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特開2024-43804画像処理装置、遊技機、起動方法及び起動プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043804
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】画像処理装置、遊技機、起動方法及び起動プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240326BHJP
   A63F 5/04 20060101ALN20240326BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F5/04 611B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148997
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】398034168
【氏名又は名称】株式会社アクセル
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】山本 隼
(72)【発明者】
【氏名】射場 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】小川 丈博
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
【Fターム(参考)】
2C088CA13
2C182DA26
(57)【要約】
【課題】画像処理装置の起動時間を一定にする技術を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、主基板と記憶装置とを含む遊技機に搭載される。画像処理装置は、受付部と、初期化部とを備える。受付部は、遊技機に電源が投入されてから、画像処理装置と記憶装置との間で通信を確立する初期化処理を開始するまでの待機時間の選択を受け付ける。初期化部は、選択された前記待機時間が経過したとき、前記初期化処理を開始する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主基板と記憶装置とを含む遊技機に搭載される画像処理装置であって、
前記遊技機に電源が投入されてから、前記画像処理装置と前記記憶装置との間で通信を確立する初期化処理を開始するまでの待機時間の選択を受け付ける受付部と、
選択された前記待機時間が経過したとき、前記初期化処理を開始する初期化部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記待機時間は、
前記記憶装置が通常動作するための内部処理において、前記初期化処理とのタイミングが一致すると再度の初期化処理が必要となる設定変更が完了したあと、前記初期化処理が開始されるように設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記待機時間は、さらに、
前記初期化処理が完了して、前記記憶装置の内部処理が完了したあと、前記画像処理装置から前記記憶装置へのアクセスが開始されるように設定される
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、
複数の待機時間の中から待機時間を選択的に受け付け、
前記複数の待機時間は、
前記画像処理装置に接続される複数種類の記憶装置にそれぞれ対応する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記受付部は、
機械的な手段により前記複数の待機時間の中から待機時間の選択を受け付ける
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
主基板と画像処理装置と記憶装置とを含む遊技機であって、
前記記憶装置は、
前記画像処理装置を起動する処理を含む画像処理プログラムを記憶する記憶部
を含み、
前記画像処理装置は、
前記遊技機に電源が投入されてから、前記画像処理装置と前記記憶装置との間で通信を確立する初期化処理を開始するまでの待機時間の選択を受け付ける受付部と、
選択された前記待機時間が経過したとき、前記初期化処理を開始する初期化部と、
前記初期化処理が完了したあと、前記記憶装置から前記画像処理プログラムを読み出す読出部と、
前記画像処理プログラムを実行することにより、前記画像処理装置を起動する起動部と、
を備え、
前記主基板は、
前記遊技機に電源が投入されてから、前記画像処理装置の起動完了までの時間の経過後に、前記画像処理装置への命令の出力を開始する命令部と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項7】
主基板と記憶装置とを含む遊技機に搭載される画像処理装置のプロセッサによって実行される起動方法であって、
前記遊技機に電源が投入されてから、前記画像処理装置と前記記憶装置との間で通信を確立する初期化処理を開始するまでの待機時間の選択を受け付け、
選択された前記待機時間が経過したとき、前記初期化処理を開始する
ことを特徴とする起動方法。
【請求項8】
主基板と記憶装置とを含む遊技機に搭載される画像処理装置のプロセッサによって実行される起動プログラムであって、
前記遊技機に電源が投入されてから、前記画像処理装置と前記記憶装置との間で通信を確立する初期化処理を開始するまでの待機時間の選択を受け付け、
選択された前記待機時間が経過したとき、前記初期化処理を開始する
処理をプロセッサに実行させることを特徴とする起動プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に搭載される画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機用に搭載される画像処理装置は、画像処理プログラム及び画像などを記憶する記憶装置が接続される。画像処理装置に接続される記憶装置には、汎用のSSDをアミューズメント向けに調整した記憶装置が用いられている。記憶装置は、汎用SSDをベースにしているため、電源投入直後において汎用SSDと同様の内部処理を実行している。記憶装置の内部処理とは、記憶装置が通常動作するまでに実行される処理であり、通信モードの切り替え、メモリリフレッシュ、及び論物テーブルの構築など、SSDの動作に必要な処理一式を含む。なお、論物テーブルとは、物理アドレスと論理アドレスとのマッピング情報である。
【0003】
遊技機の電源が投入されると、画像処理装置と記憶装置とは、互いの通信を確立するために通信の初期化処理を開始する。通信の初期化処理において、画像処理装置及び記憶装置は、それぞれが独立して初期化信号の送信を開始する。そして、画像処理装置及び記憶装置は、相手の初期化信号を受信したとき、次の状態に遷移し、別の信号を送出する処理を複数回繰り返すことにより、通信を確立する(例えば、SATA通信のOOBシーケンス)。その後、画像処理装置及び記憶装置は、互いの通信速度を調整する処理をする(例えば、SATA通信のSpeed Negotiation)。以下の説明において、通信の初期化処理とは、通信の確立と通信速度の調整とを含むものとする。
【0004】
画像処理装置は、記憶装置との通信の初期化処理が完了すると、記憶装置から画像処理プログラムを読み出す。そして、画像処理装置は、読み出したプログラムを実行することにより起動する。これにより、画像処理装置は、確率を制御する主基板からの命令を受信するための画像処理装置の初期化処理を終了し、主基板からの命令を受信可能な受信待ち状態になる。そして、画像処理装置は、主基板からの命令に応じた画像処理を開始する。以下の説明では、画像処理装置の起動とは、画像処理装置が主基板からの命令の受信待ち状態になるまでの処理を含むものとする。
【0005】
関連する技術として、従属制御装置は、通信用ポートが初期状態を維持している間に起動し、通信用ポートからの指令を受信可能な指令受信可能状態となる。演算処理手段は、タイマ計時手段によって維持タイマの更新が開始される前に、初期化指示受付手段が初期化指示を受け付けたか否かを確認するために、初期化指示受付手段から初期化指示を読み込む読込処理を実行する。そして、演算処理手段は、初期化指示受付手段が初期化指示を受け付けたことが確認された場合には、記憶手段初期化手段により記憶手段を初期化する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0006】
関連する他の技術として、情報処理装置では、本体部と操作部とが並行起動する場合に、操作部はOSと併せてプログラムも起動し、プログラムによる操作部の起動処理が完了した時点で、プログラムから本体部へ準備完了通知が送信される。本体部は、準備完了通知の受信に応じて、アプリケーションへの通知をプログラムに送信し、プログラムは本体部から受信した通知を、OSの起動完了後に起動したアプリケーションへ送信する技術が知られている(例えば、特許文献2)。
【0007】
関連する他の技術として、制御装置側はCPUとアクセスウェイト可変回路とを備え、ROMより取り出したデータが違法オペコードであるならば、アクセスウェイト可変回路を制御してアクセスウェイトを追加して命令取り出し時間を延ばす。そして、ROM内の違法オペコードをフェッチしたアドレスのデータを再度取り出す技術が知られている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012-210397号公報
【特許文献2】特開2020-77354号公報
【特許文献3】特開平5-20203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
遊技機に搭載される画像処理装置は、主基板からの命令に応じて画像処理を実行する。また、主基板は、不正防止のために、画像処理装置からの出力を受け取れないように設計されている。したがって、遊技機の電源が投入されたあと、主基板から画像処理装置に命令を出すときには、画像処理装置が主基板からの命令を確実に受け取れる状態になっている必要がある。しかし、上記のように、主基板は画像処理装置からの出力を受け取れないため、画像処理装置は、主基板からの命令を確実に受け取れるようになったことを、主基板に対して通知することができない。
【0010】
このため、遊技機の電源が投入されたあと、画像処理装置が主基板からの命令を確実に受け取れる状態になるまでの時間、すなわち、画像処理装置の起動時間を規定する必要がある。これにより、画像処理装置の起動時間の後に画像処理装置への命令の出力を開始するように主基板を設定すれば、画像処理装置が主基板からの命令を確実に受け取れる状態になったあと、主基板から画像処理装置への命令の出力を開始することができる。
【0011】
しかし、遊技機においては、画像処理装置の起動時間が一定に定まらない(以下、ブレる、ともいう。)ため、画像処理装置の起動時間を適切に設定できないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書で開示する画像処理装置のひとつに、主基板と記憶装置とを含む遊技機に搭載される画像処理装置がある。画像処理装置は、受付部と、初期化部とを備える。受付部は、遊技機に電源が投入されてから、画像処理装置と記憶装置との間で通信を確立する初期化処理を開始するまでの待機時間の選択を受け付ける。初期化部は、選択された待機時間が経過したとき、初期化処理を開始する。
【発明の効果】
【0013】
1実施態様によれば、画像処理装置の起動時間を一定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】遊技機の一実施例を示す構成図である。
図2】画像処理装置の起動処理を示すシーケンス図(その1)である。
図3】画像処理装置の起動処理を示すシーケンス図(その2)である。
図4】画像処理装置の起動処理を示すシーケンス図(その3)である。
図5】主基板の一実施例を示す機能ブロック図である。
図6】主基板における待機情報の一例を示す図である。
図7】画像処理装置の一実施例を示す機能ブロック図である。
図8】画像処理装置における待機情報の一例を示す図である。
図9】記憶装置の一実施例を示す機能ブロック図である。
図10】画像処理装置の起動処理の一例を示すフローチャートである。
図11】コンピュータ装置の一実施例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
実施形態の画像処理装置について説明する。
【0016】
以下の説明では、遊技機に搭載される画像処理装置を一例として説明するが、本発明の画像処理装置は、遊技機に限らず他の装置に用いられてもよい。
【0017】
図1は、遊技機の一実施例を示す構成図である。
【0018】
遊技機100は、主基板1と、画像処理装置2と、記憶装置3と、表示装置4とを備える。そして、主基板1と、画像処理装置2と、記憶装置3と、表示装置4とは、それぞれ通信可能に接続される。表示装置4は、画像処理装置2が描画した画像を表示する。
【0019】
図2は、画像処理装置の起動処理を示すシーケンス図(その1)である。また、図3は、画像処理装置の起動処理を示すシーケンス図(その2)である。
【0020】
図2図3を参照して、画像処理装置2の起動時間がブレる場合の処理の一例を説明する。
【0021】
図2を参照して、通信の初期化処理に影響がある設定変更に起因して、画像処理装置2の起動時間がブレることを説明する。通信の初期化処理に影響がある設定変更には、通信に影響がでる設定変更、および設定変更をしないと通信ができなくなる設定変更などが含まれる。
【0022】
図2において、画像処理装置は、画像処理装置2Aとして、実施形態の画像処理装置2と区別するが、遊技機100の他の構成は、実施形態の構成と同様である。
【0023】
画像処理装置2Aは、遊技機100に電源が投入されたあと、入力される電圧が上昇して、動作が安定すると画像処理装置2Aのリセット処理を実行する。そして、画像処理装置2Aは、リセットが解除されると、記憶装置3との間の通信の初期化処理を開始する(S101)。画像処理装置2Aのリセットとは、例えば、FF(flip-flop)類、及びレジスタ類などの初期化である。
【0024】
また、記憶装置3は、遊技機100の電源が投入されたあと、入力される電圧が上昇して、動作が安定すると記憶装置3のリセット処理を実行する。そして、記憶装置3は、リセットが解除されると、画像処理装置2Aとの間の通信の初期化処理を開始する(S102)。なお、S101とS102との処理の順番は、どちらが先でもよい。
【0025】
画像処理装置2A及び記憶装置3は、通信の初期化処理を開始すると、互いに、通信の確立に利用する初期化信号を送信する(S103)。初期化信号とは、例えば、SATA(Serial ATA)通信の場合には、通信の確立に用いられるOOBシーケンスのCOMINIT、COMORESET、COMWAKEなどである。
【0026】
記憶装置3は、記憶装置3の内部処理を開始する(S104)。なお、S102とS104との処理の順番は、どちらが先でもよい。
【0027】
記憶装置3は、S103の通信の確立の処理の途中で、通信の初期化処理に影響がある設定の変更を実行する(S105)。通信の初期化処理に影響がある設定の変更の一例としては、例えば、記憶装置3の内部処理で実行される、SSC(Spread Spectrum Clocking)の利用の有無の切り替え(通信モードの変更)がある。SSCとは、動作周波数のピーク値を抑制することを目的として、スイッチング周波数を変動させることにより、広い帯域にノイズを拡散し、特定の周波数にノイズが集中しないようにする機能である。
【0028】
記憶装置3は、S105において、通信の初期化処理に影響がある設定変更を実行すると、記憶装置3のリセット処理を実行して、画像処理装置2Aとの間で再度通信の初期化処理を開始する(S106)。S106においては、画像処理装置2と記憶装置3との間で通信の初期化処理が途中まで進んでいる状態であるが、S106の処理により、通信の初期化がやり直しとなる。すなわち、通信の初期化処理の途中のタイミングで、通信の初期化処理に影響のある設定変更が実行させると、画像処理装置2と記憶装置3とは、通信の初期化処理をはじめからやり直す。
【0029】
そして、記憶装置3は、再度通信の確立に利用する初期化信号を送信する。これにより、画像処理装置2Aと記憶装置3とは、通信を確立する(S107)。
【0030】
画像処理装置2Aと記憶装置3とは、通信を確立すると、通信速度の調整をする(S108)。通信速度の調整は、例えば、SATA通信の場合には、Speed Negotiationによって行われる。
【0031】
記憶装置3は、記憶装置3の内部処理を完了する(S109)。また、記憶装置3は、通信速度の調整が完了すると、通信の初期化処理を完了する(S110)。なお、S109とS110との処理の順番は、どちらが先でもよい。
【0032】
画像処理装置2Aは、通信速度の調整が完了すると、通信の初期化処理を完了する(S111)。これにより、画像処理装置2Aと記憶装置3とは、データ通信が可能な状態となる。なお、S110とS111との処理の順番は、どちらが先でもよい。
【0033】
画像処理装置2Aは、記憶装置3にデータの読み出し要求をする(S112)。以下、S112においては、画像処理装置2Aは、画像処理装置2Aを起動するための画像処理プログラムを記憶装置3から取得するための、読み出し要求を出力するものとして説明する。
【0034】
記憶装置3は、画像処理装置2Aからのデータの読み出し要求に応じて、記憶領域からデータを読み出して画像処理装置2Aに出力する(S113)。以下、S113においては、記憶装置3は、画像処理プログラムを画像処理装置2Aに出力するものとして説明する。
【0035】
ここで、主基板1から画像処理装置2Aに命令が届くが、画像処理装置2Aは、主基板1からの命令を受信できる受信待ち状態ではないため、主基板1の命令を受信することができない(S114)。
【0036】
S114において、主基板1から命令が届く場合としては、S105の設定変更に起因する通信の初期化処理のやり直しを考慮せずに、主基板1において、主基板1から画像処理装置2Aへの命令の開始のタイミングを設定した場合などがある。この場合には、主基板1は、通信の初期化処理のやり直しがないものとして、画像処理装置2Aへの命令を開始するので、画像処理装置2Aの起動処理が完了する前のS114のタイミングで、画像処理装置2Aへの命令の出力を開始することになる。このとき、画像処理装置2Aは、主基板1からの命令の受信待ち状態になっていないため、主基板1からの命令を受信することができない。これにより、遊技機100の動作に不具合が生じることがある。
【0037】
画像処理装置2Aは、記憶装置3から画像処理プログラムを取得すると、画像処理プログラムを実行する(S115)。これにより、画像処理装置2Aは、画像処理装置2Aの起動処理を完了して、主基板1からの命令の受信待ち状態になる(S116)。主基板1からの命令の受信待ち状態とは、画像処理装置2Aが主基板1からの命令を受信可能な状態である。
【0038】
画像処理装置2Aは、主基板1から命令を受信して、命令に応じた処理を実行する(S117)。
【0039】
S106及びS107における、通信の初期化処理のやり直しについて、SSCを一例として説明する。なお、以下の説明では、SSCの利用の有無の切り替えを含む、通信モードの変更は、記憶装置3の内部処理に含まれるものである。
【0040】
記憶装置3は、例えば、起動直後において、記憶装置3と画像処理装置2AとのSSCの利用の有無の設定が異なる場合、SSCの利用の有無の設定を同じにするために、通信の初期化処理の途中でSSCの利用の有無の切り替えを実行する。そして、記憶装置3は、記憶装置3のリセット処理をして、画像処理装置2Aとの間の通信の初期化処理を再度開始する。
【0041】
また、記憶装置3は、初期設定においてSSCを利用して通信する設定になっている場合、起動直後において画像処理装置2Aとの間の通信の初期化処理を、SSCを利用した状態で開始する。そして、何らかの理由で画像処理装置2AがSSCを利用できないとき、記憶装置3は、SSCの利用の有無の切り替えをする。そして、記憶装置3は、記憶装置3のリセット処理をして、SSCを利用しない状態で画像処理装置2Aとの間の通信の初期化処理を再度開始する。
【0042】
以上のように、記憶装置3は、SSCの利用の有無の設定を切り替えるとき、通信の初期化処理をやり直すことになる。
【0043】
これに対して、起動直後において、記憶装置3と画像処理装置2AとのSSCの利用の有無の設定が同じである場合、上記に説明したようなSSCの利用の有無に起因する通信の初期化処理のやり直しは発生しない。
【0044】
したがって、記憶装置3におけるSSCの設定変更ありと設定変更なしとの処理の違いにより、通信の初期化処理をやり直しが発生するか否かが異なるため、通信の初期化処理のやり直しに要する時間の分、画像処理装置2Aの起動時間がブレることになる。
【0045】
また、記憶装置3と画像処理装置2AとのSSCの利用の有無の設定が異なる場合において、SSCの設定変更の発生するタイミング、及び通信の初期化のやり直しにかかる所要時間は、遊技機100の起動ごとに一定ではない。したがって、記憶装置3におけるSSCの利用の有無に起因する通信の初期化処理のやり直しが発生する場合において、遊技機100の起動処理ごとに、画像処理装置2Aの起動時間がブレることがある。
【0046】
上記の通信の初期化処理のやり直しを避けるために、予め画像処理装置2Aと記憶装置3とのSSCの利用の有無を同じ設定にしておくことが考えられる。
【0047】
しかし、遊技機100の分野においては、画像処理装置2Aと記憶装置3との供給元(ベンダー)が異なることがある。そして、遊技機100の分野においては、画像処理装置2Aと記憶装置3との初期設定はそれぞれの装置の供給元で決められる。したがって、予め画像処理装置2Aと記憶装置3とのSSCの利用の有無を同じ設定にしておくという対策が取りにくいという問題がある。
【0048】
上記ではSSCを一例として、画像処理装置2Aと記憶装置3との間の通信の初期化処理に影響のある設定変更を説明したが、通信の初期化処理に影響のある設定変更は、SSCの設定変更以外にも存在することがある。
【0049】
そして、画像処理装置2Aの起動のブレは、複数種類の通信の初期化処理に影響のある設定変更が組み合わさって発生する。また、遊技機100の起動ごとに、通信の初期化処理に影響のある設定変更の発生の有無及び発生のタイミングが異なるため、画像処理装置2Aの起動時間がブレることがある。
【0050】
以上のように、画像処理装置2Aの起動時間が一定に定まらないため、主基板1から画像処理装置2Bへの命令を開始するタイミングを適切に設定できないことがある。
【0051】
また、画像処理装置2Aの起動時間のブレに起因して、複数の遊技機100に一斉に電源を投入しても、表示装置4に映像(画像)の表示を開始するタイミングが遊技機100ごとにずれてしまうことがある。すると、複数の遊技機100の起動直後において、複数の遊技機100の間で表示装置4に表示される映像を一致させたいという、遊技機100分野特有のユーザの要望に応えることができないという問題がある。
【0052】
なお、以下の説明では、通信の初期化処理に影響のある設定変更とは、通信の初期化処理のやり直しの原因となる設定変更に限らず、画像処理装置2と記憶装置3との間の通信の初期化処理が完了するタイミングを変動させることがある設定変更であるものとする。
【0053】
図3を参照して、記憶装置3の内部処理に起因して、画像処理装置の起動時間がブレることを説明する。
【0054】
図3において、画像処理装置は、画像処理装置2Bとして、実施形態の画像処理装置2と区別するが、遊技機100の他の構成は、実施形態の構成と同様である。
【0055】
画像処理装置2Bは、遊技機100に電源が投入されたあと、入力される電圧が上昇して、動作が安定すると画像処理装置2Bのリセット処理を実行する。そして、画像処理装置2Bは、リセットが解除されると、記憶装置3との間の通信の初期化処理を開始する(S201)。
【0056】
また、記憶装置3は、遊技機100の電源が投入されたあと、入力される電圧が上昇して、動作が安定すると記憶装置3のリセット処理を実行する。そして、記憶装置3は、リセットが解除されると、画像処理装置2Bとの間の通信の初期化処理を開始する(S202)。なお、S201とS202との処理の順番は、どちらが先でもよい。
【0057】
画像処理装置2B及び記憶装置3は、通信の初期化処理を開始すると、互いに、通信の確立に利用する初期化信号を送信する(S203)。
【0058】
記憶装置3は、記憶装置3の内部処理を開始する(S204)。なお、S202とS204との処理の順番は、どちらが先でもよい。
【0059】
画像処理装置2Bと記憶装置3とは、通信を確立すると、通信速度の調整をする(S205)。
【0060】
記憶装置3は、通信速度の調整が完了すると、通信の初期化処理を完了する(S206)。
【0061】
画像処理装置2Bは、通信速度の調整が完了すると、通信の初期化処理を完了する(S207)。これにより、画像処理装置2Bと記憶装置3とは、データ通信が可能な状態となる。なお、S206とS207との処理の順番は、どちらが先でもよい。
【0062】
画像処理装置2Bは、記憶装置3にデータの読み出し要求をする(S208)。以下、S208においては、画像処理装置2Bは、画像処理プログラムを記憶装置3から取得するための、読み出し要求を出力するものとして説明する。
【0063】
記憶装置3は、画像処理装置2Bからの読み出し要求に関する処理について記憶領域に対するアクセスを保留する(S209)。このアクセスの保留は、記憶装置3の内部処理において、記憶装置3内の記憶領域へアクセスしているために発生するアクセス待ちである。
【0064】
記憶装置3は、アクセス待ちが完了すると、画像処理装置2Bからのデータの読み出し要求に応じて、記憶領域からデータを読み出して画像処理装置2Bにデータを出力する(S210)。以下、S210においては、記憶装置3は、画像処理プログラムを画像処理装置2Bに出力するものとして説明する。
【0065】
ここで、主基板1から画像処理装置2Bの命令が届くが、画像処理装置2Bは、主基板1からの命令を受信できる状態ではないため、主基板1の命令を受信することができない(S211)。
【0066】
S211において、主基板1から命令が届く場合としては、S209のアクセス待ちを考慮せずに、主基板1において、主基板1から画像処理装置2Bへの命令の開始のタイミングを設定した場合などがある。
【0067】
この場合には、主基板1は、S209のアクセス待ちがないものとして、画像処理装置2Bへの命令を開始するので、画像処理装置2Bの起動処理が完了する前のS211のタイミングで、画像処理装置2Bへの命令の出力を開始することになる。このとき、画像処理装置2Bは、主基板1からの命令の受信待ち状態になっていないため、主基板1からの命令を受信することができない。これにより、遊技機100の動作に不具合が生じることがある。
【0068】
画像処理装置2Bは、記憶装置3から画像処理プログラムを取得すると、画像処理プログラムを実行する(S212)。これにより、画像処理装置2Bは、画像処理装置2Bの起動処理を完了して、主基板1からの命令の受信待ち状態になる(S213)。主基板1からの命令の受信待ち状態とは、画像処理装置2Bが主基板1からの命令を受信可能な状態である。
【0069】
記憶装置3は、記憶装置3の内部処理を完了する(S214)。
【0070】
画像処理装置2Bは、主基板1から命令を受信して、命令に応じた処理を実行する(S215)。
【0071】
上述のように、記憶装置3の内部において、画像処理装置2からの読み出し要求による記憶領域へのアクセスと、記憶装置3の内部処理における記憶領域へのアクセスとが競合すると、画像処理装置2の読み出し要求に関するアクセスが遅延することがある。
【0072】
画像処理装置2の読み出し要求に関するアクセスの遅延が発生すると、結果として画像処理装置2Bの起動時間が延びる。また、画像処理装置2の読み出し要求に関するアクセスの遅延は、記憶装置3の内部処理中に画像処理装置2からの読み出し要求があっても、読み出し要求の出力のタイミングによっては発生しないこともある。したがって、記憶装置3の内部処理中に画像処理装置2からの読み出し要求がある場合において、遊技機100の起動処理ごとに、画像処理装置2Bの起動時間がブレることがある。
【0073】
以上のように、画像処理装置2Bの起動時間が一定に定まらないため、主基板1から画像処理装置2Bへの命令を開始するタイミングを適切に設定できないことがある。
【0074】
また、画像処理装置2Bの起動時間のブレに起因して、複数の遊技機100に一斉に電源を投入しても、表示装置4に画像の表示を開始するタイミングが遊技機100ごとにずれてしまうことがある。すると、複数の遊技機100の起動直後において、複数の遊技機100の間で表示装置4に表示される映像を一致させたいという、遊技機100分野特有のユーザの要望に応えることができないという問題がある。
【0075】
図4は、画像処理装置の起動処理を示すシーケンス図(その3)である。
【0076】
図4を参照して、実施形態における画像処理装置2の処理を説明する。
【0077】
実施形態の画像処理装置2は、通信の初期化処理の開始を待機する時間(以下、待機時間ともいう。)を設けることにより、図2を参照して説明した、通信の初期化処理中に通信の初期化処理に影響のある設定変更が行われないようにしたものである。さらに、実施形態の画像処理装置2は、通信の初期化処理の開始を待機する時間を設けることにより、図3を参照して説明した、記憶領域へのアクセス競合が起こらないようにしたものである。
【0078】
画像処理装置2は、遊技機100に電源が投入されたあと、入力される電圧が上昇して、動作が安定すると画像処理装置2のリセット処理を実行する。そして、画像処理装置2は、リセットが解除されると、通信の初期化処理の開始を待機する(S301)。
【0079】
S301の待機処理では、通信の初期化処理中に通信の初期化処理に影響のある設定変更が実行されることと、記憶装置3との間で記憶領域へのアクセス競合が起こることとを避けるように待機時間を設定して、通信の初期化処理の開始を待機する。以下の説明では、画像処理装置2は、特に断らない限り、画像処理装置2のリセット処理を実行したあと、通信の初期化処理の待機処理を開始するものとする。リセット処理は、リセットの解除を含むものとする。
【0080】
また、記憶装置3は、遊技機100の電源が投入されたあと、入力される電圧が上昇して、動作が安定すると記憶装置3のリセット処理を実行する。そして、記憶装置3は、リセットが解除されると、画像処理装置2との間で通信の初期化処理を開始する(S302)。なお、以下の説明では、記憶装置3は、特に断らない限り、記憶装置3のリセット処理を実行したあと、通信の初期化処理を開始するものとする。リセット処理には、リセットの解除を含むものとする。
【0081】
記憶装置3は、通信の初期化処理を開始すると、通信の確立に利用する初期化信号を送信する(S303)。このとき、画像処理装置2は通信の初期化処理を開始していないため、記憶装置3は、画像処理装置2が通信の初期化処理を開始するまで初期化信号を一方的に送信し続ける。
【0082】
記憶装置3は、記憶装置3の内部処理を開始する(S304)。なお、S302とS304との処理の順番は、どちらが先でもよい。
【0083】
記憶装置3は、S303の通信の確立の処理の途中で、通信の初期化処理に影響がある設定の変更を実行する(S305)。
【0084】
記憶装置3は、記憶装置3のリセット処理を実行して、画像処理装置2との間で再度通信の初期化処理を開始する(S306)
そして、記憶装置3は、再度通信の確立に利用する初期化信号を送信する(S307)。
【0085】
画像処理装置2は、S301の待機処理の開始から、設定された待機時間が経過すると、記憶装置3との間の通信の初期化処理を開始する(S308)。
【0086】
そして、画像処理装置2は、通信の確立に利用する初期化信号を記憶装置3に送信する(S309)。これにより、画像処理装置2及び記憶装置3は、互いに、通信の確立に利用する初期化信号を送信する状態となり、通信の確立の処理が実行される。
【0087】
画像処理装置2と記憶装置3とは、通信を確立すると、通信速度の調整をする(S310)。
【0088】
記憶装置3は、通信速度の調整が完了すると、通信の初期化処理を完了する(S311)。
【0089】
画像処理装置2は、通信速度の調整が完了すると、通信の初期化処理を完了する(S312)。これにより、画像処理装置2と記憶装置3とは、データ通信が可能な状態となる。なお、S311とS312との処理の順番は、どちらが先でもよい。
【0090】
記憶装置3は、記憶装置3の内部処理を完了する(S313)。なお、S311とS313との処理の順番は、どちらが先でもよい。
【0091】
画像処理装置2は、記憶装置3にデータの読み出し要求をする(S314)。以下、S314においては、画像処理装置2は、画像処理装置2を起動するための画像処理プログラムを記憶装置3から取得するための、読み出し要求を出力するものとして説明する。
【0092】
記憶装置3は、画像処理装置2からのデータの読み出し要求に応じて、記憶領域からデータを読み出して画像処理装置2に出力する(S315)。以下、S315においては、記憶装置3は、画像処理プログラムを画像処理装置2に出力するものとして説明する。
【0093】
画像処理装置2は、記憶装置3から画像処理プログラムを取得すると、画像処理プログラムを実行する(S316)。これにより、画像処理装置2は、画像処理装置2の起動処理を完了して、主基板1からの命令の受信待ち状態になる(S317)。主基板1からの命令の受信待ち状態とは、画像処理装置2が主基板1からの命令を受信可能な状態である。
【0094】
画像処理装置2は、主基板1から命令を受信して、命令に応じた処理を実行する(S318)。
【0095】
上述のように、実施形態の画像処理装置2は、S301の待機処理を設けることにより、初期化処理中に通信の初期化処理に影響のある設定変更が実行されることと、記憶装置3の内部処理とのアクセス競合と、が発生することを避けるように構成される。
【0096】
したがって、実施形態の画像処理装置2の構成によれば、画像処理装置2と記憶装置3との間で、通信の初期化処理のやり直しが発生すること、および記憶装置3へのアクセス遅延が発生することの影響による画像処理装置2の起動の遅れがなくなる。したがって、実施形態の画像処理装置2は、画像処理装置2の起動時間を一定にすることができる。
【0097】
また、主基板1では、画像処理装置2の起動時間が一定になるので、画像処理装置2への命令の出力開始のタイミングを、画像処理装置2の起動時間経過後に設定すればよい。これにより、主基板1は、画像処理装置2が主基板1からの命令を確実に受け取れるようになってから、画像処理装置2に対して命令を出力することができる。
【0098】
さらに、複数の遊技機100において、画像処理装置2の起動時間が一定になるので、複数の遊技機100に一斉に電源を投入すれば、表示装置4に画像の表示を開始するタイミングを複数の遊技機100で一致させることができる。したがって、画像処理装置2は、複数の遊技機100の起動直後において、複数の遊技機100の間で表示装置4に表示される映像を一致させたいという、遊技機100分野特有のユーザの要望に応えることができる。
【0099】
以下の説明では、図面を参照しながら実施形態の遊技機100に含まれる主基板1と、画像処理装置2と、記憶装置3とについてより詳細に説明する。
【0100】
図5は、主基板の一実施例を示す機能ブロック図である。図5を参照して、実施形態の主基板1について説明する。
【0101】
主基板1は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼすおそれがある機能を有する基板であり、画像処理装置2に情報を出力することはできるが、画像処理装置2からの情報の入力を受け付けない一方向通信をする基板である。主基板1は、入賞・抽選・特賞(あたり)を制御し、あたり/はずれに応じた画像を描画して出力するように画像処理装置2に命令をする。
【0102】
主基板1は、制御部10と記憶部20とを含む。
【0103】
制御部10は、計時部11と、待機部12と、命令部13とを含む。また、記憶部20は、待機情報21と、命令情報22とを記憶する。
【0104】
図6は、主基板における待機情報の一例を示す図である。図6を参照して、主基板1における待機情報について説明する。
【0105】
待機情報21は、待機時間SMを格納する。
【0106】
待機時間SMは、遊技機100に電源が投入されて、主基板1の動作が安定したあと、主基板1のリセット処理をしてから、画像処理装置2への命令の出力を開始するまで待機する時間である。待機時間SMは、画像処理装置2の起動処理が完了したあと、主基板1
から画像処理装置2への命令の出力が開始されるように設定される。主基板1のリセットとは、例えば、FF(flip-flop)類、及びレジスタ類などの初期化である。
【0107】
画像処理装置2の起動処理には、画像処理装置2が主基板1からの命令を受信可能な受信待ち状態になるまでの処理を含む。したがって、主基板1は、待機処理の待機時間として、待機時間SMを設定すると、画像処理装置2が主基板1からの命令を確実に受信できるようになってから、画像処理装置2に対して命令を出力することができる。
【0108】
画像処理装置2は、上述のように、遊技機100に電源が投入されてから、画像処理装置2の起動完了までの時間を一定にすることができるため、画像処理装置2に接続される記憶装置3に応じた待機時間SMを待機情報21に適宜格納すればよい。
【0109】
また、待機時間SMは、画像処理装置2に接続される記憶装置3の種類によって適切な時間が異なるため、記憶装置3の種類ごとに設定する。
【0110】
なお、図6の待機情報21には、待機時間SMが一つだけ格納されているが、これに限らず、記憶装置3の種類に応じた複数の待機時間SMを、それぞれ記憶装置3の識別子に関連付けて格納してもよい。この場合には、画像処理装置2を利用するユーザは、画像処理装置2に接続する記憶装置3の種類に応じて、待機情報21に格納されている複数の待機時間SMの中から待機時間を適宜選択すればよい。
【0111】
命令情報22は、遊戯の結果に応じて画像処理装置2に出力する命令が格納されている。
【0112】
図5を参照して説明する。
【0113】
主基板1は、遊技機100に電源が投入されたあと、入力される電圧が上昇して、動作が安定すると主基板1のリセット処理を実行する。そして、主基板1は、リセットが解除されると、画像処理装置2への命令の出力を待機する。以下の説明では、主基板1は、特に断らない限り、主基板1のリセット処理を実行したあと、画像処理装置2への命令の出力の待機処理を開始するものとする。リセット処理は、リセットの解除を含むものとする。
【0114】
計時部11は、待機情報21に格納されている待機時間SMの計時を開始する。
【0115】
計時部11は、遊技機100に電源が投入されてから、直ちに待機時間SMの計時を開始するのではなく、主基板1のリセット処理をして、リセットが解除されてから待機時間SMの計時を開始する。
【0116】
したがって、待機時間SMは下記の式(1)の範囲で設定するとよい。
【0117】
待機時間SM>TA-TB ・・・(1)
TAは、遊技機100に電源が投入されてから、画像処理装置2の起動処理が完了するまでの時間である。
【0118】
TBは、遊技機100に電源が投入されてから、計時部11による計時処理が開始されるまでの時間(主基板1のリセット処理が完了するまでの時間)である。
【0119】
待機時間SMは、画像処理装置2への命令の出力の開始がなるべく早く始まることが望ましい場合には、式(1)を満たす範囲で短い時間を設定するとよい。
【0120】
待機部12は、計時部11により待機時間SMが計時されるまでの間、命令部13により命令の出力を待機させる。
【0121】
命令部13は、計時部11により待機時間SMが計時されたあと、遊戯の結果に応じて命令情報22に格納されている命令を画像処理装置2に出力する。すなわち、命令部13は、遊技機100に電源が投入されてから、画像処理装置2の起動完了までの時間の経過後に、画像処理装置2への命令の出力を開始する。
【0122】
以上により、主基板1は、画像処理装置2の起動が完了したあと、すなわち画像処理装置2が主基板1からの命令を確実に受け取れるようになったあとに、画像処理装置2への命令の出力を開始するように制御される。
【0123】
図7は、画像処理装置の一実施例を示す機能ブロック図である。図7を参照して、実施形態の画像処理装置2について説明する。
【0124】
画像処理装置2は、主基板1と記憶装置3とを含む遊技機100に搭載される。そして、画像処理装置2は、主基板1からの命令に応じて、画像処理を実行して表示装置4に画像を出力する。
【0125】
画像処理装置2は、制御部30と、記憶部40と、外部ピン50とを含む。外部ピン50は、機械的な手段の一例である。
【0126】
制御部30は、受付部31と、計時部32と、待機部33と、初期化部34と、読出部35と、起動部36と、入力部37と、描画部38と、出力部39とを含む。記憶部40は、待機情報41と、初期化情報42とを記憶する。
【0127】
図8は、画像処理装置における待機情報の一例を示す図である。
【0128】
図8を参照して、画像処理装置2における待機情報について説明する。
【0129】
待機情報41は、記憶装置3の種類を識別する識別子と、待機時間とを関連付けて格納する。
【0130】
以下の説明では、画像処理装置2に接続される記憶装置3の種類は、記憶装置3A、記憶装置3B、記憶装置3C、記憶装置3D、記憶装置3Eであり、それぞれ識別子A、識別子B、識別子C、識別子D、識別子Eで識別されるものとして説明する。また、識別子Aから識別子Eと待機時間SAから待機時間SEとは、図8に示すようにそれぞれ関連付けられているものとする。記憶装置3Aから記憶装置3Eは、例えば、バージョン違い、または供給元が異なるなどの事情により、通信の初期化処理に影響がある設定変更の発生するタイミングや、内部処理の所要時間など、各種特性が異なるものとする。
【0131】
待機時間SAは、画像処理装置2に記憶装置3Aが接続されたとき、通信の初期化処理と、通信の初期化処理に影響のある設定変更とが同時に行われないように設定される。より具体的には、待機時間SAは、画像処理装置2による通信の初期化処理の開始が、記憶装置3Aによる通信の初期化処理に影響のある設定変更の完了後になるように設定される。
【0132】
すなわち、待機時間SAは、記憶装置3が通常動作するための処理において、通信の初期化処理とのタイミングが一致すると再度の初期化処理が必要となる設定変更が完了したあと、画像処理装置2の通信の初期化処理が開始されるように設定される。記憶装置3が通常動作するための処理は、例えば、記憶装置3の内部処理を含む。また、記憶装置3の内部処理には、SSCの利用の有無の切り替えを含む。
【0133】
さらに、待機時間SAは、画像処理装置2に記憶装置3Aが接続されたとき、画像処理装置2から記憶装置3Aに対するデータ要求が、記憶装置3Aの内部処理が完了してから行われるように設定される。すなわち、待機時間SAは、通信の初期化処理が完了して、記憶装置3の内部処理が完了したあと、画像処理装置2から記憶装置3へのアクセスが開始されるように設定される。
【0134】
なお、待機時間SAは、画像処理装置2の通信の初期化処理において、通信の初期化処理に影響がある設定変更が完了してから行われるように適宜設定される。待機時間SAは、例えば、記憶装置3Aのカタログスペックから、記憶装置3Aの通信の初期化処理に影響のある設定変更の完了時間を参照して設定される。
【0135】
さらに、待機時間SAは、画像処理装置2から記憶装置3Aに対するデータ要求が、記憶装置3Aの内部処理が完了してから行われるように適宜設定されてもよい。待機時間SAは、例えば、記憶装置3Aのカタログスペックから、記憶装置3Aの内部処理が完了する時間を参照して設定される。
【0136】
なお、待機時間SAは、上記に限らず、通信の初期化処理に影響がある設定変更、および記憶装置3Aの内部処理のいずれか一つの画像処理装置2の起動時間の変動要因を避けるように設定されてもよい。また、待機時間SAは、通信の初期化処理に影響がある設定変更、および記憶装置3Aの内部処理に限らず、その他の画像処理装置2の起動時間の変動要因を避けるように設定されてもよい。
【0137】
待機時間SBから待機時間SEは、記憶装置3Bから記憶装置3Eに対応するように、待機時間SAの設定方法と同様の方法で設定する。以下の説明において、待機時間SAから待機時間SEを特に区別しないときは、待機時間SIという。
【0138】
図7を参照して説明する。
【0139】
初期化情報42は、画像処理装置2と記憶装置3との間の通信の初期化処理の手順を格納する。
【0140】
外部ピン50は、画像処理装置2に接続される複数種類の記憶装置3のそれぞれに対応する複数のピンを有し、待機時間SIの選択手段として機能する。外部ピン50は、例えば、ジャンパスイッチである。
【0141】
なお、外部ピン50に代えて、ディップスイッチなどの他の機械的な構成を、待機時間SIの選択手段として用いてもよい。また、外部ピン50に代えて、記憶装置3の選択情報を予め記憶部40に書き込むことにより、記憶部40を待機時間SIの選択手段として機能させてもよい。以下の説明では、外部ピン50によって、待機時間SIが選択されるものとして説明する。
【0142】
受付部31は、遊技機100に電源が投入されてから、画像処理装置2と記憶装置3との間で通信を確立する初期化処理を開始するまでの待機時間SIの選択を受け付ける。受付部31は、例えば、待機情報41を参照し、外部ピン50により選択された記憶装置3の識別子に対応する待機時間SIを抽出することにより、通信の初期化処理を開始するまでの待機時間SIを選択的に受け付ける。
【0143】
画像処理装置2に接続される記憶装置3は、記憶装置3の供給元により特性が異なる。したがって、画像処理装置2には、遊技機100のユーザが利用する可能性のある複数の供給元の記憶装置3のそれぞれについて、必要な待機時間SIを選択可能にする外部ピン50が配置される。
【0144】
そして、ユーザは、画像処理装置2に接続する記憶装置3の種類に応じて、外部ピン50により待機時間SIを選択する。これにより、受付部31は、待機情報41において、選択された外部ピン50に対応する識別子に関連付けされている待機時間SIの選択を受け付ける。
【0145】
実施形態の画像処理装置2は、外部ピン50などの機械的な選択手段を用いて、接続される記憶装置3の種類に対応する待機時間SIを選択可能である。したがって、画像処理装置2は、記憶部40を利用するなどのソフト的な手段で待機時間SIを選択する構成と比較して、容易に待機時間SIの選択を変更することができる。
【0146】
計時部32は、外部ピン50による選択に応じて、待機情報41で関連付けされている待機時間をカウントする。計時部32は、遊技機100に電源が投入されてから、直ちに待機時間SIの計時を開始するのではなく、画像処理装置2のリセット処理をして、リセットが解除されてから待機時間SIの計時を開始する。
【0147】
したがって、待機時間SIは下記の式(2)、(3)を満たす範囲で設定するとよい。
【0148】
待機時間SI>TC-TD ・・・(2)
待機時間SI+TE>TF ・・・(3)
TCは、遊技機100に電源が投入されてから、記憶装置3が通信の初期化処理に影響のある設定変更を完了するまでの時間である。
【0149】
TDは、遊技機100に電源が投入されてから、計時部32による計時処理が開始されるまでの時間(画像処理装置2のリセット処理が完了するまでの時間)である。
【0150】
TEは、通信の初期化処理の所要時間である。
【0151】
TFは、内部処理の完了時間である。
【0152】
待機部33は、計時部32により待機時間SIが計時されるまでの間、初期化部34による初期化処理を待機させる。
【0153】
初期化部34は、記憶装置3との間で通信を確立する通信の初期化処理を開始する。初期化部34は、遊技機100に電源が投入されて、画像処理装置2のリセット処理が完了してから、選択された待機時間SIが経過したとき、初期化情報42に従って記憶装置3との通信をするための初期化処理を開始する。
【0154】
読出部35は、通信の初期化処理が完了したあと、記憶装置3から画像処理プログラムを読み出す。
【0155】
起動部36は、読出部35により読みだされた画像処理プログラムを実行することにより、画像処理装置2を起動する。画像処理装置2の起動処理とは、画像処理装置2が主基板1からの命令に応じて画像処理を実行できるようにする処理である。すなわち、画像処理装置2の起動とは、画像処理装置2が主基板1からの命令の受信待ち状態になるまでの処理である。
【0156】
入力部37は、主基板1からの命令の入力を受け付ける。
【0157】
描画部38は、主基板1からの命令に応じて記憶装置3から画像情報を読み出し、表示装置4に表示する画像を描画(画像処理)する。
【0158】
出力部39は、表示装置4に描画した画像を出力する。
【0159】
図9は、記憶装置の一実施例を示す機能ブロック図である。図9を参照して、実施形態の記憶装置3について説明する。
【0160】
記憶装置3は、画像処理装置2が実行する画像処理プログラムと、画像処理装置2の画像処理で用いる画像情報とを記憶し、画像処理装置2からの要求に応じて各種情報を画像処理装置2に出力する。
【0161】
記憶装置3は、制御部60と、記憶部70とを含む。
【0162】
制御部60は、内部処理部61と、初期化部62と、入力部63と、出力部64とを含む。記憶部70は、初期化情報71と、画像処理情報72とを記憶する。
【0163】
初期化情報71は、画像処理装置2と記憶装置3との間の通信の初期化処理の手順を格納する。
【0164】
画像処理情報72は、画像処理プログラムと、画像情報とを格納する。画像処理プログラムは、画像処理装置2に画像処理を実行させるプログラムである。画像処理プログラムは、画像処理装置2を起動する処理を含む。画像情報は、主基板1から画像処理装置2への命令に応じて、画像処理装置2により読み出され、描画処理に用いられる情報である。
【0165】
内部処理部61は、遊技機100に電源が投入されて、記憶装置3のリセット処理が完了すると、内部処理を実行する。
【0166】
初期化部62は、画像処理装置2との間で通信を確立する通信の初期化処理をする。初期化部62は、遊技機100に電源が投入されて、記憶装置3の動作が安定し、記憶装置3のリセット処理が完了したあと、初期化情報71に従って画像処理装置2との通信を確立する初期化処理を開始する。
【0167】
なお、初期化部62は、例えば、図4のS303に示すように、記憶装置3のリセット処理が完了したあと、記憶装置3による通信の初期化処理に影響のある設定変更が完了する前から開始してもよい。
【0168】
その理由は以下の通りである。
【0169】
記憶装置3の通信の初期化処理に影響のある設定変更が完了するまでは、画像処理装置2側で通信の初期化処理が開始されないため、画像処理装置2からの初期化信号の送信がない。
【0170】
すると、記憶装置3による通信の初期化処理に影響のある設定変更が完了する前において、通信の初期化処理では、記憶装置3からの初期化信号が送信されているだけであり、通信の初期化処理が進行していない。このため、画像処理装置2と記憶装置3との間で実行される通信の初期化処理と、記憶装置3の通信の初期化処理に影響のある設定変更とのタイミングとが同じになることがない。
【0171】
したがって、通信の初期化処理と、記憶装置3による通信の初期化処理に影響のある設定変更とのタイミングとが同じになることに起因する、画像処理装置2と記憶装置3との間の通信の初期化処理のやり直しが発生しないためである。
【0172】
入力部63は、画像処理装置2からの要求の入力を受け付ける。画像処理装置2からの要求とは、例えば、画像処理プログラムの読み出しや、主基板1から画像処理装置2への命令に応じて描画するために必要になった画像情報の取得要求などである。
【0173】
出力部64は、画像処理装置2からの要求に応じて、記憶部70から各種情報を読み出して、読み出した情報を画像処理装置2へ送信する。
【0174】
図10は、画像処理装置の起動処理の一例を示すフローチャートである。図10を参照して、画像処理装置2における処理を説明する。
【0175】
画像処理装置2は、遊技機100に電源が投入されると、画像処理装置2の動作が安定したか否かを判定する(S401)。画像処理装置2は、動作が安定していないとき(S401にてNo)、S401の処理を繰り返し実行する。
【0176】
画像処理装置2は、動作が安定したとき(S401にてYes)、画像処理装置2のリセット処理を実行し、選択された外部ピン51に対応する待機時間SIを待機情報41から読み出す(S402)。
【0177】
画像処理装置2は、S402において読み出した待機時間SIが経過したか否かを判定する(S403)。画像処理装置2は、S402において読み出した待機時間SIが経過していないとき(S403にてNo)、S403の処理を繰り返し実行する。以下、図10の説明において、S402において読み出した待機時間SIを、単に待機時間SIという。
【0178】
画像処理装置2は、待機時間SIが経過したとき(S403にてYes)、記憶装置3との通信の初期化処理を開始する(S404)。
【0179】
画像処理装置2は、通信の初期化処理が完了したか否かを判定する。画像処理装置2は、通信の初期化処理が完了していないとき(S405にてNo)、S405の処理を繰り返し実行する。
【0180】
画像処理装置2は、通信の初期化処理が完了したとき(S405にてYes)、記憶装置3から画像処理プログラムを読み出す(S406)。
【0181】
画像処理装置2は、S406で読み出した画像処理プログラムを実行することにより、起動処理をする(S407)。画像処理装置2は、起動処理が完了すると、主基板1からの命令待ち状態になる。
【0182】
画像処理装置2は、S407の起動処理が完了したあと、S406で読み出した画像処理プログラムを実行することにより、主基板1からの命令に応じた描画処理を開始する(S408)。
【0183】
図11は、コンピュータ装置の一実施例を示すブロック図である。
【0184】
図11を参照して、コンピュータ装置200の構成について説明する。
【0185】
図11において、コンピュータ装置200は、制御回路201と、記憶装置202と、読書装置203と、記録媒体204と、通信インターフェイス205と、入出力インターフェイス206と、入力装置207と、表示装置208とを含む。また、通信インターフェイス205は、ネットワーク209と接続される。そして、各構成要素は、バス210により接続される。主基板1と、画像処理装置2と、記憶装置3とは、コンピュータ装置200に記載の構成要素の一部または全てを適宜選択して構成することができる。
【0186】
制御回路201は、コンピュータ装置200全体の制御をする。そして、制御回路201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、FPGA(Field Programmable Gate Array)およびPLD(Programmable Logic Device)などのプロセッサである。そして、制御回路201は、例えば、図5において、制御部10として機能する。制御回路201は、例えば、図7において、制御部30として機能する。制御回路201は、例えば、図9において、制御部60として機能する。
【0187】
記憶装置202は、各種データを記憶する。そして、記憶装置202は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリや、HD(Hard Disk)およびSSD(Solid State Drive)などである。そして、記憶装置202は、例えば、図5において、記憶部20として機能する。記憶装置202は、例えば、図7において、記憶部40として機能する。記憶装置202は、例えば、図9において、記憶部70として機能する。
【0188】
また、ROMは、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAMは、制御回路201のワークエリアとして使用される。HDは、OS、アプリケーションプログラム、ファームウェアなどのプログラム、および各種データを記憶している。
【0189】
主基板1は、各種処理をするとき、記憶装置202に記憶された主基板の処理プログラムをRAMに読み出す。RAMに読み出された主基板の処理プログラムを制御回路201で実行することにより、主基板1は、計時処理と、待機処理と、命令処理とのいずれか1以上を含む処理を実行する。
【0190】
画像処理装置2は、各種処理をするとき、記憶装置202に記憶された起動プログラムをRAMに読み出す。RAMに読み出された起動プログラムを制御回路201で実行することにより、画像処理装置2は、受付処理と、計時処理と、待機処理と、初期化処理と、読出処理と、起動処理と、入力処理と、描画処理と、出力処理とのいずれか1以上を含む処理を実行する。なお、画像処理装置2は、記憶装置3から画像処理プログラムを読み出して実行することにより、起動処理と、入力処理と、描画処理と、出力処理とのいずれか1以上を含む処理を実行してもよい。
【0191】
記憶装置3は、各種処理をするとき、記憶装置202に記憶された記憶装置の処理プログラムをRAMに読み出す。RAMに読み出された記憶装置の処理プログラムを制御回路201で実行することにより、記憶装置3は、内部処理と、初期化処理と、入力処理と、出力処理とのいずれか1以上を含む処理を実行する。
【0192】
なお、上述の各プログラムは、制御回路201が通信インターフェイス205を介してアクセス可能であれば、ネットワーク209上のサーバが有する記憶装置に記憶されていても良い。
【0193】
読書装置203は、制御回路201に制御され、着脱可能な記録媒体204のデータのリード/ライトを行なう。読書装置203は、例えば、画像処理装置2と、記憶装置3とを通信可能に接続する。そして、読書装置203は、例えば、FDD(Floppy Disk Drive)、CDD(Compact Disc Drive)、DVDD(Digital Versatile Disk Drive)、BDD(Blu-ray Disk Drive)およびUSB(Universal Serial Bus)、SATAなどである。
【0194】
記録媒体204は、各種データを保存する。記録媒体204は、例えば、主基板の処理プログラム、起動プログラム、画像処理プログラム、記憶装置の処理プログラムのいずれか1以上を記憶してもよい。主基板の処理プログラムは、計時処理と、待機処理と、命令処理とのいずれか1以上を含む。起動プログラムは、受付処理と、計時処理と、待機処理と、初期化処理と、読出処理とのいずれか1以上を含む。画像処理プログラムは、起動処理と、入力処理と、描画処理と、出力処理とのいずれか1以上を含む。記憶装置の処理プログラムは、内部処理と、初期化処理と、入力処理と、出力処理とのいずれか1以上を含む。なお、起動プログラムは、受付処理と、計時処理と、待機処理と、初期化処理と、読出処理と、起動処理と、入力処理と、描画処理と、出力処理とのいずれか1以上を含んでもよい。
【0195】
さらに、記録媒体204は、図5に示す、待機情報21と、命令情報22とを記憶しても良い。記録媒体204は、図7に示す、待機情報41と、初期化情報42とを記憶してもよい。また、記録媒体204は、図9に示す、初期化情報71と、画像処理情報72とを記憶してもよい。そして、記録媒体204は、読書装置203を介してバス210に接続され、制御回路201が読書装置203を制御することにより、データのリード/ライトが行なわれる。
【0196】
また、記録媒体204は、例えば、SDメモリーカード(SD Memory Card)、FD(Floppy Disk)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray Disk:登録商標)、およびフラッシュメモリなどの非一時的記録媒体である。
【0197】
通信インターフェイス205は、ネットワーク209を介してコンピュータ装置200と他の装置とを通信可能に接続する。また、通信インターフェイス205は、無線LANの機能を有するインターフェイス、および近距離無線通信機能を有するインターフェイスを含んでも良い。そして、無線LANインターフェイスは、例えば、無線LAN規格として、Wi-Fi(登録商標)をサポートしても良い。近距離無線インターフェイスは、例えば、近距離無線通信規格として、Bluetooth(登録商標)をサポートしても良い。LANは、Local Area Networkの略である。
【0198】
入出力インターフェイス206は、例えば、入力装置207と接続され、接続された入力装置207から各種情報を示す信号が入力されると、バス210を介して入力された信号を制御回路201に出力する。また、入出力インターフェイス206は、制御回路201から出力された各種情報を示す信号がバス210を介して入力されると、接続された各種装置にその信号を出力する。
【0199】
入力装置207は、例えば、例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなどである。また、入力装置207は、外部ピン、ジャンパスイッチ、ディップスイッチ、ジャンパフリー回路などである。そして、入力装置207は、例えば、図7において、外部ピン50として機能する。なお、入力装置207は、例えば、ジャンパスイッチ、ディップスイッチ、ジャンパフリー回路であるとき、外部ピン50の代替の機械的な選択手段として機能してもよい。
【0200】
表示装置208は、各種情報を表示する。表示装置208は、例えば、画像処理装置2によって描画された画像を表示する。表示装置208は、タッチパネルでの入力を受け付けるための情報を表示しても良い。表示装置208は、例えば、図1において、表示装置4として機能する。
【0201】
また、入出力インターフェイス206、入力装置207、及び表示装置208は、GUI(Graphical User Interface)として機能してもよい。これにより、コンピュータ装置200は、タッチパネルやマウスなどによる直感的な操作を受け付ける。
【0202】
ネットワーク209は、例えば、LAN、無線通信、またはインターネットなどであり、コンピュータ装置200と他の装置を通信接続する。
【0203】
以上のように、実施形態の画像処理装置2は、遊技機100に電源が投入されてから、画像処理装置2と記憶装置3との間で通信を確立する初期化処理を開始するまでの待機時間SIの選択を受け付ける。そして、画像処理装置2は、選択された待機時間SIが経過したときに、通信の初期化処理を開始する。これにより、画像処理装置2は、画像処理装置2の起動時間の変動要因となる処理の発生を避けるように、画像処理装置2の通信の初期化処理の開始のタイミングを設定可能となるので、画像処理装置2の起動時間を一定にすることができる。
【0204】
また、実施形態の画像処理装置2は、起動処理の時間を一定にすることが可能なため、待機時間SMを適切に設定することを容易にする。待機時間SMを適切に設定するとは、主基板1から画像処理装置2への命令の出力開始のタイミングを、画像処理装置2が命令を確実に受信することができるようになったあとにすることである。この場合において、主基板1に設定する命令の出力開始の時間を、画像処理装置2の起動処理が完了する範囲内で短く設定することにより、命令開始までの余分な待機時間を削減することができる。したがって、画像処理装置2は、遊技機100全体としての起動を早くすることができる。
【0205】
さらに、実施形態の画像処理装置2は、起動処理の時間を一定にすることが可能なため、複数の遊技機100に一斉に電源を投入すれば、表示装置4に画像の表示を開始するタイミングを複数の遊技機100で一致させることができる。したがって、画像処理装置2は、複数の遊技機100の起動直後において、複数の遊技機100の間で表示装置4に表示される映像を一致させたいという、遊技機100分野特有のユーザの要望に応えることができる。
【0206】
実施形態の画像処理装置2において、待機時間SIは、記憶装置3が通常動作するための内部処理において、通信の初期化処理とのタイミングが一致すると再度の初期化処理が必要となる設定変更が完了したあと、初期化処理が開始されるように設定される。これにより、画像処理装置2は、通信の初期化処理のやり直しの発生をなくし、画像処理装置2の起動処理の時間を一定にすることができる。
【0207】
実施形態の画像処理装置2において、待機時間SIは、通信の初期化処理が完了して、記憶装置3の内部処理が完了したあと、画像処理装置2から記憶装置3へのアクセスが開始されるように設定される。これにより、画像処理装置2は、画像処理装置2からのデータ要求に応じたアクセス要求と、記憶装置3の内部処理におけるアクセス要求とに応じた記憶装置3に含まれる記憶領域へのアクセスの競合を避ける。すなわち、画像処理装置2は、記憶装置3の内部処理中に、画像処理装置2から記憶装置3へアクセスすることを避ける。
【0208】
したがって、画像処理装置2は、画像処理装置2の起動完了までの間、アクセスの競合に起因する画像処理装置2のアクセス遅延の発生をなくし、画像処理装置2の起動処理の時間を一定にすることができる。
【0209】
実施形態の画像処理装置2は、画像処理装置2に接続される複数種類の記憶装置にそれぞれ対応する、複数の待機時間SIの中から待機時間を選択的に受け付ける。これにより、画像処理装置2は、異なる供給元から提供される記憶装置3を切り替えて利用するとき、ユーザが接続する記憶装置3に対応する待機時間SIを選択するだけで、画像処理装置2の起動時間を一定にすることができる。
【0210】
実施形態の画像処理装置2は、機械的な手段により複数の待機時間SIの中から待機時間の選択を受け付ける。これにより、画像処理装置2は、ソフトウェア的な処理をすることなく、接続される記憶装置3の種類に応じて待機時間SIを選択可能にする。これは、遊技機100の分野において、画像処理装置2を再利用するとき、および画像処理装置2の動作テストをするときなどに、接続する記憶装置3を変更する際の設定変更を容易にすることができる。
【0211】
なお、本実施形態は、以上に述べた実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。
【符号の説明】
【0212】
100 遊技機
1 制御部
2 画像処理装置
3 記憶装置
4 表示装置
200 コンピュータ装置
201 制御装置
202 記憶装置
203 読書装置
204 記録媒体
205 通信I/F
206 入出力I/F
207 入力装置
208 表示装置
209 ネットワーク
210 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4