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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043697
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】カード発行装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
G06K7/10 416
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148836
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】横山 智
(72)【発明者】
【氏名】太田 恵治
(57)【要約】
【課題】カードのバーコードが印刷された面が下方を向く場合でも、光学センサの光学性が低下することおよびカード発行装置が大型化することを抑制することができるカード発行装置を提供すること。
【解決手段】カード発行装置1は、複数のカード2を収容するカード収容部3と、カード収容部3からカード2を送り出すカード送出機構4と、カード排出口10に接続されたカード搬送路50に沿って、カード送出機構4から送り出されたカードをカード排出口10に向けて搬送するカード搬送機構5と、カード搬送路50のZ1方向に位置し、カード2の裏面2aに表示されたコード2bを読み取る光学センサ6と、光学センサ6の不使用時に、光学センサ6の読取面60に塵埃が付着することを防止する塵埃付着防止機構9と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカードを収容するカード収容部と、
前記カード収容部から前記カードを送り出すカード送出機構と、
カード排出口に接続されたカード搬送路に沿って、前記カード送出機構から送り出された前記カードを前記カード排出口に向けて搬送するカード搬送機構と、
前記カード搬送路の下方に位置し、前記カードの裏面に表示されたコードを読み取る光学センサと、
前記光学センサの不使用時に、前記光学センサの読取面に塵埃が付着することを防止する塵埃付着防止機構と、
を有するカード発行装置。
【請求項2】
前記塵埃付着防止機構は、前記光学センサの読取面が上方を向く第1位置と前記読取面が下方を向く第2位置との間で前記光学センサを回転させる回転機構であることを特徴とする請求項1に記載のカード発行装置。
【請求項3】
前記回転機構は、前記光学センサを保持するホルダと、回転軸を中心に前記ホルダを前記第1位置と前記第2位置との間で回転させる駆動部とを備え、
前記ホルダは、前記回転軸の径方向外側に突出する突出部を備え、
前記光学センサは、前記径方向外側に引き出されたフレキシブル配線基板を備え、
前記フレキシブル配線基板は、前記突出部に固定されることを特徴とする請求項2に記載のカード発行装置。
【請求項4】
前記ホルダは、前記突出部の先端部分から前記回転軸の周方向に屈曲した屈曲部を備え、
前記ホルダが前記第1位置から前記第2位置、または前記第2位置から前記第1位置に回転する際に、前記フレキシブル配線基板は、前記屈曲部に沿って屈曲することを特徴とする請求項3に記載のカード発行装置。
【請求項5】
前記光学センサが前記第1位置および前記第2位置に位置することを検知する位置検知センサと、
前記カード送出機構、前記カード搬送機構、前記光学センサ、および前記回転機構を駆動制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記位置検知センサの検知結果に基づいて、前記回転機構を制御するとともに、前記位置検知センサが前記第1位置に位置すると検知した場合に、前記光学センサを駆動して前記コードを読み取ることを特徴とすることを特徴とする請求項3または4に記載のカード発行装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記光学センサを駆動して前記コードの読み取り動作を行った際に前記コードの読み取りに失敗した場合には、前記光学センサの前記第1位置を微調整するために、前記回転機構を駆動して前記ホルダを回転させた後、前記光学センサを駆動して前記コードを再度読み取ることを特徴とする請求項5に記載のカード発行装置。
【請求項7】
前記塵埃付着防止機構は、前記光学センサの読取面を露出させる第1位置と前記読取面を覆う第2位置との間で遮蔽部材を移動させるシャッタ機構であることを特徴とする請求項1に記載のカード発行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードなどのコードが印刷されたカードを発行するカード発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気情報が記録されたカードを発行するカード発行装置は特許文献1に記載されている。同文献のカード発行装置は、カードを収容する複数のカードカセットを備えるカード収容部と、カードに対して磁気情報の読み書き処理を行うカード処理部と、各カードカセットから繰り出されたカードをカード処理部に搬送するカード搬送部と、を備える。カード収容部、カード搬送部、およびカード処理部は、複数のカードカセットが配列された配列方向と直交する直交方向において、この順に配列される。
【0003】
カード収容部は、各カードカセットからカード搬送部に向かってカードを一枚ずつ送り出すカード送出機構を備える。カード搬送部は、キャリッジと、キャリッジを配列方向に移動させるカード搬送機構と、を備える。キャリッジには、カードカセットから送り出されたカードを取り込んでキャリッジに保持するとともに、カードをキャリッジからカード処理部に送り込む搬送部が設けられている。
【0004】
カードを発行する際に、カード発行装置は、まず、カード搬送機構を駆動して、キャリッジを所定のカードカセットに対向する位置に配置する。また、カード発行装置は、カード送出機構を駆動して、所定のカードカセットからカードを直交方向に送り出すとともに、搬送部を駆動してカードカセットから送り出されたカードをキャリッジに取り込む。その後、カード発行装置は、カード搬送機構を駆動して、キャリッジをカード処理部と対向する位置に移動させる。しかる後に、カード発行装置は、駆動部を駆動して、カードをキャリッジからカード処理部に送り込む。カード処理部は、カードに記録された磁気情報をカードリーダによって読み取るとともに、必要な情報をカードに記録する。カード発行装置は、カード処理部からカードを排出(発行)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-41635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
表面にバーコードが印刷されているカードを会員カードなどとして発行する際には、カードの発行時にバーコードを読み取り、読み取ったバーコードの情報と、このカードの所有者となる会員の情報とを紐づける場合がある。
【0007】
ここで、特許文献1のカード発行装置にバーコード読み取り機能を付加する場合には、バーコードリーダを備える光学センサをカード搬送部とカード処理部との間に設置することが考えられる。このとき、カードのバーコードが印刷された面が下方を向く場合には、光学センサの読取面が上方を向くように、カード搬送部の下方に光学センサを配置することが考えられる。このように構成すれば、光学センサが、下方からカードのバーコードを読み取ることができる。しかしながら、このような構成を採用した場合には、光学センサの不使用時に、光学センサの読取面に塵埃が溜まり、光学センサの光学性が低下するという問題がある。
【0008】
また、カードのバーコードが印刷された面が下方を向く場合には、光学センサの読取面が下方を向くように、カード搬送部の上方に光学センサを設置するとともに、カードを反転させる反転機構を設置することが考えられる。このように構成すれば、反転機構が、カードのバーコードが印刷された面を下方から上方に向けた後に、光学センサが、上方からカードのバーコードを読み取ることができる。しかしながら、このような構成を採用した場合には、反転機構を設置するためカード発行装置が大型化する。
【0009】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、カードのバーコードが印刷された面が下方を向く場合でも、光学センサの光学性が低下することおよびカード発行装置が大型化することを抑制することができるカード発行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の一態様のカード発行装置は、複数のカードを収容するカード収容部と、前記カード収容部から前記カードを送り出すカード送出機構と、カード排出口に接続されたカード搬送路に沿って、前記カード送出機構から送り出された前記カードを前記カード排出口に向けて搬送するカード搬送機構と、前記カード搬送路の下方に位置し、前記カードの裏面に表示されたコードを読み取る光学センサと、前記光学センサの不使用時に、前記光学センサの読取面に塵埃が付着することを防止する塵埃付着防止機構と、を有することを特徴とする。
【0011】
本形態によれば、光学センサは、カード搬送路の下方に位置する。よって、光学センサは、裏面にコードが表示されたカードを読み取ることができる。また、塵埃付着防止装置は、光学センサの不使用時に、光学センサの読取面に塵埃が付着することを防止するので、光学センサの光学性能が塵埃により低下することを抑制することができる。
【0012】
本形態において、前記塵埃付着防止機構は、前記光学センサの読取面が上方を向く第1位置と前記読取面が下方を向く第2位置との間で前記光学センサを回転させる回転機構であることが好ましい。このようにすれば、回転機構は、光学センサの使用時には、光学センサの読取面を上に向けた第1位置とすることができるとともに、光学センサの不使用時には、光学センサの読取面を下に向けた第2位置とすることができる。よって、光学センサの不使用時には、光学センサの読取面が下を向いているので、光学センサの読取面に塵埃が付着することを抑制することができる。これにより、光学センサの光学性能が塵埃により低下することを抑制することができる。また、回転機構は、光学センサを第1位置から第2位置に回転させるので、光学センサの使用時に光学センサの読取面に付着した塵埃を下方に落下させることができる。
【0013】
本形態において、前記回転機構は、前記光学センサを保持するホルダと、回転軸を中心に前記ホルダを前記第1位置と前記第2位置との間で回転させる駆動部とを備え、前記ホルダは、前記回転軸の径方向外側に突出する突出部を備え、前記光学センサは、前記径方向外側に引き出されたフレキシブル配線基板を備え、前記フレキシブル配線基板は、前記突出部に固定されることが好ましい。このようにすれば、フレキシブル配線基板が突出部に固定されているので、ホルダを回転させた際にフレキシブル配線基板に加わる力が、フレキシブル配線基板の根元に加わることを抑制することができる。これにより、フレキシブル配線基板が光学センサから外れることを抑制することができる。
【0014】
本形態において、前記ホルダは、前記突出部の先端部分から前記回転軸の周方向に屈曲した屈曲部を備え、前記ホルダが前記第1位置から前記第2位置、または前記第2位置から前記第1位置に回転する際に、前記フレキシブル配線基板は、前記屈曲部に沿って屈曲することが好ましい。このようにすれば、回転機構がホルダを回転させた際に、屈曲部は、フレキシブル配線基板を湾曲させるためのガイドとして機能するので、フレキシブル配
線基板は湾曲しやすい。
【0015】
本形態において、前記光学センサが前記第1位置および前記第2位置に位置することを検知する位置検知センサと、前記カード送出機構、前記カード搬送機構、前記光学センサ、および前記回転機構を駆動制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記位置検知センサの検知結果に基づいて、前記回転機構を制御するとともに、前記位置検知センサが前記第1位置に位置すると検知した場合に、前記光学センサを駆動して前記コードを読み取ることが好ましい。このようにすれば、位置検知センサによって光学センサの位置を検知することができるので、回転機構にステッピングモータなどを用いて、光学センサの位置を検知する構成と比較して、制御および構成を簡単にすることができる。また、制御部は、位置検知センサの検知結果に基づいて、光学センサを駆動することができるので、光学センサの駆動制御が容易となる。
【0016】
本形態において、前記制御部は、前記光学センサを駆動して前記コードの読み取り動作を行った際に前記コードの読み取りに失敗した場合には、前記光学センサの前記第1位置を微調整するために、前記回転機構を駆動して前記ホルダを回転させた後、前記光学センサを駆動して前記コードを再度読み取ることが好ましい。このようにすれば、光学センサの読取方向を微調整することができるので、光学センサが、コードの再読み取りの際に、コードの読み取りに失敗することを抑制することができる。
【0017】
本形態において、前記塵埃付着防止機構は、前記光学センサの読取面を露出させる第1位置と前記読取面を覆う第2位置との間で遮蔽部材を移動させるシャッタ機構であることが好ましい。このようにすれば、光学センサの不使用時に、遮蔽部材が光学センサの読取面を覆うので、塵埃が付着することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光学センサは、カード搬送路の下方に位置する。よって、光学センサは、裏面にコードが表示されたカードを読み取ることができる。また、塵埃付着防止装置は、光学センサの不使用時に、光学センサの読取面に塵埃が付着することを防止するので、光学センサの光学性能が塵埃により低下することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明を適用したカード発行装置を上方から見た外観斜視図である。
図2】カード発行装置を下方から見た外観斜視図である。
図3】カード発行装置の断面斜視図である。
図4】カード発行装置の断面図である。
図5】カード収容部とカード送出機構との平面図である。
図6】光学センサおよび回転機構を一方側から見た斜視図である。
図7】光学センサおよび回転機構を他方側から見た斜視図である。
図8】光学センサおよびホルダの分解斜視図である。
図9】カードを発行するカード発行動作のフローチャートである。
図10】シャッタ機構が遮蔽部材を第1位置に移動させた状態を示す図である。
図11】シャッタ機構が遮蔽部材を第2位置に移動させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明のカード発行装置の実施形態を説明する。以下の説明において、互いに直交する3方向をX方向、Y方向、Z方向とする。また、X方向の一方側をX1方向、他方側をX2方向とする。Y方向の一方側をY1方向、他方側をY2方向とする。Z方向の一方側をZ1方向とし、他方側をZ2方向とする。X方向は、カード発行装置の前後方向である。X1方向は、前方であり、X2方向は後方である。Y方向はカ
ード発行装置の幅方向である。Y1方向は、幅方向に一方側である。Y2方向は、幅方向の他方側である。Z方向は、カード発行装置の上下方向である。Z1方向は下方であり、Z2方向は上方である。
【0021】
(実施形態1)
(全体構成)
図1は、本発明を適用したカード発行装置1を上方から見た外観斜視図である。図2は、カード発行装置1を下方から見た外観斜視図である。図3は、カード発行装置1の断面斜視図である。図4は、カード発行装置1の断面図である。
【0022】
図1および図2に示すカード発行装置1は、不図示の上位機器と通信可能に接続されて使用される。カード発行装置1は、上位機器からのカード発行指令に基づいて、裏面2aにコード2bが表示されたカード2を会員カードとして発行する。コード2bは、1次元コードであるバーコードや、2次元コードであるQRコード(登録商標)である。
【0023】
図1図4に示すように、カード発行装置1は、発行前の複数のカード2を収容するカード収容部3と、カード収容部3からカード2を送り出すカード送出機構4と、カード送出機構4から送り出されたカード2をカード排出口10に向けて搬送するカード搬送機構5と、カード搬送路50のZ1方向に位置し、カード2の裏面2aに表示されたコード2bを読み取る光学センサ6と、光学センサ6の不使用時に、光学センサ6の読取面60に塵埃が付着することを防止する塵埃付着防止機構9と、を有する。本形態では、塵埃付着防止機構9は、回転軸Lを中心に光学センサ6を回転させる回転機構7である。
【0024】
図1に示すように、カード発行装置1は、制御部8を備える。制御部8は、カード送出機構4、カード搬送機構5、光学センサ6および回転機構7を制御する。制御部8は、カード搬送機構5のY1方向に配置されている。制御部8は、CPU、ROM、RAMなどを備える回路が実装された基板80を備える。
【0025】
(カード収容部)
図1および図2に示すように、カード収容部3は、カードスタック部31を備える。カードスタック部31は、直方体状にZ方向に延在し、Y1方向の一部が開口している。カードスタック部31の内部には、複数枚のカード2が収容されている。カード2は、カードスタック部31のZ2方向から収容される。
【0026】
(カード送出機構)
図5は、カード収容部3とカード送出機構4との平面図である。図4に示すように、カード送出機構4は、カード収容部3のZ1方向に設けられている。カード送出機構4は、ベース部材20のX2方向の側に取り付けられている。カード送出機構4は、カードスタック部31に積層されたカード2のうち最も下のカード2をX1方向へ排出する。図5に示すように、カード送出機構4は、カードスタック部31の底面に設けられたX方向に延びるスリット41と、スリット41に配置されるカード排出爪42を備える。カード排出爪42は、カードスタック部31に積層されたカード2のうちで一番下に位置するカード2の縁にX2方向から係合する。
【0027】
図4に示すように、カード送出機構4は、カード排出爪42をX方向に移動させるチェーン駆動機構43と、チェーン駆動機構43を駆動するモータ44を備える。図2に示すように、モータ44の駆動力は、ベルト45を介して、チェーン駆動機構43の駆動プーリ46に伝達される。駆動プーリ46が回転すると、駆動プーリ46に噛み合ったチェーン47が駆動する。カード排出爪42は、チェーン47に固定される。
【0028】
ここで、カードスタック部31のZ1方向の側には、回収部30が設けられている。カード搬送機構5からX2方向の側に戻されるカード2は、案内部材36によって回収部30に送り込まれる。この案内部材36は、弾性を備えた板部材である。カード送出機構4がカード2をX1方向に送り出すと、案内部材36は、カード2が当接することによってZ1方向に押し下げられ、カード2は、カード搬送機構5に送り出される。カード2が送り出されると、案内部材36は、Z2方向に戻り、カード搬送機構5からX2方向の側に戻されるカード2を回収部30に案内する状態となる。
【0029】
(カード搬送機構)
図4に示すように、カード搬送機構5は、カード排出口10に接続されたカード搬送路50に沿って、カード2を搬送する。カード排出口10は、カード搬送機構5のX1方向に配置されている。カード搬送路50は、カード送出機構4のX1方向の側からカード排出口10まで、X方向に延びる。カード搬送路50には、光学センサ6がカード2の裏面2aに表示されたコード2bを読み取る読取位置Rが設定されている。
【0030】
カード搬送機構5は、ベース部材20のX1方向の側に取り付けられている。カード搬送機構5は、カード搬送路50に沿って配置された2つの駆動ローラ51と、カード搬送路50に沿って配置された2つの従動ローラ52と、駆動ローラ51を回転させるモータ53とを備える。駆動ローラ51は、カード搬送路50のZ2方向に位置する。従動ローラ52は、カード搬送路50のZ1方向に位置し、駆動ローラ51と対向する。図2に示すように、駆動ローラ51は、軸を介して駆動プーリ54と連結している。モータ53の駆動力は、ベルト55を介して、駆動プーリ54に伝達される。駆動プーリ54が回転すると、駆動ローラ51は、駆動プーリ54とともに回転する。駆動ローラ51が回転することにより、カード2は、カード搬送路50に沿って移動する。
【0031】
(光学センサ)
図6は、光学センサ6および回転機構7を一方側から見た斜視図である。図7は、光学センサ6および回転機構7を他方側から見た斜視図である。
【0032】
図6に示す光学センサ6は、例えば、イメージセンサを備えるものである。図4に示すように、光学センサ6は、カード搬送路50の読取位置RのZ1方向に位置し、カード2に向けて照明光を照射してコード2bの画像を取得し、画像解析により、これらのコード2bの情報を取得する。光学センサ6は、カード2から情報を読み取ると、読み取った情報を、上位機器に送信する。
【0033】
図6および図7に示すように、光学センサ6は、回転機構7により、読取面60がZ2方向を向く第1位置6Aと読取面60がZ1方向を向く第2位置6Bとの間で回転する。読取面60は、例えば、レンズやカバーガラスなどである。
【0034】
光学センサ6は、径方向外側に引き出されたフレキシブル配線基板61を備える。フレキシブル配線基板61は、基板62に電気的に接続されている。基板62は、フレキシブル配線基板などによって、基板80と電気的に接続されている。基板62は、支持部材15に取り付けられている。支持部材15は、ベース部材20に固定されている。支持部材15は、長方形の枠形状を形成する第1壁部16、第2壁部17、第3壁部18および第4壁部19を備える。第1壁部16は、Y1方向に位置し、第2壁部17と対向する。第1壁部16および第2壁部17は、ベース部材20に固定されており、ベース部材20からZ2方向に延在する。第3壁部18は、第2壁部17のX1方向の端部からY1方向に屈曲し、第1壁部16のX1方向の端部からY2方向に屈曲した部分とネジにより連結する。第4壁部19は、第2壁部17のX2方向の端部からY1方向に屈曲し、第1壁部16のX2方向の端部からY2方向に屈曲した部分とネジにより連結する。基板62は、第
2壁部17のY2方向の側の面に取り付けられている。
【0035】
(回転機構)
図8は、光学センサ6およびホルダ71の分解斜視図である。図6および図7に示すように、回転機構7は、支持部材15に固定されている。回転機構7は、光学センサ6を保持するホルダ71と、回転軸Lを中心にホルダ71を第1位置6Aと第2位置6Bとの間で回転させる駆動部72とを備える。図6図7および図8に示すように、ホルダ71は、第1板部73と、第1板部73のX1方向の端部から径方向に屈曲する第2板部74と、第1板部73のX2方向の端部から径方向に屈曲する第3板部75と、第1板部73と対向する第4板部76とを備える。図6および図7に示すように、ホルダ71は、第2板部74が軸部材13によって第3壁部18に支持され、第3板部75が出力ギア782の軸部にネジによって連結された状態で回転軸Lを中心に回転する。
【0036】
第2板部74および第3板部75は、第4板部76より径方向外側に突出する突出部70を備える。光学センサ6は、第1板部73にネジによって固定されている。図7および図8に示すように、第4板部76は、径方向外側に突出する突出部761と、を備え、突出部761の先端部分から周方向に屈曲した屈曲部762とを備える。突出部761は、光学センサ6の読取面60が向く側とは反対側に突出する。フレキシブル配線基板61は、固定部材760によって、突出部761に固定される。本形態では、固定部材760は、結束バンドである。なお、固定部材760は、結束バンドに限定されない。固定部材760は、例えば、両面テープや接着剤などであってもよい。また、図7に示すように、フレキシブル配線基板61は、ホルダ71が第1位置6Aから第2位置6Bに回転する際に、屈曲部762に沿って屈曲する。
【0037】
図6および図7に示すように、駆動部72は、モータ77と、モータ77の駆動力をホルダ71に伝達するギア列78とを備える。モータ77は、DCモータでありエンコーダ79を備える。モータ77は、ネジによって、第4壁部19に固定されている。ギア列78は、モータ77の出力軸に固定されたピニオン781と、ピニオン781と噛み合った出力ギア782とを備える。出力ギア782の軸部のX1方向の側は、ネジによって、ホルダ71に連結する。出力ギア782の軸部のX2方向の側が第4壁部19に回転可能に支持されている。
【0038】
ここで、支持部材15には、光学センサ6が第1位置6Aおよび第2位置6Bに位置することを検知する位置検知センサ11が設けられている。本形態では、位置検知センサ11は、透過型フォトセンサである。位置検知センサ11は、フレキシブル配線基板などにより、基板80に電気的に接続されている。位置検知センサ11は、第1壁部16のY2方向の側の面に設けられた位置検知センサ11Aと、第2壁部17のY1方向の側の面に設けられた位置検知センサ11Bとを備える。光学センサ6が第1位置6Aにおいて第3板部75の突出部70が位置検知センサ11Aの光を遮ることにより、位置検知センサ11Aは、光学センサ6が第1位置6Aに位置することを検知する。光学センサ6が第2位置6Bにおいて第3板部75の突出部70が位置検知センサ11Bの光を遮ることにより、位置検知センサ11Bは、光学センサ6が第2位置6Bに位置することを検知する。
【0039】
制御部8は、位置検知センサ11の検知結果に基づいて、回転機構7を駆動させる。すわなち、第1位置6Aから第2位置6Bまでホルダ71を回転させる際には、制御部8は、位置検知センサ11Bがホルダ71を検知するまで、回転機構7を駆動させる。また、第2位置6Bから第1位置6Aまでホルダ71を回転させる際には、制御部8は、位置検知センサ11Aがホルダ71を検知するまで、回転機構7を駆動させる。
【0040】
また、支持部材15には、規制部材14が設けられている。規制部材14は、ホルダ7
1よりZ2方向に位置するとともに、第3壁部18のX2方向の側の面に固定されている。規制部材14は、第2板部74の突出部70が当接することにより、ホルダ71の回転範囲を規制する。
【0041】
(カード装置の動作)
次にカード発行装置1の動作について説明する。図9は、カード2を発行するカード発行動作のフローチャートである。カード2の発行に際しては、上位機器からカード発行装置1にカード発行指令が送信される。カード発行指令は、制御部8に入力される。
【0042】
図9に示すように、制御部8は、位置検知センサ11Aから、ホルダ71が第1位置6Aに位置しているかの情報を取得する(ステップST1)。ホルダ71が第1位置6Aに位置していない場合(ステップST1:No)には、制御部8は、位置検知センサ11Aがホルダ71を検知するまで、回転機構7を駆動して、ホルダ71を第1位置6Aに移動させる(ステップST2)。その後、ステップST1に戻る。
【0043】
ホルダ71が第1位置6Aに位置している場合(ステップST1:Yes)には、制御部8は、カード送出機構4を駆動して、カードスタック部31からカード2をカード搬送機構5に送り出す(ステップST3)。
【0044】
カード2がカード搬送機構5に送り出されると、制御部8は、カード搬送機構5を駆動して、カード2を読取位置Rまで搬送する(ステップST4)。次に、制御部8は、光学センサ6を駆動して、カード2のコード2bを読み取る読取動作を行う(ステップST5)。
【0045】
ここで、光学センサ6が読み取った情報を上位機器に送信した場合には、制御部8は、カード2からの情報の読み取りが正常に行われたものと判断する(ステップST6:Yes)。次に、制御部8は、カード搬送機構5を駆動して、カード2をカード排出口10に向けて搬送する(ステップST7)。これにより、カード2の発行が完了する。
【0046】
光学センサ6が読み取った情報を上位機器に送信しなかった場合には、制御部8は、カード2からの情報の読み取りが失敗したものと判断する(ステップST6:No)。この場合、光学センサ6からカード2に向けて照射された照明光の照射角度が、適切ではなく、光学センサ6がコード2bを読み取ることができないと考えられる。このため、制御部8は、エンコーダ79の位置情報に基づき、回転機構7を駆動して、ホルダ71を数度(例えば、1°前後)回転させる(ステップST8)。これにより、光学センサ6の第1位置6Aが微調整されるので、照明光の照射角度が微調整される。
【0047】
次に、制御部8は、光学センサ6を駆動して、カード2のコード2bを再度読み取る読取動作を行う(ステップST9)。光学センサ6が読み取った情報を上位機器に送信した場合には、制御部8は、カード2からの情報の読み取りが正常に行われたものと判断する(ステップST10:Yes)。次に、制御部8は、カード搬送機構5を駆動して、カード2をカード排出口10に向けて搬送する(ステップST7)。これにより、カード2の発行が完了する。
【0048】
光学センサ6が読み取った情報を上位機器に送信しなかった場合には、制御部8は、カード2からの情報の読み取りが失敗したものと判断する(ステップST10:No)。この場合、制御部8は、カード搬送機構5を駆動して、カード2を回収部30に向けて搬送する(ステップST11)。これにより、カード2の回収が完了する。
【0049】
ここで、光学センサ6の不使用時に、回転機構7は、光学センサ6の読取面60に塵埃
が付着することを防止するために、光学センサ6を第2位置6Bに回転させる。具体的には、カード発行装置1の主電源を切った場合には、制御部8は、回転機構7を駆動して、光学センサ6を第2位置6Bに回転させる。また、カード発行装置1の主電源を切らない場合であっても、カード2の発行が終わった後には、制御部8は、都度、回転機構7を駆動して、光学センサ6を第2位置6Bに回転させてもよい。さらに、カード発行装置1の主電源を切らない場合であっても、カード2の発行が所定時間行われない場合には、制御部8は、回転機構7を駆動して、光学センサ6を第2位置6Bに回転させてもよい。これにより、光学センサ6の不使用時には、光学センサ6の読取面60がZ1方向を向いているので、光学センサ6の読取面60に塵埃が付着することを防止することができる。
【0050】
(作用効果)
本形態のカード発行装置1では、光学センサ6は、カード搬送路50のZ1方向に位置する。よって、光学センサ6は、裏面2aにコード2bが表示されたカード2を読み取ることができる。また、塵埃付着防止機構9は、光学センサ6の読取面60がZ2方向を向く第1位置6Aと読取面60がZ1方向を向く第2位置6Bとの間で光学センサ6を回転させる回転機構7である。回転機構7は、光学センサ6の使用時には、光学センサ6の読取面60を上に向けた第1位置6Aとすることができるとともに、光学センサ6の不使用時には、光学センサ6の読取面60を下に向けた第2位置6Bとすることができる。よって、光学センサ6の不使用時には、光学センサ6の読取面60が下を向いているので、光学センサ6の読取面60に塵埃が付着することを抑制することができる。これにより、光学センサ6の光学性能が塵埃により低下することを抑制することができる。また、回転機構7は、光学センサ6を第1位置6Aから第2位置6Bに回転させるので、光学センサ6の使用時に光学センサ6の読取面60に付着した塵埃を下方に落下させることができる。
【0051】
本形態において、回転機構7は、光学センサ6を保持するホルダ71と、回転軸Lを中心にホルダ71を第1位置6Aと第2位置6Bとの間で回転させる駆動部72とを備える。ホルダ71は、回転軸Lの径方向外側に突出する突出部761を備える。光学センサ6は、径方向外側に引き出されたフレキシブル配線基板61を備える。フレキシブル配線基板61は、突出部761に固定される。よって、フレキシブル配線基板61が突出部761に固定されているので、ホルダ71を回転させた際にフレキシブル配線基板61に加わる力が、フレキシブル配線基板61の根元に加わることを抑制することができる。これにより、フレキシブル配線基板61が光学センサ6から外れることを抑制することができる。
【0052】
本形態において、ホルダ71は、突出部761の先端部分から回転軸Lの周方向に屈曲した屈曲部762を備える。ホルダ71が第1位置6Aから第2位置6Bに回転する際に、フレキシブル配線基板61は、屈曲部762に沿って屈曲する。よって、回転機構7がホルダ71を回転させた際に、屈曲部762は、フレキシブル配線基板61を湾曲させるためのガイドとして機能するので、フレキシブル配線基板61は湾曲しやすい。
【0053】
本形態において、カード発行装置1は、光学センサ6が第1位置6Aおよび第2位置6Bに位置することを検知する位置検知センサ11と、カード送出機構4、カード搬送機構5、光学センサ6、および回転機構7を駆動制御する制御部8と、を有する。制御部8は、位置検知センサ11の検知結果に基づいて、回転機構7を制御する。制御部8は、位置検知センサ11が第1位置6Aに位置すると検知した場合に、光学センサ6を駆動してコードを読み取る。よって、位置検知センサ11によって光学センサ6の位置を検知することができるので、回転機構7にステッピングモータなどを用いて、光学センサ6の位置を検知する構成と比較して、制御および構成を簡単にすることができる。また、制御部8は、位置検知センサ11の検知結果に基づいて、光学センサ6を駆動することができるので、光学センサ6の駆動制御が容易となる。
【0054】
本形態において、制御部8は、光学センサ6を駆動してコード2bの読み取り動作を行った際にコード2bの読み取りに失敗した場合には、光学センサ6の第1位置6Aを微調整するために、回転機構7を駆動してホルダ71を回転させた後、光学センサ6を駆動してコード2bを再度読み取る。よって、光学センサ6の読取方向を微調整することができるので、光学センサ6が、コード2bの再読み取りの際に、コード2bの読み取りに失敗することを抑制することができる。
【0055】
(実施形態2)
次に、実施形態2の塵埃付着防止機構9について説明する。実施形態2の塵埃付着防止機構9は、シャッタ機構12である点が、実施形態1の塵埃付着防止機構9と相違する。よって、実施形態2では、実施形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する場合がある。図10は、シャッタ機構12が遮蔽部材121を第1位置12Aに移動させた状態を示す図である。図11は、シャッタ機構12が遮蔽部材121を第2位置12Bに移動させた状態を示す図である。
【0056】
図10および図11に示すように、光学センサ6は、読取面60がZ2方向を向く状態で、ネジによって、支持部材15に固定されている。塵埃付着防止機構9は、光学センサ6のY1方向の側に位置し、支持部材125に固定されている。支持部材125は、ベース部材20に固定されている。本形態では、塵埃付着防止機構9は、光学センサ6の読取面60を露出させる第1位置12Aと読取面60を覆う第2位置12Bとの間で遮蔽部材121を移動させるシャッタ機構12である。シャッタ機構12は、遮蔽部材121と、Z方向に延びる回転軸Mを中心に遮蔽部材121を回転させる駆動部122とを備える。駆動部122は、モータ123と、モータ123のピニオンギアと噛み合う出力ギア124とを備える。出力ギア124の軸部124aの端部は、遮蔽部材121と連結する。モータ123の駆動力が、出力ギア124を介して、遮蔽部材121に伝達されることにより、遮蔽部材121は、第1位置12Aと第2位置12Bとの間を移動する。
【0057】
制御部8は、カード送出機構4、カード搬送機構5、光学センサ6およびシャッタ機構12を制御する。光学センサ6の使用時には、制御部8は、シャッタ機構12を駆動することにより、読取面60を露出させる第1位置12Aに遮蔽部材121を移動させる。光学センサ6の不使用時には、制御部8は、シャッタ機構12を駆動することにより、読取面60を覆う第2位置12Bに遮蔽部材121を移動させる。したがって、光学センサ6の不使用時には、光学センサ6の読取面60は遮蔽部材121に覆われるので、光学センサ6の読取面60に塵埃が付着することを防止することができる。
【0058】
(他の実施形態)
カード2にICチップが設けられていた場合には、上記のカード発行装置は、ICチップを読み書きするための磁気リーダを備えてもよい。また、カード2の表面に印刷を行う場合には、上記のカード発行装置は、印刷部を備えてもよい。
【0059】
カード搬送機構5は、上記の構成に限定されない。例えば、カード発行装置1がY方向に複数のカード収容部3とカード送出機構4とを備えた場合には、カード搬送機構5は、それぞれのカード送出機構4から送り出されたカード2を受け取るために、カード搬送路に沿ってY方向に移動するキャリッジを備えてもよい。この場合、光学センサ6は、キャリッジが移動するカード搬送路のZ1方向に配置されてもよい。
【0060】
ホルダ71が第2位置6Bから第1位置6Aに回転する際に、フレキシブル配線基板61が屈曲部762に沿って屈曲するように、光学センサ6は、フレキシブル配線基板61を備えてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…カード発行装置、2…カード、2a…裏面、2b…コード、3…カード収容部、4…カード送出機構、5…カード搬送機構、6…光学センサ、6A…第1位置、6B…第2位置、7…回転機構、8…制御部、9…塵埃付着防止機構、10…カード排出口、11・11A・11B…位置検知センサ、12…シャッタ機構、12A…第1位置、12B…第2位置、13…軸部材、14…規制部材、15…支持部材、16…第1壁部、17…第2壁部、18…第3壁部、19…第4壁部、20…ベース部材、30…回収部、31…カードスタック部、36…案内部材、41…スリット、42…カード排出爪、43…チェーン駆動機構、44…モータ、45…ベルト、46…駆動プーリ、47…チェーン、50…カード搬送路、51…駆動ローラ、52…従動ローラ、53…モータ、54…駆動プーリ、55…ベルト、60…読取面、61…フレキシブル配線基板、62…基板、70…突出部、71…ホルダ、72…駆動部、73…第1板部、74…第2板部、75…第3板部、76…第4板部、77…モータ、78…ギア列、79…エンコーダ、80…基板、121…遮蔽部材、122…駆動部、123…モータ、124…出力ギア、124a…軸部、125…支持部材、760…固定部材、761…突起部、761…突出部、762…屈曲部、781…ピニオン、782…出力ギア、R…読取位置、L…回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11