(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043751
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】検査システム及び画像取得装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/952 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
G01N21/952
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148918
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】593025756
【氏名又は名称】タキカワエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 徹
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA44
2G051AB01
2G051AB07
2G051BA02
2G051BA20
2G051BB01
2G051CA03
2G051CA04
2G051CA08
2G051CB01
2G051CD07
2G051DA06
(57)【要約】
【課題】検査速度を維持しつつ、欠陥の状態を確認することができる検査システム及び画像取得装置を提供することを目的とする。
【解決手段】検査システムは、検査対象における欠陥の有無を検査する検査装置と、検査対象の画像を取得する画像取得装置と、を備え、検査対象は、検査装置から画像取得装置へ移動するものであり、検査装置は、欠陥を検出した場合、画像取得装置に検出信号を送信し、画像取得装置は、検査装置から検出信号を受信した場合に、カウントを開始し、カウントが検査装置から画像取得装置までの距離に対応する閾値以上となった場合に、トリガー信号を送信する計測部と、計測部からトリガー信号を受信した場合に、検査対象を撮影する撮影部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象における欠陥の有無を検査する検査装置と、
前記検査対象の画像を取得する画像取得装置と、を備え、
前記検査対象は、前記検査装置から前記画像取得装置へ移動するものであり、
前記検査装置は、前記欠陥を検出した場合、前記画像取得装置に検出信号を送信し、
前記画像取得装置は、
前記検査装置から前記検出信号を受信した場合に、カウントを開始し、前記カウントが前記検査装置から前記画像取得装置までの距離に対応する閾値以上となった場合に、トリガー信号を送信する計測部と、
前記計測部から前記トリガー信号を受信した場合に、前記検査対象を撮影する撮影部と、を備える検査システム。
【請求項2】
前記計測部は、前記検査対象の移動速度を示すエンコーダ信号を用いて前記カウントを行う請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記画像取得装置は、
前記撮影部により撮影された前記画像を記憶する記憶部と、
前記画像を外部機器に送信する通信部と、をさらに備える請求項1又は2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記撮影部は、カメラ及び照明装置からなり、
前記カメラのシャッタースピードは1μsec以下である請求項1又は2に記載の検査システム。
【請求項5】
検査対象における欠陥の有無を検査する検査装置の下流に配置され、前記検査対象の画像を取得する画像取得装置であって、
前記検査装置から前記検査対象の前記欠陥の検出を示す検出信号を受信した場合に、カウントを開始し、前記カウントが前記検査装置から前記画像取得装置までの距離に対応する閾値以上となった場合に、トリガー信号を送信する計測部と、
前記計測部から前記トリガー信号を受信した場合に、前記検査対象を撮影する撮影部と、を備える画像取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産設備において製品の検査を行う検査システム及び画像取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線、ケーブル又はチューブ等の生産設備において、製品の品質保証のために、製品の表面における欠陥を検査する検査装置が使用されている。例えば、特許文献1には、筒状体の端面に設けられた検出導体に電線を貫通移動させ、検出導体と電線の表面欠陥による凸部とを接触させることで、電線の表面欠陥の検出を行う検査装置が開示されている。また、その他にも、高速で移動する電線などの検査対象に光又はレーザーを照射し、透過光又は反射光の変化に基づき検査対象の表面の傷又は凹凸などを検査する検査装置、又は検査対象の全体を撮影して画像を取得し、画像に基づいて検査を行う検査装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
欠陥との接触又は光を用いる検査装置の場合、画像処理等を行う必要がないため、検査対象の画像を用いる検査装置よりも検査速度が速いという利点がある。一方で、欠陥との接触又は光を用いた検査装置の場合、欠陥の有無は検出できるものの、具体的な欠陥の状態を確認できないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を背景としたものであり、検査速度を維持しつつ、欠陥の状態を確認することができる検査システム及び画像取得装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る検査システムは、検査対象における欠陥の有無を検査する検査装置と、検査対象の画像を取得する画像取得装置と、を備え、検査対象は、検査装置から画像取得装置へ移動するものであり、検査装置は、欠陥を検出した場合、画像取得装置に検出信号を送信し、画像取得装置は、検査装置から検出信号を受信した場合に、カウントを開始し、カウントが検査装置から画像取得装置までの距離に対応する閾値以上となった場合に、トリガー信号を送信する計測部と、計測部からトリガー信号を受信した場合に、検査対象を撮影する撮影部と、を備える。
【0007】
本発明に係る画像取得装置は、検査対象における欠陥の有無を検査する検査装置の下流に配置され、検査対象の画像を取得する画像取得装置であって、検査装置から検査対象の欠陥の検出を示す検出信号を受信した場合に、カウントを開始し、カウントが検査装置から画像取得装置までの距離に対応する閾値以上となった場合に、トリガー信号を送信する計測部と、計測部からトリガー信号を受信した場合に、検査対象を撮影する撮影部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の検査システム及び画像取得装置によれば、検査装置から画像取得装置までの距離に応じたカウントを行って撮影のタイミングを計ることで、検査対象の欠陥箇所の画像を取得することができ、光などを用いた高速の検査を行う場合にも、検査速度を維持しつつ、欠陥の状態を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る検査システムの概略構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る検査システムのブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る撮影部を正面視した場合の模式図である。
【
図4】実施の形態1に係る撮影部の側断面の模式図である。
【
図5】実施の形態1に係る画像取得装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る検査システム及び画像取得装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、図面に示す検査システム及び画像取得装置は一例であり、図面に示された構成によって適用機器が限定されるものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係又は形状等が実際のものとは異なる場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る検査システム100の概略構成図である。
図1に示すように検査システム100は、生産装置1によって生産された検査対象10を検査する検査装置2と、検査対象10の画像を取得する画像取得装置3とからなる。検査対象10は、例えば電線、ケーブル又はチューブなどの長尺物である。生産装置1、検査装置2及び画像取得装置3は、生産ライン上に直列に配置され、長尺の検査対象10は、繋がった状態で、生産装置1、検査装置2及び画像取得装置3を順に通過する。検査対象10の移動速度は、例えば1m/min~1500m/minである。生産装置1は、検査対象10の移動速度を示すエンコーダ信号を、ケーブル等を介して画像取得装置3に送信する。
【0012】
検査装置2は、生産装置1の下流に配置され、検査対象10の欠陥の有無を検査する。検査対象10の欠陥は、検査対象10の表面の傷、破れ、凹凸、又は異物の付着などである。検査装置2は、検査対象10の欠陥を検出した場合、ケーブル等を介して画像取得装置3に検出信号を送信する。
【0013】
画像取得装置3は、検査装置2の下流に配置され、検査対象10の一部(欠陥箇所)の画像を取得する。ここで、生産設備においては、検査装置2と画像取得装置3とは任意の距離Dで配置されている。そのため、画像取得装置3において検査対象10の欠陥箇所を撮影した画像を取得するためには、撮影のタイミングを計る必要がある。そこで、本実施の形態の画像取得装置3は、生産装置1からのエンコーダ信号と、検査装置2からの検出信号とを用いて撮影のタイミングを計り、検査対象10の欠陥箇所の画像を取得する。なお、検査装置2と画像取得装置3との距離Dは、厳密には検査装置2における欠陥検出エリアと、画像取得装置3における撮影エリアとの距離である。
【0014】
画像取得装置3は、外部機器4とLANケーブル等により通信可能に接続されている。画像取得装置3によって取得された欠陥箇所の画像データは、外部機器4に送信される。
【0015】
図2は、実施の形態1に係る検査システム100のブロック図である。
図2に示すように、生産装置1は、エンコーダ11を備えている。エンコーダ11は、検査対象10の移動速度に応じてエンコーダ信号を発生させる。生産装置1では、エンコーダ11により発生されたエンコーダ信号に基づきモータ等のフィードバック制御を行うことで、設定した速度で検査対象10が生産され、検査装置2へ送られる。エンコーダ11からのエンコーダ信号は、画像取得装置3に出力される。
【0016】
検査装置2は、光源21と、光センサ22と、欠陥検出部23と、を備える。本実施の形態の検査装置2は、通過する検査対象10に対して光源21から光を照射し、検査対象10を透過した透過光又は検査対象10で反射した反射光を光センサ22で検出する。光センサ22の検出結果は検査対象10の表面の状態に応じたアナログ信号である。光センサ22の検出結果は、欠陥検出部23に出力される。
【0017】
欠陥検出部23は、例えばコンパレータであり、光センサ22の検出結果と検査閾値とを比較し、検出結果が検査閾値(上限値又は下限値)を超える場合に、欠陥を検出したとして検出信号を出力する。例えば、欠陥検出部23は、光センサ22の検出結果であるアナログ信号のピーク値が検査閾値を超えている場合に1、閾値未満の場合に0となるデジタル信号を検出信号として出力する。欠陥検出部23で用いられる検査閾値は、検査対象10の種類、又は生産者による欠陥の許容範囲に応じて任意に設定される。なお、欠陥検出部23をコンパレータボックスとして、既存の検査装置2に後付けしてもよい。また、光センサ22の検出結果をオシロスコープに出力し、アナログ信号の波形を監視できるようにしてもよい。
【0018】
画像取得装置3は、制御部31と、撮影部32と、電源回路33とを備えている。制御部31は、例えばCPUを備えたPCボードである。制御部31は、計測部311と、記憶部312と、通信部313とを有している。
【0019】
計測部311は、制御部31のCPUがプログラムを実行することにより実現される機能部である。又は、計測部311を専用の処理回路で構成してもよい。計測部311は、検査装置2から検出信号を受信すると、生産装置1から受信したエンコーダ信号のカウントを開始し、カウントがカウント閾値に達した場合に撮影部32にトリガー信号を送信する。カウント閾値は、検査装置2と画像取得装置3との距離Dに基づき予め設定され、記憶部312に記憶される。
【0020】
一例として、エンコーダ信号の周期が1mm/1パルスであって、検査対象10が1m/sec(1000mm/sec、60m/min)で移動する場合、1秒間に1000パルスが計測部311に入力される。言い換えると、計測部311がエンコーダ信号で1000パルスをカウントする間に、検査対象10は1m移動する。そこで、検査装置2と画像取得装置3との距離Dが1mの場合、カウント閾値は1000に設定される。これにより、エンコーダ信号で1000パルスをカウントした時点で、検査対象10の欠陥箇所が検査装置2から画像取得装置3に到達する。
【0021】
記憶部312は、HDD又はSSDなどの記憶装置である。なお、記憶部312は、制御部31とは別に設けられ、制御部31と通信可能に接続されてもよい。記憶部312は、制御部31で実行されるプログラム又は計測部311で用いられるカウント閾値などのパラメータを記憶している。また、記憶部312は、撮影部32によって撮影された検査対象10の欠陥箇所の画像を記憶する。このとき、記憶部312は、検査装置2から検出信号を受信した時間と、撮影部32によって撮影された欠陥箇所の画像とを関連づけて記憶してもよい。これにより、どの画像がどの時間に検出された欠陥に対応するものかを確認することができる。
【0022】
通信部313は、LANケーブルを介して外部機器4と接続されている。外部機器4は、例えばPCである。通信部313は、外部機器4からの指示に従い、記憶部312に記憶される検査対象10の欠陥箇所の画像を外部機器4に送信する。外部機器4は、受信した欠陥箇所の画像を自機器が備える表示部に表示するか、又はその他の機器に転送する。
【0023】
撮影部32は、検査対象10の欠陥箇所を撮影するカメラ321と、欠陥箇所を照明する照明装置322とからなる。カメラ321は、例えばCMOSデジタルカメラである。カメラ321の撮影エリアは、例えば30mm×30mmである。また、カメラ321のシャッタースピードは、1μsec以下である。シャッタースピードを1μsecとすることで、検査対象10が最大1500m/minで移動する場合も、撮影時間中の撮影エリア内での欠陥箇所の移動距離が25μmとなり、ほとんどブレのない撮影が可能となる。
【0024】
照明装置322は、光源と、光源から照射される光を検査対象10上に集めるレンズとからなる。光源は、例えば白色光を発するLEDである。
【0025】
カメラ321及び照明装置322は、計測部311からトリガー信号を受信することにより駆動され、撮影エリア内に位置する検査対象10の一部を撮影する。上記のように、トリガー信号は検査対象10の欠陥箇所の移動を計測した後に発せられるため、トリガー信号を受信したタイミングで撮影することで、検査対象10の欠陥箇所をピンポイントに撮影することができる。
【0026】
図3は、実施の形態1に係る撮影部32を正面視した場合の模式図である。
図4は、実施の形態1に係る撮影部32の側断面の模式図である。
図3及び
図4に示すように、本実施の形態の撮影部32は、複数のカメラ321と、複数の照明装置322とを備えている。複数のカメラ321及び照明装置322は、開口30を通る検査対象10の外周を取り囲むように配置される。これにより、検査対象10の外周の全周を撮影することができる。これにより、欠陥箇所がどの位置にある場合も、欠陥箇所の画像を取得することができる。
【0027】
なお、カメラ321及び照明装置322の数は、
図3及び
図4の例に限定されるものではない。例えば、カメラ321は4台ではなく3台であってもよいし、照明装置322は8台ではなく4台であってもよい。また、検査対象10の外周の一部を撮影すれば良い場合は、カメラ321及び照明装置322は、1台ずつであってもよい。
【0028】
図4に示すように、照明装置322は、検査対象10の移動方向において、カメラ321の後方(上流)に配置され、後方から検査対象10に光を照射する。また、照明装置322は、検査対象10に対して斜めに光が照射されるように水平方向に対し角度α傾いて配置される。角度αは例えば45度である。これにより、照明装置322からの光が直接カメラ321に入射することを抑制できる。
【0029】
図2に戻って、電源回路33は、AC100Vの商用電源に接続され、制御部31及び撮影部32に電力を供給する。なお、2つの電源回路33を設け、制御部31と撮影部32とに個別に電力を供給してもよい。また、
図2には図示していないが、生産装置1及び検査装置2も、各部に電力を供給するための電源回路を備えている。
【0030】
また、画像取得装置3は、撮影が行われていることを報知する報知部をさらに備えてもよい。報知部は例えばランプである。この場合、計測部311からのトリガー信号が報知部にも出力される。そして、報知部は、トリガー信号を受信した場合に点灯し、撮影を行っていることを報知する。
【0031】
図5は、実施の形態1に係る画像取得装置3の動作を示すフローチャートである。まず、計測部311において、検査装置2から検出信号を受信したか否かが判断される(S1)。検査装置2から検出信号を受信していない場合は(S1:NO)、受信するまで待機する。
【0032】
一方、検査装置2から検出信号を受信した場合(S1:YES)、計測部311は、エンコーダ信号のカウントを開始する(S2)。そして、計測部311は、カウントがカウント閾値以上となったか否かを判断する(S3)。カウントがカウント閾値未満の場合は(S3:NO)、エンコーダ信号のカウントを継続する。
【0033】
一方、カウントがカウント閾値以上となった場合(S3:YES)、計測部311から撮影部32にトリガー信号が送信され、撮影部32によって検査対象10が撮影されて画像が取得される(S4)。そして、取得された画像が記憶部312に保存される(S5)。その後、計測部311におけるカウントが0にリセットされ(S6)、ステップS1の処理に戻る。ステップS1からS6の処理を繰り返すことで、検査対象10の欠陥を検出する度、欠陥箇所の画像が取得され、記憶部312に保存される。
【0034】
上記のように、本実施の形態の検査システム100によると、画像取得装置3において、検査装置2により検出された欠陥箇所が通過するタイミングに合わせて検査対象10の撮影を行うことで、欠陥箇所の画像を取得することができる。これにより、光などを用いた高速の検査を行う場合にも、検査速度を維持しつつ、検査対象10の欠陥箇所の画像に基づき欠陥の状態を確認することが可能となる。その結果、生産者は、欠陥箇所の画像に示される欠陥の状態に応じて、生産装置1の改善などを行うことができる。
【0035】
また、産業用のハイスピードカメラを用いて検査対象10の全体を連続撮影して欠陥を検出する場合に比べて、本実施の形態では検査対象10の欠陥箇所のみを撮影することができるため、データ量の削減及び処理負荷の軽減を図ることができる。また、撮影には安価なCMOSカメラを用いることができるため、コストを削減することも可能となる。
【0036】
さらに、既存の生産装置1及び検査装置2の構成、並びに生産設備の配置を大きく変更することなく、インラインで欠陥箇所の撮影を容易に行うことができるため、汎用性も高い。
【0037】
以上が実施の形態の説明であるが、上記の実施の形態は、種々に変形することが可能である。例えば、上記実施の形態では、検査対象10が長尺物である場合について説明したが、検査対象10が長尺物以外の場合にも本発明を適用することができる。例えば、複数の検査対象10が、検査装置2及び画像取得装置3を順に通過する場合、本発明を適用することで、複数の検査対象10のうち、欠陥が検出された検査対象10のみの画像を取得することができる。また、検査装置2は、光を用いて検査を行うものに限定されず、画像以外の方法で検査を行うものであればよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、画像取得装置3の計測部311は、エンコーダ信号をカウントすることで撮影のタイミングを計る構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、検査対象10の移動速度が予め分かっている場合、検査装置2と画像取得装置3との距離Dを検査対象10の移動速度で割ることで、検査対象10の欠陥箇所が検査装置2から画像取得装置3に到達するまでの時間を求めることができる。そのため、当該時間を閾値時間として予め設定し、検出信号を受信してからの経過時間が閾値時間以上になった場合に、撮影部32にトリガー信号を出力してもよい。
【0039】
一例として、検査装置2と画像取得装置3との距離Dが1mの場合であって、検査対象10の移動速度が1000m/minの場合、閾値時間は60msecに設定される。そして、検出信号を受信してから60msec後に撮影部32による撮影を行うことで、欠陥箇所の画像を取得できる。なお、検査対象10の移動速度は、生産状況等に応じて変化するため、エンコーダ信号を用いてタイミングを計る方が同期精度は高くなる。
【0040】
さらに、上記実施の形態では、検査装置2が検査対象10の欠陥を検出し、画像取得装置3が検査対象10の欠陥箇所の画像を取得する構成としたが、「欠陥」は「欠陥候補」を含んでもよい。すなわち、検査システム100は、検査装置2にて検査対象10の欠陥候補を検出し、画像取得装置3が検査対象10の欠陥候補の画像を取得するものであってもよい。この場合、画像取得装置3が取得した検査対象10の欠陥候補の画像に基づき、欠陥か否かの最終判断を行ってもよい。この場合も、検査対象10の全ての画像を取得して欠陥の有無を検査する場合に比べて、検査速度を高速に維持できるとともに、データ量の削減及び処理負荷の軽減を達成できる。
【符号の説明】
【0041】
1 生産装置、2 検査装置、3 画像取得装置、4 外部機器、10 検査対象、11 エンコーダ、21 光源、22 光センサ、23 欠陥検出部、30 開口、31 制御部、32 撮影部、33 電源回路、100 検査システム、311 計測部、312 記憶部、313 通信部、321 カメラ、322 照明装置。