(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043912
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】システム、方法、プログラム及び記憶装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/32 20120101AFI20240326BHJP
G06Q 20/10 20120101ALI20240326BHJP
【FI】
G06Q20/32 300
G06Q20/10 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149150
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷川 雄哉
(72)【発明者】
【氏名】半下石 澪
(72)【発明者】
【氏名】星野 広規
(72)【発明者】
【氏名】松木 優
(72)【発明者】
【氏名】吉井 瑛理
(72)【発明者】
【氏名】吉田 渓吾
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA22
5L055AA64
(57)【要約】 (修正有)
【課題】携帯型の記憶装置とユーザ端末による商品購入取引を実現するシステム、方法、プログラム及び記憶装置を提供する。
【解決手段】システム10において、決済サーバは、携帯型の記憶装置30の識別情報と、記憶装置30を所持するユーザ80と店舗68との間で行われた商品購入取引を示す取引情報とを取得する取得部と、ユーザ80と店舗68との間の商品購入取引が行われた後において、記憶装置30に予め対応づけられているユーザ端末40が記憶装置30から送信される識別情報を受信した場合に、取引情報が示す商品購入取引の決済のための処理を行う処理部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型の記憶装置の識別情報と、前記記憶装置を所持するユーザと店舗との間で行われた商品購入取引を示す取引情報とを取得する取得部と、
前記ユーザと前記店舗との間の商品購入取引が行われた後において、前記記憶装置に予め対応づけられているユーザ端末が前記記憶装置から送信される前記識別情報を受信した場合に、前記取引情報が示す商品購入取引の決済のための処理を行う処理部と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記取得部は、前記商品購入取引が行われることに応じて、前記店舗における商品購入取引を管理する店舗サーバから、前記取引情報を受信し、
前記処理部は、
前記取得部が前記店舗サーバから前記取引情報を受信したことに応じて、前記取引情報が示す商品購入取引に基づく前記店舗への支払いの処理を行う第1処理部と、
前記ユーザと前記店舗との間の商品購入取引が行われた後において、前記記憶装置に予め対応づけられているユーザ端末が前記記憶装置から送信される前記識別情報を受信した場合に、前記取引情報が示す商品購入取引に基づく前記ユーザの口座からの支払いを行う第2処理部と、
を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記取得部は、前記店舗に設けられた店舗サーバから前記取引情報を受信し、
前記システムは、
前記取得部が前記店舗サーバから受信した前記取引情報を記憶する記憶部
をさらに備え、
前記処理部は、
前記ユーザと前記店舗との間の商品購入取引が行われた後において、前記記憶装置に予め対応づけられているユーザ端末が前記記憶装置から送信される前記識別情報を受信した場合に、前記取引情報が示す商品購入取引に基づいて前記ユーザの口座からの支払いを行い、
前記ユーザと前記店舗との間で行われた商品購入取引に対して予め定められた期限日までに前記ユーザの口座からの支払いの少なくとも一部が行われなかった場合に、前記少なくとも一部の支払いを行う、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理部は、前記ユーザと前記店舗との間の商品購入取引が行われた後、前記決済のための処理が行われずに予め定められた期間が経過した場合に、前記記憶装置を用いる商品購入取引を制限する
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理部は、
(i)前記店舗に設けられた店舗サーバから前記取引情報を受信し、(ii)前記店舗サーバから受信した前記取引情報を記憶し、(iii)前記ユーザと前記店舗との間で行われた商品購入取引に対して前記店舗への支払いを行う決済サーバに、前記店舗への前記支払いが行われたか否かの問い合わせを行い、
前記決済サーバから、前記店舗への前記支払いが行われた旨の応答情報を受信した場合に、前記ユーザから、前記店舗への前記支払いを行った決済機関への支払いを行い、
前記決済サーバから、前記店舗への前記支払いが行われていない旨の応答情報を受信した場合に、前記店舗への支払いを行う、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
携帯型の記憶装置の識別情報と、前記記憶装置を所持するユーザと店舗との間で行われた商品購入取引を示す取引情報とを取得する段階と、
前記ユーザと前記店舗との間の商品購入取引が行われた後において、前記記憶装置に予め対応づけられているユーザ端末が前記記憶装置から送信される前記識別情報を受信した場合に、前記取引情報が示す商品購入取引の決済のための処理を行う段階と、
を備える方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステムとして機能させるためのプログラム。
【請求項8】
携帯型の記憶装置であって、
前記記憶装置を所持するユーザが店舗で商品購入取引を行う場合に、商品購入取引の金額を少なくとも示す取引情報を、前記店舗に設けられた店舗サーバから近距離無線通信で受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記取引情報と、前記取引情報の送信先として許可されたユーザ端末を識別する端末識別情報とを記憶する記憶部と、
前記端末識別情報に基づいて、前記記憶装置に近接するユーザ端末に前記取引情報を送信することが許可されているか否かを判断する処理部と、
前記処理部によって前記ユーザ端末に前記取引情報を送信することが許可されていると判断された場合に、前記取引情報及び前記記憶装置の識別情報を前記ユーザ端末に送信する送信部と、
を備える記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、方法、プログラム及び記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、商品の商品識別情報および価格情報が記録されているRFタグが付された商品が投入される商品投入箱と、商品投入箱に投入された商品のRFタグを読み取るRFIDアンテナと、読み取られたRFタグが付された商品の決済処理を行う決済用端末と、決済処理が完了すると、商品投入箱に投入された商品のRFタグに対して決済が完了したことを示す情報を書き込むリーダ/ライタとを備えるRFID物販システムが開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2020-057349号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の第1の態様においては、システムが提供される。上記のシステムは、携帯型の記憶装置の識別情報と、前記記憶装置を所持するユーザと店舗との間で行われた商品購入取引を示す取引情報とを取得する取得部を備える。上記のシステムは、前記ユーザと前記店舗との間の商品購入取引が行われた後において、前記記憶装置に予め対応づけられているユーザ端末が前記記憶装置から送信される前記識別情報を受信した場合に、前記取引情報が示す商品購入取引の決済のための処理を行う処理部を備える。
【0004】
上記のシステムにおいて、前記取得部は、前記商品購入取引が行われることに応じて、前記店舗における商品購入取引を管理する店舗サーバから、前記取引情報を受信してよい。前記処理部は、前記取得部が前記店舗サーバから前記取引情報を受信したことに応じて、前記取引情報が示す商品購入取引に基づく前記店舗への支払いの処理を行う第1処理部と、前記ユーザと前記店舗との間の商品購入取引が行われた後において、前記記憶装置に予め対応づけられているユーザ端末が前記記憶装置から送信される前記識別情報を受信した場合に、前記取引情報が示す商品購入取引に基づく前記ユーザの口座からの支払いを行う第2処理部とを有してよい。
【0005】
上記いずれかのシステムにおいて、前記取得部は、前記店舗に設けられた店舗サーバから前記取引情報を受信してよい。前記システムは、前記取得部が前記店舗サーバから受信した前記取引情報を記憶する記憶部をさらに備えてよい。前記処理部は、前記ユーザと前記店舗との間の商品購入取引が行われた後において、前記記憶装置に予め対応づけられているユーザ端末が前記記憶装置から送信される前記識別情報を受信した場合に、前記取引情報が示す商品購入取引に基づいて前記ユーザの口座からの支払いを行い、前記ユーザと前記店舗との間で行われた商品購入取引に対して予め定められた期限日までに前記ユーザの口座からの支払いの少なくとも一部が行われなかった場合に、前記少なくとも一部の支払いを行ってよい。
【0006】
上記いずれかのシステムにおいて、前記処理部は、前記ユーザと前記店舗との間の商品購入取引が行われた後、前記決済のための処理が行われずに予め定められた期間が経過した場合に、前記記憶装置を用いる商品購入取引を制限してよい。
【0007】
上記いずれかのシステムにおいて、前記処理部は、(i)前記店舗に設けられた店舗サーバから前記取引情報を受信し、(ii)前記店舗サーバから受信した前記取引情報を記憶し、(iii)前記ユーザと前記店舗との間で行われた商品購入取引に対して前記店舗への支払いを行う決済サーバに、前記店舗への前記支払いが行われたか否かの問い合わせを行い、前記決済サーバから、前記店舗への前記支払いが行われた旨の応答情報を受信した場合に、前記ユーザから、前記店舗への前記支払いを行った決済機関への支払いを行い、前記決済サーバから、前記店舗への前記支払いが行われていない旨の応答情報を受信した場合に、前記店舗への支払いを行ってよい。
【0008】
本発明の第2の態様においては、方法が提供される。方法は、携帯型の記憶装置の識別情報と、前記記憶装置を所持するユーザと店舗との間で行われた商品購入取引を示す取引情報とを取得する段階を備える。方法は、前記ユーザと前記店舗との間の商品購入取引が行われた後において、前記記憶装置に予め対応づけられているユーザ端末が前記記憶装置から送信される前記識別情報を受信した場合に、前記取引情報が示す商品購入取引の決済のための処理を行う段階を備える。
【0009】
本発明の第3の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、上記いずれかのシステムとして機能させる。
【0010】
本発明の第4の態様においては、携帯型の記憶装置が提供される。上記の記憶装置は、前記記憶装置を所持するユーザが店舗で商品購入取引を行う場合に、商品購入取引の金額を少なくとも示す取引情報を、前記店舗に設けられた店舗サーバから近距離無線通信で受信する受信部を備える。上記の記憶装置は、前記受信部が受信した前記取引情報と、前記取引情報の送信先として許可されたユーザ端末を識別する端末識別情報とを記憶する記憶部を備える。上記の記憶装置は、前記端末識別情報に基づいて、前記記憶装置に近接するユーザ端末に前記取引情報を送信することが許可されているか否かを判断する処理部を備える。上記の記憶装置は、前記処理部によって前記ユーザ端末に前記取引情報を送信することが許可されていると判断された場合に、前記取引情報及び前記記憶装置の識別情報を前記ユーザ端末に送信する送信部を備える。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態における決済システム10の構成を概略的に示す。
【
図2】ユーザ80がユーザ端末40を通じて、店舗68における商品64の購入取引に対する決済処理を行う場面を説明するための図である。
【
図3】記憶装置30が備える機能構成を概略的に示す。
【
図4】ユーザ端末40が備える機能構成を概略的に示す。
【
図5】決済サーバ50が備える機能構成を概略的に示す。
【
図6】記憶装置30及びユーザ端末40の初期処理の実行手順を示す。
【
図7】仮払い方式による、店舗68での商品64の購入に係る処理の実行手順を示す。
【
図8】仮払い方式による、ユーザ宅82での支払いに係る処理の実行手順を示す。
【
図9】支払い保証方式による、店舗68での商品64の購入に係る処理の実行手順を示す。
【
図10】支払い保証方式による、ユーザ宅82での支払いに係る処理の実行手順を示す。
【
図11】コンピュータ3000のシステム構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0014】
図1は、一実施形態における決済システム10の構成を概略的に示す。決済システム10は、決済サーバ50と、店舗サーバ60と、出口ゲート装置62と、記憶装置30と、ユーザ端末40とを備える。
【0015】
決済サーバ50、店舗サーバ60、及びユーザ端末40は、通信ネットワーク90を介して、互いに情報を送受することができる。通信ネットワーク90は、無線パケット通信網、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線の少なくとも1つを含んでよい。通信ネットワーク90は、(i)携帯電話回線網などの移動体通信網を含んでもよく、(ii)無線MAN(例えば、WiMAX(登録商標)である)、無線LAN(例えば、WiFi(登録商標)である)を含んでよい。
【0016】
ユーザ端末40は、ユーザ80に対応づけられた端末である。ユーザ端末40は、例えば、スマートフォンである。ユーザ端末40は、通信ネットワーク90を通じた通信に加えて、近距離無線通信を行う機能を有する。本実施形態において、近距離無線通信の通信方式は、NFC(Near Field Communication)である。近距離無線通信としては、他に、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)等の通信方式を例示することができる。ユーザ端末40は、スマートフォン以外の端末であってよい。ユーザ端末40は、通信機能を有するコンピューティングデバイスであってよい。ユーザ端末40は、携帯電話、PDA、タブレット・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータ等の携帯端末であってよく、デスクトップ・コンピュータであってよい。
【0017】
記憶装置30は、ユーザ80が携帯可能な携帯型の記憶装置である。記憶装置30は、ユーザ80が身につけて所持することができる。記憶装置30は、近距離無線通信を行う機能を有する。記憶装置30は、例えばいわゆるRFタグ装置と称され得る装置であってよい。記憶装置30は、アクティブタグ、セミパッシブタグ又はセミアクティブタグであってよい。ユーザ端末40と記憶装置30とは、予めペアリングが行われているものとする。
【0018】
店舗サーバ60及び出口ゲート装置62は、店舗68に設けられる。店舗サーバ60は、出口ゲート装置62に接続され、出口ゲート装置62との間で情報を入出力することができる。出口ゲート装置62は、店舗68の出口付近に設けられる。出口ゲート装置62は、近距離無線通信を行う機能を有する。
【0019】
ユーザ80は、記憶装置30を身につけて店舗68で買い物をする。商品64にはRFタグ装置66が付与されている。RFタグ装置66は、商品64の識別情報を記憶している。RFタグ装置66は、近距離無線通信を行う機能を有する。RFタグ装置は、アクティブタグ、パッシブタグ、セミパッシブタグ又はセミアクティブタグであってよい。
【0020】
ユーザ80は、購入したい商品64をカゴ63に入れて、記憶装置30を身につけた状態で店舗68の出口ゲート装置62を通過する。このとき、出口ゲート装置62は、近距離無線通信によって、RFタグ装置66から発信される商品64の識別情報を受信するとともに、近距離無線通信によって、記憶装置30から発信される記憶装置30の識別情報を受信する。
【0021】
出口ゲート装置62は、RFタグ装置66から受信した商品64の識別情報と、記憶装置30から受信した記憶装置30の識別情報とを含む情報を、店舗サーバ60に出力する。店舗サーバ60は、商品64の商品代金に基づく取引額を含む取引情報を生成して、記憶装置30の識別情報とともに記憶する。店舗サーバ60は、出口ゲート装置62に取引情報を出力して、出口ゲート装置62から記憶装置30へ取引情報を送信させ、取引情報を記憶装置30に記憶させる。これにより、ユーザ80と店舗68との間での商品64の購入取引が完了する。
【0022】
ユーザ80は、店舗68を出ると、記憶装置30を所持した状態で、商品64を持ってユーザ80の自宅であるユーザ宅82へと帰宅する。
【0023】
第一の支払い方式において、決済サーバ50を運営する決済機関は、購入取引が完了した時点で、取引情報に基づく取引額の支払いを店舗68に行ってよい。この支払い方式のことを「仮払い方式」と呼ぶこととする。この方式では、ユーザ80は、ユーザ宅82に帰宅した後、取引情報に基づく取引額の支払いを、決済機関に支払う。
【0024】
第二の支払い方式において、決済サーバ50を運営する決済機関は、購入取引が完了した時点では、取引情報に基づく取引額の支払いを店舗68に行わずに、取引額の保証のみを行ってよい。この支払い方式のことを「支払い保証方式」と呼ぶこととする。この方式では、ユーザ80は、ユーザ宅82に帰宅した後、取引情報に基づく取引額の支払いを、店舗68に直接に行う。
【0025】
図2は、ユーザ80がユーザ端末40を通じて、店舗68における商品64の購入取引に対する決済処理を行う場面を説明するための図である。ユーザ80は、ユーザ宅82に帰宅すると、ユーザ端末40を用いて、取引額の支払いを行う。
【0026】
記憶装置30がユーザ端末40に接近すると、ユーザ端末40は、近距離無線通信により、記憶装置30から取引情報及び記憶装置30の識別情報を読み出す。ユーザ端末40と記憶装置30との間の通信は、非接触通信によって行われ得る。
【0027】
第1の支払い方式で支払いを行う場合、ユーザ端末40は、記憶装置30から取引情報を読み出すと、決済サーバ50に取引情報及び記憶装置30の識別情報を送信して、取引情報に基づく取引額の支払いの手続を完了させる。支払いは、決済サーバ50が運営する決済機関が許容する方式で行われる。支払い手段としては、クレジットカード決済、銀行口座からの引き落とし、電子マネー決済、ポイント決済等を例示することができる。
【0028】
第2の支払い方式で支払いを行う場合、ユーザ端末40は、記憶装置30から取引情報及び記憶装置30の識別情報を読み出すと、店舗サーバ60が決済を行うために必要な情報を店舗サーバ60に送信するとともに、取引情報及び記憶装置30の識別情報を含む支払い通知情報を決済サーバ50に送信する。ユーザ端末40を通じて店舗サーバ60への支払いの少なくとも一部が行われなかった場合、決済サーバ50は、支払いが行われなかった一部の額(取引額と支払額との差額)を、店舗68に支払う。
【0029】
本実施形態によれば、ユーザ80は、記憶装置30を身につけて店舗68の出口ゲート装置62を通過するだけで、商品64の買い物を完了することができる。そのため、ユーザ80は、商品64の決裁用のバーコードをユーザ端末40に表示させてバーコードリーダーに読み取らせたり、店舗68に掲示されたバーコードをユーザ端末40で読み取って支払い額を入力したりする手間を掛けることなく、買い物を完了することができる。その上、ユーザ端末40と記憶装置30とを近接させてから支払いの手続を行うので、記憶装置30とユーザ端末40とが近くにあるときにだけ支払いを行うことができる。そのため、記憶装置30が第三者によって不正利用されることを抑制することができる。
【0030】
図3は、記憶装置30が備える機能構成を概略的に示す。記憶装置30は、処理部300と、アンテナ部310と、指紋取得部320と、記憶部380と、給電部390とを備える。
【0031】
アンテナ部310は、無線信号を受信し、受信した無線信号に基づき電気信号を生成する。アンテナ部310が生成した電気信号は、処理部300に出力される。アンテナ部310は、処理部300から出力された電気信号に基づいて、無線信号を送信する。アンテナ部310は、ユーザ端末40との間の、近距離無線通信による無線信号の送受信に用いられる。
【0032】
給電部390は、記憶装置30の動作に必要な電力を記憶装置30の各部に出力する。給電部390は、アンテナ部310が無線信号を受信したことに応じて生成される電力を、記憶装置30の各部に出力する。具体的には、給電部390は、蓄電池を備え、蓄電池に蓄積されている電力を、記憶装置30の各部に出力する。アンテナ部310が無線信号を受信している場合、給電部390は、アンテナ部310が無線信号を受信したことに応じて生成される電力を蓄電池に蓄電するとともに、記憶装置30の各部に出力してよい。
【0033】
処理部300は、プロセッサと、プロセッサの動作に必要な揮発性記憶媒体を有してよい。記憶部380は、不揮発性記憶媒体を少なくとも備える。
【0034】
記憶装置30を所持するユーザ80が店舗68で商品購入取引を行う場合に、アンテナ部310は、商品購入取引の金額を少なくとも示す取引情報を、店舗68に設けられた店舗サーバ60から近距離無線通信で受信する。アンテナ部310は、店舗サーバ60から取引情報を受信する受信部として機能する。記憶部380は、アンテナ部310が受信した取引情報と、取引情報の送信先として許可されたユーザ端末40を識別する端末識別情報とを記憶する。
【0035】
処理部300は、記憶部380が記憶している端末識別情報に基づいて、記憶装置30に近接するユーザ端末40に取引情報を送信することが許可されているか否かを判断する。アンテナ部310は、処理部300によってユーザ端末40に取引情報を送信することが許可されていると判断された場合に、取引情報及び記憶装置30の識別情報をユーザ端末40に送信する。アンテナ部310は、取引情報及び記憶装置30の識別情報をユーザ端末40に送信する送信部として機能する。
【0036】
記憶部380は、記憶装置30を使用することができる登録ユーザの指紋情報をさらに記憶する。指紋取得部320は、ユーザ80の指紋情報を取得する。指紋取得部320は、指紋を画像情報として取得する指紋センサを含んでよい。
【0037】
処理部300は、指紋取得部320が取得したユーザ80の指紋情報が、記憶部380が記憶している指紋情報に適合する場合に、記憶装置30を予め定められた期間使用可能にする。
【0038】
処理部300は、記憶部380に記憶されている識別情報及び取引情報を示す電気信号を、アンテナ部310に出力する。これにより、アンテナ部310は、識別情報及び取引情報を示す無線信号を出力する。
【0039】
図4は、ユーザ端末40が備える機能構成を概略的に示す。ユーザ端末40は、処理部400と、アンテナ部410と、指紋取得部420と、取得部430と、記憶部480とを備える。
【0040】
処理部400は、プロセッサと、プロセッサの動作に必要な揮発性記憶媒体を有してよい。記憶部480は、不揮発性記憶媒体を少なくとも備える。
【0041】
アンテナ部410は、無線信号を受信し、受信した無線信号に基づき電気信号を生成する。アンテナ部410が生成した電気信号は、処理部400に出力される。アンテナ部410は、処理部400から出力された電気信号に基づいて、無線信号を送信する。アンテナ部410は、記憶装置30のアンテナ部310との間の、近距離無線通信による無線信号の送受信に用いられる。
【0042】
指紋取得部420は、ユーザ80の指紋情報を取得する。指紋取得部420は、指紋を画像情報として取得する指紋センサを含んでよい。
【0043】
取得部430は、記憶装置30の識別情報と、記憶装置30を所持するユーザ80と店舗68との間で行われた商品購入取引を示す取引情報とを取得する。例えば、取得部430は、アンテナ部410が受信した記憶装置30からの無線信号に基づいて生成された電気信号で示される情報を取得する。具体的には、取得部430は、アンテナ部310から送信される無線信号に基づいて、記憶装置30の識別情報及び取引情報を取得する。
【0044】
処理部400は、ユーザ80と店舗68との間の商品購入取引が行われた後において、ユーザ端末40が記憶装置30から送信される識別情報を受信した場合に、取引情報が示す商品購入取引の決済のための処理を行う。例えば、処理部400は、記憶部480に予め記憶されている識別情報と、取得部430が取得した識別情報とが一致する場合に、商品購入取引の決済のための処理を行う。例えば、処理部400は、店舗サーバ60及び/又は決済サーバ50と通信することにより、商品購入取引の決済のための処理を行う。
【0045】
後述するように、決済サーバ50は、(i)店舗サーバ60から取引情報を受信し、(ii)店舗サーバ60から受信した取引情報を記憶し、(iii)ユーザ80と店舗68との間で行われた商品購入取引に対して、決済機関から店舗68への支払いを行う機能を有する。処理部400は、決済サーバ50に、店舗68への支払いが行われたか否かの問い合わせを行ってよい。処理部400は、決済サーバ50から、店舗68への支払いが行われた旨の応答情報を受信した場合に、ユーザ80から、店舗68への支払いを行った決済機関への支払いを行う。処理部400は、決済サーバ50から、店舗68への支払いが行われていない旨の応答情報を受信した場合に、店舗68への支払いを行う。
【0046】
図5は、決済サーバ50が備える機能構成を概略的に示す。決済サーバ50は、処理部500と、取得部530と、記憶部580とを備える。処理部500は、第1処理部501と、第2処理部502とを備える。
【0047】
処理部500は、プロセッサと、プロセッサの動作に必要な揮発性記憶媒体を有してよい。記憶部580は、不揮発性記憶媒体を少なくとも備える。
【0048】
取得部530は、商品購入取引が行われることに応じて、店舗68における商品購入取引を管理する店舗サーバ60から、取引情報を受信する。取得部530は、通信ネットワーク90を通じて、取引情報を店舗サーバ60から受信する。
【0049】
第1処理部501は、店舗サーバ60から取引情報を受信したことに応じて、取引情報が示す商品購入取引に基づく店舗68への支払いの処理を行う。第2処理部502は、ユーザ80と店舗68との間の商品購入取引が行われた後において、記憶装置30に予め対応づけられているユーザ端末40が記憶装置30から送信される識別情報を受信した場合に、取引情報が示す商品購入取引に基づくユーザ80の口座からの支払いを行う。
【0050】
取得部530は、店舗68に設けられた店舗サーバ60から取引情報を受信する。記憶部580は、取得部530が店舗サーバ60から受信した取引情報を記憶する。
【0051】
処理部500は、ユーザ80と店舗68との間の商品購入取引が行われた後において、記憶装置30に予め対応づけられているユーザ端末40が記憶装置30から送信される識別情報を受信した場合に、取引情報が示す商品購入取引に基づいてユーザ80の口座からの支払いを行う。また、処理部500は、ユーザ80と店舗68との間で行われた商品購入取引に対して予め定められた期限日までにユーザ80の口座からの支払いの少なくとも一部が行われなかった場合に、少なくとも一部の支払いを行う。
【0052】
処理部500は、ユーザ80と店舗68との間の商品購入取引が行われた後、決済のための処理が行われずに予め定められた期間が経過した場合に、記憶装置30を用いる商品購入取引を制限する。例えば、記憶部580は、決済のための処理が行われずに予め定められた期間が経過した場合に、記憶装置30の識別情報を記憶する。処理部500は、商品購入取引が行われる際に店舗サーバ60から送信される識別情報が、記憶部580に記憶された識別情報と一致する場合に、店舗サーバ60に商品購入取引を禁止する旨のエラー通知を店舗サーバ60に送信する。
【0053】
なお、この発明における「システム」は、(i)ユーザ端末40、(ii)ユーザ端末40及び決済サーバ50の組み合わせ、又は、(iii)記憶装置30及びユーザ端末40の組み合わせのうちの少なくとも一つであってよい。この発明における「取得部」は、(i)ユーザ端末40の取得部430、又は、(ii)ユーザ端末40の取得部430及び決済サーバ50の取得部530の組み合わせのうちの少なくとも一つであってよい。この発明における「処理部」は、(i)ユーザ端末40の処理部400、又は、(ii)ユーザ端末40の処理部400及び決済サーバ50の処理部500の組み合わせのうちの少なくとも一つであってよい。
【0054】
図6は、記憶装置30及びユーザ端末40の初期処理の実行手順を示す。初期処理は、例えば、記憶装置30とユーザ端末40とを対応づける処理と、記憶装置30を使用することができるユーザ80を記憶装置30に登録する処理とを含む。
【0055】
S610において、ユーザ端末40及び記憶装置30は、近距離無線通信により、互いの識別情報を交換する。例えば、ユーザ端末40及びユーザ端末40は、互いの識別情報を記憶する旨のユーザ指示をユーザ端末40が受け取ったことに応じて、識別情報を交換してよい。
【0056】
S620において、記憶装置30の記憶部380は、ユーザ端末40から受信したユーザ端末40の識別情報を記憶する。S622において、ユーザ端末40の記憶部480は、記憶装置30から受信した記憶装置30の識別情報を記憶する。
【0057】
S610からS622の処理により、記憶装置30とユーザ端末40とのペアリングが完了する。これにより、記憶装置30とユーザ端末40とが対応づけられる。具体的には、記憶装置30に記憶された取引情報の送信先として許可されたユーザ端末として、ユーザ端末40が記憶装置30に登録されるとともに、ユーザ端末40が取引情報の取得元として許可された記憶装置として、記憶装置30がユーザ端末40に登録される。
【0058】
S630において、ユーザ端末40の指紋取得部420は、ユーザ80の指紋情報を取得する。ユーザ80は、記憶装置30の使用者として許可されるユーザの一例である。S640において、ユーザ端末40は、近距離無線通信によって指紋情報を記憶装置30に送信する。S650において、記憶装置30の記憶部380は、ユーザ端末40から受信した指紋情報を記憶する。S630からS650により、記憶装置30を使用することができるユーザ80が、記憶装置30に登録される。
【0059】
図7は、仮払い方式による、店舗68での商品64の購入に係る処理の実行手順を示す。
【0060】
S710において、記憶装置30の指紋取得部320は、ユーザ80の指紋情報を取得する。
【0061】
S720において、記憶装置30の処理部300は、S710で取得した指紋認証を行い、指紋を認証したことに応じて、記憶装置30を用いる購入処理を一定期間可能にする。例えば、処理部300は、記憶部380に記憶されている指紋情報と、S710で取得した指紋情報とを照合することにより、ユーザ80の指紋認証を行う。具体的には、処理部300は、S710で取得した指紋情報が、記憶部380に記憶されている指紋情報に適合する場合に、記憶装置30の利用者としてユーザ80を認証する。一方、S710で取得した指紋情報が、記憶部380に記憶されている指紋情報に適合しない場合に、記憶装置30の利用者としてユーザ80を認証せず、記憶装置30を用いる購入処理を有効化しない。
図7においては、記憶装置30を用いる購入処理が有効化されたものとする。
【0062】
ユーザ80が商品64をカゴ63に入れて出口ゲート装置62を通過する際、店舗サーバ60は、RFタグ装置66から送信された商品64の識別情報を、出口ゲート装置62を通じて受信する。S732において、記憶装置30の処理部300は、近距離無線通信により、アンテナ部310を通じて記憶装置30の識別情報を送信する。記憶装置30の識別情報は、出口ゲート装置62により受信され、出口ゲート装置62から店舗サーバ60に出力される。
【0063】
S740において、店舗サーバ60は、取引情報を生成する。取引情報は、商品64の購入金額である取引額、店舗ID、伝票番号、及び、取引日時を含む。店舗IDは、店舗68を識別する情報の一例である。伝票番号は、店舗68においてユーザ80との間の商品64の購入取引を識別する情報の一例である。取引日時は、ユーザ80と店舗68との間で商品64の購入取引が行われた日時を示す。
【0064】
S750において、店舗サーバ60は、決済サーバ50に仮払い要求を送信する。仮払い要求は、記憶装置30の識別情報と、取引情報とを少なくとも含む。
【0065】
S760において、決済サーバ50は、第1支払い処理を行う。第1支払い処理は、決済サーバ50が仮払い要求を記憶部580に記憶する処理と、決済サーバ50を運営する決済機関が、仮払い要求に基づいて店舗サーバ60への取引額の支払い手続を行う処理とを含む。
【0066】
S750及びS760による仮払いが正常に終了すると、店舗サーバ60は、取引情報を出口ゲート装置62に出力して、近距離無線通信により、取引情報を出口ゲート装置62から記憶装置30へ送信させる。S780において、記憶装置30の記憶部380は、近距離無線通信によって出口ゲート装置62から受信した取引情報を記憶する。
【0067】
図8は、仮払い方式による、ユーザ宅82での支払いに係る処理の実行手順を示す。
【0068】
S810において、記憶装置30及びユーザ端末40は、近距離無線通信により、互いの識別情報を交換する。S820において、記憶装置30の処理部300は、ユーザ端末40を認証する。具体的には、処理部300は、ユーザ端末40から受信したユーザ端末40の識別情報が、記憶部380に記憶されている場合に、取引情報の送信先として、ユーザ端末40を認証する。S822において、ユーザ端末40の処理部400は、記憶装置30を認証する。具体的には、処理部400は、記憶装置30から受信した記憶装置30の識別情報が、記憶部480に記憶されている場合に、取引情報の受信元として、記憶装置30を認証する。
図8では、記憶装置30及びユーザ端末40は相互に認証されたものとする。
【0069】
S830において、記憶装置30の処理部300は、近距離無線通信により、記憶部380に記憶されている取引情報をユーザ端末40に送信する。
【0070】
S840において、ユーザ端末40の処理部400は、支払い手段を選択する。例えば、処理部400は、ユーザ端末40が備える表示部に、複数の支払い手段の選択肢を表示させる。S840において、処理部400がユーザ80に提示する選択肢は、ユーザ端末40に登録されたクレジットカード、銀行口座、電子マネー、及びポイント等による支払い手段のいずれか1つを少なくとも含んでよい。
【0071】
処理部400は、ユーザ80から受け付けた支払い手段の選択指示に基づいて、支払い手段を選択する。ユーザ80が選択する支払い手段は、1つの支払い手段であってよく、複数の支払い手段であってよい。ユーザ80から複数の支払い手段の選択指示を受け付ける場合、選択指示は、複数の支払い手段のそれぞれによる支払い額を示す情報を含んでよい。
【0072】
S850において、ユーザ端末40の処理部400は、決済サーバ50に決済指示を送信する。決済指示には、記憶装置30の識別情報と、取引情報とが含まれる。
【0073】
S860において、決済サーバ50の処理部500は、第2支払い処理を行う。第2支払い処理は、ユーザ80から決済機関への取引情報に基づく支払い処理である。支払い機関は、S840で選択された支払い手段に基づいて選択される。
【0074】
S890において、S850の決済指示が正常終了すると、ユーザ端末40の処理部400は、近距離無線通信により、S830で受信した取引情報に係る決済終了通知を、記憶装置30に送信する。記憶装置30の処理部300は、決済終了通知を受信すると、S892において、記憶部380に記憶されている取引情報を無効化する。
【0075】
図9は、支払い保証方式による、店舗68での商品64の購入に係る処理の実行手順を示す。
図9におけるS910からS940までの処理は、
図7のS710からS740までの処理と同じであるので、説明を省略する。
【0076】
S950において、店舗サーバ60は、決済サーバ50に取引通知を送信する。取引通知は、記憶装置30の識別情報と、取引情報とを少なくとも含む。
【0077】
S960において、決済サーバ50の処理部500は、店舗サーバ60から受信した記憶装置30の識別情報及び取引情報と、支払い期限日とを、記憶部580に記憶する。支払い期限日は、例えば処理部500が設定してよい。支払い期限日は、店舗サーバ60によって設定され、取引通知に含めて店舗サーバ60から決済サーバ50に送信されてよい。
【0078】
S950及びS960による取引通知の処理が正常に終了すると、S970において、店舗サーバ60は、取引情報を記憶装置30へ送信する。S980において、記憶装置30の記憶部380は、受信した取引情報を記憶する。S970及びS980の処理は、
図7のS770及びS780の処理と同じである。
【0079】
図10は、支払い保証方式による、ユーザ宅82での支払いに係る処理の実行手順を示す。
図10におけるS1010からS1040までの処理は、
図8のS810からS840までの処理と同じであるので、説明を省略する。
【0080】
S1050において、ユーザ端末40の処理部400は、店舗サーバ60に決済指示を送信する。決済指示は、取引情報に含まれる店舗ID及び伝票番号と、S1040で選択された決済手段を示す情報を少なくとも含んでよい。
【0081】
S1060において、店舗サーバ60は、ユーザ80から店舗68への支払い処理を行う。店舗サーバ60は、ユーザ端末40から受信した決済指示に含まれる決済手段を示す情報に基づいて、決済手段に対応する支払い機関に対して決済を要求してよい。
【0082】
S1050及びS1060の決済指示が正常終了すると、S1070において、ユーザ端末40の処理部400は、決済が完了した旨の決済通知を、決済サーバ50に送信する。決済通知は、記憶装置30の識別情報と、取引情報とを含んでよい。S1080において、決済サーバ50は、決済通知に基づき、完了した決済を記憶する。
【0083】
S1090において、S1070の処理が正常終了すると、ユーザ端末40の処理部400は、S1030で受信した取引情報に係る決済終了通知を、記憶装置30に送信する。S1092において、記憶装置30の処理部300は、記憶部380に記憶されている取引情報を無効化する。S1090及びS1092の処理は、S8090及びS8092の処理と同一である。
【0084】
図10では、
図9のS960で記憶された支払い期限日までにユーザ80がユーザ端末40を通じて決済を指示した場合を説明した。一方、支払い期限日までにユーザ80がユーザ端末40を通じて決済を指示しなかった場合、決済サーバ50の処理部500は、支払い期限日までにユーザ端末40から決済通知を受信しなかったことに応じて、ユーザ80からの未払い分を支払う処理を行う。例えば、処理部500は、記憶部580に記憶している取引情報に基づいて、決済サーバ50を運営する決済機関から店舗68への取引額の支払い処理を行う。店舗68への支払いが完了すると、処理部500は、記憶装置30の識別情報及び取引情報を店舗サーバ60に送信する。処理部500は、未払い分の支払い処理を取引情報が示す取引毎に行ってよく、複数の取引情報に係る未払い分の支払い処理を予め定められた期日毎に纏めて行ってよい。
【0085】
決済サーバ50の処理部500は、
図9のS960で記憶部580に記憶された情報を、支払い指示としてユーザ端末40に送信してよい。ユーザ端末40の処理部400は、決済サーバ50から支払い指示を受信した場合、受信した支払い指示に基づく通知を表示してよい。
【0086】
図7及び
図8等に関連して説明した仮払い方式と、
図9及び
図10等に関連して説明した支払い保証方式とのいずれの方式で支払うかは、ユーザ80が選択可能であってよい。例えば、いずれの方式で支払うかを示す情報は、記憶装置30の記憶部380に記憶され、ユーザ80が出口ゲート装置62を通過する場合に、記憶装置30から出口ゲート装置62を通じて店舗サーバ60に送信されてよい。
【0087】
一実施形態において、ユーザ端末40の処理部400は、決済機関から店舗68への支払い状況を確認し、当該支払い状況に応じて、ユーザ80が決済機関に支払うか店舗68に支払うかを判断してよい。例えば、処理部400は、記憶装置30から識別情報及び取引情報を受信した場合に、決済機関から店舗68への支払い状況を問い合わせる問い合わせ情報を、決済サーバ50に送信してよい。当該問い合わせ情報は、記憶装置30から受信した識別情報及び取引情報を含んでよい。
【0088】
処理部500は、問い合わせ情報に含まれる取引情報及び識別情報と、商品購入取引の際に店舗サーバ60から受信していた取引通知と、店舗68への支払い処理の履歴とに基づいて、決済機関から店舗68への支払い処理が既に行われたか否かを判定する。処理部500は、決済機関から店舗68への支払い処理が既に行われていた場合に、決済機関から店舗68への支払い処理が完了している旨の完了通知を、問い合わせ情報に対する応答情報としてユーザ端末40に送信し、決済機関から店舗68への支払い処理が行われていない場合に、決済機関から店舗68への支払い処理が完了していない旨の未完了通知を、問い合わせ情報に対する応答情報としてユーザ端末40に送信する。
【0089】
ユーザ端末40の処理部400は、決済サーバ50から完了通知を受信した場合に、ユーザ80の口座から決済機関への支払い処理を行うよう、決済指示を決済サーバ50に送信する。当該決済指示は、記憶装置30の識別情報と、取引情報とを含んでよい。一方、処理部400は、決済サーバ50から未完了通知を受信した場合に、ユーザ80から店舗68への支払いをするための決済指示を、店舗サーバ60に送信する。当該決済指示は、取引情報に含まれる店舗ID及び伝票番号と、決済手段を示す情報とを少なくとも含んでよい。これにより、処理部400は、決済機関から店舗68への支払い処理が既に行われているか否かに応じて、決済機関への支払いを行うか、店舗68への支払いを行うかを判断することができる。
【0090】
上述した決済システム10によれば、ユーザ80は、記憶装置30を身につけて店舗68の出口ゲート装置62を通過するだけで、商品64の買い物を完了することができる。そのため、ユーザ80は、手間を掛けることなく、買い物を完了することができる。更に、決済システム10によれば、ユーザ端末40と記憶装置30とを近接させてから支払いの手続が完了されるので、記憶装置30が第三者によって不正利用されるリスクを軽減することができる。
【0091】
加えて、記憶装置30は、購入する商品に関する支払いに対する一つの信用手段として利用可能である。更に、記憶装置30を災害時における商品の購入手段として利用し、災害の復旧後にユーザ端末40を用いて実際の決済を行う形態にも適用可能である。また、決済機関は、消費動向や支払い手段の利用動向を把握する手段に利用可能である。また、本実施形態は、ユーザ端末40を用いて、商品の購入後にユーザ80からの最終的な支払いを行うことができるので、服の仕立て、発送に一定の期間を要する商品に対する仮払い、競り、又は入札等、最終的な支払い金額が変わり得る取引にも対応可能である。また、商品の返品を条件として最終的な支払い額を変更することができるので、所望の商品以外の商品を購入した場合等に容易に対応可能である。
【0092】
一実施形態において、ユーザ80は、ユーザ端末40の所有者とは異なるユーザで有り得る。ユーザ端末40を使用することができるユーザの指紋を記憶装置30に登録することによって、ユーザ端末40の所有者とは異なるユーザに買い物を代行することができる。この形態では、処理部300は、S720又はS920において記憶装置30を用いた購入処理を有効化したユーザの識別情報を、取引情報とともに記憶部380に記憶してよい。これにより、ユーザ端末40の所有者は、記憶装置30を用いて購入処理を行ったユーザを把握することができる。
【0093】
以上において、決済システム10の一例を説明した。続いて、決済システム10に適用可能な変形例を説明する。
【0094】
一変形例において、ユーザ端末40の処理部400は、近接する記憶装置30を検知した場合に、記憶装置30と識別情報の交換を自動的に開始するとともに、ユーザ80による決済まで自動的に行ってよい。他の変形例において、ユーザ端末40の処理部400は、予め定められた期間(例えば、3日間、一週間等)毎に、取引情報を纏めて、ユーザ80による決済を行ってよい。更に他の変形例において、ユーザ端末40の処理部400は、取引額の合計が予め定められた金額(例えば、3万円等)を超える毎に、取引情報を纏めて、ユーザ80による決済を行ってよい。
【0095】
一変形例において、ユーザ80が購入可能な商品を事前に指定できる。例えば、ユーザ80が購入可能な商品の識別情報(例えば、JANコード)をユーザ端末40で指定すると、ユーザ端末40の処理部400は、購入可能な商品の識別情報を、近距離無線により記憶装置30に記憶させる。ユーザ80が出口ゲート装置62を通過する際、店舗サーバ60は、出口ゲート装置62を通じて、近距離無線通信により、商品64の識別情報を記憶装置30に送信する。記憶装置30の処理部300は、店舗サーバ60から受信した商品64の識別情報の中に、記憶部380に記憶された購入可能な商品の識別情報以外の識別情報が含まれる場合、店舗サーバ60に購入しない旨を送信してよい。他の手法として、店舗サーバ60から受信した商品64の識別情報の中に購入可能な商品の識別情報以外の識別情報が含まれる場合、処理部300は、記憶装置30の識別情報を送信しないことによって、購入可能な商品以外の商品をユーザ80が購入できないようにしてよい。
【0096】
購入可能な商品を事前に指定できる変形例においては、決済がユーザ端末40を通じて予め行われていてよい。この変形例において、記憶装置30の記憶部380には、決済が完了していることを示す情報が記憶されており、記憶装置30の処理部300は、決済が完了していることを条件として、記憶装置30の識別情報を出口ゲート装置62に送信してよい。この変形例によれば、買い物の代行者が、購入するべき予め指定された商品を店舗68で受け取る形態に適する。
【0097】
購入可能な商品を事前に指定できる変形例において、ユーザ80が商品を購入することができる店舗68を事前に指定可能であってよい。この変形例において、購入することができる店舗68の識別情報は、記憶装置30の記憶部380に記憶されてよい。この変形例において、購入可能な商品の識別情報は、ユーザ端末40を通じて店舗サーバ60に事前に送信され、購入可能な商品は、店舗68において予め定められた期間、在庫として確保されてよい。
【0098】
一変形例において、ユーザ80に代えて、人物以外の代行者に買い物を代行させる形態を採用してよい。買い物の代行者としては、ロボット、ドローン、自動運転車両等の移動体、又は、予め訓練された犬等の動物等を例示することができる。この変形例においては、買い物の代行者に記憶装置30を所持させる。この変形例においては、ユーザ端末40の所有者が、記憶装置30を用いる購入処理を有効化してよい。この変形例においては、記憶装置30を用いた購入処理が有効化される期間は、人物以外が買い物を代行するのに必要な予め定められた期間であってよい。この変形例において、記憶装置30は振動及び/又は温度を検知するセンサを備え、処理部300は、センサで検知した情報に基づいて、代行者が移動体であるか、動物であるか、人物である否かを検知してよい。この変形例において、ユーザ端末40の所有者は、ユーザ端末40を通じて、購入する商品を店舗サーバ60に予め登録してよい。購入する商品の識別情報(例えば、JANコード)は、記憶装置30の記憶部380に記憶されてよい。店舗68において、予め登録された商品をカゴ63に入れて記憶装置30とともに出口ゲート装置62を通過させることで購入処理を行い、代行者に商品を引き渡してよい。
【0099】
一変形例において、記憶装置30を用いて購入可能な金額の上限額を設定可能であってよい。上限額は、ユーザ端末40により設定され、近距離無線通信により、ユーザ端末40から記憶装置30に送信され、記憶装置30の記憶部380に記憶されてよい。この変形例において、ユーザ80が出口ゲート装置62を通過する際に、記憶装置30の処理部300は、店舗サーバ60から受信した取引情報に含まれる取引額が、記憶部380に記憶された上限額を超える場合、店舗サーバ60に購入しない旨を送信してよい。他の手法として、取引額が、記憶部380に記憶された上限額を超える場合、処理部300は、記憶装置30の識別情報を送信しないことによって、上限額を超える商品をユーザ80が購入できないようにしてよい。この変形例によれば、買い物の上限額を超える商品を買うことができないようにすることができる。そのため、この変形例は、ユーザ端末40の所有者の子供やロボット又は動物等に買い物を代行者させる場合等に適している。買い物の代行者は、設定された上限額の範囲内で他の商品を購入することもできるため、例えば代行者が子供である場合、上限額の範囲内で子供が好きな商品を購入する等、上限額の範囲内で余った金額を子供に自由に処分させることができる。なお、購入可能な金額の上限額を設定可能な変形例においては、店舗68において所望の商品の在庫がない場合を考慮して、代替品を購入することが可能となるように、購入額が上限額を超えることが可能な許容幅が記憶装置30の記憶部380に記憶され、購入額が上限額と許容幅の合計値を超えないことを条件として、商品を購入可能としてよい。
【0100】
一変形例において、記憶装置30は、事前に上限額の支払いが行われていることを条件として、記憶装置30を使用した商品の購入額が上限額に到達するまでの間、記憶装置30を用いる商品購入が可能としてよい。記憶装置30の記憶部380には、支払いが行われていることを示す情報が記憶されてよい。この変形例によれば、記憶装置30に予めチャージした形態で使用することができる。したがって、記憶装置30を他者にプレゼントする形態で利用することができる。
【0101】
一辺変形例において、記憶装置30は振動及び/又は温度を検知するセンサを備え、センサで検知した情報が予め定められた条件に適合しない場合に、記憶装置30を用いる購入処理を無効化してよい。例えば、記憶装置30の処理部300は、センサで検知された振動強度が予め定められた振動閾値以下となる期間が予め定められた時間以上継続した場合、記憶装置30を用いる購入処理を無効化してよい。処理部300は、センサで検知された温度が予め定められた閾値以下となる期間が予め定められた時間以上継続した場合、記憶装置30を用いる購入処理を無効化してよい。温度閾値は、人の標準的な体温に基づいて定められてよい。この変形例によれば、ユーザ80が記憶装置30を落としてしまった場合等に、記憶装置30が第三者によって不正利用される可能性を低減することができる。
【0102】
一変形例において、記憶装置30は、記憶装置30の位置情報を検知する位置センサを備え、位置センサで検知した位置情報が予め定められた条件に適合しない場合に、記憶装置30を用いる購入処理を無効化してよい。例えば、記憶装置30は、記憶装置30の処理部300は、位置センサで検知された位置情報が予め定められたエリア外である場合に、記憶装置30を用いる購入処理を無効化してよい。また、記憶装置30の処理部300は、位置センサで検知された位置情報の変化量が予め定められた閾値以下となる期間が予め定められた時間以上継続した場合に、記憶装置30を用いる購入処理を無効化してよい。この変形例によれば、ユーザ80が記憶装置30を落としてしまった場合等に、記憶装置30が第三者によって不正利用される可能性を低減することができる。なお、記憶装置30の処理部300は、位置センサで検知された位置情報の変化量が予め定められた閾値以下となる期間が予め定められた時間以上継続した場合、記憶装置30は、記憶装置30の位置情報を含む警告情報を送信してよい。例えば、記憶装置30は、記憶装置30の近傍の位置する他者の端末(例えば、スマートフォン)を通じて、位置情報をユーザ端末40に送信してよい。記憶装置30は、自ら通信ネットワーク90に接続して、位置情報をユーザ端末40に送信してもよい。なお、位置センサは、GPS情報を受信するセンサであってよい。位置センサは、記憶装置30の近傍に位置する他者の端末(例えば、スマートフォン)から取得した位置情報に基づいて記憶装置30の位置情報を検知してもよい。
【0103】
一変形例において、記憶装置30は、予め定められた期間内に記憶装置30を用いる購入が予め定められた回数に到達した場合に、記憶装置30を用いる購入処理を無効化してよい。この場合、記憶装置30の処理部300は、自ら通信ネットワーク90に接続して、又は、近傍に位置する他者の端末(例えば、スマートフォン)を通じて、ユーザ端末40に通知してよい。この変形例によれば、記憶装置30が第三者によって不正利用されることによる被害を軽減することができる。
【0104】
一変形例において、記憶装置30は、指紋認証において指紋を認証できなかった場合に、指紋取得部320が取得した指紋情報を記憶部380に記憶するとともに、記憶装置30を用いる購入処理を可能にしてよい。この場合、出口ゲート装置62を通過する場合、又は、出口ゲート装置62を通過してから予め定められた時間が経過する前に、店舗サーバ60等の外部に警告情報を送信してよい。この変形例によれば、記憶装置30の記憶部380に使用者の指紋を記憶した上で外部に警告情報を送信されることで、第三者が記憶装置30を不正使用しようとすることを牽制することになる。
【0105】
一変形例において、ユーザ80による決済時に支払い手段として銀行口座、電子マネー残高、又はポイントが指定された場合において、指定された支払い手段の残高が購入額より低い場合、予め定められた信用決済(例えば、クレジットカード決済)を併用して、不足額を補充してよい。他にも、貸し付け等の予め定められた手段により、不足額を補充としてよい。
【0106】
一変形例において、記憶装置30とペアリングされるユーザ端末として複数のユーザ端末が設定される形態を採用してよい。この変形例において、記憶装置30とペアリングされた複数のユーザ端末が記憶装置30から取引情報を受信済みであることを条件として、ユーザからの支払いを許可するとしてよい。この変形例において、記憶装置30の処理部300は、記憶装置30が複数のユーザ端末の近傍に同時に存在する場合に、取引情報を送信してよい。この変形例によれば、複数のユーザ端末が記憶装置30から取引情報を受信済みであることを条件としてユーザからの支払いが許容されるので、第三者に不正使用される可能性を低減することができる。また、複数のユーザ端末で取引情報を共有できるので、家族で取引情報を共有することが容易になる。
【0107】
一変形例として、取引情報を記憶装置30に記憶しない形態を採用してもよい。この変形例において、店舗サーバ60及び決済サーバ50の記憶部580は、記憶装置30の識別情報を取引情報に対応付けて記憶してよい。この変形例において、ユーザ端末40は、ユーザからの最終的な支払いを行う場合に、記憶装置30から読み取った識別情報を、決済サーバ50又は店舗サーバ60に送信してよい。この変形例において、店舗サーバ60及び決済サーバ50は、記憶装置30の識別情報に対応づけて取引情報を記憶しているので、ユーザ端末40から受信した記憶装置30の識別情報に対応づけられた取引情報に基づいて、店舗サーバ60又は決済サーバ50においてユーザからの支払い処理を行うことができる。
【0108】
図11は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ3000の一例を示す。例えば、記憶装置30の一部が、コンピュータ3000により実現される。例えば、処理部300の少なくとも一部が、コンピュータ3000により実現される。例えば、ユーザ端末40の一部が、コンピュータ3000により実現される。例えば、処理部400、指紋取得部420及び取得部430の少なくとも一部が、コンピュータ3000により実現される。例えば、決済サーバ50の一部が、コンピュータ3000により実現される。例えば、処理部500及び取得部530の少なくとも一部が、コンピュータ3000により実現される。
【0109】
コンピュータ3000にインストールされたプログラムは、コンピュータ3000に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該装置の1又は複数の「部」として機能させ、又は当該オペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ3000に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ3000に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU3012によって実行されてよい。
【0110】
本実施形態によるコンピュータ3000は、CPU3012、RAM3014、GPU3016、及びディスプレイデバイス3018を含み、それらはホストコントローラ3010によって相互に接続されている。コンピュータ3000はまた、通信インタフェース3022、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROMドライブ3026、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ3020を介してホストコントローラ3010に接続されている。コンピュータはまた、ROM3030及びキーボード3042のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ3040を介して入出力コントローラ3020に接続されている。
【0111】
CPU3012は、ROM3030及びRAM3014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。GPU3016は、RAM3014内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU3012によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス3018上に表示されるようにする。
【0112】
通信インタフェース3022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ3024は、コンピュータ3000内のCPU3012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ3026は、プログラム又はデータをDVD-ROM3001から読み取り、ハードディスクドライブ3024にRAM3014を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0113】
ROM3030はその中に、アクティブ化時にコンピュータ3000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ3000のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ3040はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ3020に接続してよい。
【0114】
プログラムが、DVD-ROM3001又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるハードディスクドライブ3024、RAM3014、又はROM3030にインストールされ、CPU3012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ3000に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ3000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0115】
例えば、通信がコンピュータ3000及び外部デバイス間で実行される場合、CPU3012は、RAM3014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース3022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース3022は、CPU3012の制御の下、RAM3014、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROM3001、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0116】
また、CPU3012は、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROMドライブ3026(DVD-ROM3001)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM3014に読み取られるようにし、RAM3014上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU3012は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0117】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU3012は、RAM3014から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM3014に対しライトバックする。また、CPU3012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU3012は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0118】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ3000上又はコンピュータ3000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それにより、上記のプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ3000に提供する。
【0119】
上記実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0120】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0121】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0122】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0123】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0124】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0125】
10 決済システム
30 記憶装置
40 ユーザ端末
50 決済サーバ
60 店舗サーバ
62 出口ゲート装置
63 カゴ
64 商品
66 RFタグ装置
68 店舗
80 ユーザ
82 ユーザ宅
90 通信ネットワーク
300 処理部
310 アンテナ部
320 指紋取得部
380 記憶部
390 給電部
400 処理部
410 アンテナ部
420 指紋取得部
430 取得部
480 記憶部
500 処理部
501 第1処理部
502 第2処理部
530 取得部
580 記憶部
3000 コンピュータ
3001 DVD-ROM
3010 ホストコントローラ
3012 CPU
3014 RAM
3016 GPU
3018 ディスプレイデバイス
3020 入出力コントローラ
3022 通信インタフェース
3024 ハードディスクドライブ
3026 DVD-ROMドライブ
3030 ROM
3040 入出力チップ
3042 キーボード