(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043694
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20240326BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240326BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01L27/108 671A
H01L27/108 671Z
H01L29/78 613B
H01L29/78 626A
H01L29/78 616V
H01L21/28 301R
H01L21/28 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148833
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠原 佑介
(72)【発明者】
【氏名】今村 克平
(72)【発明者】
【氏名】側瀬 聡文
(72)【発明者】
【氏名】森 伸二
(72)【発明者】
【氏名】梶田 明広
【テーマコード(参考)】
4M104
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
4M104AA03
4M104BB18
4M104BB30
4M104BB36
4M104CC01
4M104FF13
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4M104GG16
5F083AD03
5F083AD06
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5F110HK07
5F110HK33
5F110NN72
5F110QQ04
5F110QQ05
(57)【要約】
【課題】好適に動作する半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1方向に並ぶ第1及び第2絶縁層と、第1絶縁層と第2絶縁層との間に設けられた第1導電層と、第1方向に延伸し、第1絶縁層、第2絶縁層、及び第1導電層に対向する酸化物半導体層と、第1絶縁層、第2絶縁層、及び第1導電層と、酸化物半導体層と、の間に設けられた第3絶縁層とを備える。酸化物半導体層は、第1方向において、第1~第3絶縁層に対応する第1~第3位置に設けられた第1~第3半導体部を備える。第1及び第2方向に延伸し、酸化物半導体層を含む第1断面において、第1及び第2半導体部は、第2方向の一方側の面及び他方側の面が第3絶縁層に接し、一方側の面から他方側の面まで連続する。第3半導体部は、第2方向に離間する第1部分と第2部分とを備え、第1部分の第2方向の一方側の面、及び、第2部分の第2方向の他方側の面が、第3絶縁層に接する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に並ぶ、第1絶縁層及び第2絶縁層と、
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に設けられた第1導電層と、
前記第1方向に延伸し、前記第1絶縁層、前記第2絶縁層、及び前記第1導電層に対向する酸化物半導体層と、
前記第1絶縁層、前記第2絶縁層、及び前記第1導電層と、前記酸化物半導体層と、の間に設けられた第3絶縁層と
を備え、
前記酸化物半導体層は、前記第1方向において、
前記第1絶縁層に対応する第1位置に設けられた第1半導体部と、
前記第2絶縁層に対応する第2位置に設けられた第2半導体部と、
前記第1導電層に対応する第3位置に設けられた第3半導体部と
を備え、
前記第1方向及び前記第1方向と交差する第2方向に延伸し、前記酸化物半導体層を含む第1断面において、
前記第1半導体部及び前記第2半導体部は、前記第2方向の一方側の面及び他方側の面が前記第3絶縁層に接し、前記一方側の面から前記他方側の面まで連続し、
前記第3半導体部は、前記第2方向に離間する第1部分と第2部分とを備え、前記第1部分の前記第2方向の一方側の面、及び、前記第2部分の前記第2方向の他方側の面が、前記第3絶縁層に接する
半導体装置。
【請求項2】
前記第1断面において、
前記第1半導体部は、
前記第2方向の前記一方側の面であって、前記第3絶縁層に接する第1面と、
前記第2方向の前記他方側の面であって、前記第3絶縁層に接する第2面と
を備え、
前記第2半導体部は、
前記第2方向の前記一方側の面であって、前記第3絶縁層に接する第3面と、
前記第2方向の前記他方側の面であって、前記第3絶縁層に接する第4面と
を備え、
前記第3半導体部は、
前記第1部分の前記第2方向の前記一方側の面であって、前記第3絶縁層に接する第5面と、
前記第2部分の前記第2方向の前記他方側の面であって、前記第3絶縁層に接する第6面と
を備え、
前記第5面から前記第6面までの距離は、前記第1面から前記第2面までの距離、及び、前記第3面から前記第4面までの距離よりも大きい
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記酸化物半導体層は、前記第1方向において、
前記第1絶縁層に対応し、前記第1位置と前記第3位置の間の第4位置に設けられた第4半導体部
を備え、
前記第1断面において、
前記第4半導体部は、前記第2方向に離間する第3部分と第4部分とを備え、前記第3部分の前記第2方向の一方側の面、及び、前記第4部分の前記第2方向の他方側の面が、前記第3絶縁層に接する
請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記酸化物半導体層は、前記第1方向において、
前記第2絶縁層に対応し、前記第2位置と前記第3位置の間の第5位置に設けられた第5半導体部
を備え、
前記第1断面において、
前記第5半導体部は、前記第2方向に離間する第5部分と第6部分とを備え、前記第5部分の前記第2方向の一方側の面、及び、前記第6部分の前記第2方向の他方側の面が、前記第3絶縁層に接する
請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1断面において、
前記第1部分と前記第2部分との間に空洞を備える
請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2方向、並びに、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延伸し、前記第1導電層を含む第2断面において、前記第3半導体部は、前記空洞を囲む
請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2半導体部の前記第1方向の一端部に接続された第2導電層を備え、
前記第2導電層は、インジウム(In)と、スズ(Sn)と、を含む
請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1半導体部の前記第1方向の一端部に接続された第3導電層を備え、
前記第3導電層は、インジウム(In)と、スズ(Sn)と、を含む
請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
第1方向に並ぶ、第1絶縁層及び第2絶縁層と、
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に設けられた第1導電層と、
前記第1方向に延伸し、前記第1絶縁層、前記第2絶縁層、及び前記第1導電層に対向する酸化物半導体層と、
前記第1絶縁層、前記第2絶縁層、及び前記第1導電層と、前記酸化物半導体層と、の間に設けられた第3絶縁層と
を備え、
前記酸化物半導体層は、前記第1方向において、
前記第1絶縁層に対応する第1位置に設けられた第1半導体部と、
前記第2絶縁層に対応する第2位置に設けられた第2半導体部と、
前記第1導電層に対応する第3位置に設けられた第3半導体部と
を備え、
前記第1方向及び前記第1方向と交差する第2方向に延伸し、前記酸化物半導体層を含む第1断面において、
前記第1半導体部は、
前記第2方向の一方側の面であって、前記第3絶縁層に接する第1面と、
前記第2方向の他方側の面であって、前記第3絶縁層に接する第2面と
を備え、
前記第2半導体部は、
前記第2方向の一方側の面であって、前記第3絶縁層に接する第3面と、
前記第2方向の他方側の面であって、前記第3絶縁層に接する第4面と
を備え、
前記第3半導体部は、
前記第2方向に離間する第1部分及び第2部分と、
前記第1部分の前記第2方向の一方側の面であって、前記第3絶縁層に接する第5面と、
前記第2部分の前記第2方向の他方側の面であって、前記第3絶縁層に接する第6面と
を備え、
前記第5面から前記第6面までの距離は、前記第1面から前記第2面までの距離、及び、前記第3面から前記第4面までの距離よりも大きい
半導体装置。
【請求項10】
前記第1断面において、
前記第1部分と前記第2部分との間に空洞を備える
請求項9記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第2方向、並びに、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延伸し、前記第1導電層を含む第2断面において、前記第3半導体部は、前記空洞を囲む
請求項10記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第2半導体部の前記第1方向の一端部に接続された第2導電層を備え、
前記第2導電層は、インジウム(In)と、スズ(Sn)と、を含む
請求項9記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1半導体部の前記第1方向の一端部に接続された第3導電層を備え、
前記第3導電層は、インジウム(In)と、スズ(Sn)と、を含む
請求項12記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1断面において、
前記第1半導体部は、前記第2方向に離間する第7部分及び第8部分を備え、
前記第7部分と前記第8部分との間には、第4絶縁層が設けられ、
前記第1部分と前記第2部分との間に、第5絶縁層が設けられる
請求項9記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第5絶縁層の前記第2方向の幅は、前記第4絶縁層の前記第2方向の幅よりも大きい
請求項14記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第2方向、並びに、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延伸し、前記第1導電層を含む第3断面において、前記第3半導体部は、前記第5絶縁層を囲む
請求項14記載の半導体装置。
【請求項17】
前記酸化物半導体層は、前記第1方向において、
前記第2絶縁層に対応し、前記第2位置と前記第3位置の間の第5位置に設けられた第5半導体部
を備え、
前記第1断面において、
前記第5半導体部は、前記第2方向に離間する第9部分及び第10部分を備え、
前記第9部分と前記第10部分との間には、第6絶縁層が設けられている
請求項14記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1方向に並ぶ第1絶縁層及び第2絶縁層と、第1絶縁層と第2絶縁層との間に設けられた第1導電層と、第1方向に延伸し、第1絶縁層、第2絶縁層、及び第1導電層に対向する酸化物半導体層と、を備える半導体装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適に動作する半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体装置は、第1方向に並ぶ、第1絶縁層及び第2絶縁層と、第1絶縁層と第2絶縁層との間に設けられた第1導電層と、第1方向に延伸し、第1絶縁層、第2絶縁層、及び第1導電層に対向する酸化物半導体層と、第1絶縁層、第2絶縁層、及び第1導電層と、酸化物半導体層と、の間に設けられた第3絶縁層とを備える。酸化物半導体層は、第1方向において、第1絶縁層に対応する第1位置に設けられた第1半導体部と、第2絶縁層に対応する第2位置に設けられた第2半導体部と、第1導電層に対応する第3位置に設けられた第3半導体部とを備える。第1方向及び第1方向と交差する第2方向に延伸し、酸化物半導体層を含む第1断面において、第1半導体部及び第2半導体部は、第2方向の一方側の面及び他方側の面が第3絶縁層に接し、一方側の面から他方側の面まで連続する。第3半導体部は、第2方向に離間する第1部分と第2部分とを備える。第1部分の第2方向の一方側の面、及び、第2部分の第2方向の他方側の面が、第3絶縁層に接する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図2】同半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図3】同半導体装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図4】同半導体装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図5】同半導体装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図6】同半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図7】同半導体装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図8】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図9】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図10】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図11】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図12】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図13】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図14】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図15】比較例1に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図16】比較例2に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図17】第1実施形態に係る半導体装置の変形例1の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図18】同変形例の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図19】同変形例の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図20】第1実施形態に係る半導体装置の変形例2の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図21】同変形例の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図22】同変形例の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図23】第1実施形態に係る半導体装置の変形例3の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図24】同変形例の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図25】第1実施形態に係る半導体装置の変形例4の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図26】第1実施形態に係る半導体装置の変形例5の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図27】同変形例の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図28】第2実施形態に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図29】第2実施形態に係る半導体装置の変形例1の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図30】第2実施形態に係る半導体装置の変形例2の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図31】第3実施形態に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図32】第3実施形態に係る半導体装置の変形例1の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0009】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0010】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0011】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0012】
[第1実施形態]
[回路構成]
第1実施形態に係る半導体装置は、例えば、
図1に示す様なメモリセルアレイMCA及び周辺回路PCを備える。
【0013】
メモリセルアレイMCAは、複数のビット線BLと、複数のワード線WLと、複数のプレート線PLと、これら複数のビット線BL、複数のワード線WL、及び、複数のプレート線PLに接続された複数のメモリセルMCと、を備える。1のワード線WLに接続された複数のメモリセルMCは、それぞれ、お互いに異なるビット線BLに接続されている。また、1のビット線BLに接続された複数のメモリセルMCは、それぞれ、お互いに異なるワード線WLに接続されている。
【0014】
メモリセルMCは、それぞれ、ビット線BLとプレート線PLとの間に直列に接続された選択トランジスタST及びキャパシタCapを備える。
【0015】
選択トランジスタSTは、チャネル領域として機能する半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える電界効果型のトランジスタである。選択トランジスタSTのゲート電極には、それぞれ、ワード線WLが接続される。
【0016】
キャパシタCapは、一対の電極、及び、絶縁膜を備えるキャパシタである。キャパシタCapは、メモリ部を含む。
【0017】
周辺回路PCは、例えば、動作電圧を生成して電圧供給線に出力する電圧生成回路、所望の電圧供給線をメモリセルアレイMCA内の各配線(ビット線BL、ワード線WL、及び、プレート線PL)と導通させるデコード回路、ビット線BLの電流又は電圧を検知するセンスアンプ回路等を備える。
【0018】
[構造]
図2は、半導体装置の一部の構成を示す模式的なXZ断面図である。
図3は、
図2に示す構成をA-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的なXY断面図である。
図4は、
図2に示す構成をB-B´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的なXY断面図である。
図5は、
図2に示す構成をC-C´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的なXY断面図である。
【0019】
第1実施形態に係る半導体装置は、トランジスタ層LTrと、トランジスタ層LTrの下方に設けられたキャパシタ層LCPと、トランジスタ層LTrの上方に設けられた配線層LWと、を備える。
【0020】
[トランジスタ層L
Tr]
トランジスタ層L
Trは、例えば
図2に示す様に、絶縁層100の上面に設けられた絶縁層111と、絶縁層111の上方に設けられた絶縁層113と、を備える。また、トランジスタ層L
Trは、絶縁層111及び絶縁層113の間に設けられ、X方向に交互に並ぶ複数の絶縁層112及び複数の導電層150を備える。また、トランジスタ層L
Trは、例えば
図3に示す様に、複数の導電層150に対応してX方向及びY方向に並ぶ複数の半導体層130と、半導体層130の外周面に設けられた絶縁層140と、を備える。また、トランジスタ層L
Trは、例えば
図2及び
図3に示す様に、半導体層130の内部に設けられた空洞160を備える。
【0021】
絶縁層100、絶縁層111、絶縁層112、及び絶縁層113は、例えば、酸化シリコン(SiO2)等を含む。
【0022】
半導体層130は酸化物半導体であって、例えば、選択トランジスタST(
図1)のチャネル領域として機能する。半導体層130は、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、及びスズ(Sn)からなる群から選ばれる少なくとも一つの元素と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)とを含む。半導体層130は、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、及び酸素(O)を含む。
【0023】
絶縁層140は、例えば、選択トランジスタST(
図1)のゲート絶縁膜として機能する。絶縁層140は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等を含む。
【0024】
導電層150は、例えば、Y方向に並ぶ複数の選択トランジスタSTのゲート電極、及び、メモリセルアレイMCAのワード線WL(
図1)として機能する。導電層150は、例えば、タングステン(W)、又は、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含んでいても良い。
【0025】
空洞160は、例えば
図2に示す様に、Z方向に導電層150と対応する位置において、半導体層130の内部に設けられる。空洞160の上面及び下面(
図2)、並びに側面(
図3)は、半導体層130に囲まれている。空洞160は、空洞160の在る部分の周囲に配置された固体材料に囲まれた、いわゆる空間を指し、空洞160の在る部分はいずれの固体材料も含まない。空洞160は、例えば、窒素、酸素、及び希ガス等の複数の気体の混合物からなる空気等を含む空間である。尚、空洞160はいずれの気体も含まない様に脱気されていても良い。
【0026】
[キャパシタ層L
CP]
キャパシタ層L
CPは、例えば
図2に示す様に、複数の半導体層130に対応して設けられ、複数の半導体層130の下端にそれぞれ接続された複数の導電層120と、これら複数の導電層120に対応して設けられ、これら複数の導電層120の下面及び外周面に設けられた複数の導電層121と、を備える。また、キャパシタ層L
CPは、複数の導電層120に対応して設けられ、これら複数の導電層120の下方に設けられた複数の導電層201と、導電層201の上面及び外周面に設けられた絶縁層202と、絶縁層202の上面及び外周面に設けられた導電層203と、を備える。
【0027】
導電層120は、例えば、選択トランジスタST(
図1)のドレイン電極として機能する。導電層120は、XY断面において略円形であり、プラグ形状を有していても良い。導電層120は、例えば、インジウム(In)、スズ(Sn)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、イリジウム(Ir)、 及びモリブデン(Mo)からなる群から選ばれる少なくとも一つの元素を含む。導電層120は、例えば、酸化インジウムスズ(InSnO)等であっても良い。
【0028】
導電層121は、例えば、窒化チタン(TiN)等であっても良い。
【0029】
導電層201は、キャパシタCap(
図1)の一方の電極として機能する。導電層201は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。導電層201は、図示しないプレート線PL(
図1)に電気的に接続されている。
【0030】
絶縁層202は、キャパシタCap(
図1)の電極間の絶縁層として機能する。絶縁層202は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等を含む。絶縁層202は、例えば、アルミナ(Al
2O
3)又はその他の絶縁性の金属酸化物であっても良い。
【0031】
導電層203は、例えば、キャパシタCap(
図1)の他方の電極として機能する。導電層203は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。導電層203は、導電層121のZ方向下側の端面に接続されている。
【0032】
[配線層L
W]
配線層L
Wは、トランジスタ層L
Trの上面に順に設けられた導電層170、導電層171、導電層172、及び導電層173を備える。導電層170、導電層171、導電層172、及び導電層173は、例えば
図2に示す様にX方向に延伸し、Y方向に複数並んで設けられる。導電層170、導電層171、導電層172、及び導電層173は、例えば、X方向に並ぶ複数の選択トランジスタSTのソース電極、及び、メモリセルアレイMCAのビット線BL(
図1)として機能する。導電層170は、例えば、導電層120と同様の材料を含む。導電層171は、例えば、窒化チタン(TiN)等を含む。導電層172は、例えば、タングステン(W)等を含む。導電層173は、例えば、アルミニウム(Al)等を含む。
【0033】
[半導体層130、絶縁層140、及び空洞160の形状]
次に、半導体層130、絶縁層140、及び空洞160の形状について、
図3~
図6を参照して説明する。以下の説明では、選択トランジスタST(
図1)を実現する構成を、「トランジスタ構造Tr10」と呼ぶ場合がある。
図6は、トランジスタ構造Tr10の一部の構成を示す模式的なXZ断面図である。尚、
図6は、XZ断面を示しているが、半導体層130の中心軸に沿ったXZ断面以外の断面(例えば、YZ断面)を観察した場合にも、
図6と同様の構造が観察される。
【0034】
半導体層130は、例えば
図3~
図6に示す様に、Z方向において、絶縁層113に対応する位置に設けられた略円柱状の半導体部SP11(
図4、
図6)と、絶縁層111に対応する位置に設けられた略円柱状の半導体部SP12(
図5、
図6)と、導電層150に対応する位置に設けられた略円筒状の半導体部SP13(
図3、
図6)とを備える。
【0035】
半導体部SP11は、例えば
図6に示すXZ断面において、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU11aと、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU11bとを備える。半導体部SP11は、例えば
図6に示すXZ断面において、面SU11aから面SU11bまで連続して設けられる。また、半導体部SP11の上面は、略円形状であり、導電層170に接続されている。
【0036】
半導体部SP12は、例えば
図6に示すXZ断面において、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU12aと、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU12bとを備える。半導体部SP12は、例えば
図6に示すXZ断面において、面SU12aから面SU12bまで連続して設けられる。また、半導体部SP11の下面は、略円形状であり、導電層120に接続されている。
【0037】
半導体部SP13は、例えば
図6に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP13aと、部分SP13bとを備える。部分SP13aと、部分SP13bとの間には、空洞160が設けられている。部分SP13aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU13aを備える。部分SP13bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU13bを備える。半導体部SP13は、例えば
図6に示すXZ断面において、面SU13aから面SU13bまで連続していない。
【0038】
面SU11aから面SU11bまでの距離を、距離X11とする。面SU12aから面SU12bまでの距離を、距離X12とする。面SU13aから面SU13bまでの距離を、距離X13とする。距離X13は、距離X11及び距離X12よりも大きい。
【0039】
部分SP13aのX方向の幅を、幅X13aとする。部分SP13bのX方向の幅を、幅X13bとする。幅X13a及び幅X13bは、距離X11及び距離X12よりも小さい。また、幅X13aと幅X13bとの和は、距離X11及び距離X12よりも小さい。
【0040】
[第1実施形態の製造方法]
次に、
図7~
図14を参照して、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図7~
図14は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【0041】
同製造方法においては、例えば
図7に示す様に、図示しない基板の上方に、絶縁層100と、導電層121と、導電層120と、絶縁層111と、導電層150と、絶縁層113と、を順に形成する。この工程は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によって行う。
【0042】
次に、例えば
図8に示す様に、開口TH10を形成する。開口TH10は、Z方向に延伸し、絶縁層113、導電層150、及び絶縁層111を貫通して、導電層120を露出させる。この工程は、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)等によって行う。
【0043】
次に、例えば
図9に示す様に、開口TH10を介して、導電層150の開口TH10に露出する部分を所定量除去し、開口TH11を形成する。この工程により、開口TH11の開口径は、絶縁層111及び絶縁層113の高さ位置よりも、導電層150の高さ位置において広くなる。この工程は、例えば、ウェットエッチング又はCDE(Chemical Dry Etching)等によって行う。
【0044】
次に、例えば
図10に示す様に、絶縁層113の上面、並びに、開口TH11の内側面及び底面に、絶縁層140´を形成する。絶縁層140´は、例えば絶縁層140と同様の材料を含む。この工程は、例えば、ALD(Atomic Layer Deposition)又はCVD等によって行う。
【0045】
次に、例えば
図11に示す様に、絶縁層140´のうち、絶縁層113の上面及び開口TH11の底面に形成された部分を除去し、開口TH11の内側面に絶縁層140を形成する。この工程により、開口TH11の底面に、導電層120が露出する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0046】
次に、例えば
図12及び
図13に示す様に、開口TH11の内部及び絶縁層113の上面に、半導体層130´を形成する。尚、
図12は、
図13に示す半導体層130´を形成する途中の状態の半導体層130´´を示す。半導体層130´´及び半導体層130´は、例えば半導体層130と同様の材料を含む。この工程は、例えば、ALD、又はCVD等によって行う。尚、
図12に示す様に、この様な成膜方法では、開口TH11の外部及び内部において、半導体層130´´は比較的均一な膜厚で成膜される。これにより、開口TH11のうち導電層150の高さ位置においては、開口径が比較的広いため完全には埋め込まれず、空洞160´が形成される。この様な状態(
図12)を経て、更に成膜を続けると、空洞160´の上方及び下方が徐々に埋め込まれて閉塞し、空洞160(
図13)が形成される。
【0047】
次に、例えば
図14に示す様に、開口TH11があった部分の外に形成された半導体層130´の部分を除去平坦化し、半導体層130を形成する。この工程は、例えば、CMP(Chemical Mechanical Planarization)等によって行う。
【0048】
次に、
図14に示す構造の上面に、導電層170、導電層171、導電層172、及び導電層173を形成することにより、第1実施形態に係る半導体装置が製造される。
【0049】
[比較例1]
次に、
図15を参照して、比較例1に係る半導体装置について説明する。
図15は、比較例1に係る半導体装置について説明するための模式的な断面図である。
【0050】
比較例1に係る半導体装置は、
図15に示す様なトランジスタ構造TrX1を備える。トランジスタ構造TrX1は、半導体層130X1及び絶縁層140X1を備える。また、トランジスタ構造TrX1には、空洞160は設けられない。
【0051】
半導体層130X1は、例えば
図15に示す様に、Z方向において、絶縁層113に対応する位置に設けられた略円柱状の半導体部SP11X1と、絶縁層111に対応する位置に設けられた略円柱状の半導体部SP12X1と、導電層150に対応する位置に設けられた略円柱状の半導体部SP13X1とを備える。
【0052】
半導体部SP11X1、半導体部SP12X1、及び半導体部SP13X1は、
図15に示すXZ断面において、X方向の一方側の面から他方側の面まで連続して設けられる。
【0053】
また、半導体部SP11X1、半導体部SP12X1、及び半導体部SP13X1のX方向の幅は、すべて同程度の幅X13X1である。
【0054】
比較例1に係る半導体装置においては、トランジスタ構造TrX1のゲート電極として機能する導電層150に対向するチャネル部(半導体部SP13X1)の膜厚は、幅X13X1となる。この様に比較的大きな膜厚のチャネル部を有するトランジスタ構造X1においては、トランジスタのしきい値電圧が、比較的低くなってしまい、しきい値電圧が負の値になってしまう場合があった。
【0055】
[比較例2]
次に、
図16を参照して、比較例2に係る半導体装置について説明する。
図16は、比較例2に係る半導体装置について説明するための模式的な断面図である。
【0056】
比較例2に係る半導体装置は、
図16に示す様なトランジスタ構造TrX2を備える。トランジスタ構造TrX2は、半導体層130X2及び絶縁層140X2を備える。また、トランジスタ構造TrX2は、半導体層130X2の内部に絶縁層200X2を備える。絶縁層200X2の外周面は半導体層130X2に接し、上面は導電層170に接し、下面は導電層120に接している。また、トランジスタ構造TrX2には、空洞160は設けられない。
【0057】
半導体層130X2は、例えば
図16に示す様に、Z方向において、絶縁層113に対応する位置に設けられた略円筒状の半導体部SP11X2と、絶縁層111に対応する位置に設けられた略円筒状の半導体部SP12X2と、導電層150に対応する位置に設けられた略円筒状の半導体部SP13X2とを備える。
【0058】
半導体部SP11X2、半導体部SP12X2、及び半導体部SP13X2の外周面から内周面までのX方向の幅は、幅X13X2aである。従って、トランジスタ構造TrX2においてドレイン電極となる導電層120と、半導体部SP12X2と、の接触面の形状は、幅X13X2aの略円環状となる。また、トランジスタ構造TrX2においてソース電極となる導電層170と、半導体部SP12X2と、の接触面の形状は、幅X13X2aの略円環状となる。
【0059】
この様に、比較例2に係る半導体装置においては、導電層120及び導電層170と、半導体層130X2との接触部が略円環状であるため、接触面積が比較的小さく、導電層120及び導電層170と、半導体層130X2との接触抵抗が比較的大きくなってしまう場合があった。
【0060】
[効果]
本実施形態に係る半導体装置においては、トランジスタ構造Tr10(
図6)のゲート電極として機能する、導電層150に対向するチャネル部の膜厚は、幅X13aとなる。この様に比較的小さな膜厚のチャネル部を有するトランジスタ構造Tr10においては、トランジスタのしきい値電圧を比較的高くすることができ、しきい値電圧を正の値とすることができる。
【0061】
また、本実施形態に係る半導体装置においては、トランジスタ構造Tr10(
図6)においてドレイン電極となる導電層120と、半導体部SP12と、の接触面の形状は、直径が距離X12の略円形状となる。また、トランジスタ構造Tr10(
図6)においてソース電極となる導電層170と、半導体部SP11と、の接触面の形状は、直径が距離X11の略円形状となる。この様に、本実施形態に係る半導体装置においては、導電層120及び導電層170と、チャネルとなる半導体層130と、のコンタクト面を略円形状とし、比較的広い接触面積でコンタクトすることができる。これにより、導電層120及び導電層170と、半導体層130と、の接触抵抗を比較的小さくできる。
【0062】
よって、この様な構成では、好適に動作する半導体装置を提供することができる。
【0063】
[第1実施形態の変形例1]
次に、
図17を参照して、第1実施形態に係る半導体装置の変形例1について説明する。
図17は、本変形例に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。尚、
図17は、XZ断面を示しているが、半導体層130_1の中心軸に沿ったXZ断面以外の断面(例えば、YZ断面)を観察した場合にも、
図17と同様の構造が観察される。本変形例に係る半導体装置は、例えば、
図17に示す様なトランジスタ構造Tr11を備える。
【0064】
[トランジスタ構造Tr11]
トランジスタ構造Tr11は、基本的には、トランジスタ構造Tr10(
図6)と同様に構成されている。しかしながら、トランジスタ構造Tr11(
図17)には、トランジスタ構造Tr10(
図6)の様な半導体層130、絶縁層140、及び空洞160は設けられず、半導体層130_1、絶縁層140_1、及び空洞160_1が設けられる。半導体層130_1及び絶縁層140_1は、例えば、半導体層130及び絶縁層140と同様の材料を含む。空洞160_1は、空洞160と同様のいずれの固体材料も含まない空間である。
【0065】
半導体層130_1は、基本的には、半導体層130と同様に構成される。しかしながら、半導体層130_1は、半導体部SP13のかわりに、導電層150に対応する位置に設けられた半導体部SP23を備える。
【0066】
半導体部SP23は、例えば
図17に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP23aと、部分SP23bとを備える。部分SP23aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140_1に接する面SU23aを備える。面SU23aは、
図17に示すXZ断面において、X方向負側に凸な曲面である。即ち、
図17に示すXZ断面において、面SU23aを構成する各点は、所定の高さ位置に近いものほど、X方向負側に設けられている。また、
図17に示すXZ断面において、面SU23aを構成する各点における接線の方向は、接点がこの所定の高さ位置に近いほど、Z方向に近づく。部分SP23bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140_1に接する面SU23bを備える。面SU23bは、
図17に示すXZ断面において、X方向正側に凸な曲面である。即ち、
図17に示すXZ断面において、面SU23bを構成する各点は、所定の高さ位置に近いものほどX方向正側に設けられている。また、
図17に示すXZ断面において、面SU23bを構成する各点における接線の方向は、接点がこの所定の高さ位置に近いほど、Z方向に近づく。半導体部SP23は、例えば
図17に示すXZ断面において、面SU23aから面SU23bまで連続していない。部分SP23aと、部分SP23bとの間には、空洞160_1が設けられている。空洞160_1と半導体層130_1との境界面は、面SU23a,SU23bに沿った曲面と略平行であってもよい。
【0067】
図17に示すXZ断面において、上記所定の高さ位置(面SU23aから面SU23bまでのX方向の距離が最大となる様な高さ位置)における面SU23aから面SU23bまでのX方向の距離を、距離X23とする。距離X23は、距離X11及び距離X12よりも大きい。
【0068】
部分SP23aのX方向の幅を、幅X23aとする。部分SP23bのX方向の幅を、幅X23bとする。幅X23a及び幅X23bは、距離X11及び距離X12よりも小さい。また、幅X23aと幅X23bとの和は、距離X11及び距離X12よりも小さい。
【0069】
[第1実施形態の変形例1の製造方法]
次に、
図18及び
図19を参照して、第1実施形態に係る半導体装置の変形例1の製造方法について説明する。
【0070】
第1実施形態の変形例1に係る半導体装置は、基本的には第1実施形態に係る半導体装置と同様に製造される。しかしながら、本変形例に係る半導体装置の製造方法では、
図8及び
図9を参照して説明した工程に対応する工程において、
図18に示す様に、開口TH21を形成する。開口TH21は、Z方向に延伸し、絶縁層113、導電層150、及び絶縁層111を貫通して、導電層120を露出させる。この工程は、例えば、RIE等によって行う。尚、この工程においては、絶縁層113の一部、導電層150の一部、及び絶縁層111の一部を、順に除去する。また、導電層150の一部の除去は、タングステン(W)等で形成された導電層150が、酸化シリコン(SiO
2)等で形成された絶縁層111及び絶縁層113よりも除去されやすい条件で行う。この際、導電層150の、開口TH21への露出面に、開口TH21の中心軸から離れる方向に凸な曲面が形成される。
【0071】
次に、例えば
図10~
図11を参照して説明した工程に対応する工程を行う。
【0072】
次に、例えば
図19に示す様に、開口TH21の内部及び絶縁層113の上面に、半導体層130_1´を形成する。半導体層130_1´は、例えば半導体層130と同様の材料を含む。この工程は、例えば、ALD又はCVD等によって行う。尚、
図19に示す様に、この様な成膜方法では、開口TH21の外部及び内部において、半導体層130_1´は比較的均一な膜厚で成膜される。これにより、導電層150の内側面に形成された曲面に沿って、空洞160_1が形成される。
【0073】
次に、例えば
図14を参照して説明した工程に対応する工程を行い、
図14に示す構造の上面に、導電層170、導電層171、導電層172、及び導電層173を形成することにより、本変形例に係る半導体装置が製造される。
【0074】
[第1実施形態の変形例2]
次に、
図20を参照して、第1実施形態に係る半導体装置の変形例2について説明する。
図20は、本変形例に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。尚、
図20は、XZ断面を示しているが、半導体層130_2の中心軸に沿ったXZ断面以外の断面(例えば、YZ断面)を観察した場合にも、
図20と同様の構造が観察される。本変形例に係る半導体装置は、例えば、
図20に示す様なトランジスタ構造Tr12を備える。
【0075】
[トランジスタ構造Tr12]
トランジスタ構造Tr12は、基本的には、トランジスタ構造Tr10(
図6)と同様に構成されている。しかしながら、トランジスタ構造Tr12(
図20)には、トランジスタ構造Tr10(
図6)の様な半導体層130、絶縁層140、及び空洞160は設けられず、
図20に示す様な半導体層130_2、絶縁層140_2、及び空洞160_2が設けられる。半導体層130_2及び絶縁層140_2は、例えば、半導体層130及び絶縁層140と同様の材料を含む。空洞160_2は、空洞160と同様のいずれの固体材料も含まない空間である。
【0076】
半導体層130_2は、基本的には、半導体層130と同様に構成される。しかしながら、半導体層130_2は、半導体部SP11、半導体部SP12、及び半導体部SP13のかわりに、半導体部SP31、半導体部SP32、及び半導体部SP33を備える。半導体部SP31、半導体部SP32、及び半導体部SP33は、例えば
図20に示す様に、それぞれZ方向の負側に設けられた部分ほど、X方向の幅(径方向の幅)が小さい。
【0077】
半導体部SP31は、例えば
図20に示すXZ断面において、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU31aと、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU31bとを備える。半導体部SP31は、例えば
図20に示すXZ断面において、面SU31aから面SU31bまで連続して設けられる。
【0078】
半導体部SP32は、例えば
図20に示すXZ断面において、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU32aと、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU32bとを備える。半導体部SP32は、例えば
図20に示すXZ断面において、面SU32aから面SU32bまで連続して設けられる。
【0079】
半導体部SP33は、例えば
図20に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP33aと、部分SP33bとを備える。部分SP33aと、部分SP33bとの間には、Z方向の負側に設けられた部分ほどX方向の幅(径方向の幅)が小さい空洞160_2が設けられている。部分SP33aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140_2に接する面SU33aを備える。部分SP33bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140_2に接する面SU33bを備える。半導体部SP33は、例えば
図20に示すXZ断面において、面SU33aから面SU33bまで連続していない。
【0080】
尚、半導体部SP31は、テーパ形状を備える。即ち、
図20に示すXZ断面において、面SU31aを構成する各点は、Z方向の負側に設けられたものほど、半導体部SP31の中心軸に近い位置(X方向の正側)に設けられている。また、面SU31bを構成する各点は、Z方向の負側に設けられたものほど、半導体部SP31の中心軸に近い位置(X方向の負側)に設けられている。半導体部SP32,SP33も同様に、テーパ形状を備える。
【0081】
図20に示すXZ断面において、半導体部SP31の下端近傍の高さ位置における面SU31aから面SU31bまでのX方向の距離を、距離X31とする。また、半導体部SP32の上端近傍の高さ位置における面SU32aから面SU32bまでのX方向の距離を、距離X32とする。また、半導体部SP33の上端近傍の高さ位置における面SU33aから面SU33bまでのX方向の距離を、距離X33とする。距離X33は、距離X31及び距離X32よりも大きい。
【0082】
部分SP33aのX方向の幅を、幅X33aとする。部分SP33bのX方向の幅を、幅X33bとする。幅X33a及び幅X33bは、それぞれ、距離X31及び距離X32よりも小さい。また、幅X33aと幅X33bとの和は、距離X31よりも小さい。
【0083】
[第1実施形態の変形例2の製造方法]
次に、
図21及び
図22を参照して、第1実施形態に係る半導体装置の変形例2の製造方法について説明する。
【0084】
第1実施形態の変形例2に係る半導体装置は、基本的には第1実施形態に係る半導体装置と同様に製造される。しかしながら、本変形例に係る半導体装置の製造方法では、
図8を参照して説明した工程に対応する工程において、
図21に示す様に、開口TH31を形成する。開口TH31は、Z方向に延伸し、絶縁層113、導電層150、及び絶縁層111を貫通して、導電層120を露出させる。この工程は、例えば、RIE等によって行う。尚、この工程は、Z方向の負側に設けられた部分ほど、開口TH31の開口径が小さくなる条件で行う。
【0085】
次に、例えば
図9~
図11を参照して説明した工程に対応する工程を行う。
【0086】
次に、例えば
図22に示す様に、開口TH31の内部及び絶縁層113の上面に、半導体層130_2´を形成する。半導体層130_2´は、例えば半導体層130と同様の材料を含む。この工程は、例えば、ALD又はCVD等によって行う。尚、
図22に示す様に、この様な成膜方法では、開口TH31の外部及び内部において、半導体層130_2´は比較的均一な膜厚で成膜される。これにより、Z方向の負側に設けられた部分ほど、X方向の幅(径方向の幅)が小さい、空洞160_2が形成される。
【0087】
次に、例えば
図14を参照して説明した工程に対応する工程を行い、
図14に示す構造の上面に、導電層170、導電層171、導電層172、及び導電層173を形成することにより、本変形例に係る半導体装置が製造される。
【0088】
[第1実施形態の変形例3]
次に、
図23を参照して、第1実施形態に係る半導体装置の変形例3について説明する。
図23は、本変形例に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。尚、
図23は、XZ断面を示しているが、半導体層130_3の中心軸に沿ったXZ断面以外の断面(例えば、YZ断面)を観察した場合にも、
図23と同様の構造が観察される。本変形例に係る半導体装置は、例えば、
図23に示す様なトランジスタ構造Tr13を備える。
【0089】
[トランジスタ構造Tr13]
トランジスタ構造Tr13は、基本的には、トランジスタ構造Tr12(
図20)と同様に構成されている。しかしながら、トランジスタ構造Tr13(
図23)には、トランジスタ構造Tr12(
図20)の様な半導体層130_2は設けられず、半導体層130_3が設けられる。半導体層130_3の上端部には、Z方向の負側に設けられた部分ほどX方向の幅(径方向の幅)が小さい空洞162が設けられる。空洞162は、空洞160と同様の、いずれの固体材料も含まない空間である。なお、空洞162に対応する位置に、導電層170が形成されていてもよい。
【0090】
[第1実施形態の変形例3の製造方法]
次に、
図24を参照して、第1実施形態に係る半導体装置の変形例3の製造方法について説明する。
【0091】
第1実施形態の変形例3に係る半導体装置は、基本的には第1実施形態の変形例2(
図20)と同様に製造される。しかしながら、本変形例に係る半導体装置の製造方法では、
図22を参照して説明した工程に対応する工程において、開口TH31の内部及び絶縁層113の上面に、半導体層130_3´(
図24)を形成する。半導体層130_3´は、例えば半導体層130と同様の材料を含む。この工程は、例えば、ALD又はCVD等によって行う。
図24に示す様に、例えば、開口TH31の上部と下部の開口径の幅の差が大きく、且つ、半導体層130_3´が比較的均一な膜厚で成膜された場合、半導体層130_3´の空洞162に対応する部分は、完全には埋め込まれない場合がある。
【0092】
次に、例えば
図14を参照して説明した工程に対応する工程を行い、半導体層130_3´の上部を除去した上面に、導電層170、導電層171、導電層172、及び、導電層173を形成すると、空洞162が形成され、本変形例に係る半導体装置が製造される。
【0093】
[第1実施形態の変形例4]
次に、
図25を参照して、第1実施形態に係る半導体装置の変形例4について説明する。
図25は、本変形例に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。尚、
図25は、XZ断面を示しているが、半導体層130の中心軸に沿ったXZ断面以外の断面(例えば、YZ断面)を観察した場合にも、
図25と同様の構造が観察される。本変形例に係る半導体装置は、例えば、
図25に示す様なトランジスタ構造Tr14を備える。
【0094】
[トランジスタ構造Tr14]
トランジスタ構造Tr14は、基本的には、トランジスタ構造Tr10(
図6)と同様に構成される。しかしながら、トランジスタ構造Tr14(
図25)には、トランジスタ構造Tr10(
図6)の様な絶縁層111及び絶縁層113は設けられず、絶縁層111_4及び絶縁層113_4が設けられる。
【0095】
絶縁層111_4は、
図25に示すXZ断面において、導電層150に接する上面と、半導体層130に対向する側面と、を仮想的に延長した交点近傍に、部分R1を備える。絶縁層111_4の部分R1は、XZ断面において、所定の曲率半径を有して形成される。
【0096】
絶縁層113_4は、
図25に示すXZ断面において、導電層150に接する下面と、半導体層130に対向する側面と、を仮想的に延長した交点近傍に、部分R2を備える。絶縁層113_4の部分R2は、XZ断面において、所定の曲率半径を有して形成される。
【0097】
[第1実施形態の変形例5]
次に、
図26を参照して、第1実施形態に係る半導体装置の変形例5について説明する。
図26は、本変形例に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。尚、
図26は、XZ断面を示しているが、半導体層130_5の中心軸に沿ったXZ断面以外の断面(例えば、YZ断面)を観察した場合にも、
図26と同様の構造が観察される。本変形例に係る半導体装置は、例えば、
図26に示す様なトランジスタ構造Tr15を備える。
【0098】
[トランジスタ構造Tr15]
トランジスタ構造Tr15は、基本的には、トランジスタ構造Tr10(
図6)と同様に構成される。しかしながら、トランジスタ構造Tr15(
図26)には、トランジスタ構造Tr10(
図6)の様な半導体層130及び空洞160は設けられず、半導体層130_5及び空洞160_5が設けられる。半導体層130_5は、例えば、半導体層130と同様の材料を含む。空洞160_5は、空洞160と同様のいずれの固体材料も含まない空間である。
【0099】
半導体層130_5は、基本的には、半導体層130と同様に構成される。しかしながら、半導体層130_5は、半導体部SP13(
図6)のかわりに、半導体部SP43(
図26)を備える。
【0100】
半導体部SP43は、例えば
図26に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP43aと、部分SP43bとを備える。部分SP43a及び部分SP43bは、それらのZ方向中央近傍からZ方向の正側及び負側へ向かうにつれ、X方向の幅が大きくなる。部分SP43aと、部分SP43bとの間には、空洞160_5が設けられる。部分SP43aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU43aを備える。部分SP43bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU43bを備える。半導体部SP43は、例えば
図26に示すXZ断面において、面SU43aから面SU43bまで連続していない。
【0101】
面SU43aから面SU43bまでの距離を、距離X43とする。距離X43は、距離X11及び距離X12よりも大きい。
【0102】
空洞160_5は、そのZ方向中央近傍からZ方向の正側及び負側へ向かうにつれ、X方向の幅が小さくなる。
【0103】
[第1実施形態の変形例5の製造方法]
次に、
図27を参照して、第1実施形態に係る半導体装置の変形例5の製造方法について説明する。
【0104】
第1実施形態の変形例5に係る半導体装置は、基本的には第1実施形態と同様に製造される。しかしながら、本変形例に係る半導体装置の製造方法では、
図12及び
図13を参照して説明した工程に対応する工程において、
図27に示す様に、開口TH11の内部及び絶縁層113の上面に、半導体層130_5´を形成する。半導体層130_5´を形成する際には、開口TH11の内壁の凸部において、特に成膜速度が速い条件を用いる。これにより、Z方向中央からZ方向の正側及び負側へ向かうにつれ、X方向の幅が小さい空洞160_5(
図27)が形成される。
【0105】
[第2実施形態]
次に、
図28を用いて、第2実施形態に係る半導体装置について説明する。
図28は、第2実施形態に係る半導体装置について説明するための模式的な断面図である。尚、
図28は、XZ断面を示しているが、半導体層130_6の中心軸に沿ったXZ断面以外の断面(例えば、YZ断面)を観察した場合にも、
図28と同様の構造が観察される。第2実施形態に係る半導体装置は、例えば、
図28に示す様なトランジスタ構造Tr20を備える。以下の説明では、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0106】
[トランジスタ構造Tr20]
トランジスタ構造Tr20は、基本的には、トランジスタ構造Tr10(
図6)と同様に構成されている。しかしながら、トランジスタ構造Tr20(
図28)には、トランジスタ構造Tr10(
図6)の様な半導体層130及び空洞160は設けられず、半導体層130_6及び空洞160_6が設けられる。半導体層130_6は、例えば、半導体層130と同様の材料を含む。空洞160_6は、空洞160と同様のいずれの固体材料も含まない空間である。
【0107】
半導体層130_6は、基本的には、半導体層130と同様に構成される。しかしながら、半導体層130_6は、半導体部SP11と半導体部SP13との間に、Z方向において絶縁層113に対応する位置に設けられた略円筒状の半導体部SP64を備える。また、半導体層130_6は、半導体部SP12と半導体部SP13との間に、Z方向において絶縁層111に対応する位置に設けられた略円筒状の半導体部SP65を備える。
【0108】
半導体部SP64は、例えば
図28に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP64aと、部分SP64bとを備える。部分SP64aと、部分SP64bとの間には、空洞160_6の一部が設けられている。部分SP64aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU64aを備える。部分SP64bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU64bを備える。半導体部SP64は、例えば
図28に示すXZ断面において、面SU64aから面SU64bまで連続していない。
【0109】
半導体部SP65は、例えば
図28に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP65aと、部分SP65bとを備える。部分SP65aと、部分SP65bとの間には、空洞160_6の一部が設けられている。部分SP65aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU65aを備える。部分SP65bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU65bを備える。半導体部SP65は、例えば
図28に示すXZ断面において、面SU65aから面SU65bまで連続していない。
【0110】
空洞160_6は、Z方向において導電層150に対応する所定の位置におけるX方向の幅が、Z方向において絶縁層111及び絶縁層113に対応する位置におけるX方向の幅よりも広い。
【0111】
[第2実施形態の変形例1]
次に、
図29を参照して、第2実施形態に係る半導体装置の変形例1について説明する。
図29は、本変形例に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。尚、
図29は、XZ断面を示しているが、半導体層130_7の中心軸に沿ったXZ断面以外の断面(例えば、YZ断面)を観察した場合にも、
図29と同様の構造が観察される。本変形例に係る半導体装置は、例えば、
図29に示す様なトランジスタ構造Tr21を備える。
【0112】
[トランジスタ構造Tr21]
トランジスタ構造Tr21は、基本的には、トランジスタ構造Tr12(
図20)と同様に構成されている。しかしながら、トランジスタ構造Tr21(
図29)には、トランジスタ構造Tr12(
図20)の様な半導体層130_2及び空洞160_2は設けられず、
図29に示す様な半導体層130_7及び空洞160_7が設けられる。半導体層130_7は、例えば、半導体層130_2と同様の材料を含む。空洞160_7は、空洞160_2と同様のいずれの固体材料も含まない空間である。
【0113】
半導体層130_7は、基本的には、半導体層130_2と同様に構成される。しかしながら、半導体層130_2は、半導体部SP31と半導体部SP33との間に、Z方向において絶縁層113に対応する位置に設けられた略円筒状の半導体部SP74を備える。
【0114】
半導体部SP74は、例えば
図29に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP74aと、部分SP74bとを備える。部分SP74aと、部分SP74bとの間には、空洞160_7の一部が設けられている。部分SP74aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU74aを備える。部分SP74bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU74bを備える。半導体部SP74は、例えば
図29に示すXZ断面において、面SU74aから面SU74bまで連続していない。
【0115】
尚、半導体部SP74は、
図20を参照して説明した様なテーパ形状を備える。
【0116】
空洞160_7は、Z方向において導電層150に対応する所定の位置におけるX方向の幅が、Z方向において絶縁層113に対応する位置におけるX方向の幅よりも広い。
【0117】
[第2実施形態の変形例2]
次に、
図30を参照して、第2実施形態に係る半導体装置の変形例2について説明する。
図30は、本変形例に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。尚、
図30は、XZ断面を示しているが、半導体層130_8の中心軸に沿ったXZ断面以外の断面(例えば、YZ断面)を観察した場合にも、
図30と同様の構造が観察される。本変形例に係る半導体装置は、例えば、
図30に示す様なトランジスタ構造Tr22を備える。
【0118】
[トランジスタ構造Tr22]
トランジスタ構造Tr22は、基本的には、トランジスタ構造Tr21(
図29)と同様に構成される。しかしながら、トランジスタ構造Tr22(
図30)には、トランジスタ構造Tr21(
図29)の様な半導体層130_7及び空洞160_7は設けられず、半導体層130_8及び空洞160_8が設けられる。
【0119】
半導体層130_8は、基本的には、半導体層130_7と同様に構成される。しかしながら、半導体層130_8は、半導体部SP33(
図29)のかわりに、半導体部SP83(
図30)を備え、半導体部SP74(
図29)のかわりに、半導体部SP84(
図30)を備える。
【0120】
半導体部SP83は、例えば
図30に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP83aと、部分SP83bとを備える。部分SP83a及び部分SP83bは、それらのZ方向中央からZ方向の正側及び負側へ向かうにつれ、X方向の幅が大きくなる。部分SP83aと、部分SP83bとの間には、空洞160_8の一部が設けられている。部分SP83aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140_2に接する面SU83aを備える。部分SP83bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140_2に接する面SU83bを備える。半導体部SP83は、例えば
図30に示すXZ断面において、面SU83aから面SU83bまで連続していない。
【0121】
半導体部SP84は、例えば
図30に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP84aと、部分SP84bとを備える。部分SP84aと、部分SP84bとの間には、空洞160_8の一部が設けられている。部分SP84aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU84aを備える。部分SP84bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU84bを備える。半導体部SP84は、例えば
図30に示すXZ断面において、面SU84aから面SU84bまで連続していない。
【0122】
空洞160_8は、そのZ方向中央からZ方向の正側及び負側へ向かうにつれ、X方向の幅が小さくなる。
【0123】
[第3実施形態]
次に、
図31を用いて、第3実施形態に係る半導体装置について説明する。
図31は、第3実施形態に係る半導体装置について説明するための模式的な断面図である。尚、
図31は、XZ断面を示しているが、半導体層130_9の中心軸に沿ったXZ断面以外の断面(例えば、YZ断面)を観察した場合にも、
図31と同様の構造が観察される。第3実施形態に係る半導体装置は、例えば、
図31に示す様なトランジスタ構造Tr30を備える。以下の説明では、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0124】
[トランジスタ構造Tr30]
トランジスタ構造Tr30は、基本的には、トランジスタ構造Tr10(
図6)と同様に構成されている。しかしながら、トランジスタ構造Tr30(
図31)には、トランジスタ構造Tr10(
図6)の様な半導体層130及び空洞160は設けられず、半導体層130_9及び絶縁層200が設けられる。半導体層130_9は、例えば、半導体層130と同様の材料を含む。絶縁層200は、半導体層130_9の内部に設けられる。絶縁層200の外周面は半導体層130_9に接し、絶縁層200の上面は導電層170に接し、絶縁層200の下面は導電層120に接する。絶縁層200は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等を含む。
【0125】
半導体層130_9は、例えば
図31に示す様に、Z方向において、絶縁層113に対応する位置に設けられた略円筒状の半導体部SP91と、絶縁層111に対応する位置に設けられた略円筒状の半導体部SP92と、導電層150に対応する位置に設けられた略円筒状の半導体部SP93とを備える。
【0126】
半導体部SP91は、例えば
図31に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP91aと、部分SP91bとを備える。部分SP91aと、部分SP91bとの間には、絶縁層200の一部が設けられている。部分SP91aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU91aを備える。部分SP91bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU91bを備える。半導体部SP91は、例えば
図31に示すXZ断面において、面SU91aから面SU91bまで連続していない。また、半導体部SP91の上端部は、略円環状であり、導電層170に接続されている。
【0127】
半導体部SP92は、例えば
図31に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP92aと、部分SP92bとを備える。部分SP92aと、部分SP92bとの間には、絶縁層200の一部が設けられている。部分SP92aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU92aを備える。部分SP92bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU92bを備える。半導体部SP92は、例えば
図31に示すXZ断面において、面SU92aから面SU92bまで連続していない。また、半導体部SP92の下端部は、略円環状であり、導電層120に接続されている。
【0128】
半導体部SP93は、例えば
図31に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP93aと、部分SP93bとを備える。部分SP93aと、部分SP93bとの間には、絶縁層200の一部が設けられている。部分SP93aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU93aを備える。部分SP93bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU93bを備える。半導体部SP93は、例えば
図31に示すXZ断面において、面SU93aから面SU93bまで連続していない。
【0129】
面SU91aから面SU91bまでの距離を、距離X91とする。面SU92aから面SU92bまでの距離を、距離X92とする。面SU93aから面SU93bまでの距離を、距離X93とする。距離X93は、距離X91及び距離X92よりも大きい。
【0130】
部分SP93aのX方向の幅を、幅X93aとする。部分SP93bのX方向の幅を、幅X93bとする。幅X93a及び幅X93bは、距離X91及び距離X92よりも小さい。また、幅X93aと幅X93bとの和は、距離X91及び距離X92よりも小さい。
【0131】
[第3実施形態の変形例1]
次に、
図32を参照して、第3実施形態に係る半導体装置の変形例1について説明する。
図32は、本変形例に係る半導体装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。尚、
図32は、XZ断面を示しているが、半導体層130_10の中心軸に沿ったXZ断面以外の断面(例えば、YZ断面)を観察した場合にも、
図32と同様の構造が観察される。本変形例に係る半導体装置は、例えば、
図32に示す様なトランジスタ構造Tr31を備える。
【0132】
[トランジスタ構造Tr31]
トランジスタ構造Tr31は、基本的には、トランジスタ構造Tr30(
図31)と同様に構成されている。しかしながら、トランジスタ構造Tr31(
図32)には、トランジスタ構造Tr30(
図31)の様な半導体層130_9、絶縁層140、及び絶縁層200は設けられず、
図32に示す様な半導体層130_10、絶縁層140_10、及び絶縁層210が設けられる。半導体層130_10、絶縁層140_10、及び絶縁層210は、例えば、半導体層130_9、絶縁層140、及び絶縁層200と同様の材料を含む。
【0133】
半導体層130_10は、基本的には、半導体層130_9と同様に構成される。しかしながら、半導体層130_10は、半導体部SP91、半導体部SP92、及び半導体部SP93のかわりに、略円筒状の半導体部SP101、略円柱状の半導体部SP102、及び略円筒状の半導体部SP103を備える。半導体部SP101、半導体部SP102、及び半導体部SP103は、例えば
図32に示す様に、それぞれZ方向の負側に設けられた部分ほど、X方向の幅(径方向の幅)が小さい。
【0134】
半導体部SP101は、例えば
図32に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP101aと、部分SP101bとを備える。部分SP101aと、部分SP101bとの間には、絶縁層210の一部が設けられている。半導体部SP101は、例えば
図32に示すXZ断面において、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU101aと、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU101bとを備える。半導体部SP101は、例えば
図32に示すXZ断面において、面SU101aから面SU101bまで連続していない。
【0135】
半導体部SP102は、例えば
図32に示すXZ断面において、X方向の一方側の面であって絶縁層140に接する面SU102aと、X方向の他方側の面であって絶縁層140に接する面SU102bとを備える。半導体部SP102は、例えば
図32に示すXZ断面において、面SU102aから面SU102bまで連続して設けられる。
【0136】
半導体部SP103は、例えば
図32に示すXZ断面において、X方向に離間する部分SP103aと、部分SP103bとを備える。部分SP103aと、部分SP103bとの間には、絶縁層210の一部が設けられている。部分SP103aは、X方向の一方側の面であって絶縁層140_2に接する面SU103aを備える。部分SP103bは、X方向の他方側の面であって絶縁層140_2に接する面SU103bを備える。半導体部SP103は、例えば
図32に示すXZ断面において、面SU103aから面SU103bまで連続していない。
【0137】
尚、半導体部SP101,SP102,SP103は、
図20を参照して説明した様なテーパ形状を備える。
【0138】
図32に示すXZ断面において、半導体部SP101の下端近傍の高さ位置における面SU101aから面SU101bまでのX方向の距離を、距離X101とする。また、半導体部SP102の上端近傍の高さ位置における面SU102aから面SU102bまでのX方向の距離を、距離X102とする。また、半導体部SP103の上端近傍の高さ位置における面SU103aから面SU103bまでのX方向の距離を、距離X103とする。距離X103は、距離X101及び距離X102よりも大きい。
【0139】
部分SP103aのX方向の幅を、幅X103aとする。部分SP103bのX方向の幅を、幅X103bとする。幅X103a及び幅X103bは、それぞれ、距離X101及び距離X102よりも小さい。また、幅X103aと幅X103bとの和は、距離X101よりも小さい。
【0140】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態~第3実施形態に係る半導体装置について説明した。しかしながら、これらの実施形態に係る半導体装置はあくまでも例示であり、具体的な構成、動作等は適宜調整可能である。
【0141】
例えば、以上の説明では、選択トランジスタSTに、キャパシタCapが接続される例について説明した。この様な例において、キャパシタCapの形状、構造等は、適宜調整可能である。
【0142】
また、以上の説明では、選択トランジスタSTに接続されるメモリ部として、キャパシタCapが採用される例について説明した。しかしながら、メモリ部は、キャパシタCapでなくても良い。例えば、メモリ部は、強誘電体、強磁性体、GeSbTe等のカルコゲン材料、又は、その他の材料を含み、これら材料の特性を利用してデータを記録するものであっても良い。例えば、以上において説明したいずれかの構造において、キャパシタCapを形成する電極間の絶縁層に、これら材料のいずれかを含ませても良い。
【0143】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0144】
111…絶縁層、113…絶縁層、130…半導体層、140…絶縁層、150…導電層、160…空洞、SP11…半導体部、SP12…半導体部、SP13…半導体部。