0046】
照明装置10を第二の天井面C2に設置した場合、別部材で被覆しない限り、垂下部322の下端面322aは、人の視界に入り、視覚的に容易に認識可能である。
そのような場合でも、垂下部322の下端面322aを最小限の幅としているので、第二の天井面C2及び照明装置10の意匠性を損なわずに高く維持することが可能である。
【0047】
また、垂下部322は、基板部33の下面にボード材としての石膏ボードPB4を取り付ける作業を行う場合に、石膏ボードPB4の前端部の位置決めに利用することができる。このため、垂下部322により、照明装置10及びその周辺の設置作業の作業性の向上を図ることが可能となる。
図4及び
図5では、垂下部322の下方突出長さが石膏ボードPB4の厚さよりも長い場合を例示している。しかし、垂下部322の下方突出長さは、これに限定されず、石膏ボードPB4の厚さと等しくしても良しい、より短くしてもよい。
【0048】
[ジョイントプレート]
前述したように複数の形材30を左右方向に直列に並べて設置する場合、隣り合う形材30の左右方向(側方)の端部同士を突き合せて取付作業が行われる。また、複数の内で最も端に位置する形材30の一端部は、対向する壁面(例えば、第一の壁面W1)に端部を突き合せて取付作業が行われる。
これらの場合、隣り合う形材30の端部と端部の間や形材30の一端部と壁面との間には隙間が生じやすい。
【0049】
このため、
図6及び
図7に示すように、遮蔽板部32の後面(LEDユニット20側の面)側にジョイントプレート40が取り付けられる。
即ち、隣り合う形材30の対向する端部から端部に渡されるように、遮蔽板部32の後面側にジョイントプレート40が取り付けられる。
また、最も端に位置する形材30の場合には、遮蔽板部32の後面側に、壁側の端部に対向する壁面に突き当てるようにジョイントプレート40が取り付けられる。
【0050】
ジョイントプレート40は、遮光性があれば材料の種類は問わない。但し、ジョイントプレート40は、その上端部が上側遮蔽部321の上端部の凸条部324による凹溝に挿入され、後方延出端部が第一脚部311の下端部の凸条部314による凹溝に挿入されて係止される。
その場合、ジョイントプレート40は、上側遮蔽部321の後面と基板部33の上面とにそれぞれ接する縦板部41と横板部42とを有する側面視L字状としてもよい。
【0051】
特に、ジョイントプレート40を変形しにくい硬質材料(金属等)とする場合には、側面視L字状に形成されたものを使用する。
硬質材料からなるジョイントプレート40を形材30に装着する際には、形材30の左右方向の端部から、上側遮蔽部321の上端部の凹溝の第一脚部311の下端部の凹溝に挿入する。
【0052】
[照明装置の取り付け]
上記照明装置10の取り付け方法を図面に基づいて説明する。
図10~
図12は照明装置10の取り付け方法を工程順に示した右側面図である。なお、
図12の工程の次に
図4に示す工程を経て取り付け完了状態となる。
【0053】
図10は、第一の天井面C1を構成する構造物100及び第二の天井面C2を構成する構造物100における照明装置10の取り付け前の状態を示している。
高位置の構造物100及びボード材としての石膏ボードPB1,PB2が第一の天井面C1を構成する。
石膏ボードPB1,PB2は、上下に重ね合わされた状態で、構造物100の各野縁150の下面に、例えば、ネジ止め等により取り付けられている。
また、低位置の構造物100は、第二の天井面C2を構成する。第一の天井面C1の構造物100の後端部と第二の天井面C2の構造物100の前端部との間には、側壁を構成する造作W3が設けられている。造作W3は、上下の構造物100に対してネジ止め、接着等により固定してもよい。
【0054】
次に、
図11に示すように、作業者は、第二の天井面C2を構成する構造物100及び造作W3に対して照明装置10の形材30の取り付けを行う。
上記構造物100の各野縁150の下面に対して適正に配置した石膏ボードPB3の上面をあてがう。さらに、複数の形材30の基板部33の後端部を石膏ボードPB3の前端部の下面に当てて下から押さえる。
【0055】
そして、各形材30の基板部33の後端部の第一凹溝331及び第二凹溝332に対して下からネジ91を締結する。これにより、石膏ボードPB3を介して各形材30の基板部33を最も前側の野縁150の下面に固定する。
また、各形材30の取付板部34の上端部の第一凹溝341及び第二凹溝342に対して前方からネジ91を締結する。これにより、各形材30の取付板部34を造作W3の前面下部に固定する。
【0056】
さらに、各形材30の取り付けに伴い、壁面(例えば、第一の壁面W1)に面する形材30の端部と隣り合う形材30同士の境界にジョイントプレート40を装着する。
ジョイントプレート40は、上端部を上側遮蔽部321の上端部の凹溝に挿入し、後方延出端部を第一脚部311の下端部の凹溝に挿入する。これにより、ジョイントプレート40は、上側遮蔽部321と基板部33の成す角部も含めて形材30同士の境界を遮蔽することができる。
【0057】
さらに、壁面に面する形材30の端部にジョイントプレート40を装着する場合には、壁面に対してジョイントプレート40を突き当てながら装着する。隣り合う形材30同士の境界にジョイントプレート40を装着する場合には、境界の隙間をジョイントプレート40が塞ぐように装着する。いずれの場合も位置ずれが生じないように、適正に配置したジョイントプレート40は、形材30に対して接着等を行って固定してもよい。
【0058】
次に、
図12に示すように、作業者は、第二の天井面C2を構成する構造物100に対して石膏ボードPB4の取り付けを行う。
作業者は、石膏ボードPB4の前端部を形材30の遮蔽板部32の垂下部322の後面に突き当てて前後方向について位置決めする。
そして、形材30の基板部33の下面に石膏ボードPB4の上面を当てて、下方からネジ91を締結する。基板部33に対して設置板部31の台座部313は高くなっているので、ネジ91の長さを適宜選択することで、台座部313と基板部33との間に収めることができる。
これにより、ネジ91が基板部33の上面に達してLEDユニット20を傷つけたり、ネジ91の陰影が照明に影響することを回避することができる。
【0059】
次に、
図4及び
図5に示すように、作業者は、各形材30の取付板部34及び造作W3の前面側に石膏ボードPB5の取り付けを行う。
作業者は、取付板部34の前面に石膏ボードPB5の後面を押し当てて、石膏ボードPB5の前面側から造作W3の前面に向かってネジ91の締結を行う。
さらに、各形材30の設置板部31の台座部313にLEDユニット20を取り付ける。LEDユニット20は、その後面を石膏ボードPB5の前面側に押し当てた状態で、粘着テープによる貼りつけ、接着、ネジ止め等のいずれかの方法によって固定する。また、台座部313の各貫通孔317を通じてLEDユニット20の配線を行う。
なお、LEDユニット20は、形材30を構造物100等に取り付けるより前に形材30に取り付けておいてもよい。
以上の工程により、照明装置10の取り付け作業が完了する。
【0060】
[第一の実施形態の技術的効果]
照明装置10は、形材30の端部で、遮蔽板部32の後面側で上端部から角部を介して基板部33の上面に沿って後方に延出されたジョイントプレート40を有している。
このようにジョイントプレート40は、角部を介して遮蔽板部32と基板部33とに沿わせた状態で配置されている。このため、建造物内の人が目にする可能性がある遮蔽板部32の前面からの光の漏洩を効果的に抑制することが可能となる。
【0061】
例えば、遮蔽板部32に沿わせたジョイントプレートと基板部33とに沿わせたジョイントプレートとによってLEDユニット20からの光の漏洩を防ぐことも考えられる。しかしながら、LEDユニット20からの光は、形材30の各部における反射を生じ得る。このため、LEDユニット20からの光は、回り込みを生じ、二枚のジョイントプレートの間を通過するので、遮蔽板部32の前面側への漏洩を十分に防ぐことができない。
この場合、遮蔽板部32の前面を全体的に覆う化粧板等の部材が必要となる。
これに対して、ジョイントプレート40は、角部も遮蔽しているので、LEDユニット20からの光の回り込みも抑制し、光の漏洩を抑止できる。これに伴い、形材30は、遮蔽板部32の前面を覆う化粧板を不要とするので、照明装置10全体の軽量化をも図ることが可能となる。
【0062】
また、照明装置10では、
図6のように、直列に並んだ複数の形材30を備え、隣り合う二つの形材30に渡ってジョイントプレート40が配置されている。
従って、LEDユニット20からの光が漏洩し易い形材30同士のつなぎ目部分をジョイントプレート40が被覆し、前方への光の漏洩をより効果的に抑制することができる。
【0063】
また、照明装置10では、
図7のように、形材30の壁側の端部にもジョイントプレート40が配置されている。
従って、LEDユニット20からの光が漏洩し易い形材30と壁の隙間部分をジョイントプレート40が被覆し、前方への光の漏洩をより効果的に抑制することができる。
【0064】
また、照明装置10では、遮蔽板部32の垂下部322がその下端部に至るまでその表裏面に凸部を有さない平板状である。このため、垂下部322の下端面を当該垂下部322の板厚に等しい幅とすることができる。
垂下部322の下端面は、その配置により、下方から人の視界に入りやすい。このため、上記のように垂下部322の下端面の幅を板厚とすることで、見た目に対する影響を最小限に抑えることが可能となる。これにより、照明装置10の下方からの意匠性を高く維持することが可能となる。
【0065】
また、照明装置10では、取付板部34は、全体的に、上端部に至るまでその表裏面に凸部を有さない平板状である。このため、取付板部34は、高さ調節部等の実装が回避され、構造の簡易化及び形材30の軽量化を図ることが可能となる。
さらに、取付板部34は、高さ調節の機能を有することはできないが、平板状であって、シンプルな構造であることから、外部の取り付け位置の制限を低減することができる。従って、取り付け位置を調整することで、レイアウトの自由化や設置高さの自在な調整を実現することが可能となる。
【0066】
また、形材30の設置板部31は、基板部33よりも高くなっているので、基板部33の下面側に対するボード材等の取り付けに適した構造となる。
例えば、基板部33の下面側に石膏ボードPB4をネジ止めした場合でも、ネジ91が基板部33の上面に達することを抑制する。このため、ネジ91がLEDユニット20を傷つけたり、ネジ91の陰影が照明に影響することを回避することができる。
【0067】
[先付材の使用]
なお、上記照明装置10(後述する照明装置10Aも同様)では、取付板部34の取り付けを造作W3に行う例を示しているが、これに限定されない。
照明装置10の取り付けは、形材30の取付板部34及び基板部33の取り付けが可能な部材や構造物であれば、容易に取り付けが可能である。
例えば、
図13に示すように、造作W3に替えて、先付材W4を利用することも可能である。
【0068】
先付材W4は、上側の構造物100に対する取り付けが行われる基板部と当該基板部から下方に垂下された垂下部とを有する。
先付材W4は、
図13に示す右側面視の端面形状である逆L字状で左右方向に一様に連続した形状となっている。先付材W4も、例えば、アルミニウム合金その他の軽量金属の押し出し加工により、その端面形状が左右方向に一様に連続するように形成される。
【0069】
先付材W4の基板部は、前後左右方向に平行に向けられた状態で上側の構造物100の最後尾の野縁150の下面に取り付けられる矩形の平板体である。
先付材W4の垂下部は、上下左右方向に平行に向けられた状態で基板部の前端部に一体的に連接された矩形の平板体である。垂下部は、前述した造作W3とほぼ同じ高さで形成されている。
基板部及び垂下部の左右方向の長さは、形材30の全長と等しい。
【0070】
上記先付材W4の基端部は、例えば、野縁150の下面に対してネジ止め等の十分な取付強度が得られる方法で取り付けが行われる。ネジ止めの際には、前述したネジ91のようにタッピングネジやドリルビスの皿ネジを利用しても良いし、
図13に示す、先の平らなナベネジであるネジ92を利用してもよい。
ネジ92を利用する場合には、基端部にはネジの挿通孔を設け、野縁150側に雌ネジ穴を設け、ネジ92を下から締結してもよい。
【0071】
また、形材30の取付板部34は、先付材W4の垂下部に取り付けられるので、ネジ91ではなく、ネジ92を利用することが好ましい。この場合、垂下部にはネジの挿通孔を設け、取付板部34側に雌ネジ穴を設け、ネジ92を後方から締結してもよい。また、或いは、垂下部には雌ネジ穴を設け、取付板部34側にネジの挿通孔を設け、ネジ92を前方から締結してもよい。
【0072】
なお、形材30の基板部33が、下側の構造物100の野縁150の下面にネジ91により締結される点は、前述と同じである。但し、これらの構造物100も野縁150を有するものに限らず、形材30の基板部33が取り付け可能な他の構造物を使用してもよい。
また、コンクリート地の天井面や壁面に直接的に形材30を取り付けて照明装置10を設置することも可能である。
【0073】
[第二の実施形態]
第二の実施形態である照明装置10Aについて
図14に基づいて説明する。
図14は、照明装置10Aを右方から見た側面図である。
【0074】
この照明装置10Aは、前述した形材30と構造が異なる形材30Aを備えている。なお、照明装置10Aにおいて、前述した照明装置10と同一の構成については同じ符号を付して、重複する説明を省略し、照明装置10と異なる点のみを説明する。
【0075】
形材30Aは、基板部33だけでなく、設置板部31Aも遮蔽板部32に連接されている点が形材30と異なっている。
なお、形材30Aの形成材料や形成の方法は、形材30と同じである。
【0076】
設置板部31Aは、第二脚部312と、台座部313Aとを有する。
台座部313Aの前端部は、前述した台座部313よりも前方まで延出され、遮蔽板部32の後面に連接されている。従って、遮蔽板部32の後面は、台座部313Aによって上下に二分割されている。
なお、台座部313Aの前端部が遮蔽板部32の後面に連接されることで、遮蔽板部32によって強度が確保されるので、前述した第一脚部311に相当する構成は、省略されている。
【0077】
上記台座部313Aの構造に対応して、照明装置10Aは、遮蔽板部32から設置板部31Aの台座部313Aに連なる角部と遮蔽板部32から基板部33に連なる角部の各々にジョイントプレート43A,44Aが配置されている。
【0078】
即ち、台座部313Aの上面から上方に突出し、その上端部からさらに前方に向かって凸となる凸条部315Aが左右方向の全長に渡って形成されている。この凸条部315Aは、台座部313Aの上面に近接しており、凸条部315Aと台座部313Aの間には、後方に凹となる凹溝が形成される。
ジョイントプレート43Aは、形材30Aの端部において、遮蔽板部32の上端部の凹溝に上端部が、台座部313Aの上面の凹部に後方への延出端部が挿入される。従って、ジョイントプレート43Aは、遮蔽板部32の後面に沿ってその上端部から台座部313Aとの角部までの範囲と台座部313Aの上面に沿って角部から凸条部315Aまでの範囲とを一体的に被覆する。
この場合、ジョイントプレート43Aは、上記範囲内で遮蔽板部32と台座部313Aとの角部に倣い、側面視L字状の形状を呈する。
【0079】
また、台座部313Aの下面から下方に突出し、その下端部からさらに前方に向かって凸となる凸条部316Aが左右方向の全長に渡って形成されている。この凸条部316Aは、台座部313Aの下面に近接しており、凸条部316Aと台座部313Aの間には、後方に凹となる凹溝が形成される。
さらに、基板部33の上面であって、凸条部316Aの直下となる位置には、基板部33の上面から上方に突出し、その上端部からさらに前方に向かって凸となる凸条部314Aが左右方向の全長に渡って形成されている。この凸条部314Aは、基板部33の上面に近接しており、凸条部314Aと基板部33の間には、後方に凹となる凹溝が形成される。
ジョイントプレート44Aは、形材30Aの端部において、凸条部316Aによる凹溝に一方の端部が、基板部33の凸条部314Aによる凹溝に他方の端部が挿入される。
従って、ジョイントプレート44Aは、台座部313Aの下面と遮蔽板部32の後面と基板部33の上面とに沿った状態で、凸条部316Aから凸条部314Aまでの範囲を一体的に被覆する。
この場合、ジョイントプレート44Aは、上記範囲内で遮蔽板部32と台座部313Aとの角部と遮蔽板部32と基板部33との角部とに倣い、側面視コ字状の形状を呈する。
なお、上記ジョイントプレート43A,44Aが設けられる「形材30Aの端部」とは、複数の形材30Aが直列に並べて配置される場合には、隣り合う二つの形材30Aの端部から端部に渡る位置を示す。また、形材30Aの一端部が壁に面する場合には、当該一端部を示す。
【0080】
上記のように、照明装置10Aでは、設置板部31Aと基板部33とが、いずれも遮蔽板部32に連なっている。さらに、遮蔽板部32から設置板部31Aに連なる角部と遮蔽板部32から基板部33に連なる角部の双方にジョイントプレート43A,44Aが配置されている。
このため、照明装置10Aは、遮蔽板部32に対して設置板部31Aと基板部33とが連接されて、形材30Aの剛性を大きく向上させることが可能となる。そして、形材30Aの剛性を向上させつつも、効果的に光の漏洩を抑制することが可能となる。
さらに、形材30Aも化粧板を不要として、照明装置10A全体の軽量化を図ることが可能となる。
【0081】
[その他]
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られるものではない。例えば、実施形態において、単一の部材により一体的に形成された構成要素は、複数の部材に分割されて互いに連結又は固着された構成要素に置換してもよい。また、複数の部材が連結されて構成された構成要素は、単一の部材により一体的に形成された構成要素に置換してもよい。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0082】
上述した照明装置10,10Aでは、上方に延出された遮蔽板部32を例示したが、延出方向は、これに限定されない。遮蔽板部32は、LEDユニット20からの直接光が建造物内から見えないように遮蔽することが可能であれば、その延出方向は任意である。
【0083】
また、前述した形材30において、取付板部34は、台座部313よりも下方まで垂下して、基板部33の上面に連接されてもよい。その場合、台座部313の後端部は、取付板部34に連接しても良いし、取付板部34の手前で、第一、第二脚部311,312のような脚部によって基板部33の上面に連接されてもよい。
【0084】
また、前述した形材30において、設置板部31を除去し、基板部33に設置板部としての機能を持たせてもよい。その場合、取付板部34は、より下方まで垂下して、基板部33の上面に連接する。また、LEDユニット20は、基板部33の上面に配置する。
但し、その場合、石膏ボードPB4を取り付けるネジ91は、LEDユニット20を避ける必要がある。
【符号の説明】
【0085】
10,10A 照明装置
20 LEDユニット(光源)
21 LED素子
30,30A 形材
31,31A 設置板部
311 第一脚部
312 第二脚部
313,313A 台座部
314,315A,316A 凸条部
32 遮蔽板部
321 上側遮蔽部
322 垂下部(突出部)
322a 下端面
323 折り返し片
324 凸条部
33 基板部
333 凹状領域
34 取付板部
40,43A,44A ジョイントプレート(被覆部材)
41 縦板部
42 横板部
91,92 ネジ
100 構造物
130 野縁受け
150 野縁
C1 第一の天井面
C2 第二の天井面
PB1~PB5 石膏ボード
W1 第一の壁面
W2 第二の壁面
W3 造作
W4 先付材