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特開2024-43739アクティブマトリクス基板、液晶表示装置、自発光表示装置及び撮像装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043739
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】アクティブマトリクス基板、液晶表示装置、自発光表示装置及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1345 20060101AFI20240326BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240326BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240326BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240326BHJP
   G09F 9/35 20060101ALI20240326BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20240326BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240326BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240326BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20240326BHJP
   H05B 33/06 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G02F1/1345
G02F1/1368
G09F9/30 338
G09F9/00 309A
G09F9/00 346D
G09F9/35
G09F9/30 365
G09F9/30 330
H01L27/146 C
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148897
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】303018827
【氏名又は名称】Tianma Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100183955
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 悟郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100180334
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 洋美
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(74)【代理人】
【識別番号】100174067
【弁理士】
【氏名又は名称】湯浅 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 成美
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】田村 文識
(72)【発明者】
【氏名】石野 隆行
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
3K107
4M118
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H092GA14
2H092GA33
2H092GA41
2H092GA44
2H092GA49
2H092GA51
2H092HA04
2H092JA24
2H092NA29
2H092PA01
2H092QA06
2H092QA07
2H192AA24
2H192BB01
2H192FA32
2H192FA72
2H192FB46
2H192FB72
2H192GD02
2H192JA06
2H192JA33
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC43
3K107DD11
3K107DD38
3K107DD39
3K107EE03
3K107EE59
3K107EE61
3K107EE68
3K107FF04
3K107FF15
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA05
4M118CA05
4M118CB06
4M118CB11
4M118CB14
4M118FB03
4M118FB09
4M118HA26
4M118HA27
5C094AA15
5C094BA03
5C094BA27
5C094BA43
5C094CA19
5C094DB03
5C094EA04
5C094FA01
5G435AA18
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE34
5G435EE40
5G435GG33
(57)【要約】
【課題】端子の配列幅がその端子に接続する画素配線の配列幅よりも広い場合に、端子を設けるために必要な画素配線の配列方向における幅を、画素配線の配列幅以下にできる、アクティブマトリクス基板、液晶表示装置、自発光表示装置及び撮像装置を提供する。
【解決手段】アクティブマトリクス基板300は、複数の画素電極と、複数の画素電極のそれぞれに接続する複数のスイッチング素子と、複数のスイッチング素子のそれぞれに接続する複数の画素配線GLと、複数の画素配線GLのそれぞれに接続する複数の接続配線335と、複数の接続配線335のそれぞれに接続する複数の端子330と、を備える。画素配線GLの配列方向と端子330の配列方向AD1が異なる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素電極と、
前記複数の画素電極のそれぞれに接続する、複数のスイッチング素子と、
前記複数のスイッチング素子のそれぞれに接続する、複数の画素配線と、
前記複数の画素配線のそれぞれに接続する、複数の接続配線と
前記複数の接続配線のそれぞれに接続する、複数の端子と、を備え、
前記画素配線の配列方向と前記端子の配列方向が、異なる。
アクティブマトリクス基板。
【請求項2】
前記複数の端子の配列幅が、前記複数の画素配線の配列幅よりも広い、
請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項3】
前記画素配線の配列方向と前記端子の配列方向が、垂直である、
請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項4】
所定の湾曲軸の周りに湾曲し、
平面視した場合に、前記端子の配列方向と前記湾曲軸の方向が垂直でない、
請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項5】
前記複数の接続配線の抵抗値が、等しい、
請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項6】
前記端子のそれぞれに接続される配線を有する基板が、前記複数の接続配線に重なる位置に配置され、
前記基板は、前記複数の接続配線に対向する面に、ノイズを遮断するシールド部を有する、
請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項7】
前記端子のそれぞれに接続される配線を有する基板が、前記複数の接続配線に重なる位置に配置され、
前記配線に接続する複数のICと前記複数のICに信号を供給する回路が、前記基板に設けられている、
請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス基板と、
前記アクティブマトリクス基板に対向する対向基板と、
前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板に挟持される液晶と、を備える、
液晶表示装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス基板と、
前記画素電極の上に設けられる自発光部と、を備える、
自発光表示装置。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス基板と、
前記画素電極の上に設けられる光電変換素子と、を備える、
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アクティブマトリクス基板、液晶表示装置、自発光表示装置及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を有するアクティブマトリクス基板が、表示装置、撮像装置等に用いられる。アクティブマトリクス基板には、ゲート配線(画素配線)に信号を供給するゲートドライバと、データ配線(画素配線)に信号を供給するデータドライバが、実装される。ゲートドライバはTFTのゲート電極に接続し、データドライバはTFTのソース電極に接続する。
【0003】
ゲートドライバとデータドライバは、COF(Chip On Film)方式、COG(Chip On Glass)方式等により、アクティブマトリクス基板の額縁領域に実装される。COF方式では、駆動IC(Integrated Circuit)を実装された、フレキシブル基板をアクティブマトリクス基板の端子に接続する。COG方式では、駆動ICを、アクティブマトリクス基板の端子に直接接続する。アクティブマトリクス基板の端子と端子に接続する画素配線は同じ方向に配列され、アクティブマトリクス基板の端子の間隔は端子に接続する画素配線の間隔よりも狭い(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-160393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1における端子と画素配線の構成では、表示装置、撮像装置等の高精細化に伴い、表示装置、撮像装置等の画素ピッチ(画素配線の間隔)が狭くなると、アクティブマトリクス基板の端子の間隔も狭くする必要がある。この場合、駆動IC又はフレキシブル基板をアクティブマトリクス基板に接続する工程の歩留まりが低下する、虞がある。また、使用可能なフレキシブル基板の選択肢が狭まる。
【0006】
一方、アクティブマトリクス基板の端子の間隔を端子に接続する画素配線の間隔よりも広くすると、1つの駆動IC又はフレキシブル基板に接続する端子の配列幅も広くなる。これにより、1つの駆動IC又はフレキシブル基板に接続する端子を設けるために必要な、画素配線の配列方向における幅も広くなる。
【0007】
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、端子の配列幅がその端子に接続する画素配線の配列幅よりも広い場合に、端子を設けるために必要な画素配線の配列方向における幅を、画素配線の配列幅以下にできる、アクティブマトリクス基板、液晶表示装置、自発光表示装置及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本開示の第1の観点に係るアクティブマトリクス基板は、
複数の画素電極と、
前記複数の画素電極のそれぞれに接続する、複数のスイッチング素子と、
前記複数のスイッチング素子のそれぞれに接続する、複数の画素配線と、
前記複数の画素配線のそれぞれに接続する、複数の接続配線と
前記複数の接続配線のそれぞれに接続する、複数の端子と、を備え、
前記画素配線の配列方向と前記端子の配列方向が、異なる。
【0009】
本開示の第2の観点に係る液晶表示装置は、
上記のアクティブマトリクス基板と、
前記アクティブマトリクス基板に対向する対向基板と、
前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板に挟持される液晶と、を備える。
【0010】
本開示の第3の観点に係る自発光表示装置は、
上記のアクティブマトリクス基板と、
前記画素電極の上に設けられる自発光部と、を備える。
【0011】
本開示の第4の観点に係る撮像装置は、
上記のアクティブマトリクス基板と、
前記画素電極の上に設けられる光電変換素子と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、画素配線の配列方向と画素配線に接続する端子の配列方向が異なるので、画素配線に接続する端子を設けるために必要な画素配線の配列方向における幅を、画素配線の配列幅以下にできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1に係る液晶表示装置を示す平面図である。
図2】実施形態1に係るアクティブマトリクス基板の表示領域を示す平面図である。
図3】実施形態1に係るゲート端子とゲート接続配線とを示す平面図である。
図4】比較例1に係るゲート端子とゲート接続配線とを示す平面図である。
図5】実施形態1に係るデータ端子とデータ接続配線とを示す平面図である。
図6】実施形態1に係るゲート駆動ICとフレキシブル基板とを示す平面図である。
図7】実施形態1に係るデータ駆動ICとフレキシブル基板とを示す平面図である。
図8】実施形態2に係るゲート端子とゲート接続配線とを示す平面図である。
図9】実施形態2に係るゲート端子の配列方向を説明するための模式図である。
図10】実施形態3に係る液晶表示装置を示す側面図である。
図11】実施形態3に係るゲート端子とフレキシブル基板とを示す平面図である。
図12】実施形態3に係るデータ端子とフレキシブル基板とを示す平面図である。
図13】実施形態4に係るゲート接続配線とフレキシブル基板とを示す平面図である。
図14図13に示すゲート接続配線とフレキシブル基板をA-A線で矢視した断面図である。
図15】実施形態5に係る自発光表示装置を示す平面図である。
図16】実施形態5に係るアクティブマトリクス基板の表示領域を示す平面図である。
図17】実施形態5に係る発光素子を示す断面図である。
図18】実施形態6に係る撮像装置を示す平面図である。
図19】実施形態5に係るアクティブマトリクス基板の撮像領域を示す平面図である。
図20】実施形態5に係る光電変換素子を示す断面図である。
図21】変形例に係るフレキシブル基板を示す平面図である。
図22】変形例に係るゲート接続配線を示す平面図である。
図23】変形例に係るゲート接続配線を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態に係るアクティブマトリクス基板と、液晶表示装置、自発光表示装置及び撮像装置について、図面を参照して説明する。
【0015】
<実施形態1>
図1図7を参照して、本実施形態に係る、アクティブマトリクス基板300を備える液晶表示装置10を説明する。液晶表示装置10は、図1に示すように、液晶表示パネル100と、ゲート駆動IC400と、データ駆動IC500とを備える。また、液晶表示装置10は、駆動回路、バックライト等(図示せず)を備える。本明細書では、理解を容易にするため、図1における液晶表示装置10の右方向(紙面の右方向)を+X方向、上方向(紙面の上方向)を+Y方向と、+X方向と+Y方向に垂直な方向(紙面の手前方向)を+Z方向として説明する。また、液晶表示装置10の+Z側に観察者が位置するとして説明する。
【0016】
液晶表示装置10の液晶表示パネル100は、対向基板200とアクティブマトリクス基板300と液晶LCとを備える。また、液晶表示パネル100は、図示しない偏光板を、対向基板200の+Z側の面とアクティブマトリクス基板300の-Z側の面とに設けられている。本実施形態では、液晶表示パネル100は、透過型液晶表示パネルである。液晶表示パネル100は、例えば、公知の横電界モードで動作する。
【0017】
液晶表示パネル100は、文字、画像等を表示可能な表示領域11と、表示領域11を囲む額縁領域12とを有する。表示領域11には、複数の画素PXがマトリクス状に配列されている。額縁領域12には、ゲート駆動IC400とデータ駆動IC500が実装される。額縁領域12は、後述するように、アクティブマトリクス基板300の額縁領域302から形成される。
【0018】
液晶表示パネル100対向基板200は、+Z側(観察者側)に位置し、アクティブマトリクス基板300に対向している。対向基板200は、図示しないシール材により、アクティブマトリクス基板300に貼り合わされている。対向基板200の外形寸法はアクティブマトリクス基板300の外形寸法よりも小さく、対向基板200は、対向基板200の+X側の辺とアクティブマトリクス基板300の+X側の辺と、対向基板200の-Y側の辺とアクティブマトリクス基板300の-Y側の辺とを揃えた状態で貼り合わされている。したがって、アクティブマトリクス基板300の-X側の端部と+Y側の端部は、液晶表示パネル100の額縁領域12(アクティブマトリクス基板300の額縁領域302)を形成している。
【0019】
対向基板200は、例えば、ガラス基板である。対向基板200のアクティブマトリクス基板300に対向する面には、カラーフィルタ、ブラックマトリクス、液晶LCを配向する配向膜等(いずれも図示せず)が設けられている。
【0020】
液晶表示パネル100のアクティブマトリクス基板300は、-Z側に位置し、対向基板200に対向している。アクティブマトリクス基板300は、例えば、ガラス基板である。アクティブマトリクス基板300の対向基板200に対向する面300aには、図2に示すように、画素電極310、複数のゲート配線GL、複数のデータ配線DL、後述するゲート端子330、液晶LCを配向する配向膜等が設けられる。
【0021】
まず、アクティブマトリクス基板300の、液晶表示パネル100の表示領域11に対応する領域301(以下、アクティブマトリクス基板300の表示領域301と記載)について説明する。画素電極310、スイッチング素子320、複数のゲート配線GL、複数のデータ配線DL等が、アクティブマトリクス基板300の表示領域301に設けられる。なお、図2は、理解を容易にするために、アクティブマトリクス基板300の表示領域301の一部を図示している。また、図2は、1つの画素PXの画素電極310とスイッチング素子320のみを図示している。
【0022】
アクティブマトリクス基板300のゲート配線GLは、図2に示すように、X方向に延びY方向に配列されている。アクティブマトリクス基板300のデータ配線DLは、Y方向に延びX方向に配列されている。ゲート配線GLとデータ配線DLは、画素PXを形成する、1組の画素電極310と共通電極(図示せず)とスイッチング素子320を囲んでいる。ゲート配線GLとデータ配線DLは、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)等の金属から形成される。ゲート配線GLとデータ配線DLは画素配線に相当する。
【0023】
アクティブマトリクス基板300の画素電極310は、X方向とY方向とにマトリクス状に配置されている。画素電極310は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)から、櫛歯形状に形成される。アクティブマトリクス基板300の共通電極も、ITOから櫛歯形状に形成される。画素電極310の櫛歯部と共通電極の櫛歯部は、交互に、互いに平行に配置される。これにより、アクティブマトリクス基板300の面300aに平行な横電界が、画素電極310の櫛歯部と共通電極の櫛歯部との間に生じる。
【0024】
アクティブマトリクス基板300のスイッチング素子320は、例えば、TFT素子である。スイッチング素子320は、ゲート配線GLとデータ配線DLの交点付近に設けられる。スイッチング素子320は、ゲート電極とソース電極とドレイン電極と半導体層とを有する(いずれも図示せず)。スイッチング素子320のゲート電極はゲート配線GLに接続し、スイッチング素子320のソース電極はデータ配線DLに接続する。また、スイッチング素子320のドレイン電極は画素電極310に接続する。ゲート電極とソース電極とドレイン電極は、アルミニウム、モリブデン等の金属から形成される。スイッチング素子320の半導体層は、アモルファスシリコン、インジウム(In)とガリウム(Ga)と亜鉛(Zn)とを含む酸化物等から形成される。
【0025】
スイッチング素子320は、ゲート電極に接続するゲート配線GLを介して、ゲート駆動IC400(ゲートドライバ)から供給される走査信号に基づいて、順次駆動される。スイッチング素子320が開状態になると、ソース電極に接続するデータ配線DLを介して、データ駆動IC500(データドライバ)から供給される画像信号(階調電圧)が、ドレイン電極に供給される。そして、アクティブマトリクス基板300の面300aに平行な所定の横電界がドレイン電極に接続された画素電極310の櫛歯と、共通電極の櫛歯部との間に生じ、所定の横電界が液晶LCに印加される。なお、共通電極は共通配線に接続され、共通電極の電位は所定の電位に制御されている。
【0026】
次に、アクティブマトリクス基板300の額縁領域302について、説明する。アクティブマトリクス基板300の額縁領域302は、アクティブマトリクス基板300の表示領域301を囲む。本実施形態では、図1に示すように、フレキシブル基板410を用いたCOF方式により、ゲート駆動IC400が額縁領域302の-X側の端部に実装される。また、フレキシブル基板510を用いたCOF方式により、データ駆動IC500が額縁領域302の+Y側の端部に実装される。
【0027】
アクティブマトリクス基板300の額縁領域302の-X側の端部には、図3に示すように、ゲート端子330とゲート接続配線335が設けられる。ゲート端子330は、ゲート配線GLをアクティブマトリクス基板300の外部に接続するための端子である。ゲート接続配線335は、ゲート配線GLとゲート端子330とを接続する。なお、アクティブマトリクス基板300の外部とは、アクティブマトリクス基板300以外の装置、部材、駆動回路等を指す。本実施形態では、フレキシブル基板410、510が外部に相当する。また、図3では、理解を容易にするために、アクティブマトリクス基板300の額縁領域302の一部を図示している。
【0028】
本実施形態では、隣接する複数のゲート配線GLが、同数のゲート端子330を介して、1つのゲート駆動IC400に接続される。本明細書では、理解を容易にするために、隣接する5つのゲート配線GLが5つのゲート端子330を介して1つのゲート駆動IC400に接続する構成(図3)を例に、ゲート端子330とゲート接続配線335を説明する。また、データ端子340とデータ接続配線345についても、ゲート端子330とゲート接続配線335と同様に、説明する。
【0029】
ゲート端子330は、ゲート配線GLが延びる方向(X方向)に垂直なY方向に長い、矩形形状を有している。5つのゲート端子330は、ゲート配線GLの配列方向(Y方向)に垂直なX方向に配列される。ゲート端子330がゲート配線GLの配列方向に垂直なX方向に配列されるので、図3に示すように、ゲート端子330の間隔P1をフレキシブル基板410への接続が容易な間隔に設定することにより、ゲート端子330の配列幅D1がゲート配線GLの配列幅D2よりも広い場合であっても、ゲート端子330の配列をゲート配線GLの配列幅D2内に収めることができる。すなわち、ゲート配線GLの配列方向とゲート端子330の配列方向AD1が垂直であるので、ゲート端子330の配列をゲート配線GLの配列幅D2内に収めると共に、ゲート端子330の間隔P1を、ゲート配線GLの間隔P2(画素PXの画素ピッチ)に依らず、フレキシブル基板410への接続が容易な間隔に設定できる。これにより、フレキシブル基板410をゲート端子330に接続する工程の歩留まりを向上できる。また、使用可能なフレキシブル基板410の選択肢を増やすことができる。さらに、液晶表示装置10の製造コストを低減できる。
【0030】
ゲート接続配線335はゲート配線GLとゲート端子330とを接続する。ゲート接続配線335のそれぞれは、第1部分335aと第2部分335bと第3部分335cとを有する。第1部分335aはゲート端子330から-Y方向に延び、第2部分335bは第1部分335aから+X方向に延びる。第3部分335cは、第2部分335bからゲート配線GLの端部に延びる。ゲート接続配線335のそれぞれが-Y方向に延びた後+X方向に延びるので、X方向に延び、画素電極310とスイッチング素子320を挟む必要がない第2部分335bの間隔P3を、ゲート配線GLの間隔P2に比べて極めて狭くでき、Y方向に延びる第1部分335aの長さL1を短くできる。
【0031】
本実施形態では、前述のように、ゲート端子330の配列方向AD1とゲート配線GLの配列方向が垂直であるので、ゲート端子330の配列幅D1がゲート配線GLの配列幅D2よりも広い場合であっても、ゲート端子330の配列をゲート配線GLの配列幅D2内に収めることができる。また、ゲート端子330はフレキシブル基板410に電気的に接続する電極に過ぎないので、ゲート端子330のフレキシブル基板410への接続方向(Y方向)の長さL2を極めて短くできる。さらに、上述のように、ゲート配線GLの配列方向(Y方向)に延びる、ゲート接続配線335の第1部分335aの長さL1も短くできる。これらにより、図3に示すように、ゲート端子330の配列幅D1がゲート配線GLの配列幅D2よりも広い場合であっても、ゲート端子330を設けるために必要なゲート配線GLの配列方向(Y方向)の幅D3を、ゲート配線GLの配列幅D2以下にできる。ゲート端子330を設けるために必要なゲート配線GLの配列方向(Y方向)の幅D3は、ゲート端子330が設けられる領域のゲート配線GLの配列方向の幅(本実施形態では、ゲート端子330のY方向の長さL2)と、ゲート配線GLとゲート端子330とを接続ために必要な領域のゲート配線GLの配列方向の幅(本実施形態では、第1部分335aの長さL1のうちの最も長い長さ)との和である。
【0032】
一方、ゲート端子330がゲート配線GLの配列方向(Y方向)と同じ方向に配列され、ゲート端子330の配列幅D1がゲート配線GLの配列幅D2よりも広い場合(以下、比較例と記載)、図4に示すように、ゲート端子330を設けるために必要なゲート配線GLの配列方向の幅D3は、ゲート配線GLの配列幅D2よりも広くなる。すなわち、比較例では、ゲート端子330の間隔P1をフレキシブル基板410への接続が容易な間隔に設定することにより、ゲート端子330の配列幅D1を広くすると、ゲート端子330を設けるために必要なゲート配線GLの配列方向の幅D3がゲート配線GLの配列幅D2よりも広くなる。
【0033】
アクティブマトリクス基板300の額縁領域302の+Y側の端部には、図5に示すように、データ端子340とデータ接続配線345が設けられる。データ端子340は、データ配線DLをアクティブマトリクス基板300の外部(フレキシブル基板510)に接続するための端子である。データ接続配線345は、データ配線DLとデータ端子340とを接続する。なお、図5では、理解を容易にするために、アクティブマトリクス基板300の額縁領域302の一部を図示している。以下では、データ端子340とゲート端子330とを、端子と総称する場合がある。また、ゲート接続配線335とデータ接続配線345とを、接続配線と総称する場合がある。
【0034】
本実施形態では、隣接する複数のデータ配線DLが、同数のデータ端子340を介して、1つのデータ駆動IC500に接続される。ゲート端子330とゲート接続配線335と同様に、隣接する5つのデータ配線DLが5つのデータ端子340を介して1つのデータ駆動IC500に接続する構成(図5)を例に、データ端子340とデータ接続配線345を説明する。
【0035】
データ端子340は、データ配線DLが延びる方向(Y方向)に垂直なX方向に長い、矩形形状を有している。5つのデータ端子340は、データ配線DLの配列方向(X方向)に垂直なY方向に配列される。データ配線DLの配列方向とデータ端子340の配列方向AD2が垂直であるので、ゲート端子330と同様に、データ端子340の配列幅D5がデータ配線DLの配列幅D6よりも広い場合であっても、データ端子340の配列をデータ配線DLの配列幅D6内に収めることができ、データ端子340の間隔P5を、データ配線DLの間隔P6(画素PXの画素ピッチ)に依らず、フレキシブル基板510への接続が容易な間隔に設定できる。これにより、フレキシブル基板510をデータ端子340に接続する工程の歩留まりを向上できる。また、使用可能なフレキシブル基板510の選択肢を増やすことができ、さらに、液晶表示装置10の製造コストを低減できる。
【0036】
データ接続配線345はデータ配線DLとデータ端子340とを接続する。データ接続配線345のそれぞれは、第5部分345aと第6部分345bと第7部分345cとを有する。第5部分345aはデータ端子340から-X方向に延び、第6部分345bは第5部分345aから-Y方向に延びる。第7部分345cは、第6部分345bからデータ配線DLの端部に延びる。データ接続配線345のそれぞれが-X方向に延びた後-Y方向に延びるので、ゲート接続配線335と同様に、第6部分345bの間隔P7をデータ配線DLの間隔P6に比べて極めて狭くでき、X方向に延びる第5部分345aの長さL5を短くできる。
【0037】
本実施形態では、データ端子340の配列幅D5がデータ配線DLの配列幅D6よりも広い場合であっても、データ端子340の配列をデータ配線DLの配列幅D6内に収めることができる。また、データ端子340はフレキシブル基板510に電気的に接続する電極に過ぎないので、データ端子340のフレキシブル基板510への接続方向(X方向)の長さL6を極めて短くできる。さらに、データ配線DLの配列方向に延びるデータ接続配線345の第5部分345aの長さL5も短くできる。これらにより、図5に示すように、データ端子340の配列幅D5がデータ配線DLの配列幅D6よりも広い場合であっても、データ端子340を設けるために必要なデータ配線DLの配列方向の幅D7をデータ配線DLの配列幅D6以下にできる。
【0038】
液晶表示パネル100の液晶LCは、ネマチック液晶である。液晶LCは、対向基板200の配向膜とアクティブマトリクス基板300の配向膜により、ホモジニアス配向されている。液晶LCは、画素電極310と共通電極との電位差から生じる横電界により、アクティブマトリクス基板300の面300aに平行な面内で回転する。これにより、画素PXの透過光量が画素PX毎に制御される。
【0039】
液晶表示装置10のゲート駆動IC400は、駆動回路からの信号に基づいて、液晶表示パネル100のゲート配線GLに走査信号を順次に供給することにより、ゲート配線GLに接続するスイッチング素子320を有する画素PXを順次に駆動する。ゲート駆動IC400は、図6に示すように、フレキシブル基板410を介してゲート端子330に接続される(COF方式)。ゲート駆動IC400を実装されたフレキシブル基板410は、ゲート駆動IC400とゲート端子330とを接続する配線を有し、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)を用いた熱圧着により、複数のゲート端子330に接続される。また、フレキシブル基板410は、駆動回路に接続している。なお、図6では、フレキシブル基板410の配線、ゲート接続配線335等を省略している。
【0040】
液晶表示装置10のデータ駆動IC500は、駆動回路からの信号に基づいて、液晶表示パネル100のデータ配線DLのそれぞれに画像信号(階調電圧)を供給する。データ駆動IC500は、図7に示すように、フレキシブル基板510を介してデータ端子340に接続される。フレキシブル基板510の構成は、フレキシブル基板410の構成と同様である。なお、図7では、フレキシブル基板510の配線、データ接続配線345等を省略している。
【0041】
以上のように、ゲート端子330は、ゲート端子330に接続するゲート配線GLの配列方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)に配列し、データ端子340は、データ端子340に接続するデータ配線DLの配列方向(Y方向)に垂直な方向(X方向)に配列する。これにより、端子の間隔(ゲート端子330の間隔P1、データ端子340の間隔P5)を画素PXの画素ピッチ(ゲート配線GLの間隔P2、データ配線DLの間隔P6)に依らず、フレキシブル基板410、510への接続が容易な間隔に設定できる。さらに、端子の配列幅(ゲート端子330の配列幅D1、データ端子340の配列幅D5)が画素配線の配列幅(ゲート配線GLの配列幅D2、データ配線の配列幅D6)よりも広い場合であっても、端子を設けるために必要な画素配線の配列方向の幅(ゲート配線GLの配列方向の幅D3、データ配線DLの配列方向の幅D7)を、画素配線の配列幅以下にできる。
【0042】
<実施形態2>
実施形態1では、端子(ゲート端子330、データ端子340)は、端子に接続する画素配線(ゲート配線GL、データ配線DL)の配列方向に垂直な方向に配列している。端子の配列方向と画素配線の配列方向は、異なっていればよい。
【0043】
本実施形態では、ゲート配線GLとゲート端子330とを例に、端子の配列方向と画素配線の配列方向とを説明する。本実施形態の液晶表示装置10の構成は、ゲート端子330の構成を除き、実施形態1の液晶表示装置10の構成と同様である。
【0044】
図8に示すように、本実施形態のゲート端子330の配列方向AD1は、ゲート配線GLの配列方向である+Y方向に対して、時計回りに鋭角(角度θ)に回転している。すなわち、ゲート配線GLの配列方向とゲート端子330の配列方向AD1は、異なっている。
【0045】
図8に示すように、ゲート配線GLの配列方向とゲート端子330の配列方向AD1が異なることにより、ゲート端子330の配列幅D1がゲート配線GLの配列幅D2よりも広い場合であっても、ゲート端子330の配列をゲート配線GLの配列幅D2内に収めることができる。さらに、実施形態1と同様に、ゲート端子330のフレキシブル基板410への接続方向の長さL2を極めて短くでき、Y方向に延びるゲート接続配線335の第1部分335aの長さL1を短くできる。これらにより、ゲート端子330の配列幅D1がゲート配線GLの配列幅D2よりも広い場合であっても、ゲート端子330を設けるために必要なゲート配線GLの配列方向の幅D3を、ゲート配線GLの配列幅D2よりも狭くできる。
【0046】
また、実施形態1と同様に、ゲート端子330の間隔P1を、フレキシブル基板410への接続が容易な間隔に設定できる。これにより、フレキシブル基板410をゲート端子330に接続する工程の歩留まりを向上でき、使用可能なフレキシブル基板410の選択肢を増やすことができる。また、液晶表示装置10の製造コストを低減できる。さらに、ゲート接続配線335とデータ接続配線345の長さを短くできる。
【0047】
なお、図9に示すように、ゲート配線GLの配列幅D2の全長に渡ってゲート端子330が配置される構成を仮定すると、ゲート端子330を設けるために必要なゲート配線GLの配列方向の幅D3は、下記の式(1)により表される。したがって、ゲート端子330の配列方向AD1と+Y方向とのなす角θは、下記の式(2)を満たすことが好ましい。
【0048】
【数1】
【数2】
【0049】
<実施形態3>
液晶表示装置10の液晶表示パネル100(アクティブマトリクス基板300)は、湾曲してもよい。また、ゲート端子330とデータ端子340の一方が、接続する画素配線の配列方向に垂直な方向に配列していればよい。本実施形態のゲート駆動IC400とデータ駆動IC500の構成は実施形態1と同様である。ここでは、本実施形態の液晶表示パネル100を説明する。
【0050】
本実施形態の液晶表示パネル100(アクティブマトリクス基板300)は、図10に示すように、X軸に平行な湾曲軸の周りに、-Z側に凸状に湾曲している。対向基板200と、アクティブマトリクス基板300の画素電極310とスイッチング素子320とゲート配線GLとデータ配線DLの構成は、実施形態1と同様である。ここでは、ゲート端子330とゲート接続配線335と、データ端子340とデータ接続配線345とを説明する。
【0051】
本実施形態のゲート端子330は、実施形態1のゲート端子330と同様に、矩形形状を有し、ゲート配線GLの配列方向(Y方向)に垂直なX方向に配列される(図3)。また、本実施形態のゲート接続配線335は、実施形態1のゲート接続配線335と同様に、ゲート配線GLとゲート端子330とを接続する。
【0052】
本実施形態では、ゲート端子330がX方向に配列されているので、図11に示すように、アクティブマトリクス基板300を平面視した場合、ゲート端子330の配列方向AD1とアクティブマトリクス基板300の湾曲軸BDは平行である。これにより、ゲート駆動IC400の実装において、ゲート端子330とフレキシブル基板410に掛かるアクティブマトリクス基板300の湾曲による応力を、緩和できる。
【0053】
本実施形態のデータ端子340は、図12に示すように、矩形形状を有し、データ配線DLの配列方向(X方向)と同じ方向(平行な方向)に配列される。本実施形態では、データ端子340の配列幅D5は、データ配線DLの配列幅D6よりも狭い。本実施形態のデータ接続配線345は、データ端子340とデータ配線DLとを直線状に接続する。
【0054】
データ端子はX方向に配列されているので、アクティブマトリクス基板300を平面視した場合、データ端子340の配列方向AD2とアクティブマトリクス基板300の湾曲軸BDも平行である。したがって、データ駆動IC500の実装においても、データ端子340とフレキシブル基板510に掛かるアクティブマトリクス基板300の湾曲による応力を、緩和できる。
【0055】
本実施形態では、端子の配列方向(ゲート端子330の配列方向AD1、データ端子340の配列方向AD2)とアクティブマトリクス基板300の湾曲軸BDが平行であるので、端子(ゲート端子330、データ端子340)とフレキシブル基板410、510に掛かるアクティブマトリクス基板300の湾曲による応力を、緩和できる。さらに、ゲート端子330の配列方向ADとゲート配線GLの配列方向が垂直であるので、実施形態1と同様に、ゲート端子330の間隔P1を画素PXの画素ピッチに依らず、フレキシブル基板410への接続が容易な間隔に設定できる。さらに、ゲート端子330の配列幅D1がゲート配線GLの配列幅D2よりも広い場合であっても、ゲート端子330を設けるために必要なゲート配線GLの配列方向の幅D3を、ゲート配線GLの配列幅D2以下にできる。
【0056】
<実施形態4>
実施形態1では、フレキシブル基板410は、接続するゲート端子330から+Y側に延び、ゲート端子330に接続するゲート接続配線335に重ならない。また、フレキシブル基板510は、接続するデータ端子340から+X側に延び、データ端子340に接続するデータ接続配線345に重ならない。フレキシブル基板410はゲート接続配線335に重なってもよく、フレキシブル基板510はデータ接続配線345に重なってもよい。ここでは、フレキシブル基板410とゲート端子330とゲート接続配線335を例に、フレキシブル基板410を説明する。
【0057】
ゲート駆動IC400を実装されたフレキシブル基板410は、異方性導電フィルムACFを用いた熱圧着により、ゲート端子330に接続される。本実施形態では、フレキシブル基板410は、図13に示すように、ゲート端子330から-Y側に延びて、ゲート端子330とゲート配線GLとを接続するゲート接続配線335に重なっている。
【0058】
また、フレキシブル基板410は、図13図14に示すように、ゲート接続配線335(アクティブマトリクス基板300)に対向する面410aに、シールド部412を有する。シールド部412は、フレキシブル基板410の配線とゲート接続配線335との間のノイズを遮蔽する。シールド部412は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等から薄膜状に形成される。
【0059】
本実施形態では、フレキシブル基板410がゲート接続配線335に重なる位置に配置されるので、フレキシブル基板410を配置するスペースを少なくできる。また、フレキシブル基板410がゲート接続配線335に対向する面410aにシールド部412を有するので、フレキシブル基板410の配線とゲート接続配線335との間のノイズを遮蔽できる。
【0060】
<実施形態5>
実施形態1~実施形態4では、アクティブマトリクス基板300は液晶表示装置10に用いられる。アクティブマトリクス基板300は他の装置に用いられてもよい。本実施形態では、アクティブマトリクス基板300を備える自発光表示装置20を説明する。
【0061】
自発光表示装置20は、例えば、OLED(Oraganic Light Emitting Diode:有機発光ダイオード)表示装置である。自発光表示装置20は、図15に示すように、OLED表示パネル120と、ゲート駆動IC400と、データ駆動IC500とを備える。また、自発光表示装置20は、図示しない駆動回路を備える。ゲート駆動IC400とデータ駆動IC500の構成は実施形態1と同様であるので、OLED表示パネル120を説明する。
【0062】
OLED表示パネル120は、封止基板220とアクティブマトリクス基板300とを備える。OLED表示パネル120は、文字、画像等を表示可能な表示領域21と、表示領域21を囲む額縁領域22とを有する。表示領域21には、実施形態1の液晶表示パネル100と同様に、複数の画素PXがマトリクス状に配列されている。また、額縁領域22には、ゲート駆動IC400とデータ駆動IC500が実装される。
【0063】
OLED表示パネル120の封止基板220は、ガラスフリットによりアクティブマトリクス基板300に接合される。封止基板220は、アクティブマトリクス基板300の表示領域301を密封する。乾燥空気が、封止基板220とアクティブマトリクス基板300との間に封入される。
【0064】
OLED表示パネル120のアクティブマトリクス基板300は、例えば、ガラス基板である。アクティブマトリクス基板300の表示領域301(面300a)には、図16に示すように、スイッチング素子322、発光素子E1、ゲート配線GL、データ配線DL等が設けられる。
【0065】
本実施形態のゲート配線GLとデータ配線DLの構成は、実施形態1のゲート配線GLとデータ配線DLの構成と同様である。本実施形態では、ゲート配線GLとデータ配線DLは、画素PXを形成する、スイッチング素子322、324と保持容量C1と発光素子E1とを囲んでいる。
【0066】
アクティブマトリクス基板300のスイッチング素子322、324と保持容量C1は、画素回路を形成する。画素回路は発光素子E1の発光を制御する。画素回路は、ゲート配線GLとデータ配線DLを介して、ゲート駆動IC400とデータ駆動IC500に接続している。
【0067】
スイッチング素子322は、画素PXを選択するTFT素子である。スイッチング素子322のゲート電極は、ゲート配線GLに接続される。スイッチング素子322のソース電極は、データ配線DLに接続される。スイッチング素子322のドレイン電極は、スイッチング素子324のゲート電極に接続される。
【0068】
スイッチング素子324は、発光素子E1を駆動するTFT素子である。スイッチング素子324のゲート電極はスイッチング素子322のドレイン電極に接続され、スイッチング素子324のソース電極は電源線Vddに接続する。スイッチング素子324のドレイン電極は、後述する発光素子E1のアノード電極602に接続する。なお、発光素子E1のカソード電極はカソード配線325に接続している。本実施形態では、発光素子E1のアノード電極602が画素電極に相当する。
【0069】
保持容量C1は、発光素子E1のアノード電極602とスイッチング素子324のゲート電極との間に形成される。
【0070】
画素回路は、以下のように、動作する。ゲート駆動IC400がゲート配線GLに走査信号を出力して、スイッチング素子322を開状態にさせる。スイッチング素子322が開状態になると、データ駆動IC500とデータ配線DLを介して供給される階調電圧が保持容量C1に保持される。保持容量C1に保持された電圧により、スイッチング素子324の開閉状態が変化して、発光素子E1の階調に応じた電流が電源線Vddから発光素子E1に供給される。そして、発光素子E1が発光し、文字、画像等が表示領域21に表示される。
【0071】
発光素子E1は、図17に示すように、アノード電極(画素電極)602と自発光部604とカソード電極606から形成される。アノード電極602は、スイッチング素子324のドレイン電極に接続する。アノード電極602は、例えば、ITOとアルミニウム合金又は銀合金とITOとの3層により構成される。自発光部604は、アノード電極602の上に設けられる。自発光部604は、例えば、正孔注入層と正孔輸送層と有機発光層と電子輸送層と電子注入層とから形成される。カソード電極606は、自発光部604の上に設けられ、カソード配線325に接続する。カソード電極606、リチウム(Li)、アルミニウム、マグネシウム(Mg)、イッテルビウム(Yb)、これらの合金等から形成される。
【0072】
アクティブマトリクス基板300のゲート端子330とデータ端子340の構成は、実施形態1と同様である(図3図5)。本実施形態においても、ゲート端子330とデータ端子340とゲート接続配線335とデータ接続配線345が、アクティブマトリクス基板300の額縁領域302(面300a)に設けられる。ゲート配線GLに接続するゲート端子330は、ゲート配線GLの配列方向に垂直な方向に配列される。データ配線DLに接続するデータ端子340は、データ配線DLの配列方向に垂直な方向に配列される。ゲート端子330とゲート配線GLはゲート接続配線335により接続され、データ端子340とデータ配線DLはデータ接続配線345により接続される。
【0073】
以上のように、本実施形態のアクティブマトリクス基板300は、自発光表示装置20に用いられる。
【0074】
<実施形態6>
実施形態1~実施形態4では、アクティブマトリクス基板300は液晶表示装置10に用いられる。アクティブマトリクス基板300は撮像装置30に用いられてもよい。
【0075】
撮像装置30は、例えば、X線画像を撮像する。撮像装置30は、図18に示すように、シンチレータ基板240と、アクティブマトリクス基板300と、ゲート駆動IC400と、データ読み出しIC505とを備える。また、撮像装置30は、駆動回路、画像処理回路等(図示せず)を備える。
【0076】
撮像装置30は、X線画像を撮像可能な撮像領域31と、撮像領域31を囲む額縁領域32とを有する。撮像領域31には、複数の画素PXがマトリクス状に配列されている。額縁領域32には、ゲート駆動IC400とデータ読み出しIC505が実装される。額縁領域32は、実施形態1と同様に、アクティブマトリクス基板300の額縁領域302から形成される。
【0077】
撮像装置30のシンチレータ基板240は、+Z側(撮像対象側)に位置し、アクティブマトリクス基板300に対向している。シンチレータ基板240は、図示しないシール材により、アクティブマトリクス基板300に貼り合わされている。シンチレータ基板240は、アクティブマトリクス基板300に対向する面にシンチレータ層を形成された、ガラス基板または樹脂フィルムである。シンチレータ層は、蛍光体から形成され、X線を可視光に変換する。シンチレータ基板240は、シンチレータとして機能する。
【0078】
撮像装置30のアクティブマトリクス基板300は、-Z側に位置し、シンチレータ基板240に対向している。アクティブマトリクス基板300は、例えば、ガラス基板である。
【0079】
アクティブマトリクス基板300の撮像領域301(面300a)には、図19に示すように、スイッチング素子326と光電変換素子E2とゲート配線GLとデータ配線DLが設けられる。光電変換素子E2は、例えば、フォトダイオードである。
【0080】
ゲート配線GLとデータ配線DLの構成は、実施形態1のゲート配線GLとデータ配線DLの構成と同様である。本実施形態では、ゲート配線GLとデータ配線DLは、画素PXを形成する、スイッチング素子326と光電変換素子E2とを囲んでいる。
【0081】
スイッチング素子326は、例えば、TFT素子である。スイッチング素子326のゲート電極はゲート配線GLに接続する。スイッチング素子326のソース電極は、後述する第1電極612(フォトダイオードのカソード端子)に接続する。スイッチング素子326のドレイン電極はデータ配線DLに接続する。本実施形態では、第1電極612が画素電極に相当する。
【0082】
本実施形態の光電変換素子E2は、PINフォトダイオードである。光電変換素子(PINフォトダイオード)E2は、シンチレータ基板240によってX線から変換された可視光の光量に応じて、信号電荷を蓄積する。
【0083】
光電変換素子E2は、図20に示すように、n型アモルファスシリコン層613と、真性アモルファスシリコン層614と、p型アモルファスシリコン層615とを有する。n型アモルファスシリコン層613は第1電極612の上に形成され、真性アモルファスシリコン層614はn型アモルファスシリコン層613の上に形成されている。p型アモルファスシリコン層615は、真性アモルファスシリコン層614の上に形成されている。また、第2電極(アノード端子)616がp型アモルファスシリコン層615の上に形成されている。第2電極616は、バイアス電圧を供給するバイアス配線BLに接続している。なお、第1電極612はクロム(Cr)モリブデン、アルミニウム等から形成され、第2電極616はITOから形成される。
【0084】
アクティブマトリクス基板300の額縁領域302(面300a)には、実施形態1と同様に、ゲート端子330とデータ端子340とゲート接続配線335とデータ接続配線345が設けられる。ゲート端子330とデータ端子340の構成は、実施形態1と同様である(図3図5)。本実施形態においても、ゲート端子330は、ゲート配線GLの配列方向に垂直な方向に配列される。データ端子340は、データ配線DLの配列方向に垂直な方向に配列される。ゲート端子330とゲート配線GLはゲート接続配線335により接続され、データ端子340とデータ配線DLはデータ接続配線345により接続される。
【0085】
撮像装置30のゲート駆動IC400は、駆動回路からの信号に基づいて、ゲート配線GLに走査信号を順次に供給することにより、ゲート配線GLに接続されているスイッチング素子326を順次に開状態とする。ゲート駆動IC400は、実施形態1のゲート駆動IC400と同様に、フレキシブル基板410を介してゲート端子330に接続される。
【0086】
撮像装置30のデータ読み出しIC505は、データ配線DLを介して、光電変換素子E2に蓄積された信号電荷を読み出し、読み出した信号電荷に応じた電圧値を画像処理回路に出力する。データ読み出しIC505は、実施形態1のデータ駆動IC500と同様に、フレキシブル基板510を介してデータ端子340に接続される。
【0087】
ここで、信号電荷の読み出しについて説明する。光電変換素子E2のアノード端子はバイアス配線BLに接続されており、バイアス電位が光電変換素子E2のアノード端子に印加されている。一方、データ配線DLには、リファレンス電位が印加される。したがって、スイッチング素子326が開状態になると、バイアス電位とリファレンス電位との差分電圧が光電変換素子E2に充電される。本実施形態では、差分電圧は、アノード電位に対しカソード電位の方が高い、逆バイアス電圧に設定されている。光電変換素子E2を逆バイアス電圧まで再充電するために必要な電荷は、光電変換素子E2に照射された可視光の光量に依存する。データ読み出しIC505は、光電変換素子E2が逆バイアスまで再充電される際に流れる電流を積分することにより、信号電荷を読み出す。
【0088】
撮像装置30は、X線の照射量(X線から変換された可視光の光量)に応じて光電変換素子E2に蓄積された信号電荷を、スイッチング素子326を開状態にすることにより、読み出す。撮像装置30は、画素PXのそれぞれから、光電変換素子E2に蓄積された信号電荷を読み出すことにより、X線画像を撮像する。
【0089】
以上のように、本実施形態のアクティブマトリクス基板300は、撮像装置30に用いられる。
【0090】
<変形例>
以上、実施形態を説明したが、本開示は、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0091】
端子(ゲート端子330、データ端子340)に接続される対象は、フレキシブル基板410、510に限られない。例えば、ゲート駆動IC400が、ゲート端子330に、直接、接続してもよい。
【0092】
実施形態1では、画素電極310とスイッチング素子320と共通電極が、アクティブマトリクス基板300に設けられている。共通電極はアクティブマトリクス基板300に設けられなくともよい。例えば、液晶表示パネル100がTN(Twisted Nematic)モードで動作する場合、共通電極は対向基板200に設けられる。
【0093】
実施形態2のアクティブマトリクス基板300では、端子の配列方向と画素配線の配列方向が、異なる。実施形態5と実施形態6のアクティブマトリクス基板300においても、端子の配列方向と画素配線の配列方向が、異なっていればよい。
【0094】
実施形態3では、端子の配列方向とアクティブマトリクス基板300の湾曲軸BDが平行である。端子の配列方向とアクティブマトリクス基板300の湾曲軸BDは、平面視した場合に、垂直でなければよい。これにより、端子とフレキシブル基板410、510に掛かるアクティブマトリクス基板300の湾曲による応力を、緩和できる。
【0095】
実施形態5の自発光表示装置20はOLED表示装置であるが、自発光表示装置20はOLED表示装置に限られない。自発光表示装置20は、例えば、マイクロLED(Light emitting diode)表示装置であってもよい。自発光表示装置20がマイクロLED表示装置である場合、LEDチップが、自発光部604として、アクティブマトリクス基板300の画素電極602の上に設けられる。
【0096】
実施形態5の撮像装置30はX線画像を撮像するが、撮像装置30に撮像される画像はX線画像に限れない。例えば、撮像装置30は可視光画像を撮像してもよい。
【0097】
実施形態1~実施形態6では、1つのゲート駆動IC400が1つのフレキシブル基板410に実装されて、ゲート端子330に接続している。図21に示すように、複数のゲート駆動IC400が、1つのフレキシブル基板415に実装されて、ゲート端子330に接続されてもよい。これにより、ゲート駆動IC400をアクティブマトリクス基板300に実装する工程の回数を減らすことができ、製造の歩留まりを向上させることができる。さらに、駆動回路がフレキシブル基板415に設けられていてもよい。なお、図21では、理解を容易にするために、ゲート端子330とゲート接続配線335を省略している。また、データ駆動IC500とデータ読みだしIC505についても、複数のデータ駆動IC500又はデータ読みだしIC505が、1つのフレキシブル基板に実装されていてもよい。
【0098】
本開示では、接続配線(ゲート接続配線335又はデータ接続配線345)のそれぞれの抵抗値が等しいこと、が好ましい。例えば、図22に示すように、ゲート接続配線335を折り曲げて、ゲート接続配線335のそれぞれの長さL3を等しくすることにより、ゲート接続配線335のそれぞれの抵抗値を等しくできる。また、図23に示すように、ゲート接続配線335の幅D8を調整することにより、ゲート接続配線335のそれぞれの抵抗値を等しくできる。本開示では、画素配線の配列方向と端子の配列方向が異なるので、接続配線のそれぞれの長さ又は幅を調整できるスペースを容易に確保できる。
【0099】
以上、好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
【符号の説明】
【0100】
10 液晶表示装置、11 表示領域、12 額縁領域、20 自発光表示装置、21 表示領域、22 額縁領域、30 撮像装置、31 撮像領域、32 額縁領域、100 液晶表示パネル、120 OLED表示パネル、200 対向基板、220 封止基板、240 シンチレータ基板、300 アクティブマトリクス基板、300a 面、301 表示領域,撮像領域、302 額縁領域、310 画素電極、320、322、324、326 スイッチング素子、325 カソード配線、330 ゲート端子、335 ゲート接続配線、335a 第1部分、335b 第2部分、335c 第3部分、340 データ端子、345 データ接続配線、345a 第5部分、345b 第6部分、345c 第7部分、400 ゲート駆動IC、410,415 フレキシブル基板、410a 面、412 シールド部、500 データ駆動IC、505 データ読み出しIC、510 フレキシブル基板、602 アノード電極(画素電極)、604 自発光部、606 カソード電極、612 第1電極(画素電極)、613 n型アモルファスシリコン層、614 真性アモルファスシリコン層、615 p型アモルファスシリコン層、616 第2電極、AD1,AD2 配列方向、ACF 異方性導電フィルム、BD 湾曲軸、BL バイアス配線、C1 保持容量、DL データ配線、E1 発光素子、E2 光電変換素子、GL ゲート配線、LC 液晶、P1~P3,P5~P7 間隔、PX 画素、Vdd 電源線、D1~D3,D5~D7 配列幅、D8 幅、L1,L2,L3,L5,L6 長さ、θ 角度
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