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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043682
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】機能性衣料品
(51)【国際特許分類】
   A41B 11/14 20060101AFI20240326BHJP
   A41D 13/06 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A41B11/14 E
A41D13/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148813
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】522322871
【氏名又は名称】株式会社YB-LAB.
(74)【代理人】
【識別番号】100141427
【弁理士】
【氏名又は名称】飯村 重樹
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 友昭
【テーマコード(参考)】
3B011
3B018
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AA12
3B011AB01
3B011AC00
3B018HA05
3B018HB00
3B018HB01
3B211AA12
3B211AB01
3B211AC00
(57)【要約】
【課題】身体上の部位における衣料品の着用感の向上を図ることができる機能性衣料品を提供する。
【解決手段】機能性物質としてのコラーゲンが配合された機能性繊維が用いられることによって、作成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能性物質としてのコラーゲンが配合された機能性繊維が用いられて作成される、機能性衣料品。
【請求項2】
足首部から大腿部に亘る一対のレッグ部、及び該一対のレッグ部から連続して形成されるパンティ部を備え、前記一対のレッグ部に前記機能性繊維が用いられて作成されたスパッツである、
請求項1に記載の機能性衣料品。
【請求項3】
前記一対のレッグ部における前記足首部と前記大腿部との間で着用者の脚に圧力が付与される、
請求項1または2に記載の機能性衣料品。
【請求項4】
前記一対のレッグ部における前記足首部と前記大腿部との間で着用者の脚に圧力が付与され、前記着用者の脚に付与される圧力が前記足首部から前記大腿部に向かうに従って漸次減圧するように設定される、
請求項1または2に記載の機能性衣料品。
【請求項5】
着用者の足の甲を被覆する甲部及び該甲部から連続して形成されて前記足の踵を被覆する踵部を有する足部から足首部を経由して大腿部に亘る一対のソックス片によって構成され、該一対のソックス片のそれぞれに前記機能性繊維が用いられて作成されたソックスである、
請求項1に記載の機能性衣料品。
【請求項6】
前記一対のソックス片における前記足首部と前記大腿部との間で前記着用者の脚に圧力が付与される、
請求項1または5に記載の機能性衣料品。
【請求項7】
前記一対のソックス片における前記足首部と前記大腿部との間で着用者の脚に圧力が付与され、前記着用者の脚に付与される圧力が前記足首部から前記大腿部に向かうに従って漸次減圧するように設定される、
請求項1または5に記載の機能性衣料品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性衣料品、特に、機能性物質が配合された機能性繊維が用いられて作成された機能性衣料品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、抗菌、消臭、保温あるいは保湿等といった効果を発揮する機能性繊維の開発が進んでいる。このような機能性繊維は、一般的には、抗菌、消臭、保温あるいは保湿等といった効果を奏する機能性物質を繊維に塗布して乾燥させることによって製造される。
【0003】
このような機能性物質としては、例えば、プロテオグリカン、ヒアルロン酸あるいはコラーゲン等といった動物あるいは植物といった生物由来の成分が挙げられる(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6254334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような機能性物質が塗布された機能性繊維を用いた衣料品を作成する場合において、機能性繊維で被覆する身体上の部位を設定し、設定した身体上の部位に効果的に作用する機能性物質を任意に選択すれば、その身体上の特定の部位における衣料品の着用感の向上を図ることもできるであろうことが想定される。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、身体上の部位における衣料品の着用感の向上を図ることができる機能性衣料品を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る機能性衣料品は、機能性物質としてのコラーゲンが配合された機能性繊維が用いられて作成されるものであり、特に、足首部から大腿部に亘る一対のレッグ部、及び一対のレッグ部から連続して形成されるパンティ部を備え、一対のレッグ部に機能性繊維が用いられて作成されたスパッツである。
【0008】
これによれば、コラーゲンが配合された機能性繊維によって構成された一対のレッグ部が着用者の脚に密着することによって、着用者の脚の皮膚に潤いがもたらされると想定されることから、着用者の皮膚の保湿性が損なわれることが抑制される。
【0009】
したがって、保湿性による主観的なしっとり感や柔軟性といった着用感が着用者にもたらされることから、着用者は、良好な着衣性を得ることができる。
【0010】
この機能性衣料品は、一対のレッグ部における足首部と大腿部との間で着用者の脚に圧力が付与され、一対のレッグ部における足首部と大腿部との間で着用者の脚に圧力が付与され、着用者の脚に付与される圧力が足首部から大腿部に向かうに従って漸次減圧するように設定されるものである。
【0011】
さらに、機能性衣料品は、着用者の足の甲を被覆する甲部及び甲部から連続して形成されて足の踵を被覆する踵部を有する足部から足首部を経由して大腿部に亘る一対のソックス片によって構成され、一対のソックス片のそれぞれに機能性繊維が用いられて作成されたソックスであってもよい。
【0012】
この場合において、機能性衣料品は、一対のソックス片における足首部と大腿部との間で着用者の脚に圧力が付与され、一対のソックス片における足首部と大腿部との間で着用者の脚に圧力が付与され、着用者の脚に付与される圧力が足首部から大腿部に向かうに従って漸次減圧するように設定されるものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、保湿性による主観的なしっとり感や柔軟性といった着用感が着用者にもたらされると想定されることから、着用者は、良好な着衣性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施の形態に係る機能性衣料品の構成の概略を説明する概念図である。
図2】同じく、本実施の形態に係る機能性衣料品の性能の一部を説明する図である。
図3】本発明の第2実施の形態に係る機能性衣料品の構成の概略を説明する概念図である。
図4】同じく、本実施の形態に係る機能性衣料品の性能の一部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図に基づいて、本発明の実施の形態に係る機能性衣料品について説明する。
【0016】
(第1実施の形態)
まず、図1及び図2に基づいて、第1実施の形態に係る機能性衣料品について説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る機能性衣料品の構成の概略を説明する概念図である。図示のように、機能性衣料品は、本実施の形態では、着用者の脚、腹及び腰等を被覆するいわゆるハイウエスト型のスパッツ10として実装される。
【0018】
このスパッツ10は、本実施の形態では、伸縮性を有するポリアミド系の合成繊維及び伸縮性を有するポリウレタン等の繊維からなる素材によって形成され、着用者に着用されると着用者の身体に密接して、身体の動作に応じて柔軟に伸縮するものである。
【0019】
このスパッツ10は、着用者の脚を被覆する一対のレッグ部11-1、11-2、これら一対のレッグ部11-1、11-2から連続して形成されて着用者の腹及び腰等の下半身を被覆するパンティ部12を備える。
【0020】
なお、一対のレッグ部11-1、11-2は同一の構成であることから、便宜上、レッグ部11-1のみを説明し、レッグ部11-2の説明を省略する。
【0021】
レッグ部11-1は、本実施の形態では、裾ゴム11aを有して着用者の足首に接する足首部11A、この足首部11Aから連続して形成されて着用者の脹脛を被覆する脹脛部11B、脹脛部11Bから連続して形成されて着用者の大腿を被覆する大腿部11Cによって形成される。
【0022】
足首部11Aは、裾ゴム11aにおいて着用者の足首に緊締して着用者の足首に密着する寸法で形成され、脹脛部11Bは、足首部11Aから拡張して着用者の脹脛の形状に倣った形状で形成されるとともに、着用者の脹脛に密着する寸法で形成される。
【0023】
一方、大腿部11Cは、脹脛部11Bから拡張して着用者の大腿の形状に倣った形状で形成されるとともに、着用者の大腿に密着する寸法で形成される。
【0024】
このように、レッグ部11-1は、足首部11Aから大腿部11Cに亘って着用者の脚に密着する寸法で形成されることから、スパッツ10を着用者が着用すると、レッグ部11-1における足首部11Aと大腿部11Cとの間で着用者の脚に任意の圧力(着圧)が付与される。
【0025】
着用者の脚に付与される着圧は、本実施の形態では、足首部11A、脹脛部11B及び大腿部11Cの各部位の寸法や形状等が適宜調整されることによって、足首部11Aから大腿部11Cに向かうに従って漸次減圧するように設定される。
【0026】
図2は、着用者の脚に付与される着圧の概略を説明する図である。図示のように、着用者の脚に付与される着圧は、例えば、足首部11Aにおいては27hPaであり、脹脛部11Bにおいては20hPaであり、大腿部11Cにおいては13hPaであるといったように、足首部11Aから大腿部11Cに向かうに従って漸次減圧する。
【0027】
なお、各部位における上記の着圧は一例であって、これらに限定されるものではなく、適宜の着圧が付与されるように、各部位の寸法や形状等が調整されてもよい。
【0028】
ところで、レッグ部11-1を構成する素材は、本実施の形態では、コラーゲンが配合された繊維素材(機能性繊維)によって構成される。この機能性繊維は、例えば、繊維素材にコラーゲンを塗布して乾燥させることによって作成されるが、この作成手法に限られるものではない。
【0029】
コラーゲンは、皮膚、靭帯あるいは角膜等の組織に存在する生物由来のタンパク質であって、主に、皮膚(肌)に湿潤や弾力をもたらして保湿等の効果を奏する機能性物質であって、着用者の脚の皮膚(肌)に潤いがもたらされることから、着用者の皮膚の保湿性が損なわれることが抑制される。
【0030】
図1で示すパンティ部12は、本実施の形態では、着用者の陰部及び腹を被覆する前身頃12A、着用者の臀及び腰を被覆する後身頃12B、及び前身頃12Aと後身頃12Bの上端に設けられる口ゴム12Cによって形成される。
【0031】
パンティ部12は、前身頃12Aにおいて着用者の陰部及び腹に密着し、後身頃12Bにおいて臀及び腰に密着し、かつ口ゴム12Cが着用者の腹に密着する寸法で形成される。
【0032】
このパンティ部12には、本実施の形態では、前身頃12Aにおいて着用者の腹に任意の圧力(着圧)を付与する着圧部材13A、及び後身頃12Bにおいて着用者の腰に任意の圧力(着圧)を付与する着圧部材13Bが設けられる。
【0033】
これら上記の着圧部材13A、13Bが設けられる部位は一例であって、これらに限定されるものではなく、後身頃12Bにおける臀に対応する部位等といった任意の部位に設けられてもよい。
【0034】
このようなスパッツ10を着用者が着用すると、コラーゲンが配合された機能性繊維によって構成された一対のレッグ部11-1、11-2が着用者の脚に密着することによって、着用者の脚の皮膚(肌)に潤いがもたらされることから、着用者の皮膚の保湿性が損なわれることが抑制される。
【0035】
したがって、保湿性による主観的なしっとり感や柔軟性といった着用感が着用者にもたらされると想定されることから、着用者は、良好な着衣性を得ることができる。
【0036】
さらに、本実施の形態のスパッツ10は、着用者の脚に付与される着圧が、足首部11Aから大腿部11Cに向かうに従って漸次減圧するように設定されることから、着用者の足首等の末端部分から心臓等の中枢部分に向かう静脈血やリンパの流れが促進される。
【0037】
その結果、静脈血やリンパ等が鬱滞することが抑制されることから、着用者の脚のむくみが緩和されるといった医療的な効果が奏されることも期待できる。
【0038】
(第2実施の形態)
次に、図3及び図4に基づいて、本発明の第2実施の形態について説明する。
【0039】
図3は、本実施の形態に係る機能性衣料品の構成の概略を説明する概念図である。図示のように、機能性衣料品は、本実施の形態では、着用者の脚を被覆するいわゆるフルレッグ型のソックス20として実装される。
【0040】
このソックス20は、本実施の形態では、伸縮性を有するポリアミド系の合成繊維及び伸縮性を有するポリウレタン等の繊維からなる素材によって形成され、着用者に着用されると着用者の身体に密接して、身体の動作に応じて柔軟に伸縮するものである。
【0041】
このソックス20は、一対のソックス片である、着用者の右脚を被覆する右ソックス片20-1及び着用者の左脚を被覆する左ソックス片20-2によって構成されるところ、右ソックス片20-1と左ソックス片20-2とは同一の構成であることから、便宜上、右ソックス片20-1のみを説明し、左ソックス片20-2の説明を省略する。
【0042】
右ソックス片20-1は、本実施の形態では、着用者の足を被覆する足部20A、この足部20Aから連続して形成されて着用者の足首に接する足首部20B、足首部20Bから連続して形成されて着用者の脹脛を被覆する脹脛部20C、脹脛部20Cから連続して形成される滑り止め部20D、及び滑り止め部20Dから連続して形成されて着用者の大腿を被覆する大腿部20Eによって形成される。
【0043】
足部20Aは、本実施の形態では、着用者の足の甲を被覆する甲部20Aa、この甲部20Aaから足首部20B側に向かって連続して形成されて着用者の足の踵を被覆する踵部20Ab、及び甲部20Aaにおける着用者の足の指側に設けられる裾ゴム20Acを有し、裾ゴム20Acを介して着用者の足の指が突出した状態で着用者の足に接する寸法で形成される。
【0044】
足首部20Bは、着用者の足首に密着する寸法で形成され、脹脛部20Cは、足首部20Bから拡張して着用者の脹脛の形状に倣った形状で形成されるとともに、着用者の脹脛に密着する寸法で形成される。
【0045】
滑り止め部20Dは、脹脛部20Cから縮径して着用者の大腿に緊締する寸法で形成され、右ソックス片20-1が着用者の脚から滑り落ちることを抑制する一方、大腿部20Eは、滑り止め部20Dから拡径して着用者の大腿の形状に倣った形状で形成されるとともに、着用者の大腿に密着する寸法で形成される。
【0046】
このように、右ソックス片20-1は、足首部20Bから大腿部20Eに亘って着用者の脚に密着する寸法で形成されることから、ソックス20を着用者が着用すると、右ソックス片20-1における足首部20Bと大腿部20Eとの間で着用者の脚に任意の圧力(着圧)が付与される。
【0047】
着用者の脚に付与される着圧は、本実施の形態では、足首部20B、脹脛部20C及び大腿部20Eの各部位の寸法や形状等が適宜調整されることによって、足首部20Bから大腿部20Eに向かうに従って漸次減圧するように設定される。
【0048】
図4は、着用者の脚に付与される着圧の概略を説明する図である。図示のように、着用者の脚に付与される着圧は、例えば、足首部20Bにおいては27hPaであり、脹脛部20Cにおいては20hPaであり、大腿部20Eにおいては13hPaであるといったように、足首部20Bから大腿部20Eに向かうに従って漸次減圧する。
【0049】
なお、各部位における上記の着圧は一例であって、これらに限定されるものではなく、適宜の着圧が付与されるように、各部位の寸法や形状等が調整されてもよい。
【0050】
ところで、右ソックス片20-1を構成する素材は、本実施の形態では、コラーゲンが配合された繊維素材(機能性繊維)によって構成される。この機能性繊維は、例えば、繊維素材にコラーゲンを塗布して乾燥させることによって作成されるが、この作成手法に限られるものではない。
【0051】
このようなソックス20を着用者が着用すると、コラーゲンが配合された機能性繊維によって構成された右ソックス片20-1及び左ソックス片20-2が着用者の脚に密着することによって、着用者の脚の皮膚(肌)に潤いがもたらされることから、着用者の皮膚の保湿性が損なわれることが抑制される。
【0052】
したがって、保湿性による主観的なしっとり感や柔軟性といった着用感が着用者にもたらされると想定されることから、着用者は、良好な着衣性を得ることができる。
【0053】
さらに、本実施の形態のソックス20は、着用者の脚に付与される着圧が、足首部20Bから大腿部20Eに向かうに従って漸次減圧するように設定されることから、着用者の足首等の末端部分から心臓等の中枢部分に向かう静脈血やリンパの流れが促進される。
【0054】
その結果、静脈血やリンパ等が鬱滞することが抑制されることから、着用者の脚のむくみが緩和されるといった医療的な効果が奏されることも期待できる。
【0055】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0056】
上記各実施の形態では、機能性衣料品がスパッツ10あるいはソックス20として実装される場合を説明したが、機能性衣料品は、アームカバーやTシャツ等といった種々の衣料品によって実装されるものであってもよい。
【0057】
10 スパッツ
11-1、11-2 レッグ部
11A 足首部
11C 大腿部
20 ソックス
20-1 右ソックス片
20-2 左ソックス片
20A 足部
20B 足首部
20E 大腿部
図1
図2
図3
図4