(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004390
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
H01H 23/06 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
H01H23/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104040
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】今野 悟
【テーマコード(参考)】
5G035
【Fターム(参考)】
5G035AA24
5G035CA04
5G035CB02
5G035KA01
5G035KA04
(57)【要約】
【課題】異物の影響によって復帰困難な形態で操作ノブの揺動が阻害される虞を小さくできるようにすること。
【解決手段】入力装置は、基板と、基板を収容するケースと、ケースに揺動可能に接続され、操作者に操作される操作ノブと、操作ノブの揺動を許容する開口を有し、操作ノブによって開口の少なくとも一部が閉塞されるパネル部材と、を備え、操作ノブは、操作ノブが揺動する際の回転中心となる回転軸から所定の距離離れて形成される揺動端を有し、パネル部材は、開口を構成すると共に、操作が行われていない中立状態において操作ノブの揺動端と対向配置される固定端を有し、揺動端と固定端との間には隙間が形成される入力装置であって、ケースは、突起を有し、中立状態において基板と垂直な第1方向から平面視した時、突起の少なくとも一部は隙間と重なる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板を収容するケースと、
前記ケースに揺動可能に支持され、操作者に操作される操作ノブと、
前記操作ノブの揺動を許容する開口を有し、前記操作ノブによって前記開口の少なくとも一部が閉塞されるパネル部材と、を備え、
前記操作ノブは、前記操作ノブが揺動する際の回転中心となる回転軸から所定の距離離れて形成される揺動端を有し、
前記パネル部材は、前記開口を構成すると共に、前記操作が行われていない中立状態において前記操作ノブの前記揺動端と対向配置される固定端を有し、
前記揺動端と前記固定端との間には隙間が形成される
入力装置であって、
前記ケースは、前記隙間の下側で、前記隙間に向かって突出する突起を有し、前記中立状態において前記基板と垂直な第1方向から平面視した時、前記突起の少なくとも一部は前記隙間と重なる
入力装置。
【請求項2】
前記突起は複数設けられ、前記第1方向から平面視した時、各々の前記突起は互いに所定の間隔で離間して設けられる
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記突起は板形状を有し、前記板形状のなす平面は前記第1方向と平行、且つ、前記隙間と交差する
請求項1に記載の入力装置。
【請求項4】
前記突起は、前記隙間の下側で、前記隙間に対向する上端部を有する
請求項1に記載の入力装置。
【請求項5】
前記上端部は、前記第1方向と直交する
請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記所定の間隔は、0.5mmより大きく16.25mmより小さい
請求項2に記載の入力装置。
【請求項7】
前記第1方向における前記隙間の上側から前記上端部までの距離は、16.25mmより小さい
請求項4に記載の入力装置。
【請求項8】
前記操作ノブは、複数の前記突起と対向配置される、複数のリブを有する
請求項2に記載の入力装置。
【請求項9】
複数の前記リブの各々は、前記回転軸の軸方向において複数の前記突起の各々と同位置に配置される
請求項8に記載の入力装置。
【請求項10】
複数の前記リブの各々は、前記回転軸の軸方向において複数の前記突起の各々とオフセットして配置される
請求項8に記載の入力装置。
【請求項11】
前記操作ノブが揺動した駆動状態において、前記リブは、複数の前記突起の間に入り込む
請求項10に記載の入力装置。
【請求項12】
前記操作ノブが揺動した駆動状態において、前記突起の対向面と前記揺動端との間に、第2の隙間を有し、
前記第2の隙間の隙間幅は、1.5mmより小さい
請求項1に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ケースの開口に設けられ、ケースに揺動自在に支持された操作ノブと、ケースの開口の一部を閉塞するカバーとを備えたスイッチ装置の構成が開示されている。また、スイッチ装置のカバーの窪みに複数の孔を設けることにより、カバーの窪みに異物が残留することを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているスイッチ装置は、操作ノブとカバーとの間の隙間からケース内に硬貨等の平らな形状を有する大径の異物が落下し、その異物が除去することが困難な形態でケースと操作ノブとの間に挟まってしまう虞がある。そして、そのことによって操作ノブの揺動が阻害され、入力操作を行うことが困難になってしまう虞が有る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る入力装置は、基板と、基板を収容するケースと、ケースに揺動可能に接続され、操作者に操作される操作ノブと、操作ノブの揺動を許容する開口を有し、操作ノブによって開口の少なくとも一部が閉塞されるパネル部材と、を備え、操作ノブは、操作ノブが揺動する際の回転中心となる回転軸から所定の距離離れて形成される揺動端を有し、パネル部材は、開口を構成すると共に、操作が行われていない中立状態において操作ノブの揺動端と対向配置される固定端を有し、揺動端と固定端との間には隙間が形成される入力装置であって、ケースは、突起を有し、中立状態において基板と垂直な第1方向から平面視した時、突起の少なくとも一部は隙間と重なる。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態に係る入力装置によれば、異物の影響によって復帰困難な形態で操作ノブの揺動が阻害される虞を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】一実施形態に係る入力装置が備えるスイッチ部の外観斜視図
【
図4】一実施形態に係る入力装置が備えるスイッチ部の平面図
【
図5】一実施形態に係る入力装置が備えるスイッチ部の分解斜視図
【
図6】一実施形態に係る入力装置が備えるスイッチ部を
図4に示す断面線A-Aで切断した斜視断面図
【
図7】一実施形態に係る入力装置が備えるスイッチ部を
図4に示す断面線B-Bで切断した斜視断面図
【
図8】一実施形態に係る入力装置のスイッチ部が備える操作ノブの外観斜視図
【
図10】一実施形態に係る入力装置を
図9に示す断面線C-Cで切断した斜視断面図
【
図11】一実施形態に係る入力装置を
図9に示す断面線D-Dで切断した断面図
【
図12】一実施形態に係る入力装置、及び、その挿入スペースに侵入した大径の異物を、
図12と同様に断面線D-Dで切断した断面図
【
図13】一実施形態に係る入力装置の、大径の異物に対する効果を説明する図
【
図14】一実施形態に係る入力装置を
図13に示す断面線F-Fで切断した断面図
【
図15】一実施形態に係る入力装置の第2の隙間の位置、及び、寸法を説明する図
【
図16】一実施形態に係る入力装置、及び、その挿入スペースに侵入した錠剤型の異物が隙間の傍に落ちた時の様子を説明する図
【
図17】一実施形態に係る入力装置の、錠剤型の異物に対する効果を説明する図
【
図18】一実施形態に係る入力装置、及び、その挿入スペースに液体状の異物が注がれた時の様子を説明するための図
【
図19】一実施形態に係る入力装置の、液体状の異物に対する効果を説明する図
【
図20】操作ノブが揺動した駆動状態において、一実施形態に係る入力装置を
図15に示す断面線G-Gで切断した断面図
【
図21】
図20に示す部位PEを拡大した、一実施形態に係る入力装置の部分拡大図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。なお、以降の説明では、便宜上、X軸方向を前後方向とし、Y軸方向を左右方向とし、Z軸方向を上下方向とする。但し、X軸正方向を前方向とし、Y軸正方向を右方向とし、Z軸正方向を上方向とする。
【0009】
(入力装置100の概要)
図1は、一実施形態に係る入力装置100の外観斜視図である。
図2は、一実施形態に係る入力装置100の分解斜視図である。
【0010】
図1および
図2に示す入力装置100は、自動車等の車両に設置され、電気的に駆動される車載装置(例えば、電動パーキングブレーキ)の操作を行うための入力装置として利用することができる。
【0011】
入力装置100は、固体の異物が侵入することによって操作ノブ120がスタックしてしまうことを防止する機構、及び、防水機構を備える。本実施形態では、課題となる異物として大径の異物FS1、及び、錠剤型の異物FS2、及び、液体状の異物FS3を想定している。大径の異物FS1として具体的に想定しているものは硬貨である。錠剤型の異物FS2として具体的に想定しているものはFRISK(登録商標)等の寸法が小さく、数量が多い形態で包装され市販される錠剤型固形菓子である。液体状の異物FS3として具体的に想定しているものは、大量のジュースである。なお、此処で言う硬貨とは、現在おいて市場流通量の多い硬貨を指す。此処で言う硬貨とは、1円硬貨(直径20.0mm、厚さ1.5mm)、1セント硬貨(直径19.05mm、厚さ1.55mm)、0.01ユーロ硬貨(直径16.25mm、厚さ1.67mm)、および1元硬貨(直径25mm、厚さ1.85mm)を指す。なお、此処で言う1元硬貨とは、西暦2000年以降に発行された第4版硬貨を指す。
【0012】
図1および
図2に示すように、入力装置100は、スイッチ部100Aとコンソールパネル180とを備える。
【0013】
コンソールパネル180は、「パネル部材」の一例である。コンソールパネル180は、車両の運転席のコンソールを構成する部材である。本実施形態において、コンソールパネル180は車内空間の中央前方側に配置されるセンターコンソールを構成する。コンソールパネル180は、合成樹脂を成形してなる部材である。コンソールパネル180は、XY平面に対して平行な平板状の平板部181Dを有している。コンソールパネル180の平板部181Dには、上方(Z軸正方向)からの平面視にてX軸方向を長手方向とする長方形状の開口181が形成されている。なお、本実施形態において、開口181、及び、開口181を構成する平板部181Dの端部181Eのなす長方形状の4つの角は面取りされ、丸められている。また、コンソールパネル180は、開口181を構成する平板部181Dの端部181Eから下方へ延設された壁部181Fを有する。また、コンソールパネル180は、壁部181Fの前方側に、端部181Eから下方へ延設された先端側が湾曲することによってXY平面に対して略平行に形成された底壁部181Bを有する。また、コンソールパネル180の底壁部181Bの後端側の端部(固定端181C)は、YZ平面方向と平行に形成されている。また、コンソールパネル180には、固定端181C、及び、壁部181Fの下端部によって構成された開口181Gが形成されている。開口181Gはコンソールパネル180を上下方向に貫通して形成された孔である。開口181Gは「開口」の一例である。
【0014】
スイッチ部100Aは、コンソールパネル180の下方(Z軸負方向)に配置されコンソールパネル180に対して相対的に固定されるケース110と、ケース110の上方(Z軸正方向)に配置され、ケース110に対して揺動可能に接続された操作ノブ120とを備える。スイッチ部100Aは、ケース110の上方(Z軸正方向)に配置され、ケース110に対して上下方向にスライド可能に接続された第2操作ノブ170を備える。
図1に示すように、スイッチ部100Aは、操作ノブ120の上方側の少なくとも一部、及び、第2操作ノブ170の上方側の少なくとも一部が開口181Gより上方に突出した形態で、コンソールパネル180に組み込まれる。開口181、及び、開口181Gは、操作ノブ120の揺動を許容する寸法を有して形成されている。開口181Gは、操作ノブ120及び第2操作ノブ170によって閉塞される。操作ノブ120の上方側の端部、及び、第2操作ノブ170の上方側の端部は、平面形状を有し、操作が行われていない中立状態において、これらの端部は、コンソールパネル180の平板部181Dのなす平面と一致するように配置される。
【0015】
なお、
図1に示すように、操作ノブ120の上方側、且つ、前方向側の端部には操作者からの入力操作を受け付ける操作部120Cが形成されている。また、操作ノブ120は、開口181の内側の前後方向(X軸方向)における中央付近に配置される。開口181の内側における操作ノブ120の前方(X軸正方向)、且つ、コンソールパネル180の底壁部181Bの上方には、操作者が開口181の上方から指を差し入れて操作部120Cに触れることができる挿入スペース181Aが形成される。
【0016】
例えば、スイッチ部100Aは、操作ノブ120が操作されたときに検出信号を生成し、入力装置100とは別に設けられた電動パーキングブレーキの駆動部(非図示)に該検出信号を送信する。該検出信号を受信した該駆動部は、駆動することによって車両のパーキングブレーキを作動(ロックまたは解除)させる。
【0017】
なお、スイッチ部100Aは、開口181Gの内側、且つ、操作ノブ120の後側(X軸負側)に、第2操作ノブ170を備える。第2操作ノブ170は、ケース110によって、上下方向(Z軸方向)に移動可能に支持されており、操作者による押下操作が可能である。
【0018】
例えば、スイッチ部100Aは、第2操作ノブ170が押下操作されると、第2検出信号を生成し、電動パーキングブレーキの駆動部に該第2検出信号を送信する。該第2検出信号を受信した該駆動部は、車両のパーキングブレーキのオートホールド機能を、ONまたはOFFに切り替える。
【0019】
(スイッチ部100Aの構成)
図3は、一実施形態に係る入力装置100が備えるスイッチ部100Aの外観斜視図である。
図4は、一実施形態に係る入力装置100が備えるスイッチ部100Aの平面図である。
図5は、一実施形態に係る入力装置100が備えるスイッチ部100Aの分解斜視図である。
図6は、一実施形態に係る入力装置100が備えるスイッチ部100Aを
図4に示す断面線A-Aで切断した斜視断面図である。
図7は、一実施形態に係る入力装置100が備えるスイッチ部100Aを
図4に示す断面線B-Bで切断した斜視断面図である。
図8は、一実施形態に係る入力装置100のスイッチ部100Aが備える操作ノブ120の外観斜視図である。
【0020】
図3~
図7に示すように、スイッチ部100Aは、操作ノブ120、ケース110、アクチュエータ140、コイルスプリング150、基板160、カバー130、および第2操作ノブ170を備える。
【0021】
なお、
図4では、第2操作ノブ170は、ケース110に組み込まれた状態で示されている。第2操作ノブ170については、
図1および
図2を用いて説明したとおりであるため、以降での説明を省略する。
【0022】
<操作ノブ120>
操作ノブ120は、操作者からの操作力を受け付けて揺動する樹脂製の部材である。
図6に示すように、操作ノブ120は、下部が開口した中空構造を有する。操作ノブ120は、ケース110の上方に配置され、ケース110の上側(Z軸正側)に接続されることにより、ケース110に対して揺動可能に支持される。操作ノブ120は、回転中心となる回転軸AX上、且つ、左右両側面の各々に、軸受孔121を有する。操作ノブ120は、軸受孔121がケース110の回転軸AX上に設けられている円柱部111Aに接続されることによって、ケース110に対して、回転軸AXを中心として、前方(X軸正方向)および後方(X軸負方向)へ回動可能に支持されている。操作ノブ120は「操作ノブ」の一例である。
【0023】
また、操作ノブ120の内部空間120Aには、基板160に対して垂直な四角筒状の筒部122が、当該内部空間120Aの天井面から垂下して設けられている。筒部122の内部には、アクチュエータ140およびコイルスプリング150が配置される。
【0024】
また、操作ノブ120の内部空間120Aにおいて、筒部122の左側(Y軸負側)には、基板160に対して垂直な平板状の板部123が、当該内部空間120Aの天井面から垂下して設けられている。
【0025】
板部123の底面における前側(X軸正側)の端部には、第1押圧部123Aが設けられている。第1押圧部123Aは、プッシュスイッチ161-1の頂部に当接しており、操作ノブ120が前方(X軸正方向)に揺動したときに、プッシュスイッチ161-1を押圧する。
【0026】
板部123の底面における後側(X軸負側)の端部には、第2押圧部123Bが設けられている。第2押圧部123Bは、プッシュスイッチ161-2の頂部に当接しており、操作ノブ120が後方(X軸負方向)に揺動したときに、プッシュスイッチ161-2を押圧する。
【0027】
<ケース110>
ケース110は、中空構造を有する容器状の部材である。ケース110は、合成樹脂からなる部材である。本実施形態において、ケース110は射出成型法により成形される。ケース110の内部には、基板160が収容される。ケース110の上部には、上下方向に延設された略四角筒状の外形を有する壁部111が形成されている。ケース110の下部には、壁部111の下部から前方に延設された、XY平面方向と平行な板状の基部111Cが形成されている。壁部111は、上部開口111Bを有する。上部開口111Bは、組立て後には操作ノブ120によって覆われる。壁部111は、回転軸AX上において、左右両方の外壁面から突出して設けられた一対の円柱部111Aを有する。円柱部111Aは、操作ノブ120の軸受孔121に対応した形状を有し、軸受孔121に対応した位置(すなわち、回転軸AX上)に設けられている。壁部111は、一対の円柱部111Aの各々が一対の軸受孔121の各々に係合することによって、操作ノブ120を前後方向(X軸方向)に揺動可能に支持する。円柱部111Aによって支持された操作ノブ120は、上部開口111Bを閉塞する。ケース110は、「ケース」の一例である。
【0028】
ケース110は、壁部111の内側における、操作ノブ120の筒部122の下側となる位置に、カム溝112を有する。カム溝112は、左右方向(Y軸方向)から視たとき、V字状の溝状を有しており、前後方向(X軸方向)における中央部に、底部112Aを有する。
【0029】
<アクチュエータ140>
アクチュエータ140は、ケース110のカム溝112の上側(Z軸正側)において、操作ノブ120の筒部122内に、上下方向(Z軸方向)に移動可能に配置される、樹脂製且つ柱状の部材である。アクチュエータ140は、曲面状の先端部141が下向きとなるように、筒部122の内部に配置される。アクチュエータ140の先端部141は、コイルスプリング150からの付勢力により、ケース110のカム溝112(
図6参照)に押し当てられる。アクチュエータ140の先端部141は、操作ノブ120の揺動に伴って、ケース110のカム溝112の斜面を摺動する。
【0030】
<コイルスプリング150>
コイルスプリング150は、操作ノブ120に設けられている筒部122の内部において、アクチュエータ140の上側(Z軸正側)に配置され、アクチュエータ140を下方(Z軸負方向)に付勢する。
【0031】
<基板160>
基板160は、硬質な樹脂製且つ平板状の部材である。基板160は、ケース110の内部において、カバー130上に載置され、且つ、XY平面に対して平行に設けられている。基板160としては、例えば、PWB(Printed Wiring Board)が用いられる。基板160の上面160A、且つ、操作ノブ120に設けられている板部123の下側には、プッシュスイッチ161-1を前側(X軸正側)にして、2つのプッシュスイッチ161-1,161-2が、前後方向(X軸方向)に並べて配置されている。基板160は、「基板」の一例である。
【0032】
<カバー130>
カバー130は、ケース110の下側開口部110Aに嵌め込まれることにより、下側開口部110Aを閉塞する、樹脂製の部材である。カバー130は、概ね直方体形状を有する。カバー130上には、基板160が載置される。カバー130の側面には、複数の係合爪131が設けられている。カバー130は、複数の係合爪131が、ケース110の側面に形成されている複数の開口部114の各々に係合することにより、ケース110に固定される。
【0033】
(入力装置100の動作)
操作ノブ120の操作がなされていないとき、アクチュエータ140の先端部141が、コイルスプリング150からの付勢力を利用して、ケース110に設けられているV字状のカム溝112の底部112Aに嵌まり込んでいる。これにより、操作ノブ120の操作がなされていないとき、操作ノブ120は、中立状態を維持できる。
【0034】
そして、操作ノブ120の操作がなされたとき、アクチュエータ140は、操作ノブ120と共に揺動する。その際、アクチュエータ140の先端部141は、コイルスプリング150からの付勢力によってケース110に設けられているV字状のカム溝112の斜面に押し当てられつつ、ケース110のカム溝112の斜面上を摺動する。
【0035】
ここで、操作ノブ120が前方(X軸正方向)に揺動した場合、操作ノブ120の板部123の底面が有する第1押圧部123Aが、プッシュスイッチ161-1を押圧する。これにより、プッシュスイッチ161-1は、スイッチオン状態となり、検出信号を出力する。
【0036】
一方、操作ノブ120が後方(X軸負方向)に揺動した場合、操作ノブ120の板部123の底面が有する第2押圧部123Bが、プッシュスイッチ161-2を押圧する。これにより、プッシュスイッチ161-2は、スイッチオン状態となり、検出信号を出力する。
【0037】
さらに、操作ノブ120の操作が解除されたとき、アクチュエータ140の先端部141は、コイルスプリング150からの付勢力を利用して、ケース110のカム溝112の斜面上を摺動して、カム溝112の底部112Aに再び嵌まり込む。これにより、操作ノブ120の操作が解除されたとき、操作ノブ120は、中立状態に復帰することができる。
【0038】
(スタック防止構造、及び、防水構造)
以下、
図9~
図17を参照して、操作ノブ120を揺動させることが困難な形態で一実施形態に係る入力装置100がスタックしてしまうことを防止するスタック防止構造の作用効果について説明する。また、
図18~
図19を参照して、一実施形態に係る入力装置100が備える防水構造の作用効果について説明する。また、
図20~
図23を参照して、一実施形態に係る入力装置100の突起115とリブ124との位置関係、及び、その変形例について説明する。
【0039】
図9は、一実施形態に係る入力装置100の平面図である。
図10は、一実施形態に係る入力装置100を
図9に示す断面線C-Cで切断した斜視断面図である。
図11は、一実施形態に係る入力装置100を
図9に示す断面線D-Dで切断した断面図である。
図12は、一実施形態に係る入力装置100、及び、その挿入スペース181Aに侵入した大径の異物FS1を、
図12と同様に断面線D-Dで切断した断面図である。
図13は、一実施形態に係る入力装置100の、大径の異物FS1に対する効果を説明する図である。
図14は、一実施形態に係る入力装置100を
図13に示す断面線F-Fで切断した断面図である。
図15は、一実施形態に係る入力装置100の第2の隙間102の位置、及び、寸法を説明する図である。
図16は、一実施形態に係る入力装置100、及び、その挿入スペース181Aに侵入した錠剤型の異物FS2が隙間101の傍に落ちた時の様子を説明する図である。
図17は、一実施形態に係る入力装置100の、錠剤型の異物FS2に対する効果を説明する図である。
図18は、一実施形態に係る入力装置100、及び、その挿入スペース181Aに液体状の異物FS3が注がれた時の様子を説明するための図である。
図19は、一実施形態に係る入力装置100の、液体状の異物FS3に対する効果を説明する図である。
図20は、操作ノブ120が揺動した駆動状態において、一実施形態に係る入力装置100を
図15に示す断面線G-Gで切断した断面図である。
図21は、
図20に示す部位PEを拡大した、一実施形態に係る入力装置100の部分拡大図である。
図22は、
図21と同様に部位PEを拡大した、変形例1に係る入力装置200の部分拡大図である。
図23は、
図21と同様に部位PEを拡大した、変形例2に係る入力装置300の部分拡大図である。
図24は、変形例3に係る上端部115Aの形状を示す断面図である。
図25は、変形例4に係る上端部115Aの形状を示す断面図である。
【0040】
図9~
図11に示すように、操作ノブ120は、前側(X軸正側)の端部に、揺動の回転軸AXを中心に揺動する揺動端120Bを有する。揺動端120Bは、中立状態において操作部120Cの下方に配置される部位である。本実施形態において、揺動端120Bは、Y軸方向と平行に形成される。揺動端120Bは、操作ノブ120をY軸方向から見た時、操作ノブ120のうち回転軸AXを構成する円柱部111Aから最も遠く離れた位置(「所定の距離」の一例)に形成される形状である。揺動端120Bは、「揺動端」の一例である。
【0041】
また、
図9、
図11~
図12に示すように、コンソールパネル180は、挿入スペース181Aの底壁部181Bの後側(X軸負側)の端部に、操作ノブ120の操作が行われていない中立状態において、操作ノブ120の揺動端120Bと対向配置される固定端181Cを有する。コンソールパネル180の固定端181Cは、Y軸方向と平行な形状に形成される。なお、本実施形態において、揺動端120Bと固定端181CとはY軸方向と平行に形成されるが、これらは互いに対向配置され、且つ、操作ノブ120の揺動を許容する形状であれば良い。例えば、揺動端120Bと固定端181Cとは、Y軸方向と平行でない波打った曲面形状を含む形状(非図示)であっても良い。また、例えば、揺動端120Bと固定端181Cとは、Y軸方向と斜めに交差する斜面部を含んだ形状(非図示)であっても良い。固定端181Cは、「固定端」の一例である。
【0042】
また、
図9、
図11~
図12に示すように、操作ノブ120の揺動端120Bとコンソールパネル180の固定端181Cとの間には、隙間101が形成される。なお、隙間101の幅は、多量に流通している硬貨のうち最も小さい寸法を有する硬貨の厚さよりも小さく設定されることが好ましい。隙間101の寸法が硬貨の厚さよりも小さく設定される場合、
図12に示すように、挿入スペース181Aに侵入した大径の異物FS1が隙間101に接近し、当接しても、大径の異物FS1が隙間101に挟まる可能性は小さくなる。本実施形態において、揺動端120Bと固定端181Cとの隙間101の幅は1.17mmに設定される。隙間101は「隙間」の一例である。
【0043】
さらに、ケース110は、隙間101の下方(Z軸負方向)に4個(「複数」の一例)設けられた突起115を有する。隙間101と組合わされることによって、突起115は、ある種の濾過器として機能する形状である。突起115は、壁部111および基部111Cから隙間101に向かって延設された形状である。突起115は、隙間101の下方側で、隙間101に対向する面(上端部115A)を有する。なお、本実施形態において突起115はケース110の形状として形成されるが、突起115は、例えばコンソールパネル180の一部として形成された形状であってもよい。
図9および
図11に示すように、突起115は、操作ノブ120の操作が行われていない中立状態において、Z軸方向(基板160と垂直な第1方向)から平面視した時、隙間101と重なる。その条件を満たしている場合、
図13に示すように、操作ノブ120が揺動して隙間101の寸法が拡大した時、大径の異物FS1は隙間101に挟まって落ち込むが、突起115の上端部115Aに当接して止まる。なお、
図13に示す操作ノブ120は、中立状態から5°回転した位置にある。突起115に当接することによって、大径の異物FS1の上部が隙間より上方に露出している時、操作者は大径の異物FS1を容易に除去することができる。なお、本実施形態において、Z軸方向(基板160と垂直な第1方向)から平面視した時、隙間101のX軸方向における端から端までの全体を繋ぐように、突起115と隙間101とが重なっている。しかし、突起115と隙間101とは隙間101に落ち込んだ大径の異物FS1が上端部115Aに当接して止まる構成となっていれば良く、突起115と隙間101とが重なるのは一部であってもよい。上端部115Aは「上端部」の一例である。
【0044】
隙間101の上側から上端部115Aまでの距離D2は、多量に流通している硬貨のうち最も小さい寸法を有する硬貨の直径の寸法よりも小さく設定されることが好ましい。隙間101から上端部115Aまでの距離D2は、16.25mmより小さく設定されることが好ましい。本実施形態において、隙間101から上端部115Aまでの距離D2は4.10mmに設定される。
【0045】
図15に示すように、一実施形態に係る入力装置100は、突起115の対向面115Bと揺動端120Bとの間に、第2の隙間102を有してもよい。第2の隙間102を設けた場合、操作ノブ120が揺動する時、操作ノブ120が突起115と当接することによって操作ノブ120の揺動が妨げられる恐れは小さくなる。また、大径の異物FS1が第2の隙間102に挟まってしまうことが無いように、Z軸方向から平面視したとき、第2の隙間102の隙間幅D3は、多量に流通している硬貨のうち厚さの寸法が最も小さい硬貨の厚さの寸法よりも小さく設定されることが好ましい。第2の隙間102の隙間幅D3は、1.5mmより小さいことが好ましい。本実施形態において、第2の隙間102の隙間幅D3は、1.35mmに設定される。これによれば、挿入スペース181Aに落下した大径の異物FS1が第2の隙間102に挟まってしまう可能性は小さくなる。
【0046】
このため、一実施形態に係る入力装置100は、隙間101内に入り込んだ大径の異物FS1を操作者が容易に取り除くことができる。このため、一実施形態に係る入力装置100は、大径の異物FS1の影響によって復帰困難な形態で操作ノブ120の揺動が阻害される可能性を小さくすることができる。
【0047】
図6、及び、
図16~
図20に示すように、ケース110は、突起115の下方側の部位に隣接し、基部111Cを上下方向に貫通して形成された貫通孔116を有する。また、
図14、及び、
図20に示すように、ケース110は、突起115の下方側の部位に隣接して基部111Cに形成され、X軸方向から見た時、Z軸方向と交差する斜め方向に形成された貫通孔117を有する。また、
図17に示すように、ケース110は、複数の突起115の間を落下した錠剤型の異物FS2、または、液体状の異物FS3を前方へ排出するために、複数の突起115の間の空間と連続してX軸正方向に貫通して形成された孔118を有する。貫通孔116、117は、錠剤型の異物FS2等の異方性が小さくて寸法が小さな異物、及び、液体状の異物FS3を入力装置100の下方へ落下させ、排出するための排出孔である。孔118は、突起115をすり抜けて落下した錠剤型の異物FS2、及び、液体状の異物FS3を入力装置100の前方に向けて排出する排出孔である。貫通孔116、117、及び、孔118は、錠剤型の異物FS2が通過できるように、錠剤型の異物FS2の寸法よりも大きく形成される。また、ケース110は、
図9、
図10、および、
図14に示すように、左右方向(Y軸方向)に並べて櫛歯形状に設けられた複数(本実施形態では、一例として4つ)の突起115を有する。複数の突起115は、互いに所定の間隔D1で離間して設けられている。所定の間隔D1は、「所定の間隔」の一例である。Z軸方向から見た時、貫通孔116は、複数の突起115の間に配置される。
図14に示すように、貫通孔117は、複数の突起のうち、もっとも外側に配置される突起115の近傍に設けられる。
【0048】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、
図13~
図15に示すように、大径の異物FS1を隙間101内で停止させることができる。このことによって、大径の異物FS1を摘まんで除去することは容易となるため、復帰困難な態様で操作ノブ120がスタックし、操作ノブ120への入力操作を行うことが困難になってしまう可能性は小さくなる。また、これにより、一実施形態に係る入力装置100は、
図16~
図19に示すように、隙間101に落下した錠剤型の異物FS2、および、液体状の異物FS3を、入力装置100より下方へ排出することができる。このことによって、錠剤型の異物FS2が操作ノブ120の周囲に堆積する可能性は小さくなるため、錠剤型の異物FS2の侵入によって操作ノブ120がスタックし、操作ノブ120への入力操作を行うことが困難になってしまう可能性は小さくなる。
【0049】
また、これにより、液体状の異物FS3を排出するための広い寸法を有する複数の排水経路が確保されるため、挿入スペース181Aに大量の液体状の異物FS3が溜まってしまった場合であっても、その液体状の異物FS3は容易に排出される。このことによって、液体状の異物FS3がケース110の内部に侵入して基板160が濡れてしまう可能性は小さくなる。
【0050】
また、本実施形態では、
図9および
図11に示すように、突起115は基板160に対して垂直な板形状を有し、板形状のなす平面は、Z軸方向(基板160と垂直な第1方向)と平行、且つ、隙間101と交差する。
【0051】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、隙間101に入り込んだ大径の異物を、より確実に突起115に当接させて、隙間101内で停止させることができる。なお、本実施形態において、Z軸方向から見た時、突起115の板形状のなす平面は隙間101と直交する向きに形成される。突起115の板形状のなす平面と隙間101とが交差する角度に配置される場合、操作ノブ120の揺動に合わせて遷移する揺動端120Bの位置と、突起115との距離を小さく設計することが容易になる。このことによって、突起115と隙間101とを組み合わせた構成を濾過器として機能させるために必要とされる操作ノブ120の揺動範囲の限定条件は緩和される。そのため、操作ノブ120の揺動範囲の設計に掛かるコストは小さくなるので、それ以外の設計の自由度は高くなる。
【0052】
また、
図9および
図11に示すように、突起115は、Y軸方向(回転軸AXと平行な方向)から見た時、Z軸方向(基板160と垂直な第1方向)と直交する上端部115Aを有する。特に、本実施形態では、上端部115Aの前後方向(X軸方向)の幅が、隙間101の前後方向(X軸方向)の幅よりも大きくなっており、且つ、上端部115Aの前後方向(X軸方向)の幅の範囲内に、隙間101が収まっている。
【0053】
図11~
図19に示すように、本実施形態における上端部115Aは、Z軸方向と垂直な平面状に形成されるが、
図24に示すように、上端部115Aは凹形状であっても良い。また、
図25に示すように、上端部115Aは凹曲面形状であっても良い。言い換えると、上端部115Aは、隙間101から下方に落ち込んだ大径の異物FS1の下端部と当接してこれを受け止め、操作者が大径の異物FS1の上端部を摘まんで除去することが容易となる位置で大径の異物FS1を停止させることを目的とした形状である。そのため、上端部115Aは、隙間101に落ち込んだ大径の異物FS1の下端部と当接して止めやすい形状を有していれば良く、Y軸方向から見た時、平面状に限らず凹形状や凹曲面形状を始めとした種々の形状を有していても良い。
【0054】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、隙間101に入り込んだ大径の異物FS1を、突起115の上端部115Aによって確実に受け止めることができる。
【0055】
挿入スペース181Aに錠剤型の異物FS2が侵入し、隙間101から落下した時、その錠剤型の異物FS2は、
図14、または、
図17に矢印にて示す経路を通過して落下し、入力装置100の外部へと排出される。錠剤型の異物FS2を円滑に落下させるため、所定の間隔D1は、錠剤型の異物FS2の径の寸法よりも大きく設定されることが好ましい。その条件が満たされる場合、隙間101から落下した錠剤型の異物FS2は、上端部115Aに当接しても止まることなく複数の突起115の間を転がり落ちる。また、複数の突起115の間を転がり落ちた錠剤型の異物FS2は、その多くが貫通孔116、または、貫通孔117、または、孔118を通過して入力装置100の下方へと落下する。このことにより、錠剤型の異物FS2が操作ノブ120の周囲に堆積する可能性は小さくなる。また、このことにより、操作ノブ120の周囲に錠剤型の異物FS2が堆積することによって操作ノブ120の揺動が阻害される可能性は小さくなる。
【0056】
挿入スペース181Aに液体状のFS3が注がれた時、その液体状の異物は、
図18~
図19に矢印にて示す経路を通過して入力装置100の外部へと排出される。
【0057】
一例として、所定の間隔D1は、0.5mmより大きく16.25mmより小さいことが好ましい。本実施形態において、所定の間隔D1は4.3mmに設定される。所定の間隔D1は、多量に流通している硬貨のうち最も小さい寸法を有する硬貨の直径よりも小さく設定されることが好ましい。このため、所定の間隔D1は16.25mmより小さいことが好ましい。また、金型を用いて高い寸法精度を有する樹脂成形体を形成する場合、金型の入れ子が用いられる。そして、金型の入れ子を用いて突起115の様な櫛歯形状を有する形状を形成する場合、金型の入れ子の物理強度の限界により、櫛歯形状の間隔の実質的な下限値は0.5mmとなる。仮に櫛歯形状の間隔を0.5mm以下に設定した場合、ケース110を形成する樹脂成形工程において金型の入れ子は破損し易くなる。また、仮に樹脂成形時における射出速度や成形圧を調整して金型の入れ子の保護を図りつつ、0.5mm以下の間隔の櫛歯形状を形成した場合、結果として得られる樹脂成形体の強度は不安定になるため現実的でない。このため、所定の間隔D1は0.5mm以上であることが好ましい。
【0058】
また、本実施形態では、
図10~
図12、および、
図21に示すように、操作ノブ120は、複数の突起115よりもX軸負側に、複数の突起115の各々と対向配置される、複数のリブ124を有する。例えば、本実施形態では、一例として、操作ノブ120は、4つの突起115の各々と対向配置される、4つのリブ124を有する。
【0059】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、隣り合う2つの突起115、及び、それらと対向する隣り合う2つのリブ124によって通路となる空間を形成する。当該通路の下方には貫通孔116,117が配置される。この構成によれば、当該通路、及び、貫通孔116,117が直通するため、大量の錠剤型の異物FS2、または、液体状の異物FS3が隙間101から落下した場合であっても、それらをスムーズに落下させることができる。
【0060】
なお、本実施形態では、複数のリブ124の各々は、Y軸方向(回転軸AXの軸方向)において複数の突起115の各々と同位置に配置される。但し、これに限らず、例えば、
図22に示す変形例1の様に、複数のリブ124の各々は、Y軸方向(回転軸AXの軸方向)において複数の突起115の各々とオフセット配置されてもよい。すなわち、Y軸方向(回転軸AXの軸方向)において、突起115とリブ124とが交互に配置されてもよい。
【0061】
変形例1において、第2の隙間102の隙間幅D3は、1.5mmよりも小さいことが好ましい。これにより、一実施形態に係る入力装置100は、大径の異物FS1の落下をより確実に抑止することができる。また、変形例1の構成によれば、突起115とリブ124との寸法精度が劣っていても突起115とリブ124とが衝突して操作ノブ120の揺動が阻害される可能性は小さくなる。そのため、製造コストを小さくすることが出来る。
【0062】
また、
図23に示す変形例2の様に、複数のリブ124の各々は、操作ノブ120が揺動した駆動状態において、複数のリブ124の各々は、複数の複数の突起115の間に入り込むように形成されても良い。変形例2の構成によれば、突起115とリブ124との間に大径の異物FS1が挟まる可能性を無くすることができる。
【0063】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、隙間101に入り込んだ硬貨が、1円硬貨(直径20.0mm、厚さ1.5mm)、1セント硬貨(直径19.05mm、厚さ1.55mm)、0.01ユーロ硬貨(直径16.25mm、厚さ1.67mm)、および1元硬貨(直径25mm、厚さ1.85mm)のいずれであっても、当該硬貨を隙間101から落下させないようにすることができる。
【0064】
なお、本実施形態では、ケース110とコンソールパネル180とは成形加工時に別部材として形成され、組立工程において接続されるが、これに限らず、ケース110とコンソールパネル180とは成形加工時に一体に形成されてもよい。
【0065】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
100 入力装置
101 隙間
102 第2の隙間
110 ケース
111 壁部
111A 円柱部
111B 上部開口
111C 基部
112 カム溝
112A 底部
114 開口部
115 突起
115A 上端部
115B 対向面
116 貫通孔
117 貫通孔
118 孔
120 操作ノブ
120A 内部空間
120B 揺動端
120C 操作部
121 軸受孔
122 筒部
123 板部
123A 第1押圧部
123B 第2押圧部
124 リブ
130 カバー
131 係合爪
140 アクチュエータ
141 先端部
150 コイルスプリング
160 基板
161-1,161-2 プッシュスイッチ
170 第2操作ノブ
180 コンソールパネル(パネル部材)
181 開口
181A 挿入スペース
181B 底壁部
181C 固定端
AX 回転軸
D1 所定の間隔
D2 距離
D3 間隔幅
FS1 大径の異物
FS2 錠剤型の異物
FS3 液体状の異物
PE 部位