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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043965
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20240326BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240326BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01L27/108 671A
H01L27/108 625
H01L27/108 671Z
H01L29/78 613B
H01L29/78 626A
H01L21/88 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149230
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 貴士
(72)【発明者】
【氏名】徳平 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】稲場 恒夫
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
5F033HH35
5F033KK35
5F033MM03
5F033MM30
5F033NN39
5F033UU01
5F033VV10
5F033VV16
5F033XX24
5F083AD02
5F083AD03
5F083AD06
5F083AD24
5F083AD60
5F083GA01
5F083GA02
5F083GA09
5F083HA02
5F083JA03
5F083JA39
5F083JA44
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083MA05
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA17
5F083MA18
5F083MA19
5F083PR03
5F083PR05
5F083PR21
5F110AA04
5F110BB06
5F110BB11
5F110CC09
5F110DD05
5F110EE04
5F110EE45
5F110FF02
5F110FF29
5F110GG01
5F110GG44
5F110HK04
5F110HK34
5F110NN02
5F110NN72
5F110QQ04
5F110QQ05
(57)【要約】
【課題】優れた縦型トランジスタを含む半導体装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る半導体装置は、第1の層L1に設けられ、第1の方向に延伸する第1の配線51と、第1の層の上層側に位置する第2の層L2に設けられ、第1の方向に延伸する第2の配線52と、第2の配線は貫通せずに、第1の配線を貫通して第1の方向と交差する第2の方向に延伸する第1の半導体層31aと、第1の配線は貫通せずに、第2の配線を貫通して第2の方向に延伸する第2の半導体層31bと、第1の配線と第1の半導体層との間に設けられた第1の絶縁層32aと、第2の配線と第2の半導体層との間に設けられた第2の絶縁層32bと、第1の半導体層の第1の端部に電気的に接続された第1のキャパシタ40aと、第2の半導体層の第1の端部に電気的に接続された第2のキャパシタ40bとを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層に設けられ、第1の方向に延伸する第1の配線と、
前記第1の層の上層側に位置する第2の層に設けられ、前記第1の方向に延伸する第2の配線と、
前記第2の配線は貫通せずに、前記第1の配線を貫通して前記第1の方向と交差する第2の方向に延伸する第1の半導体層と、
前記第1の配線は貫通せずに、前記第2の配線を貫通して前記第2の方向に延伸する第2の半導体層と、
前記第1の配線と前記第1の半導体層との間に設けられた第1の絶縁層と、
前記第2の配線と前記第2の半導体層との間に設けられた第2の絶縁層と、
前記第1の半導体層の第1の端部に電気的に接続された第1のキャパシタと、
前記第2の半導体層の第1の端部に電気的に接続された第2のキャパシタと、
を備える半導体装置。
【請求項2】
第1の方向に延伸する第1の配線と、
前記第1の配線を貫通して前記第1の方向と交差する第2の方向に延伸する第1の半導体層と、
前記第1の配線を貫通して前記第2の方向に延伸する第2の半導体層と、
前記第1の配線と前記第1の半導体層との間に設けられた第1の絶縁層と、
前記第1の配線と前記第2の半導体層との間に設けられた第2の絶縁層と、
前記第1の半導体層の第1の端部に電気的に接続された第1のキャパシタと、
前記第2の半導体層の第1の端部に電気的に接続された第2のキャパシタと、
を備え、
前記第1の方向から見て、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とは前記第1及び第2の方向と交差する第3の方向で互いにずれている
半導体装置。
【請求項3】
第1の層に設けられ、第1の方向に延伸する第1の配線と、
前記第1の層に設けられ、前記第1の方向に延伸する第2の配線と、
前記第1の層の上層側に位置する第2の層に設けられ、前記第1の方向に延伸する第3の配線と、
前記第2の配線を貫通せずに、前記第1の配線及び前記第3の配線を貫通して前記第1の方向と交差する第2の方向に延伸する第1の半導体層と、
前記第1の配線を貫通せずに、前記第2の配線及び前記第3の配線を貫通して前記第2の方向に延伸する第2の半導体層と、
前記第1の配線と前記第1の半導体層との間に設けられた第1の絶縁層と、
前記第3の配線と前記第1の半導体層との間に設けられた第2の絶縁層と、
前記第2の配線と前記第2の半導体層との間に設けられた第3の絶縁層と、
前記第3の配線と前記第2の半導体層との間に設けられた第4の絶縁層と、
前記第1の半導体層の第1の端部に電気的に接続された第1のキャパシタと、
前記第2の半導体層の第1の端部に電気的に接続された第2のキャパシタと、
を備える半導体装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の方向と交差する第3の方向から見て、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とは前記第1の方向で互いにずれている
請求項1又は3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第3の方向から見て、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とは前記第1の方向で互いにずれている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の半導体層の第2の端部及び前記第2の半導体層の第2の端部に電気的に接続され、前記第1及び第2の方向と交差する第3の方向に延伸する第3の配線
をさらに備える請求項1又は3に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の半導体層の第2の端部に電気的に接続され、前記第1及び第2の方向と交差する第3の方向に延伸する第3の配線と、
前記第2の半導体層の第2の端部に電気的に接続され、前記第3の方向に延伸する第4の配線と、
をさらに備える請求項1又は3に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1の半導体層の第2の端部に電気的に接続され、前記第3の方向に延伸する第2の配線と、
前記第2の半導体層の第2の端部に電気的に接続され、前記第3の方向に延伸する第3の配線と、
をさらに備える請求項2に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層は、酸化物半導体を含む
請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1の方向から見て、前記第1の配線の上部コーナーは鈍角であり、前記第2の配線の下部コーナーは鈍角である
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
第1の方向に延伸する第1の配線と、
前記第1の配線を貫通して前記第1の方向と交差する第2の方向に延伸する半導体層と、
前記第1の配線と前記半導体層との間に設けられた絶縁層と、
前記半導体層の第1の端面及び前記半導体層の第1の端面の近傍の側面を覆う第1の電極と、
前記半導体層の第2の端面及び前記半導体層の第2の端面の近傍の側面を覆う第2の電極と、
を備える半導体装置。
【請求項12】
前記第1の電極に電気的に接続されたキャパシタ
をさらに備える請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第2の電極に電気的に接続された第2の配線
をさらに備える請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記半導体層は、酸化物半導体を含む
請求項11に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記半導体層は、フッ素(F)を含有する
請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第1の電極及び前記第2の電極は、亜鉛(Zn)及び酸素(O)を含有する
請求項11又は14に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板上に縦型トランジスタが集積化された半導体装置が提案されている。縦型トランジスタは、半導体基板の主面に対して交差する方向に延伸する半導体ピラーをチャネルとし、その周囲を囲むゲート電極を例えば基板表面に沿う方向に延伸する配線にて形成するトランジスタである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-155495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
優れた縦型トランジスタを含む半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、第1の層に設けられ、第1の方向に延伸する第1の配線と、前記第1の層の上層側に位置する第2の層に設けられ、前記第1の方向に延伸する第2の配線と、前記第2の配線は貫通せずに、前記第1の配線を貫通して前記第1の方向と交差する第2の方向に延伸する第1の半導体層と、前記第1の配線は貫通せずに、前記第2の配線を貫通して前記第2の方向に延伸する第2の半導体層と、前記第1の配線と前記第1の半導体層との間に設けられた第1の絶縁層と、前記第2の配線と前記第2の半導体層との間に設けられた第2の絶縁層と、前記第1の半導体層の第1の端部に電気的に接続された第1のキャパシタと、前記第2の半導体層の第1の端部に電気的に接続された第2のキャパシタと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る半導体装置の基本的構成(一般的構成)を模式的に示した断面図である。
図2】第1の実施形態に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。
図3】第1の実施形態に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。
図4】第1の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。
図5】第1の実施形態の第2の変形例に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。
図6】第2の実施形態に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。
図7】第2の実施形態に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。
図8】第2の実施形態の変形例に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。
図9】第3の実施形態に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。
図10】第3の実施形態に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。
図11】第3の実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。
図12】第3の実施形態の第2の変形例に係る半導体装置の構成を模式的に示した垂直な断面図である。
図13A】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図13B】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図13C】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図13D】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図13E】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図13F】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図13G】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図13H】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図13I】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図13J】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図13K】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図13L】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図13M】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を模式的に示した図である。
図14A】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を変更したときの製造方法を模式的に示した断面図である。
図14B】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を変更したときの製造方法を模式的に示した断面図である。
図14C】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を変更したときの製造方法を模式的に示した断面図である。
図14D】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を変更したときの製造方法を模式的に示した断面図である。
図14E】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を変更したときの製造方法を模式的に示した断面図である。
図14F】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を変更したときの製造方法を模式的に示した断面図である。
図15】第4の実施形態に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。
図16】第4の実施形態に係る半導体装置の変形例の構成を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0008】
(基本的構成)
まず、実施形態に係る半導体装置の基本的構成(一般的構成)について説明する。
【0009】
図1は、実施形態に係る半導体装置の基本的構成(一般的構成)を模式的に示した断面図である。図1に示した半導体装置は、DRAM(dynamic random access memory)として機能する。なお、図1に示したX方向、Y方向及びZ方向は、互いに交差する方向である。具体的には、X方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交している。他の図についても同様である。
【0010】
図1の半導体装置は、半導体基板10、周辺回路トランジスタ20、縦型トランジスタ30、キャパシタ40、ワード線50、ビット線60、電極71、72及び73、プラグ80並びに層間絶縁層91、92、93及び94を含んでいる。
【0011】
縦型トランジスタ30及び縦型トランジスタ30に接続されたキャパシタ40によってDRAMのメモリセルが形成されている。
【0012】
縦型トランジスタ30は、半導体層31及びゲート絶縁層32を含んでおり、半導体層31にチャネルが形成される。半導体層31はZ方向に延伸しており、半導体層31の一端に電極71が接続され、半導体層31の他端に電極72が接続されている。半導体層31は、酸化物半導体で形成されている。
【0013】
キャパシタ40は、導電層41~43及びキャパシタ絶縁層44を含んでおり、導電層41が電極71に接続され、導電層43が電極73に接続されている。
【0014】
ワード線50は、X方向に延伸しており、縦型トランジスタ30のゲート電極として機能する。具体的には、ワード線50は半導体層31を囲んでおり、半導体層31がワード線50を貫通している。また、ワード線50と半導体層31との間にゲート絶縁層32が設けられている。なお、図1では1つのワード線50のみが示されているが、実際には、複数のワード線50がY方向に配列されており、各ワード線50がX方向に延伸している。
【0015】
ビット線60は、電極72を介して縦型トランジスタ30の半導体層31に接続されている。複数のビット線60がX方向に配列され、各ビット線60がY方向に延伸している。
【0016】
上述したことからわかるように、それぞれがX方向に延伸する複数のワード線50がY方向に配列され、それぞれがY方向に延伸する複数のビット線60がX方向に配列されている。また、複数のワード線50と複数のビット線60とが交差する位置に複数のメモリセルが設けられており、各メモリセルが縦型トランジスタ30及びキャパシタ40によって構成されている。
【0017】
なお、図1に示した例では、縦型トランジスタ30の下部電極(電極71)にキャパシタ40が電気的に接続され、縦型トランジスタ30の上部電極(電極72)にビット線60が電気的に接続されているが、逆に、縦型トランジスタ30の上部電極(電極72)にキャパシタ40が電気的に接続され、縦型トランジスタ30の下部電極(電極71)にビット線60が電気的に接続されていてもよい。
【0018】
図1の構成は、縦型トランジスタを用いたDRAMの基本的構成(一般的構成)を示したものであり、以下に説明する第1~第4の実施形態では、図1に示された構成が適宜変形されている。
【0019】
(第1の実施形態)
図2及び図3は、第1の実施形態に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。図2はZ方向に対して平行な断面図であり、図3はZ方向に対して垂直な断面図である。図2のA-A線に沿った断面が図3(a)に対応し、図2のB-B線に沿った断面が図3(b)に対応している。
【0020】
図2及び図3に示すように、本実施形態では、第1の層L1に設けられた複数のワード線51と、第1の層L1の上層側に位置する第2の層L2に設けられた複数のワード線52とが含まれている。各ワード線51及び各ワード線52は、X方向に延伸している。ワード線51とワード線52とは、互いに離間して配置されており、Y方向に交互に配置されている。また、隣り合ったワード線51間の領域、隣り合ったワード線52間の領域、及びワード線51とワード線52との間の領域には層間絶縁膜(図示せず)が設けられている。
【0021】
半導体層31aは、ワード線52は貫通せずに、ワード線51を貫通してZ方向に延伸している。半導体層31bは、ワード線51は貫通せずに、ワード線52を貫通してZ方向に延伸している。Z方向から見て、同一のワード線51を貫通する複数の半導体層31aはX方向に直線状に配置されている。同様に、Z方向から見て、同一のワード線52を貫通する複数の半導体層31bはX方向に直線状に配置されている。また、Y方向から見て、半導体層31aと半導体層31bとはX方向で互いにずれて配置されている。なお、以下の説明では、半導体層31a及び半導体層31bを単に半導体層31と呼ぶ場合もある。
【0022】
Z方向から見て、任意の半導体層31を囲む6つの半導体層31は、該任意の半導体層31から等距離に配置されており、該任意の半導体層31を中心とする正六角形の頂点の位置に配置されている。
【0023】
ワード線51と半導体層31aとの間にはゲート絶縁層32aが設けられており、ゲート絶縁層32aは、半導体層31aの側面を囲み、Z方向に延伸している。同様に、ワード線52と半導体層31bとの間にはゲート絶縁層32bが設けられており、ゲート絶縁層32bは、半導体層31bの側面を囲み、Z方向に延伸している。
【0024】
ワード線(ゲート電極)51、半導体層31a及びゲート絶縁層32aによって縦型トランジスタが形成される。同様に、ワード線(ゲート電極)52、半導体層31b及びゲート絶縁層32bによって縦型トランジスタが形成される。
【0025】
各半導体層31aの一端(第1の端部)には、キャパシタ40aが電気的に接続されている。同様に、各半導体層31bの一端(第1の端部)には、キャパシタ40bが電気的に接続されている。
【0026】
半導体層31a及び半導体層31bの上方には、それぞれがY方向に延伸する複数のビット線60が設けられている。各ビット線60は、半導体層31aの他端(第2の端部)に電気的に接続され、且つ半導体層31bの他端(第2の端部)に電気的に接続されている。すなわち、各ビット線60は、隣り合った半導体層31a及び半導体層31bに電気的に共通に接続されている。
【0027】
以上のように、本実施形態では、第1の層L1にワード線51が設けられ、第2の層L2にワード線52が設けられている。このような構成により、以下に述べるように、優れた半導体装置(縦型トランジスタを有するDRAM)を得ることが可能である。
【0028】
複数のワード線が同一の層に設けられているとすると、以下のような問題が生じるおそれがある。上述したように、縦型トランジスタの半導体層はワード線を貫通している。言い換えると、ワード線が半導体層を囲んでいる。そのため、ワード線のピッチを小さくすると、半導体層を囲む部分でワード線の線幅が小さくなる。その結果、細線効果によってワード線の抵抗が高くなるという問題が生じる。また、ワード線のピッチを小さくすると、隣り合ったワード線間の距離が小さくなる。その結果、隣り合ったワード線間の寄生容量が大きくなり、また、絶縁耐圧が低下するという問題も生じる。
【0029】
本実施形態では、第1の層L1にワード線51が設けられ、第2の層L2にワード線52が設けられている。そのため、第1の層L1と第2の層L2との距離をある程度とることにより、ワード線51とワード線52との距離を大きくすることができる。また、ワード線51及びワード線52それぞれの線幅を大きくすることができる。したがって、本実施形態では、上述したような問題を回避することができ、優れた半導体装置を得ることが可能となる。
【0030】
図4は、本実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の構成を模式的に示したZ方向に対して垂直な断面図である。Z方向に対して平行な断面図は図2と同様であり、図2のA-A線に沿った断面が図4(a)に対応し、図2のB-B線に沿った断面が図4(b)に対応している。
【0031】
本変形例では、ビット線の構成が上述した実施形態とは異なっている。本変形例では、ビット線60aは半導体層31aの第2の端部に電気的に接続され、ビット線60bは半導体層31bの第2の端部に電気的に接続されている。一方、ビット線60aと半導体層31bの第2の端部、ビット線60bと半導体層31aの第2の端部は接続されない。すなわち、本変形例では、上述した実施形態とは異なり、ビット線60aは半導体層31a及び半導体層31bに電気的に共通に接続されておらず、ビット線60bは半導体層31a及び半導体層31bに電気的に共通に接続されていない。ここで、半導体層31aを含む縦型トランジスタと半導体層32aを含む縦型トランジスタとはそれぞれ異なるワード線で制御されるため、ビット線60aとビット線60bは同時には活性化されない。そのため、ビット線60aとビット線60bのうち一方の動作時に、他方を参照信号線として使用することが可能である。
【0032】
本変形例でも、基本的な構成は上述した実施形態と同様であり、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0033】
図5は、本実施形態の第2の変形例に係る半導体装置の構成を模式的に示したZ方向に対して平行な断面図である。Z方向に対して垂直な断面図は、図3或いは図4と同様である。
【0034】
本変形例では、X方向から見て、ワード線51の上部コーナーが鈍角となっており、ワード線52の下部コーナーが鈍角となっている。すなわち、本変形例では、ワード線51及びワード線52の互いに対向するコーナーが鈍角となっている。ワード線52は、ワード線51とは異なる方法で形成されるが、形成方法に応じて、ワード線51とは異なる材料を使用することも可能である。
【0035】
本変形例でも、基本的な構成は上述した実施形態と同様であり、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。また、本変形例では、ワード線51の上部コーナー及びワード線52の下部コーナーをいずれも鈍角とすることで、ワード線51とワード線52との間の電界を緩和することや、ワード線51とワード線52との間のキャパシタンスを低減することが可能である。
【0036】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、基本的な事項は第1の実施形態と同様であり、第1の実施形態で説明した事項の説明は省略する。
【0037】
図6及び図7は、第2の実施形態に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。図6はZ方向に対して平行な断面図であり、図7はZ方向に対して垂直な断面図である。図6のA-A線に沿った断面が図7に対応している。
【0038】
図6及び図7に示すように、本実施形態では、それぞれがX方向に延伸する複数のワード線50が同一の層L0に設けられている。
【0039】
半導体層31a及び半導体層31bはいずれも、ワード線50を貫通してZ方向に延伸している。X方向から見て、半導体層31aと半導体層31bとはY方向で互いにずれて配置されている。複数の半導体層31aはX方向に直線状に配置されており、複数の半導体層31bはX方向に直線状に配置されている。また、Y方向から見て、半導体層31aと半導体層31bとはX方向で互いにずれて配置されている。なお、以下の説明では、半導体層31a及び半導体層31bを単に半導体層31と呼ぶ場合もある。
【0040】
Z方向から見て、任意の半導体層31を囲む6つの半導体層31は、該任意の半導体層31から等距離に配置されており、該任意の半導体層31を中心とする正六角形の頂点の位置に配置されている。
【0041】
また、本実施形態では、半導体層31がワード線50を貫通する位置において、ワード線50が半導体層31の配置に対応した形状を含んでいる。
【0042】
ワード線50と半導体層31aとの間にはゲート絶縁層32aが設けられており、ゲート絶縁層32aは、半導体層31aの側面を囲み、Z方向に延伸している。同様に、ワード線50と半導体層31bとの間にはゲート絶縁層32bが設けられており、ゲート絶縁層32bは、半導体層31bの側面を囲み、Z方向に延伸している。
【0043】
ワード線(ゲート電極)50、半導体層31a及びゲート絶縁層32aによって縦型トランジスタが形成される。同様に、ワード線(ゲート電極)50、半導体層31b及びゲート絶縁層32bによって縦型トランジスタが形成される。
【0044】
各半導体層31aの一端(第1の端部)には、キャパシタ40aが電気的に接続されている。同様に、各半導体層31bの一端(第1の端部)には、キャパシタ40bが電気的に接続されている。
【0045】
半導体層31aの上方には、それぞれがY方向に延伸する複数のビット線60aが設けられている。同様に、半導体層31bの上方には、それぞれがY方向に延伸する複数のビット線60bが設けられている。ビット線60aは半導体層31aの他端(第2の端部)に電気的に接続され、ビット線60bは半導体層31bの他端(第2の端部)に電気的に接続されている。一方、ビット線60aと半導体層31bの第2の端部、ビット線60bと半導体層31aの第2の端部は接続されない。すなわち、ビット線60aは半導体層31a及び半導体層31bに電気的に共通に接続されておらず、ビット線60bは半導体層31a及び半導体層31bに電気的に共通に接続されていない。なお、以下の説明では、ビット線60a及びビット線60bを単にビット線60と呼ぶ場合もある。
【0046】
図7及び上述した説明からわかるように、ワード線50のピッチをPwとし、ビット線60のピッチをPbとすると、Pw/Pb=2×31/2 である。すなわち、ワード線50のピッチPwがビット線60のピッチPbよりも大きい。
【0047】
以上のように、本実施形態では、半導体層31a及び半導体層31bが同一のワード線50を貫通しており、X方向から見て、半導体層31aと半導体層31bとがY方向で互いにずれて配置されている。このような構成により、ワード線50のピッチ及びワード線50の線幅を大きくすることができる。これにより、細線効果が生じるといった問題や、ワード線間の電界強度が大きくなるといった問題を抑制することが可能である。したがって、本実施形態では、優れた半導体装置(縦型トランジスタを有するDRAM)を得ることが可能となる。
【0048】
図8は、本実施形態の変形例に係る半導体装置の構成を模式的に示したZ方向に対して垂直な断面図である。Z方向に対して平行な断面の基本的な構成は図6と同様であり、図6のA-A線に沿った断面が図8に対応する。
【0049】
本変形例では、ビット線60のピッチが上述した実施形態とは異なっている。図8図7と比較するとわかるように、本変形例(図8)の半導体層31のX方向のピッチは、上述した実施形態(図7)の半導体層31のX方向のピッチよりも大きくなっている。そのため、本変形例では、ワード線50のピッチをPwとし、ビット線60のピッチをPbとすると、Pw/Pb=2/31/2 である。すなわち、本変形例でもワード線50のピッチPwがビット線60のピッチPbよりも大きくなっている。
【0050】
本変形例でも、基本的な構成は上述した実施形態と同様であり、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0051】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。なお、基本的な事項は第1の実施形態と同様であり、第1の実施形態で説明した事項の説明は省略する。
【0052】
図9及び図10は、第3の実施形態に係る半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。図9はZ方向に対して平行な断面図であり、図10はZ方向に対して垂直な断面図である。図9のA-A線に沿った断面が図10(a)に対応し、図9のB-B線に沿った断面が図10(b)に対応している。
【0053】
図9及び図10に示すように、本実施形態では、第1の層L1に設けられた複数のワード線51(51a、51b)と、第1の層L1の上層側に位置する第2の層L2に設けられた複数のワード線52とが含まれている。各ワード線51及び各ワード線52は、X方向に延伸している。ワード線51とワード線52とは、互いに離間して配置されており、Y方向に交互に配置されている。ワード線51a及びワード線51bは、Y方向で互いに隣り合っている。
【0054】
半導体層31aは、ワード線51bは貫通せずに、ワード線51a及びワード線52を貫通してZ方向に延伸している。半導体層31bは、ワード線51aは貫通せずに、ワード線51b及びワード線52を貫通してZ方向に延伸している。ワード線51a及びワード線52を貫通する複数の半導体層31aは、X方向に直線状に配置されている。ワード線51b及びワード線52を貫通する複数の半導体層31bはX方向に直線状に配置されている。Y方向から見て、半導体層31aと半導体層31bとは、X方向で互いにずれて配置されている。なお、以下の説明では、半導体層31a及び半導体層31bを単に半導体層31と呼ぶ場合もある。
【0055】
Z方向から見て、任意の半導体層31を囲む6つの半導体層31は、該任意の半導体層31から等距離に配置されており、該任意の半導体層31を中心とする正六角形の頂点の位置に配置されている。
【0056】
ワード線51aと半導体層31aとの間にはゲート絶縁層32a1が設けられており、ワード線52と半導体層31aとの間にはゲート絶縁層32a2が設けられている。ゲート絶縁層32a1及び32a2は、連続的に設けられており、半導体層31aの側面を囲み、Z方向に延伸している。ワード線51bと半導体層31bとの間にはゲート絶縁層32b1が設けられており、ワード線52と半導体層31bとの間にはゲート絶縁層32b2が設けられている。ゲート絶縁層32b1及び32b2は、連続的に設けられており、半導体層31bの側面を囲み、Z方向に延伸している。
【0057】
ワード線51a、半導体層31a及びゲート絶縁層32a1によって縦型トランジスタが形成され、ワード線52、半導体層31a及びゲート絶縁層32a2によって縦型トランジスタが形成され、ワード線51b、半導体層31b及びゲート絶縁層32b1によって縦型トランジスタが形成され、ワード線52、半導体層31b及びゲート絶縁層32b2によって縦型トランジスタが形成される。
【0058】
各半導体層31aの一端(第1の端部)には、キャパシタ40aが電気的に接続されている。同様に、各半導体層31bの一端(第1の端部)には、キャパシタ40bが電気的に接続されている。
【0059】
半導体層31a及び半導体層31bの上方には、それぞれがY方向に延伸する複数のビット線60が設けられている。各ビット線60は、半導体層31aの他端(第2の端部)に電気的に接続され、且つ半導体層31bの他端(第2の端部)に電気的に接続されている。すなわち、各ビット線60は、隣り合った半導体層31a及び半導体層31bに電気的に共通に接続されている。
【0060】
上述したように、本実施形態では、各半導体層31は、2つのワード線51及び52を貫通している。したがって、各半導体層31に対して、直列接続された2つの縦型トランジスタが形成される。すなわち、本実施形態では、1つのメモリセルに直列接続された2つの縦型トランジスタが設けられており、直列接続された2つの縦型トランジスタにキャパシタが接続されている。
【0061】
したがって、本実施形態では、所望のメモリセルに含まれる直列接続された2つの縦型トランジスタの両方をオン状態に設定することで、所望のメモリセルに対して書き込み或いは読み出しを行うことが可能となる。縦型トランジスタがN型トランジスタである場合には、所望のメモリセルに含まれる2つの縦型トランジスタを構成する2つのワード線51及び52にハイ(high)電圧を印加することで、所望のメモリセルに対して書き込み或いは読み出しを行うことが可能となる。
【0062】
以上のように、本実施形態では、第1の層L1にワード線51(51a、51b)が設けられ、第2の層L2にワード線52が設けられている。そのため、第1の層L1と第2の層L2との距離をある程度とることにより、ワード線51とワード線52との距離を大きくすることができる。また、ワード線51及びワード線52それぞれの線幅を大きくすることができる。これにより、細線効果が生じるといった問題や、ワード線間の電界強度が大きくなるといった問題を抑制することが可能である。したがって、本実施形態では、優れた半導体装置を得ることが可能となる。
【0063】
図11は、本実施形態の第1の変形例に係る半導体装置の構成を模式的に示したZ方向に対して垂直な断面図である。Z方向に対して平行な断面は図9と同様であり、図9のA-A線に沿った断面が図11(a)に対応し、図9のB-B線に沿った断面が図11(b)に対応している。
【0064】
本変形例では、ビット線の構成が上述した実施形態と異なっている。本変形例では、ビット線60aは半導体層31aの第2の端部に電気的に接続され、ビット線60bは半導体層31bの第2の端部に電気的に接続されている。一方、ビット線60aと半導体層31bの第2の端部、ビット線60bと半導体層31aの第2の端部は接続されない。すなわち、本変形例では、上述した実施形態とは異なり、ビット線60aは半導体層31a及び半導体層31bに電気的に共通に接続されておらず、ビット線60bは半導体層31a及び半導体層31bに電気的に共通に接続されていない。ここで、ビット線60a及びビット線60bに接続されるキャパシタをアクセスするために駆動するワード線の組み合わせが異なるために、ビット線60aとビット線60bは同時には活性化されない。そのため、ビット線60aとビット線60bのうち一方の動作時に、他方を参照信号として使用することが可能である。
【0065】
本変形例でも、基本的な構成は上述した実施形態と同様であり、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0066】
図12は、本実施形態の第2の変形例に係る半導体装置の構成を模式的に示したZ方向に対して垂直な断面図である。Z方向に対して平行な基本的な断面は図9と同様であり、図9のA-A線に沿った断面が図12(a)に対応し、図9のB-B線に沿った断面が図12(b)に対応している。
【0067】
本変形例でも、ビット線の構成が上述した実施形態と異なっており、ビット線60aは半導体層31aの第2の端部に電気的に接続され、ビット線60bは半導体層31bの第2の端部に電気的に接続されている。一方、ビット線60aと半導体層31bの第2の端部、ビット線60bと半導体層31aの第2の端部は接続されない。すなわち、本変形例でも、ビット線60aは半導体層31a及び半導体層31bに電気的に共通に接続されておらず、ビット線60bは半導体層31a及び半導体層31bに電気的に共通に接続されていない。
【0068】
また、本変形例では、ビット線60のピッチが第1の変形例と異なっている。第1の変形例では、ワード線51のピッチ及びワード線52のピッチをPwとし、ビット線60のピッチをPbとすると、Pw/Pb=2×31/2 である。これに対して、本変形例では、Pw/Pb=2/31/2 となっている。
【0069】
本変形例でも、基本的な構成は上述した実施形態と同様であり、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0070】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。なお、基本的な事項は第1の実施形態と同様であり、第1の実施形態で説明した事項の説明は省略する。
【0071】
図13A図13Mは、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を模式的に示した図である。具体的には、図13A図13Mは、縦型トランジスタに含まれる半導体層の中心線(Z方向に延伸する中心線)を通るXZ平面(Y方向に垂直な平面)及びYZ平面(X方向に垂直な平面)で半導体装置を切断したときの構造を模式的に示した斜視図である。
【0072】
まず、図13Aに示す構造を形成する。具体的には、キャパシタ(図示せず)等を含む下部構造(図示せず)上に、層間絶縁層111、導電層112及び犠牲層113を含む構造を形成する。導電層112はキャパシタに電気的に接続されている。
【0073】
次に、図13Bに示すように、層間絶縁層111及び犠牲層113をエッチングして、導電層112に達するホール114を形成する。
【0074】
次に、図13Cに示すように、ホール114内及び層間絶縁層111上に、電極層115、半導体層116及びコア絶縁層117を形成する。電極層115は酸化物導電体で形成され、半導体層116はインジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)及び酸素(O)を含有するIGZO等の酸化物半導体で形成される。
【0075】
次に、図13Dに示すように、層間絶縁層111をエッチングしてZ方向に延伸する溝(スリット)を形成し、さらに犠牲層113を除去する。これにより、空洞118が形成される。
【0076】
次に、図13Eに示すように、空洞118を拡張する。なお、この工程は省略してもよい。すなわち、空洞118は必ずしも拡張しなくてもよい。
【0077】
次に、図13Fに示すように、電極層115の露出部分をエッチングすることで、縦型トランジスタの下部電極115a及び上部電極115bが形成される。このエッチング工程で電極層115をオーバーエッチングすることで、溝119a及び119bが形成される。
【0078】
次に、図13Gに示すように、図13Fの工程で得られた構造の露出表面に、ゲート絶縁層120としてシリコン酸化物層を形成する。ゲート絶縁層120は溝119a及び119bの内部にも形成されてもよい。
【0079】
次に、図13Hに示すように、ゲート絶縁層120の表面にゲート電極層121としてタングステン(W)層をCVDによって形成する。これにより、空洞118がゲート電極層121で埋められる。
【0080】
次に、図13Iに示すように、コア絶縁層117、ゲート絶縁層120及びゲート電極層121をエッチングして、半導体層116を露出させる。
【0081】
次に、図13Jに示すように、半導体層116及びコア絶縁層117をリセスして、半導体層116及びコア絶縁層117の上面の位置を上部電極115bの上面の位置よりも低くする。
【0082】
次に、図13Kに示すように、図13Jの工程で得られた構造上に、酸化物導電体を含むキャップ電極層115cを形成する。なお、この工程は省略してもよい。
【0083】
次に、図13Lに示すように、図13Kの工程で得られた構造上に、導電層122を形成する。
【0084】
次に、図13Mに示すように、導電層122に対して平坦化処理を行う。これにより、上部電極115b及びキャップ電極層115cに形成された凹部内に導電部分122aが形成される。
【0085】
なお、上述した図13Dの製造工程において、犠牲層113をエッチングする際に、電極層115及び半導体層116もエッチングされるおそれがある。そのような場合には、図14A図14Fに示すような製造工程を適用してもよい。
【0086】
図14Aの工程は、図13Bの工程に対応する。すなわち、層間絶縁層111及び犠牲層113をエッチングして、導電層112に達するホール114aを形成する。
【0087】
次に、図14Bに示すように、犠牲層113をエッチングして空洞130を形成する。
【0088】
次に、図14Cに示すように、レジスト層131をホール114a及び空洞130内に形成する。
【0089】
次に、図14Dに示すように、層間絶縁層111をマスクとして用いてRIEによってレジスト層131をエッチングして、ホール114bを形成する。
【0090】
次に、図14Eに示すように、ホール114b内に、電極層115、半導体層116及びコア絶縁層117を形成する。
【0091】
次に、図14Fに示すように、有機溶剤を用いてレジスト層131を除去する。有機溶剤を用いることで、レジスト層131のみがエッチングされ、電極層115、半導体層116及びコア絶縁層117はエッチングされずに残る。
【0092】
以上のようにして、図13Dに示すような構造を得ることが可能である。
【0093】
図15は、図13A図13Mに示した製造方法によって得られた半導体装置の構成を模式的に示した断面図である。
【0094】
図15及び図13Mに示すように、キャパシタ(図示せず)等を含む下部構造(図示せず)上に、下部電極115a、上部電極115b、半導体層116、コア絶縁層117、ゲート絶縁層120及びゲート電極121を含む縦型トランジスタが形成されている。上部電極115bには、図13A図13Mの製造方法で示したキャップ電極層115cが含まれていてもよい。図1に示した基本的構成と同様に、下部電極115aにはキャパシタ(図示せず)が電気的に接続され、上部電極115bにはビット線(図示せず)が電気的に接続されている。
【0095】
図1に示した基本的構成と同様に、ゲート電極121がワード線として機能し、ゲート電極(ワード線)121がX方向に延伸している。また、図1に示した基本的構成と同様に、ゲート電極(ワード線)121を半導体層116が貫通しており、ゲート電極(ワード線)121と半導体層116との間にゲート絶縁層120が設けられている。また、本実施形態では、ゲート電極(ワード線)121の表面(上面、下面及び側面)を囲むようにゲート絶縁層120が形成されている。
【0096】
また、本実施形態では、下部電極115aが、半導体層116の下面(第1及び第2の端面の一方)及び下面近傍の外側面を覆っている。すなわち、下部電極115aは、半導体層116の下面(第1及び第2の端面の一方)に接し、且つ半導体層116の下面近傍の外側面に接している。同様に、上部電極115bは、半導体層116の上面(第1及び第2の端面の他方)近傍の外側面を覆い、また、キャップ電極層115cを設ける場合は、この層115cが半導体層116の上面を覆っている。すなわち、キャップ電極層115cは、半導体層116の上面(第1及び第2の端面の他方)に接し、上部電極115bは、半導体層116の上面近傍の外側面に接している。本実施形態では、図13Cの工程で、半導体層116の側面に沿って予め電極層115が形成されるため、このような構造を得ることが可能である。
【0097】
本実施形態では、上述したような構造により、半導体層116と下部電極115aとの接触面積及び半導体層116と上部電極115bやキャップ電極層115cとの接触面積を大きくすることが可能である。そのため、半導体層116と下部電極115aとの接触抵抗及び半導体層116と上部電極115bやキャップ電極層115cとの接触抵抗を小さくすることができ、優れた特性を有する縦型トランジスタを得ることが可能である。
【0098】
また、本実施形態では、図13Cの工程で、半導体層116の側面に沿って電極層115が形成されるため、下部電極115aを半導体層116に対して自己整合的に形成することが可能であり、上部電極115bを半導体層116に対して自己整合的に形成することが可能である。そのため、下部電極115aと半導体層116並びに上部電極115bと半導体層116とを大きな接続面積で確実に接続することが可能である。
【0099】
また、本実施形態では、図13Gの工程で、ゲート絶縁層120が溝119a及び119bの内部にも形成される場合は、ゲート絶縁層120は半導体層116に沿ってZ方向に延伸する。ゲート絶縁層120が下部電極115aや上部電極115bと接する構造となる場合は、素子の絶縁性を向上することができる。また、ゲート絶縁層120が半導体層116を隙間なく覆うことにより、半導体層116の側面を保護することができる。
【0100】
また、本実施形態では、IGZO等の酸化物半導体で形成された半導体層116には、フッ素(F)が含有されている。すなわち、図13Hの工程でゲート電極層121としてタングステン(W)層をCVDで形成する際に、成膜ガス中にFが含有されているため、半導体層116にFが導入される。例えば、半導体層116中のFの含有率は5%程度である。このように、半導体層116中に少量のFが含有されていると、トランジスタのオン電流を低下させずに閾値変動を抑制することが可能である。したがって、優れた特性を有する縦型トランジスタを得ることが可能である。
【0101】
また、下部電極115a及び上部電極115bの材料は、亜鉛(Zn)及び酸素(O)を含有することが好ましい。すなわち、下部電極115a及び上部電極115bには、ZnOベースの透明電極材料を用いることが好ましい。例えば、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)及び酸素(O)を含有するAZOや、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)及び酸素(O)を含有するGZOを用いることが可能である。ZnOベースの電極材料は、半導体層116に用いるIGZOに比べて電子親和力が低いため、ショットキーバリアが電極側に存在する。したがって、下部電極115a及び上部電極115bの材料にZnOベースの電極材料を用いることで、オーミック特性が得られやすくなる。
【0102】
また、ZnOベースの電極材料は、IGZOに対して大きなエッチング選択比を得ることが可能である。そのため、図13Fの工程において、半導体層(IGZO層)116に対して高いエッチング選択比で電極層115をエッチングすることが可能である。また、より大きなエッチング選択比を得るために、半導体層116には、化学的により安定なITZO(InxSnyZnz1-x-y-z)やIGO(InxGay1-x-y)等を用いてもよい。
【0103】
図16は、本実施形態の変形例の構成を模式的に示した断面図である。
【0104】
本変形例では、第1の実施形態及び第3の実施形態と同様に、ゲート電極(ワード線)121が2層構造となっている。そのため、半導体層116が下層側のゲート電極(ワード線)121を貫通する構造を有する縦型トランジスタでは、下部電極115aの半導体層116の下面近傍の外側面を覆う部分のZ方向の長さが、上部電極115bの半導体層116の上面近傍の外側面を覆う部分のZ方向の長さよりも短くなっている。一方、半導体層116が上層側のゲート電極(ワード線)121を貫通する構造を有する縦型トランジスタでは、下部電極115aの半導体層116の下面近傍の外側面を覆う部分のZ方向の長さが、上部電極115bの半導体層116の上面近傍の外側面を覆う部分のZ方向の長さよりも長くなっている。この構成により、半導体層116が下層側のゲート電極121を貫通する構造を有する縦型トランジスタ及び半導体層116が上層側のゲート電極121を貫通する構造を有する縦型トランジスタのいずれにおいても、接触抵抗の改善を図ることができる。
【0105】
その他、本変形例でも、基本的な構成は上述した実施形態と同様であり、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
10…半導体基板 20…周辺回路トランジスタ
30…縦型トランジスタ
31a、31b…半導体層 32a、32b…ゲート絶縁層
40、40a、40b…キャパシタ
41、42、43…導電層 44…キャパシタ絶縁層
50、51、51a、51b、52…ワード線
60、60a、60b…ビット線
71、72、73…電極 80…プラグ
91、92、93、94…層間絶縁層
111…層間絶縁層 112…導電層 113…犠牲層
114、114a、114b…ホール
115…電極層
115a…下部電極 115b…上部電極 115c…キャップ電極層
116…半導体層 117…コア絶縁層 118…空洞
119a、119b…溝
130…空洞 131…レジスト層
L0、L1、L2…層
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