IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエルシー株式会社の特許一覧

特開2024-4367ロッカーシステム、ロッカー制御方法、及びプログラム
<>
  • 特開-ロッカーシステム、ロッカー制御方法、及びプログラム 図1
  • 特開-ロッカーシステム、ロッカー制御方法、及びプログラム 図2
  • 特開-ロッカーシステム、ロッカー制御方法、及びプログラム 図3
  • 特開-ロッカーシステム、ロッカー制御方法、及びプログラム 図4
  • 特開-ロッカーシステム、ロッカー制御方法、及びプログラム 図5
  • 特開-ロッカーシステム、ロッカー制御方法、及びプログラム 図6
  • 特開-ロッカーシステム、ロッカー制御方法、及びプログラム 図7
  • 特開-ロッカーシステム、ロッカー制御方法、及びプログラム 図8
  • 特開-ロッカーシステム、ロッカー制御方法、及びプログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004367
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】ロッカーシステム、ロッカー制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20240109BHJP
   G16H 20/10 20180101ALI20240109BHJP
   E05B 65/02 20060101ALI20240109BHJP
   G07F 17/12 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
E05B49/00 L
G16H20/10
E05B49/00 R
E05B65/02 D
E05B65/02 C
G07F17/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103999
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】523421638
【氏名又は名称】エーエルシー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】中川 宏
【テーマコード(参考)】
2E250
5L099
【Fターム(参考)】
2E250AA16
2E250CC16
2E250CC25
2E250CC26
2E250DD07
2E250DD08
2E250EE02
2E250FF11
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】 非対面での処方薬の受け渡しにおいて、処方箋原本の回収率を高めることができるロッカーシステムを提供する。
【解決手段】 ロッカーシステム1は、処方薬を収納する施錠可能なロッカーボックスと、ロッカーボックスに収納された処方薬の処方箋原本を受け付ける処方箋投入口と、処方箋の写しに印字されている二次元コードを、ロッカーボックスの解錠コードとして記憶する記憶部と、記憶部により記憶された解錠コードと、処方箋原本の二次元コードとを照合する照合部と、ロッカーボックスを解錠する扉制御部とを有し、扉制御部は、照合部により、解錠コードと処方箋原本の二次元コードとが一致したと判定された場合に、ロッカーボックスを解錠する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処方薬を収納する施錠可能なロッカーボックスと、
前記ロッカーボックスに収納された処方薬の処方箋原本を受け付ける処方箋投入口と、
前記処方薬の処方箋の写しに印字されている二次元コードを、前記ロッカーボックスの解錠コードとして記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶された解錠コードと、処方箋原本の二次元コードとを照合する照合部と、
前記ロッカーボックスを解錠する扉制御部と
を有し、
前記扉制御部は、前記照合部により、解錠コードと処方箋原本の二次元コードとが一致したと判定された場合に、前記処方薬が収納されたロッカーボックスを解錠する
ロッカーシステム。
【請求項2】
処方薬が収納されたロッカーボックス情報を含む二次元コードを処方薬の受取人へ通知するコード発行部
をさらに有し、
前記扉制御部は、前記コード発行部により通知された二次元コードと、前記照合部による照合結果とに基づいて、前記処方薬が収納されたロッカーボックスを解錠する
請求項1に記載のロッカーシステム。
【請求項3】
前記処方箋投入口への処方箋の投入を検知する処方箋検知部と、
前記ロッカーボックスの利用者に案内を表示する表示画面と、
前記ロッカーボックスに収納された処方薬の処方箋の投入を促す警告を前記表示画面に表示する警告部と
をさらに有し、
前記処方箋検知部により前記処方箋投入口への処方箋の投入を検知しない場合に、前記警告部は、処方箋の原本の投入依頼を前記表示画面に表示する
請求項1に記載のロッカーシステム。
【請求項4】
前記ロッカーボックスの利用者の連絡先と顔写真とを関連付けて格納する利用者情報格納部と、
前記ロッカーボックスの扉を施錠又は解錠する人物を撮影する撮影部と、
前記撮影部により撮影された顔写真に基づいて、前記ロッカーボックスの利用者情報格納部に格納される利用者の連絡先を取得する連絡部と、
をさらに有し、
前記処方箋検知部により、処方箋の投入を検知しない場合に、前記連絡部は、取得した利用者の連絡先へ、処方箋の提出を促す連絡を行う
請求項3に記載のロッカーシステム。
【請求項5】
前記撮影部により撮影された画像と利用者情報格納部に格納される顔写真とに基づいて利用者を認証する認証部
をさらに有し、
前記扉制御部は、前記照合部よる照合結果と、前記認証部による認証結果とに基づいて、前記ロッカーボックスを解錠する
請求項4に記載のロッカーシステム。
【請求項6】
前記コード発行部は、処方薬がロッカーボックスに収納され、前記扉制御部により扉が施錠された場合に、処方薬の受取人に電子決済情報を発行し、
処方薬の受取人は、前記コード発行部により発行された電子決済情報に基づいて、前記ロッカーボックスに収納された処方薬の代金を支払う
請求項2に記載のロッカーシステム。
【請求項7】
処方箋の写しに印字されている二次元コードを、前記処方箋の処方薬が収納されたロッカーボックスの解錠コードとして記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップにより記憶された解錠コードと、前記処方箋の原本の二次元コードとを照合する照合ステップと、
前記ロッカーボックスを解錠する扉制御ステップと
を有し、
前記扉制御ステップは、前記照合ステップにより、解錠コードと前記処方箋の原本の二次元コードとが一致したと判定された場合に、前記ロッカーボックスを解錠する
ロッカー制御方法。
【請求項8】
処方箋の写しに印字されている二次元コードを、前記処方箋の処方薬が収納されたロッカーボックスの解錠コードとして記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップにより記憶された解錠コードと、前記処方箋の原本の二次元コードとを照合する照合ステップと、
前記ロッカーボックスを解錠する扉制御ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記扉制御ステップは、前記照合ステップにより、解錠コードと前記処方箋の原本の二次元コードとが一致したと判定された場合に、前記ロッカーボックスを解錠する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカーシステム、ロッカー制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、施錠可能な複数のロッカーボックスを備え、前記ロッカーボックスに処方薬が収納されるロッカー装置において、前記処方薬について薬剤師から服薬指導を受けたことを示す情報である第1 解錠情報を取得する第1 取得部と、少なくとも前記第1 解錠情報を用いて前記ロッカーボックスを解錠する解錠制御部と、を備えることを特徴とするロッカー装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、荷物を預け入れ可能なロッカーボックスを有する、通信ネットワークを介して管理センターと通信可能なロッカーシステムにおいて、利用者による荷物の預け入れ及び取り出し操作が入力される操作部と、前記利用者を撮像する撮像部と、情報を記憶する記憶部と、前記荷物の預け入れ操作がなされた場合、前記撮像部を駆動させて前記操作部への預け入れ操作の完了までの画像を撮像すると共に、撮像された該画像のうち所定のタイミングの1以上画像を第1の画像として前記ロッカーボックスを識別する識別情報と関係づけて前記記憶部に記憶し、前記操作部への前記荷物の受け取り操作に応じて前記撮像部により撮像し、該受け取り操作に応じて撮像された第2 の画像と前記第1 の画像と前記識別番号と共に解錠要求を前記管理センターに送信し、該解錠要求に応じて該管理センターから送信される解錠指示に基づいて前記識別情報に対応するロッカーボックスの解錠を行う制御部と、を備えることを特徴とするロッカーシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-168112
【特許文献2】特開2019-200593
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非対面での処方薬の受け渡しにおいて、処方箋原本の回収率を高めることができるロッカーシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るロッカーシステムは、処方薬を収納する施錠可能なロッカーボックスと、前記ロッカーボックスに収納された処方薬の処方箋原本を受け付ける処方箋投入口と、前記処方薬の処方箋の写しに印字されている二次元コードを、前記ロッカーボックスの解錠コードとして記憶する記憶部と、前記記憶部により記憶された解錠コードと、処方箋原本の二次元コードとを照合する照合部と、前記ロッカーボックスを解錠する扉制御部とを有し、前記扉制御部は、前記照合部により、解錠コードと処方箋原本の二次元コードとが一致したと判定された場合に、前記処方薬が収納されたロッカーボックスを解錠する
【0007】
好適には、処方薬が収納されたロッカーボックス情報を含む二次元コードを処方薬の受取人へ通知するコード発行部をさらに有し、前記扉制御部は、コード発行部により通知された二次元コードと、前記照合部による照合結果とに基づいて、前記処方薬が収納されたロッカーボックスを解錠する。
【0008】
好適には、前記処方箋投入口への処方箋の投入を検知する処方箋検知部と、前記ロッカーボックスの利用者に案内を表示する表示画面と、前記ロッカーボックスに収納された処方薬の処方箋の投入を促す警告を前記表示画面に表示する警告部とをさらに有し、前記処方箋検知部により前記処方箋投入口への処方箋の投入を検知しない場合に、前記警告部は、処方箋の原本の投入依頼を前記表示画面に表示する。
【0009】
好適には、前記ロッカーボックスの利用者の連絡先と顔写真とを関連付けて格納する利用者情報格納部と、前記ロッカーボックスの扉を施錠又は解錠する人物を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された顔写真に基づいて、前記ロッカーボックスの利用者情報格納部に格納される利用者の連絡先を取得する連絡部と、をさらに有し、前記処方箋検知部により、処方箋の投入を検知しない場合に、前記連絡部は、取得した利用者の連絡先へ、処方箋の提出を促す連絡を行う。
【0010】
好適には、前記撮影部により撮影された画像と利用者情報格納部に格納される顔写真とに基づいて利用者を認証する認証部をさらに有し、前記扉制御部は、前記照合部よる照合結果と、前記認証部による認証結果とに基づいて、前記ロッカーボックスを解錠する。
【0011】
好適には、前記コード発行部は、処方薬がロッカーボックスに収納され、前記扉制御部により扉が施錠された場合に、処方薬の受取人に電子決済情報を発行し、処方薬の受取人は、前記コード発行部により発行された電子決済情報に基づいて、前記ロッカーボックスに収納された処方薬の代金を支払う。
【0012】
本発明に係るロッカー制御方法は、処方箋の写しに印字されている二次元コードを、前記処方箋の処方薬が収納されたロッカーボックスの解錠コードとして記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップにより記憶された解錠コードと、前記処方箋の原本の二次元コードとを照合する照合ステップと、前記ロッカーボックスを解錠する扉制御ステップとを有し、前記扉制御ステップは、前記照合ステップにより、解錠コードと前記処方箋の原本の二次元コードとが一致したと判定された場合に、前記ロッカーボックスを解錠する。
【0013】
本発明に係るプログラムは、処方箋の写しに印字されている二次元コードを、前記処方箋の処方薬が収納されたロッカーボックスの解錠コードとして記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップにより記憶された解錠コードと、前記処方箋の原本の二次元コードとを照合する照合ステップと、前記ロッカーボックスを解錠する扉制御ステップとをコンピュータに実行させ、前記扉制御ステップは、前記照合ステップにより、解錠コードと前記処方箋の原本の二次元コードとが一致したと判定された場合に、前記ロッカーボックスを解錠するプログラム。
【発明の効果】
【0014】
非対面での処方薬の受け渡しにおいて、処方箋原本の回収率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ロッカーシステム1の全体構成を例示する図である。
図2】ロッカー装置3を例示する図である。
図3】ロッカー装置3の制御部32のハードウェア構成を例示する図である。
図4】ロッカー管理サーバ5のハードウェア構成を例示する図である。
図5】ロッカー装置3の制御部32の機能構成を例示する図である。
図6】ロッカー管理サーバ5の機能構成を例示する図である。
図7】ロッカーシステム1における処方箋受け入れ処理(S10)を説明するフローチャートである。
図8】ロッカーシステム1における処方箋受け取り処理(S20)を説明するフローチャートである。
図9】処方箋未投入の場合に、表示装置328に表示される警告画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、ロッカーシステム1の全体構成を例示する図である。
ロッカーシステム1は、患者が薬局を訪れることなく、非対面による処方薬の受け渡し、及び処方箋の原本の回収を可能とするシステムである。
図1に例示するように、ロッカーシステム1は、ロッカー装置3、ロッカー管理サーバ5、薬局システム7、及び処方薬の受取人端末9を含み、ネットワーク11により互いに接続している。
ロッカー装置3は、処方薬が収納されるロッカー機能を備えたコンピュータ端末である。例えば、ロッカー装置3は、調剤薬局の店舗内、店舗外、調剤薬局の近隣の駅構内、病院、又はコンビニエンスストアに設置される。ロッカー装置3は、二段階の鍵コードによる認証と、顔画像の認証とに基づいて、解錠を許可し、認証された利用者は、ロッカー装置3へ処方薬の収納及び収納された処方薬の受け取りができる。
ロッカー管理サーバ5は、コンピュータ端末であり、ロッカー装置3を管理する。具体的には、ロッカー管理サーバ5は、薬局システム7からのロッカー装置3の予約依頼に基づいて、処方薬を収納するロッカー装置3のロッカーボックス30を決定し、ロッカーボックス30の利用に必要なコードを薬局システム7に送信する。ロッカーボックス30の利用に必要なコードとは、予約したロッカーボックス30の扉の解錠用コード(第一鍵コード13)である。また、ロッカー管理サーバ5は、ロッカー装置3の利用者情報を管理し、ロッカー装置3の利用者を認証する。
【0017】
薬局システム7は、処方薬の調剤依頼を受取人端末9から受け付け、ロッカー装置3を介した調剤後の処方薬の受け渡しをロッカー管理サーバ5へ依頼する。
受取人端末9は、ロッカー装置3の利用者が操作する端末であり、例えば、スマートフォンである。受取人端末9は、ロッカー管理サーバ5から処方薬の受け渡しに必要なコード(第一鍵コード15)を受信し、受信したコードに基づいて、ロッカーボックス30の扉を解錠する。
【0018】
図2は、ロッカー装置3を例示する図である。
図3は、ロッカー装置3の制御部32のハードウェア構成を例示する図である。
図2(a)に例示するように、ロッカー装置3は、複数のロッカーボックス30と、制御部32とを有する。
ロッカーボックス30は、処方薬が収納され、施錠可能な扉を有し、扉の開閉は、制御部32により行われる。また、ロッカーボックス30は、大中小のサイズがあり、異なる大きさの収納空間を有する。図2(b)に例示するように、各ロッカーボックス30は、処方箋投入口300を有する。処方箋投入口300は、ロッカーボックス30に収納された処方薬の処方箋原本を受け付ける。具体的には処方箋投入口300は、A5サイズの用紙を投入可能なスリットであり、処方箋の原本が投入される。
ロッカーボックス30の解錠には、二段階の鍵コードに基づいた認証が必要である。具体的には、鍵コードには、利用するロッカーボックス30の情報を含む第一鍵コードと、処方箋に添付された二次元コードである第二の鍵コードとがあり、処方薬の投入時、及び受取時それぞれにおいて、ロッカーボックス30は、第一鍵コード及び第二鍵コードに基づいた認証を経て解錠される。
【0019】
図3に例示するように、制御部32は、CPU320、メモリ322、HDD324、ネットワークインタフェース326(ネットワークIF326)、表示装置328、カメラ330、及び、コードリーダ332を有し、これらの構成はバス334を介して互いに接続している。
CPU320は、例えば、中央演算装置である。
メモリ322は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
HDD324は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラム(例えば、図5のロッカーボックス制御プログラム34)を格納する。
ネットワークIF326は、有線又は無線で通信するためのインタフェースであり、例えば、ネットワーク11における通信を実現する。
表示装置328は、例えば、液晶ディスプレイであり、ロッカーボックス30の利用者に案内を表示する。表示装置328は、本発明に係る表示画面の一例である。
カメラ330は、ロッカー装置3の利用者を撮影する撮影装置である。なお、カメラ330は、USBケーブルなどにより外部接続された撮影装置であってもよい。
コードリーダ332は、QRコード(登録商標)等の二次元コードを読み取る。
【0020】
図4は、ロッカー管理サーバ5のハードウェア構成を例示する図である。
図4に例示するように、ロッカー管理サーバ5は、CPU500、メモリ502、HDD504、ネットワークインタフェース506(ネットワークIF506)、表示装置508、及び、入力装置510を有し、これらの構成はバス512を介して互いに接続している。
CPU500は、例えば、中央演算装置である。
メモリ502は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
HDD504は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラム(例えば、図6のロッカー管理プログラム55)やその他のデータファイル(例えば、利用者情報データベース600、及び利用履歴データベース610)を格納する。
ネットワークIF506は、有線又は無線で通信するためのインタフェースであり、例えば、ネットワーク11における通信を実現する。
表示装置508は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置510は、例えば、キーボード及びマウスである。
【0021】
図5は、ロッカー装置3の機能構成を例示する図である。
図5に例示するように、本例のロッカー装置3の制御部32には、ロッカーボックス制御プログラム34がインストールされる。
ロッカーボックス制御プログラム34は、読取部340、記憶部342、照合部344、撮影部346、扉制御部348、開閉検知部350、処方箋検知部352、警告部354、決済部356、利用記録部358、及び履歴送信部360を有する。
なお、ロッカーボックス制御プログラム34の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。
【0022】
ロッカーボックス制御プログラム34において、読取部340は、コードリーダ332にかざされたロッカーボックス30の扉の解錠用コード、又は処方箋に添付された二次元コードを読み取る。
撮影部346は、ロッカーボックス30の扉を施錠又は解錠する人物を撮影する。具体的には、撮影部346は、ロッカー装置3のコードリーダ332に二次元コードをかざした人物を撮影し、画像データをロッカー管理サーバ5へ送信し、利用者の認証を求める。
記憶部342は、処方薬の投入者によりかざされた処方箋の写しに印字されている二次元コードを、第二鍵コード17として記憶する。第二鍵コード17は、処方箋を投入するロッカーボックス30の解錠コードである。
照合部344は、処方薬の投入者がかざした処方箋の写しに印字されている二次元コード(第二鍵コード17)と、処方薬の受取人がかざした処方箋原本に記載された二次元コード(第二鍵コード19)とを照合する。具体的には、照合部344は、記憶部342により記憶された第二鍵コード17と、読取部340に読み取られた第二鍵コード19とが一致するか否かを判定する。
扉制御部348は、ロッカーボックス30の扉を施錠又は解錠する。具体的には、利用するロッカーボックス30の情報を含むコード(第一鍵コード)及び処方箋に印字された二次元コード(第二鍵コード)に基づいて、ロッカーボックス30を解錠する。より具体的には、扉制御部348は、処方薬の収納時に、第一鍵コード13と処方箋の写しに印字された二次元コードである第二鍵コード17とにより認証された場合にロッカーボックス30を解錠する。また、認証扉制御部348は、処方薬の受け取り時において、第一鍵コード15による認証を受け、さらに、照合部344により、ロッカーボックス30の解錠コードと処方箋原本の二次元コードとが一致したと判定された場合に、処方薬が収納されたロッカーボックスを解錠する。
また、扉制御部348は、撮影部346により撮影された画像に基づいて、ロッカーボックス30を解錠する。より具体的には、扉制御部348は、処方薬の投入者が処方薬の二次元コードをコードリーダ332にかざした場合、又は、ロッカー管理サーバ5により、ロッカーボックス30に収納された処方薬の受取人であると判定された場合に、ロッカーボックス30の扉を解錠する。
【0023】
開閉検知部350は、処方薬がロッカーボックス30に収納され、扉制御部348により扉が施錠された場合に、処方薬が収納された通知をロッカー管理サーバ5へ送信する。
処方箋検知部352は、処方箋投入口300への処方箋の投入を検知する。具体的には、処方箋検知部352は、スキャナであり、投入された書類が処方箋の原本であるか否かを判定する。
警告部354は、ロッカーボックス30に収納された処方薬の処方箋の投入を促す警告を表示装置328に表示する。さらに、警告部354は、処方箋検知部352により、処方箋の投入を検知しない場合に、ロッカー管理サーバ5へ、処方薬の受取人への警告連絡を依頼する。
決済部356は、コードリーダ332にかざされた電子決済コードに基づいて、処方薬の電子決済を実施する。具体的には、決済部356は、ロッカー管理サーバ5のコード発行部552(後述)により、受取人端末9へ送信された電子決済情報に基づいて、ロッカーボックス30に収納された処方薬の代金を支払う。
利用記録部358は、ロッカーボックス30の利用履歴を記録する。具体的には、利用記録部358は、コードリーダ332に第一鍵コードがかざされたことを起点にロッカー装置3の利用履歴を記録する。
履歴送信部360は、ロッカー装置3の利用履歴をロッカー管理サーバ5へ送信する。具体的には、履歴送信部360は、ロッカーボックス30を識別する情報と、ロッカーボックス30に対する操作内容と、利用日時と、利用者の画像データとを関連付けてロッカー管理サーバ5へ送信する。
【0024】
図6は、ロッカー管理サーバ5の機能構成を例示する図である。
図6に例示するように、本例のロッカー管理サーバ5には、ロッカー管理プログラム55がインストールされると共に、利用者情報データベース600(利用者情報DB600)、及び利用履歴データベース610(利用履歴DB610)が構成される。
ロッカー管理プログラム55は、認証部550、コード発行部552、利用履歴管理部554、及び警告連絡部556を有する。
ロッカー管理プログラム55において、認証部550は、コードリーダ332に二次元コードをかざした人物が、ロッカー装置3の利用者であるか否かを判定する。具体的には、認証部550は、撮影部346により撮影され、取得された画像データと、利用者情DB600に格納される画像データとに基づいて、利用者(撮影部346により撮影された人物)が処方薬の投入者又は処方薬の受取人であるか否かを判定する。利用者情報DB600は、ロッカーボックス30の利用者のIDと、連絡先と、顔写真と、保険証とを関連付けて格納する。利用者情報DB600は、本発明に係る利用者情報格納部の一例である。
【0025】
コード発行部552は、処方薬を収納するロッカーボックス30を決定し、予約したロッカーボックス30への処方薬収納のための解錠用の二次元コードを発行し、薬局システム7へ送信する。処方薬収納のための解錠用コードを第一鍵コード13とする。
さらに、コード発行部552は、処方薬がロッカーボックス30に収納され、扉制御部348により扉が施錠された場合に、処方薬が収納されたロッカーボックス30の情報を含む二次元コードを発行し、処方薬の受取人端末9へ送信する。ここで、処方薬受け取りのための解錠用コードを第一鍵コード15とする。具体的には、コード発行部552は、処方薬の決済状況に応じて、第一鍵コード15を処方薬の受取人端末9へ送信する。より具体的には、コード発行部552は、処方薬が決済済みの場合に、ロッカーボックス30の解錠を許可する第一鍵コード15を受取人の端末9へ送信し、処方薬が未決済の場合に、電子決済情報とロッカーボックス30の解錠情報とを含む第一鍵コード15を受取人の端末9へ送信する。
利用履歴管理部554は、ロッカー装置3の履歴送信部360により送信されたロッカーボックス30の利用履歴を利用履歴DB610に格納する。具体的には、利用履歴管理部554は、ロッカーボックス30が施錠又は解錠された日時、操作を行った人物の顔画像データ、動作内容(処方箋の投入/受取)の履歴を利用履歴DB610に記録し、管理する。
警告連絡部556は、撮影部346により撮影された顔写真に基づいて、ロッカーボックス30の利用者情報DB600に格納される連絡先を取得し、取得した利用者の連絡先へ、処方箋の提出を促す連絡を行う。警告連絡部556は、本発明に係る連絡部の一例である。
【0026】
図7は、ロッカーシステム1における処方薬受け入れ処理(S10)を説明するフローチャートである。
図7に例示するように、ステップ100(S100)において、患者は、受取人端末9から薬局システム7へ処方箋を提示し、調剤、及びロッカーシステム1の利用依頼を行う。
ステップ105(S105)において、薬局システム7は、ロッカー管理サーバ5へロッカー装置3の予約依頼を行う。
ステップ110(S110)において、ロッカー管理サーバ5のコード発行部552は、処方薬を収納するロッカーボックス30を決定し、予約したロッカーボックス30への処方薬収納のための第一鍵コード13を発行し、薬局システム7へ送信する。第一鍵コード13は予約したロッカーボックス30の扉を開く解錠用の二次元コードである。
ステップ115(S115)において、調剤された処方薬の投入者は、ロッカー装置3のコードリーダ332に、発行された第一鍵コード13をかざし、ロッカー装置3の読取部340は、処方薬の投入者によりかざされた、第一鍵コード13を読み取る。
【0027】
ステップ120(S120)において、ロッカー装置3の利用記録部358は、ロッカーボックス30の利用履歴の記録を開始する。さらに、ロッカー装置3のロッカーボックス制御プログラム34が機能する。
ステップ125(S125)において、処方薬の投入者は、処方箋に添付されている二次元コードの写しを第二鍵コード17としてロッカー装置3のコードリーダ332にかざし、読取部340は、処方薬の投入者によりかざされた、第二鍵コード17を読み取る。
ステップ130(S130)において、記憶部342は、読取部340により読み取られた第二鍵コード17を記憶する。
【0028】
ステップ135(S135)において、ロッカー装置3の撮影部346は、第二鍵コードをかざした処方薬投入者の顔を撮影する。
ステップ140(S140)において、撮影部346は、画像データをロッカー管理サーバ5へ送信する。
ステップ145(S145)において、ロッカー管理サーバ5の認証部550は、撮影部346により撮影された画像データに基づいて、処方薬投入者がロッカーシステム1の利用者であるか否かを判定する。具体的には、撮影部346により撮影された画像データが利用者情報DB600に登録されているか否かを判定する。利用者である場合に、S150へ移行し(S145:Yes)、利用者でない場合に処理を終了する(S145:No)。
ステップ150(S150)において、ロッカー装置3の扉制御部348は、第一鍵コード13に基づいて、予約されたロッカーボックス30の扉を解錠する。処方薬投入者は、解錠され、扉が開いたロッカーボックス30に処方薬を投入する。
ステップ155(S155)において、警告部354は、処方薬の入れ忘れがないかの注意を促す表示を表示装置328に表示する。
ステップ160(S160)開閉検知部350は、処方薬投入者がロッカーボックス30の扉を閉め、施錠されたことを検知した場合に、S165へ移行し(S160:Yes)、検知していない場合に待機する(S160:No)。
【0029】
ステップ165(S165)において、事前に処方薬の決済が完了している場合にS170へ移行し(S165:Yes)、決済が完了していない場合に、S175へ移行する(S165:No)。
ステップ170(S170)において、ロッカー管理サーバ5のコード発行部552は、処方薬の投入連絡と、処方薬の受け取りに必要なロッカーボックス30の解錠用二次元コードである第一鍵コード15とを受取人端末9へ送信する。
ステップ175(S175)において、コード発行部552は、処方薬の投入連絡と、処方薬の受け取りに必要なロッカーボックス30の解錠情報と電子決済情報とを含む二次元コードである第一鍵コード15を受取人端末9へ送信する。
ステップ180(S180)において、ロッカー装置3の履歴送信部360は、ロッカー装置3の利用履歴をロッカー管理サーバ5へ送信する。
ステップ185(S185)において、ロッカー管理サーバ5の利用履歴管理部554は、受信した利用履歴を利用履歴DB610に格納する。
【0030】
図8は、ロッカーシステム1における処方薬受け取り処理(S20)を説明するフローチャートである。
図8に例示するように、ステップ200(S200)において、受取人端末9は、ロッカー管理サーバ5から送信された第一鍵コード15を受信する。
ステップ205(S205)において、処方薬の受取人は、ロッカー装置3のコードリーダ332に、受信した第一鍵コード15をかざし、読取部340は、処方薬受取人によりかざされた、処方薬の第一鍵コード15を読み取る。
ステップ210(S210)において、ロッカー装置3の利用記録部358は、ロッカーボックス30の利用履歴の記録を開始する。さらに、ロッカー装置3のロッカーボックス制御プログラム34が機能する。
ステップ215(S215)において、処方薬の受取人は、処方箋原本に添付された二次元コードを第二鍵コード19としてロッカー装置3のコードリーダ332にかざす。読取部340は、処方薬受取人によりかざされた、処方薬の第二鍵コード19を読み取る。
【0031】
ステップ220(S220)において、ロッカー装置3の照合部344は、記憶部342により記憶された第二鍵コード17と、S215において読み取られた第二鍵コード19とを照合する。照合した結果、記憶部342により記憶された第二鍵コード17と、S215において読み取られた第二鍵コード19とが一致している場合に、S225へ移行し(S220:Yes)、一致しない場合に、処理を終了する(S220:No)。
ステップ225(S225)において、ロッカー装置3の撮影部346は、二次元コードをかざした処方薬受取人の顔を撮影する。
ステップ230(S230)において、撮影部346は、画像データをロッカー管理サーバ5へ送信する。
ステップ235(S235)において、ロッカー装置3の決済部356は、読み取った第一鍵コード15に基づいて、電子決済を実施する。
【0032】
ステップ240(S240)において、ロッカー管理サーバ5の認証部550は、撮影部346により撮影された画像データに基づいて、処方薬受取人がロッカーシステム1の利用者であるか否かを判定する。具体的には、撮影部346により撮影された画像データが利用者情報DB600に登録されているか否かを判定する。利用者である場合に、S245へ移行し(S240:Yes)、利用者でない場合に処理を終了する(S240:No)。
ステップ245(S245)において、ロッカー装置3の扉制御部348は、コードリーダ332にかざされた第一鍵コード15に含まれるロッカーボックス30の情報に基づいて、ロッカーボックス30を解錠する。処方薬受取人は、解錠され、扉が開いたロッカーボックス30から処方薬を受け取る。
ステップ250(S250)において、ロッカー装置3の警告部354は、処方薬の取り忘れがないかの注意を促す表示を表示装置328に表示する。
【0033】
ステップ255(S255)において、警告部354は、処方箋の原本の回収を促す表示を表示装置328に表示する。図9に例示するように、警告部354は、投入できない場合に、近隣の薬局店舗への処方箋原本の持参のお願いの連絡をする旨と、処方箋原本の回収が出来なかった場合に、保険適用外となり、処方に係る代金が全額請求となる場合がある旨を警告する表示を行う。
ステップ260(S260)において、ロッカー装置3の処方箋検知部352は、処方薬受取人により、処方箋の原本が処方箋投入口300に投入されたか否かを判定する。処方箋検知部352により処方箋原本の投入を検知した場合に、S270へ移行し(S260:Yes)、処方箋原本の投入を検知していない場合に、S265へ移行する(S260:No)。
ステップ265(S265)において、ロッカー管理サーバ5の警告連絡部556は、利用者DB600に格納される処方箋の受取人の連絡先へ、処方箋原本の提出依頼を行う。
ステップ270(S270)において、ロッカー装置3の履歴送信部360は、ロッカー装置3の利用履歴をロッカー管理サーバ5へ送信する。
ステップ275(S275)において、ロッカー管理サーバ5の利用履歴管理部554は、受信した利用履歴を利用履歴DB610に格納する。
【0034】
以上説明したように、ロッカーシステム1によれば、処方薬の受け取りを非対面で行うことができる。また、ロッカーシステム1は、処方箋の原本の回収を確認し、回収されなければ処方薬の受取人へ処方箋原本の提出依頼を行うため、処方箋原本の回収率を高め、処方箋の悪用を防ぐことができる。
また、ロッカーシステム1によれば、利用者情報に利用者の顔画像を含み、処方薬の受け取り時の認証において、撮影された顔画像と登録された画像データとの一致を判定するため、処方薬の受取人が、処方された本人か否かを確認可能である。これにより、処方薬を確実に本人に受け渡すことができる。
さらに、ロッカーシステム1は、処方箋に添付された二次元コードを、ロッカー装置3のロッカーボックス30を解錠する鍵とするため、処方薬の受取人は、処方薬の受け取りに、処方箋原本の持参が必要となり、その結果、処方箋の原本の回収率を高めることができる。
【0035】
[変形例1]
上記実施形態では、二次元コードをかざした利用者の顔画像が利用者情報DB600に格納される画像データと一致するか否かを判定することにより、利用者であることを認定しているが、例えば、予め、ロッカー管理サーバ5が発行する二次元コードに処方薬の投入者、又は受取人のIDを含め、コードリーダ332は、IDを読み取り、認証部550は、IDに基づいて、利用者情報DB600に格納されるIDに関連付けられた顔画像データを取得し、一致するか否かを判定してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1…ロッカーシステム
3…ロッカー装置
5…ロッカー管理サーバ
7…薬局システム
9…受取人端末
11…ネットワーク
13、15…第一鍵コード
17、19…第二鍵コード
340…読取部
342…記憶部
344…照合部
346…撮影部
348…扉制御部
350…開閉検知部
352…処方箋検知部
354…警告部
356…決済部
358…利用記録部
360…履歴送信部
550…認証部
552…コード発行部
554…利用履歴管理部
556…警告連絡部
600…利用者情報データベース
610…利用履歴データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9