(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004380
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】契約書生成装置、契約書生成方法、及び契約書生成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20240109BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104021
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高間 智久
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC32
(57)【要約】
【課題】個々の契約ごとに定めるべき特約事項が異なる契約書であっても、契約書作成時に特約次項の記載漏れを抑制することができる。
【解決手段】本実施形態では、複数の特約のそれぞれに対応する契約条件が設定された契約条件マスタに基づいて、契約内容の入力画面に、契約条件の各項目を入力可能な入力部を表示させる表示制御部と、入力部への契約条件に関する入力情報を抽出して契約条件テーブルを生成する契約条件テーブル生成部と、契約条件テーブルに基づいて、複数の特約のそれぞれに対応する特約条文が設定された特約条文マスタから入力情報に対応する特約条文を抽出し、特約条文を含む特約情報を生成する特約情報生成部と、特約情報を付した契約書を発行する契約書発行部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の特約のそれぞれに対応する契約条件が設定された契約条件マスタに基づいて、契約内容の入力画面に、前記契約条件の各項目を入力可能な入力部を表示させる表示制御部と、
前記入力部への前記契約条件に関する入力情報を抽出して契約条件テーブルを生成する契約条件テーブル生成部と、
前記契約条件テーブルに基づいて、前記複数の特約のそれぞれに対応する特約条文が設定された特約条文マスタから前記入力情報に対応する特約条文を抽出し、前記特約条文を含む特約情報を生成する特約情報生成部と、
前記特約情報を付した契約書を発行する契約書発行部と、を備える、
契約書生成装置。
【請求項2】
前記特約条文マスタに設定された前記特約条文のうち、少なくとも一部の特約条文は契約ごとに異なる情報が挿入されることを示す挿入部を含んでおり、
前記特約情報生成部は、
生成する前記特約情報に含まれる特約条文が前記挿入部を含む場合に、前記挿入部に挿入される前記情報が設定された契約条件変換マスタを参照して、前記特約条文の前記挿入部に前記情報を挿入する、
請求項1に記載の契約書生成装置。
【請求項3】
前記契約条件変換マスタには、
前記少なくとも一部の特約条文に含まれる前記挿入部ごとに、前記挿入部に挿入する前記情報が設定された参照マスタに基づいて、前記挿入部を含む前記特約条文ごとに前記挿入部に挿入する前記情報が設定されている、
請求項2に記載の契約書生成装置。
【請求項4】
複数の特約のそれぞれに対応する契約条件が設定された契約条件マスタに基づいて、契約内容の入力画面に、前記契約条件の各項目を入力可能な入力部を表示し、
前記入力部への前記契約条件に関する入力情報を抽出して契約条件テーブルを生成し、
前記契約条件テーブルに基づいて、前記複数の特約のそれぞれに対応する特約条文が設定された特約条文マスタから前記入力情報に対応する特約条文を抽出し、前記特約条文を含む特約情報を生成し、
前記特約情報を付した契約書を発行する、
契約書生成方法。
【請求項5】
コンピュータに、
複数の特約のそれぞれに対応する契約条件が設定された契約条件マスタに基づいて、契約内容の入力画面に、前記契約条件の各項目を入力可能な入力部を表示させ、
前記入力部への前記契約条件に関する入力情報を抽出して契約条件テーブルを生成させ、
前記契約条件テーブルに基づいて、前記複数の特約のそれぞれに対応する特約条文が設定された特約条文マスタから前記入力情報に対応する特約条文を抽出し、前記特約条文を含む特約情報を生成させ、
前記特約情報を付した契約書を発行させる、
契約書生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、契約書生成装置、契約書生成方法、及び契約書生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、工事請負基本契約書に基づいて特約契約条項DBから必要な特約契約条項データを抽出して、工事請負特約契約書データを作成する工事請負特約契約書作成システムが記載されている。より具体的には、既に取得済みの工事請負基本契約書データに基づいて、過不足分の特約契約条項を特約契約条項データに基づき追加削除または修正する。
【0003】
これにより、例えば河川改修工事または電気工事等のように、工事内容によって契約書に記載すべき条項が特定される工事請負契約においては、工事請負契約書の作成に要する時間の短縮化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、河川改修工事または電気工事等の工事内容によって契約書の記載条項が特定される工事請負契約とは異なり、例えば作成対象の契約書が賃貸借契約書等であるような場合、個々の契約ごとに定めるべき特約事項が異なるため、賃貸借契約書の作成に精通した経験者でないと作成することが困難である。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、個々の契約ごとに定めるべき特約事項が異なる契約書であっても、契約書作成時に特約次項の記載漏れを抑制することができる契約書生成装置、契約書生成方法、及び契約書生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる契約書生成装置は、複数の特約のそれぞれに対応する契約条件が設定された契約条件マスタに基づいて、契約内容の入力画面に、前記契約条件の各項目を入力可能な入力部を表示させる表示制御部と、前記入力部への前記契約条件に関する入力情報を抽出して契約条件テーブルを生成する契約条件テーブル生成部と、前記契約条件テーブルに基づいて、前記複数の特約のそれぞれに対応する特約条文が設定された特約条文マスタから前記入力情報に対応する特約条文を抽出し、前記特約条文を含む特約情報を生成する特約情報生成部と、前記特約情報を付した契約書を発行する契約書発行部と、を備える。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記特約条文マスタに設定された前記特約条文のうち、少なくとも一部の特約条文は契約ごとに異なる情報が挿入されることを示す挿入部を含んでおり、前記特約情報生成部は、生成する前記特約情報に含まれる特約条文が前記挿入部を含む場合に、前記挿入部に挿入される前記情報が設定された契約条件変換マスタを参照して、前記特約条文の前記挿入部に前記情報を挿入する。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記契約条件変換マスタには、前記少なくとも一部の特約条文に含まれる前記挿入部ごとに、前記挿入部に挿入する前記情報が設定された参照マスタに基づいて、前記挿入部を含む前記特約条文ごとに前記挿入部に挿入する前記情報が設定されている。
【0010】
また、本発明にかかる契約書生成方法は、複数の特約のそれぞれに対応する契約条件が設定された契約条件マスタに基づいて、契約内容の入力画面に、前記契約条件の各項目を入力可能な入力部を表示し、前記入力部への前記契約条件に関する入力情報を抽出して契約条件テーブルを生成し、前記契約条件テーブルに基づいて、前記複数の特約のそれぞれに対応する特約条文が設定された特約条文マスタから前記入力情報に対応する特約条文を抽出し、前記特約条文を含む特約情報を生成し、前記特約情報を付した契約書を発行する。
【0011】
また、本発明にかかる契約書生成プログラムは、コンピュータに、複数の特約のそれぞれに対応する契約条件が設定された契約条件マスタに基づいて、契約内容の入力画面に、前記契約条件の各項目を入力可能な入力部を表示させ、前記入力部への前記契約条件に関する入力情報を抽出して契約条件テーブルを生成させ、前記契約条件テーブルに基づいて、前記複数の特約のそれぞれに対応する特約条文が設定された特約条文マスタから前記入力情報に対応する特約条文を抽出し、前記特約条文を含む特約情報を生成させ、前記特約情報を付した契約書を発行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、個々の契約ごとに定めるべき特約事項が異なる契約書であっても、契約書制作時に特約次項の記載漏れを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる契約書生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかる契約書生成装置が保持する特約条文マスタの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかる契約書生成装置が保持する契約条件マスタの構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかる契約書生成装置が保持する契約条件変換マスタの構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態にかかる契約書生成装置が保持する賃料項目マスタの構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態にかかる契約書生成装置が保持する日付マスタの構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態にかかる契約書生成装置に表示される入力画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態にかかる契約書生成装置が生成する契約テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態にかかる契約書生成装置が生成する契約条件テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態にかかる契約書生成装置が生成する契約賃料テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態にかかる契約書生成装置が特約条文の挿入部に情報の挿入を行う場合の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態にかかる契約書生成装置が発行する契約書の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態にかかる契約書生成装置で実行される処理の手順の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明にかかる契約書生成装置、契約書生成方法、及び契約書生成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、この実施形態により限定されるものではない。
【0015】
[1.構成]
本実施形態にかかる契約書生成装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、実施形態にかかる契約書生成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
契約書生成装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。ただし、契約書生成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0017】
契約書生成装置100は、賃貸借契約書等の特約次項を含む契約書を作成する機能を有する。したがって、契約書生成装置100のユーザは、例えば賃貸物件の所有者等から賃貸借契約を請け負う不動産業者等である。
【0018】
上記のような機能を実現するため、契約書生成装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。契約書生成装置100が備える各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0019】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、契約書生成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、契約書生成装置100とサーバ装置200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0020】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、家庭用テレビを含むモニタの他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
【0021】
制御部102は、変換装置100を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)等である。制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラムや各種の処理手順等を規定したプログラム、所要データなどを格納するための記憶部106等の内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0022】
制御部102の内部メモリに格納されるプログラムは、例えば契約書生成プログラムとして構成され、CPU等である制御部102が読み出して実行することで、契約書生成装置100に契約書を生成する機能を実現させる。
【0023】
制御部102は、上記プログラムの実行により実現される機能部として、例えば表示制御部121、契約テーブル生成部122、契約条件テーブル生成部123、契約賃料テーブル生成部124、特約情報生成部125、及び契約書発行部126を備えている。
【0024】
表示制御部121は、出力装置114のモニタ等における表示を制御する。一例として、表示制御部121は、生成する契約書の各種情報を入力する入力画面をモニタ等に表示させる。入力画面には、例えば生成対象の契約書に関する基礎情報、契約条件、及び契約請求情報等が表示される。入力画面に表示されるこれらの項目のうち、契約条件は、生成対象の契約書に関して定められている条件を、不動産業者等であるユーザが入力可能に表示される。
【0025】
契約テーブル生成部122は、生成対象の契約書に関して設定されている基礎情報を抽出し、生成対象の契約書に関する基礎情報を含む契約テーブルを生成する。
【0026】
契約条件テーブル生成部123は、入力画面から入力された、生成対象の契約書の契約条件に関する入力情報を抽出し、生成対象の契約書に関して定められている契約条件を含む契約条件テーブルを生成する。
【0027】
契約賃料テーブル生成部124は、生成対象の契約書に関して設定されている契約請求情報を入力画面から抽出して契約賃料テーブルを生成する。
【0028】
特約情報生成部125は、入力画面から入力された契約条件を含む契約条件テーブルに基づいて、入力情報に対応する特約条文を抽出し、特約条文を含む特約情報を生成する。
【0029】
入力画面から入力された各種の入力情報は、例えばユーザによる登録指示等に基づいて、契約生成装置100の記憶部106に記憶される。
【0030】
契約書発行部126は、ユーザによる登録指示等を受け付けると、特約情報を付した契約書を発行する。契約書の発行処理は、入力情報を記憶部106に保存する処理、及び特約情報を付した契約書を出力装置114のプリンタ等によって印刷する処理の少なくともいずれかを指す。
【0031】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OSと協働してCPUに命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0032】
また、記憶部106は、特約条文マスタ161、契約条件マスタ162、契約条件変換マスタ163、賃料項目マスタ164、日付マスタ165、及び契約書データベース(DB)166を記憶する。
【0033】
これらのマスタを参照することで、契約書生成装置100の上記の各機能部が、上記各種の処理を行うことが可能となる。以下に、各マスタの詳細構成例を説明する。
【0034】
[2.各種マスタの構成例]
図2を参照して、特約条文マスタ161について説明する。
図2は、実施形態にかかる契約書生成装置100が保持する特約条文マスタ161の構成の一例を示す図である。特約条文マスタ161は、上述の特約情報生成部125が特約情報を生成する際、特約情報生成部125によって参照される。
【0035】
図2に示すように、特約条文マスタ161には、例えば賃貸借契約等の契約において定められることがある種々の特約のそれぞれに対応する特約条文が設定されている。なお、契約において定められることがある種々の特約のそれぞれを特約パターンとも呼ぶ。
【0036】
特約条文マスタ161は、より具体的には、「特約パターンコード(CD)」、「特約内容」、「区分」、「行番号(NO)」、「特約条文」、及び「特約差し込み順」等の項目を含む。
【0037】
「特約パターンコード」は、特約パターンのそれぞれに付されたコードの情報を含む。
【0038】
「特約内容」は、東京ルール、クリーニング費用、ペット等の、特約パターンのそれぞれの内容を表す情報を含む。東京ルールとは、東京都により定められた賃貸物件に関するガイドラインであり、都内の賃貸物件にはこの東京ルールが適用される。
【0039】
「区分」は個々の特約の契約内容を示す。すなわち、例えば東京ルールに関する特約であれば、東京ルールの適用があることを示す「001」、及び無いことを示す「002」の区分が付与されている。また例えば、クリーニング費用に関する特約であれば、クリーニング費用が発生することを示す「001」、及び発生しないことを示す「002」の区分が付与されている。
【0040】
また例えば、ペットに関する特約であれば、ペット飼育不可であることを示す「001」、飼育に関し所定条件があることを示す「002」、及び他の条件があることを示す「003」の区分が付与されている。また、更に他の条件が生じた場合のために、予備の区分「009」が付与されていてもよい。
【0041】
「行番号(NO)」は、契約書の特約事項の欄に記載されるときの特約条文の行数を示す。すなわち、例えば東京ルールに関する特約であれば、東京ルールの適用に関する特約条文が1行で記載されることを示す「1」が付与されている。また例えば、クリーニング費用に関する特約であれば、クリーニング費用に関する特約文が2行に亘って記載されることを示す「1」と「2」とが付与されている。
【0042】
また例えば、ペットに関する特約であれば、ペット飼育不可であることの特約条件は1行に記載されるため「1」が付与され、飼育に関する所定条件に関する特約条件は2行に亘って記載されるため「1」「2」が付与されている。
【0043】
「特約条文」は、契約書の特約事項の欄に記載される特約条文そのものを含む。すなわち、例えば東京ルールに関する特約であれば、東京ルールの適用に関する「別途、賃貸住宅紛争防止条例に基づく(説明書あり)。」の特約条文が示されている。
【0044】
また例えば、クリーニング費用に関する特約であれば、クリーニング費用に関し、1行目に記載される内容として「室内クリーニング費用に関しては退去時に[#99,999#]円(別途消費税)を支払うものとし、」の特約条文が示され、2行目に記載される内容として「通常の使用を超えた場合は、その実費を支払うものとする。」の特約条文が示されている。
【0045】
なお、クリーニング費用を含む幾つかの特約条文には、「#~#」等で括られた挿入部が含まれている場合がある。これらの挿入部には、金額または日付等、契約ごとに異なる情報を挿入することが可能である。
【0046】
「特約差し込み順」は、これらの特約条文が契約書に記載される際の優先順を示す。すなわち、例えば東京ルールに関する特約であれば、東京ルールの適用に関する特約条文の優先順、つまり、差し込み順が、複数の特約パターンの中で3番目であることを示す「3」が付与されている。また、東京ルールが不適用である場合、契約書への特約条文の記載が不要であることを示す「0」が付与されている。
【0047】
また例えば、クリーニング費用に関する特約であれば、クリーニング費用が発生することを示す特約条文の差し込み順が、複数の特約パターンの中で2番目であることを示す「2」が付与されている。また例えば、ペットに関する特約であれば、飼育可不可のいずれの契約条件であっても、特約条文の差し込み順が、複数の特約パターンの中で7番目であることを示す「7」が付与されている。
【0048】
したがって、例えば特約事項欄に、東京ルールの適用に関する特約条文と、クリーニング費用が発生することを示す特約条文と、ペットに関する特約条文と、が記載される場合、クリーニング費用が発生することを示す特約条文、東京ルールの適用に関する特約条文、及びペットに関する特約条文が、この順に記載されることとなる。
【0049】
次に、
図3を参照して、契約条件マスタ162について説明する。
図3は、実施形態にかかる契約書生成装置100が保持する契約条件マスタ162の構成の一例を示す図である。契約条件マスタ162は、ユーザが入力可能なように、入力画面に契約条件を表示する際、上述の表示制御部121によって参照される。
【0050】
図3に示すように、契約条件マスタ162には、特約条文マスタ161に含まれる個々の特約パターンに対応する契約条件が設定されている。より具体的には、契約条件マスタ162は、「契約条件コード(CD)」、「契約条件名」、及び「区分」等の項目を含む。契約条件マスタ162には、各項目の末尾に備考欄が設けられていてもよい。
【0051】
「契約条件コード」は、特約条文マスタ161において、特約パターンのそれぞれに付された「特約パターンコード」と対応するコード情報である。
【0052】
「契約条件名」は、東京ルール、クリーニング費用、ペット等、特約条文マスタ161の「特約内容」に相当する項目である。
【0053】
「区分」には、「001」、「002」等、特約条文マスタ161の「区画」に対応する番号が付与されている。末尾の備考欄には、適用対象、適用対象外、等の、「区分」の各番号が意味する内容が示されている。
【0054】
次に、
図4を参照して、契約条件変換マスタ163について説明する。
図4は、実施形態にかかる契約書生成装置100が保持する契約条件変換マスタ163の構成の一例を示す図である。契約条件変換マスタ163は、契約書の特約事項に記載すべき特約条文に含まれる「#~#」等で括られた挿入部に所定の情報を挿入する際、上述の特約情報生成部125によって参照される。
【0055】
図4に示すように、契約条件変換マスタ163には、特約条文マスタ161に含まれる特約条文が「#~#」等で括られた挿入部を含む場合に、それらの挿入部に挿入される情報が設定されている。
【0056】
より具体的には、契約条件変換マスタ163は、「特約パターンコード(CD)」、「契約条件名」、「参照マスタ」、及び「コード(項目)」等の項目を含む。契約条件変換マスタ163において、「コード(項目)」は複数項目、含まれることがある。
【0057】
「特約パターンコード」は、特約条文マスタ161の「特約パターンコード」と対応するコード情報である。
【0058】
「契約条件名」は、契約条件マスタ162「契約条件名」と対応している。
【0059】
「参照マスタ」には、挿入部に挿入される情報の参照先のマスタが設定されている。参照先マスタとしては、例えば賃料項目マスタ164及び日付マスタ165がある。
【0060】
すなわち、例えば東京ルールに関する特約条文は挿入部を含まないため、参照すべきマスタが無いことを示す「なし」が設定されている。
【0061】
また例えば、フリーレントに関する特約条文には、所定の日付が挿入される挿入部が含まれている。このため、フリーレントに関する特約条文に挿入される情報の参照先として日付マスタ165が設定されている。また例えば、クリーニング費用に関する特約条文には、所定の金額が挿入される挿入部が含まれている。このため、クリーニング費用に関する特約条文に挿入される情報の参照先として賃料項目マスタ164が設定されている。
【0062】
「コード(項目)」には、参照先マスタに含まれる複数のコードのうち、参照すべきコード番号が設定されている。すなわち、例えばフリーレントに関する特約であれば、参照先の日付マスタ165に含まれる複数のコードのうち「001」と「002」とを参照すべきことが示されている。また例えば、クリーニング費用に関する特約であれば、参照先の賃料項目マスタ164に含まれる複数のコードのうち「004」を参照すべきことが示されている。
【0063】
次に、
図5を参照して、賃料項目マスタ164について説明する。
図5は、実施形態にかかる契約書生成装置100が保持する賃料項目マスタ164の構成の一例を示す図である。賃料項目マスタ164は、上述の契約条件変換マスタ163と関連付けられることで、上述の特約情報生成部125による所定の特約条文に含まれる挿入部への情報の挿入処理に用いられる。
【0064】
図5に示すように、賃料項目マスタ164には、特約条文マスタ161に含まれる特約条文が「#~#」等で括られた挿入部を含む場合に、それらの挿入部に挿入される金額の項目名が設定されている。
【0065】
より具体的には、賃料項目マスタ164は、「賃料コード(CD)」及び「賃料項目名」等の項目を含む。
【0066】
「賃料コード」は、契約書の情報入力を行う入力画面に表示される契約請求情報に含まれる賃料項目のそれぞれに付されたコードの情報を含む。
【0067】
「賃料項目名」は、入力画面に表示される契約請求情報に含まれる賃料項目の名称が設定されている。後述するように入力画面の契約請求情報には、賃料、共益費、駐車料等の賃料項目が含まれている。
【0068】
次に、
図6を参照して、日付マスタ165について説明する。
図6は、実施形態にかかる契約書生成装置100が保持する日付マスタ165の構成の一例を示す図である。日付マスタ165は、上述の契約条件変換マスタ163と関連付けられることで、上述の特約情報生成部125による所定の特約条文に含まれる挿入部への情報の挿入処理に用いられる。
【0069】
図6に示すように、日付マスタ165には、特約条文マスタ161に含まれる特約条文が「#~#」等で括られた挿入部を含む場合に、それらの挿入部に挿入される日付の項目名が設定されている。
【0070】
より具体的には、日付マスタ165は、「日付コード(CD)」及び「項目」等の項目を含む。
【0071】
「日付コード」は、契約書の情報入力を行う入力画面に表示される複数の日付のそれぞれに付されたコードの情報を含む。
【0072】
「項目」は、入力画面に含まれる複数の日付の内容が設定されている。後述するように入力画面の複数の日付には、契約開始日、契約終了日、初回契約日等が含まれている。
【0073】
これらの契約条件変換マスタ163、賃料項目マスタ164、及び日付マスタ165により、上述の特約情報生成部125は、契約書に記載すべき特約条文に挿入部が含まれる場合に、挿入すべき情報を抽出することができる。
【0074】
すなわち、例えばフリーレントに関する特約であれば、特約情報生成部125は、まず、上述の契約条件変換マスタ163の「特約パターンコード」が「002」の項目を参照し、挿入部に挿入すべき情報の参照先が「日付マスタ165」のコード番号「001」と「002」であることを特定する。また、特約情報生成部125は、「日付マスタ165」のコード番号「001」と「002」とを参照し、契約書の情報入力を行う入力画面に表示される複数の日付のうち、「契約開始日」と「契約終了日」とから挿入部に挿入すべき情報を抽出する。
【0075】
また例えば、クリーニング費用に関する特約であれば、特約情報生成部125は、まず、上述の契約条件変換マスタ163の「特約パターンコード」が「005」の項目を参照し、挿入部に挿入すべき情報の参照先が「賃料項目マスタ164」のコード番号「004」であることを特定する。また、特約情報生成部125は、「賃料項目マスタ164」のコード番号「004」を参照し、契約書の情報入力を行う入力画面に表示される契約請求情報に含まれる賃料項目のうち、「クリーニング費用」の項目から挿入部に挿入すべき情報を抽出する。
【0076】
[3.入力画面の表示例]
図7を参照して、契約書の各種情報を入力する入力画面の表示例について説明する。
図7は、実施形態にかかる契約書生成装置100に表示される入力画面114dの一例を示す図である。
【0077】
図7に示すように、入力画面114dには、例えば物件名、物件住所、契約番号、契約者、初回契約日、契約期間、賃料発生日、及び保証会社等の基礎情報が表示される。
【0078】
これらの基礎情報のうち、物件名、物件住所、及び保証会社等は、ユーザが、例えば賃貸物件の所有者等から賃貸借契約を請け負った時点で設定される。また、契約者、初回契約日、契約期間、及び賃料発生日等は、ユーザが、例えば所定の賃貸物件等について、賃貸借契約の契約者が確定した時点で設定される。
【0079】
また、契約番号は、所定の賃貸借契約等に関し、入力画面における入力が終了し、入力情報が登録された時点で、賃貸借契約ごとに付与される。登録された入力情報は、上述の記憶部106の契約書データベース166に保存される。
【0080】
入力画面114dには、また、東京ルール、フリーレント、違約金等の契約条件の入力部が、ユーザによる入力が可能に表示される。
【0081】
入力部に含まれるこれらの契約条件は、出力装置114のモニタに入力画面114dを表示させる上述の表示制御部121によって、契約条件マスタ162に含まれる契約条件が表示されたものである。また、契約条件の入力部においては、契約条件マスタ162において個々の契約条件について設定された区分が選択可能に表示されている。
【0082】
すなわち、例えば東京ルールに関する契約条件については、適用対象または適用対象外のいずれかを選択可能である。また例えば、フリーレントに関する契約条件については、フリーレントの有無が選択可能である。また例えば、ペットに関する契約条件については、ペット飼育の可不可が選択可能である。
【0083】
入力画面114dには、また、賃料、共益費、駐車料等の各種の契約請求情報が表示されている。これらの契約請求情報は、例えばユーザが、賃貸物件の所有者等から賃貸借契約を請け負った時点で設定される。ただし、賃料、共益費、駐車料等の金額は、例えば所定の賃貸物件等について、賃貸借契約の契約者が確定した時点等に変更されることもありうる。このため、入力画面114dにおいては、「請求額」に表示される項目のうち、「金額」及び「消費税」が再入力可能に表示されている。
【0084】
[4.各種テーブルの生成例]
図8を参照して、所定の契約ごとに設定される基礎情報に基づいて、契約テーブル生成部122が生成する契約テーブル122tについて説明する。
図8は、実施形態にかかる契約書生成装置100が生成する契約テーブル122tの構成の一例を示す図である。
【0085】
図8に示すように、契約テーブル122tは、所定の契約ごとの基礎情報から抽出された「契約番号」、「初回契約日」、「契約期間開始」、「契約期間終了」、「賃料発生日」、及び「保証会社」等の情報が含まれる。
【0086】
契約テーブル122tは、契約書生成装置100が契約書を生成する際に参照される基本的なデータとなる。
【0087】
図9を参照して、入力画面から入力された契約条件に関する入力情報に基づいて、契約条件テーブル生成部123が生成する契約条件テーブル123tについて説明する。
図9は、実施形態にかかる契約書生成装置100が生成する契約条件テーブル123tの構成の一例を示す図である。
【0088】
図9に示すように、契約条件テーブル123tは、「契約番号」、「契約条件コード」、「契約条件」、「区分」、「区分名」、及び「特約差し込み順」等の項目が含まれる。
【0089】
契約条件テーブル123tに含まれるこれらの項目のうち、「契約番号」は所定の契約について付与されたものである。「契約条件コード」及び「契約条件」は、契約条件マスタ162の「契約条件コード」及び「契約条件名」に対応する項目である。
【0090】
「区分」及び「区分名」は、入力画面から入力された契約条件ごとの入力情報から抽出された契約条件ごとの選択結果を示しており、「契約番号」、「契約条件コード」、及び「契約条件」に紐づけられて、契約条件テーブル123tに含まれている。
【0091】
「特約差し込み順」は、特約条文マスタ161に設定される「特約差し込み順」に基づいている。
【0092】
契約条件テーブル123tは、契約書生成装置100の特約情報生成部125が、契約書の特約情報を生成する際に参照される基本的なデータとなる。
【0093】
図10を参照して、所定の契約ごとに設定される各種賃料に基づいて、契約賃料テーブル生成部124が生成する契約賃料テーブル124tについて説明する。
図10は、実施形態にかかる契約書生成装置100が生成する契約賃料テーブル124tの構成の一例を示す図である。
【0094】
図10に示すように、契約賃料テーブル124tは、「契約番号」、「賃料項目」、「請求先」、「月数」、「税区分」、「金額」、及び「消費税」等の項目が含まれる。
【0095】
契約賃料テーブル124tに含まれるこれらの項目のうち、「契約番号」は所定の契約について付与されたものである。「賃料項目」、「請求先」、「月数」、「税区分」、「金額」、及び「消費税」は、所定の契約ごとに設定される各種賃料に基づくものである。ただし、上述の入力画面114dから、「金額」及び「消費税」について初期設定額から変更があった場合には、入力画面114dの契約請求情報から抽出される。
【0096】
契約賃料テーブル124tは、契約書生成装置100の特約情報生成部125が、契約書に記載すべき特約条文に挿入部が含まれる場合に参照されるデータとなる。
【0097】
[5.特約情報の生成例]
図11を参照して、特約情報生成部125が、所定の契約について特約情報を生成する場合において、契約書に記載すべき特例条文に挿入部が含まれる例について説明する。
図11は、実施形態にかかる契約書生成装置100が特約条文の挿入部に情報の挿入を行う場合の一例を示す図である。
【0098】
上述の
図7の例では、入力画面114dから、フリーレント、クリーニング費用、鍵交換費用、及びペットについての特約があるとの選択がなされ、また、特定の保証会社が選択されている。これに基づき、上述の契約条件テーブル123tには、これらの項目について特約があることを示す区分番号「001」が設定されている。
【0099】
特約情報生成部125は、特約条文マスタ161を参照して、これらのフリーレント、保険会社、クリーニング費用、鍵交換費用、及びペットの特約、及び選択された保証会社についての特例条文を抽出する。上述の特約条文マスタ161によれば、これらの特約のうち、フリーレント、クリーニング費用、及び鍵交換費用の特例条文には、日付に関する挿入部、金額に関する挿入部、及び金額に関する挿入部がそれぞれ含まれている。
【0100】
図11に示すように、特約情報生成部125は、契約条件変換マスタ163を参照して、これらの特約条文に含まれる挿入部に挿入する情報の参照先を特定する。
【0101】
契約条件変換マスタ163によれば、フリーレントに関する特約条文の挿入部に挿入される情報は、日付マスタ165の日付コード「001」と「002」とで示される日付であって、例えば契約テーブル122tの「契約期間開始」と「契約期間終了」の項目に含まれる日付である。特約情報生成部125は、これらの日付を契約テーブル122tから抽出し、フリーレントに関する特約条文に挿入する。
【0102】
また、契約条件変換マスタ163によれば、クリーニング費用に関する特約条文の挿入部に挿入される情報は、賃料項目マスタ164の賃料コード「004」で示される賃料項目であって、例えば契約賃料テーブル124tのクリーニング費用を示す賃料項目「004」の項目に含まれる金額である。特約情報生成部125は、その金額を契約賃料テーブル124tから抽出し、クリーニング費用に関する特約条文に挿入する。
【0103】
また、契約条件変換マスタ163によれば、鍵交換代に関する特約条文の挿入部に挿入される情報は、賃料項目マスタ164の賃料コード「017」で示される賃料項目であって、例えば契約賃料テーブル124tの賃料項目「017」の項目に含まれる金額である。特約情報生成部125は、その金額を契約賃料テーブル124tから抽出し、鍵交換代に関する特約条文に挿入する。
【0104】
図12を参照して、契約書発行部126が、特約情報生成部125によって生成された特約情報125tを付与して所定の契約書を発行する場合の例について説明する。
図12は、実施形態にかかる契約書生成装置100が発行する契約書126tの一例を示す図である。
【0105】
図12に示すように、契約書生成装置100によって生成される契約書126tの<契約書特約事項>の欄には、例えば特約情報生成部125が生成した特約情報125tが付与されている。
【0106】
<契約書特約事項>の1行目に記載される特約条文は、特約情報生成部125が、契約条件テーブル123tにおいて、特約があることを示す区分番号「001」が設定されていたフリーレントに関する特約条文を、特約条文マスタ161から抽出したものである。
【0107】
このとき、特約情報生成部125は、フリーレントに関する特約条文に、契約テーブル122tから抽出した「契約期間開始」と「契約期間終了」とに含まれる日付を挿入している。
【0108】
<契約書特約事項>の2,3行目に記載される特約条文は、特約情報生成部125が、契約条件テーブル123tにおいて、特約があることを示す区分番号「001」が設定されていたクリーニング費用に関する特約条文を、特約条文マスタ161から抽出したものである。
【0109】
このとき、特約情報生成部125は、クリーニング費用に関する特約条文に、契約賃料テーブル124tから抽出した、クリーニング費用を示す賃料項目「004」の項目に含まれる金額を挿入している。
【0110】
<契約書特約事項>の4行目に記載される特約条文は、特約情報生成部125が、契約条件テーブル123tにおいて、特約があることを示す区分番号「001」が設定されていた東京ルールに関する特約条文を、特約条文マスタ161から抽出したものである。
【0111】
<契約書特約事項>の5行目に記載される特約条文は、特約情報生成部125が、契約条件テーブル123tにおいて、所定の保証会社を示す区分番号「002」に設定されていた保証会社Bに関する特約条文を、特約条文マスタ161から抽出したものである。
【0112】
<契約書特約事項>の6行目に記載される特約条文は、特約情報生成部125が、契約条件テーブル123tにおいて、特約があることを示す区分番号「001」が設定されていた鍵交換費用に関する特約条文を、特約条文マスタ161から抽出したものである。
【0113】
このとき、特約情報生成部125は、鍵交換費用に関する特約条文に、契約賃料テーブル124tから抽出した、鍵交換費用を示す賃料項目「017」の項目に含まれる金額を挿入している。
【0114】
<契約書特約事項>の7行目に記載される特約条文は、特約情報生成部125が、契約条件テーブル123tにおいて、特約があることを示す区分番号「001」が設定されていたペットに関する特約条文を、特約条文マスタ161から抽出したものである。
【0115】
[6.処理]
上述した構成の契約書生成装置100で実行される処理の一例について、
図13を参照して説明する。
図13は、実施形態にかかる契約書生成装置100で実行される処理の手順の一例を示すフロー図である。
【0116】
ここで、契約テーブル生成部122が、生成対象の契約書に関して事前に設定されている基礎情報を抽出し、生成対象の契約書に関する基礎情報を含む契約テーブル122tを生成する処理は、
図13に示すフローの前、またはフロー中の任意のタイミングで行われる。
【0117】
図13に示すように、契約書生成装置100の表示制御部121は、契約条件マスタ162に基づいて、入力画面114dに契約条件の入力部を表示する(ステップS101)。
【0118】
契約賃料テーブル生成部124は、生成対象の契約書に関して事前に設定され、または、入力画面114tから再入力された契約請求情報を抽出して契約賃料テーブル124tを生成する(ステップS102)。
【0119】
契約条件テーブル生成部123は、入力画面114dから入力された契約条件に関する入力情報を抽出し、生成対象の契約書に関して定められた契約条件を含む契約条件テーブル123tを生成する(ステップS103)。
【0120】
特約情報生成部125は、入力画面から入力された契約条件を含む契約条件テーブルに基づいて、入力情報に対応する特約条文を特約条文マスタ161から抽出する(ステップS104)。また、特約情報生成部125は、抽出した特約条文が挿入部を含んでいるか否かを判定する(ステップS105)。
【0121】
挿入部が含まれていた場合(ステップS105:Yes)、特約情報生成部125は、契約条件変換マスタ163を参照して、特約条文の挿入部に所定の情報を挿入する(ステップS106)。挿入部が含まれない場合(ステップS105:No)、特約情報生成部125はステップS107へと処理を進める。
【0122】
特約情報生成部125は、特約条文を含む特約情報125tを生成する(ステップS107)。
【0123】
入力画面114dから入力された入力情報が登録され、または、ユーザからの指示があった場合(ステップS108)、契約書発行部126は特約情報125tを付した契約書126tを発行する(ステップS109)。
【0124】
以上により、契約書生成装置100で実行される処理が終了する。
【0125】
[7.実施形態の効果]
賃貸借契約書においては、個々の契約ごとに定めるべき特約事項が異なる。このため、契約書作成経験の少ない初心者などは、契約書の特約事項の作成に膨大な時間を要し、賃貸借契約書の作成に精通した経験者でないと作成することが困難であった。また、特約事項の記載に漏れ等が生じやすかった。
【0126】
特許文献1においては、既に取得済みの工事請負基本契約書データに基づいて、過不足分の特約契約条項を特約契約条項データに基づき追加削除または修正する。しかしながら、河川改修工事または電気工事等の工事内容によって契約書の記載条項が特定される工事請負契約とは異なり、例えば賃貸借契約書等の他の契約書に対する汎用性が無い。
【0127】
実施形態の契約書生成装置100においては、契約条件に対して、特約条文の内容をマスタ化している。これにより、特約事項の自動セットが可能となり、個々の契約ごとに定めるべき特約事項が異なる契約書であっても、契約書制作時に特約次項の記載漏れを抑制することができる。
【0128】
[8.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0129】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0130】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0131】
[9.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよい。
【0132】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0133】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0134】
また、契約書生成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0135】
例えば、契約書生成装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、契約書生成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0136】
また、このコンピュータプログラムは、契約書生成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0137】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0138】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0139】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0140】
また、契約書生成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、契約書生成装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0141】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明は、賃貸借契約書を取り扱う不動産業界のみならず契約書を発行している業種業界全般において有用である。
【符号の説明】
【0143】
100 契約書生成装置
102 制御部
121 表示制御部
122 契約テーブル生成部
123 契約条件テーブル生成部
124 契約賃料テーブル生成部
125 特約情報生成部
126 契約書発行部
122t 契約テーブル
123t 契約条件テーブル
124t 契約賃料テーブル
125t 特約情報
126t 契約書
104 通信インターフェース部
106 記憶部
161 特約条文マスタ
162 契約条件マスタ
163 契約条件変換マスタ
164 賃料項目マスタ
165 日付マスタ
166 契約書データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
114d 入力画面
200 サーバ
300 ネットワーク