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特開2024-4381通関支援装置、通関支援方法、および通関支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004381
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】通関支援装置、通関支援方法、および通関支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20240109BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104022
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大神 康義
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】荷主の異なる貨物の混載取引において、NACCS連携、混載業者への資料提示や請求書作成等の業務の簡素化を図ることが可能な通関支援装置、通関支援方法、および通関支援プログラムを提供する。
【解決手段】本実施形態の通関支援装置は、1つの輸入混載取引に対し、I/I番号を含む輸入品の情報を格納する輸入データと、前記I/I番号と、コンテナ番号とを格納する輸入コンテナデータと、前記1つの輸入混載取引に含まれる荷主毎に、前記I/I番号、前記コンテナ番号、ハウスB/L番号、および輸入者情報を含む混載情報を格納する輸入混載データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記輸入データ、前記輸入コンテナデータおよび前記輸入混載データに基づき、混載されている荷主毎のハウスB/L貨物情報を作成するハウスB/L貨物情報作成部、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える通関支援装置であって、
1つの輸入混載取引に対し、I/I番号、マスタB/L番号、および混載業者情報を含む輸入品の情報を格納する輸入データと、
前記I/I番号と、コンテナ番号とを格納する輸入コンテナデータと、
前記1つの輸入混載取引に含まれる荷主毎に、前記I/I番号、前記コンテナ番号、ハウスB/L番号、および輸入者情報を含む混載情報を格納する輸入混載データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記輸入データ、前記輸入コンテナデータおよび前記輸入混載データに基づき、混載されている荷主毎のハウスB/L貨物情報を作成するハウスB/L貨物情報作成部、
を備えることを特徴とする通関支援装置。
【請求項2】
1つの輸出混載取引に対し、S/I番号、マスタB/L番号、および混載業者情報を含む輸出品の情報を格納する輸出データと、
前記S/I番号と、コンテナ番号とを格納する輸出コンテナデータと、
前記1つの輸出混載取引に含まれる荷主毎に、前記S/I番号、前記コンテナ番号、ハウスB/L番号、および輸出者情報を含む混載情報を格納する輸出混載データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記輸出データ、前記輸出コンテナデータおよび前記輸出混載データに基づき、前記コンテナ番号毎に収容する貨物情報を明示する輸出貨物混載実績データを作成する混載実績データ作成部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の通関支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記輸出データ、前記輸出コンテナデータおよび前記輸出混載データに基づき、ACL情報を作成するACL情報作成部、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の通関支援装置。
【請求項4】
前記制御部は、
1つの混載取引毎に請求書を作成する請求書作成部、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の通関支援装置。
【請求項5】
制御部を備える通関支援装置で実行される通関支援方法であって、
1つの輸入混載取引に対し、I/I番号、マスタB/L番号、および混載業者情報を含む輸入品の情報を格納する輸入データと、
前記I/I番号と、コンテナ番号とを格納する輸入コンテナデータと、
前記1つの輸入混載取引に含まれる荷主毎に、前記I/I番号、前記コンテナ番号、ハウスB/L番号、および輸入者情報を含む混載情報を格納する輸入混載データと、
にアクセス可能であり、
前記輸入データ、前記輸入コンテナデータおよび前記輸入混載データに基づき、混載されている荷主毎のハウスB/L貨物情報を作成するハウスB/L貨物情報作成ステップ、
を含むことを特徴とする通関支援方法。
【請求項6】
制御部を備える通関支援装置で実行される通関支援プログラムであって、
1つの輸入混載取引に対し、I/I番号、マスタB/L番号、および混載業者情報を含む輸入品の情報を格納する輸入データと、
前記I/I番号と、コンテナ番号とを格納する輸入コンテナデータと、
前記1つの輸入混載取引に含まれる荷主毎に、前記I/I番号、前記コンテナ番号、ハウスB/L番号、および輸入者情報を含む混載情報を格納する輸入混載データと、
にアクセス可能であり、
前記輸入データ、前記輸入コンテナデータおよび前記輸入混載データに基づき、混載されている荷主毎のハウスB/L貨物情報を作成するハウスB/L貨物情報作成ステップ、
を実行することを特徴とする通関支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通関支援装置、通関支援方法、および通関支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
海上輸送により輸出入を行う場合、輸出入業者は、通常、所定の大きさのコンテナに貨物を詰めて、輸出入を行っている。近年、ロットの小口化が進み、貨物を満載したコンテナ単位での取引が難しいことも多く、また、短納期の要求から、割高になっても小口で輸出入することも多い。このような小口貨物では、複数の荷主の貨物を混載した混載取引が行われている。
【0003】
混載業者からの混載取引を受注した港湾業者は、混載取引の荷主毎に輸出入の書類を作成する必要があるため、1つの混載取引に対し、荷主毎の受注処理や、NACCS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System)連携を行うことが必要であった。また、当該混載取引の混載業者への資料提示や請求書作成時には、混載取引に含まれる荷主毎の受注を束ねて行う必要があり、作業に手間と時間を要していた。
【0004】
特許文献1には、港湾貨物取引の基礎的情報を蓄積する基礎情報格納手段、港湾貨物取引の付加的情報を蓄積する付加情報格納手段、および付加的情報を基礎的情報に関連付ける関連テーブルを備えた取引情報データベースと、港湾貨物取引の所定項目を管理情報出力命令に従って管理情報として抽出する管理情報抽出手段と、管理情報を出力する出力部と、基礎的情報の入力に伴い付加的情報が逐次入力されるとともに、管理情報出力命令が入力される入力部とを有する貿易業務支援装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-106400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の装置は、荷主が異なる複数の貨物を混載する混載取引に係るものではなく、混載取引に含まれる荷主毎の受注処理、NACCS連携、混載業者への資料提示や請求については何ら考慮されていない。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、荷主の異なる貨物の混載取引において、NACCS連携、混載業者への資料提示や請求書作成等の業務の簡素化を図ることが可能な通関支援装置、通関支援方法、および通関支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る通関支援装置は、制御部を備える通関支援装置であって、1つの輸入混載取引に対し、I/I番号、マスタB/L番号、および混載業者情報を含む輸入品の情報を格納する輸入データと、前記I/I番号と、コンテナ番号とを格納する輸入コンテナデータと、前記1つの輸入混載取引に含まれる荷主毎に、前記I/I番号、前記コンテナ番号、ハウスB/L番号、および輸入者情報を含む混載情報を格納する輸入混載データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記輸入データ、前記輸入コンテナデータおよび前記輸入混載データに基づき、混載されている荷主毎のハウスB/L貨物情報を作成するハウスB/L貨物情報作成部、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る通関支援装置は、1つの輸出混載取引に対し、S/I番号、マスタB/L番号、および混載業者情報を含む輸出品の情報を格納する輸出データと、前記S/I番号と、コンテナ番号とを格納する輸出コンテナデータと、前記1つの輸出混載取引に含まれる荷主毎に、前記S/I番号、前記コンテナ番号、ハウスB/L番号、および輸出者情報を含む混載情報を格納する輸出混載データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記輸出データ、前記輸出コンテナデータおよび前記輸出混載データに基づき、前記コンテナ番号毎に収容する貨物情報を明示する輸出貨物混載実績データを作成する混載実績データ作成部、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る通関支援装置は、前記制御部は、前記輸出データ、前記輸出コンテナデータおよび前記輸出混載データに基づき、ACL情報を作成するACL情報作成部、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る通関支援装置は、前記制御部は、1つの混載取引毎に請求書を作成する請求書作成部、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る通関支援方法は、制御部を備える通関支援装置で実行される通関支援方法であって、1つの輸入混載取引に対し、I/I番号、マスタB/L番号、および混載業者情報を含む輸入品の情報を格納する輸入データと、前記I/I番号と、コンテナ番号とを格納する輸入コンテナデータと、前記1つの輸入混載取引に含まれる荷主毎に、前記I/I番号、前記コンテナ番号、ハウスB/L番号、および輸入者情報を含む混載情報を格納する輸入混載データと、にアクセス可能であり、前記輸入データ、前記輸入コンテナデータおよび前記輸入混載データに基づき、混載されている荷主毎のハウスB/L貨物情報を作成するハウスB/L貨物情報作成ステップ、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る通関支援プログラムは、制御部を備える通関支援装置で実行される通関支援プログラムであって、1つの輸入混載取引に対し、I/I番号、マスタB/L番号、および混載業者情報を含む輸入品の情報を格納する輸入データと、前記I/I番号と、コンテナ番号とを格納する輸入コンテナデータと、前記1つの輸入混載取引に含まれる荷主毎に、前記I/I番号、前記コンテナ番号、ハウスB/L番号、および輸入者情報を含む混載情報を格納する輸入混載データと、にアクセス可能であり、前記輸入データ、前記輸入コンテナデータおよび前記輸入混載データに基づき、混載されている荷主毎のハウスB/L貨物情報を作成するハウスB/L貨物情報作成ステップ、を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、NACCS連携、混載業者への資料提示や請求書作成等の業務の簡素化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施の形態に係る通関支援装置100の構成の一例を示す図である。
図2図2は、通常取引と混載取引の例を説明する図である。
図3図3は、輸入データ106aの一例を示す図である。
図4図4は、輸入コンテナデータ106bの一例を示す図である。
図5図5は、輸入混載データ106cの一例を示す図である。
図6図6は、ハウスB/L貨物データ106dの一例を示す図である。
図7図7は、輸出データ106eの一例を示す図である。
図8図8は、輸出コンテナデータ106fの一例を示す図である。
図9図9は、輸入混載データ106gの一例を示す図である。
図10図10は、ACLデータ106hの一例を示す図である。
図11図11は、ACL事項データ106iの一例を示す図である。
図12図12は、輸出貨物混載次席データ106jの一例を示す図である。
図13図13は、請求ヘッダデータ106kの一例を示す図である。
図14図14は、請求明細データの一例106lを示す図である。
図15図15は、I/I入力画面MAの一例を示す図である。
図16図16は、混載詳細入力画面MA-4’の一例を示す図である。
図17図17は、S/I入力画面MBの一例を示す図である。
図18図18は、混載詳細画面MB-4’の一例を示す図である。
図19図19は、輸出船積事項登録画面MCの一例を示す図である。
図20図20は、請求入力画面MD(輸入)の一例を示す図である。
図21図21は、請求入力画面ME(輸出)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る通関支援装置、通関支援方法、および通関支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
[1.構成]
本実施形態に係る通関支援装置の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る通関支援装置100の構成の一例を示す図である。
【0018】
通関支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、通関支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0019】
通関支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。通関支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、通関支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、通関支援装置100とサーバ装置200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ装置200に格納されてもよい。
【0021】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0022】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0023】
記憶部106は、例えば、輸入データ106aと、輸入コンテナデータ106bと、輸入混載データ106cと、ハウスB/L貨物データ106dと、輸出データ106eと、輸出コンテナデータ106fと、輸出混載データ106gと、ACLデータ106hと、ACL事項データ106iと、輸出貨物混載実績データ106jと、請求ヘッダデータ106kと、請求明細データ106lと、等が格納されている。
【0024】
輸入データ106aには、図3に一例を示すように、1つの輸入混載取引毎に、I/I番号、マスタB/L番号、請求先コード、請求先名、輸出者コード、輸出者名、輸入者コード、輸入者名、荷受地、最終仕向地、代表品名、外装個数、重量、容積が格納されている。1つの輸入混載取引には、複数の荷主(輸入者)の貨物が混載されるが、輸入者名は代表する1社が格納され、代表品名は当該荷主の貨物名となる。
【0025】
輸入コンテナデータ106bには、図4に一例を示すように、I/I番号、コンテナNo.が格納されている。輸入コンテナデータ106bにより、1つの輸入混載取引に含まれるコンテナがI/I番号により紐付けられて記憶される。
【0026】
輸入混載データ106cには、図5に一例を示すように、1つの混載取引に含まれる荷主毎に、I/I番号、コンテナNo.、ハウスB/L番号、輸出者コード、輸出者名、輸入者コード、輸入者名、代表品名、外装個数、重量、容積、ShippingMarks、ハウス予約番号等が格納されている。
【0027】
ハウスB/L貨物データ106dには、NACCSのNVC01に連携するデータ、すなわち図6に一例を示すように、輸入混載取引のI/I番号、マスタB/L番号と、当該輸入混載取引に含まれる荷主毎にハウスB/L番号、荷受地、最終仕向地、輸出者名、輸入者名、ShippingMarks、外装個数、重量、容積のデータが格納されている。
【0028】
輸出データ106eには、図7に一例を示すように、1つの輸出混載取引毎に、S/I番号、マスタB/L番号、請求先コード、請求先名、輸出者コード、輸出者名、輸入者コード、輸入者名、荷受地、積出港、代表品名、外装個数、重量、容積が格納されている。1つの輸入混載取引には、複数の荷主(輸出者)の貨物が混載されるが、輸出者名は代表する1社が格納され、代表品名は当該荷主の貨物名となる。
【0029】
輸出コンテナデータ106fには、図8に一例を示すように、S/I番号、コンテナNo.が格納されている。輸出コンテナデータ106fにより、1つの輸出混載取引に含まれるコンテナがS/I番号により紐付けられて記憶される。
【0030】
輸出混載データ106gには、図9に一例を示すように、1つの混載取引に含まれる荷主毎に、S/I番号、コンテナNo.ハウスB/L番号、輸出者コード、輸出者名、輸入者コード、輸入者名、代表品名、外装個数、重量、容積、ShippingMarks、ハウス予約番号が格納されている。
【0031】
ACLデータ106hには、図10に一例を示すように、NACCSのACL01に連携するデータ、例えば、輸出混載取引の船積事項番号、S/I番号、マスタB/L番号、輸出者コード、輸出者名、輸入者コード、輸入者名、荷受地、積出港、代表品名、外装個数、重量、容積、船会社、予約番号、船名等が格納されている。
【0032】
ACL事項データ106iには、図11に一例を示すように、船積事項番号とコンテナNo.が紐付けられて格納される。
【0033】
輸出貨物混載実績データ106jは、混載業者への報告用のデータであり、輸出混載取引に含まれる複数の荷主の貨物が、どのコンテナに収容されているかを示すものである。輸出貨物混載実績データ106jには、図12に一例を示すように、コンテナNo.毎に、S/I番号、船名、当該コンテナに収容される貨物の予約番号、ShippingMarks、品名、重量、容積等が格納されている。
【0034】
請求ヘッダデータ106kには、図13に一例を示すように、請求番号、I/I番号、請求先コード、請求先名、代表品名、外装個数、容積等が格納されている。図13は、輸入混載取引に係る請求ヘッダデータ106kであるためI/I番号が格納されるが、輸出混載取引の請求ヘッダデータ106kでは、I/I番号にかえてS/I番号が格納される。
【0035】
請求明細データ106lは、図14に一例を示すように、請求項目ごとに、数量、単価、金額が格納される。
【0036】
制御部102は、通関支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0037】
制御部102は、機能概念的に、ハウスB/L貨物データ作成部102a、ACLデータ作成部102b、輸出貨物混載実績データ作成部102c、請求書作成部102dなどを備える。
【0038】
ハウスB/L貨物データ作成部102aは、輸出データ106a、輸出コンテナデータ106bおよび輸出混載データ106cに基づき、図6に一例を示すハウスB/L貨物データ106dを作成する。ハウスB/L貨物データ106dに基づき、NACCSに対しハウスB/L貨物情報登録(NVC01)が行われる。
【0039】
ACLデータ作成部102bは、輸出データ106e、輸出コンテナデータ106fおよび輸出混載データ106gに基づき、図10に一例を示すように、ACL情報106hおよびACL事項データ106iを作成する。ACL情報106hおよびACL事項データ106iに基づき、NACCSに対しACL情報登録(ACL01)が行われる。
【0040】
輸出貨物混載実績データ作成部102cは、輸出データ106e、輸出コンテナデータ106fおよび輸出混載データ106gに基づき、図12に一例を示す輸出貨物混載実績データ106jを作成する。
【0041】
請求書作成部102dは、1つの混載取引毎に請求書、すなわち請求ヘッダデータ106kおよび請求明細データ106lを作成する。
【0042】
[2.処理]
ここでは、通関支援装置100で実行される処理の具体例について、図2~21を参照して説明する。
【0043】
図2は、通常取引と混載取引の例を説明する図である。図2(a)に示すように、通常取引では、輸出者または輸入者から直接港湾業者に輸出入取引が依頼されるか、あるいは、商社を通して依頼され、単独の荷主から1件の輸出入の依頼であるため、受注処理、NACCSとの連携、請求も1つの処理となる。混載取引では、図2(b)に示すように、複数の輸出者、または複数の輸入者を混載業者が取りまとめて港湾業者に輸出入を依頼するため、受注した港湾業者は、1つの混載業者からの受注に対し、混載取引に含まれる荷主毎に受注処理、NACCSとの連携を行い、請求書は混載業者に対し行うため、混載取引に含まれる受注を取りまとめて1つの請求書に取りまとめており、処理に時間と手間を要していた。
【0044】
本実施の形態では、1つの輸入混載取引または輸出混載取引の受注データに、当該取引に含まれる複数の輸入混載データまたは輸出混載データを、I/I番号またはS/I番号等により紐付け、NACCS連携、混載業者への資料提示や請求書作成等の業務の簡素化を図ることができる。
【0045】
オペレータは、輸入混載取引を受注した際、I/I入力画面MAにより輸入混載取引に係る情報を入力する。図15は、I/I入力画面MAの一例を示す図である。I/I入力画面MAは、輸入混載取引の受注を受け付ける画面であり、基本情報入力画面MA-1、貨物情報入力画面MA-2、コンテナ情報入力画面MA-3、混載情報入力画面MA-4からなる。なお、情報の入力は、手作業で情報を入力するほか、混載業者から輸出者が作成した輸入混載情報のCSVデータを入手し、当該データより自動入力させてもよい。
【0046】
基本情報入力画面MA-1は、I/I番号、マスタB/L番号、請求先、輸入者(荷主)、輸出者、荷受地、最終仕向地等の情報を入力する画面である。請求先は混載業者であり、輸入者、輸出者は代表を記載する。貨物情報入力画面MA-2は、混載取引の代表品名、外装個数、重量、容積等を入力する画面である。コンテナ情報入力画面MA-3は、コンテナNo.、シールNo.、各コンテナに収容される貨物の外装個数、重量、容積等を入力する画面である。混載情報入力画面MA-4は、ハウスB/L番号、最終仕向地、外装個数、重量、輸入業者等を入力する画面である。なお、混載情報は、混載詳細入力画面MA-4’を介してさらに情報が入力される。図16は、混載詳細入力画面MA-4’の一例を示す図であり、図15の混載情報入力画面MA-4のハウスB/L番号H0256868の詳細情報である。混載詳細入力画面MA-4’では、コンテナN0.、ハウス予約番号、最終仕向地、荷受地、代表品名、容積、ShippinngMarks等を入力する。異なるハウスB/L番号の貨物についても、混載情報入力画面MA-4でダブルクリックにより選択することで混載詳細入力画面を展開し、情報を入力する。
【0047】
I/I入力画面MAにより、受注した輸入混載取引の基本情報、貨物情報、コンテナ情報、混載情報を入力することにより、輸入混載取引の輸入データ106a、輸出コンテナデータ106bおよび輸出混載データ106cが作成され、記憶部106に格納される。輸入混載取引の輸入データ106a、輸入コンテナデータ106bおよび輸入混載データ106cでは、輸入混載取引に付されるI/I番号、荷主毎に付されるハウスB/L番号、およびコンテナNO.を紐付けて格納するため、I/I番号の入力のみで当該輸入混載取引に含まれる複数の貨物のハウスB/L貨物情報の出力が可能となる。
【0048】
I/I入力画面MAの入力後、当該輸入混載取引の通関処理が可能となる。輸入混載取引のハウスB/L貨物情報登録(NVC01)では、1つの輸入混載取引に付与するI/I番号を入力することにより、図6に示すハウスB/L貨物情報106dを出力し、NACCSに登録することができる。1つの輸入混載取引に付与するI/I番号の入力のみで、当該輸入混載取引に含まれる複数の貨物のハウスB/L貨物情報を一体として出力するため、当該作業の効率化が可能となる。
【0049】
一方、オペレータは、輸出混載取引を受注した際、S/I入力画面MBにより輸出混載取引に係る情報を入力する。図17は、S/I入力画面MBの一例を示す図である。S/I入力画面MAは、輸出混載取引の受注を受け付ける画面であり、基本情報入力画面MB-1、貨物情報入力画面MB-2、コンテナ情報入力画面MB-3、混載情報入力画面MB-4からなる。
【0050】
基本情報入力画面MB-1は、S/I番号、マスタB/L番号、請求先、輸出者(荷主)、輸出者、荷受地、積出港等の情報を入力する画面である。請求先は混載業者であり、輸出者、輸入者は代表を記載する。貨物情報入力画面MB-2は、混載取引の代表品名、外装個数、重量、容積等を入力する画面である。コンテナ情報入力画面MB-3は、コンテナNo.、シールNo.、各コンテナに収容される貨物の外装個数、重量、容積等を入力する画面である。混載情報入力画面MB-4は、コンテナNo.、ハウスB/L番号、代表品名、外装個数、重量等を入力する画面である。なお、混載情報は、混載詳細入力画面MB-4’を介してさらに情報が入力される。図18は、混載詳細入力画面MB-4’の一例を示す図であり、図17の混載情報入力画面MB-4のハウスB/L番号H0256868の詳細情報である。混載詳細入力画面MB-4’では、ハウス予約番号、輸出者、輸入者、容積、ShippinngMarks等を入力する。異なるハウスB/L番号の貨物についても、混載情報入力画面MB-4でダブルクリックにより選択することで混載詳細入力画面を展開し、情報を入力する。
【0051】
S/I入力画面MBにより、受注した輸出混載取引の基本情報、貨物情報、コンテナ情報、混載情報を入力することにより、輸出混載取引の輸出データ106e、輸出コンテナデータ106fおよび輸出混載データ106gが作成され、記憶部106に格納される。輸出混載取引の輸出データ106e、輸出コンテナデータ106fおよび輸出混載データ106gでは、輸出混載取引に付されるS/I番号、荷主毎に付されるハウスB/L番号、およびコンテナNO.を紐付けて格納するため、S/I番号の入力のみで当該輸出混載取引に含まれる複数の貨物の輸出貨物混載実績データ106jの出力が可能となる。
【0052】
S/I入力画面MBの入力後、当該輸出混載取引の通関処理が可能となる。図19は、輸出船積事項登録画面MCの一例を示す図である。輸出船積事項登録画面MCは、NACCSへの船積事項登録(ACL01)を行うための画面であり、共通部A(MC-1)、共通部B(MC-2)、繰返部(MC-3)からなる。共通部A(MC-1)は、船積事項No,、S/I番号、マスタB/L番号、輸出者(荷主)、輸入者、荷受地、積出港、船会社、予約番号、船名等を入力する画面である。共通部B(MC-2)は、代表品名、外装個数、重量、容積等の情報を入寮する画面である。繰り返し部(MC-3)は、コンテナNo.,シールNO.,外装個数、重量、容積等を入力する画面である。船積番号を入力することにより、船積事項No.,船会社等の情報以外は、輸出データ106e、輸出コンテナデータ106fを参照して自動入力される。輸出船積事項登録画面MCへの入力により、図10に示すACLデータ106h、図11に示すACL事項データ106iが作成される。ACLデータ106hおよびACL事項データ106iの作成により、NACCSへの連携が可能となる。
【0053】
また、輸出貨物混載実績データ作成部102cは、オペレータのS/I番号入力により、輸出混載取引に含まれる貨物の混載状況を示す輸出貨物混載実績データ106jを出力する。1つの輸出混載取引に付与するS/I番号の入力のみで、当該輸出混載取引に含まれる複数の貨物のコンテナへの混載実績を一体として出力するため、当該作業の効率化が可能となる。
【0054】
さらに、通関業務終了後、請求書作成部102dは、オペレータのI/I番号、またはS/I番号入力により請求書を作成する。図20は、請求入力画面MD(輸入)の一例を示す図であり、図21は、請求入力画面ME(輸出)の一例を示す図である。請求入力画面MDは、請求書作成を受け付ける画面であり、基本情報入力画面MD-1、明細情報入力画面MD-2からなる。請求入力画面MEも、請求入力画面MDと同様の構成である。
【0055】
基本情報入力画面MD-1は、請求番号、I/I番号、請求先、代表品名、外装個数、重量、容積等の情報を入力する画面である。I/I番号の入力により他の項目は、輸入データ106a等を参照し、自動入力される。明細情報は、請求項目、数量、単価、金額等の情報を入力する画面である。請求入力画面MDにより、輸入混載取引の請求ヘッダデータ106k、106lが作成され、記憶部106に格納される。
【0056】
基本情報入力画面ME-1は、請求番号、S/I番号、請求先、代表品名、外装個数、重量、容積等の情報を入力する画面である。S/I番号の入力により他の項目は、輸出データ106e等を参照し、自動入力される。明細情報は、請求項目、数量、単価、金額等の情報を入力する画面である。請求入力画面MEにより、輸出混載取引の請求ヘッダデータ106k、106lが作成され、記憶部106に格納される。
【0057】
請求書作成の際、I/I番号またはS/I番号の入力で、1つの輸入混載取引または輸出混載取引の請求書を作成するため、荷主毎の請求書の発行、およびその取りまとめの手間を削減することができる。
【0058】
以上、本実施の形態によれば、混載取引において、I/I番号またはS/I番号と、当該混載取引に含まれる貨物のコンテナNo.、およびハウスB/L番号等を紐づけてデータを格納するため、通関、報告、請求の際に必要な書類を最小限の作業で出力可能であり、業務の簡素化を図ることができる。
【0059】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0062】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0063】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0064】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0065】
また、通関支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0066】
例えば、通関支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて通関支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0067】
また、このコンピュータプログラムは、通関支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0068】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0069】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0070】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0071】
また、通関支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、通関支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0072】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、特に、通関業において有用である。
【符号の説明】
【0074】
100 通関支援装置
102 制御部
102a ハウスB/Lデータ作成部
102b ACLデータ作成部
102c 輸出貨物混載実績データ作成部
102d 請求書作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 輸入データ
106b 輸入コンテナデータ
106c 輸入混載データ
106d ハウスB/L貨物データ
106e 輸出データ
106f 輸出コンテナデータ
106g 輸出混載データ
106h ACLデータ
106i ACL事項データ
106j 輸出貨物混載実績データ
106k 請求ヘッダデータ
106l 請求明細データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
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