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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043919
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】液体供給装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20240326BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B41J2/165 301
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149161
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】岡田 富行
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA26
2C056EB07
2C056EB29
2C056EC23
2C056EC26
2C056FA13
2C056JB01
(57)【要約】
【課題】液体の供給不良がある状態で液体の供給を行うことを低減することが可能になる液体供給装置を提供する。
【解決手段】インクジェット印刷装置1は、インクジェットヘッド21と、インクジェットヘッド21の加速度を検出する加速度センサ4と、加速度センサ4により閾値以上の加速度が検出された場合、インクジェットヘッド21のメンテナンスが必要と判断する制御部12とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体供給部と、
前記液体供給部の加速度を検出する検出部と、
前記検出部により閾値以上の加速度が検出された場合、前記液体供給部のメンテナンスが必要と判断する判断部と
を備えることを特徴とする液体供給装置。
【請求項2】
前記液体供給部は、回動可能であり、
前記閾値は、前記液体供給部の回動角度に応じて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液体供給装置。
【請求項3】
前記判断部は、前記検出部により前記閾値以上の加速度が検出された場合において、前記液体供給部のメンテナンスを実行するか否かの選択を受け付け、メンテナンスを実行しないことが選択された場合には、メンテナンスは不要と判断することを特徴とする請求項1または2に記載の液体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷装置において、インクジェットヘッドが衝撃や振動を受けることで、ノズル内のインクのメニスカスが破壊されることがある。メニスカスの破壊は、インクの吐出不良を招く。
【0003】
インクジェットヘッドの振動に関し、特許文献1には、所定レベル以上のインクジェットヘッドの振動が検出されると画像形成を停止することで、振動によりインクの着弾位置が定まらないことによる印刷画質の低下を抑える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-30221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、インクジェットヘッドに対する衝撃、振動によるメニスカスの破壊には対処していない。このため、メニスカスの破壊によるインクの吐出不良がある状態で印刷を行い、結果として無駄な印刷を行うおそれがある。
【0006】
また、ディスペンサ等の、インクジェット印刷装置以外の液体供給装置においても、液体供給部に対する衝撃、振動で生じる不具合による液体の供給不良がある状態で液体の供給を行うことで液体の無駄が生じることがある。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、液体の供給不良がある状態で液体の供給を行うことを低減することが可能になる液体供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の液体供給装置は、液体供給部と、前記液体供給部の加速度を検出する検出部と、前記検出部により閾値以上の加速度が検出された場合、前記液体供給部のメンテナンスが必要と判断する判断部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の液体供給装置によれば、液体の供給不良がある状態で液体の供給を行うことを低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。
図2図1に示すインクジェット印刷装置の搬送部およびヘッドユニットの概略構成図である。
図3】ヘッドユニットの水平方向印刷位置および待機位置を示す図である。
図4】ヘッドユニットの下方向印刷位置および待機位置を示す図である。
図5図1に示すインクジェット印刷装置のヘッドモジュールの概略構成図であり、(a)は、ノズル内のインクのメニスカスが正常な状態における図、(b)は、ノズル内のインクのメニスカスが破壊された状態における図である。
図6図1に示すインクジェット印刷装置の加速度センサの状態を示す図であり、(a)は、ヘッドユニットが水平方向印刷位置にあるときの図、(b)は、ヘッドユニットが待機位置または下方向印刷位置にあるときの図である。
図7図1に示すインクジェット印刷装置のインク循環部、インク補給部、および圧力生成部の概略構成図である。
図8図1に示すインクジェット印刷装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図9】ヘッド加速度の閾値および検出値の一例を示す図である。
図10】メンテナンス案内画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
【0012】
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すインクジェット印刷装置の搬送部およびヘッドユニットの概略構成図である。図3は、ヘッドユニットの水平方向印刷位置および待機位置を示す図である。図4は、ヘッドユニットの下方向印刷位置および待機位置を示す図である。図5は、図1に示すインクジェット印刷装置のヘッドモジュールの概略構成図であり、図5(a)は、ノズル内のインクのメニスカスが正常な状態における図、図5(b)は、ノズル内のインクのメニスカスが破壊された状態における図である。図6は、図1に示すインクジェット印刷装置の加速度センサの状態を示す図であり、図6(a)は、ヘッドユニットが水平方向印刷位置にあるときの図、図6(b)は、ヘッドユニットが待機位置または下方向印刷位置にあるときの図である。図7は、図1に示すインクジェット印刷装置のインク循環部、インク補給部、および圧力生成部の概略構成図である。なお、図7は、ヘッドユニットが待機位置または下方向印刷位置にある状態での図である。
【0014】
以下の説明において、図2の矢印で示す上下左右前後を上下左右前後方向とする。上下方向は鉛直方向であり、左右方向および前後方向は、互いに直交し、かつ、いずれも上下方向に直交し、水平方向に平行な方向である。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置(液体供給装置に相当)1は、搬送部2と、ヘッドユニット3と、加速度センサ(検出部に相当)4と、フィルタ部5と、メンテナンス部6と、インク循環部7A~7Dと、インク補給部8A~8Dと、圧力生成部9と、操作パネル10と、記憶部11と、制御部(判断部に相当)12とを備える。なお、インク循環部7A~7D等の符号におけるアルファベットの添え字を省略して総括的に表記することがある。
【0016】
搬送部2は、印刷媒体16を搬送する。印刷媒体16としては、段ボール箱のような立体物や、用紙のようなシート状のものを用いることができる。
【0017】
ヘッドユニット3は、搬送部2により搬送される印刷媒体16にインクを吐出して印刷を行う。図2図4に示すように、ヘッドユニット3は、インクジェットヘッド(液体供給部に相当)21A~21Dと、ヘッドホルダ22とを備える。
【0018】
ヘッドユニット3は、図3において実線で示す水平方向印刷位置と、二点鎖線で示す待機位置との間で、手動により回動可能である。なお、モータ等の駆動力によりヘッドユニット3が回動可能に構成されていてもよい。
【0019】
また、ヘッドユニット3は、図4において実線で示す下方向印刷位置と、二点鎖線で示す待機位置との間で、手動により昇降可能である。なお、モータ等の駆動力によりヘッドユニット3が昇降可能に構成されていてもよい。
【0020】
上述の水平方向印刷位置は、水平方向印刷を行う際のヘッドユニット3の位置である。水平方向印刷は、印刷媒体16の水平方向に対して直交する面(鉛直面)である被印刷面に対して水平方向にインクを吐出して行う印刷である。ヘッドユニット3が水平方向印刷位置に配置されているとき、後述するヘッドモジュール26のノズル面26aが左向きの鉛直面となっている。
【0021】
上述の待機位置は、インクジェット印刷装置1が動作しない待機状態であるときのヘッドユニット3の位置である。また、待機位置は、メンテナンス部6を用いたインクジェットヘッド21のメンテナンスを行う際のヘッドユニット3の位置でもある。ヘッドユニット3が待機位置に配置されているとき、ヘッドモジュール26のノズル面26aが下向きの水平面となっている。
【0022】
上述の下方向印刷位置は、下方向印刷を行う際のヘッドユニット3の位置であり、待機位置よりも低い位置にある。下方向印刷は、印刷媒体16の水平面である被印刷面に対して下方向にインクを吐出して行う印刷である。ヘッドユニット3が下方向印刷位置に配置されているときも、待機位置に配置されているときと同様に、ヘッドモジュール26のノズル面26aが下向きの水平面となっている。下方向印刷位置として、印刷媒体16の厚さ(高さ)に応じた複数通りの高さ位置が設定可能になっている。
【0023】
ヘッドユニット3は、図示しないロック機構により、ノズル面26aが鉛直面となる水平方向印刷位置に配置された状態で固定可能になっている。また、ヘッドユニット3が水平方向印刷位置に配置されたことは、図示しないセンサにより検出可能になっている。
【0024】
また、ヘッドユニット3は、図示しないロック機構により、待機位置および下方向印刷位置のようにノズル面26aが下向きの水平面となる状態で固定可能になっている。また、待機位置、および下方向印刷位置の複数通りの高さ位置について、それぞれの位置にヘッドユニット3が配置されたことは、図示しないセンサにより検出可能になっている。
【0025】
インクジェットヘッド21A~21Dは、印刷媒体にインクを吐出して画像を印刷する。インクジェットヘッド21A~21Dは、それぞれ異なる色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のインクを吐出する。インクジェットヘッド21A~21Dは、吐出するインクの色が異なる以外は、同様の構成を有する。
【0026】
インクジェットヘッド21は、複数のヘッドモジュール26を備える。本実施の形態では、インクジェットヘッド21は、6個のヘッドモジュール26を備える。インクジェットヘッド21において、ヘッドモジュール26は、印刷幅方向に沿って千鳥状に配置されている。すなわち、インクジェットヘッド21において、印刷幅方向に沿って配列された6個のヘッドモジュール26が、印刷幅方向に直交する前後方向における位置を交互にずらして配置されている。ここで、印刷幅方向は、ヘッドユニット3が水平方向印刷位置にある状態では上下方向であり、ヘッドユニット3が待機位置または下方向印刷位置にある状態では左右方向である。
【0027】
ヘッドモジュール26は、図5(a),(b)に示すように、インクを吐出するノズル27を有する。ノズル27は、ヘッドモジュール26のノズル面26aに開口している。ヘッドモジュール26には、印刷幅方向に沿って複数のノズル27が配置されている。
【0028】
ノズル27は、ノズル面26aに対して直交する方向にインクを吐出する。図5(a)に示すように、ノズル27内には、インクのメニスカスが形成されている。これに対し、インクジェットヘッド21(ヘッドモジュール26)が衝撃、振動を受け、インクジェットヘッド21(ヘッドモジュール26)に想定外の圧力が加わることで、図5(b)に示すように、ノズル27内のインクのメニスカスが破壊されることがある。インクのメニスカスが破壊された状態では、インクの吐出不良が生じる。
【0029】
ヘッドホルダ22は、インクジェットヘッド21A~21Dを保持する。ヘッドホルダ22には、前後方向に延びる回動軸29が設けられている。回動軸29を中心に、ヘッドユニット3が水平方向印刷位置と待機位置との間で回動可能となっている。すなわち、インクジェットヘッド21が、回動軸29を中心に、ノズル面26aが左向きの鉛直面となる位置と、ノズル面26aが下向きの水平面となる位置との間で回動可能となっている。
【0030】
加速度センサ4は、インクジェットヘッド21の加速度(ヘッド加速度)を検出する。加速度センサ4は、インクジェットヘッド21の衝撃、振動を検出するために用いられるものである。加速度センサ4は、ヘッドホルダ22に取り付けられている。加速度センサ4は、ノズル27の近傍における衝撃、振動を検出できるように、ノズル面26aに近い位置に配置されることが好ましい。
【0031】
本実施の形態では、加速度センサ4は、3軸加速度センサからなる。加速度センサ4は、X軸、Y軸、およびZ軸方向の重力加速度を測定する。すなわち、加速度センサ4が検出する加速度には、X軸成分、Y軸成分、およびZ軸成分の3成分が含まれる。
【0032】
加速度センサ4は、図6(a)に示すように、ヘッドユニット3が水平方向印刷位置にある状態で、X軸のプラス方向が前方向となり、Y軸のプラス方向が右方向となり、Z軸のプラス方向が下方向となるように、ヘッドホルダ22に取り付けられている。ヘッドユニット3が水平方向印刷位置にあるときは、加速度センサ4において、図6(a)に示すように、Z軸方向のプラスの重力加速度が検出される。
【0033】
ヘッドユニット3が待機位置または下方向印刷位置にある状態では、図6(b)に示すように、加速度センサ4のX軸のプラス方向が前方向となり、Y軸のプラス方向が上方向となり、Z軸のプラス方向が右方向となる。ヘッドユニット3が待機位置または下方向印刷位置にあるときは、加速度センサ4において、図6(b)に示すように、Y軸方向のマイナスの重力加速度が検出される。
【0034】
ここで、ヘッドユニット3が水平方向印刷位置にあるとき、インクジェットヘッド21の回動角度であるヘッド角度θが0°であり、ヘッドユニット3が待機位置または下方向印刷位置にあるとき、ヘッド角度θが-90°であるとする。なお、ヘッドユニット3が水平方向印刷位置にあるときのヘッド角度θ、およびヘッドユニット3が待機位置または下方向印刷位置にあるときのヘッド角度θは、所定の誤差を含む範囲内であってもよい。
【0035】
フィルタ部5は、加速度センサ4が検出した加速度のY軸成分およびZ軸成分からノイズ成分を除去する。フィルタ部5は、Y軸ローパスフィルタ31と、Z軸ローパスフィルタ32とを備える。
【0036】
Y軸ローパスフィルタ31は、加速度センサ4が検出した加速度のY軸成分に対してノイズ成分を減衰させるフィルタ処理を行うローパスフィルタである。
【0037】
Z軸ローパスフィルタ32は、加速度センサ4が検出した加速度のZ軸成分に対してノイズ成分を減衰させるフィルタ処理を行うローパスフィルタである。
【0038】
メンテナンス部6は、インクジェットヘッド21のメンテナンスを行うものである。メンテナンス部6は、インクジェットヘッド21のメンテナンスを行う際に配置される展開位置と、展開位置から退避した退避位置との間で、手動により移動可能である。展開位置は、図3に示すメンテナンス部6の位置であり、待機位置に配置されたヘッドユニット3の直下の位置である。退避位置にあるメンテナンス部6の図示は省略している。メンテナンス部6が展開位置に配置されたこと、および退避位置に配置されたことは、それぞれ図示しないセンサにより検出可能になっている。なお、モータ等の駆動力によりメンテナンス部6が展開位置退避位置との間で移動可能に構成されていてもよい。
【0039】
メンテナンス部6は、図3に示すように、インク受け部41と、ワイパ42とを備える。
【0040】
インク受け部41は、インクジェットヘッド21のメンテナンス時にワイパ42によるワイプによりノズル面26aから除去されるインク等を受けるものである。
【0041】
ワイパ42は、インクジェットヘッド21のヘッドモジュール26のノズル面26aをワイプして、ノズル面26a上のインク等を除去する。メンテナンス部6には、インクジェットヘッド21A~21Dのそれぞれに対して、千鳥状に配置された6つのヘッドモジュール26のうちの前側の3つのヘッドモジュール26をワイプするワイパ42と、後側の3つのヘッドモジュール26をワイプするワイパ42とが設けられている。すなわち、メンテナンス部6には、8枚のワイパ42が設けられている。
【0042】
インク循環部7A~7Dは、インクを循環しつつ、それぞれインクジェットヘッド21A~21Dにインクを供給する。図7に示すように、インク循環部7は、加圧タンク51と、加圧タンク液面センサ52と、分配器53と、集合器54と、負圧タンク55と、負圧タンク液面センサ56と、インクポンプ57と、インク循環管58~60と、加圧エア経路61と、負圧エア経路62とを備える。
【0043】
加圧タンク51は、インクジェットヘッド21に供給するインクを貯留する。加圧タンク51は、インク循環管58および分配器53を介してインクジェットヘッド21に接続されている。加圧タンク51には、圧力生成部9により、インクジェットヘッド21にインクを送液するための正圧が付与される。加圧タンク51は、インクジェットヘッド21より低い位置に配置されている。
【0044】
加圧タンク液面センサ52は、加圧タンク51内のインクの液面高さが基準高さに達しているか否かを検出するためのものである。加圧タンク液面センサ52は、加圧タンク51内の液面高さが基準高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、基準高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
【0045】
分配器53は、インク循環管58を介して加圧タンク51から供給されるインクを、インクジェットヘッド21の各ヘッドモジュール26に分配する。
【0046】
集合器54は、インクジェットヘッド21で消費されなかったインクを各ヘッドモジュール26から集める。集合器54により集められたインクは、インク循環管59を介して負圧タンク55へと流れる。
【0047】
負圧タンク55は、インクジェットヘッド21で消費されなかったインクを受け取って貯留する。負圧タンク55は、集合器54およびインク循環管59を介してインクジェットヘッド21に接続されている。また、負圧タンク55は、後述するインク補給部8のインクカートリッジ66から補給されるインクを貯留する。負圧タンク55には、圧力生成部9により、インクジェットヘッド21からインクを回収するための負圧が付与される。負圧タンク55は、加圧タンク51と同形状のタンクで構成され、加圧タンク51と同じ高さ位置に配置されている。
【0048】
負圧タンク液面センサ56は、負圧タンク55内のインクの液面高さが基準高さに達しているか否かを検出するためのものである。負圧タンク55における基準高さは、加圧タンク51における基準高さと同じである。負圧タンク液面センサ56は、負圧タンク55内の液面高さが基準高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、基準高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
【0049】
インクポンプ57は、負圧タンク55から加圧タンク51へインクを送液する。インクポンプ57は、インク循環管60の途中に設けられている。
【0050】
インク循環管58は、加圧タンク51と分配器53とを接続する。インク循環管58には、加圧タンク51から分配器53に向かってインクが流れる。インク循環管59は、集合器54と負圧タンク55とを接続する。インク循環管59には、集合器54から負圧タンク55に向かってインクが流れる。インク循環管60は、負圧タンク55と加圧タンク51とを接続する。インク循環管60には、負圧タンク55から加圧タンク51に向かってインクが流れる。インク循環管58~60と分配器53と集合器54とにより、加圧タンク51とインクジェットヘッド21と負圧タンク55との間でインクを循環させる循環経路が構成される。
【0051】
加圧エア経路61は、圧力生成部9と加圧タンク51のインクの液面上の空気層とを接続する。
【0052】
負圧エア経路62は、圧力生成部9と負圧タンク55のインクの液面上の空気層とを接続する。
【0053】
インク補給部8A~8Dは、それぞれインク循環部7A~7Dにインクを補給する。図7に示すように、インク補給部8は、インクカートリッジ66と、インク補給弁67と、インク補給管68とを備える。
【0054】
インクカートリッジ66は、インクジェットヘッド21による印刷に用いるインクを収容している。インクカートリッジ66内のインクは、インク補給管68を介してインク循環部7の負圧タンク55に供給される。
【0055】
インク補給弁67は、インク補給管68内のインクの流路を開閉する。負圧タンク55へインクを補給する際、インク補給弁67が開かれる。
【0056】
インク補給管68は、インクカートリッジ66と負圧タンク55とを接続する。インク補給管68には、インクカートリッジ66から負圧タンク55に向かってインクが流れる。
【0057】
圧力生成部9は、インク循環部7の加圧タンク51および負圧タンク55にインク循環のための圧力を生成する。具体的には、圧力生成部9は、インク循環時(印刷動作時)において、負圧エア経路62を介して負圧タンク55から空気を吸引するとともに、加圧エア経路61を介して加圧タンク51に空気を送ることで、加圧タンク51に正圧を付与し、負圧タンク55に負圧を付与する。また、圧力生成部9は、インクジェットヘッド21のメンテナンス時における加圧パージのための正圧(パージ圧)をインク循環部7の加圧タンク51に付与する。圧力生成部9は、インク循環部7A~7Dに共通のものである。
【0058】
操作パネル10は、各種の画面を表示するとともに、ユーザによる入力操作を受け付ける。操作パネル10は、表示部71と、入力部72とを備える。
【0059】
表示部71は、後述するメンテナンス案内画面81等の各種の画面を表示する。表示部71は、液晶表示パネル等を有する。
【0060】
入力部72は、ユーザによる入力操作を受け付け、操作に応じた操作信号を出力する。入力部72は、各種の操作キー、タッチパネル等を有する。
【0061】
記憶部11は、各種のプログラムを記憶している。また、記憶部11は、加速度センサ4が検出したヘッド加速度等を記憶する。記憶部11は、HDD等の不揮発性の記憶装置からなる。
【0062】
制御部12は、インクジェット印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部12は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成される。
【0063】
制御部12は、印刷を行う際、インク循環部7においてインクを循環させつつ、インクジェットヘッド21からインクを吐出させる。
【0064】
制御部12は、インクジェットヘッド21のメンテナンスを行う際、圧力生成部9を制御して、インク循環部7A~7Dの加圧タンク51にメンテナンス用の正圧を付与する。これにより、各ヘッドモジュール26の各ノズル27からインクが押し出されるパージが行われる。パージ後、制御部12は、ヘッドモジュール26のノズル面26aをワイパ42によりワイプするようメンテナンス部6を制御する。
【0065】
制御部12は、インクジェットヘッド21のメンテナンスが終了してから、そのメンテナンス後の最初の印刷時の印刷準備完了までの間において、加速度センサ4により閾値Th以上のヘッド加速度が検出された場合、インクジェットヘッド21のメンテナンスが必要と判断する。この場合において、後述するメンテナンス案内画面81に対する操作によりメンテナンスを実行することが選択されると、制御部12は、インクジェットヘッド21のメンテナンスを実行する。
【0066】
次に、インクジェット印刷装置1の動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0067】
図8のステップS1において、制御部12は、インクジェットヘッド21のメンテナンスを実行する。
【0068】
ここで、インクジェットヘッド21のメンテナンスは、例えば、所定枚数の印刷が行われるごとに、実行される。また、後述するメンテナンス案内画面81に対する操作によりメンテナンスを実行することが選択されると、インクジェットヘッド21のメンテナンスが実行される。
【0069】
具体的には、制御部12は、ヘッドユニット3を待機位置に配置し、メンテナンス部6を展開位置に配置するようユーザに指示する画面を表示部71に表示させる。
【0070】
ヘッドユニット3が待機位置に配置され、メンテナンス部6が展開位置に配置された状態になると、制御部12は、メンテナンスの開始を指示するための画面を表示部71に表示させる。
【0071】
入力部72に対するユーザの操作によりメンテナンスの開始が指示されると、制御部12は、圧力生成部9を制御して、インク循環部7A~7Dの加圧タンク51にメンテナンス用の正圧を付与する。これにより、各ヘッドモジュール26の各ノズル27からインクが押し出されるパージが行われる。パージによりノズル27から排出されたインクの少なくとも一部は、ノズル面26aに付着する。
【0072】
パージ後、制御部12は、ヘッドモジュール26のノズル面26aをワイパ42によりワイプするようメンテナンス部6を制御する。これにより、ノズル面26aに付着したインクとともに、ノズル面26a上のゴミ等が除去される。この結果、インクジェットヘッド21のメンテナンスが終了となる。
【0073】
次いで、ステップS2において、制御部12は、ヘッド加速度、ヘッド角度θ、およびヘッド加速度と閾値Thとの比較結果の記録を開始する。この後、制御部12は、所定時間(例えば0.01秒)ごとに、ヘッド加速度、ヘッド角度θ、およびヘッド加速度と閾値Thとの比較結果を、記憶部11に記憶させる。
【0074】
具体的には、制御部12は、所定時間ごとに、加速度センサ4が検出した加速度のY軸成分をヘッド加速度として取得し、取得したヘッド加速度を記憶部11に記憶させる。
【0075】
また、制御部12は、下記の式(1)からヘッド角度θを算出する。制御部12は、所定時間ごとにヘッド角度θを算出し、算出したヘッド角度θを記憶部11に記憶させる。
【0076】
θ=arctan(z/y) …(1)
ここで、yは、Y軸ローパスフィルタ31でノイズ成分を除去して得られた、加速度センサ4が検出した加速度のY軸成分である。zは、Z軸ローパスフィルタ32でノイズ成分を除去して得られた、加速度センサ4が検出した加速度のZ軸成分である。
【0077】
また、制御部12は、所定時間ごとに、ヘッド加速度の検出値と、ヘッド角度θに応じたヘッド加速度の閾値Thとを比較し、ヘッド加速度が閾値Th以上であるか否かを判断する。制御部12は、このヘッド加速度と閾値Thとの比較結果(ヘッド加速度が閾値Th以上であるか否か)を記憶部11に記憶させる。
【0078】
ここで、ヘッド加速度の閾値Thは、インクジェットヘッド21が衝撃、振動を受けたことによるメニスカスの破壊が生じるか否かを判断するためのものである。ヘッド加速度の閾値Thは、図9に示すように、ヘッド角度θに応じて変化する。ヘッド角度θが0°に近いほど、インクジェットヘッド21が衝撃、振動を受けた場合にメニスカスの破壊が生じやすくなるため、閾値Thが小さくなる。ヘッド角度θと閾値Thとの関係は、予め実験等に基づき設定されており、ヘッド角度θと閾値Thとを関連付けたテーブルが記憶部11に記憶されている。
【0079】
図8に戻り、ステップS3において、制御部12は、印刷が指示されたか否かを判断する。制御部12は、外部装置から印刷ジョブが入力されると、印刷が指示されたと判断する。印刷が指示されていないと判断した場合(ステップS3:NO)、制御部12は、ステップS3を繰り返す。
【0080】
印刷が指示されたと判断した場合(ステップS3:YES)、ステップS4において、制御部12は、印刷準備が完了したか否かを判断する。
【0081】
ここで、印刷を指示したユーザは、メンテナンス部6を退避位置へ移動させ、ヘッドユニット3を、印刷を行う位置に配置する作業を行う。例えば、印刷ジョブが水平方向印刷を行うものである場合、ユーザは、ヘッドユニット3を待機位置から水平方向印刷位置へ回動させる。ヘッドユニット3が水平方向印刷位置に配置されたことは、前述のように、図示しないセンサにより検出可能である。ヘッドユニット3が下方向印刷位置に配置される場合も同様である。ヘッドユニット3が印刷ジョブに基づく印刷時の位置である水平方向印刷位置または下方向印刷位置に配置されたことがセンサにより検出されると、制御部12は、印刷準備が完了したと判断する。
【0082】
印刷準備が完了していないと判断した場合(ステップS4:NO)、制御部12は、ステップS4を繰り返す。
【0083】
印刷準備が完了したと判断した場合(ステップS4:YES)、ステップS5において、制御部12は、記憶部11に記録したヘッド加速度と閾値Thとの比較結果に基づき、直近のインクジェットヘッド21のメンテナンスが終了してから今回の印刷準備完了までの間に、閾値Th以上のヘッド加速度が検出されたか否かを判断する。
【0084】
例えば、印刷準備のためにヘッドユニット3を待機位置から水平方向印刷位置へ回動させる際に、ヘッドユニット3が周辺の配線やインクチューブ等の部材に接触することで、インクジェットヘッド21が衝撃や振動を受けることがある。
【0085】
そして、このような衝撃や振動により、加速度センサ4で閾値Th以上のヘッド加速度が検出されることがある。図9の例は、ヘッドユニット3が待機位置から水平方向印刷位置へ回動する途中において、閾値Th以上のヘッド加速度が検出されたことを示している。
【0086】
なお、印刷準備が完了すると、制御部12は、ヘッド加速度、ヘッド角度θ、およびヘッド加速度と閾値Thとの比較結果の記録を終了する。
【0087】
閾値Th以上のヘッド加速度が検出されたと判断した場合(ステップS5:YES)、ステップS6において、制御部12は、図10に示すメンテナンス案内画面81を表示部71に表示させる。
【0088】
ここで、制御部12は、閾値Th以上の加速度が検出された場合、インクジェットヘッド21のメンテナンスが必要と判断する。この場合において、インクジェットヘッド21のメンテナンスを実行するか否かの選択を受け付けるために、制御部12は、メンテナンス案内画面81を表示部71に表示させる。
【0089】
メンテナンス案内画面81には、メンテナンスが必要であることを通知するメッセージ82が表示される。また、メンテナンス案内画面81には、メンテナンスを実行することを選択するためのメンテナンス実行ボタン83と、メンテナンスを実行しないことを選択するためのメンテナンス不要ボタン84とが表示される。
【0090】
メンテナンス案内画面81が表示されると、ユーザが、メンテナンス実行ボタン83またはメンテナンス不要ボタン84を押下する操作を行う。例えば、今回の印刷が、インクの吐出不良が許容されるテスト印刷等である場合には、メンテナンスを実行しないことを選択するためにユーザがメンテナンス不要ボタン84を押下することがある。
【0091】
図8に戻り、ステップS7において、制御部12は、メンテナンスを実行することが選択されたか否か、すなわちメンテナンス実行ボタン83が押下されたか否かを判断する。
【0092】
メンテナンスを実行することが選択されたと判断した場合(ステップS7:YES)、制御部12は、ステップS1に戻り、インクジェットヘッド21のメンテナンスを実行する。
【0093】
この場合、ユーザが、インクジェットヘッド21の衝撃や振動の原因となった部材を移動させる等の作業を行った後、ヘッドユニット3を待機位置に配置する作業を行う。そして、パージが行われた後、ワイパ42によるヘッドモジュール26のノズル面26aのワイプが行われる。
【0094】
ステップS7において、メンテナンスを実行しないことが選択された、すなわちメンテナンス不要ボタン84が押下されたと判断した場合(ステップS7:NO)、制御部12は、メンテナンスが不要と判断し、ステップS8において、印刷を実行する。
【0095】
具体的には、制御部12は、圧力生成部9により、インク循環部7A~7Dの加圧タンク51および負圧タンク55にインク循環のためのそれぞれの設定圧を生成させる。これにより、インク循環部7A~7Dにおけるインク循環が開始され、加圧タンク51からインクジェットヘッド21を経由して負圧タンク55へインクが流れる。
【0096】
インク循環が開始されると、制御部12は、印刷ジョブの実行を開始する。具体的には、制御部12は、搬送部2により印刷媒体16を搬送しつつ、インクジェットヘッド21A~21Dからインクを吐出して印刷媒体16に画像を印刷するよう制御する。
【0097】
印刷ジョブの実行中は、加圧タンク51からインクジェットヘッド21へインクが供給され、インクジェットヘッド21で消費されなかったインクが負圧タンク55に回収される。加圧タンク液面センサ52がオフで負圧タンク液面センサ56がオンの状態になると、制御部12は、インクポンプ57を駆動させる。これにより、負圧タンク55から加圧タンク51へインクが送液される。加圧タンク51がオンになると、制御部12は、インクポンプ57を停止させる。このようにしてインクが循環されつつ、印刷が行われる。
【0098】
また、加圧タンク液面センサ52および負圧タンク液面センサ56がともにオフになると、制御部12は、インク補給弁67を開放する。これにより、インクカートリッジ66から負圧タンク55へインクが補給される。負圧タンク液面センサ56がオンになると、制御部12は、インク補給弁67を閉鎖する。
【0099】
印刷ジョブに基づく印刷が終了すると、制御部12は、圧力生成部9を制御してインク循環部7A~7Dにおけるインク循環を終了させる。これにより、一連の動作が終了となる。
【0100】
ステップS5において、閾値Th以上のヘッド加速度は検出されなかったと判断した場合(ステップS5:NO)、制御部12は、ステップS8に進み、印刷を実行する。これにより、一連の動作が終了となる。
【0101】
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、制御部12は、インクジェットヘッド21のメンテナンスが終了してから、そのメンテナンス後の最初の印刷時の印刷準備完了までの間において、加速度センサ4により閾値Th以上のヘッド加速度が検出された場合、インクジェットヘッド21のメンテナンスが必要と判断する。これにより、インクジェットヘッド21が衝撃や振動を受けてメニスカスが破壊されているおそれがある場合に、インクジェットヘッド21のメンテナンスを実行することが可能になる。この結果、インクの吐出不良がある状態で印刷を行うことを低減することが可能になる。
【0102】
また、インクジェット印刷装置1では、ヘッド角度θによってメニスカスの破壊しやすさが変化するのに対し、ヘッド加速度の閾値Thがヘッド角度θに応じて設定されているので、メンテナンスが必要であるか否かの判断の精度が高められる。
【0103】
また、制御部12は、閾値Th以上のヘッド加速度が検出された場合において、メンテナンス案内画面81により、メンテナンスを実行するか否かの選択を受け付ける。そして、メンテナンスを実行しないことが選択された場合には、メンテナンスは不要と判断する。これにより、不要なメンテナンスを省略してインクの無駄を抑制することが可能になる。
【0104】
なお、上述した実施の形態では、メンテナンスが終了してからメンテナンス後の最初の印刷時の印刷準備完了までの期間に閾値Th以上のヘッド加速度が検出された場合にメンテナンスが必要と判断した。しかし、この期間に限らず、閾値Th以上のヘッド加速度が検出された場合に、メンテナンスが必要と判断するようにしてもよい。
【0105】
また、上述した実施の形態では、ヘッド加速度の閾値Thをヘッド角度θに応じて設定したが、これに限らず、例えば、ヘッド角度θに関わらず一定の閾値を設定してもよい。
【0106】
また、上述した実施の形態では、インクジェットヘッド21が、ノズル面26aが鉛直面となる位置と、ノズル面26aが下向きの水平面となる位置との間で回動可能とした。しかし、これに限らず、例えば、インクジェットヘッド21が、ノズル面26aが下向きの水平面となる位置と、ノズル面26aが上向きの水平面となる位置との間で回動可能な構成でも本発明は適用可能である。
【0107】
また、上述した実施の形態では、インクジェットヘッド21が、印刷幅方向に直交する前後方向に延びる回動軸29を中心に回動可能とした。しかし、インクジェットヘッド21が、印刷幅方向に延びる回動軸29を中心に回動可能な構成でも本発明は適用可能である。
【0108】
また、上述した実施の形態では、インクジェットヘッド21(ヘッドユニット3)が回動可能としたが、インクジェットヘッド21(ヘッドユニット3)が固定の構成でも本発明は適用可能である。
【0109】
また、上述した実施の形態では、閾値Th以上のヘッド加速度が検出された場合において、メンテナンスを実行するか否かの選択を受け付けた。しかし、閾値Th以上のヘッド加速度が検出された場合には、無条件でメンテナンスを実行するようにしてもよい。
【0110】
また、閾値Th以上のヘッド加速度が検出されると、その時点で、操作パネル10の警告ランプ(図示せず)を点滅させる等によりユーザに知らせるようにしてもよい。
【0111】
また、上述した実施の形態では、加速度センサ4が検出した加速度のY軸成分をヘッド加速度とした。しかし、加速度センサ4が検出した加速度のX軸成分Ax、Y軸成分Ay、およびZ軸成分Azの合成値A=√(Ax+Ay+Az)を、ヘッド加速度として用いてもよい。
【0112】
また、ディスペンサ等の、インクジェット印刷装置以外の液体供給装置にも本発明は適用可能である。
【0113】
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0114】
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
【0115】
(付記1)
液体供給部と、
前記液体供給部の加速度を検出する検出部と、
前記検出部により閾値以上の加速度が検出された場合、前記液体供給部のメンテナンスが必要と判断する判断部と
を備えることを特徴とする液体供給装置。
【0116】
(付記2)
前記液体供給部は、回動可能であり、
前記閾値は、前記液体供給部の回動角度に応じて設定されていることを特徴とする付記1に記載の液体供給装置。
【0117】
(付記3)
前記判断部は、前記検出部により前記閾値以上の加速度が検出された場合において、前記液体供給部のメンテナンスを実行するか否かの選択を受け付け、メンテナンスを実行しないことが選択された場合には、メンテナンスは不要と判断することを特徴とする付記1または2に記載の液体供給装置。
【符号の説明】
【0118】
1 インクジェット印刷装置
2 搬送部
3 ヘッドユニット
4 加速度センサ
5 フィルタ部
6 メンテナンス部
7,7A~7D インク循環部
8,8A~8D インク補給部
9 圧力生成部
10 操作パネル
11 記憶部
12 制御部
21,21A~21D インクジェットヘッド
22 ヘッドホルダ
26 ヘッドモジュール
26a ノズル面
27 ノズル
31 Y軸ローパスフィルタ
32 Z軸ローパスフィルタ
41 インク受け部
42 ワイパ
51 加圧タンク
52 加圧タンク液面センサ
53 分配器
54 集合器
55 負圧タンク
56 負圧タンク液面センサ
57 インクポンプ
58~60 インク循環管
61 加圧エア経路
62 負圧エア経路
71 表示部
72 入力部
81 メンテナンス案内画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10