IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ Coeto株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報処理装置、及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、及びプログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、及びプログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、及びプログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、及びプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043865
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240326BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149081
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】521153755
【氏名又は名称】Coeto株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】湊 健二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】配信者が受け取るギフトにライブ配信の実績を反映させることを可能にする情報処理装置を提供する。
【解決手段】視聴取者群SGを構成する各視聴取者は、配信サイトHSが提供するライブ配信LHを視聴取し、自身の判断でギフトを贈呈する。各ライブ配信LHで贈呈されたギフトは、運営会社UKによってグループ毎にまとめられ、分配機能BKにより、ライブ配信LH毎に、そのライブ配信LHに分配すべきギフト額が分配ギフト額BGとして算出される。運営会社UKは、各ライブ配信LHの配信実績を集計機能SKにより確認し、各ライブ配信LHの分配ギフト額BGを分配機能BKにより算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介したライブ配信を視聴する視聴者、及び聴取する聴取者のうちの一方である視聴取者により前記ライブ配信に対して贈呈されたギフトの内容を表すギフト情報を取得するギフト情報取得手段と、
前記ギフト情報取得手段により取得された前記ギフト情報から、対象とするライブ配信群での前記ギフトの総額を算出する総額算出手段と、
前記総額を用いて、前記ライブ配信群を構成する各ライブ配信に分配すべきギフト額である分配ギフト額を算出する分配ギフト額算出手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記ライブ配信毎に、前記ライブ配信における前記視聴取者による視聴取状況を表す配信実績情報を取得する配信実績情報取得手段、をさらに備え、
前記分配ギフト額算出手段は、前記総額、及び前記配信実績情報を用いて、前記分配ギフト額を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記分配ギフト額算出手段は、前記ライブ配信で前記ギフトの分配の対象となる対象者を表す対象者情報を参照し、前記対象者が複数、存在する場合に、各対象者に分配すべきギフト額である対象者別ギフト額を更に算出する、
請求項1、または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記分配ギフト額算出手段は、前記対象者情報が表す前記対象者に複種類の対象者が存在する場合、種類別に分けて、前記対象者別ギフト額を算出する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ライブ配信に対するギフトとして、前記対象者別にギフトの贈呈が可能な場合に、前記ギフト情報取得手段は、前記対象者別に贈呈されたギフトの内容を表す前記ギフト情報を取得可能であり、
前記配信実績情報取得手段が取得する前記配信実績情報は、前記対象者別の前記ライブ配信への参加実績を表し、
前記分配ギフト額算出手段は、前記ギフト情報が表す前記対象者別のギフト総額、及び前記配信実績情報が表す前記対象者別の前記参加実績を用いて、前記対象者別ギフト額を算出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置に、
ネットワークを介したライブ配信を視聴する視聴者、及び聴取する聴取者のうちの一方である視聴取者により前記ライブ配信に対して贈呈されたギフトの内容を表すギフト情報を取得させ、
前記ギフト情報から、対象とするライブ配信群での前記ギフトの総額を算出させ、
前記総額を用いて、前記ライブ配信群を構成する各ライブ配信に分配すべきギフト額である分配ギフト額を算出させる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のネットワークを介して、任意のユーザがライブ配信を行うのが可能なプラットフォームが多く解説されている。このようなライブ配信には、配信者、及び視聴取者ともに、特別な装置を用いる必要がないのが普通である。つまり、配信者、及び視聴取者ともに、スマートフォン(以降「スマホ」と略記)、タブレットPC(Personal Computer)、或いはPC等を用いることができる。
【0003】
視聴取者は、ライブ配信を視聴する視聴者、或いは聴取する聴取者のことである。つまり、視聴取者は、ライブ配信の受信者の総称である。ネットワークを介したライブ配信では、配信者は普通、そのライブ配信で自身の映像(画像)、或いは音声が視聴取される参加者である。このことから、特に断らない限り、配信者は自身がライブ配信に参加している人の総称として用いる。
【0004】
ネットワークを介したライブ配信の多くは、視聴取者と配信者との間のリアルタイムなコミュニケーションが可能となっている。コメント投稿機能、及びギフティング機能(例えば特許文献1参照)はともに、そのコミュニケーションのための機能である。
視聴取者は、コメントの投稿、或いはギフトの贈呈により、配信者に自身の考え等を伝えることができる。贈呈可能なギフトは、普通、現金か、或いは現金に換金するのが可能なアイテム、若しくは仮想通貨等である。そのため、視聴取者は、ギフトの贈呈により、金銭的な支援を行うとともに、配信者を応援している気持ちを表すことができる。一方の配信者は、投稿されたコメント、或いは贈呈されたギフトに応じた対応をライブ配信で行うことができる。
【0005】
配信者、及び視聴取者は、このような形でコミュニケーションをとることができることから、SNS(Social Networking Service)感覚で、つまり他の人と繋がっている感覚でライブ配信を楽しむことができる。このこともあり、ライブ配信は、通常の動画コンテンツ、及び音声コンテンツ等とは大きく異なる性質を有するものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6914566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
贈呈されたギフトは、視聴取者が配信者に渡すライブ配信への報酬であるとともに、ライブ配信に対する視聴取者側の評価を表す指標となる。配信者は、贈呈されたギフトが多いほど、視聴取者の評価の高さだけでなく、視聴取者との繋がりも感じることができる。このこともあり、配信者にとってギフトの贈呈は、ライブ配信の質を高めようとする意欲、及びライブ配信を行う活動を継続させようとする意欲等を刺激する面がある。
このような意欲への刺激は、ライブ配信の場を提供するプラットフォーム側にとっても有用である。なぜなら、配信者がライブ配信の質をより高める努力をしつつ、そのライブ配信を行う活動をより長く継続すると期待できるからである。それにより、質の高いライブ配信を行う配信者がより多くなるとも期待できる。
【0008】
質の高いライブ配信を行う配信者の増加は、プラットフォーム側にとっても望ましい。なぜなら、ライブ配信の質が高いほど、より多くの視聴取者が視聴取する傾向があるからである。より多くの視聴取者が視聴取するライブ配信を行う配信者は、プラットフォームへの貢献度合いもより高いと言える。このようなこともあり、プラットフォーム側は、プラットフォームへの貢献度合い、つまりライブ配信の実績を、配信者が受け取れるギフトに反映させることが考えられる。
【0009】
本発明は、配信者が受け取るギフトにライブ配信の実績を反映させることを可能にする情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様の情報処理装置は、ネットワークを介したライブ配信を視聴する視聴者、及び聴取する聴取者のうちの一方である視聴取者により前記ライブ配信に対して贈呈されたギフトの内容を表すギフト情報を取得するギフト情報取得手段と、前記ギフト情報取得手段により取得された前記ギフト情報から、対象とするライブ配信群での前記ギフトの総額を算出する総額算出手段と、前記総額を用いて、前記ライブ配信群を構成する各ライブ配信に分配すべきギフト額である分配ギフト額を算出する分配ギフト額算出手段と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、配信者が受け取るギフトにライブ配信の実績を反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の適用により実現されるライブ配信サービスの概要例を説明する図である。
図2】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバが接続されたネットワーク環境の一例を説明する図である。
図3】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバ上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】分配ギフト額算出処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。本発明の技術的範囲には、様々な変形例も含まれる。
【0014】
図1は、本発明の適用により実現されるライブ配信サービスの概要例を説明する図である。
このライブ配信サービスにおけるライブ配信LHは、配信サイトHSにより行われる。運営会社UKは、配信サイトHSを運用するか、或いは配信サイトHSを開設したサービス提供会社(別会社)から委託された会社である。それにより、運営会社UKは、配信サイトHSの運用上の業務を行う。
【0015】
配信サイトHSは、例えばライブ配信LHの実施を希望するユーザからの要求により、ライブ配信LHのための場を提供する。配信サイトHSは、例えばユーザからの要求により、予定するライブ配信LHを登録し、ライブ配信用の場としてのURL(Uniform Resource Locator)を発行して公開する。それにより、ライブ配信LHの視聴取を希望する人は、ライブ配信LHが開始される前か、或いはライブ配信の開始後に、発行されたURLに端末をアクセスさせ、ライブ配信LHを視聴取する。
【0016】
ライブ配信LHで視聴取されるのは、多くの場合、音声を含む動画か、或いは音声である。このことから、ライブ配信LHの受信者を「視聴取者」としている。ここでは、視聴取者は、配信サイトHSを利用し、何れか1つ以上のライブ配信LHを視聴取するか、或いは視聴取しようとする人の総称として用いる。視聴取者群SGは、そのような視聴取者の集まりである。以降、特に拘らない限り、動画(映像)は音声を含むものを指す意味で用いる。
【0017】
また、「配信者」は、ライブ配信LHに参加し、視聴取者に動画、或いは音声等で情報を提供する人の総称として用いる。ライブ配信LHを予約し、予約したライブ配信LHを行う者を指す意味で「オーガナイザー」(主催者)を用いる。そのオーガナイザー以外の配信者は「ゲスト」と表記する。このゲストは、例えばオーガナイザーによってライブ配信LHに参加する、或いは参加した者である。図1に示す「OG」「SP」は、それぞれオーガナイザー、ゲストに付した符号である。
【0018】
ゲストSPは、例えばオーガナイザーOGが視聴取者群SGのうちから指名された視聴取者である。オーガナイザーOGも、視聴取者としてライブ配信LHを視聴取することができる。このようなこともあり、オーガナイザーOG、ゲストSP、及び視聴取者の区別は、実際には着目するライブ配信LH等に応じて行う一時的なものである。
【0019】
配信サイトHSは、視聴取者と配信者との間のリアルタイムなコミュニケーションを可能とさせるコミュニケーション機能をサポートする。このコミュニケーション機能には、コメント投稿機能、及びギフティング機能等が含まれる。このようなコミュニケーション機能により、配信者、及び視聴取者ともに、相手をより強く意識することができ、この結果として、より強い一体感を得ることができる。
【0020】
ギフティング機能は、現金、或いは配信サイトHSで利用可能なアイテム、若しくは仮想通貨等をギフトとして視聴取者が贈呈することを可能にする。このようなギフトの贈呈により、配信者にとっては、自身が行っているライブ配信LHへの視聴取者の評価を確認することができるだけでなく、そのライブ配信LHへの報酬が得られることになる。このことから、ギフトの贈呈は、視聴取者にとっては配信者を応援することになり、配信者にとっては励みになる。
【0021】
配信サイトHSでは、ギフティング機能により贈呈可能なギフトの種類等が予め定められ、定められた種類のうちから視聴取者に選択させるようにしているのが普通である。後述する分配の対象とするギフトは、現金か、或いは現金に直接的か、若しくは間接的に換金可能なものである。このことから、ここでは、説明上、便宜的に、ギフトの種類は、現金に換金可能な仮想通貨のみであり、且つ視聴取者は、その仮想通貨の金額を選択可能であるものと想定する。この仮想通貨は以降「コイン」と表記し、贈呈されたコインは金額で表されるものと想定する。それにより、コインはギフトを指す意味でも用いる。なお、選択可能な種類、つまり贈呈可能なギフトは、コインに限定されない。その種類は複数でも良い。結果的に、ギフトは配信者が金銭的な利益を得られるものであれば良い。
【0022】
ギフティング機能によるギフトの贈呈、つまりコインの贈呈は、視聴取者が視聴取しているライブ配信LHに対して行われる。本実施形態では、1つ以上のライブ配信LHをグループ化し、1グループに属する各ライブ配信LHで贈呈されたコインを、そのグループ全体で贈呈されたコインとし、そのグループに属する各ライブ配信LHに分配する形を採用している。そのために、運営会社UKは、贈呈されたコインをグループ単位で一元的に管理し、贈呈されたコインの各ライブ配信LHへの分配を、配信サイトHSの運用上の業務として行う。グループに属する1つ以上のライブ配信LHは、本実施形態におけるライブ配信群に相当する。
【0023】
図1中に示す分配ギフト額BGは、運営会社UKにより1ライブ配信LHに分配されたコインの総額である。それにより、1ライブ配信LHに配信者としてオーガナイザーOG、及び一人以上のゲストSPが存在する場合、オーガナイザーOG、及び各ゲストSPには、その分配ギフト額の範囲内でコインがそれぞれ分配されることになる。
【0024】
本実施形態では、上記のように、オーガナイザーOGだけでなく、ゲストSPもギフトの分配対象としている。これは、ゲストSPが参加したライブ配信LHは、オーガナイザーOG、及びゲストSPの共創によるものだからである。そのようなゲストSPに対し、適切な報酬としてギフトを提供することにより、各ゲストSPは良い意味で意欲が刺激されると期待できる。ライブ配信LHへの参加意欲、上昇志向、或いは向上心等が刺激されると期待できる。その結果として、各ゲストSPが自律分散的に個性をより発揮できる環境が実現され、ライブ配信LHの質も向上すると期待できる。このような利点が期待できることから、ゲストSPもギフトの分配対象としている。
【0025】
コインの分配のために、運営会社UKでは、分配機能BK、及び集計機能SKが用意されている。この2つの機能BK、及びSKは、実際には1台、或いは複数台の情報処理装置上に実現されている。
分配機能BKは、グループに属する各ライブ配信LHで贈呈されたコインを各ライブ配信LHに分配するための機能である。この分配機能BKにより、各ライブ配信LHの分配ギフト額BGが算出され、ライブ配信LHの配信者にコインが分配される。
【0026】
グループ化によるコインの分配では、各ライブ配信LHのオーガナイザーOGにとって妥当と思われるように、各ライブ配信LHの分配ギフト額BGを適切に算出する必要がある。集計機能SKは、分配ギフト額BGをより適切に算出できるように、言い換えれば各ライブ配信LHをより適切に評価できるようにするために用意された機能である。集計機能SKは、例えばライブ配信LH毎に、配信時間、コインの贈呈数、その金額、及びコインを贈呈した視聴取者数、等を確認、或いは集計する。それら以外には、例えばゲストSPの総数、各ゲストSPの参加時間、視聴取者数(例えばライブ配信LHを視聴取した総視聴取者)、視聴取者毎の視聴取時間、視聴取者毎のコメントの投稿回数、視聴取者毎のSNSへのシェア数、ゲストSP毎の配信時間、及び該当イベントの有無、等のうちの一つ以上を確認、或いは集計する。
【0027】
図1中、視聴取者群SGから各ライブ配信LHに向かう矢印の「ギフト」は、視聴取者群SGを構成する各視聴取者がライブ配信LHに対するギフトの贈呈を表している。各ライブ配信LHから運営会社UKに向かう矢印の「ギフト、配信実績」は、各ライブ配信LHで各視聴取者が贈呈したギフトの内容を表す情報、及びそのライブ配信LHの配信実績の内容を表す情報が運営会社UKに送信されることを示している。この配信実績は、視聴取者による視聴取状況に係わるものである。以降、ギフトの内容を表す情報は「ギフト贈呈情報」、配信実績の内容を表す情報は「配信実績情報」とそれぞれ表記する。
【0028】
ギフト贈呈情報は、例えばギフトとしてコインを贈呈した視聴取者を表す識別情報、コインの金額を表す情報等を含むものである。贈呈されたギフト毎に、このような情報が運営会社UKに送信されることにより、ライブ配信LH毎に、コインの贈呈数、その金額、コインを贈呈した視聴取者数等が集計機能SKにより確認、或いは集計される。
【0029】
ライブ配信の開始時刻、及び終了時刻、視聴取者毎の視聴取開始時刻、及び視聴取終了時刻、コメントを投稿した視聴取者の識別情報等は、配信実績情報として運営会社UKに送信される。そのため、集計機能SKは、配信実績情報を用いて、上記配信時間、総視聴取者数、及び視聴取者毎の視聴取時間を確認、或いは集計することができる。このことから、配信実績情報は、ここでは各種配信実績の内容を表す情報の総称として用いている。配信実績情報の多くは、配信時間等の配信実績を直接的に表す情報ではない。
【0030】
分配機能BKは、集計機能SKにより贈呈が確認されたギフト、及び確認、或いは集計された配信実績を用いて、各ライブ配信LHの分配ギフト額BGを算出する。集計機能SKにより贈呈が確認されたギフトから、分配機能BKは、贈呈されたコインの総額をグループ単位で算出する。算出した総額を、各ライブ配信LHで確認、或いは集計された配信時間、視聴取者数、コメントの投稿数、等の配信実績を用いて分割する形で分配ギフト額BGをライブ配信LH毎に算出する。
【0031】
このようにして、分配機能BKは、贈呈されたギフトをグループ全体で集計し、集計したギフトを、各ライブ配信LHの配信実績に応じて分配する。そのようにして、グループに属するライブ配信LH間でのギフトの移動を可能にすることにより、グループ単位で各ライブ配信LHへのギフトの分配を最適化することができる。ギフトの分配は、例えば以下のように行うことが考えられる。
【0032】
例えば配信実績が良いライブ配信LHほど、つまり配信サイトHSへの貢献度合いが高いライブ配信LHほど、より多くのギフトを分配させることができる。そのような分配を行った場合、より質の高いライブ配信LHを行う配信者は、より多くの報酬をギフトから得ることができるようになる。そのため、比較的に多くの視聴取者から高く評価されるライブ配信LHを行う配信者に対し、質を維持させつつ、より長くライブ配信LHを行う活動を継続させようとする意欲をより強く刺激させることができる。そのような配信者をより確実に確保し続けられることから、配信サイトHSにとっても利点がある。
【0033】
一方、ギフトによる報酬を期待しながら、贈呈されるギフトが少ない配信者に対しては、ギフトによる報酬が十分な配信者からギフトを分けて与えるようなことも可能である。そのようにギフトを分け与えるようにした場合、ライブ配信LHの活動を開始したようなオーガナイザーOGは、本来、得られるコインより多くのコインを手にすることが可能になる。それにより、ライブ配信LHを行う活動をオーガナイザーOGがより長く継続できる環境が実現されることになる。
【0034】
このような環境では、実力、或いは才能のあるオーガナイザーOGにとっては、ライブ配信LHで成功する可能性がより高くなる。ライブ配信LHを行う活動を継続している間に、視聴取者が増えるとともに、贈呈されるギフトも多くなると期待できる。そのようなオーガナイザーOGが増え、質の高いライブ配信LHがより多く行われることにより、配信サイトHSを継続的に利用する視聴取者もより多くなると期待できる。これは、配信サイトHSでの利点である。
【0035】
継続的に利用する視聴取者のうちには、目当てのライブ配信LHだけでなく、他のライブ配信LHも視聴取するものが一定数、存在すると考えられる。そのため、視聴取者数がより多くなることにより、元々、質の高いライブ配信LHを行っていたオーガナイザーOGにとっても、中長期的な視点では、自身が行うライブ配信LHの視聴取者が増えると期待できる。視聴取者が増えることに伴い、ギフトによる報酬がより大きくなると期待できる。このようなことから、ライブ配信LHを行う活動をオーガナイザーOGがより長く継続できる環境を実現させた場合、中長期的な視点では、ライブ配信LHを行う大部分のオーガナイザーOGにとってギフトによる報酬がより大きくなる可能性がある。
【0036】
このように、各ライブ配信LHで贈呈されたギフトをグループ単位で扱い、配信実績に応じて、各ライブ配信LHに分配するようにした場合、分配の仕方に応じた利点が得られる。このことから、着目する利点、或いは状況等により、分配の仕方を設定すれば良い。分配の仕方を固定させる必要はない。
【0037】
以降は、図2図4を参照しつつ、図1に概要を例示する本サービスを提供するための具体的な方法について詳細に説明する。
図2は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバが接続されたネットワーク環境の一例を説明する図である。
【0038】
図2に示す例では、ライブ配信サービスを提供する配信サイトHSを運営会社UK自体が構築し運営することを想定している。配信サイトHSは、Webサーバ1、及び1台以上の配信サーバ(例えばストリーミングサーバ)2を、例えばLAN(Local Area Network)に接続させた構成となっている。なお、配信サイトHSの構成は、図2に示すようなものに限定されない。配信サイトHSには、複数台の配信サーバ2、及び複数台の配信サーバ2に処理を振り分けるロードバランサが存在していても良い。また、1台以上のDB(Data Base)サーバが含まれていても良い。
【0039】
配信サイトHSは、ネットワーク4を介してアクセスさせた端末を操作する操作者に対し、ライブ配信サービスを提供する。ここでは、その端末として、配信者が操作する配信者端末5、及びライブ配信LHを視聴取する視聴取者が操作する視聴取者端末6のみを表している。配信者端末5を操作する配信者としては、ここではオーガナイザーOGのみを想定する。ゲストSPは、視聴取者のうちからオーガナイザーOGによって指名された者であるとの想定から、視聴取者端末6を使用するものと想定する。配信者端末5、及び視聴取者端末6はともに多数、存在するのが普通である。
【0040】
Webサーバ1は、配信者、及びゲストSPを含む視聴取者に対しライブ配信サービスを提供するための処理を行う。その処理には、ギフトの贈呈、贈呈されたギフトのグループ単位での集計、グループ単位で集計されたギフトの分配等のための処理が含まれる。このことから、Webサーバ1は、本実施形態における情報処理装置に相当する。
【0041】
ネットワーク4は、例えばインターネットの他に、LAN、及び携帯電話網等のうちの一つ以上を含むものである。配信者端末5、及び視聴取者端末6としては何れも、PC(Personal Computer)、スマホ、及びタブレットPC等を用いることができる。配信者端末5では、動画のライブ配信LHを行う場合、動画を撮影可能なカメラ5C、及び音声入力が可能なマイクロフォン(図2中「マイク」と略記。以降、略記を用いる)5Mが接続されているか、或いは搭載されている必要がある。これは、ゲストSPが使用する視聴取者端末6でも同様である。ここでは、便宜的にカメラ5C、及びマイク5Mともに配信者端末5に搭載されていると想定する。
【0042】
配信サイトHSを構成するWebサーバ1は、例えば配信者端末5、及び視聴取者端末6からの各種要求を受信し、受信した要求に対応する。具体的には、要求に含まれる、或いはその要求によって指定されるURLに対応する画面(Webページ)の送信、その要求に応じた配信サーバ2への指示、配信サーバ2から送信された情報の処理、及び転送等を行う。ライブ配信LHにおけるコミュニケーション機能、つまりギフティング機能、及びコメント投稿機能等は、Webサーバ1によって提供される。
【0043】
Webサーバ1は、認証サーバとしても機能する。Webサーバ1は、認証サーバとして、配信者端末5を使用する配信者、及び視聴取者端末6を使用する視聴取者の認証を行う。それにより、ギフティング機能、及びコメント投稿機能等は、認証により、アカウントを有するユーザと確認できた人を対象に提供される。
【0044】
Webサーバ1は、ギフティング機能の提供により、ライブ配信LH毎、及び視聴取者毎に、贈呈されたコインを管理する。コメント投稿機能の提供により、ライブ配信LH毎、及び視聴取者毎に、投稿されたコメントを管理し、配信者、及び視聴取者で共有させる。また、配信サーバ2によるライブ配信LHのための動画(映像)、或いは音声の転送が行われた場合、そのライブ配信LHの配信実績を特定する。それにより、Webサーバ1は、贈呈されるギフトの管理、及び配信実績の特定とともに、グループ単位で各ライブ配信LHに分配すべきコインの金額である分配ギフト額BGの算出を行う。このようなことから、図1に示す集計機能SK、及び分配機能BKはともに、Webサーバ1上に実現されている。
【0045】
動画、或いは音声の転送の対象は、配信者端末5、及び視聴取者端末6である。そのため、配信者、及びゲストSPを含む視聴取者はともに、ライブ配信LHを視聴取することができる。動画、或いは音声の転送、つまり動画、或いは音声の受信、受信した動画、或いは音声の送信は、Webサーバ1を介して行うようにしても良いが、Webサーバ1を介さずに行っても良い。
【0046】
図3は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。次に図3を参照し、Webサーバ1のハードウェア構成例について具体的に説明する。なお、この構成例は一例であり、Webサーバ1のハードウェア構成はこれに限定されない。
【0047】
Webサーバ1は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、バス14、入出力インターフェース15、出力部16、入力部17、記憶部18、2つの通信部19、20、及びドライブ21、を備えている。
【0048】
CPU11は、例えばROM12に記録されているプログラム、或いは/及び記憶部18からRAM13にロードされたプログラムを実行し、各種の処理を実現させる。記憶部18からRAM13にロードされるプログラムには、例えばOS(Operating System)、及びそのOS上で動作する各種アプリケーション・プログラムが含まれる。各種アプリケーション・プログラムには、集計機能SK、及び分配機能BKの実現用に開発されたものが1つ以上、含まれる。以降、この開発されたアプリケーション・プログラムは、「開発アプリケーション」と表記する。
【0049】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。そのデータには、CPU11が実行する各種プログラムも含まれる。各種プログラムは、RAM13に読み出されてCPU11に実行される。
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、20、及びドライブ21が接続されている。
【0050】
出力部16は、例えば液晶等のディスプレイを含む構成である。出力部16は、CPU11の制御により、各種画像、或いは各種画面を表示する。出力部16は、Webサーバ1に搭載されたものであっても良いが、必要に応じて接続されるものであっても良い。それにより、出力部16は、必須の構成要素ではない。
【0051】
入力部17は、例えばキーボード等の各種ハードウェア釦等を含む構成のものである。その構成には、マウス等のポインティングデバイスが1つ以上、含まれていても良い。操作者(主にシステム管理者)は、入力部17を介して各種情報を入力することができる。この入力部17も、Webサーバ1に搭載されたものであっても良いが、必要に応じて接続されるものであっても良い。それにより、入力部17も、必須の構成要素ではない。
【0052】
記憶部18は、例えばハードディスク装置、或いはSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。データ量の大きいデータは、この記憶部18に記憶される。
通信部19は、例えばネットワーク4を介した通信用であり、通信部20は、配信サイトHS内に構築されたネットワークを介した通信用である。それにより、通信部19は、配信者端末5、及び視聴取者端末6とのネットワーク4を介した通信を実現させる。他方の通信部20は、配信サーバ2との通信を実現させる。以降、便宜的に、通信部19は「第1通信部19」、通信部20は「第2通信部20」と表記し区別する。
【0053】
ドライブ21は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリカード等のリムーバブルメディア25が着脱可能な装置である。ドライブ21は、例えば装着されたリムーバブルメディア25からの情報の読み取り、及びリムーバブルメディア25への情報の書き込みが可能である。それにより、リムーバブルメディア25に記録されたプログラムは、ドライブ21を介して、記憶部18に記憶させることができる。また、ドライブ21に装着されたリムーバブルメディア25は、記憶部18に記憶されている各種データのコピー先、或いは移動先として用いることができる。
【0054】
ライブ配信サービスの提供のサポート用に開発された開発アプリケーションは、リムーバブルメディア25に記録させて配布しても良い。ネットワーク4等を介して配布可能にしても良い。このことから、開発アプリケーションを記録した記録媒体としては、ネットワーク4に直接的、或いは間接的に接続された情報処理装置に搭載、若しくは装着されたものか、或いは外部のアクセス可能な装置に搭載、若しくは装着されたものであっても良い。
【0055】
Webサーバ1が備えるハードウェア資源は、アプリケーション・プログラムを含む各種プログラムによって制御される。その結果、Webサーバ1は、配信者端末5、視聴取者端末6、或いは配信サーバ2との通信を行い、ライブ配信サービスの提供のために必要な各種機能を提供する。贈呈されたギフトの管理、その分配は、その機能の一部によって実現される。
【0056】
図4は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るWebサーバ上に実現される機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。次に図4を参照しつつ、Webサーバ1上に実現される機能的構成の例について詳細に説明する。
Webサーバ1のCPU11上には、機能的構成として、図4に示すように、ユーザ登録部111、認証部112、設定処理部113、コイン発行部114、配信制御部115、配信実績特定部116、配信時要求処理部117、分配処理部118、及びページ生成部119が実現される。そのCPU11は、第1通信部19を介して、配信者端末5、及び視聴取者端末6との間でデータの送受信を行う。また、第2通信部20を介して、配信サーバ2との間でデータの送受信を行う。
【0057】
これらは、開発アプリケーションを含む各種プログラムをCPU11が実行することにより実現される。その結果として、記憶部18には、ユーザ情報格納部181、設定情報格納部182、配信予定情報格納部183、配信実績情報格納部184、要求処理情報格納部185、及び分配結果格納部186が情報格納用に確保される。
【0058】
ライブ配信サービスは、コインを贈呈するギフティングを可能とするために、ユーザとして登録した主に個人を対象に提供される。ユーザ登録部111は、ユーザに関する情報であるユーザ情報の登録、更には削除を含む編集に対応する。ユーザのアカウントは、このユーザ情報によって管理される。記憶部18に確保されたユーザ情報格納部181は、ユーザ情報の保存用の領域である。
【0059】
ネットワーク4を介してWebサーバ1に送信される各種要求を含むデータは、第1通信部19によって受信され、例えば直接、或いはRAM13を介してCPU11に入力される。それにより、CPU11上に実現された各部111~119が機能する。また、各部111~117、及び119の処理により生成された各種データは、例えばCPU11から第1通信部19に直接、或いはRAM13を介して出力され、第1通信部19、及びネットワーク4を介して端末宛に送信される。これは、配信サーバ2との通信時には、第1通信部19の代わりに第2通信部20が介在する。
【0060】
ページ生成部119は、各部111~118に指示された画面(Webページ)を生成し、生成した画面を、各部111~118に指定された端末に送信する。ライブ配信サービスに係わる各種要求の殆どは、端末に送信された画面上の操作により、その端末からWebサーバ1に送信される。例えばユーザ登録部111がユーザ登録のために処理するユーザ登録要求は、ユーザ登録のための登録画面上の各入力ボックスに必要な情報を入力した後、「登録」ボタン等を使用者である要求者が操作することにより、端末から送信される。このユーザ登録要求には、コマンドの他に、登録画面上で使用者が各入力ボックスに入力した情報が含まれる。
【0061】
何らかの要求を端末から送信させた要求者(使用者)の全てが、ユーザ登録を行っているとは限らない。また、配信者、及び視聴取者の区別は、状況に応じて変化する。ユーザ登録した者は、オーガナイザーOG、ゲストSP、及び視聴取者の何れにもなれる。このようなことから、要求を送信させた者が特定できないような場合、上記のように、その者は「要求者」と総称する。要求者が配信者、及び視聴取者のうちの何れであっても良い場合、その要求者は「ユーザ」と表記する。ユーザ、或いは要求者が操作する端末は、上記のように「端末」と表記する。
【0062】
ユーザ登録部111によって登録されるユーザ情報の大部分は、ユーザ登録要求に含まれる情報か、或いはその情報を表す別の情報である。それにより、ユーザ情報は、登録要求者によって入力された情報に、必要な情報を加える形で生成される。
ユーザ登録要求に含まれる、登録要求者によって入力される情報には、例えば名前、住所、メールアドレス、認証用のパスワードの他に、決済情報が含まれる。決済情報は、例えばクレジットカードの情報、及び口座情報が含まれる。クレジットカードの情報は、発行するコインの代金の支払いのため等に用いられる。口座情報は、入金のために用いられる。贈呈されたギフトは、現金化させ、口座情報で指定される口座に入金させることができる。この現金化等は周知なこともあり、詳細な説明は省略する。
【0063】
ユーザ情報に加えられる情報としては、例えばユーザID(IDentifier)、コイン残高、及び登録日時等が挙げられる。このユーザIDは、登録されたユーザを一意に表す情報であり、認証用としても用いられる。コイン残高は、利用可能なコインの上限額である。贈呈されるコインの金額は、このコイン残高か、或いは設定された上限金額によって制限される。登録時には、コイン残高は初期値、例えば0とされる。登録日時は、現在日時である。
【0064】
認証部112は、認証自体を含む認証に係わる処理を行う。端末からの認証要求だけでなく、ログイン画面の送信要求等にも対応する。この送信要求をWebサーバ1が受信した場合、認証部112は、ページ生成部119に指示し、ログイン画面を生成させ、第1通信部19を介して、送信要求を受信した端末宛に送信させる。そのようにして、認証部112は、端末からの認証要求の送信を可能にさせる。
【0065】
認証要求は、例えばログイン画面上にユーザID、及びパスワードが入力された状態でログインを指示することにより、端末から送信される。それにより、認証要求には、コマンドの他に、ログイン画面上で入力されたユーザID、及びパスワードが含まれる。
認証部112は、認証要求をWebサーバ1が受信した場合、その認証要求に含まれるユーザID、及びパスワードの組が格納されているユーザ情報が存在するか否かを確認することにより、認証を行う。認証部112は、この認証結果に応じて、生成させる画面をページ生成部119に指示し、認証要求を送信させた端末に、指示した画面を送信させる。それにより、その端末の使用者は、認証結果を認識することができる。この認証により、各ユーザと、そのユーザが使用する端末との間の対応関係が特定される。
【0066】
設定処理部113は、主に配信サイトHSを管理する権限を有するシステム管理者による各種設定を可能にする。ライブ配信LHのグループ化、分配ギフト額BGの算出方法等は何れも、設定対象の一つである。設定された内容は、設定種別を表す種別コードを含む設定情報として、記憶部18に確保された設定情報格納部182に保存される。
【0067】
ライブ配信LHのグループ化は、分配ギフト額BGの算出のために設定される。そのため、グループ化では、例えばライブ配信LHの分配ギフト額BGの算出タイミング、及び分配タイミングも併せて設定される。分配タイミングは、贈呈されたギフトを実際に分配するタイミングである。
【0068】
ライブ配信LHのグループ化としては、ジャンル、対象期間、想定する視聴取者の区分、等により行うことが考えられる。それらを組み合わせることも考えられる。しかし、ここでは、混乱を避けるため、ライブ配信LHのグループ化は、対象期間の指定のみにより行われるものと想定する。この想定では、対象期間内に行われるライブ配信LHの全てが1グループとされ、分配ギフト額BGの算出は、例えば対象期間分のライブ配信LHが全て終了した後に行えば良い。そのため、分配ギフト額BGの算出タイミングを指定しなくとも良い。なお、その対象期間は、特に限定されない。時間、日、週、月等の何れを単位とした指定であっても良く、日時の指定であっても良い。
【0069】
設定処理部113は、オーガナイザーOGによるライブ配信LHの予定の設定を可能にする。そのために、設定処理部113は、ライブ配信LHの予定の設定が可能な予約設定画面の送信要求が受信された場合、例えばページ生成部119にその予約設定画面の生成を指示する。その指示により、ページ生成部119は、生成した予約設定画面を、その送信要求を受信した配信者端末5に送信させる。
【0070】
この予約設定画面は特に図示していないが、その画面上には、例えば配信開始日時、配信終了日時(何れも予定日時)、及びタイトル等を入力するための入力ボックスが複数、配置されている。それにより、ライブ配信LHの実施を希望するオーガナイザーOGは、各入力ボックスに情報を入力し、「予約」ボタン等を操作すれば良い。この操作により、ライブ配信LHの予約の設定(登録)のための予約設定要求が配信者端末5からWebサーバ1に送信される。その設定要求には、対応するコマンドの他に、予約設定画面上の各入力ボックスに入力された情報が含まれる。
【0071】
設定処理部113は、このような予約設定要求が受信された場合、その設定要求で指定されたライブ配信LHの予約(登録)を行う。そのライブ配信LHのために、設定処理部113は、例えばライブ配信LHのためのURL、及びライブ配信LHを一意に識別可能なID(以降「ライブ配信ID」と表記)を発行する。その後、設定処理部113は、例えばURL、ライブ配信ID、設定された配信開始日時、配信終了日時、タイトル、及びオーガナイザーOGのユーザID、ゲストSPへのギフトの分配の有無、配信の有無等を含む配信予定情報を生成し、記憶部18に確保された配信予定情報格納部183に格納する。
【0072】
なお、配信予定情報格納部183に格納された配信予定情報は公開される。そのため、視聴取者は、予約されたライブ配信LH、及びそのライブ配信LHを行う予定のオーガナイザーOG等を事前に確認することができる。それにより、視聴取者は、視聴取を希望するライブ配信LHを視聴取できるように行動することができる。予約されたライブ配信LH等の確認方法等についての詳細は省略する。
【0073】
上記のように、ゲストSPが参加するライブ配信LHは、オーガナイザーOG、及びゲストSPの共創によるものである。この事実、更にはゲストSPの参加意欲等の刺激のために、本実施形態では、ゲストSPへのギフトの分配を可能とさせている。しかし、オーガナイザーOGとの関係、或いはライブ配信LHの内容等により、ゲストSPへのギフトの分配が不要とする場合もあると考えられる。このことから、本実施形態では、ゲストSPへのギフトの分配の有無を設定可能とさせている。なお、ゲストSPは、ライブ配信LHの予約時に設定できるようにしても良い。
【0074】
システム管理者による各種設定、オーガナイザーOGによるライブ配信LHの予約の何れも、端末からの設定要求の送信により行わせることができる。オーガナイザーOGは、予約したライブ配信LHの配信開始日時、及び配信終了日時のうちの一方を変更する配信期間の変更、或いはキャンセル等も可能である。そのような変更、或いはキャンセル等が要求された場合、設定処理部113は、その要求に応じて、対応する配信予約情報の更新、或いは削除を行う。
【0075】
コイン発行部114は、現金によるコインの購入を可能にする。コインの購入を希望するユーザは、例えばクレジットカード、及び金額等を指定し、コインの購入を指示する。その指示により、コインの購入要求が端末からWebサーバ1に送信される。
このコインの購入要求には、例えばその要求に応じたコマンド、指定されたクレジットカード、及び金額の他に、ユーザIDが含まれる。それにより、コイン発行部114は、購入要求に含まれるユーザIDが格納されているユーザ情報をユーザ情報格納部181から読み出し、購入代金を徴収するための処理を行うとともに、その購入代金分、コイン残高を加算する。つまり、コイン残高を、現在額に購入代金分のコイン額を加算した額に更新する。コイン発行部114は、そのように、コイン残高を更新することにより、コインを発行し、ユーザ情報格納部181に格納されているユーザ情報が更新される。
【0076】
コインの購入には、現金での決済が必要である。この決済機能をコイン発行部114に備えても良いが、既存の決済インフラストラクチャを利用しても良い。その決済インフラストラクチャは、例えばAPI(Application Programming Interface)を用いて利用しても良い。これらのことは周知であるため、ここでは詳細な説明は省略する。また、コインの現金化についての詳細な説明も省略する。
【0077】
配信制御部115は、配信者、及び視聴取者へのライブ配信サービスの提供に対応する。配信者であるオーガナイザーOGが使用する配信者端末5、及びゲストSPが使用する視聴取者端末6には、ライブ配信LHのための画面をページ生成部119に生成させて送信させる。視聴取者がそれぞれ使用する各視聴取者端末6には、ライブ配信LHの視聴取専用の画面を生成させて送信させる。配信サーバ2には、例えばオーガナイザーOGが使用する配信者端末5からのライブ配信LHの開始指示により、そのライブ配信LHのための動画、或いは音声の送受信を開始させる。その送受信は、例えばオーガナイザーOGが使用する配信者端末5からのライブ配信LHの終了指示により、終了させる。
【0078】
配信制御部115は、画面を送信させた配信者端末5、及び視聴取者端末6を指定する識別情報、例えばIP(Internet Protocol)アドレス等を配信サーバ2に通知する。IPアドレス等の端末の識別情報は、ユーザの認証時に、そのユーザに対応付けられる情報である。このような識別情報が通知されることにより、配信サーバ2は、配信者、及び視聴取者がライブ配信LHを視聴取できるように、動画、或いは音声の転送を行う。
【0079】
視聴取者端末6に送信される画面では、ギフトの贈呈、コメントの投稿、及びSNSのシェア等の指示が可能となっている。ギフトの贈呈では、特に図示しないが、ライブ配信LHに参加しているゲストSPの指定を可能にさせている。このことから、配信制御部115は、ゲストSPの増減が発生した場合、新たに参加するゲストSP、或いは退場するゲストSPのユーザIDをページ生成部119に通知するようになっている。この通知により、ページ生成部119は、例えば視聴取者端末6に新たに送信すべき画面を少なくとも生成し、対象となる視聴取者端末6に送信する。このため、ギフトの贈呈が可能なゲストSPは、ライブ配信LHに参加中のゲストSPのみとなっている。
ゲストSPの指定を可能にするか否かは、配信予定情報中のゲストSPへのギフトの分配の有無により決定される。ゲストSPへのギフトの分配が「無」であった場合、ゲストSPの指定は不可能となる。
【0080】
オーガナイザーOGが使用する配信者端末5に送信される画面は、例えばオーガナイザーOGによる視聴取者のうちからのゲストSPの指名に対応可能なものである。配信制御部115は、そのような画面を送信させることにより、オーガナイザーOGが視聴取者のうちからのゲストSPの指名、及び参加しているゲストSPの退場等を任意に行えるようになっている。そのため、ゲストSPの増減が発生する可能性がある。
【0081】
なお、ゲストSPに指名された視聴取者は、その指名を拒否することが可能である。また、ゲストSPは、随時、ログオフを行うことが可能である。このようなことから、ゲストSPの増減は、オーガナイザーOGだけでなく、ゲストSPの意思によっても発生する。視聴取者のゲストSPとしてのライブ配信LHへの参加、退場等の詳細については、周知であることから、詳細な説明は省略する。
【0082】
このように、配信制御部115は、随時、必要な画面をページ生成部119に生成させ、配信者端末5、或いは視聴取者端末6に送信すべき画面を送信させる。この結果、オーガナイザーOGは任意の視聴取者をゲストSPとしてライブ配信LHに参加させることができる。視聴取者は、自身がライブ配信LHに参加できる可能性から、ライブ配信LHを通じて他者と繋がっている意識をより強く持つことができる。ゲストSPとしての参加を希望している視聴取者は、コメントの投稿、或いはギフトの贈呈等のコミュニケーションを通して、自身をよりアピールするようになると期待できる。そのようなコミュニケーションがより盛んに行われることにより、ライブ配信LHは、他者との繋がりが更に感じられるものとなる。
【0083】
配信実績特定部116は、ライブ配信LH毎に、そのライブ配信LHの配信実績を特定し、その特定結果を配信実績情報として、記憶部18に確保されている配信実績情報格納部184に格納する。この配信実績情報は、図1を参照して説明したものとは異なる。
配信実績の特定は、例えば配信サーバ2が送受信するライブ配信LH用の情報を監視するか、或いは配信サーバ2から自動的に、若しく要求により必要な情報を取得することで行われる。そのような情報により、ライブ配信LHの配信開始日時、配信終了日時、視聴取者毎の視聴取開始日時、視聴取終了日時、ゲストSP毎の参加開始日時、参加終了日時、ゲストSP毎の発言開始日時、発言終了日時、等を確認することができる。これらの確認により、配信実績として、ライブ配信LHの配信時間、視聴取者毎の視聴取時間、ゲストSP毎の参加時間、ゲストSP毎の発言時間、等を特定することができる。視聴取時間、参加時間、及び発言時間は全て、累算された総時間である。
【0084】
配信実績特定部116は、例えばこのような配信実績の特定結果をそれぞれ配信実績情報としてライブ配信LH毎にまとめ、記憶部18に確保された配信実績情報格納部184に格納する。ライブ配信LH毎のまとめは、例えばライブ配信IDを配信実績情報に付加する形で行うようにしても良い。配信実績情報が表す配信実績は何れも、視聴取者によるライブ配信LHの視聴取に係わる視聴取状況を直接的、或いは間接的に表していることから、ここでの配信実績情報は本実施形態における配信実績情報に相当する。ゲストSP毎の参加時間、及びゲストSP毎の発言時間、等は、対象者別の参加実績を表す情報に相当する。
【0085】
なお、ゲストSPがライブ配信LHに参加している場合、ゲストSPが使用する配信者端末5から動画、或いは音声が配信サーバ2に送信される。このことから、音声が配信サーバ2に送信されている時間は、ゲストSPの発言期間と見なすことができる。ゲストSPのライブ配信LHへの参加、及び退場は、例えばオーガナイザーOGの指示により可能になる。参加させる、或いは退場させるゲストSPは、オーガナイザーOGが使用する配信者端末5からWebサーバ1に通知され、Webサーバ1による配信サーバ2の制御に反映される。このようなことから、配信実績特定部116は、オーガナイザーOG、ゲストSP、及び視聴取者に分けて、配信実績を特定することができる。
【0086】
ライブ配信LHを視聴取中の視聴取者は、上記のように、ギフトとしてのコインの贈呈、コメントの投稿、及びSNSへのシェア等を任意に行うことができる。これらは何れも、視聴取者の操作により行われ、その操作に応じた要求が視聴取者端末6からWebサーバ1に送信される。配信時要求処理部117は、ライブ配信LHの視聴取時に視聴取者端末6から送信される要求に対応し処理する。その処理により、要求処理情報が生成され、記憶部18に確保された要求処理情報格納部185に格納される。
【0087】
要求処理情報は、例えばライブ配信ID、要求種別、対象者ID、視聴取者のユーザID、要求内容、要求日時、等を表す情報群である。
要求種別は、ギフトの贈呈、コメントの投稿、或いはSNSのシェア等を表す。本実施形態では、ライブ配信LHに複数人の配信者が存在する場合に、配信者のうちからギフトを贈呈する対象者を視聴取者が指定するのを可能にさせている。対象者IDは、視聴取者がギフトの贈呈先として指定した配信者のユーザIDである。ギフトの贈呈が前提となるため、対象者IDは、要求種別がギフトの贈呈であった場合に有効となる。要求種別がギフトの贈呈を表す要求処理情報は、本実施形態におけるギフト情報に相当する。
【0088】
要求内容は、要求種別に応じた情報である。要求種別がギフトの贈呈を表していた場合、要求内容はギフトとして贈呈されたコインの額を表す。要求種別がコメントの投稿であれば、投稿されたコメントの内容を表す。
視聴取者のユーザIDは、ギフトの贈呈、コメントの投稿、或いはSNSのシェアを行った視聴取者の特定を可能にする。
【0089】
このようなことから、要求処理情報の保存により、ライブ配信LHで贈呈されたギフトの管理、及び投稿されたコメントの表示、等が可能となる。また、配信実績として、コメントの投稿数、コメントを投稿した視聴取者数、及びSNSのシェア数、等の特定が可能になる。それにより、配信時要求処理部117は、本実施形態におけるギフト情報取得手段、及び配信実績情報取得手段に相当する。上記配信実績特定部116も配信実績情報取得手段に相当する。配信実績特定部116、及び配信時要求処理部117はともに、図1に示す集計機能SKに相当する。
【0090】
配信時要求処理部117は、要求処理情報を保存する一方、コメントの投稿、或いはギフトの贈呈を配信者、及び視聴取者が確認できるように、配信者端末5、及び視聴取者端末6にそれぞれ表示させる画面を更新させる。この更新は、ページ生成部119を用いて行われる。この更新により、配信時要求処理部117は、ライブ配信LHが行われている間、配信者と視聴取者との間、及び視聴取者間で贈呈されたギフト、及び投稿されたコメント等の情報共有を可能にさせる。
【0091】
分配処理部118は、グループ毎に、そのグループで設定されたタイミングで、グループを構成する各ライブ配信LHの分配ギフト額BGを算出する。そのために、分配処理部118は、設定情報格納部182に格納されている、グループ化の設定内容を示す設定情報を参照する。上記のように、対象期間の指定によりライブ配信LHをグループ化させる場合、分配処理部118は、対象期間内の全てのライブ配信LHが終了するのを待って、分配ギフト額BGの算出を行う。
【0092】
図5は、分配ギフト額算出処理の例を示すフローチャートである。この分配ギフト額算出処理は、分配ギフト額BGの算出のために、分配処理部118が実行する処理である。例えば設定情報を参照して対象期間を特定し、特定した対象期間内に行われたライブ配信LHを配信予定情報、及び配信実績情報の参照により確認し、その確認により特定したライブ配信LHの全ての配信終了が確認された場合に、実行される。ここで図5を参照し、分配処理部118により実行される分配ギフト額算出処理について詳細に説明する。
【0093】
先ず、ステップS1では、分配処理部118は、配信予定情報、及び配信実績情報を参照して、対象期間内に行われた全てのライブ配信LHを特定する。続くステップS2では、分配処理部118は、特定したライブ配信LH毎に、対応する要求処理情報を参照することにより、各ライブ配信LHのギフトの総額を算出し、算出した総額を累算することにより、ライブ配信LH全体での総ギフト額を算出する。
【0094】
次に移行するステップS3では、分配処理部118は、特定したライブ配信LH毎に、配信実績情報を参照して、各視聴取者の視聴取時間を累算し、その累算結果を更に累算することにより、全てのライブ配信LHでの総視聴取時間を算出する。ここでは、ライブ配信LH毎に累算して算出される総視聴取時間は、全てのライブ配信LHでの総視聴取時間と区別するために、以降「合計視聴取時間」と表記する。
【0095】
その次に移行するステップS4では、分配処理部118は、特定したライブ配信LH毎に、配信実績情報を参照して、視聴取者数を特定し、特定した視聴取者数を累算して、ライブ配信LH全体での総視聴取者数を算出する。その後にステップS5に移行する。ライブ配信LH毎に特定される視聴取者数は、以降「合計視聴取者数」と表記し、全てのライブ配信LHでの総視聴取者数と区別する。
【0096】
ステップS5では、分配処理部118は、ステップS1で特定したライブ配信LHのうちの1つを選択する。続くステップS6では、分配処理部118は、選択したライブ配信LHで算出された合計視聴取時間、及びそのライブ配信LHで特定された合計視聴取者数を取得する。その後に移行するステップS7では、分配処理部118は、例えば総ギフト額、合計視聴取時間、合計視聴取者数、総視聴取時間、及び総視聴取者数を用いて、ステップS5で選択したライブ配信LHでの分配ギフト額BGを算出する。
【0097】
この分配ギフト額BGの算出は、例えば以下のようにして行われる。ここでは、説明上、便宜的に、各ライブ配信LHで贈呈されたギフトの全ては分配対象と想定する。つまり配信サイトHSは、贈呈されたギフトのうちの一部を手数料等として徴収しないものと想定する。
【0098】
分配ギフト額BGは、例えば以下の式により算出される。
分配ギフト額 = (視聴時間率×α+視聴取者数率×β)×総ギフト額
(1)
ここで、α、及びβはともに0より大きく1未満の係数である。
式(1)中の視聴時間率、及び視聴取者数率は、例えば以下の式により算出される。
視聴取時間率 = 合計視聴取時間/総視聴取時間 (2)
視聴取者数率 = 合計視聴取者数/総視聴取者数 (3)
【0099】
このようにして算出される分配ギフト額BGは、より多くの視聴取者が視聴取するほど、配信時間が長くなるほど、大きくなる。そのため、より多くの視聴取者に支持、或いは応援されるオーガナイザーOGが行うライブ配信LHの分配ギフト額BGは、そのライブ配信LHで贈呈されたギフトの総額よりも大きくなるのが普通である。本実施形態では、このような分配ギフト額BGを算出するようにして、視聴取者が長期的に活動を継続するのを望んでいると考えられるオーガナイザーOGにはより多くのギフトによる報酬が得られるようにしている。
【0100】
なお、図1を参照して説明した通り、これは分配ギフト額BGの算出における一つの視点によるものである。別の視点で分配ギフト額BGの算出を行うようにしても良い。二つの視点を考慮する形で分配ギフト額BGの算出を行うようにしても良い。また、ライブ配信LHの活動を行っている期間、或いは視聴取を行う視聴取者の傾向、等を考慮して、オーガナイザーOGを分類し、その分類結果を分配ギフト額BGの算出に反映させるようにしても良い。このようなこともあり、分配ギフト額BGの算出には様々な変形が可能である。着目可能な配信実績も様々である。
【0101】
上記のようにして、分配ギフト額BGを算出した後は、ステップS8に移行し、分配処理部118は、選択したライブ配信LHでオーガナイザーOGの他にギフトを受け取るべき分配対象者の確認を行う。この確認は、例えば配信予定情報、及び配信実績情報を参照することで行われる。配信予定情報中のゲストへのギフト分配の有無が有を示し、且つ配信実績情報が1人以上のゲストSPの参加を示していた場合、ライブ配信LHに参加した各ゲストSPは配信者として分配対象者と見なされる。
【0102】
次に移行するステップS9では、分配処理部118は、確認できた分配対象者が複数人か否か、つまりギフトを分配すべきゲストSPが1人以上、存在するか否か判定する。そのようなゲストSPが存在する場合、ステップS9の判定はYESとなってステップS10に移行する。そのようなゲストSPが存在しない場合、つまり配信予定情報中のゲストへのギフト分配の有無が無を示すか、或いはゲストSPの参加が確認できなかった場合、ステップS9の判定はNOとなってステップS11に移行する。ステップS9の判定のNOによりステップS11に移行した場合、ステップS7で算出された分配ギフト額BGのギフトが、オーガナイザーOGのギフトとなる。
【0103】
ステップS10では、分配処理部118は、分配対象者、つまり配信者をオーガナイザーOG、及びゲストSPの種類で分け、算出した分配ギフト額BGを用いて、各分配対象者に分配すべきギフト分を種類別に算出する。その後、ステップS11に移行する。
このギフト分は以降「対象者別ギフト額」と総称する。オーガナイザーOG、及びゲストSPの各対象者別ギフト額は、「オーガナイザー分ギフト額」及び「ゲスト分ギフト額」とそれぞれ表記する。このゲスト分ギフト額は、全てのゲストSPに分配されるギフトの総額である。各ゲストSPに分配されるギフト分は、「個別ゲスト分ギフト額」と表記し区別する。
【0104】
オーガナイザー分ギフト額は、例えば以下のようにして算出される。
オーガナイザー分ギフト額 = 分配ギフト額 × γ (4)
この場合、ゲスト分ギフト額は、例えば以下のようにして算出される。
ゲスト分ギフト額 = 分配ギフト額 × (1-γ) (5)
ここで、γは0より大きく1未満の係数である。
個別ゲスト分ギフト額は、ゲスト分ギフト額を用いて、例えば以下のようにして算出される。
個別ゲスト分ギフト額 = (ギフティング獲得率×δ+総配信時間率×(1-δ))
×ゲスト分ギフト額 (6)
ここで、δは0より大きく1未満の係数である。
【0105】
式(6)において、ギフティング獲得率は、対象のゲストSPに贈呈されたギフトがゲストSP全体に贈呈されたギフトに占める割合である。また、総配信時間率は、対象のゲストSPが発言していた総時間がゲストSP全体での総発言時間に占める割合である。これらは、例えば以下のようにして算出することができる。
ギフティング獲得率 = 対象のゲストに贈呈されたギフトの総額
/ゲスト全体に贈呈されたギフトの総額 (7)
総配信時間率 = 対象のゲストが発言していた総時間
/ゲスト全体での総発言時間 (8)
【0106】
上記のように、本実施形態では、分配ギフト額BGを係数γの値に応じてオーガナイザーOG分、及びゲストSP分に分けるようにしている。これは、ゲストSPの人数に係わらず、オーガナイザーOGが或る程度のギフトを確保できるようにするためである。オーガナイザー分ギフト額、ゲスト分ギフト額、及び個別ゲスト分ギフト額は全て、本実施形態における対象者別ギフト額に相当する。
【0107】
個別ゲスト分ギフト額の算出には、ギフティング獲得率、及び総配信時間率を用いている。これは、各ゲストSPに贈呈されたギフトの総額、及び各ゲストSPが発言していた総時間の何れも、ゲストSPがライブ配信LHへの貢献度合いを表すと言える指標だからである。このような指標を個別ゲスト分ギフト額の算出に反映させることにより、ゲスト分ギフト額の範囲での各ゲストSPへのギフトの分配がより適切に行えるようになる。そのため、ゲスト分ギフト額の分配に対する各ゲストSPの不満を回避できるか、或いはその不満の程度をより抑えることができる。
【0108】
各ゲストSPに対するギフトの総額は、そのゲストSPを支持する、或いは応援する視聴取者の数、或いは視聴取者の評価レベルを表していると考えられる。その視聴取者の数が大きくなるほど、及び視聴取者の評価レベルが高くなるほど、ライブ配信LHへの貢献度合いは高いと言える。一方、各ゲストSPが発言している総時間は、その時間が長くなるほど、そのゲストSPがライブ配信LHに寄与している可能性が高いと言える。
【0109】
なお、オーガナイザー分ギフト額、ゲスト分ギフト額、及び個別ゲスト分ギフト額等の各算出方法は、上記のようなものに限定されない。着目する配信実績も特に限定されない。ゲストSPの位置付け、その人数等に応じて、異なる算出方法を選択するようにしても良い。例えばオーガナイザー分ギフト額、及びゲスト分ギフト額では、係数γを全てのライブ配信LHで同じ値ではなく、ライブ配信LHに応じて値を異ならせるようにしても良い。係数γの値をオーガナイザーOGが任意に設定できるようにしても良い。オーガナイザーOGに係数γの値を設定可能にさせる場合、ライブ配信LHの予約時にオーガナイザーOGに設定させても良い。
【0110】
ステップS11では、分配処理部118は、分配ギフト額BGを算出すべき他のライブ配信LHがないか否か判定する。ステップS1で特定したライブ配信LHの全てで分配ギフト額BGを算出した場合、他に選択すべきライブ配信LHが存在しないことから、ステップS11の判定はYESとなり、ここで分配ギフト額算出処理が終了する。一方、他に選択すべきライブ配信LHが残っていた場合、ステップS11の判定はNOとなり、上記ステップS5に戻る。それにより、分配ギフト額BGを算出していないライブ配信LHのうちの1つが選択される。
【0111】
このようにして、分配処理部118は、グループに属するライブ配信LH毎に、分配ギフト額BGを算出し、更にはオーガナイザーOG、及びゲストSPの配信者の種類別に、対象者別ギフト額を必要に応じて算出する。それにより、分配処理部118は、ライブ配信LH毎に少なくとも分配ギフト額BGを算出し、その算出結果を分配結果として分配結果格納部186に格納する。この分配結果は、例えばライブ配信ID、オーガナイザーOG、或いはゲストSPのユーザID、分配されるギフト額、及び算出日時を少なくとも含む情報である。
【0112】
このような分配結果は、上記分配タイミングの到来により、オーガナイザーOG、更にはゲストSPに対応するユーザ情報中のコイン残高に反映される。それにより、オーガナイザーOG、及びゲストSPは、グループ単位のギフトのうちで受け取るべきギフト分を自動的に受け取ることになる。
【0113】
なお、本実施形態では、ライブ配信LH内でギフトを分配する対象者として、オーガナイザーOG、及びゲストSPのみを想定しているが、対象者の種類は、これに限定されない。つまり対象者の種類は、3以上であっても良い。例えばゲストSPを全て同列に扱うのではなく、役割、或いはライブ配信LHに参加している時間等に応じて、細分化しても良い。
【符号の説明】
【0114】
1 Webサーバ、2 配信サーバ、4 ネットワーク、5 配信者端末、6 視聴取者端末、11 CPU、18 記憶部、19 通信部、111 ユーザ登録部、112 認証部、113 設定処理部、114 コイン発行部、115 配信制御部、116 配信実績特定部、117 配信時要求処理部、118 分配処理部、119 ページ生成部、181 ユーザ情報格納部、182 設定情報格納部、183 配信予定情報格納部、184 配信実績情報格納部、185 要求処理情報格納部、186 分配結果格納部、BK 分配機能、HS 配信サイト、LH ライブ配信、OG オーガナイザー、SG 視聴取者群、SK 集計機能、SP ゲスト、UK 運営会社。
図1
図2
図3
図4
図5