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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043893
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/10 20060101AFI20240326BHJP
   H01H 11/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01H13/10
H01H11/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149125
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 礼純
【テーマコード(参考)】
5G023
5G206
【Fターム(参考)】
5G023BA11
5G023BA33
5G023CA41
5G206AS02N
5G206AS02P
5G206AS37N
5G206AS37P
5G206ES04K
5G206ES04N
5G206ES04P
5G206FS32K
5G206FU03
5G206HU64
5G206KS03
5G206KS34
5G206NS02
5G206PS05
5G206PS08
(57)【要約】
【課題】金属端子に半田付けを行う際に、フラックスが金属端子の接点部に侵入してしまうことを抑制できるようにすること。
【解決手段】スイッチは、ハウジングと、ハウジングにインサート成型された金属端子とを備え、金属端子は、一方側に設けられた接点部と、他方側に設けられた外部接続部と、接点部と外部接続部との間に設けられ、ハウジングに埋設される埋設部とを有し、埋設部は、当該埋設部の延設方向とは交差する方向である幅方向に延びる溝部が、表面と裏面とで異なる位置に形成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングにインサート成型された金属端子と
を備え、
前記金属端子は、
一方側に設けられた接点部と、他方側に設けられた外部接続部と、前記接点部と前記外部接続部との間に設けられ、前記ハウジングに埋設される埋設部とを有し、
前記埋設部は、
当該埋設部の延設方向とは交差する方向である幅方向に延びる溝部が、表面と裏面とで異なる位置に形成されている
ことを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
前記埋設部は、
複数の前記溝部が、前記表面と前記裏面とに交互に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記埋設部は、
部分的に幅が狭くなっている狭幅部を有し、当該狭幅部に前記複数の溝部が形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記溝部は、
レーザ加工によって形成される
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ。
【請求項5】
前記溝部は、
深くなるにつれて溝幅が狭い断面形状を有する
ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチ。
【請求項6】
前記溝部は、
内面が粗面である
ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチ。
【請求項7】
前記埋設部には、
前記溝部の縁部に沿って隆起部が形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、入力装置が備える金属部材に関し、樹脂ケースに埋設された中間部に、当該中間部を横切る凹凸部を設けて、樹脂ケースと中間部との密着性を高めることにより、金属部材と樹脂ケースとの間の隙間からの、樹脂ケースの収容部内への浸水を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-113432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、金属部材の端子部に半田付けを行う際に、フラックスが金属部材の中間部を伝って、金属部材の接点部に侵入してしまう虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係るスイッチは、ハウジングと、ハウジングにインサート成型された金属端子とを備え、金属端子は、一方側に設けられた接点部と、他方側に設けられた外部接続部と、接点部と外部接続部との間に設けられ、ハウジングに埋設される埋設部とを有し、埋設部は、当該埋設部の延設方向とは交差する方向である幅方向に延びる溝部が、表面と裏面とで異なる位置に形成されている。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態によれば、金属端子に半田付けを行う際に、フラックスが金属端子の接点部に侵入してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るスイッチの外観斜視図
図2】一実施形態に係るスイッチの分解斜視図
図3】一実施形態に係るスイッチのYZ平面による断面斜視図
図4】一実施形態に係るスイッチが備えるハウジングの外観斜視図
図5】一実施形態に係るスイッチが備える中央固定接点部材および周辺固定接点部材の外観斜視図
図6】一実施形態に係るスイッチが備える中央固定接点部材一部拡大斜視図
図7】一実施形態に係るスイッチが備えるハウジング一部拡大断面図
図8】一実施形態に係るスイッチ100が備えるハウジング160の構成の一変形例を示す一部拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。なお、以降の説明では、便宜上、図中Z軸方向を上下方向とし、図中Y軸方向を左右方向とし、図中X軸方向を前後方向とする。但し、Z軸正方向を上方とし、Y軸正方向を右方とし、X軸正方向を前方とする。
【0009】
(スイッチ100の概要)
図1は、一実施形態に係るスイッチ100の外観斜視図である。図1に示すように、スイッチ100は、全体的に、上下方向(Z軸方向)に薄型の直方体形状を有する。図1に示すように、スイッチ100は、ハウジング160の上面160Aおよび収容部160Bが、透明なインシュレータ110によって覆われている。インシュレータ110の中央部には、上方(Z軸正方向)に凸状に隆起した隆起部111が形成されている。隆起部111の裏側(Z軸負側)には押圧体120が接着されている。これにより、スイッチ100は、押圧体120による下方(Z軸負方向)への押圧操作が可能である。
【0010】
スイッチ100は、押圧操作の押圧操作がなされていないとき、オフ状態となっている。そして、スイッチ100は、押圧体120の下方(Z軸負方向)への押圧操作がなされると、オン状態に切り替わる。
【0011】
(スイッチ100の構成)
図2は、一実施形態に係るスイッチ100の分解斜視図である。図3は、一実施形態に係るスイッチ100のYZ平面による断面斜視図である。図2および図3に示すように、スイッチ100は、図中下側(Z軸負側)から順に、ハウジング160、メタルコンタクト130、押圧体120、およびインシュレータ110を備える。
【0012】
<ハウジング160>
ハウジング160は、上下方向(Z軸方向)に薄型の直方体形状を有する容器状の部材である。ハウジング160は、上方からの平面視において、左右方向(Y軸方向)を長手方向とし、前後方向(X軸方向)を短手方向とする、長方形状を有する。ハウジング160は、上面160Aから下方に向かって凹んだ形状の、収容部160Bを有する。収容部160B内には、メタルコンタクト130が収容される。例えば、ハウジング160は、比較的硬質な絶縁性素材(例えば、硬質樹脂等)が用いられて、インサート成形によって、中央固定接点部材170および周辺固定接点部材180と一体に形成される。
【0013】
ハウジング160の収容部160Bの底部160Cは、中央部160Ca、周辺部160Cbを有する。
【0014】
中央部160Caは、底部160Cの中央に形成されている。中央部160Caには、中央固定接点部材170が有する中央固定接点171が設けられている。
【0015】
周辺部160Cbは、中央部160Caを取り囲むように、中央部160Caの外側に形成されている。周辺部160Cbは、中央部160Caよりも高さ位置が高められている。周辺部160Cbには、周辺固定接点部材180が有する周辺固定接点181が設けられている。周辺部160Cbには、メタルコンタクト130が載置される。
【0016】
中央固定接点部材170および周辺固定接点部材180は、金属製且つ概ね平板状の部材である。中央固定接点部材170および周辺固定接点部材180は、インサート成形によって、ハウジング160に一体に設けられる。例えば、中央固定接点部材170および周辺固定接点部材180は、各種加工方法(例えば、プレス加工、折り曲げ加工、レーザ加工等)によって金属板が加工されることにより形成される。
【0017】
中央固定接点部材170は、「金属端子」の一例である。中央固定接点部材170は、左側(Y軸負側)の端部に中央固定接点171を有し、右側(Y軸正側)の端部に外部接続端子172を有する。中央固定接点171は、「接点部」の一例であり、ハウジング160の底部160Cの中央部160Caに配置される。外部接続端子172は、ハウジング160の右側(Y軸正側)の側面から突出して設けられており、外部と接続される。中央固定接点部材170のその他の部分(中央固定接点171および外部接続端子172を除く部分)は、ハウジング160に埋設されている。
【0018】
周辺固定接点部材180は、右側(Y軸正側)の端部に、前後方向(X軸方向)に一対の周辺固定接点181を有し、左側(Y軸負側)の端部に外部接続端子182を有する。一対の周辺固定接点181は、ハウジング160の底部160Cの周辺部160Cbに配置される。外部接続端子182は、ハウジング160の左側(Y軸負側)の側面から突出して設けられており、外部と接続される。周辺固定接点部材180のその他の部分(周辺固定接点181および外部接続端子182を除く部分)は、ハウジング160に埋設されている。
【0019】
<メタルコンタクト130>
メタルコンタクト130は、中央部に頂部131を有する、上方(Z軸正方向)に凸状のドーム状の部材である。メタルコンタクト130は、1枚または複数枚の薄い金属板が用いられて形成される。本実施形態では、一例として、メタルコンタクト130は、2枚の薄い金属板が重ねて形成される。メタルコンタクト130は、ハウジング160の収容部160B内に収容され、収容部160Bの底部160Cの周辺部160Cbに載置される。これにより、メタルコンタクト130は、周辺部160Cbに設けられている周辺固定接点181と接触することで、周辺固定接点部材180と電気的に接続される。メタルコンタクト130は、いわゆる「反転バネ」であり、押圧体120による押圧操作がなされたとき、頂部131が押圧体120によって下方へ押圧され、所定の操作荷重を超えると急激に頂部131が凹状に弾性変形(反転動作)する。これにより、メタルコンタクト130は、頂部131の裏側の部分で中央固定接点171と接触することで、さらに中央固定接点部材170と電気的に接続される。メタルコンタクト130は、押圧体120からの押圧力から解放されたときに、弾性力によって元の凸状に復帰する。
【0020】
なお、本実施形態では、メタルコンタクト130は、上方からの平面視にて円形状のドーム状の金属板の一部がカットされることにより、上方からの平面視にて互いに異なる4方向の各々に突出する4つの脚部132を有するものとなっている。そして、本実施形態では、メタルコンタクト130は、4つの脚部132の各々が、ハウジング160の周辺部160Cbに載置されて、そのうちの2つの脚部132が、周辺固定接点181と接触する。
【0021】
<押圧体120>
押圧体120は、メタルコンタクト130の頂部131上、且つ、インシュレータ110の隆起部111の裏側の空間内に配置される部材である。押圧体120は、上方からの平面視にて円形状を有し、且つ、メタルコンタクト130の頂部131から上方に突出する立体形状を有する。押圧体120は、PET等の樹脂素材が用いられて形成される。押圧体120は、インシュレータ110の隆起部111に沿った曲面状の上面部分を有し、当該上面部分において、インシュレータ110の隆起部111の裏側部分に対して、任意の接着手段(例えば、レーザ溶着等)によって接着される。本実施形態では、押圧体120は、半球形状が上下方向(Z軸方向)に押しつぶされたような立体形状を有する。但し、これに限らず、押圧体120は、円柱形状、楕円体等であってもよい。また、押圧体120は、上方からの平面視にて円形状を有するものに限らない。
【0022】
<インシュレータ110>
インシュレータ110は、ハウジング160の上面160Aに配置される、薄いシート状の部材である。インシュレータ110は、PET等の樹脂素材が用いられて形成される。インシュレータ110は、上方からの平面視において、ハウジング160の上面160Aと略同形状であり、すなわち、左右方向(Y軸方向)を長手方向とし、前後方向(X軸方向)を短手方向とする、略長方形状を有する。インシュレータ110は、ハウジング160の上面160Aを覆った状態で、任意の接着手段(例えば、レーザ溶着等)によって、ハウジング160の上面160Aに対して接着される。インシュレータ110は、ハウジング160の収容部160Bの上側開口を閉塞することで、収容部160Bを封止する。インシュレータ110の中央部には、上方(Z軸正方向)に凸状に隆起した隆起部111が形成されている。図3に示すように、隆起部111の裏側部分には、押圧体120が接着される。
【0023】
(スイッチ100の動作)
一実施形態に係るスイッチ100は、押圧体120による押圧操作がなされていないとき、メタルコンタクト130は、周辺固定接点181に接触しており、中央固定接点171に接触していない。このため、一実施形態に係るスイッチ100は、押圧体120による押圧操作がなされていないとき、オフ状態になっている。
【0024】
そして、一実施形態に係るスイッチ100は、押圧体120による押圧操作がなされたとき、押圧体120が、メタルコンタクト130の頂部131を押し下げ、メタルコンタクト130の頂部131を凹状に弾性変形(反転動作)させる。これにより、メタルコンタクト130は、頂部131の裏側の部分が、中央固定接点171と接触することで、中央固定接点部材170と電気的に接続される。その結果、スイッチ100は、中央固定接点部材170を介して、中央固定接点部材170および中央固定接点171と、周辺固定接点部材180および周辺固定接点181とが互いに導通することで、オン状態に切り替わる。
【0025】
なお、一実施形態に係るスイッチ100は、押圧体120による押圧操作が解除されたとき、メタルコンタクト130が自身の弾性力によって元の凸状に復帰する。その結果、中央固定接点171に対するメタルコンタクト130の接触が解除され、スイッチ100は、オフ状態に復帰する。
【0026】
(中央固定接点部材170の構成)
図4は、一実施形態に係るスイッチ100が備えるハウジング160の外観斜視図である。図5は、一実施形態に係るスイッチ100が備える中央固定接点部材170および周辺固定接点部材180の外観斜視図である。図6は、一実施形態に係るスイッチ100が備える中央固定接点部材170の一部拡大斜視図である。図7は、一実施形態に係るスイッチ100が備えるハウジング160の一部拡大断面図である。
【0027】
図4および図5に示すように、中央固定接点部材170は、左側(Y軸負側)の端部に中央固定接点171(「接点部」の一例)を有し、右側(Y軸正側)の端部に外部接続端子172(「外部接続部」の一例)を有する。中央固定接点171は、ハウジング160の底部160Cの中央部160Caに配置される。外部接続端子172は、ハウジング160の右側(Y軸正側)の側面から突出して設けられる。
【0028】
また、図5に示すように、中央固定接点部材170は、中央固定接点171と外部接続端子172との間に、ハウジング160に埋設される埋設部173を有する。
【0029】
埋設部173は、左右方向(Y軸方向)を延設方向とし、前後方向(X軸方向)を幅方向として延設されている。図6に示すように、埋設部173は、幅方向(X軸方向)に延びる複数の溝部175が、表面173Aと裏面173Bとに交互に形成されている。
【0030】
これにより、一実施形態に係るスイッチ100は、ハウジング160をインサート成型する際に、複数の溝部175にハウジング160の樹脂が喰い込むことにより、複数の溝部175内に壁部161が形成される(図7参照)。
【0031】
このため、一実施形態に係るスイッチ100は、外部接続端子172に半田付けを行う際に、埋設部173の表面173Aおよび裏面173Bにおいて、フラックスが外部接続端子172側(Y軸正側)から中央固定接点171側(Y軸負側)へ濡れ広がってしまうことを、複数の壁部161によって阻止することができる。
【0032】
また、一実施形態に係るスイッチ100は、埋設部173の表面173Aおよび裏面173Bにおいて、複数の溝部175によってフラックスの流出経路が拡大されたことによっても、フラックスが外部接続端子172側(Y軸正側)から中央固定接点171側(Y軸負側)へ濡れ広がってしまうことを抑制することができる。
【0033】
さらに、一実施形態に係るスイッチ100は、複数の溝部175にハウジング160の樹脂が喰い込むことで、埋設部173の表面173Aおよび裏面173Bと、ハウジング160の樹脂との密着度が高まる(すなわち、両者の間に殆ど隙間が生じない)ことによっても、フラックスが外部接続端子172側(Y軸正側)から中央固定接点171側(Y軸負側)へ濡れ広がってしまうことを抑制することができる。
【0034】
したがって、一実施形態に係るスイッチ100によれば、外部接続端子172に半田付けを行う際に、フラックスが中央固定接点171に侵入してしまうことを抑制することができる。
【0035】
特に、一実施形態に係るスイッチ100は、複数の溝部175が、埋設部173の表面173Aと裏面173Bとに交互に形成されているため、溝部175を埋設部173の表面173Aと裏面173Bとの同位置に形成する場合と比較して、各溝部の深さを深くすることができ、したがって、フラックスの侵入抑制効果を高めることができる。
【0036】
特に、図6に示すように、埋設部173は、部分的に幅が狭くなっている狭幅部174を有し、当該狭幅部174に複数の溝部175が形成されている。
【0037】
これにより、一実施形態に係るスイッチ100は、埋設部173の他の部分に溝部175を形成するよりも、各溝部175の長さを短くすることができる。
【0038】
なお、図6および図7に示す例では、埋設部173の表面173Aおよび裏面173Bの各々に2本の溝部175が形成されているが、3本以上の溝部175が形成されてもよい。
【0039】
また、図6および図7に示す例では、溝部175の断面形状は、上部が開口した矩形状であるが、溝部175の断面形状は、その他の形状(例えば、V字状、U字状、上部が開口した台形状、等)であってもよい。また、溝部175は、埋設部173の表面173Aと裏面173Bとに互いに異なる位置で2本ずつ並んで形成されてもよい。
【0040】
また、溝部175は、レーザ加工によって形成されることが好ましい。これにより、一実施形態に係るスイッチ100は、深くなるにつれて溝幅が狭い断面形状を有し、且つ、内面が粗面である溝部175を形成することができるため、溝部175の内面に対するハウジング160の樹脂の食いつき効果を高めることができる。
【0041】
また、図6および図7に示すように、溝部175は、狭幅部174を完全に横切ることが可能な、前後方向(X軸方向)の長さ(すなわち、狭幅部174の幅と同じ長さ)を有することが好ましい。これにより、一実施形態に係るスイッチ100は、溝部175によるフラックスの侵入抑制効果を高めることができる。
【0042】
また、図6および図7に示すように、溝部175は、狭幅部174の延設方向と直交することが好ましいが、少なくとも狭幅部174の延設方向と交差していればよい。
【0043】
また、溝部175の深さは、狭幅部174の板厚の50%以下であることが好ましい。例えば、狭幅部174の板厚が50ミクロンである場合、溝部175の深さは、25ミクロン以下であることが好ましい。これにより、一実施形態に係るスイッチ100は、狭幅部174の強度低下を抑制することができる。
【0044】
また、溝部175をレーザ加工によって形成した場合、埋設部173の表面173Aおよび裏面173Bには、隆起した隆起部が溝部175の縁部に沿って形成される場合がある。この場合、一実施形態に係るスイッチ100は、さらに、隆起部によるフラックスの侵入抑制効果を得ることができる。
【0045】
(ハウジング160の構成の一変形例)
図8は、一実施形態に係るスイッチ100が備えるハウジング160の構成の一変形例を示す一部拡大断面図である。
【0046】
図8に示す例では、中央固定接点部材170の埋設部173の狭幅部174には、表面173Aと裏面173Bとに、それぞれ2本の溝部175が形成されている。これら複数の溝部175は、中央固定接点部材170の延設方向(Y軸方向)において、表面173Aと裏面173Bとに交互に形成されている。
【0047】
また、図8に示す例では、複数の溝部175の各々は、レーザ光が照射されることによって形成されている。これにより、複数の溝部175の各々は、深くなるにつれて溝幅が狭い断面形状を有し、且つ、内面が粗面であるものとなっている。
【0048】
このため、一実施形態に係るスイッチ100は、溝部175の内面に対するハウジング160の樹脂の食いつき効果を高めることができる。
【0049】
また、図8に示す例では、中央固定接点部材170の埋設部173の狭幅部174には、各溝部175をレーザ照射によって形成したことにより、各溝部175の左右両縁部に沿って、隆起部176が形成されている。隆起部176は、表面173Aおよび裏面173Bよりも上下方向に隆起している部分である。
【0050】
一実施形態に係るスイッチ100は、複数の隆起部176を有することにより、ハウジング160の樹脂の喰い込み効果、および、フラックスの侵入抑制効果を高めることができる。
【0051】
なお、一例として、溝部175の下端部における溝幅は、0.01mmである。また、一例として、溝部175の上端部における溝幅は、0.05mmである。また、一例として、表面173Aおよび裏面173Bに対する溝部175の深さは、0.01mmである。また、一例として、表面173Aおよび裏面173Bに対する隆起部176の高さは、0.01mmである。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0053】
100 スイッチ
110 インシュレータ
111 隆起部
120 押圧体
130 メタルコンタクト
131 頂部
132 脚部
160 ハウジング
160A 上面
160B 収容部
160C 底部
160Ca 中央部
160Cb 周辺部
161 壁部
170 中央固定接点部材(金属端子)
171 中央固定接点(接点部)
172 外部接続端子(外部接続部)
173 埋設部
173A 表面
173B 裏面
174 狭幅部
175 溝部
176 隆起部
180 周辺固定接点部材
181 周辺固定接点
182 外部接続端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8