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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043670
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F25B 47/02 20060101AFI20240326BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20240326BHJP
   F24F 11/42 20180101ALI20240326BHJP
【FI】
F25B47/02 550H
F25B47/02 570A
F25B13/00 M
F25B13/00 N
F24F11/42
F25B47/02 520B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148790
(22)【出願日】2022-09-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 太樹
【テーマコード(参考)】
3L092
3L260
【Fターム(参考)】
3L092AA05
3L092DA02
3L092EA05
3L092EA16
3L092FA02
3L092FA23
3L092FA27
3L260AB03
3L260AB04
3L260BA36
3L260CA32
3L260CB08
3L260CB18
3L260CB19
3L260DA09
3L260FB02
3L260FB08
3L260FB10
(57)【要約】
【課題】除霜の際の圧縮機における冷媒の圧縮にかかる運転の負荷を低減することを目的とする。
【解決手段】少なくとも1台の室外ユニットは、圧縮機における冷媒の吸込口と四方弁とを接続する配管、又は、室外熱交換器と四方弁とを接続する配管の何れかである第1の配管と、圧縮機における冷媒の吐出口と四方弁とを接続する第2の配管と、を接続するバイパス回路であって、第2の配管から第1の配管への冷媒の流れを阻止する阻止弁を含むバイパス回路を備え、制御部は、バイパス回路を備える除霜対象の室外ユニットが存在する場合、除霜対象の室外ユニットにおいて、圧縮機を停止し、阻止弁を開放し、他の室外ユニットの圧縮機から出力された冷媒である圧縮冷媒を、バイパス回路を経由して、室外熱交換器に供給する制御を行う
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と四方弁と室外熱交換器とを含む複数の室外ユニットと、
1台以上の室内ユニットと、
制御部と、
を備える空気調和機であって、
少なくとも1台の前記室外ユニットは、
前記圧縮機における冷媒の吸込口と前記四方弁とを接続する配管、又は、前記室外熱交換器と前記四方弁とを接続する配管の何れかである第1の配管と、前記圧縮機における前記冷媒の吐出口と前記四方弁とを接続する第2の配管と、を接続するバイパス回路であって、前記第2の配管から前記第1の配管への前記冷媒の流れを阻止する阻止弁を含む前記バイパス回路を備え、
前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在する場合、除霜対象の前記室外ユニットにおいて、前記圧縮機を停止し、前記阻止弁を開放し、他の前記室外ユニットの前記圧縮機から出力された前記冷媒である圧縮冷媒を、前記バイパス回路を経由して、前記室外熱交換器に供給する制御を行う空気調和機。
【請求項2】
前記第1の配管は、前記吸込口と前記四方弁とを接続する配管である請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在し、前記圧縮機が停止している前記室外ユニットが存在する場合、前記圧縮機が停止している少なくとも1台の前記室外ユニットの前記圧縮機を起動させる請求項1に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記バイパス回路を備える前記室外ユニットそれぞれは、前記室外熱交換器に供給される前記冷媒の量の調整に用いられる室外膨張弁を更に備え、
前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットにおいて、前記室外膨張弁を制御し、前記室外熱交換器の液サブクール温度を予め定められた範囲内とする制御を行う請求項1に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記室内ユニットそれぞれは、室内熱交換器と、前記室内熱交換器に供給される前記冷媒の量の調整に用いられる室内膨張弁と、を備え、
前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在する場合、少なくとも1台の前記室内ユニットの前記室内膨張弁の開口度を低下させる制御を行う請求項1に記載の空気調和機。
【請求項6】
複数の前記室外ユニットそれぞれは、室外膨張弁を更に備え、
前記室内ユニットそれぞれは、室内熱交換器と、室内膨張弁と、を備え、
前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在し、複数の前記室外ユニットの前記圧縮機の運転周波数の合計、又は、運転中の前記室内ユニットの運転容量の合計の何れかの値が既定の閾値以下の場合、除霜対象の前記室外ユニットにおいて、前記室外膨張弁を制御し、前記室外熱交換器の液サブクール温度を予め定められた範囲内とする制御を行い、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在し、前記値が前記閾値よりも大きい場合、少なくとも1台の前記室内ユニットの前記室内膨張弁の開口度を低下させる制御を行う請求項1に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記制御部は、全ての前記室外ユニットが除霜対象である場合、逆サイクル除霜を行うよう制御する請求項1に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記制御部は、前記バイパス回路を備える前記室外ユニットにおいて、前記圧縮機の前記冷媒の吐出側の第1の圧力と、前記圧縮機の前記冷媒の吸込側の第2の圧力と、前記第1の圧力と前記第2の圧力との圧力比と、の何れかが予め定められた範囲を超えた場合、前記阻止弁を開放する請求項1乃至7の何れか1項に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
室外ユニットと室内ユニットとを備える空気調和機において、室外ユニットの熱交換器に霜が生じることがある。例えば、暖房運転の際に室外ユニットの熱交換器が蒸発器の役割を果たすことで、熱交換器が冷却され、熱交換器に霜が生じることがある。霜が生じた熱交換器は熱交換の効率が大きく低下するため、霜を除くことが要望される。そこで、空気調和機において、室外ユニットの熱交換器に霜が生じた場合に、霜を除くための技術がある。
特許文献1には、室内ユニットに対して複数の室外ユニットが並列に接続された空気調和機における交互除霜方式が開示されている。特許文献1では、複数の室外ユニットのうち一部が除霜対象となる場合、他方の室外ユニットから吐出された高温高圧の冷媒ガスを除霜対象の室外ユニットへ送ることで、室外ユニットの熱交換器の除霜を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-25919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、除霜対象の室外ユニットに送られた冷媒は除霜対象の室外ユニット内の圧縮機において更に圧縮される。そのため、圧縮機は通常運転とは異なる圧力での運転が求められるため、圧縮機への運転負荷が増加する。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、除霜の際の圧縮機における冷媒の圧縮にかかる運転の負荷をより低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の空気調和機は、圧縮機と四方弁と室外熱交換器とを含む複数の室外ユニットと、1台以上の室内ユニットと、制御部と、を備える空気調和機であって、少なくとも1台の前記室外ユニットは、前記圧縮機における冷媒の吸込口と前記四方弁とを接続する配管、又は、前記室外熱交換器と前記四方弁とを接続する配管の何れかである第1の配管と、前記圧縮機における前記冷媒の吐出口と前記四方弁とを接続する第2の配管と、を接続するバイパス回路であって、前記第2の配管から前記第1の配管への前記冷媒の流れを阻止する阻止弁を含む前記バイパス回路を備え、前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在する場合、除霜対象の前記室外ユニットにおいて、前記圧縮機を停止し、前記阻止弁を開放し、他の前記室外ユニットの前記圧縮機から出力された前記冷媒である圧縮冷媒を、前記バイパス回路を経由して、前記室外熱交換器に供給する制御を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、除霜の際の圧縮機における冷媒の圧縮にかかる運転の負荷をより低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】空気調和機の構成の一例を示す図である。
図2】除霜制御処理の一例を示すフローチャートである。
図3】バイパス回路の接続態様の一例を示す図である。
図4】冷媒の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
<実施形態1>
実施形態1について説明する。図1は、実施形態1の空気調和機1の概略構成の一例を示す図である。空気調和機1は、2台の室外ユニット10(室外ユニット10a、10b)及び3台の室内ユニット40(室内ユニット40a、40b、40c)が配管で接続されて閉回路を構成している。この閉回路の中に冷媒が封入されており、冷媒が循環することで冷凍サイクルが実現される。空気調和機1に含まれる室外ユニット10の台数は複数台であればよく、2台より多くてもよい。空気調和機に含まれる室内ユニット40の台数は、1台以上であれば、3台と異なる台数でもよい。
本実施形態では、空気調和機1は、室内ユニット40の少なくとも一部に対する暖房運転を行っている場合を例に説明する。
【0010】
室外ユニット10それぞれの構成について説明する。室外ユニット10は、インバータにより回転周波数を可変できる圧縮機11、四方弁(可逆弁)12、室外空気と熱交換を行う室外熱交換器13、室外熱交換器13への冷媒流量を調整するための電子膨張弁等で構成された室外膨張弁14、バイパス回路15、送風機16、圧力センサ17、圧力センサ18、温度センサ群19、室外ユニット10を制御する制御部20を備える。以下では、室外ユニット10a、bにおける要素11~20を、それぞれ要素11a、b~20a、bと表す。室外ユニット10において、圧縮機11と、四方弁12と、室外熱交換器13と、室外膨張弁14と、バイパス回路15と、が配管接続されて設けられている。なお、図1において、圧縮機11における冷媒の吸込口をEで示す。
【0011】
バイパス回路15は、圧縮機11における冷媒の吐出口と四方弁12とを接続する配管であると吐出側配管30と、圧縮機11における冷媒の吸込口と四方弁12とを接続する配管である吸込側配管31と、を接続するよう設けられている配管である。吸込側配管31は、第1の配管の一例である。吐出側配管30は、第2の配管の一例である。以下では、バイパス回路15の2つの端部をそれぞれ、第1端部151、第2端部152とする。第1端部151は、吐出側配管30に接続されている。また、第2端部152は、吸込側配管31に接続されている。また、バイパス回路15には、電磁弁で構成された阻止弁153が設けられている。なお、以下では、室外ユニット10a、bにおける要素30、31、151~153について、それぞれ要素30a、b、31a、b、151a、b~153a、bと表す。この阻止弁153は、バイパス回路15内の冷媒の流れを阻止する弁であり、制御部20から開放の指示を受けるまで、閉じたままとなっている。本実施形態では、この阻止弁153は、室外ユニット10が除霜対象となった場合(室外ユニット10の室外熱交換器13に霜が生じた場合)に開放される。また、本実施形態では、室外ユニット10が除霜対象である場合、圧縮機11は停止される。例えば、図1の例で説明すると、室外熱交換器13aが除霜対象である場合、図1中の矢印が示すように、バイパス回路15aは、他の室外ユニット10bにより圧縮され出力された冷媒を、圧縮機11aを経由させずに、室外熱交換器13aに通す。この際、室外熱交換器13aは、凝縮器として機能し、加熱され、室外熱交換器13aに生じた霜を溶かすことで、除霜を実現する。
【0012】
また、本実施形態では、バイパス回路15における阻止弁153は、第1端部151と第2端部152との間の双方向の冷媒の流れを止める弁ではなく、第1端部151から第2端部152への一方向の冷媒の流れを止める弁である。
ここで、第1端部151と第2端部152との間の双方向でなく、第1端部151から第2端部152への一方向の冷媒の流れを止める弁を用いる意図を説明する。
【0013】
室内ユニット40への暖房運転が行われており、且つ、室外ユニット10が除霜対象である場合、圧縮機11は停止しており、他の室外ユニットの圧縮機11で圧縮され高温となった冷媒は、以下のように流れる。すなわち、冷媒は、除霜対象の室外ユニット10に流れ込むと、バイパス回路15を第1端部151から第2端部152の方向へ流れ、室外熱交換器13に供給される。
また、室外ユニット10の圧縮機11が起動している場合、暖房運転中であるか冷房運転中であるかに関わらず、吸込側配管31には、圧縮機11により圧縮される前の冷媒が入っている。また、吐出側配管30には、圧縮機11により圧縮された冷媒が入っている。そのため、吐出側配管30内の圧力の方が、吸込側配管31内の圧力よりも大きくなる。結果として、バイパス回路15には、吐出側配管30に接続された第1端部151側から吸込側配管31に接続された第2端部152側への冷媒の流れが生じうる。
また、室外ユニット10が除霜対象でなく、圧縮機11が起動していない場合、室外膨張弁14が閉じており、室外ユニット10内に冷媒が流れず、バイパス回路15内にも冷媒の流れは生じない。
【0014】
このように、バイパス回路15では、第1端部151から第2端部152への冷媒の流れが生じうるが、第2端部152から第1端部151への冷媒の流れは生じない。結果として、バイパス回路15を開放しない場合に、バイパス回路15における冷媒の流れを阻止するためには、第1端部151から第2端部152への一方向の冷媒の流れを止めればよいこととなる。このように、バイパス回路15における阻止弁153として、第1端部151から第2端部152への一方向の冷媒の流れを阻止する弁を用いることで、第1端部151と第2端部152との間の双方向の冷媒の流れを阻止する弁を用いずに済むため、コストを低減できる。
【0015】
また、送風機16は、室外熱交換器13の近傍に設けられ、室外熱交換器13に対する送風を行う。また、圧力センサ17は、圧縮機11の冷媒の吸込口の近傍の配管に設けられ、配管内の圧力の検知を行う。圧力センサ17は、圧縮機11の冷媒の吐出口の近傍の配管に設けられ、配管内の圧力の検知を行う。また、温度センサ群19は、室外熱交換器13が凝縮器として用いられる場合における室外熱交換器13の冷媒の出口付近の配管に備えられた温度センサ191、室外熱交換器13の近傍に配置された温度センサ192、及び、外気に触れる位置に配置された温度センサ193を含む。温度センサ191は、室外熱交換器13が凝縮器として用いられる場合における室外熱交換器13から出てきた冷媒の温度を検知する。また、温度センサ192は、室外熱交換器13の温度を検知する。また、温度センサ193は、外気温を検知する。
【0016】
制御部20は、プロセッサ、記憶部を含む。制御部20の機能及び処理は、制御部20のプロセッサが記憶部に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって実現される。他の例としては制御部20の機能及び処理の一部はハードウェア回路を用いて実現されてもよい。制御部20は、圧縮機11、四方弁12、室外膨張弁14、送風機16、圧力センサ17、圧力センサ18、温度センサ群19と、信号線を介して、信号を送ったり、信号を受け取ったりできるよう接続されている。制御部20は、信号線を介して、圧縮機11、四方弁12、室外膨張弁14、送風機16を制御したり、圧力センサ17、圧力センサ18、温度センサ群19により検知された圧力や温度を取得したりすることができる。
本実施形態では、制御部20aは、制御部20bに対しても信号を送り、制御部20bを介して室外ユニット10bも制御し、室内ユニット40それぞれについても制御するものとして説明を行う。すなわち、制御部20aが空気調和機1全体を制御するものとして説明を行う。
【0017】
室内ユニット40の構成について説明する。室内ユニット40には、室内空気と熱交換を行う室内熱交換器41と、室内熱交換器41の冷媒流量を調整するために電子膨張弁等で構成された室内膨張弁42と、が配管接続されて設けられている。また、室内ユニット40は、室内熱交換器41の近傍に設けられた送風機43を備える。以下では、室内ユニット40a、b、cにおける要素41~43を、それぞれ要素41a、b、c~43a、b、cと表す。
【0018】
図2を用いて、空気調和機1が実行する除霜制御処理を説明する。
制御部20aは、室内ユニット40a、40b、40cの少なくとも一部に対する暖房運転を開始すると、図2の処理についても開始する。
ステップS101において、制御部20aは、室外ユニット10それぞれの温度センサ192を介して、室外ユニット10それぞれについて、室外熱交換器13の温度を取得する。そして、制御部20aは、取得した室外熱交換器13の温度に基づいて、室外ユニット10それぞれについて、室外熱交換器13に霜が生じているか否かを判定する。本実施形態では、制御部20aは、室外熱交換器13の温度が既定の閾値以下である場合に、この室外熱交換器13に霜が生じていることを検知する。ただし、他の例として、制御部20aは、他の方法で室外熱交換器13に霜が生じていることを検知してもよい。例えば、制御部20aは、外気温を更に取得し、室外熱交換器13の温度が、外気温ごとに定められた閾値以下である場合に、この室外熱交換器13に霜が生じていることを検知してもよい。
【0019】
制御部20aは、少なくとも1台の室外ユニット10において、室外熱交換器13に霜が生じていると判定した場合、処理をステップS102に進め、室外熱交換器13に霜が生じている室外ユニット10が存在しないと判定した場合、ステップS101の処理を繰り返す。以下では、室外熱交換器13に霜が生じていると判定された室外ユニット10を、除霜対象である除霜ユニットとする。
【0020】
ステップS102において、制御部20aは、全ての室外ユニット10が除霜ユニットであるか否かを判定する。制御部20aは、全ての室外ユニット10が除霜ユニットであると判定した場合、処理をステップS103に進める。また、制御部20aは、除霜ユニットでない室外ユニット10が存在すると判定した場合、処理をステップS104に進める。
【0021】
ステップS103において、制御部20aは、逆サイクル除霜を行う。逆サイクル除霜とは、冷房運転(運転中(室内膨張弁42が開放されている)の室内ユニット40の室内熱交換器41を蒸発器として、除霜対象の室外熱交換器13を凝縮器として機能させる運転)を行うことで、除霜ユニットの室外熱交換器13を加熱し除霜することである。より具体的には、制御部20aは、全ての室外ユニット10について、四方弁12を制御して、室内熱交換器41を蒸発器として、室外熱交換器13を凝縮器として機能させる。これにより、室外熱交換器13が加熱され、霜が溶けることで除霜されることとなる。制御部20aは、ステップS103の処理の完了後に、処理をステップS111に進める。
【0022】
ステップS104において、制御部20aは、運転中の室内ユニット40が要求する圧縮機11の運転負荷の指標値(以下では、運転負荷指標値)を取得する。本実施形態では、制御部20aは、全ての圧縮機11の運転周波数を取得し、取得した運転周波数の合計値を運転負荷指標値として取得する。この時点で、全ての圧縮機11は、運転中の室内ユニット40が要求する暖房運転を実現するための運転負荷がかかっている。そのため、この合計値は、室内ユニット40の要求する圧縮機11の運転負荷指標値とみなせる。制御部20aは、ステップS104の処理の完了後に、処理をステップS105に進める。
【0023】
ステップS105において、制御部20aは、除霜ユニットの圧縮機11を停止させ、除霜ユニットのバイパス回路15の阻止弁153を開放することで、除霜ユニットの室外熱交換器13の除霜を開始する。これにより、他の室外ユニット10の圧縮機11で圧縮され出力された冷媒が、除霜ユニットに流れ込み、除霜ユニットの圧縮機11を経由せず、除霜ユニットのバイパス回路15を経由して、除霜ユニットの室外熱交換器13に供給される。除霜対象と異なる他の室外ユニット10の圧縮機11により出力された冷媒は、圧縮冷媒の一例である。結果として、室外熱交換器13が加熱され、除霜が行われる。制御部20aは、ステップS105の処理の完了後に、処理をステップS106に進める。
【0024】
ステップS106において、制御部20aは、ステップS104で取得した運転負荷指標値が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する。本実施形態では、この閾値は、除霜ユニット以外の室外ユニット10の圧縮機11が除霜にかかる運転負荷に加えて賄うことができる運転負荷を示す値として予め定められた値である。制御部20aは、ステップS104で取得した運転負荷指標値が予め定められた閾値以下であると判定した場合、すなわち、室内ユニット40が要求する運転負荷と予め想定された除霜による運転負荷の合計を除霜ユニット以外の室外ユニット10の圧縮機で賄える場合、処理をステップS108に進める。また、制御部20aは、ステップS104で取得した運転負荷指標値が予め定められた閾値より大きいと判定した場合、すなわち、室内ユニット40が要求する運転負荷と予め想定された除霜による運転負荷の合計を除霜ユニット以外の室外ユニット10の圧縮機で賄えない場合、処理をステップS107に進める。
【0025】
ステップS107において、制御部20aは、運転中の全ての室内ユニット40を停止する。つまりは、制御部20aは、室内ユニット40における室内膨張弁42の開口度を下げ、室内ファン43を停止するよう制御する。ここで、開口度とは、弁の開いている度合いである。本実施形態では、制御部20aは、運転中の全ての室内ユニット40における室内膨張弁42を完全に閉じた状態にする。ただし、他の例として、制御部20aは、室内膨張弁42の開口度を既定の閾値以下となるように制御してもよい。また、制御部20aは、運転中の室内ユニット40の一部における室内膨張弁42の開口度を下げるよう制御してもよい。また、制御部20aは、室内ファン43を停止しなくてもよい。また、その場合、制御部20aは、室内ファン43の送風の強度を低下させてもよい。
これにより、制御部20aは、室内ユニット40に流れ込む冷媒を減少し、除霜ユニットに流れ込む冷媒を増加させることで、除霜ユニットにおける除霜能力を向上できる。また、制御部20aは、室内ユニット40への冷媒を減少させることで、暖房にかかる負荷を減少させ、圧縮機11の運転負荷を減少できる。
制御部20aは、ステップS107の処理の完了後に、処理をステップS108に進める。
【0026】
ステップS108において、制御部20aは、除霜ユニット以外に停止中の室外ユニット10(圧縮機11が停止し、室外膨張弁14が閉まっている室外ユニット10)が存在するか否かを判定する。制御部20aは、除霜ユニット以外に停止中の室外ユニット10が存在すると判定した場合、処理をステップS109に進め、除霜ユニット以外に停止中の室外ユニット10が存在しないと判定した場合、処理をステップS110に進める。
【0027】
ステップS109において、制御部20aは、停止中の全ての室外ユニット10を起動(圧縮機11を起動し、室外膨張弁14を開放)し、暖房運転(室外熱交換器13を蒸発器として用いる運転)を開始させる。これにより、制御部20aは、除霜ユニット、室内ユニット40に流れ込む冷媒を増加させ、除霜ユニットに対する除霜能力、室内ユニット40に対する暖房能力を向上できる。
ただし、他の例として、制御部20aは、停止中の室外ユニット10の一部(少なくとも1台)を起動し、暖房運転を開始させてもよい。また、制御部20aは、停止していない室外ユニット10が存在する場合、停止中の室外ユニット10を起動しないこととしてもよい。
制御部20aは、ステップS109の処理の完了後に、処理をステップS110に進める。
【0028】
ステップS110において、制御部20aは、除霜ユニットの温度センサ191を介して検知された除霜ユニットの室外熱交換器13の出口付近の冷媒の温度を取得する。以下では、この温度を、出口側温度とする。また、制御部20aは、除霜ユニットの圧力センサ17を介して検知された圧力(除霜ユニットにおける配管内の室外熱交換器13の近傍の圧力)を取得する。そして、制御部20aは、取得した圧力に基づいて、この圧力下における冷媒の凝縮温度を取得する。凝縮温度とは、冷媒が気体から液体になる際の温度である。本実施形態では、制御部20aは、予め定められた圧力と凝縮温度との対応情報に基づいて、凝縮温度を取得する。制御部20aは、取得した凝縮温度から出口側温度を引いた値である、除霜ユニットの室外熱交換器13の液サブクール温度を取得する。
【0029】
制御部20aは、取得した液サブクール温度が予め定められた範囲内であるか否かを判定する。この範囲は、除霜能力と、室内ユニット40への暖房能力と、を両立する場合に取りうる液サブクールの温度の範囲として予め定められた範囲である。
制御部20aは、取得した液サブクール温度が予め定められた範囲外であると判定した場合、除霜ユニットの室外膨張弁14の開閉を行う。より具体的には、制御部20aは、取得した液サブクール温度が予め定められた範囲よりも小さい場合、除霜ユニットの室外膨張弁14を開放の度合いを下げる(閉める)よう制御する。また、制御部20aは、取得した液サブクール温度が予め定められた範囲よりも大きい場合、除霜ユニットの室外膨張弁14を開放の度合いを上げる(開ける)よう制御する。そして、制御部20aは、再度、除霜ユニットの室外熱交換器13の液サブクール温度を取得し、取得した液サブクール温度が予め定められた範囲内か否かを判定し、範囲外であれば、再度、除霜ユニットの室外膨張弁14の開閉を行う。制御部20aは、以上の処理を、除霜ユニットの室外熱交換器13の液サブクール温度が、予め定められた範囲内となるまで繰り返す。そして、制御部20aは、処理をステップS111に進める。
【0030】
除霜ユニットの室外熱交換器13の液サブクール温度は、除霜ユニットの室外膨張弁14の開放の度合いと相関がある。室外膨張弁14は閉まるほど、室外熱交換器13へ流れ込む冷媒が少なくなり除霜能力が落ちるが、室内ユニット40へ流れ込む冷媒が多くなり室内ユニット40への暖房能力が向上する。また、室外膨張弁14は開くほど、室外熱交換器13へ流れ込む冷媒が多くなり除霜能力が向上するが、室内ユニット40へ流れ込む冷媒が少なくなり室内ユニット40への暖房能力が低下する。そこで、本実施形態では、制御部20aは、除霜ユニットの室外熱交換器13の液サブクール温度をこの範囲内とすることで、除霜ユニットの除霜能力と、室内ユニット40への暖房能力と、の両立を実現できる。また、S107において室内ユニット40を全数停止させた場合、制御部20aは、取得した液サブクール温度が予め定められた範囲内となるまで除霜ユニットの室外膨張弁14の開閉を行う。ただし、他の例として、冷媒循環の妨げにならない所定の開口度に固定してもよい。
【0031】
ステップS111において、制御部20aは、除霜ユニットに対する除霜が完了したか否かを判定する。本実施形態では、制御部20aは、除霜ユニットの温度センサ192を介して、除霜ユニットの室外熱交換器13の温度を取得する。室外熱交換器13の温度が予め定められた閾値より大きければ、除霜が完了したと判断する。ただし、他の例として、制御部20aは、他の方法で除霜が完了したか否かを判定してもよい。例えば、制御部20aは、ステップS103又はステップS105で除霜を開始してからの経過期間が予め定められた閾値以上となった場合、除霜が完了したと判定してもよい。
【0032】
制御部20aは、除霜ユニットに対する除霜が完了したと判定した場合、処理をステップS112に進め、除霜ユニットに対する除霜が完了していないと判定した場合ステップS111の処理を繰り返す。
【0033】
ステップS112において、制御部20aは、除霜を停止、通常の暖房運転を再開する。
より具体的には、制御部20aは、ステップS103の処理を実行した場合、各室外ユニット10の四方弁12を制御して、室外ユニット10の室外熱交換器13を蒸発器として機能させ、室内ユニット40の室内熱交換器41を凝縮器として機能させることで、暖房運転を再開する。
また、制御部20aは、ステップS105の処理を実行した場合、ステップS105で停止した圧縮機11を起動させ、ステップS105で開放したバイパス回路15の阻止弁153を閉じる。
また、制御部20aは、ステップS107の処理を実行した場合、ステップS107で変更した室内膨張弁42の開放の度合いを変更前に戻し、ステップS107で停止した室内ファン43を起動する。
また、制御部20aは、ステップS109の処理を実行した場合、ステップS109で起動した室外ユニット10を停止する。
また、制御部20aは、ステップS110の処理を実行した場合、ステップS110で変更した室外膨張弁14の開放の度合いを変更前に戻す。
【0034】
以上、本実施形態の構成により、空気調和機1は、複数の室外ユニット10のうち一部の室外ユニット10が除霜ユニットである場合、除霜ユニットにおける圧縮機11を起動させずに、他の室外ユニット10で圧縮された冷媒を、除霜ユニットの室外熱交換器13に供給することで、除霜ができる。そのため、空気調和機1は、除霜ユニットにおける圧縮機11を起動させずにすみ、除霜ユニットにおける圧縮機11を起動させて除霜を行う場合に比べて、除霜の際の圧縮機11における冷媒の圧縮にかかる運転の負荷をより低減できる。
【0035】
また、空気調和機1は、一部の室外ユニット10が除霜ユニットである場合には、上記のような除霜を行い、全ての室外ユニット10が除霜ユニットである場合、逆サイクル除霜を行う。これにより、空気調和機1は、状況に応じた除霜を実現できる。
【0036】
<付記>
上述の実施形態では、バイパス回路15の第2端部152は、吸込側配管31に接続されているとした。ただし、バイパス回路15の第2端部152は、図3に示すように、室外熱交換器13と四方弁12とを接続する配管32に接続されてもよい。この場合でも、空気調和機1は、除霜の際に、圧縮機11を停止し、バイパス回路15の阻止弁153を開放する。すると、他の室外ユニット10により圧縮され出力された冷媒は、図3の矢印が示すように、除霜ユニットに入り、バイパス回路15内を第1端部151ら第2端部152の方向へ進み、除霜対象の室外熱交換器13に供給される。
また、圧縮機11が起動している場合、暖房運転においては、第2端部152が接続された配管32内には圧縮機11により圧縮される前の冷媒が入る。また、第1端部151が接続された配管(吐出側配管30)内には圧縮機11により圧縮された後の冷媒が入る。すなわち、第1端部151が接続された配管内の方が、第2端部152が接続された配管内よりも圧力が高くなる。そのため、仮にバイパス回路15の阻止弁153が開放されていても、冷媒は、バイパス回路15内を第1端部151から第2端部152の方向に流れるが、第2端部152から第1端部151の方向へは流れない。
また、圧縮機11が起動している場合、冷房運転においては、図4の矢印に示すような冷媒の流れが生じる。この場合、第1端部151が接続された配管(吐出側配管30)と、第2端部152が接続された配管32とは、共に、圧縮機11と室外熱交換器13とを接続する配管となり、内部の圧力は同じである。この場合、仮にバイパス回路15の阻止弁153が開放されていても、冷媒は、圧縮機11からの押し出された力によって、バイパス回路15内を第1端部151から第2端部152の方向に流れるが、第2端部か152ら第1端部151の方向へは流れない。
また、室外ユニット10が停止している場合、室外ユニット10内を冷媒は流れないため、バイパス回路15内を、冷媒が第2端部152から第1端部151の方向へ流れない。
【0037】
以上のように、バイパス回路15の第2端部152が配管32に接続されている場合でも、バイパス回路15内において第2端部152から第1端部151への冷媒の流れは生じない。
そのため、この場合でも、バイパス回路15の阻止弁153として、双方向の阻止弁153でなく、第1端部151から第2端部152への一方向の阻止弁153を用いることでコストを低減できる。
【0038】
また、上述の実施形態では、制御部20aは、運転負荷指標値として、全ての圧縮機11の運転周波数の合計を用いることとした。ただし、制御部20aは、運転負荷指標値として、他の値を用いてもよい。例えば、制御部20aは、運転負荷指標値として、運転中の室内ユニット40の運転容量(馬力)の合計値を用いてもよい。また、制御部20aは、運転負荷指標値として、運転中の室内ユニット40の運転容量の合計値と、全ての圧縮機11の運転周波数の合計値と、の双方を用いてもよい。この場合、例えば、制御部20aは、ステップS106で、運転負荷指標値それぞれが、運転負荷指標値それぞれに対して定められた閾値以下であれば、処理をステップS108に進め、運転負荷指標値の何れかが閾値よりも大きければ、処理をステップS107に進めてもよい。
【0039】
また、上述の実施形態では、制御部20aは、室外ユニット10のバイパス回路15を、室外ユニット10の室外熱交換器13の除霜の際に、開放するとした。ただし、制御部20aは、他のタイミングにおいても、室外ユニット10のバイパス回路15を開放してもよい。例えば、制御部20aは、圧力センサ17、18を介して、圧縮機11の吸込口側の配管の圧力(以下では、吸込口圧力)と、圧縮機11の吐出口側の配管の圧力(以下では、吐出口圧力)と、を取得する。吸込口圧力は、第2の圧力の一例である。吐出口圧力は、第1の圧力の一例である。そして、制御部20aは、取得した吸込口圧力と、吐出口圧力と、吸込口圧力と吐出口圧力の圧力比(吐出口圧力/吸込口圧力)と、の何れかが予め定められた正常値の範囲を超えた場合、バイパス回路15の阻止弁153を開放してもよい。これにより、制御部20aは、圧縮機11の周囲の配管における圧力の異常を低減できる。
【0040】
また、上述の実施形態では、制御部20aは、運転負荷指標値が予め定められた閾値よりも大きい場合、ステップS107の処理を行うとした。ただし、制御部20aは、運転負荷指標値の値に関わらず、ステップS107の処理を行ってもよい。
【0041】
また、上述の実施形態では、空気調和機1における全ての室外ユニット10は、バイパス回路15を備えるとした。ただし、空気調和機1における少なくとも1台の室外ユニット10がバイパス回路15を備え、残りの室外ユニット10がバイパス回路15を備えないこととしてもよい。その場合でも、制御部20は、バイパス回路15を備える室外ユニットが除霜ユニットとなった場合に、バイパス回路15を開放することで、除霜ユニットの圧縮機11を用いずに、運転負荷を低減しつつ、除霜ができる。
【0042】
また、上述の実施形態では、室外ユニット10aの制御部20aが、空気調和機1全体を制御し、図2の処理を実行するとした。ただし、制御部20aと異なる主体が、空気調和機1全体を制御し、図2の処理を実行するとしてもよい。例えば、室外ユニット10bの制御部20bが、空気調和機1全体を制御し、図2の処理を実行してもよい。また、室内ユニット40に制御部が含まれる場合、室内ユニット40の制御部が、空気調和機1全体を制御し、図2の処理を実行してもよい。
【0043】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態、変形例の一部を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 空気調和機
10a、b 室外ユニット
11a、b 圧縮機
12a、b 四方弁
13a、b 室外熱交換器
14a、b 室外膨張弁
15a、b バイパス回路
151a、b 第1端部
152a、b 第2端部
153a、b 阻止弁
16a、b 送風機
17a、b 圧力センサ
18a、b 圧力センサ
19a、b 温度センサ群
191a、b 温度センサ
192a、b 温度センサ
193a、b 温度センサ
20a、b 制御部
30a、b 吐出側配管
31a、b 吸込側配管
32 配管
40a~c 室内ユニット
41a~c 室内熱交換器
42a~c 室内膨張弁
43a~c 送風機
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と四方弁と室外熱交換器とを含む複数の室外ユニットと、
1台以上の室内ユニットと、
制御部と、
を備える空気調和機であって、
少なくとも1台の前記室外ユニットは、
前記圧縮機における冷媒の吸込口と前記四方弁とを接続する配管、又は、前記室外熱交換器と前記四方弁とを接続する配管の何れかである第1の配管と、前記圧縮機における前記冷媒の吐出口と前記四方弁とを接続する第2の配管と、を接続するバイパス回路であって、前記第2の配管から前記第1の配管への前記冷媒の流れを阻止する阻止弁を含む前記バイパス回路を備え、
前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在する場合、除霜対象の前記室外ユニットにおいて、前記圧縮機を停止し、前記阻止弁を開放し、前記圧縮機を停止した状態で、他の前記室外ユニットの前記圧縮機から出力された前記冷媒である圧縮冷媒を、前記バイパス回路を経由して、前記室外熱交換器に供給する制御を行う空気調和機。
【請求項2】
前記第1の配管は、前記吸込口と前記四方弁とを接続する配管である請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在し、前記圧縮機が停止している前記室外ユニットが存在する場合、前記圧縮機が停止している少なくとも1台の前記室外ユニットの前記圧縮機を起動させる請求項1に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記バイパス回路を備える前記室外ユニットそれぞれは、前記室外熱交換器に供給される前記冷媒の量の調整に用いられる室外膨張弁を更に備え、
前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットにおいて、前記室外膨張弁を制御し、前記室外熱交換器の液サブクール温度を予め定められた範囲内とする制御を行う請求項1に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記室内ユニットそれぞれは、室内熱交換器と、前記室内熱交換器に供給される前記冷媒の量の調整に用いられる室内膨張弁と、を備え、
前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在する場合、少なくとも1台の前記室内ユニットの前記室内膨張弁の開口度を低下させる制御を行う請求項1に記載の空気調和機。
【請求項6】
複数の前記室外ユニットそれぞれは、室外膨張弁を更に備え、
前記室内ユニットそれぞれは、室内熱交換器と、室内膨張弁と、を備え、
前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在し、複数の前記室外ユニットの前記圧縮機の運転周波数の合計、又は、運転中の前記室内ユニットの運転容量の合計の何れかの値が既定の閾値以下の場合、除霜対象の前記室外ユニットにおいて、前記室外膨張弁を制御し、前記室外熱交換器の液サブクール温度を予め定められた範囲内とする制御を行い、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在し、前記値が前記閾値よりも大きい場合、少なくとも1台の前記室内ユニットの前記室内膨張弁の開口度を低下させる制御を行う請求項1に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記制御部は、全ての前記室外ユニットが除霜対象である場合、逆サイクル除霜を行うよう制御する請求項1に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記制御部は、前記バイパス回路を備える前記室外ユニットにおいて、前記圧縮機の前記冷媒の吐出側の第1の圧力と、前記圧縮機の前記冷媒の吸込側の第2の圧力と、前記第1の圧力と前記第2の圧力との圧力比と、の何れかが予め定められた範囲を超えた場合、前記阻止弁を開放する請求項1乃至7の何れか1項に記載の空気調和機。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と四方弁と室外熱交換器とを含む複数の室外ユニットと、
1台以上の室内ユニットと、
制御部と、
を備える空気調和機であって、
冷媒流路における、前記1台以上の室内ユニットの一端と前記複数の室外ユニットの各一端とは、配管で接続され、
前記冷媒流路における、前記1台以上の室内ユニットの他端と、前記複数の室外ユニットの各他端とは、配管で接続され、
少なくとも1台の前記室外ユニットは、
前記圧縮機における冷媒の吸込口と前記四方弁とを接続する配管、又は、前記室外熱交換器と前記四方弁とを接続する配管の何れかである第1の配管と、前記圧縮機における前記冷媒の吐出口と前記四方弁とを接続する第2の配管と、を接続するバイパス回路であって、前記第2の配管から前記第1の配管への前記冷媒の流れを阻止する阻止弁を含む前記バイパス回路を備え、
前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在する場合、除霜対象の前記室外ユニットにおいて、前記圧縮機を停止し、前記阻止弁を開放し、前記圧縮機を停止した状態で、他の前記室外ユニットの前記圧縮機の運転をすることで、他の前記室外ユニットから流出する前記冷媒を、前記バイパス回路を経由して、除霜対象の前記室外ユニットの前記室外熱交換器に供給する制御を行う空気調和機。
【請求項2】
前記第1の配管は、前記吸込口と前記四方弁とを接続する配管である請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記バイパス回路を備える前記室外ユニットそれぞれは、前記室外熱交換器に供給される前記冷媒の量の調整に用いられる室外膨張弁を更に備え、
前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットにおいて、前記室外膨張弁を制御し、前記室外熱交換器の液サブクール温度を予め定められた範囲内とする制御を行う請求項1に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記室内ユニットそれぞれは、室内熱交換器と、前記室内熱交換器に供給される前記冷媒の量の調整に用いられる室内膨張弁と、を備え、
前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在する場合、少なくとも1台の前記室内ユニットの前記室内膨張弁の開口度を低下させる制御を行う請求項1に記載の空気調和機。
【請求項5】
複数の前記室外ユニットそれぞれは、室外膨張弁を更に備え、
前記室内ユニットそれぞれは、室内熱交換器と、室内膨張弁と、を備え、
前記制御部は、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在し、複数の前記室外ユニットの前記圧縮機の運転周波数の合計、又は、運転中の前記室内ユニットの運転容量の合計の何れかの値が既定の閾値以下の場合、除霜対象の前記室外ユニットにおいて、前記室外膨張弁を制御し、前記室外熱交換器の液サブクール温度を予め定められた範囲内とする制御を行い、前記バイパス回路を備える除霜対象の前記室外ユニットが存在し、前記値が前記閾値よりも大きい場合、少なくとも1台の前記室内ユニットの前記室内膨張弁の開口度を低下させる制御を行う請求項1に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記制御部は、全ての前記室外ユニットが除霜対象である場合、逆サイクル除霜を行うよう制御する請求項1に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記制御部は、前記バイパス回路を備える前記室外ユニットにおいて、前記圧縮機の前記冷媒の吐出側の第1の圧力と、前記圧縮機の前記冷媒の吸込側の第2の圧力と、前記第1の圧力と前記第2の圧力との圧力比と、の何れかが予め定められた範囲を超えた場合、前記阻止弁を開放する請求項1乃至の何れか1項に記載の空気調和機。