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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043675
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 11/00 20060101AFI20240326BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240326BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20240326BHJP
   B65H 1/26 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B65H11/00 A
H04N1/00 567C
H04N1/00 L
H04N1/12 Z
B65H1/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148802
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130535
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 明
(74)【代理人】
【識別番号】100183025
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 孝一
(72)【発明者】
【氏名】並木 政樹
【テーマコード(参考)】
3F063
3F343
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
3F063AD01
3F063BA02
3F063BA04
3F063BA10
3F063BC02
3F063CA04
3F063CB07
3F343FA03
3F343FB00
3F343FC30
3F343GA02
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA01
3F343HA06
3F343HA07
3F343HB02
3F343KB03
3F343KB08
3F343KB17
3F343LA15
3F343LC12
3F343LC14
3F343LC20
3F343LD12
3F343LD25
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB10
5C062AB30
5C062AB31
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB35
5C062AC09
5C062AC11
5C062AC15
5C062AD02
5C062AF10
5C072AA01
5C072BA13
5C072EA04
5C072NA01
5C072NA04
5C072VA06
5C072XA04
(57)【要約】
【課題】媒体のセット性を向上する。
【解決手段】開口位置と収納位置とに変位可能であって、開口位置にあるときに挿入口32から挿入された媒体を載置面41で載置する媒体載置部4と、媒体の給送部5と、給送部5によって給送される媒体の画像を読み取る読取部2と、媒体を接触面61に接触させて案内する案内部材6と、を備え、案内部材6は、幅方向から見て接触面61が載置面41に対して第1傾斜角Θ1をなす第1位置と、幅方向から見て接触面61が載置面41に対して第2傾斜角Θ2をなす第2位置と、に変位可能であり、媒体載置部4が開口位置から収納位置に移動することに伴って第1位置から第2位置に移動し、媒体載置部4が収納位置から開口位置に移動することに伴って第2位置から第1位置に移動する画像読取装置1。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の挿入口と、
前記挿入口が開かれた状態とする開口位置と、前記挿入口に少なくとも一部が収納されることで前記挿入口が閉じられた状態とする収納位置と、に変位可能であって、前記開口位置にあるときに前記挿入口から挿入された前記媒体を載置面で載置する媒体載置部と、
前記載置面に載置された前記媒体を給送方向に給送する給送部と、
前記給送部によって給送される前記媒体の画像を読み取る読取部と、
前記載置面と対向する位置に設けられ、前記媒体を接触面に接触させて案内する案内部材と、
を備え、
前記案内部材は、
前記給送方向と交差する幅方向から見て前記接触面が前記載置面に対して前記給送方向に進むにしたがって狭まる鋭角となるように第1傾斜角をなす第1位置と、前記幅方向から見て前記接触面が前記載置面に対して前記第1傾斜角よりも大きい第2傾斜角をなす第2位置と、に変位可能であり、
前記媒体載置部が前記開口位置から前記収納位置に移動することに伴って前記第1位置から前記第2位置に移動し、前記媒体載置部が前記収納位置から前記開口位置に移動することに伴って前記第2位置から前記第1位置に移動することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置おいて、
前記案内部材は、前記第1位置において前記接触面の少なくとも一部が前記給送部よりも前記給送方向における上流に位置するとともに前記第2位置において前記媒体載置部よりも前記給送方向における下流に位置し、
前記第1位置にある場合の前記案内部材は、前記収納位置にあると仮定した場合の前記媒体載置部に対して、前記幅方向から見て少なくとも一部同士がオーバーラップすることを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像読取装置おいて、
回転軸が設けられた本体部を備え、
前記案内部材は、前記回転軸を基準に回転することで前記第1位置と前記第2位置とに変位可能であり、
前記案内部材に力を加える弾性部材を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像読取装置おいて、
前記案内部材は、前記媒体載置部が前記収納位置から前記開口位置に移動することに伴って、前記案内部材が前記第2位置から前記第1位置に移動するように前記弾性部材が前記案内部材に力を加えることで、前記第2位置から前記第1位置に移動することを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像読取装置おいて、
前記案内部材は、前記接触面に沿う延設方向に延設されるレール部を有し、前記レール部が前記回転軸と係合することで前記本体部に対して前記レール部に沿って移動可能であり、
前記案内部材が前記第1位置にあるときに前記延設方向における前記レール部の一方端で前記回転軸と係合し、前記案内部材が前記第2位置にあるときに前記延設方向における前記レール部の他方端で前記回転軸と係合することを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の画像読取装置おいて、
前記案内部材は、前記媒体載置部が前記開口位置から前記収納位置に移動することに伴って、前記媒体載置部に設けられた当接部が前記案内部材に設けられた被当接部に当接することで、前記第1位置から前記第2位置に移動することを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載の画像読取装置おいて、
前記給送部を着脱する際に開くことが可能な開閉部材を備え、
前記案内部材は、前記案内部材が前記第1位置にあるときに前記接触面が前記開閉部材よりも前記給送方向における上流に位置する配置で前記開閉部材に取り付けられていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像読取装置おいて、
前記案内部材は、前記案内部材が前記第2位置にあるときに前記給送方向において前記媒体載置部と前記開閉部材との間の位置に配置されることを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項7に記載の画像読取装置おいて、
第1ユニットと、前記開閉部材が設けられ前記第1ユニットに対して開閉可能な第2ユニットと、を有する本体部を備え、
前記案内部材は、手掛け部を有し、
前記第1ユニットに対して開いた状態の前記第2ユニットに対して、前記第1ユニットに対して前記第2ユニットを開く方向とは反対方向に前記手掛け部に力を加えると、前記開閉部材は前記第2ユニットに対して開くことを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項7に記載の画像読取装置おいて、
前記案内部材に力を加える弾性部材を備え、
前記弾性部材として、第1弾性部材と第2弾性部材とを有し、
前記第1弾性部材は、前記開閉部材に設けられる第1取付部と、前記案内部材に設けられる第2取付部と、に取り付けられ、
前記第2弾性部材は、前記開閉部材に設けられる第3取付部と、前記案内部材に設けられる第4取付部と、に取り付けられ、
前記給送部の少なくとも一部は、前記幅方向において前記第1弾性部材と前記第2弾性部材との間の位置に配置されることを特徴とする画像読取装置。
【請求項11】
請求項1または2に記載の画像読取装置おいて、
前記給送部として、給送ローラーと、前記給送ローラーと対向する位置に設けられ前記媒体を複数枚前記媒体載置部に載置した際に1枚分の前記媒体を前記給送ローラーとともにニップすることで分離可能な分離部と、を有し、
前記案内部材は、前記給送ローラーと前記分離部とのニップ位置よりも前記給送方向における上流に位置することを特徴とする画像読取装置。
【請求項12】
請求項11に記載の画像読取装置おいて、
前記案内部材は、前記接触面を有する第1腕部と第2腕部とを有し、
前記給送ローラーは、前記幅方向において前記第1腕部と前記第2腕部との間の位置に配置されることを特徴とする画像読取装置。
【請求項13】
請求項11に記載の画像読取装置おいて、
前記媒体載置部は、前記媒体載置部が前記収納位置にある場合、前記幅方向から見て、鉛直方向において前記給送ローラーの少なくとも一部及び前記分離部の少なくとも一部とオーバーラップすることを特徴とする画像読取装置。
【請求項14】
請求項1または2に記載の画像読取装置おいて、
前記媒体載置部は、前記媒体載置部が前記開口位置ある状態で収納及び延伸可能な載置補助部を有することを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々な画像読取装置が使用されている。このうち、挿入口から挿入された媒体を載置する媒体載置部と、媒体を給送する給送部と、媒体の画像を読み取る読取部と、を備える画像読取装置がある。例えば、特許文献1には、挿入口から挿入されたシートを載置するトレイと、シートを給送する搬送ローラと、シートの画像を読み取る情報読取部と、を備えるスキャナが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-246099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のスキャナのような、媒体載置部と給送部と読取部とを備える従来の画像読取装置においては、挿入口から装置内部に広がる空間が大きすぎることなどにより、挿入口から媒体を挿入する際のセット性が良くない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明の画像読取装置は、媒体の挿入口と、前記挿入口が開かれた状態とする開口位置と、前記挿入口に少なくとも一部が収納されることで前記挿入口が閉じられた状態とする収納位置と、に変位可能であって、前記開口位置にあるときに前記挿入口から挿入された前記媒体を載置面で載置する媒体載置部と、前記載置面に載置された前記媒体を給送方向に給送する給送部と、前記給送部によって給送される前記媒体の画像を読み取る読取部と、前記載置面と対向する位置に設けられ、前記媒体を接触面に接触させて案内する案内部材と、を備え、前記案内部材は、前記給送方向と交差する幅方向から見て前記接触面が前記載置面に対して前記給送方向に進むにしたがって狭まる鋭角となるように第1傾斜角をなす第1位置と、前記幅方向から見て前記接触面が前記載置面に対して前記第1傾斜角よりも大きい第2傾斜角をなす第2位置と、に変位可能であり、前記媒体載置部が前記開口位置から前記収納位置に移動することに伴って前記第1位置から前記第2位置に移動し、前記媒体載置部が前記収納位置から前記開口位置に移動することに伴って前記第2位置から前記第1位置に移動することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施例1に係る画像読取装置の外観を表す斜視図であって、媒体載置部が収納位置にある状態を表す図。
図2図1の画像読取装置の外観を表す斜視図であって、媒体載置部が開口位置にある状態を表す図。
図3図1の画像読取装置の媒体載置部を表す斜視図であって、載置補助部を収納した状態を表す図。
図4図1の画像読取装置の媒体載置部を表す斜視図であって、載置補助部を延伸した状態を表す図。
図5図1の画像読取装置の内部構成を表す側面断面図であって、媒体載置部が収納位置にある状態を表す図。
図6図1の画像読取装置の内部構成を表す側面断面図であって、媒体載置部が開口位置にある状態を表す図。
図7図1の画像読取装置の案内部材周辺を表す側面断面図であって、媒体載置部が収納位置にある状態を表す図。
図8図1の画像読取装置の案内部材周辺を表す側面断面図であって、媒体載置部を取り外した状態を表す図。
図9図1の画像読取装置の案内部材の当接部周辺を表す斜視図。
図10図1の画像読取装置の媒体載置部の被当接部周辺を表す斜視図。
図11図1の画像読取装置の媒体載置部を表す斜視図であって、第1ユニットに対して第2ユニットを開いた状態を表す図。
図12図11の状態から開閉部材を第2ユニットに対して開いた状態を表す図。
図13図1の画像読取装置の案内部材において第1弾性部材を取り付けた状態を表す斜視図。
図14図13の状態から第1弾性部材を取り外した状態を表す斜視図。
図15図1の画像読取装置の案内部材において第2弾性部材を取り付けた状態を表す斜視図。
図16図15の状態から第2弾性部材を取り外した状態を表す斜視図。
図17】本発明の実施例2に係る画像読取装置の開口位置にある案内部材周辺を表す側面断面図であって、案内部材が開口位置のうちの媒体のセット時の位置にある状態を表す図。
図18図17の画像読取装置の開口位置にある案内部材周辺を表す側面断面図であって、案内部材が開口位置のうちの媒体給送時の位置にある状態を表す図。
図19】本発明の実施例3に係る画像読取装置の案内部材周辺を表す側面断面図であって、案内部材が開口位置にある状態を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を概略的に説明する。
本発明の第1の態様に係る画像読取装置は、媒体の挿入口と、前記挿入口が開かれた状態とする開口位置と、前記挿入口に少なくとも一部が収納されることで前記挿入口が閉じられた状態とする収納位置と、に変位可能であって、前記開口位置にあるときに前記挿入口から挿入された前記媒体を載置面で載置する媒体載置部と、前記載置面に載置された前記媒体を給送方向に給送する給送部と、前記給送部によって給送される前記媒体の画像を読み取る読取部と、前記載置面と対向する位置に設けられ、前記媒体を接触面に接触させて案内する案内部材と、を備え、前記案内部材は、前記給送方向と交差する幅方向から見て前記接触面が前記載置面に対して前記給送方向に進むにしたがって狭まる鋭角となるように第1傾斜角をなす第1位置と、前記幅方向から見て前記接触面が前記載置面に対して前記第1傾斜角よりも大きい第2傾斜角をなす第2位置と、に変位可能であり、前記媒体載置部が前記開口位置から前記収納位置に移動することに伴って前記第1位置から前記第2位置に移動し、前記媒体載置部が前記収納位置から前記開口位置に移動することに伴って前記第2位置から前記第1位置に移動することを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、載置面と対向する位置に設けられ媒体を接触面に接触させて案内する案内部材を備える。このため、挿入口から媒体を挿入する際のセット性を向上することができる。さらに、案内部材は、幅方向から見て接触面が載置面に対して給送方向に進むにしたがって狭まる鋭角となるように第1傾斜角をなす第1位置と、幅方向から見て接触面が載置面に対して第1傾斜角よりも大きい第2傾斜角をなす第2位置と、に変位可能であり、媒体載置部が開口位置から収納位置に移動することに伴って第1位置から第2位置に移動し、媒体載置部が収納位置から開口位置に移動することに伴って第2位置から第1位置に移動する。すなわち、案内部材は、媒体をセットする際に媒体載置部を収納位置から開口位置に移動することに伴って、挿入口から媒体を挿入する際のセット性を向上することができる第1位置に配置される。このように、媒体載置部の変位に連動して案内部材を変位させることで、ユーザーの負荷を軽減し、媒体のセット性を特に向上することができる。
【0009】
また、本発明の第2の態様は、前記第1の態様の画像読取装置において、前記案内部材は、前記第1位置において前記接触面の少なくとも一部が前記給送部よりも前記給送方向における上流に位置するとともに前記第2位置において前記媒体載置部よりも前記給送方向における下流に位置し、前記第1位置にある場合の前記案内部材は、前記収納位置にあると仮定した場合の前記媒体載置部に対して、前記幅方向から見て少なくとも一部同士がオーバーラップすることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、第1位置にある場合の案内部材は、収納位置にあると仮定した場合の媒体載置部に対して、幅方向から見て少なくとも一部同士がオーバーラップする。このため、案内部材と媒体載置部とを近接させることができ、装置が大型化することを抑制することができる。
【0011】
また、本発明の第3の態様は、前記第1または第2の態様の画像読取装置において、回転軸が設けられた本体部を備え、前記案内部材は、前記回転軸を基準に回転することで前記第1位置と前記第2位置とに変位可能であり、前記案内部材に力を加える弾性部材を備えることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、案内部材は回転軸を基準に回転することで第1位置と第2位置とに変位可能である。このように案内部材を回転させることで変位させる構成とすることで、回転軸と交差する方向における装置内部のスペースを有効活用でき、装置が大型化することを効果的に抑制することができる。
【0013】
また、本発明の第4の態様は、前記第3の態様の画像読取装置において、前記案内部材は、前記媒体載置部が前記収納位置から前記開口位置に移動することに伴って、前記案内部材が前記第2位置から前記第1位置に移動するように前記弾性部材が前記案内部材に力を加えることで、前記第2位置から前記第1位置に移動することを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、案内部材は、媒体載置部が収納位置から開口位置に移動することに伴って、案内部材が第2位置から第1位置に移動するように弾性部材が案内部材に力を加えることで、第2位置から第1位置に移動する。媒体載置部の移動に伴って、弾性部材が案内部材に力を加えることで案内部材が移動するので、媒体載置部の移動に連動して弾性部材により案内部材を好適に移動させることができる。
【0015】
また、本発明の第5の態様は、前記第3の態様の画像読取装置において、前記案内部材は、前記接触面に沿う延設方向に延設されるレール部を有し、前記レール部が前記回転軸と係合することで前記本体部に対して前記レール部に沿って移動可能であり、前記案内部材が前記第1位置にあるときに前記延設方向における前記レール部の一方端で前記回転軸と係合し、前記案内部材が前記第2位置にあるときに前記延設方向における前記レール部の他方端で前記回転軸と係合することを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、案内部材は、接触面に沿う延設方向に延設されるレール部を有し、レール部が回転軸と係合することで本体部に対して前記レール部に沿って移動可能であり、案内部材が第1位置にあるときに延設方向におけるレール部の一方端で回転軸と係合し、案内部材が第2位置にあるときに延設方向におけるレール部の他方端で回転軸と係合する。このような構成とすることで、案内部材を媒体載置部の移動に連動して大きく移動させることができ、装置が大型化することを効果的に抑制することができる。また、接触面を広くとることができるので、媒体のセット性を特に向上することができる。
【0017】
また、本発明の第6の態様は、前記第1から第5のいずれか1つの態様の画像読取装置において、前記案内部材は、前記媒体載置部が前記開口位置から前記収納位置に移動することに伴って、前記媒体載置部に設けられた当接部が前記案内部材に設けられた被当接部に当接することで、前記第1位置から前記第2位置に移動することを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、案内部材は、媒体載置部が開口位置から収納位置に移動することに伴って、媒体載置部に設けられた当接部が案内部材に設けられた被当接部に当接することで、第1位置から第2位置に移動する。このような構成とすることで、媒体載置部の移動に案内部材の移動が連動する構成を簡単に形成することができる。
【0019】
また、本発明の第7の態様は、前記第1または第2の態様の画像読取装置において、前記給送部を着脱する際に開くことが可能な開閉部材を備え、前記案内部材は、前記案内部材が前記第1位置にあるときに前記接触面が前記開閉部材よりも前記給送方向における上流に位置する配置で前記開閉部材に取り付けられていることを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、給送部を着脱する際に開くことが可能な開閉部材を備え、案内部材は案内部材が第1位置にあるときに接触面が開閉部材よりも給送方向における上流に位置する配置で開閉部材に取り付けられている。このため、案内部材は開閉部材よりも給送方向における上流で媒体を案内することができ、開閉部材により案内部材の案内精度が低下することを抑制することができる。
【0021】
また、本発明の第8の態様は、前記第7の態様の画像読取装置において、前記案内部材は、前記案内部材が前記第2位置にあるときに前記給送方向において前記媒体載置部と前記開閉部材との間の位置に配置されることを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、案内部材は案内部材が第2位置にあるときに給送方向において媒体載置部と開閉部材との間の位置に配置される。このため、媒体載置部と開閉部材との間のスペースを利用して案内部材を配置することができ、装置が大型化することを効果的に抑制することができる。
【0023】
また、本発明の第9の態様は、前記第7の態様の画像読取装置において、第1ユニットと、前記開閉部材が設けられ前記第1ユニットに対して開閉可能な第2ユニットと、を有する本体部を備え、前記案内部材は、手掛け部を有し、前記第1ユニットに対して開いた状態の前記第2ユニットに対して、前記第1ユニットに対して前記第2ユニットを開く方向とは反対方向に前記手掛け部に力を加えると、前記開閉部材は前記第2ユニットに対して開くことを特徴とする。
【0024】
本態様によれば、案内部材は、手掛け部を有し、第1ユニットに対して第2ユニットを開いた状態で第2ユニットに対して、第1ユニットに対して第2ユニットを開く方向とは反対方向に手掛け部に力を加えると、開閉部材は前記第2ユニットに対して開く。このような構成とすることで、ユーザーは、手掛け部に手を掛けて開閉部材を容易に開くことができ、給送部を着脱する際の負荷を低減することができる。
【0025】
また、本発明の第10の態様は、前記第7の態様の画像読取装置において、前記案内部材に力を加える弾性部材を備え、前記弾性部材として、第1弾性部材と第2弾性部材とを有し、前記第1弾性部材は、前記開閉部材に設けられる第1取付部と、前記案内部材に設けられる第2取付部と、に取り付けられ、前記第2弾性部材は、前記開閉部材に設けられる第3取付部と、前記案内部材に設けられる第4取付部と、に取り付けられ、前記給送部の少なくとも一部は、前記幅方向において前記第1弾性部材と前記第2弾性部材との間の位置に配置されることを特徴とする。
【0026】
本態様によれば、弾性部材として第1弾性部材と第2弾性部材とを有し、第1弾性部材は開閉部材に設けられる第1取付部と案内部材に設けられる第2取付部とに取り付けられ、第2弾性部材は開閉部材に設けられる第3取付部と案内部材に設けられる第4取付部とに取り付けられ、給送部の少なくとも一部は幅方向において第1弾性部材と第2弾性部材との間の位置に配置される。このような構成とすることで、幅方向における給送部の両側に弾性部材を配置させることができ、弾性部材を介して開閉部材及び案内部材にかかる力のバランスを向上することができる。
【0027】
また、本発明の第11の態様は、前記第1から第10のいずれか1つの態様の画像読取装置において、前記給送部として、給送ローラーと、前記給送ローラーと対向する位置に設けられ前記媒体を複数枚前記媒体載置部に載置した際に1枚分の前記媒体を前記給送ローラーとともにニップすることで分離可能な分離部と、を有し、前記案内部材は、前記給送ローラーと前記分離部とのニップ位置よりも前記給送方向における上流に位置することを特徴とする。
【0028】
本態様によれば、給送部として給送ローラーと分離部とを有し、案内部材は給送ローラーと分離部とのニップ位置よりも給送方向における上流に位置する。このような構成とすることで、案内部材はニップ位置まで媒体を好適に案内することができ、媒体のセット性を特に向上することができる。
【0029】
また、本発明の第12の態様は、前記第11の態様の画像読取装置において、前記案内部材は、前記接触面を有する第1腕部と第2腕部とを有し、前記給送ローラーは、前記幅方向において前記第1腕部と前記第2腕部との間の位置に配置されることを特徴とする。
【0030】
本態様によれば、給送ローラーは幅方向において第1腕部と第2腕部との間の位置に配置される。このような構成とすることで、装置を大型化することなく第1腕部及び第2腕部の接触面を広くとることができ、媒体のセット性を特に向上することができる。
【0031】
また、本発明の第13の態様は、前記第11の画像読取装置において、前記媒体載置部は、前記媒体載置部が前記収納位置にある場合、前記幅方向から見て、鉛直方向において前記給送ローラーの少なくとも一部及び前記分離部の少なくとも一部とオーバーラップすることを特徴とする。
【0032】
本態様によれば、媒体載置部は、媒体載置部が収納位置にある場合、幅方向から見て、鉛直方向において給送ローラーの少なくとも一部及び分離部の少なくとも一部とオーバーラップする。このため、媒体載置部と給送ローラー及び分離部とを近接させることができ、装置が大型化することを抑制することができる。
【0033】
また、本発明の第14の態様は、前記第1から第13のいずれか1つの画像読取装置において、前記媒体載置部は、前記媒体載置部が前記開口位置ある状態で収納及び延伸可能な載置補助部を有することを特徴とする。
【0034】
本態様によれば、媒体載置部は媒体載置部が開口位置ある状態で収納及び延伸可能な載置補助部を有する。このため、装置の大型化を抑制しつつ大きなサイズの媒体を使用することが可能となる。
【0035】
以下、本発明を具体的に説明する。
以下では画像読取装置の一例として、原稿の第1面とその反対の第2面のうち少なくとも一面を読み取り可能なスキャナー1を例に挙げる。スキャナー1は、後述する読取部2に対して媒体の一例である原稿を移動させつつ原稿の画像の読み取りを行う、所謂シートフィードタイプのスキャナーである。本明細書において原稿には、シート状の原稿のみならず、カード状の原稿や冊子状の原稿が含まれるものとする。
【0036】
尚、各図において示すX-Y-Z座標系は、X軸方向が幅方向である。Y軸方向は前後方向であり、Z軸方向は鉛直方向に沿った方向である。本実施形態では、+Y方向を装置背面から前面に向かう方向とし、-Y方向を装置前面から背面に向かう方向とする。また、装置前面から見て左方向を+X方向、右方向を-X方向とする。また、以下では原稿が搬送されていく方向を「下流」といい、これと反対の方向を「上流」と称する場合がある。
【0037】
[実施例1]
最初に、実施例1のスキャナー1について図1から図16を参照して説明する。本実施例のスキャナー1は、媒体給送装置を備えている。本実施形態において媒体給送装置は、スキャナー1から、読取部2を除いた構成とする。但しスキャナー1は原稿を給送する観点において、読取部2を含むスキャナー1の全体を媒体給送装置としても良い。
【0038】
図1図2図5及び図6などで表されるように、本実施例のスキャナー1は、本体部3を備えている。本体部3は、第1ユニット3A、第2ユニット3Bを備えている。なお、第2ユニット3Bは、第1ユニット3Aに対して不図示の回転軸を基準に回転することで開閉することができる。図1図2図5及び図6は第2ユニット3Bが第1ユニット3Aに対して閉じた状態を表しており、図11及び図12は第2ユニット3Bが第1ユニット3Aに対して開いた状態を表している。通常は第2ユニット3Bを第1ユニット3Aに対して閉じた状態とするが、メンテナンス時などにおいては第2ユニット3Bを第1ユニット3Aに対して開いた状態とする。
【0039】
図1及び図2などで表されるように、本実施例のスキャナー1は、本体部3に媒体載置部4が取り付けられている。図2及び図6などで表されるように本体部3には原稿の挿入口32が設けられているが、媒体載置部4は、図2及び図6などで表される本体部3に設けられた挿入口32が開かれた状態とする開口位置と、図1及び図5などで表される挿入口に少なくとも一部が収納されることで挿入口32が閉じられた状態とする収納位置と、に変位可能である。そして、媒体載置部4は、開口位置にあるときに挿入口32から挿入された媒体を載置面41で載置する構成となっている。
【0040】
図2図4及び図6などで表されるように、媒体載置部4は載置補助部42を有している。ここで、載置補助部42は、媒体載置部4が開口位置ある状態で収納及び延伸可能な構成となっている。図3及び図5は載置補助部42が収納部43に収納された状態を表しており、図2図4及び図6は載置補助部42が収納部43から露出され基部42Aから延伸部42Bが延伸された状態を表している。基部42Aから延伸部42Bを延伸しなくてもサイズの小さい原稿は媒体載置部4に安定して載置することができるが、サイズの大きい原稿を使用する際は基部42Aから延伸部42Bを延伸することで原稿を媒体載置部4に安定して載置することができる。なお、媒体載置部4の載置面41として、収納部43の表面41Aと載置補助部42の表面41Bの両方を有している。
【0041】
媒体載置部4は、収納位置にあるときはスキャナー1の全体の大きさを小さくすることができるとともに挿入口32から異物が進入することを抑制することができる。また、媒体載置部4は、開口位置にあるときに挿入口32から挿入された媒体を載置面41で載置するとともに原稿の画像の読み取りを開始することができる。図5及び図6などで表されるように、スキャナー1の内部には、載置面41に載置された原稿を給送方向Aに給送する給送部5としての給送ローラー51が設けられている。そして、給送ローラー51と対向する位置には、給送ローラー51とともに給送部5を構成し、複数枚の原稿を媒体載置部4に載置した際に1枚分の原稿を給送ローラー51とともにニップすることで分離可能な分離部としての分離ローラー52が設けられている。
【0042】
なお、給送ローラー51と分離ローラー52とのニップ位置よりも給送方向Aにおける上流であって載置面41と対向する位置には、原稿を媒体載置部4にセットする際に原稿を案内する案内部材6が設けられている。案内部材6の詳細については後述する。ここで、載置面41は、媒体載置部4における収納部43の表面41Aと載置補助部42の表面41Bとに加え、図7及び図8で表されるように本体部3の第1ユニット3Aの一部における表面41Cも含んでいる。また、内部構造を見やすくするために図8は媒体載置部4を取り外した状態を表しているが、媒体載置部4を取り外した状態における案内部材6の姿勢は、媒体載置部4が開口位置にある状態における案内部材6の姿勢に対応する。
【0043】
図5及び図6などで表されるように、給送方向Aにおける給送部5よりも下流には、給送部5により給送された原稿を読取部2に搬送する搬送ローラー対7が設けられている。搬送ローラー対7は、駆動ローラー71と、駆動ローラー72と、を有している。給送部5により搬送ローラー対7に給送された原稿は、駆動ローラー71と駆動ローラー72とでニップされ駆動ローラー71が回転することにより読取部2に搬送される。ただし、駆動ローラー71の代わりに、駆動ローラー72と対向する位置に設けられ駆動ローラー72の回転に伴って従動回転する従動ローラーを有していてもよい。
【0044】
図5及び図6などで表されるように、読取部2は、原稿の一方側の面の画像を読み取る第1読取部2Aと、原稿の他方側の面の画像を読み取る第2読取部2Bと、を有している。そして、読取部2よりも給送方向Aにおける下流には、搬送ローラー対8が設けられている。搬送ローラー対8は、駆動ローラー81と、駆動ローラー82と、を有している。ただし、駆動ローラー81の代わりに、駆動ローラー82と対向する位置に設けられ駆動ローラー82の回転に伴って従動回転する従動ローラーを有していてもよい。搬送ローラー対7により搬送ローラー対8に搬送された原稿は、駆動ローラー81と駆動ローラー82とでニップされ駆動ローラー81が回転することにより排出部9に設けられた複数の排出ローラー対91に搬送される。そして、排出ローラー対91により排出口92から排出されて第2ユニット3Bの表面に設けられた排出媒体載置部93に載置される。図5及び図6では、原稿の搬送経路を一点鎖線で表している。なお、本明細書において搬送とは、給送及び排出を含む意味で使用している。
【0045】
次に、本実施例のスキャナー1の要部である案内部材6の詳細について説明する。上記のように、案内部材6は、載置面41と対向する位置に設けられている。そして、案内部材6は、図7から図9などで表されるように原稿と接触する部分である接触面61を有し、原稿を接触面61に接触させて案内することが可能な構成となっている。このように、本実施例のスキャナー1は、載置面41と対向する位置に設けられ原稿を接触面61に接触させて案内する案内部材6を備える。このため、挿入口32から原稿を挿入する際のセット性を向上することができる。
【0046】
ここで、案内部材6は、媒体載置部4が開口位置にある場合と媒体載置部4が収納位置にある場合とで変位可能な構成となっている。詳細には、案内部材6は、図8で表され給送方向Aと交差する幅方向から見て接触面61が載置面41に対して給送方向Aに進むにしたがって狭まる鋭角となるように第1傾斜角Θ1をなす第1位置と、図7で表され幅方向から見て接触面61が載置面41に対して第1傾斜角よりも大きい第2傾斜角Θ2をなす第2位置と、に変位可能である。そして、案内部材6は、媒体載置部4が開口位置から収納位置に移動することに伴って図8で表される第1位置から図7で表される第2位置に移動し、媒体載置部4が収納位置から開口位置に移動することに伴って図7で表される第2位置から図8で表される第1位置に移動する。すなわち、案内部材6は、原稿をセットする際に媒体載置部4を収納位置から開口位置に移動することに伴って、挿入口32から原稿を挿入する際のセット性を向上することができる第1位置に配置される。このように、本実施例のスキャナー1は、媒体載置部4の変位に連動して案内部材6を変位させることで、ユーザーの負荷を軽減し、原稿のセット性を特に向上することができる。
【0047】
また、案内部材6は、図8で表される第1位置において接触面61の少なくとも一部が給送部5よりも給送方向Aにおける上流に位置し、図7で表される第2位置において媒体載置部4よりも給送方向Aにおける下流に位置する。そして、図8で表されるように、第1位置にある場合の案内部材は、図8の破線で表される収納位置にあると仮定した場合の媒体載置部4に対して、幅方向から見て少なくとも一部同士がオーバーラップする。本実施例のスキャナー1は、このような構成としているため、案内部材6と媒体載置部4とを近接させることができており、装置が大型化することを抑制している。
【0048】
ここで、案内部材6の変位を可能にする具体的な構造について説明する。図7及び図8、並びに、図11及び図12などで表されるように、本実施例のスキャナー1は、本体部3を構成する構成部材であって詳細は後述する開閉部材33を備えている。図7及び図8で表されるように、開閉部材33には回転軸33aが設けられており、案内部材6は回転軸33aを基準に回転することで第1位置と第2位置とに変位可能である。このように案内部材6を回転させることで変位させる構成とすることで、回転軸33aと交差する方向における装置内部のスペースを有効活用でき、装置が大型化することを効果的に抑制することができる。
【0049】
なお、本実施例のスキャナー1は、図13及び図15で表されるように、案内部材6に力を加える弾性部材34を備えている。弾性部材34は、案内部材6が第2位置から第1位置に移動する方向に案内部材6に力を加えている。そして、案内部材6は、媒体載置部4が収納位置から開口位置に移動することに伴って、案内部材6が第2位置から第1位置に移動するように弾性部材34が案内部材6に力を加えることで、第2位置から第1位置に移動する。本実施例のスキャナー1は、媒体載置部4の移動に伴って、弾性部材34が案内部材6に力を加えることで案内部材6が移動するので、媒体載置部4の移動に連動して弾性部材34により案内部材6を好適に移動させることができる。
【0050】
また、図7から図9などで表されるように、案内部材6は、接触面61に沿う延設方向に延設されるレール部62を有している。そして、案内部材6は、レール部62が回転軸33aと係合することで本体部3に対してレール部62に沿って移動可能であり、案内部材6が図8で表されるように第1位置にあるときに延設方向におけるレール部の一方端62aで回転軸33aと係合し、案内部材6が図7で表されるように第2位置にあるときに延設方向におけるレール部62の他方端62bで回転軸33aと係合する。このような構成とすることで、案内部材6を媒体載置部4の移動に連動して大きく移動させることができ、装置が大型化することを効果的に抑制することができる。また、接触面61を広くとることができるので、原稿のセット性を特に向上することができる。
【0051】
また、本実施例のスキャナー1は、図9で表されるように案内部材6に摺動面63を有し、図10で表されるように媒体載置部4に摺動面63と当接する摺動面44を有している。案内部材6は、媒体載置部4が開口位置から収納位置に移動することに伴って、媒体載置部4に設けられた当接部である摺動面44が案内部材6に設けられた被当接部である摺動面63に当接することで、第1位置から第2位置に移動する。このような構成とすることで、媒体載置部4の移動に案内部材6の移動が連動する構成を簡単に形成することができる。
【0052】
また、本実施例のスキャナー1は、第2ユニット3Bに開閉部材33を備えている。開閉部材33は、図11などで表されるように第2ユニット3Bに対して閉じている閉位置に位置しているが、給送部5の構成部材である給送ローラー51を着脱する際に図12で表されるように開位置に開くことが可能な構成となっている。そして、図8で表されるように、案内部材6は、案内部材6が第1位置にあるときに接触面61が開閉部材33よりも給送方向Aにおける上流に位置する配置で開閉部材33に取り付けられている。このため、本実施例のスキャナー1においては、案内部材6は開閉部材33よりも給送方向Aにおける上流で原稿を案内することができ、開閉部材33により案内部材6の案内精度が低下することを抑制することができる。
【0053】
また、本実施例のスキャナー1においては、図7などで表されるように、案内部材6は、案内部材6が第2位置にあるときに給送方向Aにおいて媒体載置部4と開閉部材33との間の位置に配置されている。このため、本実施例のスキャナー1は、媒体載置部4と開閉部材33との間のスペースを利用して案内部材6を配置しており、装置が大型化することを効果的に抑制している。
【0054】
また、上記のように、本実施例のスキャナー1は、第1ユニット3Aと、開閉部材33が設けられ第1ユニット3Aに対して開閉可能な第2ユニット3Bと、を有する本体部3を備えている。そして、案内部材6は、図11から図16などで表されるように、手掛け部64を有している。ここで、案内部材6は、図11で表されるように第1ユニット3Aに対して第2ユニット3Bを開いた状態の第2ユニット3Bに対して、第1ユニット3Aに対して第2ユニット3Bを開く方向D1とは反対方向D2に手掛け部64に力を加えると、図12で表されるように第2ユニット3Bに対して開くことができる。このような構成とすることで、ユーザーは、手掛け部64に手を掛けて開閉部材33を容易に開くことができ、給送ローラー51を着脱する際の負荷を低減することができる。
【0055】
また、上記のように、本実施例のスキャナー1は、案内部材6に力を加える弾性部材34を備えている。ここで、本実施例のスキャナー1は、弾性部材34として、図13で表される第1弾性部材34Aと図15で表される第2弾性部材34Bとを有している。第1弾性部材34A及び第2弾性部材34Bは共に引っ張りバネである。そして、第1弾性部材34Aは、図14で表されるように、開閉部材33に設けられる第1取付部341と、案内部材6に設けられる第2取付部342と、に取り付けられている。また、第2弾性部材34Bは、図16で表されるように、開閉部材33に設けられる第3取付部343と、案内部材6に設けられる第4取付部344と、に取り付けられている。また、給送ローラー51など給送部5の少なくとも一部は、幅方向において第1弾性部材34Aと第2弾性部材34Bとの間の位置に配置されている。このような構成とすることで、幅方向における給送部5の両側に弾性部材34を配置させることができ、弾性部材34を介して開閉部材33及び案内部材6にかかる力のバランスを向上することができる。ただし、このような構成に限定されず、例えば、開閉部材33及び案内部材6を高剛性とし、幅方向における給送部5の片側のみに弾性部材34を配置させてもよい。
【0056】
また、上記のように、本実施例のスキャナー1は、給送部5として、給送ローラー51と、給送ローラー51と対向する位置に設けられ複数枚の原稿を媒体載置部4に載置した際に1枚分の原稿を給送ローラー51とともにニップすることで分離可能な分離部としての分離ローラー52、を有する。ここで、図7及び図8などで表されるように、案内部材6は、給送ローラー51と分離ローラー52とのニップ位置P1よりも給送方向Aにおける上流に位置している。このような構成とすることで、案内部材6はニップ位置P1まで原稿を好適に案内することができ、原稿のセット性を特に向上することができる。
【0057】
ここで、案内部材6と給送ローラー51及び分離ローラー52などの分離部との位置関係について別の観点から説明すると、図7及び図8などで表されるように、本実施例においては、装置の前後方向に対応するY軸方向において給送ローラー51の回転軸51aと分離ローラー52の回転軸52aとの間の位置に案内部材6の回転軸33aは位置する。このような構成とすることで、Y軸方向における装置の大型化を抑制することができる。なお、本実施例においては分離部を分離ローラー52としたが、分離部の構成に特に限定はなく、例えば分離パッドのようなパッド状のものなどローラー以外の構成としてもよい。
【0058】
また、図9などで表されるように、本実施例のスキャナー1においては、案内部材6は接触面61を有する第1腕部65と第2腕部66とを有し、給送ローラー51は幅方向において第1腕部65と第2腕部66との間の位置に配置されている。このような構成とすることで、装置を大型化することなく第1腕部65及び第2腕部66の接触面61を広くとることができ、原稿のセット性を特に向上することができる。
【0059】
また、本実施例のスキャナー1においては、媒体載置部4は、図7で表されるように媒体載置部4が収納位置にある場合、図7のように幅方向から見て、鉛直方向において給送ローラー51の少なくとも一部及び分離ローラー52の少なくとも一部とオーバーラップする。このため、本実施例のスキャナー1は、媒体載置部4と給送ローラー51及び分離ローラー52とを近接させることができており、装置が大型化することを抑制している。
【0060】
また、上記のように、本実施例のスキャナー1においては、媒体載置部4は、載置補助部42を有している。ここで、載置補助部42は、媒体載置部4が開口位置ある状態で収納及び延伸可能に構成されている。このような構成とすることで、装置の大型化を抑制しつつ大きなサイズの原稿を使用することが可能となる。
【0061】
[実施例2]
以下に、実施例2のスキャナーについて図17及び図18を参照して説明する。本実施例のスキャナーは、以下で説明する構成以外については、実施例1のスキャナー1と同様である。詳細には、案内部材6の構成のみが実施例1のスキャナー1と異なっている。このため、本実施例のスキャナーは、下記の説明箇所以外については実施例1のスキャナー1と同様の特徴を有している。そこで、図17及び図18では上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0062】
図7及び図8などで表されるように、実施例1のスキャナー1においては、案内部材6に設けられたレール部62は直線状であった。一方、本実施例のスキャナーにおいては、図17及び図18で表されるように、案内部材6に設けられたレール部62は屈曲部62cを有している。このため、図18で表されるように、実施例1のスキャナー1の案内部材6よりも、案内部材6を載置面41に向けて移動させることができる。このような構成とすることで、案内部材6を、原稿の搬送時において、原稿の載置面41への押し付け部材としての役割を兼ねさせることができる。案内部材6が原稿の載置面41への押し付け部材として機能することで、例えば反った原稿を押さえることができるとともに原稿のスキューを抑制することができる。
【0063】
[実施例3]
以下に、実施例3のスキャナーについて図19を参照して説明する。本実施例のスキャナーは、以下で説明する構成以外については、実施例1及び実施例2のスキャナーと同様である。詳細には、実施例2のスキャナーは弾性部材34の構成及び配置は実施例1のスキャナー1と同様であるが、本実施例のスキャナーは弾性部材34の構成及び配置のみがこの実施例2のスキャナーと異なっている。このため、本実施例のスキャナーは、下記の説明箇所以外については実施例1及び実施例2のスキャナーと同様の特徴を有している。そこで、図19では上記実施例1及び実施例2と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0064】
実施例2のスキャナーにおいては、弾性部材34は引っ張りバネであり、図17及び図18で表されるように配置されていた。一方、本実施例のスキャナーにおいては、弾性部材34は外側に向けて押圧する力を付与する押圧ばね34Cであり、図18で表されるように配置されている。このように、弾性部材34として様々な構成のものを使用でき、その構造に合わせて適宜配置することができる。
【0065】
本発明は上記において説明した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【0066】
上述した実施形態は、読取部を備えない媒体給送装置にも適用することができる。また、上述した実施形態は、スキャナーに代表される画像読取装置に適用した例を説明したが、例えば、プリンターに代表される記録装置に適用することもできる。即ち上記実施形態における原稿を被記録媒体とし、読取部を被記録媒体に記録を行う記録部とすることで、記録装置において上述した実施形態と同様な作用効果が得られる。記録装置の一例としてはインクジェットプリンターが挙げられ、記録部の一例としてはインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。
【符号の説明】
【0067】
1…スキャナー(媒体搬送装置、画像読取装置)、2…読取部、2A…第1読取部、2B…第2読取部、3…本体部、3A…第1ユニット、3B…第2ユニット、4…媒体載置部、5…給送部、6…案内部材、7…搬送ローラー対、8…搬送ローラー対、9…排出部、32…挿入口、33…開閉部材、33a…回転軸、34…弾性部材、34A…第1弾性部材、34B…第2弾性部材、34C…押圧ばね、41…載置面、41A…表面、41B…表面、41C…表面、42…載置補助部、42A…基部、42B…延伸部、43…収納部、44…摺動面(当接部)、51…給送ローラー、51a…回転軸、52…分離ローラー(分離部)、52a…回転軸、61…接触面、62…レール部、62a…一方端、62b…他方端、62c…屈曲部、63…摺動面(被当接部)、64…手掛け部、65…第1腕部、66…第2腕部、71…駆動ローラー、72…駆動ローラー、81…駆動ローラー、82…駆動ローラー、91…排出ローラー対、92…排出口、93…排出媒体載置部、341…第1取付部、342…第2取付部、343…第3取付部、344…第4取付部、P1…ニップ位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19