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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044022
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】容器用アキュームレータ
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/08 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
B65G47/08 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149324
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000223193
【氏名又は名称】東罐興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】馬込 礼貴
【テーマコード(参考)】
3F080
【Fターム(参考)】
3F080AA01
3F080AA05
3F080AA08
3F080AA10
3F080AA21
3F080BA06
3F080BC08
3F080BD15
3F080DA18
(57)【要約】
【課題】容器自体に疵をつけ、又は破損させることを好適に防ぐことが可能な容器用アキュームレータを提供する。
【解決手段】上流の搬送路2から供給される容器5を搬送してアキュームする容器用アキュームレータにおいて、外部からエアが送気されるチャンバーボックス12と、チャンバーボックス12の天板を形成すると共に送気されたエアを排出させるための排出孔28を点在させてなる搬送プレート11を備え、搬送プレート11は、その表面上に容器5が搬送されてアキュームされるまでに、当該各容器5の底部に少なくとも一の排出孔28が常に位置するように点在させてなることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流の搬送路から供給される容器を搬送してアキュームする容器用アキュームレータにおいて、
外部からエアが送気されるチャンバーボックスと、
上記チャンバーボックスの天板を形成すると共に上記送気されたエアを排出させるための排出孔を点在させてなる搬送プレートを備え、
上記搬送プレートは、その表面上に上記容器が搬送されてアキュームされるまでに、当該各容器の底部に少なくとも一の排出孔が常に位置するように点在させてなること
を特徴とする容器用アキュームレータ。
【請求項2】
上記搬送プレートの傾斜角度を調整するための傾斜調整手段を更に備えること
を特徴とする請求項1記載の容器用アキュームレータ。
【請求項3】
上記搬送プレート上にある容器の量を判別するための判別手段を更に備え、
上記傾斜調整手段は、上記判別手段により判別された容器の量に基づいて上記傾斜角度を自動的に調整すること
を特徴とする請求項2記載の容器用アキュームレータ。
【請求項4】
上記傾斜調整手段は、上流の搬送路から供給される容器を搬送してアキュームする段階において、上記判別手段により判別された容器の量が少なくなるにつれて、上記搬送路からの下向きの上記傾斜角度がより小さくなるように自動的に調整すること
を特徴とする請求項3記載の容器用アキュームレータ。
【請求項5】
上記傾斜調整手段は、
上流の搬送路から供給される容器を搬送してアキュームする段階において、上記搬送プレートを上記搬送路から下向きに傾斜させ、
アキュームした容器を上記搬送路に戻す段階において、上記搬送プレートを上記搬送 路から上向きに傾斜させること
を特徴とする請求項2記載の容器用アキュームレータ。
【請求項6】
上記搬送プレートは、アキュームした上記容器をより下流側に配設された他の搬送路へ送出するための送出口を有すること
を特徴とする請求項1記載の容器用アキュームレータ。
【請求項7】
上記搬送プレート上にある容器の量を判別する判別手段と、
上記チャンバーボックスへ送気するエアの量を制御する送気量制御手段を更に備え、
上記送気量制御手段は、上記判別手段により判別された容器の量に基づいて、送気するエアの量を制御すること
を特徴とする請求項1記載の容器用アキュームレータ。
【請求項8】
上記チャンバーボックスは、互いに隔てられた複数の空間に分割され、
上記搬送プレート上にある容器の量を判別するための判別手段と、
上記判別手段により判別された容器の量に基づいて、上記チャンバーボックスに送気するエアの量を上記空間毎に制御する送気量制御手段とを更に備えること
を特徴とする請求項1記載の容器用アキュームレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流の搬送路から供給される容器を搬送してアキュームする容器用アキュームレータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、紙コップを始めとする容器を製造する製造ラインでは、底紙打抜きや胴部巻き付け接着から、仕上げ、更には容器を複数段に積み上げることによるスタックの形成に至る各ユニットが互いに搬送路を介して連結されている。このため、製造ライン内において、容器は、このベルトコンベア等を始めとする搬送路を介して、上流のユニットから下流のユニットに至るまで随時搬送されることとなる。
【0003】
このような製造ラインでは、下流側のユニットにおいて何らかのトラブルが起きたり、処理動作が一時的に停止又は遅れが生じる場合がある。かかる場合において、上流側のユニットにおける各種処理動作を停止させることなく、下流側のユニットのトラブルを解消する方が製造ライン全体の生産効率の面では好適である。このため、上流側のユニット間の搬送路中に、アキュームレータを別途取り付けることで、容器を一時的に集積させておき、上流側の各種処理動作を継続させることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このようなアキュームレータにより、特に紙コップからなる容器を一時的にアキューム(集積)する場合、図14に示すように、既に集積されている容器7の側方に向けて、上流から順次新たな容器7を供給する。この容器7をアキュームレータ6の上流から下流にかけて搬送する場合には、コンベア等を利用する以外に、アキュームレータ6の搬送面自体を上流から下流にかけて傾斜させて構成することで、容器7を下流側に効率よく搬送することが可能となる。
【0005】
ところで、上流から新たに容器7が勢いよく下流側に流れてきた場合、既に集積されている容器7と衝突することとなる。紙コップからなる容器7は、通常は図14に示すように、円形の底部71と、底部71から上側に向かうに従い径が大きくなる側壁72と、側壁72の上端部に形成される開口の周囲には、径方向外側に突出するフランジ74が形成され、このフランジ74には、蓋73が閉蓋された形態をしている。このため、既に集積されている容器7に対して、上流から新たに供給されてくる容器7が衝突した場合には、図14に示すように互いに側壁72が接触するのではなく、フランジ74同士が衝突することとなる。
【0006】
その結果、フランジ74が変形したり端面がつぶれたりする場合があり、またフランジ74に閉蓋されたシール状の蓋73がめくれてしまう場合がある。特にアキュームレータ6がコンベアで搬送するタイプの場合、コンベアの作動に基づく振動が容器7に加わる結果、既に集積されている容器7が左右又は上下に動いてしまう場合がある。容器7が動く結果、上述した衝突によるダメージが大きくなることに加え、互いに隣接する容器7のフランジ74が他方の容器7のフランジ74の下に潜り込んでしまうことで疵が付き、或いは破損に至る場合もある。
【0007】
これに加えて、アキュームレータ6により容器7を下流側へ搬送する場合に、その容器7の底部71と搬送面との摩擦により、底部71が変形したり破損してしまう場合もある。
【0008】
このため、アキュームレータを介して、上流の搬送路から供給される容器に疵をつけることなく搬送してアキュームする技術が従来より望まれていたが、未だこれに応える技術が提案されていないのが現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第6308887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、上流の搬送路から供給される容器を搬送してアキュームする容器用アキュームレータにおいて、容器自体に疵をつけ、又は破損させることを好適に防ぐことが可能な容器用アキュームレータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1発明に係る容器用アキュームレータは、上流の搬送路から供給される容器を搬送してアキュームする容器用アキュームレータにおいて、外部からエアが送気されるチャンバーボックスと、上記チャンバーボックスの天板を形成すると共に上記送気されたエアを排出させるための排出孔を点在させてなる搬送プレートを備え、上記搬送プレートは、その表面上に上記容器が搬送されてアキュームされるまでに、当該各容器の底部に少なくとも一の排出孔が常に位置するように点在させてなることを特徴とする。
【0012】
第2発明に係る容器用アキュームレータは、第1発明において、上記搬送プレートの傾斜角度を調整するための傾斜調整手段を更に備えることを特徴とする。
【0013】
第3発明に係る容器用アキュームレータは、第2発明において、上記搬送プレート上にある容器の量を判別するための判別手段を更に備え、上記傾斜調整手段は、上記判別手段により判別された容器の量に基づいて上記傾斜角度を自動的に調整することを特徴とする。
【0014】
第4発明に係る容器用アキュームレータは、第3発明において、上記傾斜調整手段は、上流の搬送路から供給される容器を搬送してアキュームする段階において、上記判別手段により判別された容器の量が少なくなるにつれて、上記搬送路からの下向きの上記傾斜角度がより小さくなるように自動的に調整することを特徴とする。
【0015】
第5発明に係る容器用アキュームレータは、第2発明において、上記傾斜調整手段は、上流の搬送路から供給される容器を搬送してアキュームする段階において、上記搬送プレートを上記搬送路から下向きに傾斜させ、アキュームした容器を上記搬送路に戻す段階において、上記搬送プレートを上記搬送路から上向きに傾斜させることを特徴とする。
【0016】
第6発明に係る容器用アキュームレータは、第1発明において、上記搬送プレートは、アキュームした上記容器をより下流側に配設された他の搬送路へ送出するための送出口を有することを特徴とする。
【0017】
第7発明に係る容器用アキュームレータは、第1発明において、上記搬送プレート上にある容器の量を判別する判別手段と、上記チャンバーボックスへ送気するエアの量を制御する送気量制御手段を更に備え、上記送気量制御手段は、上記判別手段により判別された容器の量に基づいて、送気するエアの量を制御することを特徴とする。
【0018】
第8発明に係る容器用アキュームレータは、第1発明において、上記チャンバーボックスは、互いに隔てられた複数の空間に分割され、上記搬送プレート上にある容器の量を判別するための判別手段と、上記判別手段により判別された容器の量に基づいて、上記チャンバーボックスに送気するエアの量を上記空間毎に制御する送気量制御手段とを更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上述した構成からなる本発明によれば、容器を自重により搬送プレート上を集積側へと搬送されるいかなる時点において、排出孔から排出される上向きの力を常時加え続けることができる。これにより、容器の底部は、搬送プレートに対してその一部又は全てが離間し、或いは搬送プレートに対して離間はしていないものの、搬送プレートに対して付与される自重の力を減少させることが可能となる。その結果、容器の底部と、搬送プレートとの摩擦を減らすことができる。このため、本発明によれば、容器の底部が搬送プレートの表面に擦れることによる、底部の変形や破損を防止することができる。
【0020】
またアキュームされた容器も、排出孔から排出されるエアによる上向きの力を常時受け続けている。これにより、容器の底部は、搬送プレートに対してその一部又は全てが離間し、或いは搬送プレートに対して離間はしていないものの、搬送プレートに対して付与される自重の力を減少させることが可能となる。その結果、搬送プレートから伝わる振動がこの容器に伝わりにくくなることから容器がその振動に基づいて動いてしまうことを極力抑制でき、自重により安定して静止している状態を保つことが可能となる。このアキュームされた容器に対して、新たに搬送されてくる容器の底部も同様に搬送プレートから伝わる振動が伝わりにくくなることから振動に基づいて動いてしまうことを極力抑制できる。
【0021】
このような容器同士が接触する場合、互いにそのフランジを介して接触することになるが、互いの容器同士は上下方向の動きが抑えられていることから、そのフランジの高さも略同一となる。従って、互いに略同一とされた容器間のフランジ同士が接触し、衝突することになることから、一方の容器のフランジの下に他方の容器のフランジが入り込んでしまうことにより疵が付き、或いは破損に至るのを防止することができる。また互いに接触するフランジの高さにずれが無いので、蓋の剥離等を抑制できる。
【0022】
このように本発明によれば、アキュームされた容器に対して、新たに搬送プレートに供給された容器を互いのフランジの高さを略同一にすることで上述したメカニズムに基づいて破損を防止することができ、その後アキュームされた後は殆ど負荷かかからないことから、容器自体に疵が付き、又は破損させることを好適に防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明を適用した容器用アキュームレータの平面図である。
図2図2は、本発明を適用した容器用アキュームレータの側面図
図3図3は、チャンバーボックスの構成を示す斜視図である。
図4図4は、チャンバーボックスを、シリンダーを介して搬送路側Aは押し上げることなく集積側Bのみを押し上げる方法について説明するための図である。
図5図5は、本発明を適用した容器用アキュームレータにおいて搬送してアキュームする容器の例について説明するための図である。
図6図6は、搬送プレートに設けられる排出孔の構成について説明するための図である。
図7図7は、排出孔のサイズ、密度、間隔の各例を示す図である。
図8図8は、容器の底部が必ず一の排出孔の上に位置するように配置することによる作用効果について説明するための図である。
図9図9は、搬送プレート上においてアキュームした容器を再び搬送路に戻す場合の制御について説明するための側面図である。
図10図10は、搬送プレート上においてアキュームした容器を再び搬送路に戻す場合の制御について説明するための平面図である。
図11図11は、判別された容器の量に応じて搬送プレートの傾斜角度を制御する例を示す図である。
図12図12は、チャンバーボックスにつき互いに内壁により隔てて複数の空間に分割した例を示す図である。
図13図13は、アキュームした容器を元の搬送路に戻すのではなく、供給元の搬送路とは異なる他の搬送路へ送出する構成について説明するための図である。
図14図14は、従来技術の問題点について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を適用した容器用アキュームレータについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
【0025】
図1は、本発明を適用した容器用アキュームレータ1の平面図であり、図2は、その側面図である。
【0026】
容器用アキュームレータ1は、上流の搬送路2から供給される容器5を搬送して集積(アキューム)するものであり、チャンバーボックス12と、チャンバーボックス12の天板を構成する搬送プレート11と、搬送プレート11の周囲に立設された周壁33と、チャンバーボックス12を支持する架台16と、チャンバーボックス12にエアを送気するエア供給ホース13と、このエア供給ホース13に接続されたブロワー14と、チャンバーボックス12と架台16との間に配設されたシリンダー18と、シリンダー18に接続された制御装置19とを備えている。
【0027】
搬送路2は、支持台20により支持され、紙コップを始めとする容器5を製造する製造ラインにおいて配設されるものであり、底紙打抜きや胴部巻き付け接着から、仕上げ、更には容器を複数段に積み上げることによるスタックの形成に至る各ユニットを互いに連結するものである。容器5は、製造ライン内の各ユニットにおいて製造に必要な各種処理動作が施された後、下流側にある次のユニットに向けてこの搬送路2を介して搬送される。搬送路2は、上流から下流に向けて容器5をその自重により自然に流下させるように搬送するもであってもよいし、例えば周知のベルトコンベア等のように機械的にこれを搬送するものであってもよい。
【0028】
搬送路2には、その側方において容器用アキュームレータ1が近接して設けられている。搬送路2は、搬送されてくる容器5を容器用アキュームレータ1へ供給する場合、図1に示すような搬送経路を分岐させ、又は合流させるためのスクレーパー21が設けられている。このスクレーパー21は、図示しない制御部を介して支点21aを中心に図中矢印方向にヘラ21bを回動自在に設けている。ヘラ21bを容器用アキュームレータ1側に回動させることにより、上流から搬送されてくる容器5を容器用アキュームレータ1に導くことが可能となる。
【0029】
チャンバーボックス12は、図3(a)、(b)に示すように底板12aの周囲に側板12bを周設させた断面矩形状の箱体で構成されている。このチャンバーボックス12における底板12aには送気口25が設けられている。
【0030】
チャンバーボックス12の天板を構成する搬送プレート11は、その表面が平滑になるように仕上げられた平板上の板体で構成されており、その材質は、金属、樹脂、セラミックス等、いかなる材料で構成されていてもよい。この搬送プレート11上において、搬送路2から供給されてくる容器5を搬送し、アキュームする。この搬送プレート11の表面は、後述するように容器5の底部を滑べらせることで搬送するものであることから、平滑度を向上させるための周知の表面処理が施されていることが望ましい。また、搬送プレート11には、当該搬送プレート11自体を貫通する複数の排出孔28を点在させてなる。排出孔28のサイズや配置については、後段において詳述する。
【0031】
このようなチャンバーボックス12及びその天板を構成する搬送プレート11において、図1、2に示すように、より搬送路2に近接する側を搬送路側Aといい、より搬送路2から離間する側を集積側Bという。
【0032】
容器5を搬送プレート11において搬送してアキュームする段階では、通常この搬送プレート11を搬送路側Aよりも集積側Bの高さを低く設定しておく。これにより、搬送プレート11を搬送路2から下向きに傾斜させた状態で保持することができる。
【0033】
搬送プレート11の周囲に設けられる周壁33は、搬送プレート11の外郭に沿って隙間なく立設されている。この周壁33の材質も搬送プレート11と同様に金属、樹脂、セラミックス等、いかなる材料で構成されていてもよい。このような周壁33を搬送プレート11の周囲に立設させることにより、搬送プレート11上を搬送されてくる容器5が搬送プレート11の外郭に到達したときにこれが落下するのを抑えることができる。
【0034】
エア供給ホース13は、弾性変形自在な樹脂等からなる管体で構成され、一端が送気口25に取り付けられ、他端がブロワー14に接続される。このエア供給ホース13は、ブロワー14から送気されてくるエアをそのまま送気口25を介してチャンバーボックス12内へと導く。これによりチャンバーボックス12には、このエア供給ホース13を介して連続的にエアが供給され続ける状態となる。
【0035】
ブロワー14は、いわゆるエアコンプレッサー等で構成され、モーター等の動力源を利用してエアを圧縮し、これを高い圧力を以って吐出する。このブロワー14から吐出されたエアが上述したエア供給ホース13を介して送気されることとなる。
【0036】
シリンダー18は、例えば油圧シリンダーやエアシリンダー等で構成され、図示しない電磁弁を制御することにより、ピストンを往復運動自在に構成したものである。このシリンダー18は、図2に示すように、一端が架台16上に取り付けられ、他端がチャンバーボックス12の集積側Bに取り付けられる。シリンダー18がそのピストンを延伸させることにより、その他端に取り付けられたチャンバーボックス12の集積側Bに押圧力を付与することが可能となる。
【0037】
このときチャンバーボックス12において、図2中紙面奥行方向に延長された支軸34を予め配設しておくことにより、シリンダー18を介して集積側Bに押圧力が加わり、チャンバーボックス12を支軸34を支点として集積側Bを押し上げることができる。即ち、図4に示すように、搬送路側Aは押し上げることなく、集積側Bのみを押し上げることが可能となる。これにより、搬送プレート11を搬送路2から上向きに傾斜させることが可能となる。また、シリンダー18がそのピストンを縮めることにより、チャンバーボックス12を支軸34を支点として集積側Bを下げることができる。これにより、搬送プレート11を搬送路2から下向きに傾斜させることが可能となる。
【0038】
制御装置19は、シリンダー18における電磁弁に対して電気信号を送ることによりシリンダー18におけるピストンの往復運動を制御する。制御装置19は、PLC(シーケンサー)などで構成され、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、ウェアラブル端末、タブレット型端末等を始めとする電子機器に接続されていてもよく、これらの電子機器からの制御の下でシリンダー18に電気信号を送るようにしてもよい。また制御装置19自身をこれらの電子機器として構成してもよい。
【0039】
なお、本発明では、このようなシリンダー18及びこれを制御する制御装置19からなる形態に限定されるものではなく、図示しない棒体を架台16とチャンバーボックス12との間に介装し、又は介装しないようにすることを手動により調整するようにしてもよい。
【0040】
また、本発明に係る容器用アキュームレータ1において搬送してアキュームする容器5は、例えば、紙コップからなり、図5に示すように、円形の底部51と、底部51から上側に向かうに従い径が大きくなる側壁52と、側壁52の上端部に形成される開口の周囲には、径方向外側に突出するフランジ54が形成され、このフランジ54には、蓋53が閉蓋される場合もある。なお、容器5は、紙製以外に、樹脂製等、いかなる材質で構成されるものであってもよい。また、容器5は、以下の実施形態においては紙コップとして適用される場合を例に挙げて説明をするが、これに限定されるものではなく、いかなる容器であってもよい。
【0041】
次に、搬送プレート11に設けられる排出孔28の構成について説明する。排出孔28は、図6に示すように、搬送プレート11上において規則的に配列されて構成されている。以下の説明において、この排出孔28が縦方向、横方向に配列している場合を例にとり説明をするが、これに限定されるものではなく、排出孔28の配置形態は、不規則的なもの、ランダムなもので構成されていてもよい。
【0042】
排出孔28の平面的な形状は、円形で構成されているが、これに限定されるものでなく、多角形状、又は不規則な形状で構成されるものであってもよい。
【0043】
排出孔28の径及び隣接する排出孔28の間隔は、容器5の底部51の形状や径に対応したものとなっている。このとき、各容器5の底部51に少なくとも一の排出孔28が常に位置するように、排出孔28の径及び隣接する排出孔28の間隔が予め決定される。図6の例では、底部51がφ60mmである場合、排出孔28の径をφ1.5mm、隣接する排出孔28の中心間の距離を20mmに設定した例である。このような配置に設定された排出孔28が形成された搬送プレート11上において容器5を搬送させ、またアキュームする各時点において、容器5は、この排出孔28の配列上にそれぞれ位置することとなる。この排出孔28の配列上のいかなる位置に容器5がある場合であっても、各容器5の底部51に少なくとも一の排出孔28が常に位置することが前提となる。図6に示すように時点t1から次の時点t2において、搬送過程にある容器5は、排出孔28の配列上の位置が移動することになるが、移動後の位置においても同様に容器5の底部51に少なくとも一の排出孔28が常に位置することが前提となる。
【0044】
即ち、搬送プレート11上において容器5を搬送させ、またアキュームする各時点において、容器5の底部51は、排出孔28の配列上のいかなる位置に移動する可能性があるが、このいかなる位置に移動するものであっても、必ず一の排出孔28の上に位置するように、排出孔28が配置されていることが前提となる。
【0045】
図7(a)は、排出孔28の径を小さくする代わりに隣接する排出孔28の間隔を短くすることで、その単位面積当たりの密度を向上させることで、容器5の底部51上に数多くの排出孔28が位置するように配列した例である。図7(b)は、排出孔28の径を大きくする代わりに隣接する排出孔28の間隔を長く構成した例である。容器5の位置によっては、ある排出孔28はその全てが、容器5の底部51に含まれず、一部が底部51から逸脱する場合もある。かかる場合においても、底部51に少なくとも一の排出孔28が常に位置するものとみなしてよい。但し、図7(c)の比較例に示すように容器5の位置によっては、一の排出孔28のその一部のみであっても、容器5の底部51に全く含まれない場合が生じる配置は、本発明には含まれない。
【0046】
次に、本発明を適用した容器用アキュームレータ1において、上流の搬送路2から供給される容器5を搬送してアキュームする動作について説明をする。
【0047】
先ず、容器用アキュームレータ1を動作させる際には、シリンダー18を縮めておくことにより、搬送プレート11を搬送路側Aよりも集積側Bの高さを低く設定することにより、搬送プレート11を搬送路2から下向きに傾斜させた状態で保持する。また、ブロワー14から吐出させたエアをエア供給ホース13を介してチャンバーボックス12内へ送気する。このチャンバーボックス12内へ送気されたエアは、その天板を構成する搬送プレート11に設けられた排出孔28を介して排出される。
【0048】
このように動作させた容器用アキュームレータ1に対して、搬送路2におけるスクレーパー21を容器用アキュームレータ1側に回動させることにより、上流から搬送されてくる容器5は、搬送プレート11へと導かれることとなる。
【0049】
搬送プレート11は、上述したように搬送路2から下向きに傾斜させた状態で保持されている。このため、搬送路2から導かれた容器5は、図1、2の矢印方向に示すようにその自重により搬送プレート11上を集積側Bへと搬送されていることとなる。搬送プレート11上のいかなる位置においても、図8に示すように、容器5の底部51が必ず一の排出孔28の上に位置するように、当該排出孔28が配置されている。そして、その排出孔28から常時エアが排出されている。このため、容器5の底部51は、搬送プレート11のいかなる位置に搬送された場合においても排出孔28から排出されたエアにより上向きの力を受ける状態となる。
【0050】
即ち、容器5は、自重により搬送プレート11上を集積側Bへと搬送されるいかなる時点において、排出孔28から排出される上向きの力を常時受け続けることになる。これにより、容器5の底部51は、搬送プレート11に対してその一部又は全てが離間し、或いは搬送プレート11に対して離間はしていないものの、搬送プレート11に対して付与される自重の力を減少させることが可能となる。その結果、容器5の底部51と、搬送プレート11との摩擦を減らすことができる。このため、本発明によれば、容器5の底部51が搬送プレート11の表面に擦れることによる、底部51の変形や破損を防止することができる。
【0051】
また、自重により搬送プレート11上を集積側Bへと搬送されてきた容器5は、図8に示すように集積側Bから順にアキュームされていく。このアキュームされた容器5-1に対して、新たに搬送プレート11に供給された容器5―2も同様に集積側Bへと搬送されてくる。そして、アキュームされた容器5-1に対して、新たに供給された容器5-2が搬送されて接触することになる。
【0052】
このアキュームされた容器5-1も、上述したように排出孔28から排出されるエアによる上向きの力を常時受け続けている。これにより、容器5-1の底部51は、搬送プレート11に対してその一部又は全てが離間し、或いは搬送プレート11に対して離間はしていないものの、搬送プレート11に対して付与される自重の力を減少させることが可能となる。その結果、搬送プレート11から伝わる振動がこの容器5-1に伝わりにくくなることから容器5-1がその振動に基づいて動いてしまうことを極力抑制でき、自重により安定して静止している状態を保つことが可能となる。
【0053】
同様に、搬送されてくる容器5-2の底部51は、搬送プレート11に対してその一部又は全てが離間し、或いは搬送プレート11に対して離間はしていないものの、搬送プレート11に対して付与される自重の力を減少させることが可能となる。その結果、搬送プレート11から伝わる振動がこの容器5-2に伝わりにくくなることから容器5-2がその振動に基づいて動いてしまうことを極力抑制できる。
【0054】
容器5-1と容器5-2が接触する場合、互いにそのフランジ54を介して接触することになるが、容器5-1と容器5-2は互いに上下方向の動きが抑えられていることから、そのフランジ54の高さも略同一となる。従って、互いに略同一とされた容器5-1と容器5-2のフランジ54同士が接触し、衝突することになることから、一方の容器5のフランジ54の下に他方の容器5のフランジ54が入り込んでしまうことにより疵が付き、或いは破損に至るのを防止することができる。また互いに接触するフランジ54の高さにずれがある状態で接触した場合、そのフランジ54に蓋53が取り付けられていた場合に、蓋53が剥離し、疵が付いてしまう場合があるが、本発明によれば、互いにそのフランジ54を介して接触することから、蓋53の剥離等を抑制できる。
【0055】
またアキュームされた後の各容器5間についても、上述したように排出孔28から排出される上向きの力を常時受け続けることで動きが抑制され、自重により安定している状態となることから、一方の容器5のフランジ54の下に他方の容器5のフランジ54が入り込んでしまうことにより疵が付き、或いは破損に至るのを同様に防止することができる。
【0056】
このように本発明によれば、アキュームされた容器5-1に対して、新たに搬送プレート11に供給された容器5―2を互いのフランジ54の高さを略同一にすることで上述したメカニズムに基づいて破損を防止することができ、その後アキュームされた後は殆ど負荷かかからないことから、容器5自体に疵が付き、又は破損させることを好適に防ぐことが可能となる。
【0057】
なお、搬送プレート11上においてアキュームした容器5を再び搬送路2に戻す場合には、制御装置19により、図9に示すようにシリンダー18を伸張させるように制御する。その結果、搬送プレート11を搬送路2から上向きに傾斜させることで、容器5を集積側Bから搬送路側Aへと搬送することができる。かかる場合には、図10に示すように、搬送路2におけるスクレーパー21を容器用アキュームレータ1から離間させて元に戻すことにより、搬送プレート11から搬送路2に容器5を供給することができる。
【0058】
この容器5を搬送路2に戻す過程においても同様に排出孔28からエアを排出し続けるようにしてもよい。容器5を搬送路2に戻す過程においても容器5同士が接触することになるが、上述したメカニズムに基づいて、疵が付き又は破損させることを好適に防ぐことが可能となる。
【0059】
なお、本発明を適用した容器用アキュームレータ1では、搬送プレート11上にある容器5の量に基づいて、その傾斜角度を自動調整するようにしてもよい。
【0060】
かかる場合には、先ず搬送プレート11上にある容器5の量を判別する。容器5の量の判別方法としては、例えばチャンバーボックス12に図示しない重量計を予め設置しておき、計測した重量に基づいて搬送プレート11上にある容器5の量を判別してもよい。また、搬送プレート11の一面に図示しない接触センサを予め配設しておき、容器5をセンシングできた領域に基づいて、搬送プレート11上にある容器5の量を判別するようにしてもよい。更に、搬送プレート11を全体をカメラにより上から撮像し、撮像した画像を解析することで、搬送プレート11上にある容器5の量を判別するようにしてもよい。このとき、搬送プレート11上に容器5が搭載している画像データと、容器5の実際の量のデータからなるデータセットを人工知能により学習させておき、この蓄積した学習データに基づいて、新たに撮像した画像データから容器5の量を判別するようにしてもよい。
【0061】
このようにして、判別された搬送プレート11上にある容器5の量に関する情報は、制御装置19に送信される。制御装置19は、容器5の量に関する情報に基づいて、シリンダー18を制御することにより、搬送プレート11の傾斜角度を自動的に調整する。この傾斜角度の調整は、予め設定されたプログラムに基づき、いかなる容器5の量に関する情報に基づいて、搬送プレート11をいかなる傾斜角度に調整してもよい。
【0062】
例えば、上流の搬送路2から供給される容器5を搬送してアキュームする段階において、判別された容器5の量がより少なくなるにつれて、搬送路2からの下向きの傾斜角度がより小さくなるように自動的に調整するようにしてもよい。即ち、図11(a)に示すように、搬送プレート11上の容器5がより少ない場合には、上流の搬送路2から搬送プレート11上を滑り落ちる高さがその分小さくなることから、既にアキュームされた容器5との衝突時のエネルギーを極力下げる観点から、傾斜角度θをより小さくする。これにより、容器5の搬送速度を抑制し、衝突時のエネルギーを下げることができる。
【0063】
これに対して、図11(b)に示すように、搬送プレート11上の容器5がより多い場合には、上流の搬送路2から搬送プレート11上を滑り落ちる高さがその分小さくなることから、既にアキュームされた容器5との衝突時のエネルギーを下げるよりもむしろ搬送速度を向上させた方が効率が上がるので、傾斜角度θをより大きくするようにしてもよい。
【0064】
なお、本発明によれば、更にシリンダー18を、図1中に示す奥行方向に複数設けておくことにより、この奥行方向への傾斜を自在に制御することもできる。この奥行方向の傾斜角度の制御についても同様に、搬送プレート11上において判別された容器5の量に基づいて行うようにしてもよい。
【0065】
また、本発明では、判別された搬送プレート11上にある容器5の量に関する情報に基づいて、チャンバーボックス12へ送気するエアの量を制御するようにしてもよい。このエアの量の制御は、エアの量を増減させる以外に、エアの送気を行うか否かも含まれる。例えば判別された搬送プレート11上の容器5の量が多く、アキュームがある程度完了した場合、新たに供給される容器5は少ないので、容器5の衝突による影響が少なくなるものと考えられるため、排出孔28から排出するエアの量を少なくし、或いはエアの排出自体を停止する制御を行うようにしてもよい。
【0066】
図12は、チャンバーボックス12は、互いに内壁120により隔てられた複数の空間121a~121fに分割した例を示している。各空間121a~121fは、内壁120により隔てられることにより、互いにエアが流入出しないように構成されている。また各空間121a~121fには、それぞれその底部において送気口25a~25fが設けられている。そして各送気口25a~25fには、互いに独立してエア供給ホース13が設けられ、ブロワー14を介してそれぞれ独立してエアが供給可能とされている。各空間121a~121fに送気されたエアは、各空間121a~121fの上部にある排出孔28から同様に排出される。
【0067】
このとき、各空間121a~121fについてエアを送気する空間と送気しない空間を分けるようにしてもよい。またエアを送気するか否か以外に、エアの供給量を各空間121a~121fにおいて異なるように制御するようにしてもよい。
【0068】
このような各空間121a~121f間において送気するエアの供給量が異なるようにブロワー14を制御することにより、何れかの空間121a~121fにおいては、エアの供給量を多くし、他の空間121a~121fにはエアの供給量を少なくするか、或いはエアの供給を停止する制御を行うことができる。その結果、エアの供給量を多くした空間121a~121fの直上にある排出孔28からはエアを勢いよく大量に噴出させることができる一方で、エアの供給量を少なくするか、或いはエアの供給を停止した空間121a~121fの直上にある排出孔28からは、エアの排出量が弱くなるか、或いはエアが全く排出されない状態となる。
【0069】
このため、搬送プレート11を、この直下にある各空間121a~121fの領域に応じて、排出孔28からのエアの排出量が多い領域、少ない領域、或いはエアが排出されない領域を作り出すことができ、しかも各空間121a~121fへのエアの送気量を変更することにより、その領域を随時入れ替えることも可能となる。
【0070】
例えば、ある時点においては、全ての空間121a~121fの領域に応じた排出孔28から一律にエアを排出するが、空間121a、121bに対応する搬送プレート11の領域が容器5により満たされたものと判別した場合、当該空間121a、121bへエアの送気を停止してもよい。これにより、搬送プレート11における空間121a、121bの領域に応じた排出孔28からエアの排出が停止される結果、当該領域にある容器5には排出孔28からのエアによる上向きの力がかからなくなる。既にアキュームされている容器5については、排出孔28からのエアによる上向きの力が負荷されなくても、容器5自体に疵をつけ又は破損させることを防止しつつ重力のみで自然に収まり、かつエアの送気量を節約することが可能となる。
【0071】
同様に、空間121c、121dに対応する搬送プレート11の領域が容器5により満たされたものと判別した場合も同様に当該空間121a、121bへエアの送気を停止し、又は排出量を減らすることで、エアの送気量を節約することが可能となる。
【0072】
搬送プレート11上にある容器5の量や充填度合の判別方法は、上述と同様である。また上述した例では、空間121について空間121a~121fの6室にチャンバーボックス12を区切る場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではなく、複数であればいかなる室数で構成されるものであってもよい。
【0073】
図13(a)は、本発明を適用した容器用アキュームレータ1の他の実施の形態を示している。この容器用アキュームレータ1では、アキュームした容器5を元の搬送路2に戻すのではなく、搬送路2とは異なる他の搬送路2´へ送出するものである。この搬送路2´は、搬送路2よりも下流側に位置するものであるため、当該搬送路2によりも高さが低く設定されている。このような実施形態において、搬送プレート11における集積側Bの周壁33が切りかかれて送出口39を形成している。この送出口39にも同様に開閉自在に制御されるスクレーパー21´が設けられていてもよい。この送出口39の外側に搬送路2´設けられている。搬送路2´は、送出口39から送出されてくる容器5を更に下流まで搬送するための経路を形成している。搬送プレート11における集積側Bから順にアキュームされた容器5を搬送路2´へ搬送する場合には、スクレーパー21´を開放することで、容器5が自重により下流側にある搬送路´へと自然に搬送される。
【0074】
このとき図13(b)に示すように、搬送路2´に創出された容器5を再び搬送路2に戻すように設計してもよい。即ち、搬送路2´は、搬送路2へ容器5を戻すためのバイパス用のコンベアとしての役割を担う。
【実施例0075】
以下、本発明を適用した容器用アキュームレータ1の実施例について説明をする。容器5を排出孔28から排出されるエアにより浮遊させる条件は、以下の(1)式で示される。
【0076】
M<Pc×S・・・・・・・・(1)
ここでM:容器5の重量(kg)
c:チャンバーボックス12内の空気圧(kgf/m2
S:容器5の底面積(m2
【0077】
ここで、M=0.145kgとし、容器5については底部51の径がφ60mmであると仮定し、S=0.0028m2とする。
【0078】
(1)式を変形すると、M/S<Pcであることから、0.145/0.0028=51.78(kgf/m2)となる。このため、上述したM、Sの条件の場合、チャンバーボックス12内の空気圧は、51.78(kgf/m2)よりも大きくなるように設定することにより、容器5をエアにより浮遊させることができる。
【実施例0079】
ベルヌーイの定理から、容器5を浮遊させる上で必要なエアの流量を求める。ベルヌーイの定理は、動圧と静圧の運動エネルギーの和は、常に一定であることから、チャンバーボックス12内のエアの運動エネルギーは、排出孔28から排出したエアの運動エネルギーと等しくなることが前提となる。このため、ベルヌーイの定理の下では、以下の(2)式が成り立つ。
【0080】
1/2×ρ1×v1 2+P1=1/2×ρ2×v2 2+P2・・・・・・(2)
ここで、ρ1は、チャンバーボックス12内のエアの流体密度(kg/m3
ρ2は、排出孔28から排出したエアの流体密度(kg/m3
1は、チャンバーボックス12内のエアの流速(m/s)
2は、排出孔28から排出したエアの流速(m/s)
1は、チャンバーボックス12内のエアの圧力(Pa)
2は、排出孔28から排出したエアの圧力(Pa)である。
【0081】
ここでρ1、ρ2=1.3(kg/m3
1=0(m/s)
1=507.44(Pa)
2=0(Pa)
とするとき、これらの数値を(2)式に代入して整理すると、v2=27.95(m/s)となる。
【0082】
容器5を浮遊させる上で必要なエアの流量を考える際、容器5の浮遊時に発生する隙間からエアが漏れる。この隙間の体積分のエアを供給し続けることができる条件を求めることで、容器5を浮遊させる上で必要なエアの流量を求めることができる。
【0083】
ここで容器5の浮遊高さを0.01mmとした上で、次の(3)式にて算出する。
【0084】
Q=h×L×v・・・・・・・(3)
ここで、Q:必要なエアの流量(m3/s)
h:浮遊高さ(m)
L:容器5の底面の外周(m)
v:漏れたエアの流速(m/s)
【0085】
この漏れたエアの流速vが上述した排出孔28から排出したエアの流速v2と等しくなるものと仮定する。
【0086】
容器5については底部51の径がφ60mmであると仮定し、容器5の底面の外周は0.188(m)とする。
【0087】
これらの数値を(3)式に代入すると、Q=0.0000526(m3/s)となり、必要なエアの流量が求められ、この流量を満たすようエアを供給すれば、容器5を浮遊させることができる。
【0088】
また、容器5の大きさが変わっても、上記(3)の式より、Qの値を求めることで、容器5を浮遊させるために必要なエア流量が換算できるので、様々な大きさの容器5に対応させることが可能となる。
【符号の説明】
【0089】
1 容器用アキュームレータ
2 搬送路
5 容器
11 搬送プレート
12 チャンバーボックス
12a 底板
12b 側板
13 エア供給ホース
14 ブロワー
16 架台
18 シリンダー
19 制御装置
21 スクレーパー
21a 支点
21b ヘラ
25 送気口
28 排出孔
33 周壁
34 支軸
39 送出口
51 底部
52 側壁
53 蓋
54 フランジ
120 内壁
121 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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