(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043684
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ラベル被覆装置、ラベル装着装置、及び、ラベル被覆用プログラム
(51)【国際特許分類】
B65C 9/42 20060101AFI20240326BHJP
B65B 53/00 20060101ALI20240326BHJP
B65C 3/14 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B65C9/42
B65B53/00 E
B65C3/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148816
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】595039900
【氏名又は名称】株式会社フジヤマ技研
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】秋山 隆
(72)【発明者】
【氏名】藤林 万里夫
(72)【発明者】
【氏名】星野 信也
(72)【発明者】
【氏名】野坂 尚広
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA07
3E095BA10
3E095CA10
3E095DA03
3E095DA59
3E095EA01
3E095EA09
3E095EA14
3E095EA24
3E095EA26
3E095FA02
3E095FA08
(57)【要約】
【課題】ラベル原反を所定長さずつ送り出す際のラベルにかかる負荷を低減させることで、ラベルが破れてしまうことを防ぐことを主たる課題とするものである。
【解決手段】帯状のラベル原反Zを所定長さずつカットしながら、そのカットされてなるラベルLを容器Bに被覆させるラベル被覆装置100であって、ラベル原反Zを所定長さずつカッター20に送り出す送りユニット11と、送りユニット11よりも手前に設けられており、ラベル原反Zが巻き掛けられるとともに、ラベル原反Zの搬送をガイドするガイドローラ13と、ガイドローラ13の回転を制御する制御部12とを備えるようにした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のラベル原反を所定長さずつカットしながら、そのカットされてなるラベルを容器に被覆させるラベル被覆装置であって、
前記ラベル原反を所定長さずつカッターに送り出す送りユニットと、
前記送りユニットよりも手前に設けられており、前記ラベル原反が巻き掛けられるとともに、前記ラベル原反の搬送をガイドするガイドローラと、
前記ガイドローラの回転を制御する制御部とを備えることを特徴とするラベル被覆装置。
【請求項2】
前記送りユニットが、前記ラベル原反を挟みながら回転する一対の送りローラを有し、
前記制御部が、前記送りローラの回転及び停止を繰り返すとともに、前記送りローラの回転と同時に前記ガイドローラを回転させることを特徴とする請求項1記載のラベル被覆装置。
【請求項3】
前記送りユニットが、前記帯状のフィルムを挟みながら回転する一対の送りローラを有し、
前記制御部が、前記送りローラの回転を停止させる前に、前記ガイドローラの回転を停止させることを特徴とする請求項1記載のラベル被覆装置。
【請求項4】
前記ガイドローラが、前記送りユニットの上方に配置されていることを特徴とする請求項1記載のラベル被覆装置。
【請求項5】
前記ガイドローラが、前記ラベル原反を垂下させるものであることを特徴とする請求項1記載のラベル被覆装置。
【請求項6】
請求項1記載のラベル被覆機構と、
前記帯状のラベルを加熱して収縮させることで前記容器に装着させる加熱トンネルとを備えることを特徴とするラベル装着装置。
【請求項7】
帯状のラベル原反を所定長さずつカットしながら、そのカットされてなるラベルを容器に被覆させるラベル被覆装置に用いられるプログラムであって、
前記ラベル被覆装置が、
前記ラベル原反を所定長さずつカッターに送り出す送りユニットと、
前記送りユニットよりも手前に設けられており、前記ラベル原反が巻き掛けられるとともに、前記ラベル原反の搬送をガイドするガイドローラとを有し、
前記ガイドローラの回転を制御する制御部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とするラベル被覆用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル被覆装置、ラベル装着装置、及び、ラベル被覆用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のラベル被覆装置としては、特許文献1に示すように、帯状のラベル原反を所定長さずつカッターに送り出してカットすることで、筒状のラベルにして容器に被せるように構成されたものがある。
【0003】
この装置にはラベル原反を挟み込む一対の送りローラが用いられており、これらの送りローラの回転及び停止を繰り返すことで、ラベル原反が間欠的に送り出されるように構成されている。
【0004】
かかる構成において、送りローラの上流側には、ラベル原反の搬送をガイドするためのガイドローラが設けられており、このガイドローラにラベル原反が巻き掛けられている。
【0005】
しかしながら、このような構成であると、ガイドローラが例えば回転しない固定ローラであれば、送り出されているラベル原反とガイドローラとの間に摩擦が生じて、ラベルに負荷がかかる。
【0006】
そうすると、この負荷により、フィルム製のラベルであれば、ミシン目が破れてしまうし、紙製のラベルであれば、やはり途中で破れてしまう。
【0007】
負荷を低減するべく、ガイドローラを回転自在なフリーローラにする構成も考えられる。
ところが、この場合は、ラベル原反の送り出しを停止するタイミングで、ラベル原反が慣性によりガイドローラから送りローラ側に送り込まれてしまい、弛みが生じてしまったり、フリーローラが慣性で回転してしまい、結局のところ、フリーローラとラベル原反との間の接触箇所に摩擦が生じて、上述した問題を解決することすらできなかったりする場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決すべくなされたものであり、ラベル原反を所定長さずつ送り出す際のラベルにかかる負荷を低減させることで、ラベルが破れてしまうことを防ぐとともに、ラベル原反に生じる弛みを軽減することを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明に係るラベル被覆機構は、帯状のラベル原反を所定長さずつカットしながら、そのカットされてなるラベルを容器に被覆させるラベル被覆装置であって、前記ラベル原反を所定長さずつカッターに送り出す送りユニットと、前記送りユニットよりも手前に設けられており、前記ラベル原反が巻き掛けられるとともに、前記ラベル原反の搬送をガイドするガイドローラと、前記ガイドローラの回転を制御する制御部とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
このように構成されたラベル被覆装置によれば、ガイドローラとして固定ローラやフリーローラを用いる構成とは異なり、ラベル原反の搬送やその停止のタイミングなどに合わせてガイドローラの回転を制御することができる。
これにより、ラベルにかかる負荷を低減させることが可能となり、ラベルの破れを防ぐことができ、なおかつ、ラベル原反に生じる弛みを軽減することも可能となる。
【0012】
前記送りユニットが、前記ラベル原反を挟みながら回転する一対の送りローラを有し、前記制御部が、前記送りローラの回転及び停止を繰り返すとともに、前記送りローラの回転と同時に前記ガイドローラを回転させることが好ましい。
このような構成であれば、ラベル原反を送り出し始める際にテンションが増大することを防ぐことができ、ラベル原反の送り出し時におけるラベルの破損を防ぐことができる。
【0013】
一方、ラベル原反の送り出しを停止させる場合は、一見すると理論的には、送りローラの回転と同時にガイドローラの回転を停止させることで、ラベル原反にテンションがかからないと考えがちである。
しかしながら、実際のところは、送りローラとラベルとの間のスリップや、ラベル原反を挟み込ませることによる送りローラの変形などに起因して、送りローラによる送り量は理論値よりも少なくなり、その結果、ラベル原反に弛みが生じてしまう。
【0014】
かといって、送りローラよりも後にガイドローラを停止させるのでは、ラベル原反がより弛んでしまう方向となる。
【0015】
そこで、前記制御部が、前記送りローラの回転を停止させる前に、前記ガイドローラの回転を停止させることが好ましい。
このような構成であれば、ガイドローラの回転が適切なタイミングで停止するように調整することができ、送りローラとガイドローラとの間のラベル原反にかかるテンションに強弱をつけることが可能となる。
これにより、トレードオフの関係にあるラベル原反への負荷と弛みとのバランスを取ることができる。
【0016】
前記ガイドローラが、前記送りユニットの上方に配置されていることが好ましい。
このような構成であれば、ガイドローラと送りユニットとの間に、例えば印字やバーコードなどを撮像するカメラなど、種々のオプション機器を取り付けるためのスペースを確保することができ、製品のラインナップを充実させることができる。
【0017】
一方、オプション機器の取付スペースを大きく取るべく、送りユニットからガイドローラまでの距離を大きく取ると、前記ガイドローラが、前記ラベル原反を垂下させるものとなる。
その結果、ガイドローラに対するラベル原反の巻き付け角度が大きくなるので、背景技術で述べた課題がより顕著に現れる。すなわち、ガイドローラが固定ローラであれば、ラベル原反の送り出し時における負荷が大きくなるし、一方で、ガイドローラがフリーローラであれば、搬送停止時に発生する慣性により意図しない余分な送り量が生じてしまい、ラベル原反に弛みが生じる。
【0018】
そこで、このような場合には、本発明による作用効果をより顕著に発揮させることができ、ラベル原反の送り出し時における負荷を低減しつつ、停止時における弛みの発生を抑えることができ、なおかつ、オプション機器の取付スペースを十分に確保することも可能となる。
【0019】
本発明に係るラベル装着装置は、上述したラベル被覆機構と、前記筒状ラベルを加熱して収縮させることで前記容器に装着させる加熱トンネルとを備えることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明に係るラベル装着用プログラムは、帯状のラベル原反を所定長さずつカットしながら、そのカットされてなるラベルを容器に被覆させるラベル被覆装置に用いられるプログラムであって、前記ラベル被覆装置が、前記ラベル原反を所定長さずつカッターに送り出す送りユニットと、前記送りユニットよりも手前に設けられており、前記ラベル原反が巻き掛けられるとともに、前記ラベル原反の搬送をガイドするガイドローラとを有し、前記ガイドローラの回転を制御する制御部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とするものである。
【0021】
このように構成されたラベル装着装置やラベル装着用プログラムであれば、上述したラベル被覆装置と同様の作用効果を発揮させることができる。
【発明の効果】
【0022】
このように構成した本発明によれば、ガイドローラとして固定ローラやフリーローラを用いた場合に生じる問題を解決することができる。すなわち、ラベル原反の送り出し時における負荷を低減させることができ、ラベルが破れてしまうことを防ぐことが可能となるうえ、ラベル原反の停止時における弛みの発生を抑えることができる。その結果、ラベルを容器に被覆させる速度を向上させることができ、装置の能力アップを図れる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】一実施形態のラベル装着装置の全体構成を示す模式図。
【
図2】同実施形態のラベル被覆装置の構成を示す模式図。
【
図3】同実施形態の制御部の動作を説明するためのグラフ。
【
図4】その他の実施形態のラベル被覆装置の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係るラベル被覆装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0025】
本実施形態のラベル装着装置Xは、
図1に示すように、容器Bに筒状ラベルLを被覆するラベル被覆装置100と、筒状ラベルLが被覆された容器Bを加熱して収縮させることで容器Bに装着させる加熱トンネル200とを備えるものである。なお、筒状ラベルLは、この実施形態ではシュリンクラベルと称されるフィルム製のラベルであるが、紙製のラベルであっても良い。
【0026】
加熱トンネル200は、例えば熱風、蒸気、又は過熱蒸気を用いて筒状ラベルLを熱収縮させるものなど、種々のタイプのものを挙げることができる。ただし、筒状ラベルLが紙製の場合など、ラベル装着装置Xとしては、必ずしも加熱トンネル200を備えている必要はない。
【0027】
ラベル被覆装置100は、
図2に示すように、ラベル原反Zを所定長さずつカットして、そのカットされてなる筒状ラベルLを容器Bに被覆するものである。
【0028】
ラベル原反Zは、多数枚の筒状ラベルLが連なったものを例えばロール状にしたものであり、回転ドラムDなどにセットされる。ただし、ラベル原反Zは、必ずしもロール状である必要はなく、多数枚の筒状ラベルLが連なったものが折り重ねられたものであっても良い。
【0029】
具体的にこのラベル被覆装置100は、
図2に示すように、ラベル原反Zを搬送する搬送機構10と、ラベル原反Zをカットするカッター20と、カットされた筒状フィルムが通されて筒状に開く所謂マンドレル30とを備えている。
【0030】
本発明に係るラベル被覆装置100は、搬送機構10にポイントがあるので、以下に詳述する。
【0031】
搬送機構10は、
図2に示すように、ラベル原反Zを所定長さずつカッター20に送り出す送りユニット11と、この送りユニット11の動作を制御する制御部12と、ラベル原反Zの搬送をガイドするガイドローラ13とを備えている。
【0032】
送りユニット11は、ラベル原反Zを挟みながら回転する一対の送りローラ14を有している。これらの送りローラ14は、互いに等しい径寸法を有するものであり、例えばサーボモータに接続されて回転速度が可変なものである。
【0033】
制御部12は、物理的には、CPUやメモリなどを備えた汎用乃至専用のコンピュータであり、前記メモリに記憶されているラベル被覆用プログラムに従ってCPUやその周辺機器が協働することにより、機能的には、上述したサーボモータを制御することで送りローラ14の回転を制御する機能を備えるものでる。
【0034】
この制御部12は、送りローラ14の回転及びその回転の停止を交互に繰り返すものであり、具体的には、送りローラ14を所定角度(以下、送り角度ともいう)回転させた後、送りローラ14の回転を所定時間(以下、送り停止時間ともいう)停止させるといった動作を繰り返すように構成されている。これにより、ラベル原反Zは、送りローラ14から所定長さずつカッター20に向かって送り出される。
【0035】
ガイドローラ13は、送りユニット11の手前、言い換えれば、ラベル原反Zの搬送方向上流側に設けられており、ラベル原反Zが巻き掛けられるものである。
【0036】
なお、ラベル原反Zの搬送をガイドするためのローラは、送りユニット11の手前の複数個所に設けられているが、本実施形態のガイドローラ13は、これらのローラのうち、送りユニット11の最も近くに配置されたものである。なお、ここでの「近く」とは、空間的な距離の近さではなく、ラベル原反Zの搬送方向に沿った距離の近さである。
【0037】
このガイドローラ13は、送りユニット11の鉛直上方に配置されるとともに、ラベル原反Zが下方から巻き掛けられて、そのラベル原反Zを垂下させるものである。これより、上述した一対の送りローラ14とガイドローラ13との間でラベル原反Zが鉛直方向に沿って掛け渡されることになる。
【0038】
本実施形態のガイドローラ13は、その径寸法が、上述した送りローラ14と等しい径寸法であり、これにより、ガイドローラ13と送りローラ14とが、互いに等しい回転速度及び回転加速度で回転する。
【0039】
然して、このガイドローラ13は、例えばサーボモータに接続されて回転速度が可変なものであり、上述した制御部12が、ガイドローラ13の回転を制御するように構成されている。
【0040】
より具体的に説明すると、制御部12は、上述した送りローラ14の回転と停止とを繰り返す動作に伴い、送りローラ14の回転と同時にガイドローラ13を回転させ、送りローラ14の回転を停止させる前に、ガイドローラ13の回転を停止させる。
【0041】
なお、ここでいう「停止させる」とは、停止させ始めるタイミングという意味であっても良いし、停止し終えるタイミングという意味であっても良く、本実施形態では前者の意味で用いている。
【0042】
すなわち、本実施形態の制御部12は、
図3に示すように、送りローラ14の回転と同時にガイドローラ13を回転させ始め、この場合は、両ローラ13、14を同じ加速度で回転させ始める。
【0043】
一方、停止時における制御部12は、同
図3に示すように、送りローラ14の回転を停止させ始める前にガイドローラ13の回転を停止させ始め、その後、同じタイミングで両ローラ13、14が停止し終える。つまり、ガイドローラ13が停止し始めてから停止し終えるまでの時間は、送りローラ14が停止し始めてから停止し終える時間よりも長く設定されている。言い換えれば、停止時におけるガイドローラ13の加速度(速度の傾き)は、停止時における送りローラ14の加速度(速度の傾き)よりも小さい。
【0044】
なお、ガイドローラ13の回転させ始めるタイミング、その回転速度が目標速度に達するまでの時間、その回転を停止させ始めるタイミング、及び、回転が停止し終えるまでの時間は、それぞれが変更可能に設定されている。また、目標速度も可変である。
【0045】
送りローラ14に関しても同様に、回転させ始めるタイミング、その回転速度が目標速度に達するまでの時間、その回転を停止させ始めるタイミング、及び、回転が停止し終えるまでの時間は、それぞれが変更可能に設定されている。また、目標速度も可変である。
【0046】
本実施形態の制御部12は、ガイドローラ13によるラベル原反の送り量(以下、第1送り量ともいう)よりも、送りローラ14によるラベル原反の送り量(以下、第2送り量ともいう)が少なくなるように、ガイドローラ13及び送りローラ14の回転を制御する。具体的には、第2送り量が、第1送り量の60%以上90%以下であることが好ましく、75%以上80%以下であることがより好ましい。
【0047】
<本実施形態の効果>
このように構成したラベル被覆装置100によれば、ガイドローラ13として固定ローラやフリーローラを用いる構成とは異なり、ラベル原反Zの搬送やその停止のタイミングなどに合わせてガイドローラ13の回転を制御することができる。
これにより、ラベル原反Zにかかる負荷を低減させることが可能となり、ラベル原反Zの破れを防ぐことができ、なおかつ、ラベル原反Zに生じる弛みを軽減することも可能となり、ひいては筒状ラベルLを容器Bに被覆させる速度を向上させることができ、装置の能力アップを図れる。
【0048】
また、制御部12が、送りローラ14の回転と同時に前記ガイドローラ13を回転させるので、ラベル原反Zを送り出し始める際にテンションが増大することを防ぐことができ、ラベル原反Zの送り出し時におけるラベル原反Zの破損を防ぐことができる。
【0049】
一方、ラベル原反Zの送り出しを停止させる場合は、一見すると理論的には、送りローラ14の回転と同時にガイドローラ13の回転を停止させることで、ラベル原反Zにテンションがかからないと考えがちである。
【0050】
しかしながら、実際のところは、送りローラ14とラベル原反Zとの間のスリップや、ラベル原反Zを挟み込ませることによる送りローラ14の変形などに起因して、送りローラ14による送り量は理論値よりも少なくなり、その結果、ラベル原反Zに弛みが生じてしまう。
【0051】
かといって、送りローラ14よりも後にガイドローラ13を停止させるのでは、ラベル原反Zがより弛んでしまう方向となる。
【0052】
これに対して、本実施形態の制御部12が、送りローラ14の回転を停止させる前に、ガイドローラ13の回転を停止させるので、ガイドローラ13の回転が適切なタイミングで停止するように調整することができ、送りローラ14とガイドローラ13との間のラベル原反Zにかかるテンションに強弱をつけることが可能となる。
これにより、トレードオフの関係にあるラベル原反Zへの負荷と弛みとのバランスを取ることができる。
【0053】
そのうえ、ガイドローラ13が、送りユニット11の上方に配置されているので、ガイドローラ13と送りユニット11との間に、例えば印字やバーコードなどを撮像するカメラなど、種々のオプション機器を取り付けるためのスペースを確保することができ、製品のラインナップを充実させることができる。
【0054】
一方、オプション機器の取付スペースを大きく取るべく、送りユニット11からガイドローラ13までの距離を大きく取ると、ガイドローラ13が、ラベル原反Zを垂下させるものとなる。
その結果、ガイドローラ13に対するラベル原反Zの巻き付け角度が大きくなるので、ガイドローラ13が固定ローラであれば、ラベル原反Zの送り出し時における負荷が大きくなるし、一方で、ガイドローラ13がフリーローラであれば、搬送停止時に発生する慣性により意図しない余分な送り量が生じてしまい、ラベル原反Zに弛みが生じる。
【0055】
これに対して、本実施形態の構成によれば、ラベル原反Zの送り出し時における負荷を低減しつつ、停止時における弛みの発生を抑えることができ、なおかつ、オプション機器の取付スペースを十分に確保することも可能となる。
【0056】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記各実施形態に限られるものではない。
【0057】
例えば、ガイドローラ13は、ラベル原反Zが垂下されるものである必要はなく、
図4に示すように、側方から巻き掛けられるものであっても良い。
【0058】
また、制御部12により回転を制御されるガイドローラ13の数は1つに限らず、複数のガイドローラ13が制御部12により回転制御されても良い。
【0059】
さらに、前記実施形態では、送りローラ14の停止の前にガイドローラ13を停止させていたが、送りローラ14の停止と同時にガイドローラ13を停止させても良い。
【0060】
加えて、前記実施形態では、送りローラ14の回転度と同時に同じ加速度でガイドローラ13を回転させ始めていたが、例えば送りローラ14のスリップなどを考慮して、ガイドローラ13を同時に回転させつつ、加速度を送りローラ14よりも小さくしても良い。
【0061】
そのうえ、送りローラ14及びガイドローラ13は、前記実施形態では互いに等しい径寸法のものであったが、互いに異なる径寸法のものであっても良い。
【0062】
また、前記実施形態では、送りローラ14をサーボモータで制御する態様を述べたが、必ずしもサーボモータを用いる必要はなく、この場合は、送りローラ14の回転角度をエンコーダ等により検出し、その検出信号を用いてガイドローラ13の回転を制御する態様が考えられる。
【0063】
さらに、本発明に係るラベル被覆装置100は、筒状のシュリンクラベルを容器Bに被せるものとして説明したが、例えばシール状の紙ラベルや、搬送途中で糊付けされる紙ラベルを容器Bに被覆する(すなわち、貼り付ける)ものであっても良い。この場合のラベル原反Zは、複数枚の紙ラベルが連なったものである。
【0064】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0065】
X ・・・ラベル装着装置
100・・・ラベル被覆装置
200・・・加熱トンネル
L ・・・ラベル
B ・・・容器
Z ・・・ラベル原反
10 ・・・搬送機構
11 ・・・送りユニット
12 ・・・制御部
13 ・・・ガイドローラ
14 ・・・送りローラ
20 ・・・カッター
30 ・・・マンドレル