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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044017
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】緊急呼出システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/10 20060101AFI20240326BHJP
   G01S 1/68 20060101ALI20240326BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20240326BHJP
   H04B 17/27 20150101ALI20240326BHJP
【FI】
G08B25/10 A
G01S1/68
G01S5/02 Z
H04B17/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149312
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000210403
【氏名又は名称】竹中エンジニアリング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】瀬渡 政人
【テーマコード(参考)】
5C087
5J062
【Fターム(参考)】
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA12
5C087AA14
5C087AA16
5C087AA17
5C087AA19
5C087AA23
5C087BB20
5C087DD03
5C087DD24
5C087DD27
5C087DD29
5C087DD30
5C087EE11
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF16
5C087GG02
5C087GG17
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5J062AA07
5J062BB05
5J062CC14
5J062CC15
5J062CC18
(57)【要約】
【課題】機器の設置場所や設置方向の精度が高くなく容易に施工を行うことができ、緊急呼び出しのあった位置を判別することが可能な緊急呼出システムを実現する。
【解決手段】緊急呼出機とフロア内位置判別機と緊急呼出信号受信機とを備えた緊急呼出システムにおいて、フロア内位置判別機は天井に1台または複数台設置され、緊急呼出時、緊急呼出機は緊急呼出信号Bをフロア内位置判別機へ送信し、フロア内位置判別機は受信方向の表示を行うとともに緊急呼出信号Cを緊急呼出信号受信機へ送信し、緊急呼出信号受信機は緊急呼出機の個体識別情報とフロア内位置判別機の個体識別情報とを表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内において使用するための緊急呼出システムであって、
前記緊急呼出システムは、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えた緊急呼出機と、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えたフロア内位置判別機と、ワイヤレス受信部を備えた緊急呼出信号受信機とを備えており、
前記フロア内位置判別機は、天井に1台または複数台設置され、
前記緊急呼出機は、自身の個体識別情報を含んだフロア内位置判別信号を前記フロア内位置判別機へ一定周期で送信し、
前記フロア内位置判別機は、前記緊急呼出機が送信した前記フロア内位置判別信号を受信したとき、
受信した前記フロア内位置判別信号に含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と、前記フロア内位置判別信号の受信方向を一定時間記憶し、
緊急呼出時、
前記緊急呼出機は、自身の個体識別情報を含んだ緊急呼出信号Bを前記フロア内位置判別機へ送信し、
前記フロア内位置判別機は、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報が一定時間記憶している前記緊急呼出機の個体識別情報と一致した場合に、一致した前記緊急呼出機の個体識別情報に対応する一定時間記憶している前記緊急呼出機から送信されたフロア内位置判別信号の受信方向の表示を行うとともに、受信した前記緊急呼出信号Bを送信した前記緊急呼出機の個体識別情報と前記フロア内位置判別機自身の個体識別情報とを含んだ緊急呼出信号Cを前記緊急呼出信号受信機へ送信し、
前記緊急呼出信号受信機は、受信した前記緊急呼出信号Cに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と前記フロア内位置判別機の個体識別情報とを表示することを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項2】
建物内において使用するための緊急呼出システムであって、
前記緊急呼出システムは、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えた緊急呼出機と、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えた階層判別機と、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えたフロア内位置判別機と、ワイヤレス受信部を備えた緊急呼出信号受信機とを備えており、
前記階層判別機は、各階の天井に1台または複数台設置され、設置されている階層情報が記憶されており、
前記フロア内位置判別機は、各階の天井に1台または複数台設置され、設置されている階層情報が記憶されており、
前記緊急呼出機は、自身の個体識別情報を含んだ階層位置判別信号を前記階層判別機へ一定周期で送信し、自身の個体識別情報と存在階情報とを含んだフロア内位置判別信号を前記フロア内位置判別機へ一定周期で送信し、
前記階層判別機は、鉛直下方向に予め定めた角度の受信エリアαと前記受信エリアαに隣接して外側に存在する受信エリアβとを備え、
設置されている階の床面において、前記受信エリアαと前記受信エリアβとを合わせた範囲内に、1つ上に設置されている前記階層判別機の前記受信エリアαの全部が含まれるように設置され、
前記受信エリアαまたは前記受信エリアβから前記緊急呼出機が送信した前記階層位置判別信号を受信したとき、受信した前記階層位置判別信号に含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と、受信したエリア情報と、前記階層判別機自身の設置されている階層情報とを含んだ信号Aを前記緊急呼出機へ送信し、
前記緊急呼出機は、前記階層位置判別信号の送信完了後から予め定めた時間までの間に、自身の個体識別情報を含んだ前記階層判別機が送信した前記信号Aを1つもしくは複数受信した場合、
受信した前記信号Aの中の前記階層判別機自身の設置されている階層情報が最も下の階層である信号ALに含まれるエリア情報が受信エリアαのとき、前記信号ALに含まれる前記階層判別機自身の設置されている階層情報を自身の存在する階であると前記存在階情報を更新し、
受信した前記信号Aの中の前記階層判別機自身の設置されている階層情報が最も下の階層である信号ALに含まれるエリア情報が受信エリアβのとき、前記存在階情報を更新せず保持し、
前記フロア内位置判別機は、前記緊急呼出機が送信した前記フロア内位置判別信号を受信したとき、
前記フロア内位置判別信号に含まれる前記存在階情報が前記フロア内位置判別機自身の設置されている階層情報と一致した場合、受信した前記フロア内位置判別信号に含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と、前記フロア内位置判別信号の受信方向を一定時間記憶し、
緊急呼出時、
前記緊急呼出機は、自身の個体識別情報と前記存在階情報とを含んだ緊急呼出信号Bを前記フロア内位置判別機へ送信し、
前記フロア内位置判別機は、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報が一定時間記憶している前記緊急呼出機の個体識別情報と一致した場合に、一致した前記緊急呼出機の個体識別情報に対応する一定時間記憶している前記緊急呼出機から送信されたフロア内位置判別信号の受信方向の表示を行うとともに、受信した前記緊急呼出信号Bを送信した前記緊急呼出機の個体識別情報と前記フロア内位置判別機自身の個体識別情報とを含んだ緊急呼出信号Cを前記緊急呼出信号受信機へ送信し、
前記緊急呼出信号受信機は、受信した前記緊急呼出信号Cに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と前記フロア内位置判別機の個体識別情報とを表示することを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項3】
請求項2に記載の緊急呼出システムにおいて、
緊急呼出時、
前記緊急呼出機は、自身の個体識別情報と前記存在階情報とを含んだ緊急呼出信号Bを前記階層判別機へ送信し、
前記階層判別機は、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記存在階情報が前記階層判別機自身の設置されている階層情報と一致した場合に、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と前記階層判別機自身の個体識別情報とを含んだ緊急呼出信号Dを前記緊急呼出信号受信機へ送信し、
前記緊急呼出信号受信機は、受信した前記緊急呼出信号Dに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と前記階層判別機の個体識別情報とを表示することを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の緊急呼出システムにおいて、
緊急呼出時に使用する信号は、周波数が1GHz未満の電波であり、
緊急呼出時に使用する信号以外の信号は、周波数が1GHz以上の電波であることを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項5】
請求項4に記載の緊急呼出システムにおいて、
前記フロア内位置判別機は、水平360度に連なる複数の光源を備え、電波の受信方向に対応する方向の光源を点灯または点滅させることにより、受信方向の表示を行うことを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項6】
請求項1に記載の緊急呼出システムにおいて、
前記フロア内位置判別機は、前記緊急呼出機が送信した前記フロア内位置判別信号を受信したとき、
受信した前記緊急呼出機との距離を一定時間記憶し、
緊急呼出時、
前記フロア内位置判別機は、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報が、一定時間記憶している個体識別情報と一致した場合に、一致した前記緊急呼出機の個体識別情報に対応する一定時間記憶している前記緊急呼出機との距離の表示を行うことを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項7】
請求項6に記載の緊急呼出システムにおいて、
前記フロア内位置判別機は、水平360度に連なる複数の光源を備え、電波の受信方向に対応する方向の光源を点灯または点滅させることにより、受信方向の表示を行うことを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項8】
請求項7に記載の緊急呼出システムにおいて、
緊急呼出時、
前記フロア内位置判別機は、前記光源の点滅の周期の違いまたは明暗またはその両方により、前記緊急呼出機との距離の表示を行うことを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項9】
請求項2に記載の緊急呼出システムにおいて、
前記フロア内位置判別機は、前記緊急呼出機が送信した前記フロア内位置判別信号を受信したとき、
前記フロア内位置判別信号に含まれる前記存在階情報が前記フロア内位置判別機自身の設置されている階層情報と一致した場合、受信した前記緊急呼出機との距離を一定時間記憶し、
緊急呼出時、
前記フロア内位置判別機は、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報が、一定時間記憶している個体識別情報と一致した場合に、一致した前記緊急呼出機の個体識別情報に対応する一定時間記憶している前記緊急呼出機との距離の表示を行うことを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項10】
請求項9に記載の緊急呼出システムにおいて、
緊急呼出時、
前記緊急呼出機は、自身の個体識別情報と前記存在階情報とを含んだ緊急呼出信号Bを前記階層判別機へ送信し、
前記階層判別機は、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記存在階情報が、前記階層判別機自身の設置されている階層情報と一致した場合に、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と前記階層判別機自身の個体識別情報とを含んだ緊急呼出信号Dを前記緊急呼出信号受信機へ送信し、
前記緊急呼出信号受信機は、受信した前記緊急呼出信号Dに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と前記階層判別機の個体識別情報とを表示することを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項11】
請求項9または10に記載の緊急呼出システムにおいて、
緊急呼出時に使用する信号は、周波数が1GHz未満の電波であり、
緊急呼出時に使用する信号以外の信号は、周波数が1GHz以上の電波であることを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項12】
請求項11に記載の緊急呼出システムにおいて、
前記フロア内位置判別機は、水平360度に連なる複数の光源を備え、電波の受信方向に対応する方向の光源を点灯または点滅させることにより、受信方向の表示を行うことを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項13】
請求項12に記載の緊急呼出システムにおいて、
緊急呼出時、
前記フロア内位置判別機は、前記光源の点滅の周期の違いまたは明暗またはその両方により、前記緊急呼出機との距離の表示を行うことを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項14】
請求項13に記載の緊急呼出システムにおいて、
前記フロア内位置判別機は、受信した前記フロア内位置判別信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)の値により前記緊急呼出機との距離を判断することを特徴とする
緊急呼出システム。
【請求項15】
請求項13に記載の緊急呼出システムにおいて、
前記フロア内位置判別機は、ToA(Time of Arrival)により前記緊急呼出機との距離を測定することを特徴とする
緊急呼出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急呼出システムであり、特に屋内において緊急呼び出しをされた位置を認識することができるワイヤレス通信を用いた緊急呼出システムである。
【背景技術】
【0002】
従来、緊急呼出システムは、送信端末として携帯型ワイヤレス送信機が使用され、送信機に備えられた押しボタンスイッチの操作や転倒検知センサーの検知に応じ所定の信号を電波で送信し、別の場所に設置された受信機で受信することによって、緊急呼び出しを行うシステムがある(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
また、位置検出に用いる測位として、屋外では、無線のGPS(Global Positioning System)等のGNSS(Global Navigation Satellite System)によるものが高精度で一般的である。しかし、屋内では、GNSSの電波が届きにくいため、無線による測位はBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等のワイヤレス通信機器から送信される電波を受信してその受信信号強度(RSSI、Received Signal Strength Indicator)から距離を推定する方法や、UWB(Ultra Wide Band)等を用いて電波を送信してから受信するまでの時間(ToA、Time of Arrival)から距離を計算して位置を推定する方法があり、2次元の平面もしくは3次元の空間として、より正確に位置を推定しようとすると複数台の受信端末を設置して三角測量のように位置を算出する方法や、他には、BLEやUWB等のワイヤレス通信機器から送信される電波を複数のアンテナで受信して到来角度(AoA、Angle of Arrival)で位置を推定する方法、IMES(Indoor MEssaging System)等が一般的に用いられる。算出した位置情報は、予め作成した見取図等の地図データ上に表示し、視覚的に確認できるようになっている。
【0004】
緊急呼出システムは、ショッピングモールの店員と事務室との間、病院の患者と看護師詰所との間、老人福祉施設の利用者とスタッフステーションとの間、高齢者住宅の居住者と管理室との間、工場の作業員と管理事務所との間等を結ぶシステムとして多用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-205374号公報
【特許文献2】特開2012-98928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
緊急呼出システムにおいて、位置情報を地図データ上に表示するには、地図の準備と地図上で位置を判別する機器の場所を設定する必要があった。また、位置を判別する機器の場所や方向等を正確に設置する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するため、建物内において使用するための緊急呼出システムであって、前記緊急呼出システムは、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えた緊急呼出機と、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えたフロア内位置判別機と、ワイヤレス受信部を備えた緊急呼出信号受信機とを備えており、前記フロア内位置判別機は、天井に1台または複数台設置され、前記緊急呼出機は、自身の個体識別情報を含んだフロア内位置判別信号を前記フロア内位置判別機へ一定周期で送信し、前記フロア内位置判別機は、前記緊急呼出機が送信した前記フロア内位置判別信号を受信したとき、受信した前記フロア内位置判別信号に含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と、前記フロア内位置判別信号の受信方向を一定時間記憶し、緊急呼出時、前記緊急呼出機は、自身の個体識別情報を含んだ緊急呼出信号Bを前記フロア内位置判別機へ送信し、前記フロア内位置判別機は、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報が一定時間記憶している前記緊急呼出機の個体識別情報と一致した場合に、一致した前記緊急呼出機の個体識別情報に対応する一定時間記憶している前記緊急呼出機から送信されたフロア内位置判別信号の受信方向の表示を行うとともに、受信した前記緊急呼出信号Bを送信した前記緊急呼出機の個体識別情報と前記フロア内位置判別機自身の個体識別情報とを含んだ緊急呼出信号Cを前記緊急呼出信号受信機へ送信し、前記緊急呼出信号受信機は、受信した前記緊急呼出信号Cに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と前記フロア内位置判別機の個体識別情報とを表示する。
【0008】
(2)また、建物内において使用するための緊急呼出システムであって、前記緊急呼出システムは、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えた緊急呼出機と、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えた階層判別機と、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えたフロア内位置判別機と、ワイヤレス受信部を備えた緊急呼出信号受信機とを備えており、前記階層判別機は、各階の天井に1台または複数台設置され、設置されている階層情報が記憶されており、前記フロア内位置判別機は、各階の天井に1台または複数台設置され、設置されている階層情報が記憶されており、前記緊急呼出機は、自身の個体識別情報を含んだ階層位置判別信号を前記階層判別機へ一定周期で送信し、自身の個体識別情報と存在階情報とを含んだフロア内位置判別信号を前記フロア内位置判別機へ一定周期で送信し、前記階層判別機は、鉛直下方向に予め定めた角度の受信エリアαと前記受信エリアαに隣接して外側に存在する受信エリアβとを備え、設置されている階の床面において、前記受信エリアαと前記受信エリアβとを合わせた範囲内に、1つ上に設置されている前記階層判別機の前記受信エリアαの全部が含まれるように設置され、前記受信エリアαまたは前記受信エリアβから前記緊急呼出機が送信した前記階層位置判別信号を受信したとき、受信した前記階層位置判別信号に含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と、受信したエリア情報と、前記階層判別機自身の設置されている階層情報とを含んだ信号Aを前記緊急呼出機へ送信し、前記緊急呼出機は、前記階層位置判別信号の送信完了後から予め定めた時間までの間に、自身の個体識別情報を含んだ前記階層判別機が送信した前記信号Aを1つもしくは複数受信した場合、受信した前記信号Aの中の前記階層判別機自身の設置されている階層情報が最も下の階層である信号ALに含まれるエリア情報が受信エリアαのとき、前記信号ALに含まれる前記階層判別機自身の設置されている階層情報を自身の存在する階であると前記存在階情報を更新し、受信した前記信号Aの中の前記階層判別機自身の設置されている階層情報が最も下の階層である信号ALに含まれるエリア情報が受信エリアβのとき、前記存在階情報を更新せず保持し、前記フロア内位置判別機は、前記緊急呼出機が送信した前記フロア内位置判別信号を受信したとき、前記フロア内位置判別信号に含まれる前記存在階情報が前記フロア内位置判別機自身の設置されている階層情報と一致した場合、受信した前記フロア内位置判別信号に含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と、前記フロア内位置判別信号の受信方向を一定時間記憶し、緊急呼出時、前記緊急呼出機は、自身の個体識別情報と前記存在階情報とを含んだ緊急呼出信号Bを前記フロア内位置判別機へ送信し、前記フロア内位置判別機は、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報が一定時間記憶している前記緊急呼出機の個体識別情報と一致した場合に、一致した前記緊急呼出機の個体識別情報に対応する一定時間記憶している前記緊急呼出機から送信されたフロア内位置判別信号の受信方向の表示を行うとともに、受信した前記緊急呼出信号Bを送信した前記緊急呼出機の個体識別情報と前記フロア内位置判別機自身の個体識別情報とを含んだ緊急呼出信号Cを前記緊急呼出信号受信機へ送信し、前記緊急呼出信号受信機は、受信した前記緊急呼出信号Cに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と前記フロア内位置判別機の個体識別情報とを表示することが好ましい。
【0009】
(3)(2)に記載の緊急呼出システムにおいて、緊急呼出時、前記緊急呼出機は、自身の個体識別情報と前記存在階情報とを含んだ緊急呼出信号Bを前記階層判別機へ送信し、前記階層判別機は、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記存在階情報が前記階層判別機自身の設置されている階層情報と一致した場合に、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と前記階層判別機自身の個体識別情報とを含んだ緊急呼出信号Dを前記緊急呼出信号受信機へ送信し、前記緊急呼出信号受信機は、受信した前記緊急呼出信号Dに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と前記階層判別機の個体識別情報とを表示することが好ましい。
【0010】
(4)(1)から(3)のいずれかに記載の緊急呼出システムにおいて、緊急呼出時に使用する信号は、周波数が1GHz未満の電波であり、緊急呼出時に使用する信号以外の信号は、周波数が1GHz以上の電波であることが好ましい。
【0011】
(5)(4)に記載の緊急呼出システムにおいて、前記フロア内位置判別機は、水平360度に連なる複数の光源を備え、電波の受信方向に対応する方向の光源を点灯または点滅させることにより、受信方向の表示を行うことが好ましい。
【0012】
(6)(1)に記載の緊急呼出システムにおいて、前記フロア内位置判別機は、前記緊急呼出機が送信した前記フロア内位置判別信号を受信したとき、受信した前記緊急呼出機との距離を一定時間記憶し、緊急呼出時、前記フロア内位置判別機は、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報が、一定時間記憶している個体識別情報と一致した場合に、一致した前記緊急呼出機の個体識別情報に対応する一定時間記憶している前記緊急呼出機との距離の表示を行うことが好ましい。
【0013】
(7)(6)に記載の緊急呼出システムにおいて、前記フロア内位置判別機は、水平360度に連なる複数の光源を備え、電波の受信方向に対応する方向の光源を点灯または点滅させることにより、受信方向の表示を行うことが好ましい。
【0014】
(8)(7)に記載の緊急呼出システムにおいて、緊急呼出時、前記フロア内位置判別機は、前記光源の点滅の周期の違いまたは明暗またはその両方により、前記緊急呼出機との距離の表示を行うことが好ましい。
【0015】
(9)(2)に記載の緊急呼出システムにおいて、前記フロア内位置判別機は、前記緊急呼出機が送信した前記フロア内位置判別信号を受信したとき、前記フロア内位置判別信号に含まれる前記存在階情報が前記フロア内位置判別機自身の設置されている階層情報と一致した場合、受信した前記緊急呼出機との距離を一定時間記憶し、緊急呼出時、前記フロア内位置判別機は、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報が、一定時間記憶している個体識別情報と一致した場合に、一致した前記緊急呼出機の個体識別情報に対応する一定時間記憶している前記緊急呼出機との距離の表示を行うことが好ましい。
【0016】
(10)(9)に記載の緊急呼出システムにおいて、緊急呼出時、前記緊急呼出機は、自身の個体識別情報と前記存在階情報とを含んだ緊急呼出信号Bを前記階層判別機へ送信し、前記階層判別機は、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記存在階情報が、前記階層判別機自身の設置されている階層情報と一致した場合に、受信した前記緊急呼出信号Bに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と前記階層判別機自身の個体識別情報とを含んだ緊急呼出信号Dを前記緊急呼出信号受信機へ送信し、前記緊急呼出信号受信機は、受信した前記緊急呼出信号Dに含まれる前記緊急呼出機の個体識別情報と前記階層判別機の個体識別情報とを表示することが好ましい。
【0017】
(11)(9)または(10)に記載の緊急呼出システムにおいて、緊急呼出時に使用する信号は、周波数が1GHz未満の電波であり、緊急呼出時に使用する信号以外の信号は、周波数が1GHz以上の電波であることが好ましい。
【0018】
(12)(11)に記載の緊急呼出システムにおいて、前記フロア内位置判別機は、水平360度に連なる複数の光源を備え、電波の受信方向に対応する方向の光源を点灯または点滅させることにより、受信方向の表示を行うことが好ましい。
【0019】
(13)(12)に記載の緊急呼出システムにおいて、緊急呼出時、前記フロア内位置判別機は、前記光源の点滅の周期の違いまたは明暗またはその両方により、前記緊急呼出機との距離の表示を行うことが好ましい。
【0020】
(14)(13)に記載の緊急呼出システムにおいて、前記フロア内位置判別機は、受信した前記フロア内位置判別信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)の値により前記緊急呼出機との距離を判断することが好ましい。
【0021】
(15)(13)に記載の緊急呼出システムにおいて、前記フロア内位置判別機は、ToA(Time of Arrival)により前記緊急呼出機との距離を測定することが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、地図データを必要とせず、フロア内位置判別機の受信方向の表示を確認することで緊急呼び出しのあった位置を判別することが可能となる。また、機器の設置場所や設置方向の精度が高くなくてもよく、容易に施工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態におけるある階の階層判別機とフロア内位置判別機の設置例を示した図である。
図2】本発明の実施形態の階層判別機付近を示した図である。
図3】本発明の実施形態の緊急呼出機が存在階情報を更新するときの1例を示した図である。
図4】本発明の実施形態の緊急呼出機が存在階情報を更新しないときの1例を示した図である。
図5】本発明の実施形態の通常時を示した図である。
図6】本発明の実施形態の緊急呼出時を示した図である。
図7】本発明の実施形態のフロア内位置判別機の一例を示した図である。
図8】本発明の実施形態のフロア内位置判別機の一例を示した図である。
図9】本発明の別の実施形態の階層判別機付近を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。
【0025】
本発明の緊急呼出システムは、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えた緊急呼出機と、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えた階層判別機と、ワイヤレス送信部とワイヤレス受信部とを備えたフロア内位置判別機と、ワイヤレス受信部を備えた緊急呼出信号受信機とを備えており、建物内において使用される。
【0026】
緊急呼出機は、建物内にいる人が携帯し、階層判別機とフロア内位置判別機は、各階の天井に設置され、緊急呼出信号受信機は、建物内の管理事務所等に設置される。
【0027】
図1は、本発明の実施形態におけるある階の階層判別機とフロア内位置判別機の設置例を示した図で、上から見た図である。
階層判別機は、建物内の人が通ると考えられる各階の出入り口等に設置されるもので、図1では階段2からフロア1への出入り口付近に階層判別機10aが設置され、エレベーター3からフロア1への出入り口付近に階層判別機10bが設置されている。また、フロア内位置判別機21~26がフロア1内に設置されている。
【0028】
図2は、本発明の実施形態の階層判別機付近を示した図であり、3階建ての建物の水平方向からの概略断面図である。
1階フロアの天井に階層判別機11が設置され、2階フロアの天井に階層判別機12が設置され、3階フロアの天井に階層判別機13が設置され、階層判別機11、12、13は、それぞれ、鉛直下方向に予め定めた角度の受信エリアα1、α2、α3と前記受信エリアα1、α2、α3に隣接して外側に存在する受信エリアβ1、β2、β3を備え、設置されている階の床面において、自身の受信エリアαと自身の受信エリアβとを合わせた範囲内に、1つ上に設置されている階層判別機の受信エリアαの全部が含まれるように設置されている。図2では、階層判別機それぞれが設置されている階より下に存在する受信エリアβを省略している。
【0029】
図3図4を用いて、緊急呼出機に記憶される存在階情報の更新に関して説明する。図3は、緊急呼出機が存在階情報を更新するときの1例を示した図であり、図2において、建物内にいる人が携帯している緊急呼出機30が2階フロアに設置されている階層判別機12の受信エリアα2内に存在している状態となっている。図4は、緊急呼出機が存在階情報を更新しないときの1例を示した図であり、図2において、建物内にいる人が携帯している緊急呼出機30が2階フロアに設置されている階層判別機12の受信エリアβ2内と3階フロアに設置されている階層判別機13の受信エリアα3内に存在している状態となっている。
【0030】
緊急呼出機は、シリアルナンバー等の自身の個体識別情報と存在階情報が記憶されており、通常時、自身の個体識別情報と存在階情報とを含んだ位置判別信号を階層判別機とフロア内位置判別機とへ一定周期で送信している。また、緊急呼出機は、位置判別信号の送信完了後から予め定めた時間は受信状態となり、その受信状態において、自身の個体識別情報を含んだ後述の信号Aを受信した場合、存在階情報に関する処理を行う。
【0031】
階層判別機は、シリアルナンバー等の自身の個体識別情報と自身の設置されている階層情報とが記憶されており、通常時、受信エリアαまたは受信エリアβから緊急呼出機が送信した位置判別信号を受信したとき、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機の個体識別情報と、受信したエリア情報と、階層判別機自身の設置されている階層情報とを含んだ信号Aを緊急呼出機へ送信する。
【0032】
階層判別機は、複数のアンテナを備えたワイヤレスモジュールを備えており、到来角度(AoA、Angle of Arrival)を測定し、どの受信エリアからの位置判別信号かを判別している。
【0033】
位置判別信号と信号Aの送受信には、2.4GHz帯の周波数であるBLE(Bluetooth Low Energy)の電波を使用している。2.4GHz帯と高い周波数帯の電波を使用することで、信号の送信時間を短くできるとともに低消費電流化が実現できる。緊急呼出機は人が携帯するため電池駆動にするのが一般的であり、一定周期で常時送受信を行っていても長電池寿命化が実現できる。
【0034】
図3において、緊急呼出機30が送信した位置判別信号は、階層判別機11~13で受信される。階層判別機11は、受信エリアα1と受信エリアβ1の外からの位置判別信号であると判断し、送信動作を行わない。階層判別機12は、受信エリアα2からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機30の個体識別情報と、受信エリアα2であるという受信エリア情報と、階層判別機12自身の設置されている階が2階であるという階層情報とを含んだ信号A2を緊急呼出機へ送信する。階層判別機13は、受信エリアα3からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機30の個体識別情報と、受信エリアα3であるという受信エリア情報と、階層判別機13自身の設置されている階が3階であるという階層情報とを含んだ信号A3を緊急呼出機へ送信する。
【0035】
緊急呼出機30は、位置判別信号の送信完了後の受信状態において、自身の個体識別情報を含んだ信号A2と信号A3とを受信し、受信した信号Aの中の階層判別機自身の設置されている階層情報が最も下の階層である信号A2(特許請求の範囲の信号ALに該当)に含まれるエリア情報が受信エリアα2であるため、受信した信号A2(特許請求の範囲の信号ALに該当)に含まれる階層判別機12自身の設置されている2階であるという階層情報を採用し、存在階情報を2階に更新する。
【0036】
図4において、緊急呼出機30が送信した位置判別信号は、階層判別機11~13で受信される。階層判別機11は、受信エリアα1と受信エリアβ1の外からの位置判別信号であると判断し、送信動作を行わない。階層判別機12は、受信エリアβ2からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機30の個体識別情報と、受信エリアβ2であるという受信エリア情報と、階層判別機12自身の設置されている階が2階であるという階層情報とを含んだ信号A2を送信する。階層判別機13は、受信エリアα3からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機30の個体識別情報と、受信エリアα3であるという受信エリア情報と、階層判別機13自身の設置されている階が3階であるという階層情報とを含んだ信号A3を送信する。
【0037】
緊急呼出機30は、位置判別信号の送信完了後の受信状態において、自身の個体識別情報を含んだ信号A2と信号A3とを受信し、受信した信号Aの中の階層判別機自身の設置されている階層情報が最も下の階層である信号A2(特許請求の範囲の信号ALに該当)に含まれるエリア情報が受信エリアβ2であるため、存在階情報を更新せず保持する。
【0038】
受信エリアαのみを使用した場合では、図4の位置に緊急呼出機30が存在するとき、緊急呼出機30は2階に存在するにもかかわらず、3階に設置されている階層判別機13からの信号A3に含まれる3階であるという階層情報により存在階情報を3階に更新してしまうことになるが、上述の実施形態のように受信エリアαと受信エリアβとして範囲の異なる2つの受信エリアを使用することで、緊急呼出機の存在階情報を正確に更新することができる。
【0039】
図5図6を用いて、緊急呼出機がフロアに入る際にそのフロアの該当階に存在階情報を更新された後に関する本発明の緊急呼出システムの動作について、フロア1が2階のフロアであるとして説明する。図5は、本発明の実施形態の通常時を示した図であり、図1において、建物内にいる人が携帯している緊急呼出機30がフロア1内に存在している状態となっている。図6は、本発明の実施形態の緊急呼出時を示した図であり、図5において、緊急呼出機30から緊急呼出信号Bを送信したときの状態である。
【0040】
まず、通常時について説明する。
フロア内位置判別機は、シリアルナンバー等の自身の個体識別情報と自身の設置されている階層情報とが記憶されており、通常時、緊急呼出機が送信した位置判別信号を受信したとき、位置判別信号に含まれる存在階情報がフロア内位置判別機自身の設置されている階層情報と一致した場合、フロア内位置判別機自身の個体識別情報と、フロア内位置判別機自身と緊急呼出機との距離とを緊急呼出機に送信するとともに、受信した緊急呼出機の個体識別情報と、緊急呼出機からの受信方向と、緊急呼出機との距離とを一定時間記憶し、一定時間経過後は緊急呼出機が付近に存在しないものとみなし記憶を削除する。位置判別信号に含まれる存在階情報がフロア内位置判別機自身の設置されている階層情報と異なる場合は上述の記憶処理を行わない。
【0041】
フロア内位置判別機は、複数のアンテナを備えたワイヤレスモジュールを備えており、到来角度(AoA、Angle of Arrival)を測定し、位置判別信号の受信方向を判別している。また、受信した位置判別信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)の値により、緊急呼出機との距離を、大きい場合は近い距離、小さい場合は遠い距離と判断している。
【0042】
位置判別信号の送受信には、2.4GHz帯の周波数であるBLE(Bluetooth Low Energy)の電波を使用している。2.4GHz帯と高い周波数帯の電波を使用することで、信号の送信時間を短くできるとともに低消費電流化が実現できる。緊急呼出機は人が携帯するため電池駆動にするのが一般的であり、一定周期で常時送受信を行っていても長電池寿命化が実現できる。
【0043】
図5において、緊急呼出装置30の存在階情報は、携帯している人がフロア1内に入る際に、上述の階段2の出入り口付近に設置されている階層判別機10a、またはエレベーターの出入り口付近に設置されている階層判別機10bとの信号のやり取りにより、存在階情報が2階になっている。
【0044】
緊急呼出機30が送信した位置判別信号は、フロア内位置判別機21~24で受信されるが、フロア内位置判別機25と26では緊急呼出機30からの距離が遠いため受信されない。
【0045】
位置判別信号を受信したフロア内位置判別機21~24は、位置判別信号に含まれる存在階情報が2階であり、フロア内位置判別機21~24自身の設置されている階層情報と一致するため、フロア内位置判別機21~24自身のそれぞれの個体識別情報と、フロア内位置判別機21~24自身と緊急呼出機30とのそれぞれの距離とを緊急呼出機30に送信するとともに、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機30の個体識別情報と、緊急呼出機30から送信された位置判別信号の受信方向と、緊急呼出機30との距離とを一定時間記憶する。
【0046】
また、位置判別信号は、図示していない他の階に設置されているフロア内位置判別機でも受信される可能性がある。この場合、位置判別信号を受信した他の階に設置されているフロア内位置判別機は、位置判別信号に含まれる存在階情報が2階であり、他の階に設置されているフロア内位置判別機自身の設置されている階層情報と異なるため、位置判別信号に対する処理を行わない。
【0047】
次に緊急呼出時について説明する。
緊急呼出機は、備えている非常押しボタンを押下することや備えている傾斜センサー等の転倒検知センサーの検知により、自身の個体識別情報と存在階情報とを含んだ緊急呼出信号Bを階層判別機とフロア内位置判別機へ送信する。
【0048】
フロア内位置判別機は、受信した緊急呼出信号Bに含まれる緊急呼出機の個体識別情報が一定時間記憶している緊急呼出機の個体識別情報と一致した場合に、一致した緊急呼出機の個体識別情報に対応する一定時間記憶している緊急呼出機から送信された位置判別信号の受信方向の表示と緊急呼出機との距離の表示を行うとともに、受信した緊急呼出信号Bを送信した緊急呼出機の個体識別情報とフロア内位置判別機自身の個体識別情報とフロア内位置判別機自身の設置されている階層情報とを含んだ緊急呼出信号Cを緊急呼出信号受信機へ送信する。
【0049】
フロア内位置判別機が、緊急呼出機の個体識別情報と、緊急呼出機からの受信方向と緊急呼出機との距離とを一定時間記憶することで、人体等が遮蔽物となって緊急呼出機の位置判別信号や緊急呼出信号Bを受信できないことがあったとしても、受信できなかったときより前に送信された位置判別信号や受信できなかったときより後に送信された緊急呼出信号Bによって、緊急呼出信号Cの送信処理へと進むことが可能となる。
【0050】
階層判別機は、受信した緊急呼出信号Bに含まれる存在階情報が、階層判別機自身の設置されている階層情報と一致した場合に、緊急呼出信号Bに含まれる緊急呼出機の個体識別情報と階層判別機自身の個体識別情報と階層判別機自身の設置されている階層情報を含んだ緊急呼出信号Dを緊急呼出信号受信機へ送信する。
【0051】
緊急呼出信号受信機は、建物内の管理事務所等に設置されており、緊急呼出信号Cを受信すると、報知音を鳴動するとともに緊急呼出信号Cに含まれる緊急呼出機の個体識別情報とフロア内位置判別機の個体識別情報とフロア内位置判別機自身の設置されている階層情報とを液晶ディスプレイまたは7セグメントLED等の表示部に表示する。
【0052】
また、緊急呼出信号受信機は、緊急呼出信号Dを受信すると、報知音を鳴動するとともに緊急呼出信号Dに含まれる緊急呼出機の個体識別情報と階層判別機の個体識別情報と階層判別機自身の設置されている階層情報とを液晶ディスプレイまたは7セグメントLED等の表示部に表示する。
【0053】
緊急呼出信号B、C、Dには300MHz帯や400MHz帯等の低い周波数の電波を使用し、ギガヘルツ帯の高い周波数とは異なり、人等による遮蔽の影響を回折により低減し各機器に電波が届かなることを防ぐことができ、安定した信号の送受信を実現している。
【0054】
図6において、緊急呼出機30が送信した緊急呼出信号Bは、階層判別機10a、10b、フロア内位置判別機21~26で受信される。
フロア内位置判別機25、26は、緊急呼出信号Bに含まれる緊急呼出機30の個体識別情報を記憶していないため、緊急呼出信号Bに対する処理を行わない。
【0055】
また、緊急呼出信号Bは、図示していない他の階に設置されている階層判別機やフロア内位置判別機でも受信される可能性がある。この場合、緊急呼出信号Bを受信した他の階に設置されている階層判別機は、緊急呼出信号Bに含まれる存在階情報が自身の設置されている階層情報と異なるため、緊急呼出信号Bに対する処理を行わない。緊急呼出信号Bを受信した他の階に設置されているフロア内判別機は、緊急呼出信号Bに含まれる緊急呼出機30の個体識別情報を記憶していないため、緊急呼出信号Bに対する処理を行わない。
【0056】
フロア内位置判別機21~24は、それぞれ、記憶している緊急呼出機30の個体識別情報と緊急呼出信号Bに含まれる緊急呼出機30の個体識別情報とが一致するため、記憶している緊急呼出機30から送信された位置判別信号の受信方向の表示と記憶している緊急呼出機30との距離の表示を行うとともに、受信した緊急呼出機の個体識別情報30とフロア内位置判別機21~24自身の個体識別情報とフロア内位置判別機21~24自身の設置されている階層情報とを含んだ緊急呼出信号Cを緊急呼出信号受信機へ送信する。図6のHは、上述の受信方向の表示と距離の表示が行われていることを示している。
【0057】
緊急呼出信号Cを受信した緊急呼出信号受信機は、報知音を鳴動するとともに、緊急呼出信号Cに含まれる緊急呼出機30の個体識別情報とフロア内位置判別機21~24の個体識別情報とフロア内位置判別機21~24の設置されている階層情報とを液晶ディスプレイまたは7セグメントLED等の表示部に表示する。
【0058】
管理事務所にいる係員が表示をもとにフロア内位置判別機21~24が設置されている2階フロアに駆け付け、受信方向の表示と距離の表示を確認することで、緊急呼出機の位置を推測することができる。
【0059】
階層判別機10a、10bは、それぞれ、緊急呼出信号Bに含まれる存在階情報が、自身の設置されている階層情報と一致するため、緊急呼出機30の個体識別情報と階層判別機10a、10b自身の個体識別情報と階層判別機10a、10b自身の設置されている階層情報とを含んだ緊急呼出信号Dを緊急呼出信号受信機へ送信する。
【0060】
緊急呼出信号Dを受信した緊急呼出信号受信機は、報知音を鳴動するとともに、緊急呼出機30の個体識別情報と階層判別機10a、10bの個体識別情報と階層判別機10a、10bの設置されている階層情報とを液晶ディスプレイまたは7セグメントLED等の表示部に表示する。
【0061】
階層判別機から緊急信号Dを送信することで、緊急呼出機とフロア内位置判別機との位置判別信号の通信のやり取りを行う前にフロア内の緊急呼出機の使用者が緊急呼び出しを行った場合に、管理事務所にいる係員に緊急事態を知らせることができる。
【0062】
また、緊急呼出時、緊急呼出機は、最も近いフロア内位置判別機または階層判別機の個体識別情報を緊急呼出信号Bに付加することで、緊急呼出信号Cまたは緊急呼出信Dを送信する機器を限定してもよい。
【0063】
図7図8でフロア内位置判別機の受信方向表示と距離表示を説明する。図7図8は、それぞれ、本発明の実施形態のフロア内位置判別機の一例を示した図である。
図7(1)は、フロア内位置判別機20aの斜視図であり、図7(2)は、フロア内位置判別機20aの底面図である。201~208は光源であり、水平360度に連なっている。フロア内位置判別機20aが緊急呼出信号Bを受信し、記憶している緊急呼出機の個体識別情報と緊急呼出信号Bに含まれる緊急呼出機の個体識別情報とが一致したとき、記憶している緊急呼出機から送信された位置判別信号の受信方向の表示として、光源201~208のうち対応する方向の光源を1~2ヶ所点灯または点滅させる。
【0064】
また、記憶している緊急呼出機との距離に応じて、光源の明暗や点滅周期、色等の状態を変化させ、遠近を表示する。例えば、明るさが明るいと近く、暗いと遠い、点滅周期が速いと近く、遅いと遠い、色が赤いと近く、青いと遠い等で距離の表示を行う。また、光源の明暗と点滅周期を組み合わせたり、点滅周期と色、光源の明暗と色、光源の明暗と点滅周期と色を組み合わせたりして距離の表示を行ってもよい。
【0065】
また、図8のように、複数のLEDを縦方向に並べてひとつの光源としてもよい。図8(1)は、フロア内位置判別機20bの斜視図であり、図8(2)は、フロア内位置判別機20bの底面図である。
211~218は光源であり、水平360度に連なっている。フロア内位置判別機20bが緊急呼出信号Bを受信し、記憶している緊急呼出機の個体識別情報と緊急呼出信号Bに含まれる緊急呼出機の個体識別情報とが一致したとき、記憶している緊急呼出機から送信された位置判別信号の受信方向の表示として、光源211~218のうち対応する方向の光源を1~2ヶ所点灯または点滅させる。
【0066】
受信方向の表示に光源を使用することで緊急呼び出しのあった方向を視覚的に認識することができ、駆け付けた人が複数のフロア内位置判別機を確認し受信方向の表示の方向を結ぶことで緊急呼び出しのあった位置を把握することが可能となる。
【0067】
また、記憶している緊急呼出機との距離に応じて、光源の明暗や点滅周期、色、光源内のLEDの点灯数等の状態を変化させ、遠近を表示する。例えば、明るさが明るいと近く、暗いと遠い、点滅周期が速いと近く、遅いと遠い、色が赤いと近く、青いと遠い、LEDの点灯数が少ないと遠く、多いと近い等で距離の表示を行う。また、光源の明暗、点滅周期、色、光源内のLEDの点灯数のうちいずれか複数を組み合わせて距離の表示を行ってもよい。
【0068】
また、上述の実施形態では、フロア内位置判別機は、緊急呼出機との距離をRSSIの値により判断していたが、UWB(Ultra Wide Band)等を用いてToA(Time of Arrival)またはToF(Time of Flight)により緊急呼出機との距離を測定してもよい。
【0069】
また、階層判別機は図9のように設置されていてもよい。図9は、本発明の別の実施形態の階層判別機付近を示した図であり、3階建ての建物の水平方向からの概略断面図である。
【0070】
図9では、受信エリアα1、α2、α3と受信エリアβ1、β2、β3は図示していないが、図2と同様に、1階フロアの天井に階層判別機11が設置され、2階フロアの天井に階層判別機12が設置され、3階フロアの天井に階層判別機13が設置され、階層判別機11、12、13は、それぞれ、鉛直下方向に予め定めた角度の受信エリアα1、α2、α3と前記受信エリアα1、α2、α3に隣接して外側に存在する受信エリアβ1、β2、β3を備え、設置されている階の床面において、自身の受信エリアαの一部または全部と自身の受信エリアβの一部に1つ上に設置されている階層判別機の受信エリアαの全部が含まれるように設置されている。
【0071】
図9のエリアXに緊急呼出機が存在した場合、通常時、緊急呼出機が送信した位置判別信号は、階層判別機11~13で受信される。階層判別機11は、受信エリアα1と受信エリアβ1の外からの位置判別信号であると判断し、送信動作を行わない。階層判別機12は、受信エリアα2からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機の個体識別情報と、受信エリアα2であるという受信エリア情報と、階層判別機12自身の設置されている階が2階であるという階層情報とを含んだ信号A2を緊急呼出機へ送信する。階層判別機13は、受信エリアβ3からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機の個体識別情報と、受信エリアβ3であるという受信エリア情報と、階層判別機13自身の設置されている階が3階であるという階層情報とを含んだ信号A3を緊急呼出機へ送信する。
【0072】
緊急呼出機は、位置判別信号の送信完了後の受信状態において、自身の個体識別情報を含んだ信号A2と信号A3とを受信し、受信した信号Aの中の階層判別機自身の設置されている階層情報が最も下の階層である信号A2(特許請求の範囲の信号ALに該当)に含まれるエリア情報が受信エリアα2であるため、受信した信号A2(特許請求の範囲の信号ALに該当)に含まれる階層判別機12自身の設置されている2階であるという階層情報を採用し、存在階情報を2階に更新する。
【0073】
図9のエリアYに緊急呼出機が存在した場合、通常時、緊急呼出機が送信した位置判別信号は、階層判別機11~13で受信される。階層判別機11は、受信エリアα1と受信エリアβ1の外からの位置判別信号であると判断し、送信動作を行わない。階層判別機12は、受信エリアα2からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機の個体識別情報と、受信エリアα2であるという受信エリア情報と、階層判別機12自身の設置されている階が2階であるという階層情報とを含んだ信号A2を緊急呼出機へ送信する。階層判別機13は、受信エリアα3からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機の個体識別情報と、受信エリアα3であるという受信エリア情報と、階層判別機13自身の設置されている階が3階であるという階層情報とを含んだ信号A3を緊急呼出機へ送信する。
【0074】
緊急呼出機は、位置判別信号の送信完了後の受信状態において、自身の個体識別情報を含んだ信号A2と信号A3とを受信し、受信した信号Aの中の階層判別機自身の設置されている階層情報が最も下の階層である信号A2(特許請求の範囲の信号ALに該当)に含まれるエリア情報が受信エリアα2であるため、受信した信号A2(特許請求の範囲の信号ALに該当)に含まれる階層判別機12自身の設置されている2階であるという階層情報を採用し、存在階情報を2階に更新する。
【0075】
図9のエリアZに緊急呼出機が存在した場合、通常時、緊急呼出機が送信した位置判別信号は、階層判別機11~13で受信される。階層判別機11は、受信エリアα1と受信エリアβ1の外からの位置判別信号であると判断し、送信動作を行わない。階層判別機12は、受信エリアβ2からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機の個体識別情報と、受信エリアβ2であるという受信エリア情報と、階層判別機12自身の設置されている階が2階であるという階層情報とを含んだ信号A2を緊急呼出機へ送信する。階層判別機13は、受信エリアα3からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機の個体識別情報と、受信エリアα3であるという受信エリア情報と、階層判別機13自身の設置されている階が3階であるという階層情報とを含んだ信号A3を緊急呼出機へ送信する。
【0076】
緊急呼出機は、位置判別信号の送信完了後の受信状態において、自身の個体識別情報を含んだ信号A2と信号A3とを受信し、受信した信号Aの中の階層判別機自身の設置されている階層情報が最も下の階層である信号A2(特許請求の範囲の信号ALに該当)に含まれるエリア情報が受信エリアβ2であるため、存在階情報を更新せず保持する。
【0077】
図9のエリアWに緊急呼出機が存在した場合、通常時、緊急呼出機が送信した位置判別信号は、階層判別機11~13で受信される。階層判別機11は、受信エリアα1からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機の個体識別情報と、受信エリアα1であるという受信エリア情報と、階層判別機11自身の設置されている階が1階であるという階層情報とを含んだ信号A1を緊急呼出機へ送信する。階層判別機12は、受信エリアα2からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機の個体識別情報と、受信エリアα2であるという受信エリア情報と、階層判別機12自身の設置されている階が2階であるという階層情報とを含んだ信号A2を緊急呼出機へ送信する。階層判別機13は、受信エリアα3からの位置判別信号であると判断し、受信した位置判別信号に含まれる緊急呼出機の個体識別情報と、受信エリアα3であるという受信エリア情報と、階層判別機13自身の設置されている階が3階であるという階層情報とを含んだ信号A3を緊急呼出機へ送信する。
【0078】
緊急呼出機は、位置判別信号の送信完了後の受信状態において、自身の個体識別情報を含んだ信号A1と信号A2と信号A3とを受信し、受信した信号Aの中の階層判別機自身の設置されている階層情報が最も下の階層である信号A1(特許請求の範囲の信号ALに該当)に含まれるエリア情報が受信エリアα1であるため、受信した信号A1(特許請求の範囲の信号ALに該当)に含まれる階層判別機11自身の設置されている1階であるという階層情報を採用し、存在階情報を1階に更新する。
【0079】
また、上述の実施形態では、緊急呼出機は位置判別信号を階層判別機とフロア内位置判別機とへ送信しているが、位置判別信号を自身の個体識別情報を含んだ階層位置判別信号と自身の個体識別情報と存在階情報とを含んだフロア内位置判別信号の2種類に分け、階層位置判別信号を階層判別機へ、フロア内位置判別信号をフロア内位置判別機へ別々に送信し、上述の各信号の送受信を行ってもよい。また、緊急呼出機は、階層位置判別信号やフロア内位置判別信号、位置判別信号を、通常時だけでなく、緊急呼出時も続けて一定周期で送信してもよい。
【0080】
また、上述の実施形態では、緊急呼出機は位置判別信号の送信完了後から予め定めた時間は受信状態となるとしたが、常時受信状態とし位置判別信号の送信完了後から予め定めた時間までの間に受信した信号Aについて存在階情報に関する処理を行い、それ以外の時間に受信した信号Aについては存在階情報に関する処理を行わないようにしてもよい。また、上述の階層位置判別信号の送信のときも同様であり、緊急呼出機は階層位置判別信号の送信完了後から予め定めた時間は受信状態となるとしてもよく、常時受信状態とし階層位置判別信号の送信完了後から予め定めた時間までの間に受信した信号Aについて存在階情報に関する処理を行い、それ以外の時間に受信した信号Aについては存在階情報に関する処理を行わないようにしてもよい。
【0081】
また、階層判別機の受信エリアαは、各階で同じ角度でも異なる角度でもよく適宜設定することが可能である。階層判別機の受信エリアβも同様に各階で同じ角度でも異なる角度でもよく適宜設定することが可能である。
【0082】
また、上述の実施形態では、2.4GHz帯の周波数であるBLEの電波を使用したが、UWBを使用してもよく、無線通信技術の種類は限定しない。また、周波数帯も2.4GHz帯以外の周波数でもよい。
【0083】
また、例えば図2において2階が緊急呼出システムの対象外のフロアであった場合、1階の階層判別機11の1つ上の階層判別機は階層判別機13となるため、1階の床面において、階層判別機11の受信エリアα1と受信エリアβ1とを合わせた範囲内に、階層判別機13の受信エリアα3の全部が含まれるように設置すれば、本発明の緊急呼出システムとして問題なく使用できる。
【0084】
また、上述の実施形態では、3階建ての建物としたが、本願発明のシステムは平屋建てでも何階建ての建物でも使用でき地階が存在しても問題なく使用できる。また、平屋建ての建物では、階層判別機を使用せず、緊急呼出機とフロア内位置判別機と緊急呼出信号受信機とを使用して緊急呼出システムを構築することが可能である。
【0085】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述の実施形態は例として提示したものであり、本発明の範囲は、これらに限定するものではなく、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
1・・・フロア
2・・・階段
3・・・エレベーター
10a,10b,11,12,13・・・階層判別機
20a,20b,21~26・・・フロア内位置判別機
30・・・緊急呼出機
201~208,211~218・・・光源
α1,α2,α3,β1,β2,β3・・・受信エリア
H・・・表示
W,X,Y,Z・・・エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9