IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社岡村製作所の特許一覧

<>
  • 特開-間接照明装置 図1
  • 特開-間接照明装置 図2
  • 特開-間接照明装置 図3
  • 特開-間接照明装置 図4
  • 特開-間接照明装置 図5
  • 特開-間接照明装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043827
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】間接照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/00 20060101AFI20240326BHJP
   F21V 19/02 20060101ALI20240326BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240326BHJP
【FI】
F21S8/00 100
F21V19/02 300
F21Y115:10 100
F21Y115:10 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149028
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】土山 和功
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA02
3K013FA01
(57)【要約】
【課題】照明された壁面に、明瞭な輪郭を有する線状の照度の高い帯状の領域を形成できる間接照明装置を提供する。
【解決手段】間接照明装置1は、壁面2aに該壁面2aと離間させて取り付けられる遮光板3と、該遮光板3に取り付けられ、壁面2aを照明する光源を含む照明器具4とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に装着される間接照明装置であって、
前記壁面に該壁面と離間させて取り付けられる遮光板と、該遮光板に取り付けられ、前記壁面を照明する光源とを備えることを特徴とする間接照明装置。
【請求項2】
前記光源を含む照明器具全体が前記遮光板に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の間接照明装置。
【請求項3】
前記遮光板の両側端部に前記壁面への取付手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の間接照明装置。
【請求項4】
前記遮光板の少なくとも下縁には、壁面方向に折曲された庇部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の間接照明装置。
【請求項5】
前記遮光板は前記壁面に対し平行に離間する平板状に形成され、前記庇部は前記壁面方向に鋭角に折曲して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の間接照明装置。
【請求項6】
前記遮光板は壁面に対し角度が変更可能であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の間接照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面に装着される間接照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
間接照明装置は、天井や壁を照明することで、目に光源からの光が直接入らないようにしながら、対象となる天井や壁の広範囲で反射させることで、柔らかな光で部屋を照明するものである。壁面に装着される従来の間接照明装置としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。この間接照明装置は、壁面に取り付けられた左右方向に長い器具本体と、この器具本体の両側端部のランプソケットに取り付けられた蛍光ランプと、この蛍光ランプを覆うように器具本体に上下に回動可能に取り付けられた扇形断面の遮光板とを備えて構成されている。
【0003】
このように、長尺の蛍光ランプを用いるものでは、壁面に対して光源の長手方向に沿う帯状に光を照射することができる。これにより、壁面における照度の高い帯状の領域を蛍光ランプの長手方向に形成でき、空間の広がりを演出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-339536号公報(第2図,第2頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した特許文献1に記載されている間接照明装置は、蛍光ランプにより直接壁面を照明するものではなく、遮光板によって反射された光によって壁面が間接的に照明されるため、照度の高い帯状の領域の幅が広がり、この帯状の領域の輪郭が曖昧になってしまい、空間の広がりを演出する効果を十分に得られないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、照明された壁面に、明瞭な輪郭を有する線状の照度の高い帯状の領域を形成できる間接照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の間接照明装置は、
壁面に装着される間接照明装置であって、前記壁面に該壁面と離間させて取り付けられる遮光板と、該遮光板に取り付けられ、前記壁面を照明する光源とを備えることを特徴としている。
この特徴によれば、遮光板に取り付けられた光源により壁面を直接照明することで、照明された壁面に、明瞭な輪郭を有する線状の照度の高い帯状の領域を形成できる。
【0008】
前記光源を含む照明器具全体が前記遮光板に取り付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、照明器具全体が遮光板に取り付けられているので、壁面に照射される光源の光が照明器具によって遮られるのが防止される。また、遮光板に照明器具全体が取り付けられているので、壁面への間接照明装置の着脱作業を容易に行うことができる。
【0009】
前記遮光板の両側端部に前記壁面への取付手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、遮光板は両側端部の取付手段のみで壁面に取り付けられ、遮光板及び光源の後方が広く開放されるので、壁面をより広範囲に効果的に照明することができる。
【0010】
前記遮光板の少なくとも下縁には、壁面方向に折曲された庇部が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、下方から光源が目に入りにくくなるので眩しさを解消することができる。
【0011】
前記遮光板は前記壁面に対し平行に離間する平板状に形成され、前記庇部は前記壁面方向に鋭角に折曲して形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、遮光板が壁面と平行に配置されるので、間接照明装置のデザイン性が向上する。また、庇部は鋭角に折曲されているので前下方から庇部が見えにくくなり、見栄えがよくなる。
【0012】
前記遮光板は壁面に対し角度が変更可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、光源による壁面への配光を、上向き及び下向き配光、上向き配光、下向き配光等に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例の間接照明装置を間仕切パネルの壁面に装着した状態の斜視図である。
図2】間接照明装置を後方より見た拡大斜視図である。
図3】間接照明装置の壁面への取付部の拡大分解斜視図である。
図4】間接照明装置を間仕切パネルの縦フレームに取り付けた状態を示す縦断側面図である。
図5】照明器具取付部の拡大断面図である。
図6】遮光板の取付角度の変更例を示すもので、(a)は下向きに、(b)は上向きにそれぞれ角度を変更した状態の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の間接照明装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0015】
実施例に係る間接照明装置1につき、図1から図6を参照して説明する。なお、以下においては、図1の矢印で示す方向を前後左右方向として説明する。図1に示すように、間接照明装置1は、例えば室内を仕切る間仕切りパネル2の前面側(正面側)の壁面2aの上部に装着されるものである。
【0016】
図2ないし図5に示すように、間接照明装置1は、間仕切りパネル2の左右幅とほぼ等しい左右寸法の遮光板3と、その後面に取り付けられた照明器具4と、遮光板3の左右両端面を覆うエンドカバー5、5と、遮光板3を壁面2aに取り付けるための左右一対のブラケット(取付手段)6、6とを備えている。
【0017】
遮光板3は、例えば鋼材やアルミニウム材等により平板状に形成された板状部32と、板状部32の上縁と下縁には、壁面2a方向に例えば45度の鋭角で折曲された庇部31、31が連設されている。庇部31、31の長さは、例えば遮光板3の上下寸法の約1/4とされ、先端部は若干前方に折り返されている。
【0018】
遮光板3の後面の左右方向全体には、上下方向の中央部が側面視ハット形断面をなすように後方に折曲された金属製の補強部材7がスポット溶接等により固着されている。ハット形断面をなす補強部材7の中央部の後面には、照明器具4を保持するための左右複数(4個)の保持具8がスポット溶接等により固着されている。図5の拡大図に示すように、各保持具8は、側面視ほぼ後向きコ字状断面をなし、上下の保持片8a、8aの先端部(後端部)は互いに若干内向き折曲されている。
【0019】
照明器具4は、後面に光源であるチップ型のLED素子(発光ダイオード)41が左右方向に多数実装された、遮光板3とほぼ同じ左右寸法の基板42と、この基板42とLED素子41の後方を覆う側面視ほぼ半円形断面の透光性光源カバー43とからなり、基板42は光源カバー43の前端部に固着されている。光源カバー43の前端部の上下の外面には、保持具8の保持片8a、8aに係止される左右方向に連続する係止溝43a、43aが形成されている。LED素子41の後方への照射角度は例えば120度から150度の広角に設定されている。
【0020】
基板42の電極(図示略)への給電は、間仕切パネル2の内部に収容された配線及び配線に接続されたAC/DCコンバータ(いずれも図示略)を介して行われ、スイッチの操作で全てのLED素子41を点灯及び消灯させることができる。なお、AC/DCコンバータは照明器具4に設けられていてもよい。
【0021】
照明器具4を遮光板3の後面に取り付けるには、光源カバー43の上下いずれか一方の係止溝43aを、補強部材7の左右複数の保持具8の上下いずれか一方の保持片8aの先端部に係止させた後、光源カバー43の他方の係止溝43aを、保持具8の他方の保持片8aに、これを若干拡開方向に弾性変形させつつに押し込んで係止する。また、光源カバー43を側方にスライドさせながら、上下の係止溝43a、43aを左右複数の保持具8の保持片8a、8aに順次係止して取り付けることもできる。この場合は、左右のエンドカバー5、5のいずれか一方を遮光板3に取り付ける前に行われる。
【0022】
次に、図3を参照して、前述したエンドカバー5、5とブラケット6、6について説明する。なお、エンドカバー5及びブラケット6は左右対称で同一形状であるため、一方のみ図示して説明する。
【0023】
エンドカバー5は、例えば鋼板等により後端に直角部を有する側面視二等辺三角形をなすように形成されている。エンドカバー5の前縁の垂直をなすすなわち上下方向に延びる斜辺の上下寸法は、遮光板3の上下寸法とほぼ等しく、直角を挟む2辺は、上下の庇部31、31の傾斜角度と等しい45度に形成されている。
【0024】
エンドカバー5の前部側の内側面には、金属製の補強板9が斜辺と2辺に沿うようにスポット溶接等により固着され、この補強板9の前縁と上下の傾斜縁には、遮光板3と上下の庇部31、31との内面に嵌合される位置決め嵌合部10が内向きに一体的に連設されている。また、補強板9の後縁の上下方向の中間部には、遮光板3の補強部材7に固定するための固定片11が内向きに一体的に連設されている。さらに、エンドカバー5の後端部(直角部)の内側面には、ブラケット6を取り付けるための円板状の補強板12がスポット溶接等により固着され、この補強板12の前側の外周部には、遮光板3の上下の角度を変更するためのピン13が内向きに突設されている。
【0025】
エンドカバー5を遮光板3の側面に取り付けるには、まず、位置決め嵌合部10を遮光板3と上下の庇部31、31の側端部内面に嵌合し、エンドカバー5の内側面を遮光板3と上下の庇部31、31の側端に当接させて位置決めする。
【0026】
次いで、固定片11と補強部材7のハット形断面部とに形成された上下2個の挿通孔14、14に後方より挿入したボルト15、15の雄ねじ部を、補強部材7の挿通孔14の前面側に固着された溶接ナット16、16に螺合して締め付ける(図4参照)。これによりエンドカバー5が補強部材7に固定され、遮光板3と庇部31、31の側端面が覆われる。
【0027】
ブラケット6は、金属製の垂直板状のブラケット本体61と、その前縁上部に前向きに一体的に連設されたエンドカバー5への固定片62とを有し、ブラケット本体61の後縁には上下2個の係止爪61a、61aが一体的に連設されている。
【0028】
固定片62の前縁部には、エンドカバー5に取り付けるための取付孔62aと、補強板12のピン13が選択的に嵌合可能な3個の切欠き孔62bとが形成されている。3個の切欠き孔62bの中央部のものは、取付孔62aと水平に並ぶ位置に形成され、上部と下部の切欠き孔62b、62bは、中央部の切欠き孔62bと取付孔62aの中心を結ぶ水平線に対し上下にそれぞれ45度ずれた位置に形成されている。
【0029】
ブラケット6をエンドカバー5に取り付けるには、固定片62の中央部の切欠き孔62bに補強板12のピン13を嵌合するとともに、補強板12に形成された取付孔12aと固定片62の取付孔62aとに、エンドカバー5の外側方からボルト17を挿入し、固定片62の内方に突出する雄ねじ部にワッシャ18を介してナット19を螺合して締め付ける。これにより、エンドカバー5の前縁の斜辺が垂直をなすようにブラケット6とエンドカバー5とが固定される。また同時に、エンドカバー5が取り付けられた遮光板3詳しくは板状部32も垂直となる(図4参照)。
【0030】
このようにして組み付けられた間接照明装置1を間仕切パネル2に取り付けるには、図4に示すように、左右のブラケット6の係止爪61a、61aを、間仕切パネル2の両側端部の縦フレーム2bの前面に形成された上下2個の係止孔2c、2cに係止すればよい。これにより、遮光板3が壁面2aと平行に離間するようにして間接照明装置1が壁面2aに着脱可能に取り付けられ、照明器具4の光源であるLED素子41からの光が光源カバー43を介して壁面2aに直接照射されるようになる。この場合の光の配光は、図4の矢印で示すように、壁面2aに対し上向き及び下向き配光となる。
【0031】
なお、図6に示すように、遮光板3の角度を変更して壁面2aへの配光を変えることもできる。すなわち、(a)図に示すように、補強板12のピン13を固定片62の下部側の切欠き孔62bに嵌合させてブラケット6とエンドカバー5とを固定すると、遮光板3は下向きに45度傾斜し、壁面2aに対する光源カバー43からの光を上向き配光とすることができる。また、(b)図に示すように、ピン13を上部側の切欠き孔62bに嵌合させてブラケット6とエンドカバー5を固定すると、遮光板3は上向きに45度傾斜し、壁面2aに対する光源カバー43からの光を下向き配光とすることができる。
【0032】
以上説明したように、実施例に係る間接照明装置1においては、光源であるLED素子41、基板42及び光源カバー43からなる照明器具4全体が実質的に遮光板3の後面に取り付けられているので、光源により壁面2aを直接に照明することができ、照明された壁面2aに、明瞭な輪郭を有する線状の照度の高い帯状の領域を形成でき、この帯状の領域の長手方向に空間の広がりを演出する効果を十分に得ることができる。
【0033】
しかも、照明器具4が取り付けられた遮光板3は、両側端部の一対のブラケット6、6のみで壁面2aに取り付けられ、遮光板3及び照明器具4の後方が広く開放される、言い換えると照明器具4と壁面2aとの間には上下に連通する空隙が長手方向に延びて形成されるため、壁面2aをより広範囲に効果的に照明するとともに、線状の照度の高い帯状の領域が光源の長手方向に途切れなく形成され、間接照明装置1の下方または上方から見たときの美観に優れる。さらに、間接照明装置1の下方から見た場合には、照明器具4と壁面2aとの間の空隙から天井側が見え、圧迫感の少ない構造となっている。加えて、ブラケット6、6で壁面2aに取り付けられことから、間接照明装置1の取り付け高さを簡単に変更することができる。また、ブラケット6、6は薄板状の片であるから、光を遮る領域が小さい。
【0034】
また、遮光板3の下縁には、壁面2a方向に折曲された庇部31が連設されているので、下方から照明器具4の光源が目に入りにくくなり、眩しさを解消することができる。しかも、庇部31は壁面2a方向に45度の鋭角に折曲されているので、下部の庇部31が前下方から見えにくくなり、見栄えがよくなる。
【0035】
また、遮光板3が壁面2aと平行に配置されるので、間接照明装置1のデザイン性が向上する。
【0036】
例えば、前記実施例では、光源に表面実装型のLED素子41を用いているが、砲弾型のLED素子を基板42に取り付けてもよく、また、LED素子41の代わりに蛍光ランプ等他の光源を用いることもできる。
【0037】
また、前記実施例では、遮光板3を平板状としてその上下の端縁に庇部31を形成しているが、上部の庇部31は省略することもある。また、遮光板3の形状を前方に凸をなす側面視半円弧状断面とすれば、庇部31を省略することもできる。
【0038】
また、前記実施例では、照明器具4を遮光板3の後面に固着した補強部材7に取り付けているが、補強部材7を省略して照明器具4を遮光板3の後面に直接取り付けることもできる。
【0039】
また、前記実施例では、遮光板3の角度を変更可能としているが、変更不能としてもよい。
【0040】
また、間接照明装置1は縦方向や斜め方向に、その長手方向が向くように壁面2aに取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 間接照明装置
2 間仕切パネル
2a 壁面
3 遮光板
4 照明器具
5 エンドカバー
6 ブラケット(取付手段)
7 補強部材
8 保持具
9 補強板
10 位置決め嵌合部
11 固定片
12 補強板
12a 取付孔
13 ピン
14 挿通孔
31 庇部
32 板状部
41 LED素子(光源)
42 基板
43 光源カバー
43a 係止溝
61 ブラケット本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6