(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044020
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】連接ブース
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
E04H1/12 302Z
E04H1/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149317
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】前田 光夫
(57)【要約】
【課題】一の個室において引戸を開放した際に、引戸が他の個室の周壁に沿って配置されるため、通路の邪魔になることなく、動線及び安全性を確保することができる連接ブースを提供する。
【解決手段】連接ブース10は、一側面に開口部24a・24bを有して互いに交差する複数の周壁と、開口部24a・24bを開閉する引戸30a・30bと、で囲まれる個室Ra・Rbが設けられ、それぞれの個室Ra・Rbに設けられる引戸30a・30bは、開口部24a・24bを開放した際に、隣接する他の個室に設けられる周壁22b・22aに沿って配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側面に開口部を有して互いに交差する複数の周壁と、前記開口部を開閉する引戸と、で囲まれる個室が複数個設けられ、
それぞれの前記個室に設けられる前記引戸は、前記開口部を開放した際に、当該個室と隣接する他の前記個室に設けられる前記周壁に沿って配置される、連接ブース。
【請求項2】
それぞれの前記個室が、互いの間に設けられる周壁を共有する、請求項1に記載の連接ブース。
【請求項3】
複数の前記周壁と前記引戸とにより前記個室を構成する単位ブースが複数個連結される、請求項1に記載の連接ブース。
【請求項4】
前記引戸はガイドレールに沿ってスライド可能とされ、
前記ガイドレールは、隣接する二つの前記単位ブースに固定されている、請求項3に記載の連接ブース。
【請求項5】
平面視で四角形の同形状に形成された二個の前記個室が点対称に配置される、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の連接ブース。
【請求項6】
平面視で四角形の同形状に形成された四個の前記個室が90度毎に位相を変えて配置される、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の連接ブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、複数の周壁と引戸とで囲まれた個室が複数個設けられた連接ブースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、周壁と扉とで囲まれた個室型ブースが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような狭小の個室型ブースの扉は、外向きに回動するドアが取り付くのが一般的である。このような個室型ブースの実際の使用現場では、個室型ブースが利用されていない時には換気のためにドアを開放しておきたいという要求がある。個室型ブースには、標準的に換気装置が備えられていることが多く、閉扉状態でも換気はされるものの、ドアを開けておくと換気装置に頼らずとも確実に換気されるため、未利用の際に開扉状態にすることは換気の上では理想的である。しかし、個室型ブースのドアは壁際にも置けるよう、開扉角度を90度程度に制限をかけていることが多い。このため、ドアを開扉状態にしておくと、通路の邪魔になり動線の確保や安全性の観点からも推奨できないものであった。そこで、本開示は、上記に関する課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る連接ブースは、一側面に開口部を有して互いに交差する複数の周壁と、前記開口部を開閉する引戸と、で囲まれる個室が複数個設けられ、それぞれの前記個室に設けられる前記引戸は、前記開口部を開放した際に、当該個室と隣接する他の前記個室に設けられる前記周壁に沿って配置される。
【0006】
上記第1観点に係る連接ブースによれば、一の個室において引戸を開放した際に、引戸が他の個室の周壁に沿って配置されるため、通路の邪魔になることなく、動線及び安全性を確保することができる。
【0007】
上記第1観点に係る連接ブースにおいて、連接される個室の数は限定されるものではなく、個室が二個以上であれば連接ブースを構成することが可能である。
【0008】
また、本発明の第2観点に係る連接ブースは、第1観点に係る連接ブースであって、それぞれの前記個室が、互いの間に設けられる周壁を共有する。
【0009】
上記第2観点に係る連接ブースによれば、周壁を構成する部材を共有することにより、連接ブースを製造するための部品点数及びコストを抑制できる。
【0010】
また、本発明の第3観点に係る連接ブースは、第1観点に係る連接ブースであって、複数の前記周壁と前記引戸とにより前記個室を構成する単位ブースが複数個連結される。
【0011】
上記第3観点に係る連接ブースによれば、連結する単位ブースの個数を変えることにより、連接ブースのレイアウトを変更することができる。
【0012】
また、本発明の第4観点に係る連接ブースは、第3観点に係る連接ブースであって、前記引戸はガイドレールに沿ってスライド可能とされ、前記ガイドレールは、隣接する二つの前記単位ブースに固定されている。
【0013】
上記第4観点に係る連接ブースによれば、単位ブースを簡易な構成で連結することができる。
【0014】
また、本発明の第5観点に係る連接ブースは、第1観点から第4観点の何れか一に係る連接ブースであって、平面視で四角形の同形状に形成された二個の前記個室が点対称に配置される。
【0015】
上記第5観点に係る連接ブースによれば、シンプルな配置で連接ブースを構成することができる。
【0016】
また、本発明の第6観点に係る連接ブースは、第1観点から第4観点の何れか一に係る連接ブースであって、平面視で四角形の同形状に形成された四個の前記個室が90度毎に位相を変えて配置される。
【0017】
上記第6観点に係る連接ブースによれば、空間を有効活用して連接ブースを構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上における本発明に係る連接ブースは、以下に示す効果を奏する。
【0019】
第1観点に係る連接ブースによれば、一の個室において引戸を開放した際に動線及び安全性を確保することができる。
【0020】
第2観点に係る連接ブースによれば、連接ブースを製造するための部品点数及びコストを抑制できる。
【0021】
第3観点に係る連接ブースによれば、連接ブースのレイアウトを変更することができる。
【0022】
第4観点に係る連接ブースによれば、単位ブースを簡易な構成で連結することができる。
【0023】
第5観点に係る連接ブースによれば、シンプルな配置で連接ブースを構成することができる。
【0024】
第6観点に係る連接ブースによれば、空間を有効活用して連接ブースを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第一実施形態に係る連接ブースの閉扉状態を示した斜視図。
【
図2】第一実施形態に係る連接ブースの開扉状態を示した斜視図。
【
図3】第一実施形態に係る連接ブースの平面断面図。
【
図4】第二実施形態に係る連接ブースを示した斜視図。
【
図5】第二実施形態に係る連接ブースの平面断面図。
【
図6】第二実施形態に係る連接ブースの変形例を示した平面断面図。
【
図7】(a)及び(b)はそれぞれ、第三実施形態及び第四実施形態に係る連接ブースの平面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第一実施形態・連接ブース10]
まず、
図1から
図3を用いて、本発明の第一実施形態に係る連接ブース10について説明する。本実施形態に係る連接ブース10は、第一個室Raと第二個室Rbとの二個の個室が設けられている。本実施形態に係る連接ブース10において、第一・第二個室Ra・Rbは一人又は小人数での利用に適している。
【0027】
第一個室Raは、一側面(
図2に示す左下側の面)に第一開口部24aを有して互いに交差する複数の周壁(第一左周壁21a・第一後周壁22a・隔壁23)と、第一開口部24aを開閉する第一引戸30aと、で囲まれる。第二個室Rbは、一側面(
図2に示す右上側の面)に第二開口部24bを有して互いに交差する複数の周壁(第二左周壁21b・第二後周壁22b・隔壁23)と、第二開口部24bを開閉する第二引戸30bと、で囲まれる。本実施形態におけるそれぞれの周壁は、図示しないフレーム体に対して、板状部材がねじ止め、溶接、又は、接着剤による接着等により固定されることにより構成されている。
【0028】
本実施形態において、第一・第二個室Ra・Rbのそれぞれを構成する周壁については、第一・第二開口部24a・24bから第一・第二個室Ra・Rbに入ろうとする使用者の姿勢で前後左右方向を規定している。連接ブース10においては
図2に示す如く、第一・第二開口部24a・24bが互いに反対側に向けて形成されている。このため、第一左周壁21aと第二左周壁21bとは互いに対向する位置に配置される。同様に、第一後周壁22aと第二後周壁22bとは互いに対向する位置に配置される。
【0029】
本実施形態に係る連接ブース10において、第一・第二個室Ra・Rbは、互いの間に設けられる周壁である隔壁23を共有している。第一・第二開口部24a・24bから第一・第二個室Ra・Rbに入ろうとする使用者から見て、隔壁23は右側に位置する。このため、隔壁23は第一・第二個室Ra・Rbのそれぞれにおける右周壁に相当する。
図1から
図3に示す如く、隔壁23の両面には、第一・第二個室Ra・Rbの内部に延出される第一天板41a及び第二天板41bが設けられる。
【0030】
本実施形態に係る連接ブース10においては、
図2に示す如く、周壁及び引戸30a・30bの内側は下方に向かって開口して形成されている。そして、周壁の下端部の下端部は、開口部24a・24bの側が開放して形成される。このため、使用者が第一・第二個室Ra・Rbに出入りする際に段差を昇降する必要がない。このように、本実施形態における連接ブース10は、外側と内側との間の段差をなくすことにより、同一面上で第一・第二個室Ra・Rbに出入りすることを可能として、連接ブース10の利便性を向上させている。
【0031】
本実施形態に係る連接ブース10においては、周壁及び引戸30a・30bの内側は下方に向かって開口して形成されており、周壁及び引戸30a・30bの下側に床部材を設けない構成としている。このため、連接ブース10を使用する際に、使用者等の荷重を受けて床部材が変形したり異音が発声したりすることがない。また、本実施形態においては、変形等が生じないように剛性の高い床部材を設ける必要がないため、連接ブース10の製造コストを抑制することができる。
【0032】
第一・第二個室Ra・Rbの上端には、周壁(第一左周壁21a、第一後周壁22a、第二左周壁21b、第二後周壁22b、及び隔壁23)に支持される天井25が設けられる。天井25には、図示しない消火器やライト等の設備が設けられる。
【0033】
また、周壁の下面には、複数のキャスター42と、床面に対する延出長さを調節可能とされる複数の接地部材43と、が設けられる。連接ブース10においては、周壁の下面からの接地部材43の延出長さを、キャスター42の延出長さよりも大きく調節することにより、キャスター26が床面から離間する移動不能状態とされる。また、周壁の下面からの接地部材43の延出長さを、キャスター42の延出長さよりも小さく調節することにより、キャスター42が床面に接地する移動可能状態とされる。
【0034】
第一個室Raにおいては、第一引戸30aにより第一開口部24aが開閉可能とされる。具体的には、連接ブース10における第一開口部24aの上側から第二後周壁22bの上部に亘って、第一ガイドレール31aが設けられる。第一引戸30aは第一ガイドレール31aに沿って水平方向にスライド可能とされることにより、第一開口部24aを開閉する。
【0035】
同様に、第二個室Rbにおいては、第二引戸30bにより第二開口部24bが開閉可能とされる。具体的には、連接ブース10における第二開口部24bの上側から第一後周壁22aの上部に亘って、第二ガイドレール31bが設けられる。第二引戸30bは第二ガイドレール31bに沿って水平方向にスライド可能とされることにより、第二開口部24bを開閉する。第一引戸30aと第二引戸30bには、使用者が引戸30a・30bをスライドさせる際に把持するための取手32が設けられている。
【0036】
図2及び
図3に示す如く、第一個室Raに設けられる第一引戸30aは、第一開口部24aを開放した際に、第二個室Rbに設けられる第二後周壁22bに沿って配置される。同様に、第二個室Rbに設けられる第二引戸30bは、第二開口部24bを開放した際に、第一個室Raに設けられる第一後周壁22aに沿って配置される。
【0037】
このように、本実施形態に係る連接ブース10によれば、一の個室(第一・第二個室Ra・Rb)において引戸(第一・第二引戸30a・30b)を開放した際に、引戸が他の個室の周壁に沿って配置される。このため、連接ブース10の周囲において、通路の邪魔になることなく、動線及び安全性を確保することができる。
【0038】
また、本実施形態に係る連接ブース10において、第一・第二個室Ra・Rbは、互いの間に設けられる周壁である隔壁23を共有する。このように、連接ブース10によれば、隔壁23を構成する部材を共有することにより、連接ブース10を製造するための部品点数及びコストを抑制している。
【0039】
[第二実施形態・連接ブース110]
次に、
図4から
図6を用いて、本発明の第二実施形態に係る連接ブース110について説明する。本実施形態に係る連接ブース110においても、二つの個室R・Rが設けられている。本実施形態に係る連接ブース110は、それぞれの個室R・Rを構成する二個の単位ブース111・111が連結される。
【0040】
本実施形態に係る連接ブース110は、平面視で四角形の同形状に形成された二個の個室R・Rが点対称に配置される。即ち、二個の単位ブース111・111は、互いに180度位相を変えた状態で隣接して配置される。
【0041】
本実施形態における個室Rを構成する単位ブース111は、一側面に開口部を有して互いに交差する複数の周壁(左周壁121・後周壁122・右周壁123)と、開口部を開閉する引戸130と、で囲まれる。右周壁123には、個室Rの内部に延出される天板141が設けられる。それぞれの個室Rの上端には、周壁に支持される天井125が設けられる。
【0042】
それぞれの単位ブース111において、引戸130により開口部が開閉可能とされる。具体的には、開口部の上側から右側方にガイドレール131が延出される。引戸130はガイドレール131に沿って水平方向にスライド可能とされることにより、開口部を開閉する。引戸130には、使用者が引戸130をスライドさせる際に把持するための取手132が設けられている。
【0043】
図5に示す如く、それぞれの単位ブース111に設けられる引戸130は、開口部を開放した際に、隣接する個室Rに設けられる後周壁122に沿って配置される。このため、連接ブース110の周囲において、通路の邪魔になることなく、動線及び安全性を確保することができる。
【0044】
上記の如く、本実施形態に係る連接ブース110において、引戸130はガイドレール131に沿って水平方向にスライド可能とされている。そして、ガイドレール131は、隣接する2つの単位ブース111・111に固定されている。これにより、連接ブース110において、単位ブース111・111を簡易な構成で連結する構成としている。
【0045】
また、本実施形態に係る連接ブース110は、複数の周壁(左周壁121・後周壁122・右周壁123)と引戸130とにより個室Rを構成する単位ブース111が点対称に二個連結される。このように、本実施形態に係る連接ブース110によれば、シンプルな配置で連接ブース110を構成することができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、連結する単位ブース111の個数を変えることにより、連接ブースのレイアウトを変更することができる。具体的には、
図6に示す第二実施形態の変形例に係る連接ブース110Aのように、平面視で四角形の同形状に形成された四個の個室R(単位ブース111)を90度毎に位相を変えて配置することができる。このように、変形例に係る連接ブース110Aによれば、空間を有効活用して連接ブース110Aを構成することができる。
【0047】
[第三実施形態・連接ブース210]
次に、
図7(a)を用いて、本発明の第三実施形態に係る連接ブース210について説明する。本実施形態に係る連接ブース210においては、三つの個室Rが設けられている。本実施形態に係る連接ブース210は、それぞれの個室Rを構成する三個の単位ブース211が連結される。
【0048】
本実施形態に係る連接ブース210は、平面視で四角形(具体的には、中心部分が120度、先端部分が60度の線対称形状の四角形)の同形状に形成された三個の個室Rが120度毎に位相を変えた状態で配置される。本実施形態における個室Rを構成する単位ブース211は、一側面に開口部を有して互いに交差する周壁220と、開口部を開閉する引戸230と、で囲まれる。個室Rの内部には天板241が延出される。
【0049】
それぞれの単位ブース211において、引戸230により開口部が開閉可能とされる。具体的には、開口部の上側から右側方にガイドレール231が延出される。引戸230はガイドレール231に沿って水平方向にスライド可能とされることにより、開口部を開閉する。
【0050】
[第四実施形態・連接ブース310]
次に、
図7(b)を用いて、本発明の第四実施形態に係る連接ブース310について説明する。本実施形態に係る連接ブース310においては、五つの個室Rが設けられている。本実施形態に係る連接ブース310は、それぞれの個室Rを構成する五個の単位ブース311が連結される。
【0051】
本実施形態に係る連接ブース310は、平面視で四角形(具体的には、中心部分が72度、先端部分が108度の線対称形状の四角形)の同形状に形成された五個の個室Rが72度毎に位相を変えた状態で配置される。本実施形態における個室Rを構成する単位ブース311は、一側面に開口部を有して互いに交差する周壁320と、開口部を開閉する引戸330と、で囲まれる。個室Rの内部には天板341が延出される。
【0052】
それぞれの単位ブース311において、引戸330により開口部が開閉可能とされる。具体的には、開口部の上側から右側方にガイドレール331が延出される。引戸330はガイドレール331に沿って水平方向にスライド可能とされることにより、開口部を開閉する。
【0053】
上記の如く、第三・第四実施形態に係る連接ブース210・310においても、それぞれの単位ブース211・311に設けられる引戸230・330は、開口部を開放した際に、隣接する個室Rに設けられる周壁220・320に沿って配置される。このため、連接ブース210・310の周囲において、通路の邪魔になることなく、動線及び安全性を確保することができる。
【0054】
また、第三・第四実施形態に係る連接ブース210・310において、引戸230・330はガイドレール231・331に沿って水平方向にスライド可能とされている。そして、ガイドレール231・331は、隣接する2つの単位ブース211(311)に固定されている。これにより、連接ブース210・310において、単位ブース211(311)を簡易な構成で連結する構成としている。
【0055】
第三・第四実施形態に係る連接ブース210・310のごとく、本発明に係る連接ブースにおいて、連接される個室Rの数は限定されるものではない。即ち、個室Rが二個以上であれば連接ブースを構成することが可能である。
【0056】
[他の変形例]
上記の実施形態は、以下に示す他の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、本明細書に記載する各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
【0057】
上記の各実施形態に係る連接ブースにおいて、それぞれの個室は互いに隙間なく密接して構成されているが、個室の間に間隙が形成されていても良い。例えば、長方形の個室を四つ組み合わせて、中央部分に間隙を有する連接ブースを形成しても差し支えない。また、複数の個室を互いに異なる形状とすることも可能である。例えば、正方形と台形の二個の個室で連接ブースを構成することも可能である。
【0058】
本発明に係る連接ブースにおいて、平面視での形状を本実施形態以外の他の形状とすることが可能である。例えば、連接ブースを平面視で円形状や他の多角形状とすることも可能である。
【0059】
本発明に係る連接ブースにおいて、引戸を支持するガイドレールを連接ブースの下方に配置することも可能である。また、複数の単位ブースを連結して連接ブースを構成する場合、ガイドレール以外の他の部材により単位ブースを連結する構成としても良い。
【0060】
連接ブースが備える個室は、周壁及び引戸の内側下部に床部材を設ける構成としても良い。また、連接ブースの周壁にキャスター及び接地部材を設けない構成とすることも可能である。
【0061】
また、個室が備える周壁は、外パネルと内パネルの二枚の板材で構成することも可能である。この場合、二枚の板材の間にグラスウールやロックウール等の吸音部材、ハニカム構造等を介挿することにより、周壁の遮音性能を高めたり、剛性を保ちつつ軽量化したりできる。また、周壁の表面に吸音性能を備える吸音パネルを取り付けると、個室内で音の反響を抑制し、リモート会議を快適に行うことが可能となり好適である。
【0062】
また、周壁及び引戸を構成する素材は、金属製、ガラス製、木製又は樹脂製等の素材を採用することが可能である。また、これらの配置構成についても、本実施形態以外の構成を採用することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
10 連接ブース(第一実施形態)
21a 第一左周壁 21b 第二左周壁
22a 第一後周壁 22b 第二後周壁
23 隔壁(右周壁) 24a 第一開口部
24b 第二開口部 25 天井
30a 第一引戸 30b 第二引戸
31a 第一ガイドレール
31b 第二ガイドレール
32 取手 41a 第一天板
41b 第二天板 42 キャスター
43 接地部材
Ra 第一個室
Rb 第二個室
110 連接ブース(第二実施形態)
110A 連接ブース(第二実施形態・変形例)
111 単位ブース 121 左周壁
122 後周壁 123 右周壁
125 天井 130 引戸
131 ガイドレール 132 取手
141 天板
R 個室
210 連接ブース(第三実施形態)
211 単位ブース 220 周壁
230 引戸 231 ガイドレール
241 天板
310 連接ブース(第四実施形態)
311 単位ブース 320 周壁
330 引戸 331 ガイドレール
341 天板