(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043750
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】乗物用照明装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/54 20170101AFI20240326BHJP
B60Q 3/76 20170101ALI20240326BHJP
【FI】
B60Q3/54
B60Q3/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148913
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関谷 匡徳
(72)【発明者】
【氏名】田原 宏泰
(72)【発明者】
【氏名】森島 愛
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040CA01
3K040CA05
3K040FB05
3K040GA04
3K040GB01
3K040GC01
3K040GC04
3K040GC14
(57)【要約】
【課題】意匠性を向上しつつ光源の発熱に耐え得ることができる乗物用照明装置を提供する。
【解決手段】一部が車室内側に露出した意匠面13Aを構成するハウジング10と、ハウジング10に取り付けられるブラケット30と、ブラケット30を介してハウジング10に取り付けられ、光を出射する光源50と、を備え、ブラケット30を構成する材料は、ハウジング10を構成する材料よりも融点が高い、照明装置100。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部が乗物室内側に露出した意匠面を構成するハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられるブラケットと、
前記ブラケットを介して前記ハウジングに取り付けられ、光を出射する光源と、を備え、
前記ブラケットを構成する材料は、前記ハウジングを構成する材料よりも融点が高い、乗物用照明装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、
前記ブラケットが取り付けられる第1開口部と、
前記第1開口部の側方に設けられ、前記第1開口部に繋がった第2開口部と、を備える、請求項1に記載の乗物用照明装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記ブラケットが取り付けられる第1開口部を備え、
前記ブラケットは、
前記光源が取り付けられ、前記第1開口部よりも小さい本体部と、
前記本体部から前記第1開口部の縁側の方向に突出して前記縁側に当接した複数の当接部を備える、請求項1または請求項2に記載の乗物用照明装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、
前記ブラケットが取り付けられた内側ハウジングと、
前記内側ハウジングの乗物室外側に配された外側ハウジングと、を備え、
前記ブラケットは、
前記光源が取り付けられる本体部と、
前記本体部から前記外側ハウジングに向かって立設したリブと、を備える、請求項1または請求項2に記載の乗物用照明装置。
【請求項5】
前記光源は、電球である、請求項1または請求項2に記載の乗物用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗物用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗物用照明装置として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の乗物用照明装置(車両用室内灯)は、合成樹脂等によって形成された筐体と、筐体に装着された光源(バルブ)と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の構成では、光源が取り付けられた筐体の材料を、光源の発熱に耐え得るものにする必要がある。しかしながら、そのような耐熱性を有する材料を筐体全体に採用する場合、コストがかかる上、筐体の材料として選択可能な種類が限定される。また、筐体の一部が意匠面(乗物室内側を向く面)を構成している場合、意匠性向上のために、粗さやグロス値等が所望の値となるような意匠面を上手く形成できる材料を、筐体の材料として選択できることが望ましい。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成された技術であって、意匠性を向上しつつ光源の発熱に耐え得ることができる乗物用照明装置を提供することを目的の一つとする。また、コストを抑えることが可能な乗物用照明装置を提供することを目的の一つとする。また、材料の選択の幅を広げることができる乗物用照明装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、一部が乗物室内側に露出した意匠面を構成するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられるブラケットと、前記ブラケットを介して前記ハウジングに取り付けられ、光を出射する光源と、を備え、前記ブラケットを構成する材料は、前記ハウジングを構成する材料よりも融点が高い、乗物用照明装置である。
【0007】
このような乗物用照明装置によると、光源の発熱に耐え得る融点の材料をブラケットに採用し、ブラケットの材料よりも融点が低い材料をハウジングに採用することができる。意匠面を構成する部分(以下、意匠部と呼ぶことがある)を有するハウジングの材料を、光源の発熱温度に係わらず、種々選択することができるので、例えば、比較的安価な材料や成形性を向上可能な材料をハウジングの材料として採用することができる。これにより、コストを抑えることや、意匠性を向上できる乗物用照明装置の提供が可能となる。
【0008】
上記構成において、前記ハウジングは、前記ブラケットが取り付けられる第1開口部と、前記第1開口部の側方に設けられ、前記第1開口部に繋がった第2開口部と、を備えていてもよい。
【0009】
このような乗物用照明装置によると、ブラケットが取り付けられる第1開口部の側方には、第1開口部に繋がった第2開口部が設けられているため、ブラケットに取り付けられたバルブから生ずる熱を、その近傍(側方)に位置する第2開口部から排熱させることができる。
【0010】
上記構成において、前記ハウジングは、前記ブラケットが取り付けられる第1開口部を備え、前記ブラケットは、前記光源が取り付けられ、前記第1開口部よりも小さい本体部と、前記本体部から前記第1開口部の縁側の方向に突出して前記縁側に当接した複数の当接部を備えていてもよい。
【0011】
このような乗物用照明装置によると、本体部において当接部が設けられた部分以外の部分と、第1開口部の縁との間に隙間が生じた構造とすることができる。これにより、光源から生ずる熱をその隙間から排熱させることが可能となる。
【0012】
上記構成において、前記ハウジングは、前記ブラケットが取り付けられた内側ハウジングと、前記内側ハウジングの乗物室外側に配された外側ハウジングと、を備え、前記ブラケットは、前記光源が取り付けられる本体部と、前記本体部から前記外側ハウジングに向かって立設したリブと、を備えていてもよい。
【0013】
このような乗物用照明装置によると、メンテナンス等により光源のみを内側ハウジングから外側ハウジング外へ取り外す場合に、ブラケットが光源と共に内側ハウジングから外れてしまうことを、リブが外側ハウジングに当接することで防ぐことができる。
【0014】
前記光源は、電球であってもよい。
【0015】
このような乗物用照明装置によると、比較的発熱量が多い電球においても、耐熱等の効果を好適に発揮させることが可能な構造とすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、意匠性を向上しつつ光源の発熱に耐え得ることができる乗物用照明装置の提供が可能となる。また、コストを抑えることができる乗物用照明装置の提供が可能となる。また、材料の選択の幅を広げることができる乗物用照明装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態1に係る照明装置とその周辺の断面を示す説明図
【
図8】実施形態2に係る照明装置の光源周辺を上方から視た図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
本開示の実施形態1を
図1から
図7によって説明する。本実施形態では、乗物としての自動車(車両)に搭載される照明装置(乗物用照明装置)100を説明する。尚、矢印方向Fを前方、矢印方向Bを後方、矢印方向Uを上方、矢印方向Dを下方、矢印方向INを車室内側(乗物室内側)、矢印方向OUTを車室外側(乗物室外側)として各図を説明する。
【0019】
図1に示すように、車両の天井部分は、その外壁を構成する板金であるルーフパネル1と、ルーフパネル1の車室内側(下方)に配され、その内壁を構成する樹脂材料等からなるルーフトリム(乗物用内装材)2と、により構成されている。ルーフトリム2は、ルーフパネル1に対し車室内側から取り付けられている。この天井部分1,2には、車室を照らす照明装置100が取り付けられている。照明装置100は、例えば、運転席や助手席を主に照らすマップランプとされる。
【0020】
照明装置100は、一部が車室内側に露出した意匠面13Aを構成するハウジング10と、光が透過する透過部材20と、ハウジング10に取り付けられるブラケット30と、ブラケット30を介してハウジング10に取り付けられ、光を出射する光源50と、を備える。光源50は、電球(バルブとも呼ばれる)であり、例えばLEDよりも発熱温度が比較的高いものとされる。光源50は、ハウジング10の左右両側に1つずつ、合計2つが取り付けられている。光源50から下方に出射した光は、透過部材20を透過して照明装置100の外部(下方)に広がるように出光する。
【0021】
ハウジング10は、ブラケット30を介して光源50を所定位置に固定するための部材、光源50を収容する部材、又は照明装置100の外形の大部分を構成する部材、等として機能する。ハウジング10は、ブラケット30が取り付けられた内側ハウジング12と、内側ハウジング12の乗物室外側(上方)に配された外側ハウジング11と、を備える。外側ハウジング11は、複数のクリップ(取付部材)60によってルーフパネル1に対して車室内側から取り付けられている。内側ハウジング12は、車室内側面13Aが意匠面を構成する意匠部13と、意匠部13から車室外側に窪んだ窪み部14と、を備える。意匠部13の外周端部13Bは、ルーフトリム2に当接している。意匠部13の内周端部13Cには、透過部材20が嵌め込まれている。
【0022】
図2及び
図3に示すように、窪み部14は、意匠部13から上方に立ち上がり、当該窪み部14の側壁を構成する側壁部14Aと、側壁部14Aの上端部から車幅方向及び前後方向がなす平面に延び、当該窪み部14の上壁を構成する上壁部14Bと、を備える。また、窪み部14は、上壁部14Bに設けられ、上下方向に貫通した四角状の開口であり、ブラケット30が取り付けられる第1開口部15と、側壁部14Aにおいて第1開口部15に対し側方となる位置に設けられ、車室内外方向に貫通した四角状の開口であり、その開口の上部が第1開口部15の車室外側部分に繋がった第2開口部16と、を備える。第1開口部15において第2開口部16との境部分であってその前後両側部分には、上壁部14Bから上方に突出し、互いに近接する方向に延びた2つの突起部15A,15Bが設けられている。2つの突起部15A,15B間の距離は、第1開口部15の開口幅(開口の前後方向における距離)や第2開口部16の開口幅よりも小さい。尚、
図2及び
図3では、照明装置100の左側部分に設けられた開口部15,16を示している。照明装置100において図示しない右側部分にも、開口部15,16(及びブラケット30、光源50)と同様の構造物が左右対称となる形状で設けられていることとする。
【0023】
図3及び
図4に示すように、ブラケット30は、略四角板状をなし、第1開口部15の開口よりも車室内外方向及び前後方向における長さが小さい(上方視した場合に一回り小さい)本体部31と、本体部31から車室外側(第2開口部16の方向)へ突出した凸部32と、を備える。本体部31と第1開口部15の縁側15C(
図2及び
図3参照)との間には、わずかな隙間が設けられている。本体部31は、光源50が取り付けられる開口であって上下方向に貫通形成された第3開口部40を備える。光源50は、第3開口部40に対し上方から差し込まれたのちに、螺合されることで第3開口部40に取り付けられる。
【0024】
本体部31は、その側面31Bから第1開口部15の縁側15Cの方向に突出して縁側15Cに当接した複数の当接部33と、縁側15Cに嵌合する2つの嵌合部34,35と、本体部31の上面31Aから縁側15Cを乗り越える形で車室内側に延びた2つの延在部38,39と、本体部31の上面31Aから上方(外側ハウジング11側の方向)に向かって立設した2つのリブ36,37と、を備える。
【0025】
図5に示すように、2つの嵌合部34,35のうち、前側の第1嵌合部34は、側面31Bから前方に突出した四角柱状の突部34Aと、引掛部34B1を有し、側面31Bから下方に延びた爪部34Bと、を備える。突部34Aの下面34A1には、複数の当接部33のうちの一つが接続されている。この当接部33は、突部34Aの下面34A1から下方に延びている。
【0026】
図6に示すように、2つの嵌合部34,35のうち、後側の第2嵌合部35は、側面31Bから後方に突出し、その先端部分が先尖り状をなした3つの突部35A,35B,35Cを備える。この3つの突部35A,35B,35Cは、側面31Bの下端部に配された第1突部35Aと、側面31Bの上端部であって第1突部35Aの車室内側に配された第2突部35Bと、側面31Bの下端部であって第2突部35Bの車室内側に配された第3突部35Cと、により構成される。第2突部35Bは、第1突部35A及び第3突部35Cに対し上下対称となる形状をなしている。第2突部35Bの下面35B1には、複数の当接部33のうちの一つが接続されている。この当接部33は、下面35B1から第1突部35Aと第3突部35Cとの間に至るまで延びている。
【0027】
図2から
図6に示すように、ブラケット30は、当該ブラケット30を傾けつつ、第2嵌合部35を第1開口部15の縁側15Cに嵌合させた後に、第1嵌合部34を縁側15Cに上方から押し込むようにして嵌合させることによって、第1開口部15に取り付けられる(この状態を取付状態と呼ぶ)。取付状態では、第1突部35A及び第3突部35Cと第2突部35Bとの間に縁側15Cが挟持されており、爪部34Bの引掛部34B1が縁側15Cに引っ掛かっている。また、取付状態では、複数の当接部33が縁側15Cに対し側方から当接し、延在部38,39が縁側15Cに対し上方から被さるように当接している。
【0028】
2つのリブ36,37のうち、車室外側に位置する第1リブ36は、その前側部分が第1嵌合部34の突部34Aの上面に至るまで延びている。2つのリブ36,37のうち、車室内側に位置する第2リブ37は、その車室内側部分が延在部39の上面に至るまで延びている。
図7は、取付状態のブラケット30に対し光源50が取り付けられ、内側ハウジング12に対し外側ハウジング11が取り付けられた状態における照明装置100の断面図を示している。2つのリブ36,37は、外側ハウジング11の車室内側面11Bに対向している。
【0029】
光源50は、基部51と、基部51から下方に膨出し、光を生ずる部分である電球部52と、を備える。外側ハウジング11は、上下方向に開口した第4開口部11Aを備えている。光源50は、例えば作業者が手指を第4開口部11Aに入れ、基部51を摘まんでブラケット30に螺合された方向とは反対方向に回転させることで、当該光源50がブラケット30から取り外され、第4開口部11Aからハウジング10の外部に取り出し可能とされる。
【0030】
ブラケット30や内側ハウジング12を構成する材料は、特に限定されないが、合成樹脂でもよく、熱可塑性樹脂でもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂(メタクリレート及び/又はアクリレート等を用いて得られた樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂及びABS樹脂などが挙げられる。このうち、ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体(エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体)などが挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン及びポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル樹脂、並びに、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】
ブラケット30を構成する材料(熱可塑性樹脂)は、内側ハウジング12を構成する材料(熱可塑性樹脂)よりも融点やガラス転移温度が高く、耐熱性が高いものを採用してもよい。例えば、ブラケット30を構成する材料として、光源50の発熱温度(例えば、照明装置100の通常使用時において発熱する温度の最大値)よりも融点やガラス転移温度が高いものを採用し、内側ハウジング12を構成する材料として、ブラケット30を構成する材料よりも融点やガラス転移温度が低く、光源50の発熱温度よりも融点やガラス転移温度が低いものを採用してもよい。具体的に、ブラケット30にポリブチレンテレフタラートを採用し、内側ハウジング12にポリカーボネート樹脂及びABS樹脂を採用してもよい。また、ブラケット30を構成する材料として、光源50の発熱温度よりも融点やガラス転移温度が高いものを採用し、内側ハウジング12を構成する材料として、ブラケット30を構成する材料よりも融点やガラス転移温度が低く、光源50の発熱温度よりも融点やガラス転移温度が高いものを採用してもよい。
【0032】
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、一部(意匠部13)が車室内側に露出した意匠面13Aを構成するハウジング10と、ハウジング10に取り付けられるブラケット30と、ブラケット30を介してハウジング10に取り付けられ、光を出射する光源50と、を備え、ブラケット30を構成する材料は、ハウジング10を構成する材料よりも融点が高い、照明装置100を示した。
【0033】
このような照明装置100によると、光源50の発熱に耐え得る融点の材料をブラケット30に採用し、ブラケット30の材料よりも融点が低い材料をハウジング10に採用することができる。意匠面13Aを構成する部分としての意匠部13を有するハウジング10の材料を、光源50の発熱温度に係わらず、種々選択することができるので、例えば、比較的安価な材料や成形性を向上可能な材料をハウジング10の材料として採用することができる。これにより、コストを抑えることや、意匠性を向上できる照明装置100の提供が可能となる。
【0034】
ハウジング10は、ブラケット30が取り付けられる第1開口部15と、第1開口部15の側方に設けられ、第1開口部15に繋がった第2開口部16と、を備えている。
【0035】
このような照明装置100によると、ブラケット30が取り付けられる第1開口部15の側方には、第1開口部15に繋がった第2開口部16が設けられているため、ブラケット30に取り付けられたバルブから生ずる熱を、その近傍(側方)に位置する第2開口部16から排熱させることができる。
【0036】
ハウジング10は、ブラケット30が取り付けられる第1開口部15を備え、ブラケット30は、光源50が取り付けられ、第1開口部15よりも小さい本体部31と、本体部31から第1開口部15の縁側15Cの方向に突出して縁側15Cに当接した複数の当接部を備えている。
【0037】
このような照明装置100によると、本体部31において当接部が設けられた部分以外の部分と、第1開口部15の縁との間に隙間が生じた構造とすることができる。これにより、光源50から生ずる熱をその隙間から排熱させることが可能となる。
【0038】
ハウジング10は、ブラケット30が取り付けられた内側ハウジング12と、内側ハウジング12の車室外側に配された外側ハウジング11と、を備え、ブラケット30は、光源50が取り付けられる本体部31と、本体部31から外側ハウジング11に向かって立設したリブ36,37と、を備えている。
【0039】
このような照明装置100によると、メンテナンス等により光源50のみを内側ハウジング12から外側ハウジング11外へ取り外す場合に、ブラケット30が光源50と共に内側ハウジング12から外れてしまうことを、リブ36,37が外側ハウジング11に当接することで防ぐことができる。
【0040】
光源50は、電球である。
【0041】
このような照明装置100によると、比較的発熱量が多い電球においても、耐熱等の効果を好適に発揮させることが可能な構造とすることができる。
【0042】
<実施形態2>
次に、本開示の実施形態2を
図8によって説明する。尚、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0043】
図3及び
図4に示すように、乗物用照明装置200において、内側ハウジングの壁部214には、不定形状の第1開口部215が設けられている。第1開口部215には、ブラケット230が取り付けられている。ブラケット230は、四角形状の板状をなし、第1開口部215よりも車室内外方向及び前後方向における長さが小さい(上方視した場合に一回り小さい)本体部231と、本体部231の対角部分から前後方向における両側へ突出した凸部232A,232Bと、を備える。本体部231及び凸部232A,232Bと第1開口部215の縁側215Cとの間には、わずかな隙間が設けられている。本体部231は、光源50が取り付けられる開口であって上下方向に貫通形成された第3開口部240を備える。光源50は、第3開口部240に対し上方から差し込まれたのちに、螺合されることで第3開口部240に取り付けられる。
【0044】
本体部231は、その側面231Bから第1開口部215の縁側215Cの方向に突出して縁側215Cに当接した複数の当接部233と、縁側215Cに嵌合する3つの嵌合部234A,234B,235と、本体部231の上面から縁側215Cを乗り越える形で第1開口部215の外側に延びた延在部238と、本体部231から上方(外側ハウジング側の方向)に向かって立設した2つのリブ236,237と、を備える。
【0045】
3つの嵌合部234A,234B,235は、本体部231の前後両側に設けられた第1嵌合部234A及び第2嵌合部234Bと、凸部232Aの先端に設けられた第3嵌合部235と、からなる。前側の第1嵌合部234Aは、側面231Bから前方に突出した四角柱状の突部234A1と、引掛部を有し、側面231Bから下方に延びた爪部234A2と、を備える。後側の第2嵌合部234Bは、側面231Bから後方に突出した四角柱状の2つの突部234B1,234B3と、2つの突部234B1,234B3の間に配され、引掛部を有し、側面231Bから下方に延びた爪部234B2と、を備える。尚、第3嵌合部235の構成は、上記実施形態1における第2嵌合部35の構成と同様であり、その説明を省略する。
【0046】
2つのリブ236,237は、本体部231において対向する角部に配されている(対角となる部分に配されている)。2つのリブ236,237のうち、前側に位置する第1リブ236は、その前側部分が第1嵌合部234Aの突部234A1の上面に至るまで延びている。2つのリブ236,237のうち、後側に位置する第2リブ237は、その後側部分が第2嵌合部234Bの突部234B3の上面に至るまで延びている。
【0047】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0048】
(1)上記実施形態以外にも、ブラケットの形状は適宜変更可能である。例えば、ブラケットは、上方視台形状、円形状、不定形状、ブロック状等であってもよい。
【0049】
(2)上記実施形態以外にも、各部材の取付構造は適宜変更可能である。例えば、ハウジング(内側ハウジング)、ブラケット、及び光源は、それぞれが互いに、爪形状による嵌合、ボスの溶着、又は他の取付部材を介した取り付け等といった取付構造であってもよい。
【0050】
(3)上記実施形態以外にも、ハウジングの構成は適宜変更可能である。例えば、ハウジングは内側ハウジング及び外側ハウジングのように分割されておらず、1つの部材であってもよい。また、ハウジングは、内側ハウジング及び外側ハウジング以外の構造体(第3ハウジング等)を備えていてもよい。
【0051】
(4)上記実施形態では、ブラケット及びハウジングの材料を熱可塑性樹脂により説明したが、ブラケットをハウジングより融点が高い材料とのことで、ハウジングの材料を、熱可塑性樹脂とし、ブラケットの材料を、ハウジングの材料である熱可塑性樹脂より融点が高い熱硬化性樹脂又は金属とした、ハイブリット構造としてもよい。また、ブラケットの材料とハウジングの材料とを、融点が異なる金属同士の組み合わせとしてもよい。
【0052】
(5)上記実施形態では、光源は、電球(バルブ)としたが、これに限定されない。例えば、光源は、LED等、その他光を生ずる部材であってもよい。
【0053】
(6)上記実施形態では、乗物用照明装置として、マップランプを例示したが、これに限定されない。例えば、乗物用照明装置として、座席の2列目上方周辺に位置するセンターランプ、荷室を照らすラゲッジランプ等を例示することができる。また、上記実施形態では、乗物用照明装置は、ルーフトリムに取り付けられることとしたが、これに限定されない。例えば、乗物用照明装置は、ドアトリム、インストルメントパネル等、その他の乗物用内装材に取り付けられていてもよい。
【0054】
(7)上記実施形態で例示した乗物用照明装置は、車両用に限定されず、種々の乗物において提供されてもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記乗物用照明装置を適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10…ハウジング、11…外側ハウジング、12…内側ハウジング、15,215…第1開口部、15C,215C…縁側、16…第2開口部、30,230…ブラケット、31,231…本体部、33,233…当接部、36,37,236,237…リブ、50…光源、100,200…照明装置(乗物用照明装置)