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  • 特開-倉庫の結露防止構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043744
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】倉庫の結露防止構造
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240326BHJP
   E04H 1/06 20060101ALI20240326BHJP
   B65G 69/28 20060101ALN20240326BHJP
【FI】
B65G1/00 521B
E04H1/06
B65G69/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148904
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本間 瑞基
【テーマコード(参考)】
3F022
3F078
【Fターム(参考)】
3F022BB01
3F022BB06
3F078CA04
3F078DA05
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で屋内空間の湿気を減少させることのできる倉庫の結露防止構造を提供する。
【解決手段】本発明の倉庫の結露防止構造(1)は、車両の出入り口となる開口部(11)を有し、内部の物品保管エリアに物品を保管する。開口部と物品保管エリアとの間に、車両の駐車スペースとなるトラックバース(12)と、トラックバースに隣接し荷物の積み降ろしを行うプラットフォーム(13)とが設けられ、開口部の上方領域から倉庫内に侵入する外気の流れをトラックバースの床面(12a)またはプラットフォームの立壁面(13a)に向かわせる送風機(14)が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の出入り口となる開口部を有し、内部の物品保管エリアに物品を保管する倉庫の結露防止構造であって、
前記開口部と前記物品保管エリアとの間に、車両の駐車スペースとなるトラックバースと、前記トラックバースに隣接し荷物の積み降ろしを行うプラットフォームとが設けられ、
前記開口部の上方領域から前記倉庫内に侵入する外気の流れを前記トラックバースの床面または前記プラットフォームの立壁面に向かわせる送風機が設けられている、倉庫の結露防止構造。
【請求項2】
前記送風機は、前記開口部と前記プラットフォームの立壁面との間の領域で、かつ前記開口部の上端高さと同じか、それよりも上方に位置する領域に配置されている、請求項1に記載の倉庫の結露防止構造。
【請求項3】
前記開口部近傍に外気取入れ口を有し、前記プラットフォーム近傍に外気排出口を有するダクトが設けられており、
前記送風機は、前記ダクトの外気排出口から排出される空気を前記トラックバースの床面または前記プラットフォームの立壁面に向かわせる、請求項2に記載の倉庫の結露防止構造。
【請求項4】
前記開口部と前記プラットフォームの立壁面との間の領域で、倉庫の天井に設けられた垂れ壁をさらに備え、
前記送風機は、前記垂れ壁と前記開口部との間に配置されている、請求項2に記載の倉庫の結露防止構造。
【請求項5】
車両の出入り口となる開口部を有し、内部の物品保管エリアに物品を保管する倉庫の結露防止構造であって、
前記開口部と前記物品保管エリアとの間に、車両の駐車スペースとなるトラックバースが設けられ、
前記トラックバースの上方に位置する天井に垂れ壁が設けられ、
前記開口部の上方領域から前記倉庫内に侵入し、前記開口部と前記垂れ壁との間の上方空間に溜まった高湿外気を除湿し、除湿後の空気を前記物品保管エリアに送り出す除湿機が設けられている、倉庫の結露防止構造。
【請求項6】
前記除湿機は、除湿後の空気を前記垂れ壁を貫通して前記物品保管エリアに送り出すためのダクトを備える、請求項5に記載の倉庫の結露防止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫に関し、特に、物品を保管する倉庫の結露防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2019-19615号公報(特許文献1)には、物流倉庫に往来する車両の駐車スペースとなるトラックバースと、車両からの荷物積み降ろしを容易にするプラットフォームとを備える倉庫が開示されている。このような形態の物流倉庫は一般的に冷暖房設備や除湿機などを備えておらず、物品が常温で保管される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-19615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の倉庫では、倉庫の出入口から頻繁に車両が出入りするため、出入口は常に開いている。出入口が開いていると外気が倉庫内へ流入するが、この際に湿気を含む外気が倉庫内部へ流入すると、倉庫内部あるいは保管物品に結露が生じてしまうおそれがある。
【0005】
そこで、倉庫の入り口近傍にエアカーテンを設けることも考えられるが、エアカーテンは外気を含む空気を出入口上方から床面に向けて吹き付けるものであるため、床面に衝突した外気の一部が屋内に流入し、結果的に屋内の湿度が上昇してしまう。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡易な構造で、屋内空間の湿気を減少させることのできる倉庫の結露防止構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある局面に従う倉庫の結露防止構造は、車両の出入口となる開口部を有し、内部の物品保管エリアに物品を保管する。開口部と物品保管エリアとの間に、車両の駐車スペースとなるトラックバースと、トラックバースに隣接し荷物の積み降ろしを行うプラットフォームとが設けられ、開口部の上方領域から倉庫内に侵入する外気の流れをトラックバースの床面またはプラットフォームの立壁面に向かわせる送風機が設けられている。
【0008】
好ましくは、送風機は、開口部とプラットフォームの立壁面との間の領域で、かつ開口部の上端高さと同じか、それよりも上方に位置する領域に配置されている。
【0009】
開口部近傍に外気取入れ口を有し、プラットフォーム近傍に外気排出口を有するダクトが設けられている場合、送風機は、ダクトの外気排出口から排出される空気をトラックバースの床面またはプラットフォームの立壁面に向かわせる形態であることが望ましい。
【0010】
開口部とプラットフォームの立壁面との間の領域で、倉庫の天井に設けられた垂れ壁をさらに備える場合、送風機は、垂れ壁と開口部との間に配置されていることが望ましい。
【0011】
本発明の他の局面に従う倉庫の結露防止構造は、車両の出入り口となる開口部を有し、内部の物品保管エリアに物品を保管する。開口部と物品保管エリアとの間に、車両の駐車スペースとなるトラックバースが設けられ、トラックバースの上方に位置する天井に垂れ壁が設けられ、開口部の上方領域から倉庫内に侵入し、開口部と垂れ壁との間の上方空間に溜まった高湿外気を除湿し、除湿後の空気を物品保管エリアに送り出す除湿機が設けられている。
【0012】
この場合、除湿機は、除湿後の空気を垂れ壁を貫通して物品保管エリアに送り出すためのダクトを備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構造で倉庫の屋内空間の湿気を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一般的な常温倉庫における換気構造を示す模式図である。
図2】本実施の形態に係る倉庫の結露防止構造を示す模式図であり、(a)は実施の形態1を示し、(b)は実施の形態2を示し、(c)は実施の形態3を示す。
図3】本実施の形態4に係る倉庫の結露防止構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施の形態に係る倉庫の結露防止構造について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0016】
(一般的な倉庫の換気構造について)
図1を参照して、一般的な常温倉庫110の換気構造100について説明する。以下の説明において、倉庫110の開口部111を基準にして、開口部111よりも紙面左側を屋外方向、開口部111よりも紙面右側を屋内方向といい、矢印A1で示す。また、矢印A2で示す方向を倉庫110の高さ方向という。なお、図1は倉庫内において荷物が積み降ろされるエリアを図示するものであり、物品保管エリアの図示は省略している。
【0017】
倉庫110は、外壁114、天井117、および床116によって囲まれた屋内空間を有している。外壁114の少なくとも一面には、車両の出入り口となる開口部111が設けられる。屋内空間は、車両から積み降ろされた多数の保管物が常温で収容される物品保管エリアを含む。開口部111と物品保管エリアとの間には、車両の駐車スペースとなるトラックバース112と、トラックバース112に隣接し荷物の積み降ろしを行うプラットフォーム113とが設けられる。
【0018】
ここで、熱容量の大きい常温倉庫110の屋内空間は、(特に、外壁114から遠い中央部分において)外気温の影響を受けにくいため、屋内空間の温度は屋外の温度変化よりも遅れて変化する。そのため、春先や梅雨などの時期は、屋内空間の温度が外気温よりも低くなる。この状態で、冷えた屋内空間の湿度が上昇すると、結露やカビが発生するおそれがある。
【0019】
このような温度差のある常温倉庫110では、図1に矢印で示すように、相対的に高温の屋外空気(外気)が開口部111の上方領域111aから倉庫内部へ流入し、相対的に低温の屋内空気が開口部111の下方領域111bから倉庫外へ流出する「温度差換気」が生じている。ここで、外気が屋内空気よりも湿度を含んでいると、屋内空間の湿度が上昇してしまう。
【0020】
本発明は、上記のような倉庫内の換気構造に着目したものであり、具体的には、結露発生環境、すなわち外気が高温高湿かつ屋内が低温な環境において、温度差換気によって開口部の上方領域から流入してくる外気への対策に特徴を有している。
【0021】
(実施の形態1について)
図2(a)を参照して、本実施の形態1に係る倉庫10の結露防止構造1について説明する。倉庫10は、車両の出入り口となる開口部11と、車両の駐車スペースとなるトラックバース12と、トラックバース12に隣接し荷物の積み降ろしを行うプラットフォーム13と、送風機14とを備える。
【0022】
開口部11は、少なくとも車両の高さ寸法(車高)よりも大きければよく、たとえば1700mm以上であればよい。開口部11は、衛生面および防犯の観点から、開閉可能なシャッターを有していてもよい。
【0023】
トラックバース12は、倉庫10を出入りするトラックなどの車両を駐車し、荷物の積み降ろし作業を行うためのスペースである。トラックバース12よりも屋内側には、荷物を保管するための物品保管エリアが設けられている。
【0024】
プラットフォーム13は、車両の荷物の積み降ろし作業を容易にするためのものであり、プラットフォームの立壁面13a高さは、トラックバースの床面12aから700mm~1200mm程度高くなるよう設けられる。本実施の形態の倉庫10は、プラットフォーム13を備えることを前提とした高床式倉庫である。高床式倉庫は、物品保管エリアへの埃または雨水などの侵入を防止できるため、特に衛生商品に対し好適に用いることができる。
【0025】
送風機14は、開口部11の上方領域11aから倉庫10内に侵入する外気の流れをトラックバースの床面12aまたはプラットフォームの立壁面13aに向かうように設けられる。本実施の形態の送風機14は、たとえばエアサーキュレータなどであり、倉庫10の天井17や外壁に固定されていてもよいし、トラックバースの床面12aに設置されることとしてもよい。
【0026】
本実施の形態の送風機14は、開口部11とプラットフォームの立壁面13aとの間の領域X(以下、「トラックバースの奥行き寸法X」ともいう)で、かつ開口部11の上端高さと同じか、それよりも上方に位置する領域Yに配置されている。なお、「開口部11の上端高さと同じ」とは、送風機14の上端位置が開口部11の上端高さと同じであることを意味する。また、送風機14の屋内側端部は、プラットフォームの立壁面13aよりも屋外側に位置する。
【0027】
送風機14は、作業者によって送風方向を適宜変更可能に設けられる。送風機14は、倉庫10内に流入した外気をプラットフォームの立壁面13aよりも屋外側、すなわち床面12a上の段差よりも屋外側に向けて送風する。これにより、外気の物品保管エリアへの流入を効率よく防ぐことができ、物品保管エリアの湿度上昇を防ぐことができる。
【0028】
次に、本実施の形態における倉庫10内で生じる気流について説明する。結露発生し易い環境、すなわち外気よりも屋内空気の方が低温である場合、温度差換気により、低温の屋内空気は倉庫10の下方領域11bから屋外へ流出し、高温の外気は倉庫10の上方領域11aから屋内へ流入する。本実施の形態の送風機14は、流入してきた外気を引き寄せて、プラットフォームの立壁面13aよりも屋外側に向けて送風する。倉庫10の下方領域に送り込まれた外気は、屋内空気が屋外に向かう気流に乗り、屋外へ排出される。このように、流入した外気はトラックバース空間内で循環するようにして屋外へ排出され、屋内に高湿な空気が流入してしまうことを防止できる。
【0029】
(実施の形態2について)
図2(b)を参照して、本実施の形態2に係る倉庫の結露防止構造1Aについて説明する。実施の形態2の結露防止構造1Aは、基本的には実施の形態1の結露防止構造1と同様の構成を備えているが、図2(b)に示すように、主に送風機14Aおよびダクト15について異なる。
【0030】
本実施の形態の結露防止構造1Aは、開口部11近傍に外気取入れ口151を有し、プラットフォーム13近傍に外気排出口152を有するダクト15が設けられている。ここで言う「近傍」は、たとえば、トラックバースの奥行き寸法Xのうち、開口部11側から屋内側に向けて2割程度の領域、およびプラットフォームの立壁面13aから屋外側に向けて2割程度の領域をいう。
【0031】
送風機14Aは、たとえばシロッコファン、プロペラファン、エアサーキュレータなどである。送風機14Aは、ダクト15の外気排出口152から排出される空気をトラックバースの床面12aに向かわせる。
【0032】
本実施の形態の結露防止構造1Aは、開口部11とプラットフォームの立壁面13aとの間の領域Xが長い程、特に効果的に作用する。結露防止構造1Aは、開口部11から流入する外気を効率よく集めて、プラットフォーム13近傍の床面12aに吹き付ける。これにより、床面12aに吹き付けられた外気はプラットフォームの立壁面13aのため屋内側に流入することはできず、尚且つ屋内から流出してくる気流に乗ることで、屋外に排出される。
【0033】
(実施の形態3について)
図2(c)を参照して、本実施の形態3に係る倉庫の結露防止構造1Bについて説明する。実施の形態3の結露防止構造1Bは、基本的には実施の形態1の結露防止構造1と同様の構成を備えているが、図2(c)に示すように、主に送風機14Bおよび垂れ壁16について異なる。
【0034】
本実施の形態の結露防止構造1Bは、開口部11とプラットフォームの立壁面13aとの間の領域Xで、倉庫10の天井17に設けられた垂れ壁16をさらに備える。領域X内であれば垂れ壁16が設けられる位置は特に限定されないが、プラットフォーム13近傍に設けられることが望ましい。ここで言う「近傍」は、トラックバースの奥行き寸法Xのうち、プラットフォームの立壁面13aから屋外側に向けて、たとえば2割程度の領域である。これにより、倉庫10の外壁と垂れ壁16との間の上方空間Yには、高温高湿な外気溜まりが形成されることになる。
【0035】
送風機14Bは、たとえばシロッコファン、プロペラファン、エアサーキュレータなどであり、垂れ壁16と開口部11との間の領域Xに配置されている。送風機14Bは、垂れ壁16と隣接して設けられることが望ましく、外気溜まりをトラックバースの床面12aに向かわせる。送風機14Bは、倉庫10の天井17または床に設置できる他、垂れ壁16に設けることができる。なお、ここで言う「隣接」は、垂れ壁16と当接または設置の際の固定金具の分だけ離隔した状態をいう。
【0036】
本実施の形態の結露防止構造1Bは、開口部11から流入する外気を上方空間Yに効率よく集めて、外気溜まりを形成する。上方空間Yに溜まった外気をトラックバースの床面12aに向けて吹き付けることで、床面12aに吹き付けられた外気はプラットフォームの立壁面13aのため屋内側に流入することはできず、尚且つ屋内から流出してくる気流に乗ることで、屋外に排出される。
【0037】
(実施の形態4について)
図3を参照して、本実施の形態4に係る倉庫の結露防止構造1Cについて説明する。実施の形態4の結露防止構造1Cは、基本的には実施の形態3の結露防止構造1Bと同様の構成を備えているが、図3に示すように、主に送風機14Bの代わりに除湿機14Cを備える点、および垂れ壁16Cを貫通するダクト15Cを備える点について異なる。
【0038】
本実施の形態4の結露防止構造1Cは、トラックバース12の上方に位置する天井17に設けられた垂れ壁16Cと、開口部11の上方領域11aから倉庫10内に侵入し、開口部11と垂れ壁16Cとの間の上方空間Yに溜まった高湿外気を除湿し、除湿後の空気を物品保管エリアに送り出す除湿機14Cと、除湿後の空気を垂れ壁16Cを貫通して物品保管エリアに送り出すためのダクト15Cとを備える。
【0039】
垂れ壁16Cは、トラックバース12の上方に位置する天井17の任意の位置に設けられ、上方空間Yに流入した高温高湿な外気溜まりを形成する。垂れ壁16Cは、ダクト15Cを挿通する貫通孔を有していてもよい。これにより、垂れ壁16Cは、上方空間Yの外気溜まりがダクトから吹出される除湿空気に引き寄せられて屋内側へ流入してしまうことを防止できる。
【0040】
除湿機14Cは、コンプレッサ式、デシカント式、あるいはハイブリット式の中から用途に応じたものを採用することができる。また、除湿機14Cは、垂れ壁16Cまたは天井17に設けられ、かつ垂れ壁16Cと隣接して設けられることが好ましい。除湿機14Cは、上方空間Yに流入した外気溜まりに含まれる水分を除湿して、除湿空気をダクト15Cを介して物品保管エリアに送り込むことができる。
【0041】
ダクト15Cは、除湿機14Cと接続する除湿空気取入れ口151Cと、物品保管エリアに向けられる除湿空気排出口152Cとを含む。除湿空気排出口152Cは、温度差換気の観点から、物品保管エリアの上方空間に設けられることが好ましい。これにより、物品保管エリアの上方に「高温低湿空気」が流入し、下方から「低温低湿空気」が流出することで、倉庫内の換気を効率よく行うことができる。
【0042】
本実施の形態の結露防止構造1Cは、他の実施形態と同様に、温度差換気を利用したものである。結露防止構造1Cは、開口部11から流入する外気を上方空間Yに集めて外気溜まりを形成し、形成された外気溜まりを除湿機14Cで除湿して、物品保管エリアに送り込む。また、物品保管エリアの低温な空気は、温度差換気のため屋外へ流出する。このように、結露防止構造1Cは、低湿な屋内環境を維持しつつ、倉庫10C内外の温度差も緩和することができるため、より結露の発生しにくい屋内環境を形成することができる。
【0043】
なお、本実施の形態の倉庫の結露防止構造1Cが採用される倉庫10Cは、プラットフォームの段差を気流の制御に利用するものでないため、プラットフォームを備えることは必須でない。
【0044】
本発明における倉庫は、常温倉庫であるとして説明したが、特に、実施の形態1~3の結露防止構造については、冷蔵倉庫であってもよい。この場合であっても温度差換気を利用することで、外気の倉庫内への流入を防止している。また、外気によって倉庫内温度が上昇することを防ぐことができ、省エネ化を見込むことができる。
【0045】
なお、本発明において、実施の形態1~3では送風機を利用し、実施の形態4では除湿機を利用することとしたが、実施の形態1~3において、送風機の代わりに除湿機を用いることとしてもよい。これにより、より効果的に倉庫内における結露発生を防ぐことができる。
【0046】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 倉庫の結露防止構造、10 倉庫、11 開口部、12 トラックバース、12a トラックバースの床面、13 プラットフォーム、13a プラットフォームの立壁面、14 送風機、15 ダクト、16 垂れ壁。
図1
図2
図3