(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043875
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】音測定装置および音測定プログラム
(51)【国際特許分類】
G01H 3/00 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
G01H3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149098
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】平手 利昌
(72)【発明者】
【氏名】上地 純平
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AA12
2G064AB15
2G064AB22
2G064BA12
2G064CC13
2G064DD08
2G064DD14
(57)【要約】
【課題】対象物からの距離が変化しても、対象物からの発生する音を精度よく測定する音測定装置および音測定プログラムを提供する。
【解決手段】本実施形態の音測定装置10は、撮影部12、距離検出部15、音検出部16、およびデータ作成部21を備える。撮影部12は、音源となる対象物を含む画像を、取得画像として撮影する。距離検出部15は、前記撮影部12で画像を撮影するとき、前記対象物からの距離を撮影距離として検出する。音検出部16は、前記撮影部12で画像を撮影するとき、前記対象物から発生する音を音レベルとして検出する。データ作成部21は、前記取得画像に、前記距離検出部15で検出した前記撮影距離、および前記音検出部16で検出した音レベルを関連付けて取得データを作成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音源となる対象物を含む画像を、取得画像として撮影する撮影部と、
前記撮影部で画像を撮影するとき、前記対象物からの距離を撮影距離として検出する距離検出部と、
前記撮影部で画像を撮影するとき、前記対象物から発生する音を音レベルとして検出する音検出部と、
前記取得画像に、前記距離検出部で検出した前記撮影距離、および前記音検出部で検出した音レベルを関連付けて取得データを作成するデータ作成部と、
を備える音測定装置。
【請求項2】
データ作成部は、複数の前記取得画像における前記撮影距離と前記音レベルとに基づいて、前記対象物からの距離に応じて減衰する音レベルを補正するための補正データを作成する、
請求項1記載の音測定装置。
【請求項3】
複数の前記取得画像のうち任意の1つを基準画像とし、前記基準画像から、前記対象物を含む任意の範囲を登録範囲画像として抽出する画像抽出部と、
前記取得画像のうち任意の検査画像から前記登録範囲画像と重複する相似形の範囲を重複範囲画像として抽出する重複画像抽出部と、をさらに備え、
前記距離検出部は、前記登録範囲画像の大きさと、前記重複範囲画像の大きさとを比較して、前記対象物から前記撮影部までの距離を算出する、
請求項2記載の音測定装置。
【請求項4】
前記撮影距離および前記補正データを用いて、前記取得データの前記音レベルを補正する補正部を、
さらに備える請求項2または3記載の音測定装置。
【請求項5】
音源となる対象物を含む画像を、取得画像として撮影する撮影部と、
前記撮影部で画像を撮影するとき、前記対象物から発生する音を音レベルとして検出する音検出部と、
前記取得画像に、前記音検出部で検出した音レベルを関連付けて取得データを作成するデータ作成部と、
複数の前記取得画像のうち任意の1つを基準画像とし、前記基準画像から、前記対象物を含む任意の範囲を登録範囲画像として抽出する画像抽出部と、
前記取得画像のうち任意の検査画像から前記登録範囲画像と重複する相似形の範囲を重複範囲画像として抽出する重複画像抽出部と、
前記登録範囲画像に対する前記重複範囲画像の大きさと、前記対象物からの距離に応じて減衰する音レベルを補正するために予め設定されている補正データとから、前記取得データの前記音レベルを補正する補正部と、
を備える音測定装置。
【請求項6】
前記データ作成部は、前記登録範囲画像に対する前記重複範囲画像の大きさと、前記音レベルの減衰との関係として前記補正データを作成する、
請求項5記載の音測定装置。
【請求項7】
携帯端末を、音測定装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
音源となる対象物を含む画像を、取得画像として撮影部で撮影する撮影手順と、
前記撮影部で画像を撮影するとき、前記対象物からの距離を距離検出部で撮影距離として検出する距離検出手順と、
前記撮影部で画像を撮影するとき、前記対象物から発生する音を音検出部で音レベルとして検出する音検出手順と、
前記取得画像に、前記距離検出部で検出した前記撮影距離、および前記音検出部で検出した音レベルを関連付けて取得データを作成する作成手順と、
を実行させる音測定プログラム。
【請求項8】
前記データ作成手順において、複数の前記取得画像における前記撮影距離と前記音レベルとに基づいて、前記対象物からの距離に応じて減衰する音レベルを補正するための補正データの作成を実行させる、請求項7記載の音測定プログラム。
【請求項9】
複数の前記取得画像のうち任意の1つを基準画像とし、前記基準画像から、前記対象物を含む任意の範囲を登録範囲画像として抽出する画像抽出手順と、
前記取得画像のうち任意の検査画像から前記登録範囲画像と重複する相似形の範囲を重複範囲画像として抽出する重複画像抽出手順と、をさらに実行させ、
前記距離検出手順において、前記登録範囲画像の大きさと、前記画像抽出手順で抽出した前記重複範囲画像の大きさとを比較して、前記対象物から前記撮影部までの距離を算出させる、
請求項8記載の音測定プログラム。
【請求項10】
前記撮影距離および前記減衰データを用いて、前記取得データの前記音レベルを補正する補正手順を、
さらに実行させる請求項8または9記載の音測定プログラム。
【請求項11】
携帯端末を音測定装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
音源となる対象物を含む画像を、取得画像として撮影する撮影手順と、
前記撮影部で画像を撮影するとき、前記対象物から発生する音を音レベルとして検出する音検出手順と、
前記取得画像に、前記音検出部で検出した音レベルを関連付けて取得データを作成するデータ作成手順と、
複数の前記取得画像のうち任意の1つを基準画像とし、前記基準画像から、前記対象物を含む任意の範囲を登録範囲画像として抽出する画像抽出手順と、
前記取得画像のうち任意の検査画像から前記登録範囲画像と重複する相似形の範囲を重複範囲画像として抽出する重複画像抽出手順と、
前記登録範囲画像に対する前記重複範囲画像の大きさと、前記対象物からの距離に応じて減衰する音レベルを補正するために予め設定されている補正データとから、前記取得データの前記音レベルを補正する補正手順と、
を実行させる音測定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、対象物からの音を測定する音測定装置および音測定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器や設備などの対象物の点検や整備に、対象物から発生する音が用いられている。このように音を利用する場合、対象物から発生する音は、定期的または整備の前後に対象物から所定の距離で設定された設定位置で測定する必要がある。近年では、例えばスマートフォンなどの携帯端末を利用して、対象物の音が測定されている。この場合、音とともに対象物の画像を取得し、画像の画角を用いて、音の測定時における設定位置が調整されている。
【0003】
しかしながら、対象物が移動したり、対象物と設定位置との間に例えば足場や構造物が設置されたり、対象物の周辺が進入禁止とされたりすると、設定位置を維持することは困難になる。また、画像の画角に基づく場合、対象物から設定位置までの距離を把握しにくく、同一の設定位置における音の測定が困難となり、精度が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、対象物からの距離が変化しても、対象物からの発生する音を精度よく測定する音測定装置および音測定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために本実施形態の音測定装置は、撮影部、距離検出部、音検出部、およびデータ作成部を備える。撮影部は、音源となる対象物を含む画像を、取得画像として撮影する。距離検出部は、前記撮影部で画像を撮影するとき、前記対象物からの距離を撮影距離として検出する。音検出部は、前記撮影部で画像を撮影するとき、前記対象物から発生する音を音レベルとして検出する。データ作成部は、前記取得画像に、前記距離検出部で検出した前記撮影距離、および前記音検出部で検出した音レベルを関連付けて取得データを作成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態による音測定装置の構成を示すブロック図
【
図2】一実施形態による音測定装置による対象物の音測定の実施を示す模式図
【
図3】一実施形態による音測定装置に用いる取得データのデータ構造を示す模式図
【
図4】一実施形態による音測定装置の表示部に表示される画像を示す模式図
【
図5】一実施形態による音測定装置の対象物と携帯端末との撮影距離を説明するための模式図
【
図6】補正データにおける撮影距離と補正値との関係、および減衰データにおける撮影距離と音レベルの減衰との関係を示す概略図
【
図7】一実施形態による音測定装置の取得データに含まれる基準画像および検査画像を説明するための模式図
【
図8】一実施形態による音測定装置の表示部に表示される基準画像の例を示す模式図
【
図9】一実施形態による音測定装置の表示部に表示される基準画像の他の例を示す模式図
【
図10】一実施形態による音測定装置の表示部に表示される基準画像の他の例を示す模式図
【
図11】一実施形態による音測定装置の表示部に表示される検査画像の例を示す模式図
【
図12】一実施形態による音測定装置の表示部に表示される検査画像の他の例を示す模式図
【
図13】撮影距離と基準画像に対する検査画像の大きさの比との関係を示す概略図
【
図14】一実施形態による音測定装置の他の実施形態において、補正データにおける基準画像に対する検査画像の大きさの比と補正値との関係を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、音測定装置の一実施形態に基づいて説明する。
図2は、一実施形態による音測定装置10を用いた音測定を示す模式図である。音測定装置10は、携帯端末11が用いられる。携帯端末11は、例えばいわゆるスマートフォンやタブレットなどのように、撮影部12としてのカメラ機能を有する機器を用いることができる。携帯端末11は、例えば携帯型のパーソナルコンピュータなど、カメラ機能を有する機器であれば例示に限らない。
【0009】
音測定装置10は、音を測定する対象となる対象物13を取り扱う図示しない操作者が操作する。操作者は、例えば対象物13の所有者や整備担当者など、対象物13を取り扱う者、異常の有無などを診断する者などが該当する。操作者は、携帯端末11を用いて音源となる対象物13から発生する音を測定する。対象物13は、音を発生する音源となるものであればいずれであってもよい。対象物13は、例えばモータや発電機などの回転電機、ボイラー、エンジンなども該当する。他にも、対象物13は、車両や人が利用する道路や建物などのように、音源となるものであれば適用することができる。なお、本実施形態では、対象物13の一例として、電動機14を用いて説明する。
【0010】
音測定装置10は、
図1に示すように撮影部12、距離検出部15および音検出部16を備えている。撮影部12は、図示しないレンズおよび撮像素子などを有するカメラであり、携帯端末11に必須の機器として設けられている。撮影部12は、音源となる対象物13、つまり電動機14を含む画像を取得画像として撮影する。
【0011】
距離検出部15は、対象物13である電動機14と音測定装置10となる携帯端末11との間の距離を撮影距離として検出する。本実施形態では、距離検出部15は、撮影部12で取得画像を撮影するとき、この撮影とあわせて撮影距離を検出する。距離検出部15は、例えばGPSなどの外部の信号を用いたり、レーザなどの光や音波などを用いたりすることにより、距離を検出する。この他にも、距離検出部15は、例えば対象物13と音測定装置10との間の距離を人為的に検出し、これを数値として入力するものであってもよい。また、距離検出部15は、実際に距離を検出するのではなく、後述するように撮影部12で撮影した取得画像を用いて対象物13と音測定装置10との間の距離を検出することもできる。このように、距離検出部15は、対象物13と音測定装置10との間の距離を検出するものであり、携帯端末11に機能として備えられている場合にはその機能を使用することで実現される。また、距離検出部15は、携帯端末11とは別の機器を用いて検出した距離を、携帯端末11に入力することでも実現される。さらに、距離検出部15は、撮影部12で撮影した画像から距離を検出することでも実現される。
【0012】
音検出部16は、マイクロフォンであり、携帯端末11に必須の機器として設けられている。音検出部16は、音源である対象物13から発生する音を音レベルとして検出する。本実施形態では、音検出部16は、撮影部12で取得画像を撮影するとき、この撮影とあわせて音レベルを検出する。音レベルは、例えばPaやdBなど、絶対的または相対的に音の強度や大きさを取得できるものであれば任意に用いることができる。
【0013】
音測定装置10となる携帯端末11は、これら撮影部12、距離検出部15および音検出部16に加え、表示部17、入力部18、記憶部19および制御部20を備えている。表示部17は、例えば液晶や有機ELなどで構成されるディスプレイであり、携帯端末11に必須の機器として設けられている。入力部18は、例えば表示部17と一体に構成されているタッチパネルなどであり、これも携帯端末11に必須の機器として設けられている。操作者は、例えば携帯端末11とは別の機器で撮影距離を検出したとき、この入力部18を用いて検出した距離を入力する。記憶部19は、不揮発性のメモリなどを有しており、音測定装置10の実現に必要なコンピュータプログラム、ならびに音測定装置10で取得および使用する各種データなどを記憶する。制御部20は、CPU、ROMおよびRAMなどを有するマイクロコンピュータで構成され、撮影部12、距離検出部15、音検出部16、表示部17、入力部18および記憶部19をはじめとする携帯端末11の全体を制御する。音測定装置10は、記憶部19に記憶されているコンピュータプログラムである音測定プログラムを実行することにより、携帯端末11においてソフトウェア的に実現される。
【0014】
音測定装置10は、上記に加え、データ作成部21、画像抽出部22、重複画像抽出部23および補正部24を備えている。これら、データ作成部21、画像抽出部22、重複画像抽出部23および補正部24は、制御部20で音測定プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現される。
データ作成部21は、取得画像に距離検出部15で検出した撮影距離、および音検出部16で検出した音レベルを関連付けた取得データを作成する。すなわち、本実施形態の場合、データ作成部21は、撮影部12で対象物13となる電動機14を含む画像を取得画像として撮影すると、この取得画像の画像データとともに、取得した撮影距離および音レベルをあわせて、取得データを作成する。これにより、データ作成部21は、取得画像を撮影するごとに、
図3に示すように取得画像の画像データ、撮影距離を示す撮影距離データ、音レベルを示す音レベルデータ、およびその他の必要な情報を関連付けて、取得データを作成する。データ作成部21は、作成した取得データを記憶部19に保存する。
【0015】
表示部17は、
図4に示すように取得データに基づく表示画像31として、取得画像表示32、撮影距離表示33および音レベル表示34を一つの画面として表示することができる。取得画像表示32は、取得データに含まれる取得画像の画像データに基づいて表示される。同様に、撮影距離表示33は取得データに含まれる撮影距離データに基づいて表示され、音レベル表示34は取得データに含まれる音レベルデータに基づいて表示される。なお、表示部17は、表示画像31として、取得画像表示32、撮影距離表示33および音レベル表示34のうちのいずれか1つ以上を選択して表示する構成としてもよい。
【0016】
また、データ作成部21は、減衰データおよび補正データを作成する。減衰データは、対象物13である電動機14からの距離と音レベルの減衰との関係を示す。補正データは、この減衰データに対応して、音レベルを補正するための補正値である。データ作成部21は、上述のように取得画像ごとに、撮影距離および音レベルをあわせて取得データとして作成する。複数の取得画像があるとき、取得画像ごとに取得データが存在する。対象物13である電動機14から発生する音は、
図5に示すように撮影する位置が異なると、
図6に示すように音レベルが相違する。つまり、電動機14から発生する音が一定であっても、音レベルは、電動機14から音測定装置10である携帯端末11の音検出部16までの距離に応じて変化する。データ作成部21は、取得画像ごとの取得データに含まれる撮影距離および音レベルに基づいて、電動機14からの距離に応じた音の減衰を示す減衰データを作成する。すなわち、データ作成部21は、複数の取得画像を用いることにより、取得画像ごとに取得した撮影距離および音レベルから、
図6に示す撮影距離と音レベルとの関係を示す減衰データを作成する。データ作成部21は、作成した減衰データを記憶部19に保存する。
【0017】
一方、例えば検査などのために対象物13である電動機14の音を測定するとき、音レベルは一定の位置で取得した値を比較する必要がある。そのため、取得画像と撮影する位置との距離が撮影距離x1から撮影距離x2または撮影距離x3のように変化しても、例えば撮影距離x1で取得したように補正する必要がある。データ作成部21は、
図6に示すように減衰データを作成することから、この減衰データに基づいて撮影距離が異なる音レベルを補正するための補正データを作成する。すなわち、
図6に示すような減衰データを作成することにより、撮影距離と音レベルの減衰との関係が取得される。データ作成部21は、この減衰データに基づいて、例えば撮影距離が異なる位置で取得した音レベルを撮影距離x1に補正するための補正データを作成する。なお、データ作成部21は、減衰データを作成することなく、複数の取得データに含まれる撮影距離と音レベルとの関係から、補正データを直接作成してもよい。なお、本実施形態では、説明の簡単のために
図5に示すように撮影距離x1、撮影距離x2および撮影距離x3は同一の直線上に位置する例として説明している。しかし、これらの各撮影距離となる撮影位置は、必ずしも同一の直線上に限らず、若干ずれていてもよい。
【0018】
画像抽出部22は、基準画像から登録範囲画像を抽出する。記憶部19は、撮影部12で撮影した複数の取得画像を記憶している。記憶部19に記憶されている取得画像を図化すると、
図7に示す通りである。このように、記憶部19は、複数の取得画像に関する取得データを記憶している。この複数の取得画像のうち任意の1つは、基準画像Fsとして選択される。基準画像Fsは、例えば操作者によって選択される。基準画像Fsは、例えば電動機14の場合、対象物13である電動機14に最も近い位置で撮影した取得画像、予め設定した位置で撮影した取得画像、あるいは最初に撮影した取得画像などのように、操作者が任意に選択することができる。画像抽出部22は、この選択した基準画像Fsから、任意の範囲を登録範囲画像として抽出する。
【0019】
基準画像Fsとなる取得画像は、
図8に示すように表示画像31として背景とともに測定の対象となる対象物13である電動機14をその画像に含んでいる。画像抽出部22は、この基準画像Fsから対象物13である電動機14を含む任意の範囲を登録範囲画像41として抽出する。
図8の場合、破線で囲まれた範囲が登録範囲画像41となる。登録範囲画像41として抽出される画像の範囲は、操作者が設定してもよく、画像抽出部22が自動的に設定する構成としてもよい。操作者が画像の範囲を設定する場合、操作者は、例えば対象物13である電動機14を中心にその輪郭を指定する。この場合、輪郭は、4角形をはじめとする多角形や円形など、任意に指定することができる。一方、画像抽出部22が自動的に範囲を抽出する場合、画像抽出部22は、例えば基準画像Fsを二値化したり、特定の画像処理を施したりして、対象物13である電動機14を基準画像Fsから抽出し、この輪郭を範囲に設定する。このように、画像抽出部22による登録範囲画像41の抽出は、人為的または自動的に行なわれる。
【0020】
また、画像抽出部22で抽出する画像の視認角度は、任意に設定することができる。例えば電動機14を対象物とする場合、
図8に示すように電動機14の側面視である略長方形で視認してもよく、
図9に示すように正面視である略円形で視認してもよい。さらに、画像抽出部22で抽出する登録範囲画像41の範囲の対象は、
図8に示すように対象物13である電動機14の全体としてもよく、
図10に示すように例えば抽出する対象として輪郭が定まっている電動機14の一部であってもよい。この場合、電動機14の一部としては、例えばハウジングに設けられている通風口、配線、配電盤、あるいは軸受ケースなど、任意に設定することができる。画像抽出部22は、抽出した登録範囲画像41を、登録範囲画像41の元となった基準画像Fsの取得データとともに記憶部19に保存する。
【0021】
重複画像抽出部23は、検査画像から重複範囲画像を抽出する。上述の
図7に示すように撮影部12で撮影した複数の取得画像は、任意の1つが基準画像Fsとして選択される。検査画像Fdは、これら取得されている複数の取得画像のうち基準画像Fsを除く取得画像から任意に選択される。なお、複数の取得画像は、基準画像Fsを除くすべての取得画像を検査画像Fdとしてもよく、取得画像のうちの任意の1つ以上の取得画像を検査画像Fdとしてもよい。検査画像Fdの枚数は、制限されない。
【0022】
検査画像Fdは、基準画像Fsと同様に
図11に示すように背景とともに測定の対象となる対象物13である電動機14をその画像に含んでいる。重複画像抽出部23は、この検査画像Fdのうち電動機14を含み登録範囲画像41と重複する範囲を重複範囲画像42として抽出する。重複範囲画像42として抽出される画像の範囲は、登録範囲画像41で設定した範囲の相似形に一致する。例えば登録範囲画像41として
図8に示すように基準画像Fsに含まれる電動機14の側面視の全体が設定されているとき、重複範囲画像42は
図11に示すように検査画像Fdに含まれる電動機14の側面視の全体として設定される。但し、検査画像Fdは、基準画像Fsと異なる位置で撮影されている。そのため、検査画像Fdで設定される重複範囲画像42の範囲は、基準画像Fsで設定される登録範囲画像41の範囲の相似形となる。通常、検査画像Fdは、基準画像Fsよりも電動機14から離れた位置で撮影される。そのため、検査画像Fdで設定される重複範囲画像42の範囲は、基準画像Fsで設定される登録範囲画像41よりも相似形で小さくなる。このように、検査画像Fdから重複範囲画像42として抽出される画像の範囲は、画像抽出部22で設定した登録範囲画像41の相似形の範囲となる。重複画像抽出部23は、画像抽出部22で設定した登録範囲画像41の範囲に基づいて、検査画像Fdから抽出する重複範囲画像42の範囲を自動的に設定する。
【0023】
なお、この場合、検査画像Fdにおいて抽出の対象となる電動機14の画像は、基準画像Fsにおける電動機14の画像に対して傾いていても構わない。すなわち、検査画像Fdにおける重複範囲画像42が登録範囲画像41と相似形であれば、
図11および
図12に示すように対象となる画像に含まれる電動機14の傾きは問わない。これにより、電動機14の画像を撮影するとき、画像の角度を揃えるための携帯端末11の画角の精密な調整などは不要である。
【0024】
距離検出部15は、対象物13から撮影部12を備える音測定装置10までの距離を算出する。距離検出部15は、例えばGPS信号が届かない屋内や障害物の存在などを原因として、取得画像を撮影する位置によって、取得画像を撮影できても、対象物13である電動機14と音測定装置10との間の距離を検出できない場合がある。そこで、距離検出部15は、予め既知の距離で撮影した複数の画像を用いて、登録範囲画像41の大きさと重複範囲画像42の大きさとの関係を作成している。距離検出部15は、これら登録範囲画像41と重複範囲画像42との大きさの関係から、対象物13から音測定装置10までの距離を算出する。このように、距離検出部15は、検査画像Fdの大きさから撮影距離を算出する。
【0025】
具体的には、画像抽出部22は登録範囲画像41を抽出し、重複画像抽出部23は重複範囲画像42を抽出する。上述のように基準画像Fsを撮影したときと、検査画像Fdを撮影したときでは、対象物13である電動機14と音測定装置10との間の距離が異なる。例えば電動機14が移動したり、電動機14の周辺に構造物が設けられたりした場合などのように、基準画像Fsおよび検査画像Fdを撮影するときの位置を厳密に一致させるのは困難である。撮影の位置が異なると、基準画像Fsに含まれる登録範囲画像41の大きさと、検査画像Fdに含まれる重複範囲画像42の大きさとは異なる。すなわち、対象物13である電動機14から遠ざかるほど、取得画像に含まれる電動機14の大きさは小さくなる。この取得画像に含まれる対象物13である電動機14の大きさは、電動機14から音測定装置10までの距離に相関する。そこで、距離検出部15は、この登録範囲画像41の大きさと、重複範囲画像42の大きさとを比較して、撮影距離を算出する。
【0026】
重複範囲画像の大きさと撮影距離との間には、
図13に示すような相関がある。この相関は、基準画像Fsにおける既知の撮影距離と、既知の撮影距離で撮影した複数の取得画像の撮影距離とを用いることにより取得される。取得された重複範囲画像42の大きさと撮影距離との間の関係は、
図12に示す関係となる距離画像相関データとして記憶部19に記憶されている。距離検出部15は、基準画像Fsの登録範囲画像41の大きさと、取得画像のうち任意の検査画像Fdの重複範囲画像42の大きさとの比に基づき、距離画像相関データを用いて検査画像Fdの撮影距離を算出する。なお、
図12に示す距離画像相関データは、説明のための模式的な一例であり、これに限るものではない。
【0027】
補正部24は、取得画像の音レベルを補正する。具体的には、補正部24は、撮影距離および補正データを用いて取得画像の音レベルを補正する。データ作成部21は、
図6に示すように対象物13である電動機14からの距離に応じた音レベルの補正値を示す補正データを作成する。補正部24は、この補正データを用いて、取得画像の音レベルを補正する。電動機14が発生する音を測定する場合、測定される音レベルは電動機14からの距離によって変化する。具体的には、測定される音は、電動機14からの距離が大きくなるにしがって小さくなる。補正部24は、取得画像を撮影した位置で測定した音レベルを、補正データを用いて補正する。これにより、取得データにおいて補正された音レベルは、電動機14からの距離にかかわらず、一定の位置で測定した状態となる。
【0028】
以下、本実施形態による音の測定の手順と音測定装置10の処理について説明する。
(取得画像の撮影)
対象物13である電動機14は、音測定装置10によって撮影される。音測定装置10は、撮影部12で電動機14を撮影する。音測定装置10は、撮影部12で撮影した電動機14の画像を取得画像として、予め設定したフォーマットの画像データを作成する。このとき、音測定装置10は、取得画像の撮影とともに、距離検出部15において電動機14までの距離を撮影距離として検出する。また、音測定装置10は、取得画像の撮影および撮影距離の検出とともに、音検出部16において電動機14から発生する音を音レベルとして検出する。データ作成部21は、取得された取得画像の画像データに、撮影距離および音レベルを関連付けた1つのデータファイルとして取得データを作成する。作成された取得データは、記憶部19に記憶される。
【0029】
音測定装置10の操作者は、例えば
図5に示すように対象物13である電動機14からの距離を変更しながら1つ以上、好ましくは2つ以上の取得画像を撮影する。音測定装置10で取得された取得画像は、例えば
図8に示すように音測定装置10の表示部17に表示される。表示部17は、例えば取得画像の表示画像31とともに、撮影距離を示す撮影距離表示33、および音レベルを示す音レベル表示34を表示する。
【0030】
(補正データの作成)
データ作成部21は、得られた取得データから補正データを作成する。取得データは、上述のように1つ以上が作成される。具体的には、取得データは、電動機14からの距離を変更しながら2つ以上が作成される。そのため、記憶部19には、電動機14からの距離が異なる複数の取得画像が記憶されている。データ作成部21は、この2つ以上の取得データから補正データを作成する。電動機14から発生する音が同一であっても、音検出部16で検出する音レベルは、
図6に示すように電動機14からの距離によって変化する。すなわち、音レベルは、電動機14からの距離である撮影距離が大きくなるにしたがって低下する。データ作成部21は、2つ以上の取得データに含まれる撮影距離および音レベルを用いて、撮影距離と音レベルとの関係を補正データとして作成する。
【0031】
撮影距離と音レベルとの関係は、対象物である電動機14が設置されている環境によって変化する。そのため、データ作成部21は、撮影距離が異なる可能な限り多くの取得データを用いて補正データを作成することが好ましい。作成された補正データは、記憶部19に記憶される。
【0032】
(画像に基づく距離算出)
本実施形態では、対象物13である電動機14と音測定装置10との間の距離が物理的に検出できないときでも、取得画像からその距離が算出される。操作者は、記憶部19に記憶されている複数の取得画像から、任意の1つを基準画像Fsとして選択する。基準画像Fsは、例えば上述したように測定に適した位置で撮影した取得画像や最初に撮影した取得画像などのように、任意に選択される。
【0033】
画像抽出部22は、選択された基準画像Fsから、
図8~
図10に示すように対象物13である電動機14を含む任意の範囲を登録範囲画像41として抽出する。登録範囲画像41は、電動機14を中心として、電動機14の輪郭であったり、電動機14の周囲を含めた任意の形状であったり、電動機14の一部の任意の範囲であったり、適宜設定することができる。また、登録範囲画像41となる範囲は、操作者が任意に設定してもよく、画像抽出部22が予め設定されたプログラムにしたがって自動的に設定する構成としてもよい。登録範囲画像41のデータは、元となる基準画像Fsの取得データとともに記憶部19に記憶される。
【0034】
重複画像抽出部23は、検査画像Fdから重複範囲画像42を抽出する。既に説明したように、重複範囲画像42は、複数の取得画像のうち、基準画像Fsを除く取得画像から選択された検査画像Fdから抽出される。重複範囲画像42は、基準画像Fsと同様に対象物13である電動機14を含んでいる。重複画像抽出部23は、選択された検査画像Fdから、電動機14を含み登録範囲画像41と相似形で重複する範囲を重複範囲画像42として抽出する。例えば
図8に示すように基準画像Fsから登録範囲画像41が抽出されているとき、重複画像抽出部23は、検査画像Fdにおいて登録範囲画像41と相似形で重複する範囲を重複範囲画像42として抽出する。通常、基準画像Fsは、電動機14に最も近い位置で撮影された画像である。そのため、検査画像Fdは、基準画像Fsに比較して電動機14からの距離が大きくなる。例えば、
図8に示すような基準画像Fsに対して、電動機14から離れた位置で撮影した検査画像Fdでは、
図11に示すように電動機14は小さく撮影され、重複範囲画像42も小さくなる。さらに、この
図11で示す検査画像Fdよりも電動機14から離れた位置で撮影した検査画像Fdでは、
図12に示すように電動機14はさらに小さく撮影され、重複範囲画像42もさらに小さくなる。このように、検査画像Fdに含まれる電動機14は、基準画像Fsに含まれる電動機14と比較して小さくなる。したがって、重複範囲画像42は、登録範囲画像41よりも小さな相似形となる。
【0035】
距離検出部15は、この登録範囲画像41と重複範囲画像42の大きさを比較して、検査画像Fdにおける電動機14から音測定装置10までの距離である撮影距離を算出する。撮影距離が既知となっている複数の取得画像を用いることにより、登録範囲画像41に対する重複範囲画像42の大きさと、撮影距離との関係は、
図13に示すように距離画像相関データとして作成される。距離検出部15は、この距離画像相関データを用いることにより、重複範囲画像42の大きさに基づいて、撮影距離を算出する。データ作成部21は、撮影距離の検出の対象となった検査画像Fdに、算出した撮影距離を関連付けて取得データを作成する。
以上の処理により、距離検出部15は、対象物13である電動機14と音測定装置10との間の距離が物理的に検出できないときでも、検査画像Fdの撮影距離を算出することができる。
【0036】
(音レベルの補正)
補正部24は、取得画像の音レベルを補正する。上述のように、距離検出部15は、対象物13である電動機14と音測定装置10との間の撮影距離を検出する。また、距離検出部15は、物理的に撮影距離を検出できないとき、基準画像Fsの登録範囲画像41と検査画像Fdの重複範囲画像42との大きさを比較して、撮影距離を算出する。補正部24は、このように距離検出部15で検出または算出された撮影距離と、既に作成している補正データとを用いて、取得画像の取得データに含まれる音レベルを補正する。
【0037】
具体的には、補正部24は、取得データに含まれる音レベルを、基準画像Fsの撮影距離にあわせて補正する。音測定装置10で測定される音は、上述のように電動機14の距離が大きくなるにしたがって小さくなる。例えば、
図5に示すように撮影距離x2、x3で撮影した検査画像Fdの取得データに含まれる音レベルは、撮影距離x1で撮影した基準画像Fsの音レベルに比較して小さくなる。補正部24は、データ作成部21で作成した補正データを用いて、取得データに含まれる音レベルを補正する。これにより、撮影距離x2、x3の取得データに含まれる音レベルを、基準画像Fsの撮影距離x1で検出した音レベルに補正する。その結果、補正された取得データに含まれる音レベルは、撮影距離x1で電動機14の音を検出した状態に近似される。補正された音レベルを含む取得データは、記憶部19に記憶される。また、補正された音レベルは、補正前の音レベルとともに表示部17にしてもよい。
【0038】
対象物13である電動機14を取り扱う操作者は、補正された取得データの音レベルを用いることにより、この音レベルを撮影距離x1で検出したものとして使用することができる。そのため、例えば撮影距離の変化など経時的に音の検出条件に変化が生じても、操作者は、この変化の影響を排除しつつ、検査の条件を可能な限り統一しつつ対象物13である電動機14の検査を実施することができる。また、補正された取得データの音レベルを用いることにより、対象物13である電動機14の撮影は必ずしも一定の位置で実施する必要がない。そのため、電動機14の周辺への構造物の増設や、電動機14の移動などで検査位置の整合が困難な場合でも、操作者は、補正された取得データの音レベルを用いて検査を実施することができる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の音測定装置10は、撮影画像の画像データとともに、撮影距離および音レベルを関連付けて取得データを作成する。そのため、取得データには、撮影部12で撮影した撮影画像だけでなく、この撮影時における撮影距離および音レベルが含まれている。これにより、対象物13である電動機14の音を測定するとき、撮影画像の画角に基づいて撮影位置を調整できるだけでなく、撮影距離および音レベルを用いて、検出した音を電動機14からの距離に基づく補正が可能となる。したがって、対象物13である電動機14からの撮影距離が変化しても、電動機14から発生する音を精度よく測定することができる。
【0040】
また、本実施形態では、基準画像Fsから抽出した登録範囲画像41と検査画像Fdから抽出した重複範囲画像42との大きさを比較して、対象物13である電動機14から音測定装置10の撮影部12までの距離を算出している。そのため、様々な理由で電動機14と音測定装置10との間の物理的な距離の検出が困難な場合でも、音を測定するときの画像が取得されれば、撮影距離が算出される。したがって、構造物や移動などによって電動機14からの距離が変化し、一定の距離で音の測定が困難な場合でも、電動機14から発生する発生する音を精度よく測定することができる。
【0041】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、距離検出部15で電動機14と音測定装置10との間の物理的な距離の検出が困難な場合、基準画像から抽出した登録範囲画像と検査画像から抽出した重複範囲画像との大きさを比較して、電動機14から音測定装置10までの距離を算出する例を説明した。しかし、登録範囲画像に対する重複範囲画像の大きさと、補正データとから、取得画像の音レベルを直接補正する構成としてもよい。
【0042】
補正データは、例えば
図14に示すように、登録範囲画像に対する重複範囲画像の大きさと、補正値との相関として記憶部19に記憶してもよい。補正部24は、基準画像Fsから抽出された登録範囲画像41と検査画像Fdから抽出された重複範囲画像42との大きさの比を画像比Fd/Fsとして算出する。画像比は、例えば登録範囲画像41の一辺の画素数に対する重複範囲画像42の一辺の画素数の比として算出される。他にも画像比は、例えば登録範囲画像41の一辺の寸法に対する重複範囲画像42の一辺の寸法の比として算出してもよい。さらに、画像比は、例えば登録範囲画像41の全体の画素数に対する重複範囲画像42の全体の画素数の比として算出してもよい。補正部24は、算出された画像比Fd/Fsに基づいて、
図14に示す補正データから補正値を取得する。補正部24は、取得した補正値を用いて、取得データに含まれる音レベルを補正する。
【0043】
これにより、他の実施形態では、基準画像Fsから抽出した登録範囲画像41と検査画像Fdから抽出した重複範囲画像42との大きさに基づいて、取得データに含まれる音レベルを直接補正する。そのため、様々な条件で電動機14と音測定装置10との間の物理的な距離の検出が困難な場合でも、音を測定するときの画像が取得されれば、取得データに含まれる音レベルは補正される。したがって、構造物や移動などによって電動機14からの距離が変化し、一定の距離で音の測定が困難な場合でも、電動機14から発生する発生する音を精度よく測定することができる。また、他の実施形態では、登録範囲画像41に対する重複範囲画像42の比から、取得データに含まれる音レベルが直接補正される。したがって、携帯端末11における構成および処理のさらなる簡略化を図ることができる。
【0044】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
図面中、10は音測定装置、11は携帯端末、12は撮影部、13は対象物、14は電動機、15は距離検出部、16は音検出部、21はデータ作成部、22は画像抽出部、23は重複画像抽出部、41は登録範囲画像、42は重複範囲画像、Fdは検査画像、Fsは基準画像を示す。