IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電装株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-コネクタ、及びコネクタアセンブリ 図1
  • 特開-コネクタ、及びコネクタアセンブリ 図2
  • 特開-コネクタ、及びコネクタアセンブリ 図3
  • 特開-コネクタ、及びコネクタアセンブリ 図4
  • 特開-コネクタ、及びコネクタアセンブリ 図5
  • 特開-コネクタ、及びコネクタアセンブリ 図6
  • 特開-コネクタ、及びコネクタアセンブリ 図7
  • 特開-コネクタ、及びコネクタアセンブリ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043918
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】コネクタ、及びコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/74 20060101AFI20240326BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20240326BHJP
   H01R 13/73 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01R13/74 C
H01R13/52 301H
H01R13/52 301A
H01R13/73 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149160
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】筒居 良平
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE11
5E087EE17
5E087HH04
5E087LL04
5E087LL12
5E087QQ04
5E087RR06
5E087RR12
(57)【要約】
【課題】固定部材に対する回転を好適に抑制可能としたコネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタ21は、第1軸線Xに沿って貫通する固定孔42を有するランプボディ41に対して固定されるコネクタハウジング22を備える。コネクタハウジング22は、固定孔42を貫通可能な本体部24と、本体部24から第1軸線Xと交差する方向の外側に延びるフランジ部25と、フランジ部25に設けられランプボディ41に対して第1軸線Xに沿って突き当て可能な着座面26と、着座面26から第1軸線Xに沿って延びてランプボディ41に対して係止可能な弾性係止片27と、弾性係止片27に隣接して設けられて弾性係止片27を保護する保護壁29とを備える。保護壁29は、第1軸線Xと交差する方向に突出してコネクタハウジング22のランプボディ41に対する第1軸線Xを中心とした回転を防止する回転防止リブ30を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸線に沿って貫通する固定孔を有する固定部材に対して固定されるコネクタハウジングを備えたコネクタであって、
前記コネクタハウジングは、
前記固定孔を貫通可能な本体部と、
前記本体部から前記第1軸線と交差する方向の外側に延びるフランジ部と、
前記フランジ部に設けられ、前記固定部材に対して前記第1軸線に沿って突き当て可能な着座面と、
前記着座面から前記第1軸線に沿って延びて前記固定部材に対して係止可能な弾性係止片と、
前記弾性係止片に隣接して設けられて前記弾性係止片を保護する保護壁と、
を備え、
前記保護壁は、前記第1軸線と交差する方向に突出して前記コネクタハウジングの前記固定部材に対する前記第1軸線を中心とした回転を防止する回転防止リブを有する、
コネクタ。
【請求項2】
前記保護壁は、前記弾性係止片を挟むように一対設けられている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記回転防止リブは、前記第1軸線に沿った方向において前記着座面に近い位置に設けられている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記回転防止リブは、前記着座面から遠い端部から前記着座面に近づくほど突出量が大きくなる傾斜面を有する、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記本体部は、前記第1軸線に沿った方向から見て、外形が長方形形状に形成され、
前記弾性係止片及び前記保護壁は、前記第1軸線に沿った方向から見て、前記本体部の長手方向における中心からずれた位置に設けられている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記フランジ部の周囲には、前記固定孔の内壁面と圧接可能なゴムリングが外嵌されている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
第1軸線に沿って貫通する固定孔を有する固定部材に対して固定されるコネクタハウジングを備えたコネクタと、
前記固定部材に固定された前記コネクタハウジングに対して嵌着される後付けコネクタハウジングを備えた後付けコネクタと、
を備えたコネクタアセンブリであって、
前記コネクタハウジングは、
前記固定孔を貫通可能な本体部と、
前記本体部から前記第1軸線と交差する方向の外側に延びるフランジ部と、
前記フランジ部に設けられ、前記固定部材に対して前記第1軸線に沿って突き当て可能な着座面と、
前記着座面から前記第1軸線に沿って延びて前記固定部材に対して係止可能な弾性係止片と、
前記弾性係止片に隣接して設けられて前記弾性係止片を保護する保護壁と、
を備え、
前記保護壁は、前記第1軸線と交差する方向に突出して前記コネクタハウジングの前記固定部材に対する前記第1軸線を中心とした回転を防止する回転防止リブを有し、
前記後付けコネクタハウジングは、
前記固定部材に係止された前記弾性係止片と前記本体部との間に挿入されることで前記弾性係止片の弾性変形を規制する変形規制部を備える、
コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ、及びコネクタアセンブリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタアセンブリとしては、コネクタアセンブリを構成する一方のコネクタが固定孔を有する固定部材に対して固定されるものがある(例えば、特許文献1参照)。このようなコネクタのコネクタハウジングは、固定孔を貫通する筒状の本体部と、固定部材に係止される弾性を有した係止部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-102872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、コネクタハウジングの周囲に固定孔の内壁面と圧接される止水用のゴムリングを配設した場合では、固定部材に対して固定孔の貫通方向に沿った軸中心にコネクタハウジングが回転してしまうと、ゴムリングの止水性が悪化してしまう。このような場合等では、コネクタの固定部材に対する回転を強固に抑制する必要がある。
【0005】
本開示の目的は、コネクタの固定部材に対する回転を好適に抑制可能としたコネクタ、及びコネクタアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタは、第1軸線に沿って貫通する固定孔を有する固定部材に対して固定されるコネクタハウジングを備えたコネクタであって、前記コネクタハウジングは、前記固定孔を貫通可能な本体部と、前記本体部から前記第1軸線と交差する方向の外側に延びるフランジ部と、前記フランジ部に設けられ、前記固定部材に対して前記第1軸線に沿って突き当て可能な着座面と、前記着座面から前記第1軸線に沿って延びて前記固定部材に対して係止可能な弾性係止片と、前記弾性係止片に隣接して設けられて前記弾性係止片を保護する保護壁と、を備え、前記保護壁は、前記第1軸線と交差する方向に突出して前記コネクタハウジングの前記固定部材に対する前記第1軸線を中心とした回転を防止する回転防止リブを有する。
【0007】
本開示のコネクタアセンブリは、第1軸線に沿って貫通する固定孔を有する固定部材に対して固定されるコネクタハウジングを備えたコネクタと、前記固定部材に固定された前記コネクタハウジングに対して嵌着される後付けコネクタハウジングを備えた後付けコネクタと、を備えたコネクタアセンブリであって、前記コネクタハウジングは、前記固定孔を貫通可能な本体部と、前記本体部から前記第1軸線と交差する方向の外側に延びるフランジ部と、前記フランジ部に設けられ、前記固定部材に対して前記第1軸線に沿って突き当て可能な着座面と、前記着座面から前記第1軸線に沿って延びて前記固定部材に対して係止可能な弾性係止片と、前記弾性係止片に隣接して設けられて前記弾性係止片を保護する保護壁と、を備え、前記保護壁は、前記第1軸線と交差する方向に突出して前記コネクタハウジングの前記固定部材に対する前記第1軸線を中心とした回転を防止する回転防止リブを有し、前記後付けコネクタハウジングは、前記固定部材に係止された前記弾性係止片と前記本体部との間に挿入されることで前記弾性係止片の弾性変形を規制する変形規制部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示のコネクタ、及びコネクタアセンブリによれば、コネクタの固定部材に対する回転を好適に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態におけるランプボディとコネクタアセンブリの斜視図である。
図2図2は、一実施形態におけるランプボディとコネクタの分解斜視図である。
図3図3は、一実施形態におけるランプボディとコネクタの正面図である。
図4図4は、図3の4-4線に沿った断面図である。
図5図5は、一実施形態におけるコネクタの斜視図である。
図6図6は、一実施形態におけるコネクタの一部拡大平面図である。
図7図7は、一実施形態におけるコネクタの一部拡大斜視図である。
図8図8は、図3の8-8線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
[1]第1軸線に沿って貫通する固定孔を有する固定部材に対して固定されるコネクタハウジングを備えたコネクタであって、前記コネクタハウジングは、前記固定孔を貫通可能な本体部と、前記本体部から前記第1軸線と交差する方向の外側に延びるフランジ部と、前記フランジ部に設けられ、前記固定部材に対して前記第1軸線に沿って突き当て可能な着座面と、前記着座面から前記第1軸線に沿って延びて前記固定部材に対して係止可能な弾性係止片と、前記弾性係止片に隣接して設けられて前記弾性係止片を保護する保護壁と、を備え、前記保護壁は、前記第1軸線と交差する方向に突出して前記コネクタハウジングの前記固定部材に対する前記第1軸線を中心とした回転を防止する回転防止リブを有する。
【0011】
同構成によれば、コネクタハウジングは、弾性係止片に隣接して設けられて弾性係止片を保護する保護壁を備えるため、例えば、コネクタハウジングを固定部材に固定する前の状態で、弾性係止片に意図しない大きな力が掛かることが抑制される。よって、例えば、弾性係止片の破損が抑制される。また、保護壁は、第1軸線と交差する方向に突出してコネクタハウジングの固定部材に対する第1軸線を中心とした回転を防止する回転防止リブを有するため、コネクタの固定部材に対する第1軸線を中心とした回転が防止される。回転防止リブは、保護壁に設けられるため、例えば、回転防止リブを保護壁と異なる部位に別途設けた場合に比べて、コネクタハウジングの構造の簡素化を図ることができる。言い換えると、回転防止リブを有する保護壁は、コネクタハウジングを固定部材に固定する前の状態で弾性係止片を保護する機能を果たし、コネクタハウジングが固定部材に固定された状態でコネクタの回転を防止する機能を果たすことになる。
【0012】
[2]上記[1]において、前記保護壁は、前記弾性係止片を挟むように一対設けられていてもよい。
同構成によれば、保護壁は、弾性係止片を挟むように一対設けられているため、弾性係止片に意図しない大きな力が掛かることがより抑制される。よって、例えば、弾性係止片の破損がより抑制される。
【0013】
[3]上記[1]または上記[2]において、前記回転防止リブは、前記第1軸線に沿った方向において前記着座面に近い位置に設けられていてもよい。
同構成によれば、回転防止リブは、第1軸線に沿った方向において着座面に近い位置に設けられているため、本体部を固定孔に挿入していく初期段階で回転防止リブが固定部材と必要以上に摺接してしまうことを抑制できる。よって、例えば、本体部を固定孔に挿入していく組み付け性が良好となる。また、例えば、回転防止リブの摩耗を抑えることができる。よって、着座面を固定部材に突き当てた最終段階で、回転防止リブを固定部材に良好に当接させることができ、コネクタハウジングの固定部材に対する第1軸線を中心とした回転を良好に防止することができる。
【0014】
[4]上記[1]から上記[3]のいずれか1つにおいて、前記回転防止リブは、前記着座面から遠い端部から前記着座面に近づくほど突出量が大きくなる傾斜面を有していてもよい。
【0015】
同構成によれば、回転防止リブは、着座面から遠い端部から着座面に近づくほど突出量が大きくなる傾斜面を有するため、本体部を固定孔に挿入していく組み付け性が円滑となる。
【0016】
[5]上記[1]から上記[4]のいずれか1つにおいて、前記本体部は、前記第1軸線に沿った方向から見て、外形が長方形形状に形成され、前記弾性係止片及び前記保護壁は、前記第1軸線に沿った方向から見て、前記本体部の長手方向における中心からずれた位置に設けられていてもよい。
【0017】
同構成によれば、弾性係止片及び保護壁は、第1軸線に沿った方向から見て、本体部の長手方向における中心からずれた位置に設けられているため、コネクタの固定部材に対する第1軸線を中心とした回転がより防止される。すなわち、例えば、本体部の長手方向における中心位置でがたつきを小さく抑制しても本体部の長手方向における中心からずれた位置でのがたつきは大きくなる。これに対して、弾性係止片及び保護壁は、本体部の長手方向における中心からずれた位置に設けられることで、本体部の長手方向における中心からずれた位置でのがたつきを小さく抑制できるため、コネクタの回転がより防止される。
【0018】
[6]上記[1]から上記[5]のいずれか1つにおいて、前記フランジ部の周囲には、前記固定孔の内壁面と圧接可能なゴムリングが外嵌されていてもよい。
同構成によれば、フランジ部の周囲には、固定孔の内壁面と圧接可能なゴムリングが外嵌されているため、当該部位が止水される。そして、このようなコネクタでは、第1軸線を中心にコネクタが回転してしまうと、固定孔の内壁面と圧接する力が部分的に弱まることでゴムリングの止水性が悪化してしまう虞があるが、これを回避できるので、止水性を良好に維持できる。
【0019】
本開示のコネクタアセンブリは、
[7]第1軸線に沿って貫通する固定孔を有する固定部材に対して固定されるコネクタハウジングを備えたコネクタと、前記固定部材に固定された前記コネクタハウジングに対して嵌着される後付けコネクタハウジングを備えた後付けコネクタと、を備えたコネクタアセンブリであって、前記コネクタハウジングは、前記固定孔を貫通可能な本体部と、前記本体部から前記第1軸線と交差する方向の外側に延びるフランジ部と、前記フランジ部に設けられ、前記固定部材に対して前記第1軸線に沿って突き当て可能な着座面と、前記着座面から前記第1軸線に沿って延びて前記固定部材に対して係止可能な弾性係止片と、前記弾性係止片に隣接して設けられて前記弾性係止片を保護する保護壁と、を備え、前記保護壁は、前記第1軸線と交差する方向に突出して前記コネクタハウジングの前記固定部材に対する前記第1軸線を中心とした回転を防止する回転防止リブを有し、前記後付けコネクタハウジングは、前記固定部材に係止された前記弾性係止片と前記本体部との間に挿入されることで前記弾性係止片の弾性変形を規制する変形規制部を備える。
【0020】
同構成によれば、コネクタハウジングは、弾性係止片に隣接して設けられて弾性係止片を保護する保護壁を備えるため、例えば、コネクタハウジングを固定部材に固定する前の状態で、弾性係止片に意図しない大きな力が掛かることが抑制される。よって、例えば、弾性係止片の破損が抑制される。また、保護壁は、第1軸線と交差する方向に突出してコネクタハウジングの固定部材に対する第1軸線を中心とした回転を防止する回転防止リブを有するため、コネクタの固定部材に対する第1軸線を中心とした回転が防止される。回転防止リブは、保護壁に設けられるため、例えば、回転防止リブを保護壁と異なる部位に別途設けた場合に比べて、コネクタハウジングの構造の簡素化を図ることができる。言い換えると、回転防止リブを有する保護壁は、コネクタハウジングを固定部材に固定する前の状態で弾性係止片を保護する機能を果たし、コネクタハウジングが固定部材に固定された状態でコネクタの回転を防止する機能を果たすことになる。また、後付けコネクタハウジングは、固定部材に係止された弾性係止片と本体部との間に挿入されることで弾性係止片の弾性変形を規制する変形規制部を備えるため、弾性係止片が固定部材に係止されている状態が解除されてしまうことが抑制される。よって、コネクタが固定部材から外れてしまうことが抑制される。
【0021】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタアセンブリの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「平行」や「直交」や「真円」は、厳密に平行や直交や真円の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行や直交や真円の場合も含まれる。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0022】
(コネクタアセンブリ11の構成)
図1に示すように、コネクタアセンブリ11は、コネクタ21と、コネクタ21に接続される後付けコネクタ31とを備える。コネクタアセンブリ11は、例えば、車両に設けられる図示しないランプと電線とを接続するためのものである。本実施形態のコネクタ21は、ランプが接続されるとともに固定部材としてのランプボディ41に固定されるものである。また、後付けコネクタ31は、電線に接続されるとともにランプボディ41に固定されたコネクタ21に対して嵌着されるものである。なお、図中には、第1軸線Xと、第1軸線Xと直交する第2軸線Yと、第1軸線Xと第2軸線Yとに直交する第3軸線Zとを図示している。本実施形態では、第1軸線Xに沿った方向を貫通方向または奥行き方向と言い、第2軸線Yに沿った方向を幅方向と言い、第3軸線Zに沿った方向を高さ方向と言う場合がある。
【0023】
(ランプボディ41の構成)
図1から図4に示すように、ランプボディ41は、第1軸線Xに沿って貫通する固定孔42を有する。図3に示すように、固定孔42は、第1軸線Xに沿った方向から見て、長方形形状に形成されている。なお、本実施形態では、第1軸線Xに沿った方向から見て、固定孔42の長手方向は、第2軸線Yに沿った方向であって、幅方向であり、固定孔42の短手方向は、第3軸線Zに沿った方向であって、高さ方向である。固定孔42は、その内壁面43の一部に係止部44及び位置決め溝45等を有する。
【0024】
(コネクタ21の構成)
図3に示すように、コネクタ21は、コネクタハウジング22と、コネクタハウジング22に保持された複数の端子23とを有する。コネクタハウジング22は、樹脂材よりなる。
【0025】
図2及び図5に示すように、コネクタハウジング22は、本体部24と、フランジ部25と、着座面26と、弾性係止片27と、位置決め凸部28と、保護壁29とを備える。本体部24は、固定孔42を貫通可能とされ、固定孔42を貫通した状態でランプボディ41に対して固定される。図3に示すように、本体部24は、第1軸線Xに沿った方向から見て、外形が長方形形状に形成されている。本体部24は、長方形筒状に形成され、内部に複数の端子23を保持している。なお、本実施形態の複数の端子23は、第1軸線Xに沿った方向から見て、本体部24の長手方向に沿って並設されている。
【0026】
フランジ部25は、本体部24の外周から第1軸線Xと交差する方向の外側に延びている。フランジ部25の周囲には、固定孔42の内壁面43と圧接可能なゴムリング51が外嵌されている。
【0027】
図4及び図8に示すように、ゴムリング51は、コネクタハウジング22がランプボディ41に固定された状態で、固定孔42の内壁面43と圧接することで、当該部位を止水する。なお、図4では、コネクタハウジング22の内部を模式的に図示して、端子23等の図示を省略している。
【0028】
着座面26は、フランジ部25に設けられ、ランプボディ41に対して第1軸線Xに沿って突き当て可能な面である。すなわち、着座面26は、本体部24の外周から外側に延びるフランジ部25における第1軸線Xと直交する面であって、コネクタハウジング22がランプボディ41に固定された状態で、ランプボディ41に対して第1軸線Xに沿った方向に突き当てられる。
【0029】
図2及び図4に示すように、弾性係止片27は、着座面26から第1軸線Xに沿って延びてランプボディ41に対して係止可能とされている。
詳しくは、図4に示すように、弾性係止片27は、本体部24と隙間を有しつつ着座面26から第1軸線Xに沿って延びる延設部27aと、延設部27aの先端から本体部24から離れる方向に突出する爪部27bとを有する。弾性係止片27は、延設部27aが弾性変形可能とされている。そして、弾性係止片27は、本体部24を固定孔42に挿入していく際に延設部27aが弾性変形し、着座面26がランプボディ41に突き当たると延設部27aの弾性変形が解除されることで、爪部27bがランプボディ41の係止部44に係止される。
【0030】
図3に示すように、弾性係止片27は、第1軸線Xに沿った方向から見て、本体部24の長手方向における中心からずれた位置に設けられている。言い換えると、弾性係止片27は、第2軸線Yに沿った幅方向における本体部24の中心からずれた位置に設けられている。また、弾性係止片27は、第1軸線Xに沿った方向から見て、本体部24の短手方向の両方に設けられている。言い換えると、弾性係止片27は、第3軸線Zに沿った高さ方向に2つ設けられている。そして、高さ方向に2つの弾性係止片27は、本体部24の長手方向における中心から逆方向にずれた位置に設けられている。
【0031】
位置決め凸部28は、本体部24の一部から立設されている。位置決め凸部28は、第1軸線Xに沿った方向から見て、本体部24の長手方向における中心からずれた位置であって、弾性係止片27が設けられていない側に設けられている。位置決め凸部28は、第1軸線Xに沿った方向から見て、本体部24の短手方向の一方にのみ設けられている。位置決め凸部28は、本体部24を固定孔42に挿入していく際にランプボディ41の位置決め溝45に嵌まることで、誤組み付けを防止する。
【0032】
保護壁29は、弾性係止片27を保護すべく、弾性係止片27に隣接して設けられている。保護壁29は、弾性係止片27を挟むように一対設けられている。保護壁29は、弾性係止片27における延設部27aの幅方向の側方を覆うように本体部24から立設されている。保護壁29は、第1軸線Xに沿った方向において、着座面26から弾性係止片27の先端を超える位置まで形成されている。保護壁29は、コネクタハウジング22をランプボディ41に固定する前の状態で、弾性係止片27に意図しない大きな力が掛かることを抑制する。
【0033】
そして、図2図6図7、及び図8に示すように、保護壁29は、回転防止リブ30を有する。回転防止リブ30は、第1軸線Xと交差する方向に突出してコネクタハウジング22のランプボディ41に対する第1軸線Xを中心とした回転を防止する。
【0034】
本実施形態の回転防止リブ30は、2つの弾性係止片27の内の1つの弾性係止片27に隣接して設けられた保護壁29に設けられている。詳しくは、回転防止リブ30は、第3軸線Zに沿った高さ方向において位置決め凸部28が設けられていない側の保護壁29に設けられている。
【0035】
図6に示すように、回転防止リブ30は、弾性係止片27を挟むように一対設けられた保護壁29の各々から第2軸線Yに沿った幅方向であって、互いに離れる方向に突出している。
【0036】
回転防止リブ30は、第1軸線Xに沿った方向において着座面26に近い位置に設けられている。本実施形態の回転防止リブ30は、第1軸線Xに沿った方向の一部であって、着座面26と繋がる位置に設けられている。回転防止リブ30は、着座面26から遠い端部から着座面26に近づくほど突出量が大きくなる傾斜面30aを有する。
【0037】
なお、図8に示すように、ランプボディ41において、一対の回転防止リブ30が当接することになる互いに対向した一対の当接面46は、着座面26に向かうほど僅かに間隔が広くなるように形成されている。すなわち、一対の当接面46は、製造時に金型が抜かれる方向に向かうほど僅かに間隔が広くなる抜きテーパ面とされている。
【0038】
回転防止リブ30は、コネクタハウジング22がランプボディ41に固定された状態で、当接面46と当接することで、コネクタハウジング22のランプボディ41に対する第1軸線Xを中心とした回転を防止する。言い換えると、回転防止リブ30は、コネクタハウジング22のランプボディ41に対する第1軸線Xを中心とした回転方向のがたつきを防止する。
【0039】
(後付けコネクタ31の構成)
図1及び図4に示すように、後付けコネクタ31は、後付けコネクタハウジング32と、後付けコネクタハウジング32に保持された図示しない複数の端子とを有する。後付けコネクタハウジング32は、樹脂材よりなる。
【0040】
後付けコネクタハウジング32は、ランプボディ41に固定されたコネクタハウジング22に対して嵌着可能とされている。後付けコネクタ31の端子は、後付けコネクタハウジング32がコネクタハウジング22に嵌着された状態で、コネクタ21の端子23と接続される。
【0041】
図4に示すように、後付けコネクタハウジング32は、変形規制部33を備える。変形規制部33は、後付けコネクタハウジング32がコネクタハウジング22に嵌着された状態で、ランプボディ41に係止された弾性係止片27と本体部24との間に挿入されることで弾性係止片27の弾性変形を規制する。
【0042】
次に、上記のように構成されたコネクタアセンブリ11の作用について説明する。
コネクタハウジング22の本体部24を第1軸線Xに沿ってランプボディ41の固定孔42に挿入していくと、フランジ部25に設けられた着座面26がランプボディ41に突き当たる。すると、弾性係止片27がランプボディ41に係止されることで、コネクタ21はランプボディ41に固定される。
【0043】
また、コネクタハウジング22に後付けコネクタハウジング32を嵌着させると、後付けコネクタ31の端子がコネクタ21の端子23に接続されるとともに、変形規制部33が弾性係止片27と本体部24との間に挿入される。よって、弾性係止片27の弾性変形が規制されることになり、コネクタ21がランプボディ41から外れてしまうことが抑制される。
【0044】
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)コネクタハウジング22は、弾性係止片27に隣接して設けられて弾性係止片27を保護する保護壁29を備える。よって、例えば、コネクタハウジング22をランプボディ41に固定する前の状態で、弾性係止片27に意図しない大きな力が掛かることが抑制される。よって、例えば、弾性係止片27の破損が抑制される。
【0045】
また、保護壁29は、第1軸線Xと交差する方向に突出してコネクタハウジング22のランプボディ41に対する第1軸線Xを中心とした回転を防止する回転防止リブ30を有する。よって、コネクタ21のランプボディ41に対する第1軸線Xを中心とした回転が防止される。回転防止リブ30は、保護壁29に設けられるため、例えば、回転防止リブ30を保護壁29と異なる部位に別途設けた場合に比べて、コネクタハウジング22の構造の簡素化を図ることができる。言い換えると、回転防止リブ30を有する保護壁29は、コネクタハウジング22をランプボディ41に固定する前の状態で弾性係止片27を保護する機能を果たす。また、回転防止リブ30を有する保護壁29は、コネクタハウジング22がランプボディ41に固定された状態でコネクタ21の回転を防止する機能を果たすことになる。
【0046】
(2)保護壁29は、弾性係止片27を挟むように一対設けられているため、弾性係止片27に意図しない大きな力が掛かることがより抑制される。よって、例えば、弾性係止片27の破損がより抑制される。
【0047】
(3)回転防止リブ30は、第1軸線Xに沿った方向において着座面26に近い位置に設けられているため、本体部24を固定孔42に挿入していく初期段階で回転防止リブ30がランプボディ41と必要以上に摺接してしまうことを抑制できる。よって、例えば、本体部24を固定孔42に挿入していく組み付け性が良好となる。また、例えば、回転防止リブ30の摩耗を抑えることができる。よって、着座面26をランプボディ41に突き当てた最終段階で回転防止リブ30をランプボディ41の当接面46に良好に当接させることができ、コネクタハウジング22のランプボディ41に対する第1軸線Xを中心とした回転を良好に防止することができる。
【0048】
(4)回転防止リブ30は、着座面26から遠い端部から着座面26に近づくほど突出量が大きくなる傾斜面30aを有するため、本体部24を固定孔42に挿入していく組み付け性が円滑となる。
【0049】
(5)弾性係止片27及び保護壁29は、第1軸線Xに沿った方向から見て、本体部24の長手方向における中心からずれた位置に設けられているため、コネクタ21のランプボディ41に対する第1軸線Xを中心とした回転がより防止される。すなわち、例えば、本体部24の長手方向における中心位置でがたつきを小さく抑制しても本体部24の長手方向における中心からずれた位置でのがたつきは大きくなる。これに対して、弾性係止片27及び保護壁29は、本体部24の長手方向における中心からずれた位置に設けられることで、本体部24の長手方向における中心からずれた位置でのがたつきを小さく抑制できるため、コネクタ21の回転がより防止される。
【0050】
(6)フランジ部25の周囲には、固定孔42の内壁面43と圧接可能なゴムリング51が外嵌されているため、当該部位が止水される。そして、このようなコネクタ21では、第1軸線Xを中心にコネクタ21が回転してしまうと、固定孔42の内壁面43と圧接する力が部分的に弱まることでゴムリング51の止水性が悪化してしまう虞があるが、これを回避できるので、止水性を良好に維持できる。
【0051】
(7)後付けコネクタハウジング32は、ランプボディ41に係止された弾性係止片27と本体部24との間に挿入されることで弾性係止片27の弾性変形を規制する変形規制部33を備える。よって、弾性係止片27がランプボディ41に係止されている状態が解除されてしまうことが抑制される。よって、コネクタ21がランプボディ41から外れてしまうことが抑制される。
【0052】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、保護壁29は、弾性係止片27を挟むように一対設けられているとしたが、これに限定されず、例えば、弾性係止片27の片側だけに設けられていてもよい。すなわち、回転防止リブ30は保護壁29と共に、弾性係止片27の片側だけに設けられていてもよい。
【0053】
・上記実施形態では、回転防止リブ30は、保護壁29の第1軸線Xに沿った方向において着座面26に近い位置に設けられているとしたが、これに限定されず、例えば、保護壁29の第1軸線Xに沿った方向の全体に設けられていてもよい。また、上記実施形態では、回転防止リブ30は、着座面26と繋がる位置に設けられているとしたが、これに限定されず、着座面26と繋がっていなくてもよい。
【0054】
・上記実施形態では、回転防止リブ30は、着座面26から遠い端部から着座面26に近づくほど突出量が大きくなる傾斜面30aを有するとしたが、これに限定されず、傾斜面30aを有していなくてもよい。
【0055】
・上記実施形態では、弾性係止片27及び保護壁29は、本体部24の長手方向における中心からずれた位置に設けられているとしたが、これに限定されない。例えば、弾性係止片27及び保護壁29のいずれか一方は、本体部24の長手方向における中心位置に設けられていてもよい。
【0056】
・上記実施形態では、フランジ部25の周囲には、固定孔42の内壁面43と圧接可能なゴムリング51が外嵌されているとしたが、これに限定されず、例えば、他の部位に他の構造の止水部材を有していてもよい。
【0057】
・上記実施形態では、後付けコネクタハウジング32は、弾性係止片27の弾性変形を規制する変形規制部33を備えるとしたが、これに限定されず、変形規制部33を備えていない構成としてもよい。
【0058】
・上記実施形態では、2つの弾性係止片27の内の1つの弾性係止片27に隣接して設けられた保護壁29に設けられているとしたが、これに限定されず、例えば、全ての保護壁29に設けられていてもよい。
【0059】
・上記実施形態では、コネクタハウジング22は、2つの弾性係止片27を備えるとしたが、これに限定されず、例えば、弾性係止片27を1つのみ備えた構成や、3つ以上備えた構成としてもよい。
【0060】
・上記実施形態では、コネクタハウジング22が固定される固定部材はランプボディ41であるとしたが、これに限定されず、ランプボディ41以外の固定部材として具体化してもよい。
【符号の説明】
【0061】
11 コネクタアセンブリ
21 コネクタ
22 コネクタハウジング
23 端子
24 本体部
25 フランジ部
26 着座面
27 弾性係止片
27a 延設部
27b 爪部
28 位置決め凸部
29 保護壁
30 回転防止リブ
30a 傾斜面
31 後付けコネクタ
32 後付けコネクタハウジング
33 変形規制部
41 ランプボディ(固定部材)
42 固定孔
43 内壁面
44 係止部
45 位置決め溝
46 当接面
51 ゴムリング
X 第1軸線
Y 第2軸線
Z 第3軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8