(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043811
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】枚数計測装置
(51)【国際特許分類】
G06M 9/00 20060101AFI20240326BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G06M9/00 Z
G06K7/10 264
G06K7/10 144
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149010
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀井 正勝
(72)【発明者】
【氏名】高梨 将秀
(57)【要約】
【課題】主に、手動操作による再計測の手間の一部を軽減する。
【解決手段】
枚数計測装置1は、RFIDタグ41が設けられた紙葉類2を複数枚重ねてセットするセット部11と、セット部11にセットされた紙葉類2の枚数12をカウントするカウント部13と、紙葉類2の枚数12を表示する表示部14と、カウントした紙葉類2の枚数12を表示部14に表示させる制御部15と、RFIDタグ41を読み取るRFIDリーダ部42と、を備える。
制御部15は、RFIDリーダ部42で読み取ったRFIDタグ41の読取数43がカウント部13でカウントした紙葉類2のカウント数19と一致しているか否かを判定する枚数判定部44を有する。
制御部15は、RFIDタグ41の読取数43と枚数判定部44の判定結果45との少なくとも一方を表示部14に表示させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグが設けられた紙葉類を複数枚重ねてセットするセット部と、
前記セット部に重ねてセットされた前記紙葉類の枚数をカウントするカウント部と、
少なくとも前記紙葉類の枚数を表示する表示部と、
カウントした前記紙葉類の枚数を前記表示部に表示させる制御部と、
前記RFIDタグを読み取るRFIDリーダ部と、
を備え、
前記制御部は、前記RFIDリーダ部で読み取った前記RFIDタグの読取数が前記カウント部でカウントした前記紙葉類のカウント数と一致しているか否かを判定する枚数判定部を有し、
前記RFIDタグの前記読取数と前記枚数判定部の判定結果との少なくとも一方を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする枚数計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の枚数計測装置であって、
前記制御部は、前記RFIDリーダ部で読み取った前記RFIDタグの前記読取数と、前記カウント部でカウントした前記紙葉類の前記カウント数とが不一致の場合に、再計測を行うリトライ部を有することを特徴とする枚数計測装置。
【請求項3】
請求項2に記載の枚数計測装置であって、
前記制御部は、リトライの回数を設定可能な回数設定部を有し、
前記リトライ部は、前記回数設定部に設定した回数までの再計測を行うことを特徴とする枚数計測装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の枚数計測装置であって、
前記カウント部は、重ねてセットされた前記紙葉類にエアを吹き付けて前記紙葉類の間に隙間を形成する隙間形成部を有し、
前記隙間形成部は、前記リトライ部による再計測の際に、前記紙葉類に対する、前記エアの吹き付け量を多くするか、または、前記エアの吹き付け時間を長くすることを特徴とする枚数計測装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の枚数計測装置であって、
前記制御部は、前記RFIDタグのデータを前記表示部に表示させることを特徴とする枚数計測装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の枚数計測装置であって、
前記制御部は、前記RFIDタグのデータを外部へ出力する外部出力部を有することを特徴とする枚数計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、枚数計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙葉類の枚数を計測する枚数計測装置が存在している(例えば、特許文献1参照)。枚数計測装置は、複数枚重ねた紙葉類の枚数を計測する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
枚数計測装置は、大量の紙葉類の枚数を短時間で正確に計測する用途に使われることが多く、間違いがないように、ユーザは、確信が持てるまで枚数計測装置で何度も計測を繰り返す(または、再計測を行う)ことが多かった。そのため、手動操作で計測を繰り返し行うのに手間がかかっていた。そのため、手動操作で再計測を繰り返し行う手間の少なくとも一部でも軽減したいという要望があった。
【0005】
そこで、本発明は、かかる課題の解消に寄与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に対して、本発明は、
RFIDタグが設けられた紙葉類を複数枚重ねてセットするセット部と、
前記セット部に重ねてセットされた前記紙葉類の枚数をカウントするカウント部と、
少なくとも前記紙葉類の枚数を表示する表示部と、
カウントした前記紙葉類の枚数を前記表示部に表示させる制御部と、
前記RFIDタグを読み取るRFIDリーダ部と、
を備え、
前記制御部は、前記RFIDリーダ部で読み取った前記RFIDタグの読取数が前記カウント部でカウントした前記紙葉類のカウント数と一致しているか否かを判定する枚数判定部を有し、
前記RFIDタグの前記読取数と前記枚数判定部の判定結果との少なくとも一方を前記表示部に表示させる枚数計測装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上記構成によって、ユーザが手動操作によって再計測を繰り返し行う手間の少なくとも一部を軽減することなどができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例にかかる枚数計測装置の外観図である。このうち、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【
図2】(a)は
図1の枚数計測装置の正面図、(b)は(a)のA部の拡大図、(c)は(a)のB-B線に沿った水平断面図である。
【
図3A】複数枚重ねた紙葉類(RFIDタグ)の側面図である。
【
図4】
図1の枚数計測装置における、表示部の表示例である。(a)は一致した場合の正常画面、(b)は不一致の場合のエラー画面(警告表示)である。
【
図6】枚数計測装置の作動を示すフローチャートである。
【
図7】枚数計測装置の変形例の外観図である。このうち、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施の形態の実施例は、
図1~
図7を用いて詳細に説明される。
【実施例0010】
<構成>この実施例の構成は、以下の通りである。
【0011】
図1、
図2に示すような枚数計測装置1が設けられる。枚数計測装置1は、
図3Aに示すような紙葉類2を複数枚重ねた状態で計測する装置である。枚数計測装置1は、例えば、水平な台の上に置いて使用される。
【0012】
ここで、本実施例における方向は、以下のように規定される。ユーザが枚数計測装置1に向かった状態を基準として、直交する三方向が、上下方向3、左右方向4、前後方向5に設定される。上下方向3は、真上と真下とを結ぶ鉛直な方向である。左右方向4は、枚数計測装置1に向かって左側と右側とを結ぶ水平な方向である。前後方向5は、枚数計測装置1に向かって手前側と奥側とを結ぶ水平な方向である。また、複数枚の紙葉類2を重ねる方向が、紙葉類2の積層方向6となる。
【0013】
枚数計測装置1は、
紙葉類2を複数枚重ねてセットするセット部11と、
セット部11に重ねてセットされた紙葉類2の枚数12(
図4)をカウントするカウント部13と、
少なくとも紙葉類2の枚数12を表示する表示部14と、
カウントした紙葉類2の枚数12を表示部14に表示させる制御部15(
図5)と、を備える。
【0014】
ここで、枚数計測装置1は、大量の紙葉類2の枚数12を短時間で正確に計測する装置(または枚数計)である。
【0015】
枚数計測装置1の本体は、例えば、台座部16と、立上部17と、操作部18とを有している。
【0016】
台座部16は、枚数計測装置1のベースとなる下側の平たい箱型の部分であり、水平な台の上に置かれる。台座部16には、持ち手16aなどが設けられている。
【0017】
立上部17は、台座部16の奥側の部分の上に設置されて、上に延びる縦長の中間の部分である。
【0018】
操作部18は、立上部17の上端に設けられた横長の部分である。操作部18は、操作し易いように、手前側の面(手前面18aまたは操作面)が、手前側に向かって下り勾配となる傾斜面とされている。ただし、枚数計測装置1の本体の構成は、上記に限るものではない。
【0019】
紙葉類2(
図3A)は、紙状の計測対象物である。紙葉類2は、例えば、平らな状態であっても、折り畳んだ状態であっても良い。
【0020】
セット部11は、複数枚の紙葉類2を重ねた状態で設置する部分である。セット部11に対する紙葉類2の積層方向6は上下方向3、左右方向4、前後方向5のいずれとしても良い。この実施例では、セット部11は、台座部16の手前側に設けられた水平な面とされている。セット部11に対し、紙葉類2は、水平な状態で上下方向3に積層してセットされる。
【0021】
紙葉類2の枚数12は、実際の紙葉類2の枚数12(実枚数)と、枚数計測装置1で計測した紙葉類2の枚数12(計測枚数)との、二つの意味がある。紙葉類2の枚数12は、主に、計測枚数を指す。計測枚数は、基本的に実枚数と一致する。
【0022】
表示部14には、枚数計測装置1で計測した紙葉類2の枚数12が表示される。
図4では、枚数計測装置1で計測した最終的な紙葉類2の枚数12(計測枚数)は、表示部14に、例えば、「トータルカウント」として表示される。
【0023】
カウント部13は、紙葉類2の枚数12を、物理的な手段などでカウントしたり、検知手段による検知によってカウントしたりする部分であり、枚数計測装置1の要部を構成する。カウント部13は、カウントした紙葉類2の枚数12を、カウント数19とする。カウント数19は、枚数計測装置1で計測した紙葉類2の枚数12(計測枚数)の一つとなる。カウント数19は、表示部14に表示される。カウント数19は、例えば、表示部14に、「枚数計カウント」として表示しても良いし、「トータルカウント」に表示しても良い。カウント数19は、「枚数計カウント」と「トータルカウント」との一方または両方に表示し得る。具体的な表示の仕方は、後述する。
【0024】
カウント部13は、例えば、接触式のものでも、非接触式のものでも良い。接触式のカウント部13は、物理的な手段を使用したものが多く、例えば、重ねた紙葉類2の一端側をローラなどで1枚ずつめくりながらカウントするものとしても良い。
【0025】
また、接触式のカウント部13は、例えば、重ねた紙葉類2をローラなどで1枚ずつ引き込みながらカウントし、カウント後に重ねた状態に戻すものとしても良い。
【0026】
図2に示すように、非接触式のカウント部13は、検知手段として検知部21を用いたものが多く、例えば、赤外線式の検知部21を有しても良い。赤外線式の検知部21は、重ねた紙葉類2の側面に、紙葉類2の積層方向6に沿って、光を投射し、その反射光を受光する。非接触式のカウント部13は、赤外線式の検知部21で検知した反射光の明暗の繰り返し回数で紙葉類2の枚数12をカウントするのに使われる。
【0027】
また、例えば、非接触式のカウント部13は、検知部21に超音波などを用いた超音波式のものなどとしても良い。
【0028】
この実施例では、カウント部13は、光電センサーなどの赤外線式の検知部21を用いた非接触式のものとなっている。赤外線式の検知部21は、投光部と受光部とを備えている。検知部21は、積層された紙葉類2の側面に向くように設置される。
【0029】
検知部21は、移動部22(
図5)によって紙葉類2の積層方向6に移動可能としても良い。移動部22は、例えば、シリンダや、リニアテーブルやその他のものなどを用いることができる。カウント部13を構成する検知部21、移動部22は、立上部17に設けられる。この際、検知部21は、前後方向5の手前側に向けられる。
【0030】
非接触式のカウント部13は、機械部分が少なくて済むので、枚数計測装置1の装置構成がコンパクトになり、また、計測の信頼性も高く、メンテナンスも容易となるので、接触式のカウント部13と比べて有利である。
【0031】
表示部14は、枚数計測装置1による計測の結果(または、計測結果)などを、
図4に示すような画面にして出力する画像出力装置である。計測結果としてのカウントした紙葉類2の枚数12は、上記したカウント数19(計測枚数)などとなる。
【0032】
表示部14は、例えば、少なくとも紙葉類2の枚数12を表示する表示パネルとしても良い。表示パネルは、例えば、液晶パネルや有機ELパネルやその他のものなどを使用することができる。この実施例では、表示部14は、操作部18の手前面18a(傾斜面)に設けられている。
【0033】
表示部14は、表面に透明な薄板状の入力装置24(
図5)を取付けてタッチパネルにしても良い。入力装置24は、枚数計測装置1に対して、各種の入力を行わせる部分となる。なお、枚数計測装置1は、同様の入力装置24として、キーボードやマウスなどのポインティングデバイスを接続できるようにしても良い。
【0034】
操作部18の手前面18aには、表示部14と並んで電源スイッチ25、開始ボタン26などが設けられている。電源スイッチ25は、枚数計測装置1の電源をON、FFするスイッチである。開始ボタン26は、枚数計測装置1に、紙葉類2の枚数12の計測を開始させるボタンである。
【0035】
枚数計測装置1は、開始ボタン26によって各種の処理を実行して紙葉類2の枚数12を自動的に計測する。そのため、枚数計測装置1は、セット部11に紙葉類2をセットし、電源スイッチ25をONにして開始ボタン26を押すだけで、自動的に紙葉類2の枚数12が計測されるものとなる。
【0036】
図5に示すように、制御部15は、枚数計測装置1を制御する部分である。制御部15は、例えば、CPUなどの演算制御装置と、メモリなどの記憶部31とを有するコンピュータなどを備える。
【0037】
制御部15は、記憶部31に記憶されたプログラムを演算制御装置が実行することによって、必要な機能部分を形成する。制御部15は、少なくとも、設定部32、実行部33、表示制御部34などを機能部分として有しても良い。
【0038】
制御部15には、電源スイッチ25、開始ボタン26、入力装置24からの信号が入力される。制御部15は、カウント部13との間で情報のやり取りを行う。
【0039】
記憶部31は、枚数計測装置1で使われるプログラムや、枚数計測装置1の各種の設定を記憶する部分である。記憶部31に記憶されたプログラムや設定は、必要に応じて呼び出され使用される。記憶部31は、プログラムの作業領域などを有しても良い。記憶部31は、枚数計測装置1の内部または外部に適宜設けられる。記憶部31は、ROM、RAM、ハードディスク、SSD(登録商標)などのような記憶媒体を少なくとも一つ以上用いて構成しても良い。
【0040】
設定部32は、枚数計測装置1の初期設定やその他の設定を行わせるための制御部15の機能部分である。設定部32は、入力装置24からの入力によって設定や設定変更を行う。設定部32の設定の内容は、記憶部31に記憶される。
【0041】
実行部33は、枚数計測装置1における各種の処理(主に、枚数12の計測に関する処理)を実行するための制御部15の機能部分である。実行部33は、記憶部31から読み込んだプログラム、および、設定部32に設定され、記憶部31に記憶された設定の内容に基づいて、枚数計測装置1を制御し処理を実行する。
【0042】
実行部33は、カウント部13に関する各種の処理を行うカウント処理部35を有している。カウント処理部35は、カウント部13との間で情報のやり取りを行って、カウント部13を制御したり、カウント部13からの信号を入力してカウント数19を求めたりする。
【0043】
表示制御部34は、表示部14に表示する画面を制御する制御部15の機能部分である。表示制御部34は、計測した紙葉類2の枚数12を表示させるための画面(運転画面)を、表示部14に表示させる。運転画面には、実行部33などで得られた計測結果などが表示される。
【0044】
また、表示制御部34は、例えば、枚数計測装置1の各種の設定を設定部32に入力するための画面(設定画面)を、表示部14に表示させる設定表示部36を有している。ユーザは、表示部14に表示された設定画面に基づいて、入力装置24で設定を入力する。設定部32に入力された設定の内容は、記憶部31に記憶され、必要に応じて、制御部15の各機能部分(例えば、実行部33など)で参照される。
【0045】
この実施例では、枚数計測装置1は、以下のような構成を備えても良い。
【0046】
(1)紙葉類2は、RFIDタグ41を設けたものとしても良い。
枚数計測装置1は、
RFIDタグ41を読み取るRFIDリーダ部42(
図3B)を備えても良い。
制御部15は、RFIDリーダ部42で読み取ったRFIDタグ41の読取数43がカウント部13でカウントした紙葉類2のカウント数19と一致しているか否かを判定する枚数判定部44を有しても良い。
制御部15は、RFIDタグ41の読取数43と枚数判定部44の判定結果45との少なくとも一方を表示部14に表示させても良い。
【0047】
ここで、RFID(Radio Frequency Identification)は、情報が書き込まれたRFIDタグ41と、電波などでワイヤレス通信して、情報の読み取りや書き換えをするシステムである。RFIDは、ワイヤレス通信によって、一定の範囲内にあるRFIDタグ41を一括して読み取ることができる。
【0048】
RFIDタグ41(
図3A)は、RFIDのシステムで使用されるタグであり、電子チップ41aとアンテナ部41bとを保護素材41cで覆ったものとされる。これにより、RFIDタグ41は薄いフィルム状となり、例えば、紙葉類2などに貼り付けることで、紙葉類2の一部として取り扱えるようになる。また、RFIDタグ41は、カード状などに形成することにより、それ自体で紙葉類2として取り扱えるようになる。
【0049】
RFIDリーダ部42は、RFIDタグ41に電波または磁界を照射して通信するための装置である。RFIDリーダ部42は、少なくともRFIDタグ41のデータ46を読み取る機能を有している。このようなRFIDリーダ部42は、例えば、カード状のRFIDタグ41を読み取るようにしたカードリーダなどとして普及しつつある。RFIDリーダ部42は、
図3Bに示すように、本体42aとアンテナ42bとを備えている。本体42aは、RFIDタグ41とワイヤレス通信を行う通信機器であり、アンテナ42bは、本体42aで発生した電波または磁界を照射する。本体42aとアンテナ42bとは、同軸ケーブルで接続されることにより、分離配置が可能となっている。
【0050】
この実施例では、RFIDリーダ部42のアンテナ42bは、ほぼ平板状に形成されて、台座部16の手前側の上部に水平な状態で横向きに設けられている。これにより、RFIDリーダ部42のアンテナ42bは、上面がセット部11にもなる。そして、RFIDタグ41は、RFIDリーダ部42のアンテナ42bの上に水平な状態で上下方向3に複数枚重ねて載置される。そして、アンテナ42bは、電波または磁界を、上下方向3の上側へ向けて照射する。
【0051】
なお、RFIDリーダ部42の本体42aは、枚数計測装置1に対し、外付けしても良いが、枚数計測装置1に内蔵(内部に設置)できるようにしても良い。RFIDリーダ部42の本体42aは、例えば、枚数計測装置1の台座部16に内蔵するのが好ましい。RFIDリーダ部42の本体42aは、例えば、USB(商標)の端子を有しており、この端子を使ってケーブルで枚数計測装置1の制御部15に接続される。RFIDリーダ部42の本体42aは、RFIDタグ41にデータ46を書き込むライタ部の機能をも有するRFIDリーダライタ部(またはカードリーダライタ)としても良い。
【0052】
制御部15は、実行部33にRFIDリーダ部42に関する各種の処理を行うRFIDリーダ処理部47を有している。RFIDリーダ処理部47は、RFIDリーダ部42との間で信号のやり取りを行って、RFIDリーダ部42を制御したり、RFIDリーダ部42で読取ったデータ46を入力して処理したりする。
【0053】
読取数43(
図4)は、RFIDリーダ部42で読取ったRFIDタグ41の数である。これにより、RFIDリーダ部42の読取数43は、枚数計測装置1で計測した紙葉類2の枚数12(計測枚数)の一つとなる。読取数43は、表示部14に表示しても良い。読取数43は、例えば、表示部14に、「RFIDリーダカウント」として表示しても良いし、「トータルカウント」に表示しても良い。読取数43は、「枚数計カウント」と「トータルカウント」との一方または両方に表示し得る。具体的な表示の仕方は、後述する。
【0054】
枚数判定部44は、実行部33のカウント処理部35で得られたカウント数19と、RFIDリーダ処理部47で得られた読取数43とを用いて、計測結果としての紙葉類2の枚数12を求める制御部15の機能部分である。
【0055】
計測結果は、例えば、カウント数19および読取数43の少ない方を紙葉類2の枚数12としても良い。または、計測結果は、例えば、カウント数19および読取数43の多い方を紙葉類2の枚数12としても良い。あるいは、計測結果は、例えば、カウント数19、読取数43のどちらか一方を紙葉類2の枚数12としても良い。この実施例では、表示部14は、カウント数19および読取数43の少ない方(「確認済み枚数」)を紙葉類2の枚数12として「トータルカウント」に表示するようにしている。
【0056】
加えて、枚数判定部44は、上記したカウント数19と読取数43とを比較して、カウント数19と読取数43とが一致しているか不一致であるかを判定して、判定結果45を求める。
【0057】
枚数判定部44の判定結果45は、例えば、一致(差異なし)、または、不一致(差異あり、即ち、計測エラー)などとなる。枚数判定部44の判定結果45は、表示制御部34に設けられた結果表示部48によって表示部14に表示される。
【0058】
なお、カウント数19と、読取数43と、計測結果としての紙葉類2の枚数12と、判定結果45のうちの少なくとも1つは、記憶部31に一時的に記憶しても良い。制御部15は、必要に応じて、記憶部31に記憶したカウント数19、読取数43、計測結果、判定結果45を参照することができる。
【0059】
結果表示部48は、判定結果45が一致の場合に、例えば、
図4(a)に示すように、カウントと読み取りとの両方が誤りなく行われたことを示す運転画面(正常画面45a)を表示部14に表示させることができる。
【0060】
結果表示部48は、判定結果45が不一致の場合に、例えば、
図4(b)に示すように、カウントと読み取りとの少なくとも一方に誤りがあること(計測エラー)を示す運転画面(エラー画面45b)を表示部14に表示させることができる。
【0061】
結果表示部48は、判定結果45を、表示部14に対してどのような仕方で表示させても良い。結果表示部48は、例えば、一致または不一致の旨を示す文字または数値や、一致または不一致を示す記号または図形や、一致または不一致を示す色彩49のうちの少なくとも一つで、表示部14に正常画面45aまたはエラー画面45bを表示させても良い。枚数計測装置1は、判定結果45をどのように表示させるかを、ユーザが設定部32にて設定できるようにしても良い。
【0062】
この実施例では、
図5(a)の正常画面45a、または、
図5(b)のエラー画面45bに対し、計測結果としての最終的な紙葉類2の枚数12は、上記したように、「トータルカウント」として表示部14に表示させている。
【0063】
そして、判定結果45は、少なくとも、一致または不一致を示す色彩49として、表示部14に表示させている。色彩49は、説明がなくても一致か不一致かを認識できるものを使用するのが好ましい。正常画面45aは、例えば、通常の画面色(例えば、白などの明色系の色)、または、緑や青などの安全を示す信号色(安全色49a)などを使うことで一致を示す色彩49にしても良い。
【0064】
また、表示部14は、最終的な計測結果と並べて、カウント数19(または「枚数計カウント」)と読取数43(または「RFIDリーダカウント」)の一方または両方を並べて表示することで、一致または不一致を数値で間接的に表示しても良い。
【0065】
この場合、カウント数19(「枚数計カウント」)と読取数43(「RFIDリーダカウント」)とが、互いに同じかどうか、および、これらの少なくともいずれかと計測結果(「トータルカウント」)とが一致するか不一致となるかが、判定結果45になる。あるいは、上記に代えて、または、加えて、表示部14は、差異を直接数値で示すようにしても良い。差異が0であれば、判定結果45は一致となり、差異が0以外であれば、判定結果45は不一致となる。
【0066】
なお、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられていない場合は、RFIDリーダ部42による読み取りは行われない。よって、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられていない場合は、表示部14には、少なくとも計測結果としてカウント数19が表示され、表示部14への読取数43(RFIDリーダカウント)の表示は行われない。紙葉類2にRFIDタグ41が設けられているかどうかは、枚数計測装置1に自動的に判別させても良いし、ユーザが設定できるようにしても良い。
【0067】
(2-1)枚数計測装置1では、制御部15は、再計測を行うリトライ部51を有しても良い。
【0068】
ここで、再計測は、枚数計測装置1による計測を再び行うことである。枚数計測装置1の計測は、紙葉類2の枚数12を求める処理のことであり、カウント部13による紙葉類2のカウントと、RFIDリーダ部42によるRFIDタグ41の読み取りとの少なくとも一方が含まれる。
【0069】
リトライ部51は、最初の計測の後に、枚数計測装置1に、自動的に再計測を行わせる制御部15の機能部分である。リトライ部51による再計測は、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられている場合も、RFIDタグ41が設けられていない場合も、共に可能としても良い。また、リトライ部51は、(判定結果45に拘わらず)強制的に再計測を行わせても良いし、判定結果45に応じて必要な場合(例えば、計測エラーの場合)のみに再計測を行わせても良い。この場合の判定結果45は、最初の計測のものでも、再計測のものでもどちらでも良い。
【0070】
そして、リトライ部51は、実行部33に再計測を行わせる。再計測の結果は、記憶部31に一時的に記憶しても良い。また、再計測の結果は、表示制御部34によって表示部14に表示させることができる。再計測の結果は、その都度表示させても良いし、必要なもののみを表示させても良い。
【0071】
なお、枚数計測装置1の構成的には、リトライ部51は、設けなくても良いが、設けるのが好ましい。リトライ部51を設けることで、枚数計測装置1は、自動的な再計測を行う機能(再計測機能)を有するものとなって機能が向上される。
【0072】
また、リトライ部51は、RFIDリーダ部42および枚数判定部44などのない、カウント部13によるカウント機能のみを有する枚数計測装置1に対して設けることも、構造的には可能である。
【0073】
(2-2)枚数計測装置1では、
制御部15は、RFIDリーダ部42で読み取ったRFIDタグ41の読取数43と、カウント部13でカウントした紙葉類2のカウント数19と、が不一致の場合に、再計測を行うリトライ部51を有しても良い。
【0074】
ここで、リトライ部51は、判定結果45が不一致となったときにのみ、実行部33に再計測を行わせることができる。再計測は、最初の計測の後に一回のみ行わせても良いし、判定結果45が一致するまで、何度も繰り返し行わせても良い。
【0075】
(2-3)枚数計測装置1では、
制御部15は、再計測の際に、リトライ部51に、カウント部13によるカウントと、RFIDリーダ部42によるRFIDタグ41の読み取りと、の少なくとも一方を自動的に行わせても良い。
【0076】
ここで、リトライ部51による再計測の際には、実行部33は、カウント部13によるカウントと、RFIDリーダ部42によるRFIDタグ41の読み取りとの両方を行わせても良い。これに対し、リトライ部51による再計測の際には、実行部33は、カウント部13によるカウントと、RFIDリーダ部42によるRFIDタグ41の読み取りとの一方のみを行わせても良い。一方のみを行わせる場合、他方の値は、記憶部31の記憶を参照する。この実施例では、リトライ部51は、カウントと読み取りとの両方を行わせるようにしている。
【0077】
(2-4)枚数計測装置1では、
制御部15は、リトライ部51による再計測で、読取数43と、カウント数19と、が不一致となった場合に、表示部14に、警告表示55(
図4)を行わせても良い。
【0078】
ここで、警告表示55は、表示部14の表示がエラー画面45bになっていることを、ユーザに積極的かつ確実に視認させるものである。警告表示55は、どのような表示としても良い。例えば、警告表示55は、上記したように、不一致を示す文字または数値や、不一致を示す記号または図形や、不一致を示す色彩49の少なくとも一つを、正常画面45aの場合よりも目立つように、強調して表示させても良い。
【0079】
具体的には、エラー画面45bの警告表示55は、例えば、文字、または数値、記号または図形などの表示内容を、通常よりも太くしたり、大きくしたりしても良い。エラー画面45bの警告表示55は、例えば、背景や、表示内容を、正常画面45aとは異なる色彩49にしても良い。例えば、エラー画面45bの警告表示55は、画面の背景を、赤やオレンジなどの危険を示す信号色(危険色49b)などの色彩49にしても良い。
【0080】
この実施例では、判定結果45が不一致となったときに、少なくとも、表示部14における、紙葉類2の枚数12などを表示する部分の背景色を、危険色49bにすることで警告表示55としている。警告表示55は、表示制御部34に設けられた結果表示部48によって表示部14に表示される。
【0081】
(3)枚数計測装置1では、制御部15は、リトライの回数を設定可能な回数設定部61を有しても良い。そして、リトライ部51は、回数設定部61に設定した回数までの再計測を行っても良い。
【0082】
ここで、リトライの回数は、最初の計測の後に再計測を行わせる回数のことである。リトライの回数は、実際に再計測が行われる回数としても良いし、再計測が可能な最大数(上限回数)としても良い。リトライの回数を実際に再計測が行われる回数とした場合、設定したリトライの回数の分だけ再計測が強制的に繰り返される。
【0083】
リトライの回数を最大数とした場合、設定したリトライの回数の範囲内であっても、終了条件が成立したときに再計測は中止される。この場合の再計測の終了条件は、ユーザが回数設定部61に設定することができる。再計測の終了条件は、例えば、RFIDタグ41の読取数43とカウント数19とが一致したときや、紙葉類2の枚数12の計測結果が、何回か繰り返し一致したときなどとする。この一致の回数は、終了条件の一つとして回数設定部61に設定することができる。
【0084】
リトライの回数は、0以上に設定することができる。例えば、リトライの回数を0に設定すると、再計測は行われない。リトライの回数を1に設定すると、再計測は1回まで行われる。リトライの回数をnに設定すると、再計測は最大でn回まで行われる。
【0085】
回数設定部61は、設定部32に設けられる。回数設定部61は、リトライの回数や、再計測の終了条件などの設定を行う。表示制御部34の設定表示部36は、リトライの回数などを設定するための設定画面を表示部14に表示させても良い。ユーザは、表示部14に表示された設定画面に従い、入力装置24を使って回数設定部61にリトライの回数などを設定できる。
【0086】
記憶部31は、回数設定部61に設定されたリトライの回数などを記憶する回数記憶部62を有しても良い。回数記憶部62には、終了条件なども記憶できる。リトライ部51は、リトライの回数をカウントするカウンタを有し、回数記憶部62に記憶されたリトライの回数などに基づいて、枚数判定部44により終了条件が成立するか、または、リトライの回数に達するまで実行部33に再計測を行わせる。
【0087】
(4)枚数計測装置1では、
カウント部13は、重ねてセットされた紙葉類2にエアを吹き付けて紙葉類2の間に隙間71(
図3A)を形成する隙間形成部72を有し、
隙間形成部72は、リトライ部51による再計測の際に、紙葉類2に対する、エアの吹き付け量を多くするか、または、エアの吹き付け時間を長くするようにしても良い。
【0088】
ここで、エアは、紙葉類2を動かすための圧縮空気のことである。エアは、積層された紙葉類2の間に、紙葉類2の側方から吹き付けられる。
【0089】
隙間71は、積層された紙葉類2の間にできる僅かな間隔のことである。例えば、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられている場合、RFIDタグ41は、電子チップ41aを有しており、電子チップ41aには厚みがあるため、電子チップ41aの部分と他の部分とで厚みに僅かな差を有する場合が多い。この僅かな厚みの差によって、積層されたRFIDタグ41の間には僅かな隙間71(初期隙間)が生じる。このような隙間71は、エアの吹き付けによって拡げられる。
【0090】
隙間形成部72は、積層された紙葉類2の間に隙間71を形成するか、または、隙間71(初期隙間)を大きくする部分である。隙間形成部72は、エアを吹き出すノズルと、エアを圧縮してノズルへ送るコンプレッサーなどの圧縮機とを有している。
【0091】
ノズルは、圧縮機からのエアを、積層された紙葉類2の側面に向けて吹き付けるように設置される。ノズルは、例えば、立上部17に設けられる。ノズルは、例えば、前後方向5の手前側に向けられる。ノズルは、立上部17に対し、固定状態で設置しても良いし、移動部22に、検知部21と共に積層方向6へ移動可能に取付けても良い。
【0092】
実行部33のカウント処理部35は、隙間形成部72を制御してエアの吹き出しを調整するエア調整部73を有している。隙間形成部72は、エア調整部73によって、隙間形成部72のノズルからのエアの吹き出し状態を制御される。エア調整部73は、再計測の際に、隙間形成部72へ指令を送ってエアの吹き出し量や時間を調整する。
【0093】
吹き付け量は、ノズルからエアを吹き出す量である。吹き付け量を多くすることで、形成される隙間71がより大きくなる。
【0094】
吹き付け時間は、ノズルからエアを吹き出す時間である。吹き付け時間を長くすることで、形成される隙間71の保持時間が長くなる。
【0095】
(5-1)枚数計測装置1では、制御部15は、RFIDタグ41のデータ46を表示部14に表示させても良い。
【0096】
ここで、データ46は、RFIDタグ41に書き込まれた各種の情報のことである。制御部15は、表示制御部34に、表示部14へデータ46を表示させるためのデータ表示部81を有している。データ表示部81による、データ46の表示、非表示は、設定部32によって選択できるようにしても良い。
【0097】
記憶部31は、RFIDリーダ部42で読み取ったRFIDタグ41のデータ46を記憶するデータ記憶部82を有している。表示制御部34は、記憶部31に記憶したRFIDタグ41のデータ46を、表示部14に表示させる。
【0098】
(5-2)枚数計測装置1では、制御部15は、表示部14に表示させるRFIDタグ41のデータ46の表示項目85(
図4)を選択可能な表示項目選択部86を有しても良い。
【0099】
ここで、表示項目85は、RFIDタグ41に記憶されたデータ46の構造を構成する複数の項目のうち、表示部14に表示させたい項目である。この実施例では、データ46の表示項目85は、例えば、「ロット番号」「種類名」などとなっている。ただし、表示項目85は、上記に限るものではない。
【0100】
表示項目選択部86は、表示項目85を選択するものである。表示項目選択部86は、設定部32に設けても良い。表示項目選択部86がないと、データ46の全部の項目が表示部14に表示されることになるが、表示項目選択部86を有することで、全部の項目を表示させる必要がなくなり、表示項目85を任意に選択することが可能になる。なお、表示項目85を1つも選択しなかった場合には、データ46は、非表示となる。
【0101】
表示制御部34は、設定表示部36が、表示項目85を選択させる選択画面を表示部14に表示させても良い。ユーザは、表示部14の選択画面に従い、入力装置24を使って表示項目選択部86に、表示部14で表示させたいデータ46の表示項目85を選択できる。表示項目選択部86に選択した表示項目85は、枚数計測装置1の設定の一つとして、記憶部31に記憶される。表示制御部34は、データ表示部81が、記憶部31のデータ記憶部82に記憶したRFIDタグ41のデータ46のうち、表示項目選択部86に選択した表示項目85を表示部14に表示させる。
【0102】
(6)枚数計測装置1では、制御部15は、RFIDタグ41のデータ46を外部へ出力する外部出力部95を有しても良い。
【0103】
ここで、外部は、枚数計測装置1の外となるもののことである。外部は、例えば、枚数計測装置1の外にある別の機器(外部の機器)などでも良い。例えば、外部の機器は、コンピュータなどの演算処理装置でも良い。例えば、外部の機器は、ハードディスクやSSD(登録商標)などの記憶装置でも良い。例えば、外部の機器は、外部メモリやメモリカードなどの各種の記憶媒体(例えば、USBメモリ(登録商標)、SDカード(登録商標))などでも良い。
【0104】
外部出力部95は、RFIDタグ41のデータ46を枚数計測装置1の外部に出力する制御部15の機能部分である。外部出力部95は、無線式のものでも良いし、有線式のものでも良いし、直接接続式のものでも良い。
【0105】
無線式の場合、外部出力部95は、(例えば、Wi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)などの)無線通信を行う無線通信部としても良い。有線式の場合、外部出力部95は、外部に接続するための通信コードのコネクタを差し込む外部出力端子などとしても良い。直接接続式の場合、外部出力部95は、記憶媒体を直接装着可能な媒体接続部(例えば、シリアル接続端子、GPIO接続端子、USB端子、SDカードスロット)などとしても良い。外部出力部95は、枚数計測装置1に備えられても良いし、RFIDリーダ部42の本体42aに備えられても良い。
【0106】
(その他)上記以外の構成は、以下のようになっている。
【0107】
枚数計測装置1では、RFIDリーダ部42は、RFIDタグ41に照射する電波の出力変更や出力調整などが可能としても良い。電波の出力変更や出力調整は、ユーザが設定部32で設定できるようにしても良いし、制御部15が自動で変更・調整するようにしても良い。そのために、制御部15は、RFIDリーダ処理部47に電波調整部91を有しても良い。電波調整部91は、ユーザの設定や、制御部15からの指令の少なくとも一方に基づき、RFIDリーダ部42に、電波の出力変更や出力調整を行わせる。このように、電波調整部91が、RFIDリーダ部42に、電波の出力変更や出力調整を行わせることで、RFIDリーダ部42は、RFIDタグ41のデータ46を誤りなく正確に読み取り得るようになる。即ち、枚数計測装置1は、RFIDタグ41に対する読み取り精度を高めることが可能となる。
【0108】
また、枚数計測装置1では、RFIDリーダ部42は、RFIDタグ41に照射する電波の周波数変更や周波数調整(チャンネル設定または周波数設定)などが可能としても良い。電波の周波数変更や周波数調整は、ユーザが設定部32で設定できるようにしても良いし、制御部15が自動で変更・調整するようにしても良い。上記した電波調整部91は、ユーザの設定や、制御部15からの指令の少なくとも一方に基づき、RFIDリーダ部42に、電波の周波数変更や周波数調整を行わせる。このように、電波調整部91が、RFIDリーダ部42に、電波の周波数変更や周波数調整を行わせることで、RFIDリーダ部42は、RFIDタグ41のデータ46を誤りなく正確に読み取り得るようになる。即ち、枚数計測装置1は、RFIDタグ41に対する読み取り精度を高めることが可能となる。
【0109】
また、
図4は、上述した運転画面の一例である。運転画面には、紙葉類2の枚数12、RFIDタグ41のデータ46の他に、日付や、「種類1」ボタン、「トータルリセット」ボタン、「運転詳細」ボタン、「メニュー」ボタン、「波形モード」ボタンなどが表示されるようになっている。
【0110】
「種類1」ボタンは、例えば、紙葉類2の種類(例えば、RFIDタグ41かどうか)を設定するのに使用される。「トータルリセット」ボタンは、紙葉類2の枚数12の表示をリセットするのに使用される。「運転詳細」ボタンは、枚数計測装置1の運転状態を設定するのに使用される。「メニュー」ボタンは、枚数計測装置1の各種の設定を行うのに使用される。「メニュー」ボタンを押すことで、初期設定を行ったり、また、例えば、RFIDタグ41のデータ46を、表示部14に表示させたり、外部へ出力したりすることができる。
【0111】
なお、表示部14には、上記に限らず、各種の表示を行うことができる。
【0112】
例えば、枚数計測装置1が再計測を行う場合、表示部14は、例えば、最初の計測結果の結果と、再計測の結果とを含む、全ての計測結果を並べて一覧表示させるようにしても良い。これにより、ユーザは、全ての計測結果を直接比較できるようになる。あるいは、表示部14は、例えば、一致した計測結果のみを表示させるようにしても良い。これにより、ユーザは、必要な計測結果のみを知り得るようになる。
【0113】
また、例えば、表示部14は、計測結果などと共に、一致した回数などを表示させるようにしても良い。これにより、ユーザは、再計測の状況と再計測の結果とを知り得るようになる。
【0114】
これらの表示部14の表示により、紙葉類2の枚数12以外の様々な有用な情報が得られるので、ユーザは再計測後の計測結果に対して、確信を得たり、確信をより高めたりすることが可能となる。
【0115】
<作用>この実施例の作用は、以下の通りである。
【0116】
枚数計測装置1に対し、ユーザは、まず、電源スイッチ25をONにする。また、ユーザは、セット部11に、複数枚の紙葉類2を重ねてセットする。そして、ユーザが開始ボタン26を押すと、制御部15は、以下の処理を行って、紙葉類2の枚数12を自動的に計測する。
【0117】
図6のフローチャートは、制御部15による枚数計測装置1の作動の一例を示す。
【0118】
まず、ステップS1は、「開始ボタン」押下であり、ユーザによって開始ボタン26が押し下げられるのを待つ。開始ボタン26が押し下げられると、処理は、ステップS2へ進む。
【0119】
ステップS2は、「光電センサー・コンプレッサーによる枚数計測開始」であり、光電センサーなどの検知部21による枚数12の計測が開始される。同時に、隙間形成部72のコンプレッサーが作動される。上記計測(カウント)は、主に、カウント部13の検知部21、移動部22、隙間形成部72と、実行部33のカウント処理部35およびエア調整部73と、によって行われる。
【0120】
そして、ステップS3は、「画面上の枚数計カウントに計測枚数を表示」であり、表示部14は、画面上の「枚数計カウント」に計測枚数を表示する。「枚数計カウント」には、カウント部13によって得られたカウント数19が表示される。上記表示は、主に、表示制御部34の結果表示部48によって行われる。
【0121】
次に、ステップS4は、「RFIDリーダに接続されたアンテナから電波照射」であり、RFIDリーダ部42(RFIDリーダ)に接続されたアンテナ42bから電波を照射する。そして、RFIDリーダ部42は、RFIDタグ41のデータ46を読み取る。上記読み取りは、主に、RFIDリーダ部42と、RFIDリーダ処理部47とによって行われる。
【0122】
そして、ステップS5は、「画面上のRFIDリーダカウントに読み取った数を表示」であり、表示部14は、「RFIDリーダカウント」に、RFIDリーダ部42によって得られた読取数43を表示する。上記表示は、主に、表示制御部34の結果表示部48によって行われる。
【0123】
更に、ステップS6は、「「枚数計カウント」と「RFIDリーダカウント」に差異がある?」であり、差異の有無(一致、不一致)を判断する。上記判断は、主に、枚数判定部44によって行われる。差異がない(または一致の)場合(NOの場合)には、ステップS7へ進む。
【0124】
そして、ステップS7は、画面表示であり、表示部14に正常画面45aを表示する。上記表示は、主に、表示制御部34の結果表示部48によって行われる。
【0125】
このとき、ユーザは、画面の「メニュー」ボタンを押すことで、例えば、RFIDタグ41のデータ46を、表示部14に表示させたり、外部へ出力したりできる。上記表示や出力は、主に、表示制御部34のデータ表示部81、外部出力部95によって行われる。
【0126】
そして、ステップS8は、「一連の動作の終了」であり、枚数12の計測の処理を終了する。以上により、枚数計測装置1による紙葉類2の枚数12が正常に行われる。
【0127】
一方、ステップS6で差異がある(または不一致)の場合(YESの場合)には、フローチャートの処理は、ステップS9へ進む。
【0128】
そして、ステップS9は、画面表示であり、表示部14は、エラー画面45bを表示する。上記表示は、主に、表示制御部34の結果表示部48によって行われる。
【0129】
ステップS10は、「設定部32」の「回数設定部61」に設定されたリトライの回数の確認である。リトライ部51は、例えば、「「設定」で再計測時における再度読み取り自動実行回数(n回)を設定している?」かどうかの判断を行う。
【0130】
リトライの回数が0の場合(NOの場合)は、一連の動作(処理)を終了し、ステップS1に戻って開始ボタン26が押されるまで待機する。
【0131】
リトライの回数が0以外(例えば、n回)の場合(YESの場合)は、ステップS11へ進む。
【0132】
ステップS11は、再計測の実行であり、枚数計測装置1(のカウント部13による「枚数計カウント」)とRFIDリーダの読み取り回数(RFIDリーダ部42による「RFIDリーダカウント」)とが一致するまで、(最大で)n回分再度読み取りを行う。
【0133】
即ち、フローチャートの処理は、ステップS2へ戻って、上記したステップS2からステップS6までの処理を最大でn回分繰り返す。
【0134】
以上により、再計測が1回または複数回行われて、枚数計測装置1による紙葉類2の枚数12の正しい計測結果が得られるようになる。
【0135】
なお、上記したフローチャートは、枚数計測装置1の作動の一例であり、枚数計測装置1の作動は、上記に限るものではない。
【0136】
例えば、ステップS2、S3のカウント部13の処理と、ステップS4、S5のRFIDリーダ部42の処理とは、順番を反対にしても良いし、並行して同時に行わせても良い。また、再計測の際の処理は、ステップS2、S3と、ステップS4、S5との一方のみを行わせるようにしても良い。
【0137】
<効果>この実施例の効果は、以下の通りである。
【0138】
(効果 1)枚数計測装置1は、セット部11と、カウント部13と、表示部14と、制御部15と、を有しても良い。セット部11は、紙葉類2を複数枚重ねてセットする部分である。カウント部13は、セット部11に重ねてセットされた紙葉類2の枚数12をカウントする部分である。表示部14は、少なくとも紙葉類2の枚数12を表示する部分である。制御部15は、カウントした紙葉類2の枚数12を表示部14に表示させる部分である。これにより、セット部11は、紙葉類2を複数枚重ねてセットすることができる。
【0139】
カウント部13は、セット部11に重ねてセットされた紙葉類2の枚数12をカウントすることができる。カウント部13は、紙葉類2を重ねた状態を保ったままでカウントするようにしても良い。また、カウント部13は、セット時と計測後に紙葉類2が重なった状態になっていれば、一旦、重なってない状態にしてカウントし、重なった状態に戻しても良い。
【0140】
表示部14は、少なくとも計測した紙葉類2の枚数12を表示することができる。計測した紙葉類2の枚数12は、例えば、カウント部13で得られたカウント数19としても良い。
【0141】
セット部11に紙葉類2を複数枚重ねてセットし、枚数計測装置1をスタートさせると、制御部15は、カウント部13にカウントを行わせる。カウント部13でカウントした紙葉類2のカウント数19は、計測した紙葉類2の枚数12としても良い。これにより、枚数計測装置1は、紙葉類2の枚数12としてカウント数19を表示部14に表示することができる。
【0142】
枚数計測装置1は、一般的な紙葉類2に対しては、カウント部13によって、カウント数19を得ることができるので、これまで通りの使い方が可能である。
【0143】
更に、枚数計測装置1は、RFIDタグ41が設けられた紙葉類2についても計測を行うことができる。そのために、枚数計測装置1は、RFIDタグ41が設けられた紙葉類2に対して、セット部11にセットされた紙葉類2に設けられたRFIDタグ41を読み取るRFIDリーダ部42を備えても良い。そして、制御部15は、RFIDリーダ部42で読み取ったRFIDタグ41の読取数43が、カウント部13でカウントした紙葉類2のカウント数19と一致しているか否かを判定する枚数判定部44を有しても良い。制御部15は、RFIDタグ41の読取数43と枚数判定部44の判定結果45との少なくとも一方を表示部14に表示させても良い。これにより、枚数計測装置1は、RFIDリーダ部42によってRFIDタグ41を読み取れるようになる。
【0144】
RFIDリーダ部42は、RFIDタグ41へ向けて電波を放出し、RFIDリーダ部42からの電波を受けたRFIDタグ41が応答することで、RFIDリーダ部42は、RFIDタグ41の読み取りが可能になる。RFIDリーダ部42は、一定の範囲内であれば、RFIDタグ41が複数枚あっても一括して読み取れるようになっている。
【0145】
RFIDリーダ部42は、応答したRFIDタグ41を、例えば、応答順に読み取る。そのため、RFIDタグ41は、積層順とは無関係に、ランダムに読み取られる。RFIDタグ41は、一度応答すると、一定時間、再応答しないようになっている。これにより、同じRFIDタグ41の二度読みが防止される。
【0146】
この実施例の枚数計測装置1では、RFIDタグ41が設けられた紙葉類2に対し、制御部15は、RFIDリーダ部42で読み取ったRFIDタグ41の読取数43を得る。また、制御部15は、枚数判定部44によって、RFIDタグ41の読取数43がカウント部13でカウントした紙葉類2のカウント数19と一致しているか否かを判定させることができる。
【0147】
即ち、枚数判定部44は、RFIDリーダ部42で読み取ったRFIDタグ41の読取数43と、カウント部13でカウントした紙葉類2のカウント数19から、紙葉類2の枚数12の計測結果を求める。また、枚数判定部44は、読取数43と、カウント数19とを比較して、一致しているか否かを判定する。
【0148】
計測結果は、計測された紙葉類2の枚数12(計測枚数)であり、カウント部13のカウント数19と、RFIDリーダ部42の読取数43とのどちらか一方となる。計測結果は、例えば、カウント数19と読取数43との少ない方の枚数12(「確認済み枚数」)などとしても良い。
【0149】
制御部15は、カウント数19、および、RFIDタグ41の読取数43と枚数判定部44の判定結果45との少なくとも一方を、表示部14に表示させる。
【0150】
例えば、カウント数19と、読取数43とが表示部14に表示されることで、ユーザは、数値の比較から間接的に判定結果45を理解できる。よって、表示部14は、間接的に判定結果45を表示していると見なせる。
【0151】
また、カウント数19と、判定結果45とが表示されることで、ユーザは、判定結果45を直接得られる。
【0152】
あるいは、カウント数19と、読取数43と判定結果45とが表示されることで、ユーザは、判定結果45をより正確に理解できる。
【0153】
判定結果45は、文字、数値、記号、図形、色彩49など、どのようなもので表示しても良いが、例えば、「一致」「不一致」などの文字としても良い。この実施例では、例えば、判定結果45は、色彩49で示されている。判定結果45を、色彩49で示すことにより、ユーザは、判定結果45を直感的に理解できる。
【0154】
なお、表示部14は、上記に加えて、最終的な計測結果を、カウント部13のカウント数19と、RFIDリーダ部42の読取数43との少なくとも一方とに並べて表示するようにしても良い。これにより、ユーザは、より多くの情報を直接知ることができる。
【0155】
そして、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられている場合には、枚数計測装置1は、一度の計測で、読取数43とカウント数19という別々の計測結果を得ることができる。これらを比べることで二重チェックが成される。そして、二重チェックの結果が一致することで、精度の高い正確な計測結果が得られたことになる。計測結果に確信を持てれば、ユーザは、手動操作による再計測がいらなくなる。
【0156】
よって、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられている場合には、これまでのように、確信が持てるまで、ユーザが自ら枚数計測装置1を使って手動操作で何度も計測を繰り返して確認する必要がなくなり、確認の手間を軽減することができる。即ち、ユーザは、最初に設定を行えば、その後は、開始ボタン26を押すだけで済むので、ユーザによる無駄な手動操作での再計測をなくすことができる。
【0157】
(効果 2-1)枚数計測装置1では、制御部15は、再計測を行うリトライ部51を有しても良い。これにより、枚数計測装置1は、最初の計測の後に、制御部15がリトライ部51に、再計測(リトライ)を行わせる。リトライ部51は、自動的に再計測を行う。
【0158】
リトライ部51による再計測は、例えば、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられていない場合に行わせても良いし、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられている場合に行わせても良いし、両方の場合ともに行わせても良い。また、リトライ部51による再計測は、例えば、判定結果45に応じて行わせても良いし、枚数判定部44の判定結果45に拘わらず行わせても良い。どのような場合に、どのように再計測を行わせるかについては、例えば、ユーザが設定部32に設定するようにしても良い。
【0159】
再計測の後には、枚数判定部44によって判定が行われ、表示制御部34によって、表示部14に少なくとも判定結果45が直接または間接的に表示される。
【0160】
このように、枚数計測装置1がリトライ部51を有して、リトライ部51によって自動的に再計測を行わせることで、ユーザは、手動で枚数計測装置1をいちいち操作して再計測を行わせなくて済む。また、リトライ部51の再計測機能を使うことによって、手動操作による再計測の必要性や、再計測に要する手間および時間を削減することができる。
【0161】
そして、枚数計測装置1が自動的に再計測を行うことで、最初の計測結果と、再計測の結果との、複数の計測結果が得られる。複数の計測結果は、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられている場合も、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられていない場合も得ることができる。紙葉類2にRFIDタグ41が設けられていない場合には、複数のカウント数19が得られる。紙葉類2にRFIDタグ41が設けられている場合には、複数のカウント数19および複数の読取数43などが得られる。得られた複数の計測結果は、枚数判定部44で判定される。得られた複数の計測結果および判定結果45は、計測の精度を高めるのに寄与すると共に、計測結果に対するユーザの信頼性を高めるのにも寄与する。そのため、リトライ部51による再計測は、二重チェックまたは多重チェックができるので、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられているか否かに拘わらず、精度の高い計測結果を得ると共に、計測結果に対する信頼性を高めるのに有効となる。
【0162】
(効果 2-2)枚数計測装置1では、制御部15は、RFIDリーダ部42で読み取ったRFIDタグ41の読取数43と、カウント部13でカウントした紙葉類2のカウント数19と、が不一致の場合に、再計測を行うリトライ部51を有しても良い。
【0163】
そのため、自動的な再計測は、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられていて、最初の計測にてRFIDタグ41の読取数43とカウント数19とが不一致のとき(または、計測エラーの場合)にのみ行われるようにできる。これにより、リトライ部51による再計測を最小限に抑えつつ、枚数計測装置1は、正確な計測結果を得られるようになる。
【0164】
(効果 2-3)制御部15は、再計測の際に、リトライ部51に、カウント部13によるカウントと、RFIDリーダ部42によるRFIDタグ41の読み取りと、の少なくとも一方を自動的に行わせるようにしても良い。
【0165】
再計測の際には、リトライ部51は、カウント部13による紙葉類2の枚数12のカウントと、RFIDリーダ部42によるRFIDタグ41のデータ46の読み取りとの両方を行わせても良い。これにより、最初の計測結果の影響を受けずに再計測をやり直すことができる。
【0166】
また、再計測の際には、制御部15は、カウント部13による紙葉類2の枚数12のカウントと、RFIDリーダ部42によるRFIDタグ41のデータ46の読み取りとの少なくとも一方を行わせるようにしても良い。再計測をRFIDタグ41のデータ46の読み取りとカウント数19のどちらか一方のみ行わせる場合には、他方の値は記憶部31を参照して最初の計測の値を利用する。これにより、最初の計測結果の一部を利用して再計測を簡易化することが可能となる。
【0167】
(効果 2-4)制御部15は、リトライ部51による再計測で、読取数43と、カウント数19と、が不一致となった場合に、表示部14に、警告表示55(
図4)を行わせても良い。
【0168】
これにより、表示部14に警告表示55が表示されず、また、再計測が自動的に行われなければ、最初の計測で読取数43とカウント数19とが一致されて正しい計測結果が得られたことになる。そして、読取数43とカウント数19との一致が二重チェックとなり、二重チェックが成立することで、ユーザは計測結果に確信を持つことができる。
【0169】
これに対し、最初の計測でRFIDタグ41の読取数43とカウント数19とが不一致のときには、表示部14に警告表示55が表示されるので、計測エラーが生じたことを目視確認できる。また、計測エラーに対して再計測が自動的に行われる。再計測が行われることで、正しい計測結果を得る機会が得られる。そして、再計測で読取数43とカウント数19とが一致すれば、ユーザは計測および再計測の経緯が見られるため、再計測の結果に確信を持つことができる。
【0170】
なお、上記に対し、例えば、最初の計測でRFIDタグ41の読取数43とカウント数19とが一致したときについても、ユーザが必要とするのであれば、再計測を行わせるようにすることも可能である。これにより、最初の計測結果と再計測の結果とが一致する様子を実際に何度も確かめられるので、計測結果に対するユーザの信頼性をより高めることができる。
【0171】
(効果 3)枚数計測装置1では、制御部15は、リトライの回数を設定可能な回数設定部61を有しても良い。リトライ部51は、回数設定部61に設定した回数までの再計測を行っても良い。
【0172】
枚数計測装置1は、制御部15が、回数設定部61に設定された回数に応じて、リトライ部51に自動的に再計測を行わせる。制御部15が回数設定部61を有することで、ユーザは、回数設定部61を使って、任意にリトライの回数を設定することができる。これにより、ユーザは、リトライの回数を最適に設定したり、再計測の上限を規定したりすることが可能になる。
【0173】
そして、制御部15は、最大で回数設定部61に設定された回数まで、リトライ部51に再計測を行わせる。
【0174】
この際、制御部15は、回数設定部61に設定された回数内で、読取数43とカウント数19とが一致したときに、リトライ部51による再計測を終了させるようにしても良い。これにより、枚数計測装置1は、読取数43とカウント数19とが一致するまで自動的に再計測を行い、正しい計測結果が得られたときに再計測を終了する。そのため、ユーザは再計測が終了することで、最終的な計測結果に確信を持つことができる。また、再計測の回数も最小限に減らすことができる。
【0175】
また、制御部15は、読取数43とカウント数19との一致、不一致に拘わらず、回数設定部61に設定した回数だけ、リトライ部51に強制的に再計測を繰りさせるようにしても良い。これにより、枚数計測装置1は、回数設定部61に設定した回数の分だけ確実に再計測を行う。そのため、ユーザは、自ら設定した回数だけ目の前で再計測が実際に行われることで、計測結果に対してより高い確信を持つことができる。
【0176】
(効果 4)枚数計測装置1では、カウント部13は、重ねてセットされた紙葉類2にエアを吹き付けて紙葉類2の間に隙間71を形成する隙間形成部72を有しても良い。
【0177】
カウント部13は、隙間形成部72により、重ねてセットされた紙葉類2にエアを吹き付けて紙葉類2の間に隙間71を形成する、または、隙間71をより大きくすることができる。エアの吹き付けによって紙葉類2の間に隙間71ができることにより、カウント部13(特に、非接触式のカウント部13)は枚数12をカウントし易くなる。
【0178】
また、エアの吹き付けによって紙葉類2の間に隙間71が形成されることで、紙葉類2にRFIDタグ41が設けられている場合に、RFIDタグ41の間にRFIDリーダ部42(のアンテナ42b)からの電波が通り易くなる。
【0179】
RFIDタグ41は、電子チップ41aの部分と他の部分との僅かな厚みの差によって、積層されたRFIDタグ41の間に僅かな隙間71(初期隙間)を有している。そのため、積層された状態であっても、ほとんどのRFIDタグ41には電波が支障なく通るものと考えられる。しかし、中には電波が通り難い状態で重なっているRFIDタグ41も存在する。電波の通り難さは、RFIDタグ41の種類や初期隙間の大きさや重なり具合などによって異なる可能性がある。
【0180】
そのため、積層されたRFIDタグ41の中に、初期隙間が小さいなどによって電波がうまく通らず、応答できなかったものが数枚あった場合、そのRFIDタグ41は、エアの吹き付けによって(初期隙間よりも大きな)隙間71を形成される。これにより、そのRFIDタグ41は、電波を受けて応答し易くなる。そのため、全てのRFIDタグ41を応答させて正しい読取数43を得ることが可能になる。
【0181】
なお、隙間形成部72は、RFIDタグ41へのエアの吹き付けを、最初の計測のときから行っても良いし、再計測のときに行っても良い。この実施例では、隙間形成部72は、エアの吹き付けを、最初の計測のときから行っている。
【0182】
更に、隙間形成部72は、リトライ部51による再計測の際に、紙葉類2に対する、エアの吹き付け量を多くするか、または、エアの吹き付け時間を長くするようにしても良い。
【0183】
即ち、隙間形成部72による紙葉類2に対するエアの吹き付け量、または、エアの吹き付け時間は、例えば、常に一定にすることができる。これに対し、上記したように、再計測の度に、紙葉類2に対するエアの吹き付け量を順次多くして行ったり、エアの吹き付け時間を順次長くして行ったりすることができる。これにより、再計測の繰り返しに伴って紙葉類2の間の隙間71をより大きくしたり、隙間71が大きくなる時間をより長く保たせたりできる。そのため、RFIDタグ41の間にアンテナ42bからの電波をより通し易い状態にすることができる。エアの吹き付け量とエアの吹き付け時間は、どちらか一方を調整すれば良いが、両方同時に調整しても良い。
【0184】
なお、隙間形成部72が、エアの吹き付け量を多くしたり、エアの吹き付け時間を長くしたりするのは、一回目のエアの吹き付けに対する、二回目以降のエアの吹き付けのとき(再計測のとき)に行われる。エアの吹き付けが三回以上行われる場合には、隙間形成部72は、エアの吹き付けを繰り返すごとに、エアの吹き付け量やエアの吹き付け時間を順次大きく長くしても良い。これにより、再計測を行う度に、RFIDタグ41の間にアンテナ42bからの電波がより通り易い状態になる。よって、RFIDタグ41に対する読み取り精度を上げることができる。
【0185】
(効果 5-1)枚数計測装置1では、制御部15は、RFIDタグ41のデータ46を表示部14に表示させても良い。これにより、枚数計測装置1は、RFIDリーダ部42で読み取ったRFIDタグ41のデータ46を、表示部14に表示させる機能を持つことが可能になる。
【0186】
そのため、枚数計測装置1は、枚数12の計測結果を表示する機能以外に、RFIDタグ41のデータ46を読んで表示する機能を得ることができる。よって、枚数計測装置1の用途や可能性を拡げることができる。
【0187】
なお、RFIDリーダ部42は、RFIDタグ41への書き込みの機能を有するRFIDリーダライタとしても良い。これにより、枚数計測装置1は、RFIDタグ41へデータ46を書き込む機能を得ることができる。
【0188】
(効果 5-2)枚数計測装置1では、制御部15は、表示部14に表示させるRFIDタグ41のデータ46の表示項目85を選択可能な表示項目選択部86を有しても良い。
【0189】
制御部15は、表示項目選択部86を有することによって、表示部14に表示させるRFIDタグ41のデータ46の表示項目85を選択することが可能になる。RFIDタグ41のデータ46は、表示項目選択部86に選択した表示項目85の内容のみが表示部14に表示される。
【0190】
そのため、RFIDタグ41のデータ46の中の、枚数計測装置1やユーザにとって必要な表示項目85の内容のみを表示部14に表示させることができる。よって、表示部14には、紙葉類2の枚数12の測定に直接必要性のない項目が表示されなくなり、無駄な表示をなくすことができる。
【0191】
(効果 6)枚数計測装置1では、制御部15は、RFIDタグ41のデータ46を外部へ出力する外部出力部95を有しても良い。制御部15に外部出力部95を有することによって、枚数計測装置1は、RFIDリーダ部42で読み取ったRFIDタグ41のデータ46を、外部に出力できるようになる。そのため、ユーザは、RFIDタグ41のデータ46を枚数計測装置1で読み取って、データ46を外部の機器で有効活用することが可能になる。
この実施例の枚数計測装置1Aでは、RFIDリーダ部42のアンテナ42bは、ほぼ平板状に形成されて、枚数計測装置1の左右方向4の一端側に縦向きに設けられている。RFIDリーダ部42のアンテナ42bは、台座部16の手前側の上面と、立上部17の手前側の縁部との間に形成されるコーナー部分に、コーナー部分を横から塞ぐように、上下方向3および前後方向5に面を向けてほぼ垂直に立てた状態で設置されている。
これにより、RFIDリーダ部42のアンテナ42bは、セット部11ではなくなり、台座部16の手前側の上面がセット部11となる。RFIDタグ41は、セット部11(台座部16)の上に水平な状態で上下方向3に複数枚重ねて載置される。そして、縦型のRFIDリーダ部42は、アンテナ42bが、電波または磁界を、左右方向4の他端側へ向けて、RFIDタグ41の側方から照射する。