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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044040
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】送信装置および受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/49 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
H04L25/49 L
H04L25/49 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149353
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神保 潮
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 学
(72)【発明者】
【氏名】薗田 大資
【テーマコード(参考)】
5K029
【Fターム(参考)】
5K029FF02
5K029GG03
(57)【要約】
【課題】2値信号に対して用いられるライン符号化方式との親和性を高くする。
【解決手段】送信装置は、符号化部と、送信回路とを備える。符号化部は、伝送データ列を第1ライン符号化方式で符号化してベースバンドデータ列に変換する。送信回路は、ベースバンドデータ列を2個の値の組毎に4値のパルス振幅変調をすることにより生成した伝送信号を送信する。符号化部は、伝送データ列のうちの第1データ列を予め定められた第1ライン符号化方式で符号化してベースバンドデータ列に含める。符号化部は、伝送データ列のうちの第1データ列とは異なる第2データ列を第2ライン符号化方式で符号化する。符号化部は、符号化した第2データ列に含まれる各値を、4値のパルス振幅変調における最大振幅に変調される最大値または最小振幅に変調される最小値の何れかを表す高分解能値に変換し、高分解能値の系列に変換された第2データ列をベースバンドデータ列に含める。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2値で表されるデータの系列である伝送データ列を符号化して、2値で表されるデータの系列であるベースバンドデータ列に変換する符号化部と、
前記ベースバンドデータ列をN個(Nは2以上の整数)の値の組毎に2値のパルス振幅変調をすることにより伝送信号を生成し、前記伝送信号を送信する送信回路と、
を備え、
前記符号化部は、
前記伝送データ列のうちの第1データ列を予め定められた第1ライン符号化方式で符号化し、前記符号化した前記第1データ列を前記ベースバンドデータ列に含め、
前記伝送データ列のうちの前記第1データ列とは異なる第2データ列を前記第1ライン符号化方式とは異なる第2ライン符号化方式で符号化し、符号化した前記第2データ列をM個(Mは1以上Nより小さい整数)の値の組毎に前記2値のパルス振幅変調における2値に対応する振幅に変調される高分解能値に変換し、前記高分解能値の系列に変換された前記第2データ列を前記ベースバンドデータ列に含める
送信装置。
【請求項2】
前記送信回路は、前記ベースバンドデータ列を2個の値の組毎に4値のパルス振幅変調をすることにより前記伝送信号を生成し、生成した前記伝送信号を送信し、
前記符号化部は、前記第2ライン符号化方式で符号化した前記第2データ列に含まれる各値を、前記4値のパルス振幅変調における最大振幅に変調される最大値または最小振幅に変調される最小値の何れかを表す前記高分解能値に変換し、前記高分解能値の系列に変換された前記第2データ列を前記ベースバンドデータ列に含める
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記第2データ列は、送受信の制御のための制御コードであり、
前記第2ライン符号化方式は、8b/10b符号化方式であり、
前記符号化部は、
前記伝送データ列のうちの前記制御コードを前記8b/10b符号化方式で符号化し、
前記8b/10b符号化方式で符号化した前記制御コードに含まれる各値を、前記高分解能値に変換し、
前記高分解能値の系列に変換された前記制御コードを、前記ベースバンドデータ列に含める
請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記ベースバンドデータ列は、前記第1ライン符号化方式で定められた形式の複数のパケットを含み、
前記複数のパケットのそれぞれは、前記第1ライン符号化方式で定められたデータ長の複数のブロックを含み、
前記複数のブロックのそれぞれは、同期コードであるシンクヘッダと、前記シンクヘッダに続くデータ領域とを含む
請求項2に記載の送信装置。
【請求項5】
前記複数のパケットのうちの1つは、送受信の制御のための制御コードを含む制御パケットであり、
前記第2ライン符号化方式は、8b/10b符号化方式であり、
前記制御パケットを生成する場合、前記符号化部は、
前記伝送データ列に含まれる前記制御コードを前記8b/10b符号化方式で符号化し、
前記8b/10b符号化方式で符号化した前記制御コードに含まれる各値を前記高分解能値に変換し、
前記高分解能値の系列に変換された前記制御コードを、前記制御パケットに含める
請求項4に記載の送信装置。
【請求項6】
前記複数のパケットのうちの1つは、実体データであるペイロードデータを含むデータパケットであり、
前記第2ライン符号化方式は、8b/10b符号化方式であり、
前記データパケットは、先頭に配置される1または複数のヘッダブロックと、末尾に配置される1または複数のフッタブロックと、前記1または複数のヘッダブロックと前記1または複数のフッタブロックとの間に配置される1または複数のペイロードブロックとを含み、
前記1または複数のヘッダブロックおよび前記1または複数のフッタブロックのそれぞれは、前記複数のブロックのうちの1つであり、送受信の制御のための制御コードを含み、
前記1または複数のペイロードブロックのそれぞれは、前記複数のブロックのうちの1つであり、前記ペイロードデータを含み、
前記データパケットを生成する場合、前記符号化部は、
前記伝送データ列に含まれる前記ペイロードデータを前記1または複数のペイロードブロックの何れかのペイロードブロックに含め、
前記伝送データ列に含まれる前記制御コードを8b/10b符号化方式で符号化し、
前記8b/10b符号化方式で符号化した前記制御コードに含まれる各値を前記高分解能値に変換し、
前記高分解能値の系列に変換された前記制御コードを、前記1または複数のヘッダブロックおよび前記1または複数のフッタブロックに含める
請求項4に記載の送信装置。
【請求項7】
前記符号化部は、
前記ペイロードデータの一部である部分ペイロードデータを前記8b/10b符号化方式で符号化し、
前記8b/10b符号化方式で符号化した前記部分ペイロードデータに含まれる各値を前記高分解能値に変換し、
前記高分解能値の系列に変換された前記部分ペイロードデータを、前記1または複数のヘッダブロックおよび前記1または複数のフッタブロックのうちの前記制御コードが含まれない余剰領域に含める
請求項6に記載の送信装置。
【請求項8】
前記符号化部は、
前記伝送信号における振幅を単位期間毎に累加算した累積値を算出し、
前記1または複数のヘッダブロックおよび前記1または複数のフッタブロックのそれぞれにおける制御コードが含まれない余剰領域に、前記累積値を0に近づける方向に変調される補正データ列を含める
請求項6に記載の送信装置。
【請求項9】
前記符号化部は、前記伝送信号における振幅を単位期間毎に累加算した累積値を算出し、
前記振幅は、前記最大振幅と前記最小振幅との中間値を0として表され、
前記データパケットを生成する場合、前記符号化部は、
前記累積値の絶対値が予め定められた第1閾値より大きくなった後、前記累積値の絶対値が予め定められた第2閾値より小さくなるまでの第1期間において、前記ペイロードブロックに含める前記ペイロードデータを前記8b/10b符号化方式で符号化し、前記8b/10b符号化方式で符号化した前記ペイロードデータに含まれる各値を前記高分解能値に変換し、前記高分解能値の系列に変換された前記ペイロードデータを前記ペイロードブロックに含め、
前記第1期間とは異なる期間において、前記ペイロードデータを、前記第1ライン符号化方式で符号化して前記ペイロードブロックに含める
請求項6に記載の送信装置。
【請求項10】
前記符号化部は、前記高分解能値の系列に変換した前記第2データ列を、連続した2つのブロックに分割して含める
請求項4に記載の送信装置。
【請求項11】
単位期間毎に2値(Nは2以上の整数)のパルス振幅変調がされた伝送信号を受信し、前記伝送信号を前記単位期間毎にサンプリングして、2値で表されるデータの系列であるベースバンドデータ列を生成する受信回路と、
前記ベースバンドデータ列を復号して、2値で表されるデータの系列である伝送データ列を生成する復号部と、
を備え、
前記復号部は、
前記ベースバンドデータ列のうちの第1データ列を予め定められた第1ライン符号化方式で復号し、復号した前記第1データ列を前記伝送データ列に含め、
前記ベースバンドデータ列のうち前記第1データ列とは異なる第2データ列をN個の値の組毎に2値を表す低分解能値に変換し、前記低分解能値の系列に変換された前記第2データ列を前記第1ライン符号化方式と異なる第2ライン符号化方式で復号し、復号した前記第2データ列を前記伝送データ列に含める
受信装置。
【請求項12】
前記受信回路は、前記単位期間毎に4値のパルス振幅変調がされた前記伝送信号を受信し、前記伝送信号を前記単位期間毎にサンプリングして前記ベースバンドデータ列を生成し、
前記復号部は、前記第2データ列を2個の値の組毎に2値で表されるデータ前記低分解能値に変換し、前記低分解能値の系列に変換された前記第2データ列を前記第2ライン符号化方式で復号して前記伝送データ列に含める
請求項11に記載の受信装置。
【請求項13】
前記第2データ列は、送受信の制御のための制御コードであり、
前記第2ライン符号化方式は、8b/10b符号化方式であり、
前記復号部は、
前記制御コードを2個の値の組毎に前記低分解能値に変換し、
前記低分解能値の系列に変換された前記制御コードを前記8b/10b符号化方式で復号し、
前記8b/10b符号化方式で復号した前記制御コードを前記伝送データ列に含める
請求項12に記載の受信装置。
【請求項14】
前記ベースバンドデータ列は、前記第1ライン符号化方式で定められた形式の複数のパケットを含み、
前記複数のパケットのそれぞれは、前記第1ライン符号化方式で定められたデータ長の複数のブロックを含み、
前記複数のブロックのそれぞれは、同期コードであるシンクヘッダと、前記シンクヘッダに続くデータ領域とを含む
請求項12に記載の受信装置。
【請求項15】
前記複数のパケットのうちの1つは、送受信の制御のための制御コードが含まれる制御パケットであり、
前記制御パケットを取得した場合、前記復号部は、
前記制御パケットに含まれる前記制御コードを2個の値の組毎に前記低分解能値に変換し、
前記低分解能値の系列に変換された前記制御コードを8b/10b符号化方式で復号し、
前記8b/10b符号化方式で復号した前記制御コードを前記伝送データ列に含める
請求項14に記載の受信装置。
【請求項16】
前記複数のパケットのうちの1つは、実体データであるペイロードデータを含むデータパケットであり、
前記データパケットは、先頭に配置される1または複数のヘッダブロックと、末尾に配置される1または複数のフッタブロックと、前記1または複数のヘッダブロックと前記1または複数のフッタブロックとの間に配置される1または複数のペイロードブロックとを含み、
前記1または複数のヘッダブロックおよび前記1または複数のフッタブロックのそれぞれは、前記複数のブロックのうちの1つであり、送受信の制御のための制御コードを含み、
前記1または複数のペイロードブロックのそれぞれは、前記複数のブロックのうちの1つであり、前記ペイロードデータを含み、
前記データパケットを取得した場合、前記復号部は、
前記1または複数のペイロードブロックのそれぞれに含まれる前記ペイロードデータを前記伝送データ列に含め、
前記1または複数のヘッダブロックおよび前記1または複数のフッタブロックのそれぞれにおける前記制御コードを2個の値の組毎に前記低分解能値に変換し、
前記低分解能値の系列に変換された前記制御コードを8b/10b符号化方式で復号し、
前記8b/10b符号化方式で復号した前記制御コードを前記伝送データ列に含める
請求項14に記載の受信装置。
【請求項17】
前記復号部は、
前記1または複数のヘッダブロックおよび前記1または複数のフッタブロックのうちの前記制御コードが含まれない領域に含まれる部分ペイロードデータを2個の値の組毎に前記低分解能値に変換し、
前記低分解能値の系列に変換された前記部分ペイロードデータを8b/10b符号化方式で復号し、
前記8b/10b符号化方式で復号した前記部分ペイロードデータを前記伝送データ列に含める
請求項16に記載の受信装置。
【請求項18】
前記復号部は、
前記伝送信号における振幅を前記単位期間毎に累加算した累積値を算出し、
前記振幅は、最大振幅と最小振幅との中間値を0として表され、
前記データパケットを取得した場合、前記復号部は、
前記累積値の絶対値が予め定められた第1閾値より大きくなった後、前記累積値の絶対値が予め定められた第2閾値より小さくなるまでの第1期間において、前記ペイロードブロックにおける前記ペイロードデータを2個の値の組毎に前記低分解能値に変換し、前記低分解能値の系列に変換された前記ペイロードデータを前記8b/10b符号化方式で復号し、前記8b/10b符号化方式で復号した前記ペイロードデータを前記伝送データ列に含め、
前記第1期間とは異なる期間において、前記ペイロードデータを前記第1ライン符号化方式で復号し、前記伝送データ列に含める
請求項16に記載の受信装置。
【請求項19】
前記復号部は、前記複数のブロックのそれぞれにおける制御コードが含まれない領域におけるデータを破棄する
請求項16に記載の受信装置。
【請求項20】
前記復号部は、連続した2つのブロックに含まれる2つの前記ベースバンドデータ列を合成したデータ列から前記第2データ列を取得する
請求項14に記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、送信装置および受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ伝送において、伝送路に伝送させるデータ列の符号方式として、NRZ(non-return-to-zero)および8b/10b符号化が採用されることが多い。近年、高速伝送を実現するためのデータ伝送規格として、PAM4(Pulse Amplitude Modulation 4)を採用することが検討されている。8b/10b符号化方式は、低CID(consecutive identical digits)、DC balance、および、Running Disparityによるエラー検出などを実現することができる。8b/10b符号化方式は、NRZをベースとしているので、PAM4を採用するデータ伝送規格において用いることは難しい。
【0003】
しかしながら、これまでの多くのデータ伝送規格において、8b/10b符号化方式が採用されている。このため、PAM4を採用したデータ伝送規格は、従来のデータ伝送規格との親和性が低くなってしまう可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008-526170号公報
【特許文献2】特開2021-044046号公報
【特許文献3】国際公開第2018/110480号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一つの実施形態は、2値信号に対して用いられるライン符号化方式と多値のパルス振幅変調とを好適に適用した伝送信号を処理することができる送信装置および受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態によれば送信装置が提供される。前記送信装置は、符号化部と、送信回路とを備える。前記符号化部は、2値で表されるデータの系列である伝送データ列を符号化して、2値で表されるデータの系列であるベースバンドデータ列に変換する。前記送信回路は、前記ベースバンドデータ列をN個(Nは2以上の整数)の値の組毎に2値のパルス振幅変調をすることにより伝送信号を生成し、前記伝送信号を送信する。前記符号化部は、前記伝送データ列のうちの第1データ列を予め定められた第1ライン符号化方式で符号化し、前記符号化した前記第1データ列を前記ベースバンドデータ列に含め、前記伝送データ列のうちの前記第1データ列とは異なる第2データ列を前記第1ライン符号化方式とは異なる第2ライン符号化方式で符号化し、符号化した前記第2データ列をM個(Mは1以上Nより小さい整数)の値の組毎に前記2値のパルス振幅変調における2値に対応する振幅に変調される高分解能値に変換し、前記高分解能値の系列に変換された前記第2データ列を前記ベースバンドデータ列に含める。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
図2図2は、ホスト内通信部の構成を示す図である。
図3図3は、データ変換部、送信回路および受信回路の構成を示す図である。
図4図4は、4値のパルス振幅変調がされた伝送信号の波形を示す図である。
図5図5は、本実施形態における伝送信号の変調方法および復号方法を示す図である。
図6図6は、8値のパルス振幅変調がされた伝送信号の波形を示す図である。
図7図7は、128b/132b符号化方式における制御パケットの基本構成を示す図である。
図8図8は、128b/132b符号化方式におけるデータパケットの基本構成を示す図である。
図9図9は、第2実施形態に係る制御パケットの一例を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係るデータパケットの一例を示す図である。
図11図11は、第2実施形態に係る符号化部の構成を示す図である。
図12図12は、第2実施形態に係る復号部の構成を示す図である。
図13図13は、第2実施形態の変形例に係るブロックの一例を示す図である。
図14図14は、第3実施形態に係るデータパケットの一例を示す図である。
図15図15は、累積値の変化の一例を示す図である。
図16図16は、第3実施形態に係る符号化部の構成を示す図である。
図17図17は、第4実施形態に係るデータパケットの一例を示す図である。
図18図18は、第4実施形態に係る符号化部の構成を示す図である。
図19図19は、第4実施形態に係る復号部の構成を示す図である。
図20図20は、第5実施形態に係るブロックの一例を示す図である。
図21図21は、第5実施形態に係るブロックの他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、複数の実施形態を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
【0010】
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム10の構成を示す図である。情報処理システム10は、ホスト装置12と、メモリシステム14とを備える。
【0011】
ホスト装置12は、ホスト内プロセッサ16と、ホスト内通信部18とを含む。ホスト内プロセッサ16は、プログラムを実行し、プログラムに従った情報処理を行う。ホスト内通信部18は、ホスト内プロセッサ16による制御に応じて、メモリシステム14と伝送信号の送信および受信を行う。
【0012】
メモリシステム14は、ホスト装置12の記憶装置として機能する。メモリシステム14は、メモリ装置20と、メモリコントローラ22と、メモリシステム内プロセッサ24と、メモリシステム内通信部26とを含む。メモリコントローラ22と、メモリシステム内プロセッサ24と、メモリシステム内通信部26とは、1の半導体装置としてパッケージングされてもよい。
【0013】
メモリ装置20は、例えば1または複数個の不揮発性の半導体メモリである。不揮発性の半導体メモリは、例えば、NAND型フラッシュメモリである。また、メモリ装置20は、DRAM等の1または複数個の揮発性の半導体メモリおよび不揮発性の半導体メモリを含む構成であってもよいし、1または複数個の揮発性の半導体メモリであってもよい。
【0014】
メモリコントローラ22は、ホスト装置12からの要求等に応じて、メモリ装置20に対してデータの書き込みよび読み出し等のメモリアクセスをする。メモリシステム内プロセッサ24は、プログラムを実行し、プログラムに従った情報処理を行う。メモリシステム内通信部26は、メモリシステム内プロセッサ24による制御に応じて、ホスト装置12と伝送信号の送信および受信を行う。
【0015】
図2は、ホスト内通信部18の構成を示す図である。ホスト内通信部18は、バスコントローラ30と、トランスポート部32と、ネットワーク部34と、データリンク部36と、データ変換部38と、送信回路40と、受信回路42とを備える。トランスポート部32、ネットワーク部34、データリンク部36およびデータ変換部38は、例えば、リンクコントローラ等の回路により実現される。
【0016】
バスコントローラ30は、バスを介してホスト内プロセッサ16とのデータのやり取りの制御を行う。トランスポート部32は、エラー訂正処理および再送処理等を行う。ネットワーク部34は、経路選択および中継等のネットワークに関する処理を行う。データリンク部36は、直接の通信対象となる装置とのやり取りに関する処理を行う。データ変換部38は、予め定められたライン符号化方式による符号化処理および復号処理を行う。送信回路40は、伝送信号をメモリシステム14に送信する。受信回路42は、メモリシステム14から伝送信号を受信する。
【0017】
送信時において、バスコントローラ30は、ホスト内プロセッサ16からバスを介して実体データを取得する。送信時において、バスコントローラ30により取得された実体データは、トランスポート部32、ネットワーク部34、データリンク部36およびデータ変換部38を経由して、送信回路40に送られる。そして、送信回路40は、データ変換部38から取得したデータに対して変調処理をして伝送信号を生成し、生成した伝送信号をメモリシステム14へと送信する。
【0018】
受信時において、受信回路42は、メモリシステム14から伝送信号を受信し、受信した伝送信号に対してクロック再生およびサンプリングする。受信回路42によりサンプリングして得られたデータは、データ変換部38、データリンク部36、ネットワーク部34およびトランスポート部32を経由して、バスコントローラ30に送られる。受信時において、バスコントローラ30は、トランスポート部32から取得した実体データを、バスを介してホスト内プロセッサ16に送信する。
【0019】
なお、メモリシステム内通信部26も、ホスト内通信部18と同様の構成である。ただし、メモリシステム内通信部26の送信回路40は、ホスト装置12に伝送信号を送信する。また、メモリシステム内通信部26の受信回路42は、ホスト装置12から伝送信号を受信する。また、メモリシステム内通信部26のバスコントローラ30は、メモリコントローラ22またはメモリシステム内プロセッサ24とバスを介してデータの送受信を行う。
【0020】
図3は、データ変換部38、送信回路40および受信回路42の構成を示す図である。
【0021】
データ変換部38は、符号化部44と、復号部46とを含む。送信回路40は、パルス振幅変調回路48と、送信増幅器50とを含む。受信回路42は、受信増幅器52と、クロック再生回路54と、サンプリング回路56とを含む。
【0022】
送信時において、符号化部44は、データリンク部36から、2値で表されるデータの系列である伝送データ列を受け取る。なお、本実施形態においては、符号化部44は、データリンク部36から、伝送データ列における制御コードの位置を示すK/D信号をさらに受け取る。
【0023】
符号化部44は、伝送データ列を予め定められた第1ライン符号化方式で符号化して、2値で表されるデータの系列であるベースバンドデータ列に変換する。第1ライン符号化方式は、例えば、多値の振幅変調に適した符号化方式である。例えば、第1ライン符号化方式は、128b/132b符号化方式である。第1ライン符号化方式は、64b/68b符号化方式等の他の符号化方式であってもよい。そして、符号化部44は、ベースバンドデータ列を送信回路40に与える。
【0024】
送信時において、パルス振幅変調回路48は、符号化部44からベースバンドデータ列を受け取る。パルス振幅変調回路48は、ベースバンドデータ列を2個の値の組毎に4値のパルス振幅変調をして伝送信号を生成する。なお、伝送信号における、ベースバンドデータ列における2個の値の組(すなわち、4値)を変調する周期を、単位期間と呼ぶ。
【0025】
送信時において、送信増幅器50は、パルス振幅変調回路48が生成した伝送信号を増幅して伝送路を介して通信対象の装置に送信する。本実施形態においては、送信増幅器50は、差動の伝送信号を、伝送路を介して通信対象に送信する。
【0026】
受信時において、受信増幅器52は、通信対象から伝送路を介して、単位期間毎に4値のパルス振幅変調がされた伝送信号を受信して、受信した信号を増幅して出力する。本実施形態においては、受信増幅器52は、差動の伝送信号を受信して、シングルエンドの伝送信号を出力する。クロック再生回路54は、伝送信号から、単位期間に同期したクロック信号を再生する。サンプリング回路56は、再生されたクロック信号に基づいて、伝送信号を単位期間毎にサンプリングして、単位期間毎にそれぞれが2値で表される2個の値の組を取得する。そして、サンプリング回路56は、サンプリングして得られた2値で表されるデータの系列であるベースバンドデータ列を生成する。サンプリング回路56は、生成したベースバンドデータ列を復号部46に与える。
【0027】
受信時において、復号部46は、受信回路42からベースバンドデータ列を受け取る。復号部46は、ベースバンドデータ列を予め定められた第1ライン符号化方式で復号して、2値で表されるデータの系列である伝送データ列を生成する。そして、復号部46は、生成した伝送データ列をデータリンク部36に与える。本実施形態においては、復号部46は、ベースバンドデータ列に含まれる制御コードを検出し、伝送データ列における制御コードの位置を示すK/D信号をデータリンク部36に与える。
【0028】
図4は、4値のパルス振幅変調がされた伝送信号の波形を示す図である。4値のパルス振幅変調がされた伝送信号は、単位期間毎に、異なる4つの振幅を取りうる。
【0029】
例えば、伝送信号の振幅の中間値を0とする。伝送信号は、変調された値が00である場合、振幅が例えば-3となる。また、伝送信号は、変調された値が01である場合、振幅が例えば-1となる。また、伝送信号は、変調された値が10である場合、振幅が+1となる。また、伝送信号は、変調された値が11である場合、振幅が+3となる。
【0030】
なお、伝送信号に変調される値は、Grayコードであってもよい。伝送信号は、変調された値がGrayコードの11である場合、振幅が+1となる。また、伝送信号は、変調された値がGrayコードの10である場合、振幅が+3となる。なお、伝送信号の振幅の値は、一例であり、他のレベルであってもよい。また、伝送信号の振幅は、変調された値に対して、正負が反転してもよい。
【0031】
ここで、伝送信号が取りうる4つの振幅のうち、最大振幅に変調される2個の値の組を、最大値と呼ぶ。図4の例において、通常2値コードの最大値は、11であり、Grayコードの最大値は、10である。
【0032】
また、伝送信号が取りうる4つの振幅のうち、最小振幅に変調される2個の値の組を、最小値と呼ぶ。図4の例において、通常2値コードの最小値は、00であり、Grayコードの最小値は、同じく00である。
【0033】
図5は、本実施形態における伝送信号の変調方法および復号方法を示す図である。
【0034】
送信時において、符号化部44は、データリンク部36から伝送データ列を受け取る。符号化部44は、伝送データ列のうちの第1データ列を4値モードで符号化をする。具体的には、符号化部44は、第1データ列を第1ライン符号化方式で符号化してベースバンドデータ列に含める。
【0035】
また、符号化部44は、伝送データ列のうちの第1データ列とは異なる第2データ列を2値モードで符号化をする。具体的には、符号化部44は、第2データ列を第1ライン符号化方式とは異なる第2ライン符号化方式で符号化する。第2ライン符号化方式は、例えば8b/10b符号化方式である。
【0036】
続いて、符号化部44は、第2ライン符号化方式で符号化した第2データ列に含まれる各値を、高分解能値に変換する。高分解能値は、4値のパルス振幅変調における最大振幅に変調される最大値または最小振幅に変調される最小値の何れかを表す値である。例えば、符号化部44は、第2データ列に含まれる1を11に変換する。また、符号化部44は、第2データ列に含まれる0を00に変換する。なお、Grayコードを用いる場合には、符号化部44は、第2データ列に含まれる1を10に変換する。なお、2値モードにおいて、符号化部44は、最大振幅または最小振幅以外の振幅を使用しない。そして、符号化部44は、高分解能値の系列に変換された第2データ列をベースバンドデータ列に含める。
【0037】
受信時において、復号部46は、受信回路42からベースバンドデータ列を受け取る。復号部46は、ベースバンドデータ列のうちの第1データ列を4値モードで復号する。具体的には、復号部46は、第1データ列を第1ライン符号化方式で復号して伝送データ列に含めて出力する。
【0038】
また、復号部46は、ベースバンドデータ列のうち第1データ列とは異なる第2データ列を2値モードで復号する。具体的には、まず、復号部46は、第2データ列を2個の値の組毎に2値で表される低分解能値に変換する。例えば、復号部46は、単位期間においてサンプリングされた、振幅が中間値よりも大きい2個の値の組、例えば11または10を、1に変換する。また、復号部46は、単位期間においてサンプリングされた、振幅が中間値よりも小さい2個の値の組、例えば00または01を、0に変換する。そして、復号部46は、低分解能値の系列に変換された第2データ列を第2ライン符号化方式で復号して伝送データ列に含めて出力する。
【0039】
例えば、第2データ列は、送受信の制御のための制御コードである。例えば、符号化部44は、K/D信号を参照することにより、データリンク部36から与えられる伝送データ列における制御コードの位置を検出することができる。また、例えば、復号部46は、ベースバンドデータ列に含まれる同期コードの位置から、ベースバンドデータ列に含まれる制御コードの位置を検出することができる。
【0040】
以上のような、第1実施形態に係る情報処理システム10は、4値のパルス振幅変調がされた伝送信号の一部に、2値で表されるデータの系列である第2データ列を変調することができる。第2データ列は、2値を表すデータの系列であるので、従来採用していた符号化方式、例えば、8b/10b符号化方式により符号化をすることができる。これにより、第1実施形態に係る情報処理システム10は、2値信号に対して用いられるライン符号化方式との親和性を高くした、4値のパルス振幅変調をした伝送信号を、送受信することができる。例えば、第1実施形態に係る情報処理システム10は、2値信号に対して用いられるライン符号化方式で用いられる制御コードを、4値のパルス振幅変調がされた伝送信号の一部に変調した伝送信号を、送受信することができる。
【0041】
送信回路40および受信回路42は、4値のパルス振幅変調に限らず、単位期間毎に2値(Nは2以上の整数)のパルス振幅変調がされた伝送信号を送受信してもよい。
【0042】
この場合、送信時において、送信回路40は、ベースバンドデータ列をN個の値の組毎に2値のパルス振幅変調をすることにより伝送信号を生成する。この場合、符号化部44は、伝送データ列のうちの第1データ列を2値モードで符号化をする。具体的には、符号化部44は、第1データ列を第1ライン符号化方式により符号化してベースバンドデータ列に含める。
【0043】
また、符号化部44は、伝送データ列のうちの第1データ列とは異なる第2データ列を2値モード(Mは1以上Nより小さい整数)で符号化する。具体的には、まず、符号化部44は、第2データ列を第1ライン符号化方式とは異なる第2ライン符号化方式で符号化する。続いて、符号化部44は、第2ライン符号化方式で符号化した第2データ列をM個の値の組毎に2値のパルス振幅変調における2値に対応する振幅に変調される高分解能値に変換する。そして、符号化部44は、高分解能値の系列に変換された第2データ列をベースバンドデータ列に含める。
【0044】
また、受信時において、受信回路42は、単位期間毎に2値のパルス振幅変調がされた伝送信号を受信する。そして、受信回路42は、伝送信号を単位期間毎にサンプリングしてベースバンドデータ列を生成する。
【0045】
この場合において、復号部46は、ベースバンドデータ列のうちの第1データ列を2値モードで復号する。具体的には、復号部46は、第1データ列を第1ライン符号化方式で復号して伝送データ列に含める。
【0046】
また、復号部46は、ベースバンドデータ列のうち第1データ列とは異なる第2データ列を2値モードで復号する。具体的には、まず、復号部46は、第2データ列をN個の値の組毎に2値を表す低分解能値に変換する。そして、復号部46は、低分解能値の系列に変換された第2データ列を第2ライン符号化方式で復号して伝送データ列に含める。
【0047】
例えば、送信回路40および受信回路42は、図6に示すように、8値(=2値)のパルス振幅変調がされた伝送信号を送受信してもよい。図6は、8値のパルス振幅変調がされた伝送信号の波形を示す図である。
【0048】
8値(=2値)のパルス振幅変調がされた伝送信号を送信する場合、符号化部44は、第2データ列を4値(=2値)モードまたは2値(=2値)モードで、符号化をしてもよい。
【0049】
4値モードにおいて、符号化部44は、第2データ列を2個の値の組毎に、8値のうちの4値に対応する振幅に変調される高分解能値に変換する。例えば、符号化部44は、00を000に変換し、01を010に変換し、10を101に変換し、11を111に変換する。なお、8値のうちの4値に対応する振幅は、最大振幅および最小振幅を含むことが好ましい。
【0050】
2値モードにおいて、符号化部44は、第2データ列に含まれるそれぞれの値を、8値のうちの2値に対応する振幅に変調される高分解能値に変換する。例えば、符号化部44は、0を000に変換し、1を111に変換する。なお、8値のうちの2値に対応する振幅は、最大振幅および最小振幅であることが好ましい。
【0051】
また、例えば、8値のパルス振幅変調がされた伝送信号を受信する場合、復号部46は、第2データ列を4値モードまたは2値モードで、復号してもよい。
【0052】
4値モードにおいて、復号部46は、第2データ列を3個の値の組毎に4値を表す低分解能値に変換する。例えば、復号部46は、サンプリングして得られた3個の値の組が000または001の場合は、00に変換する。また、例えば、復号部46は、サンプリングして得られた3個の値の組が010または011の場合は、01に変換する。また、例えば、復号部46は、サンプリングして得られた3個の値の組が100または101の場合は、10に変換する。また、例えば、復号部46は、サンプリングして得られた3個の値の組が110または111の場合は、11に変換する。
【0053】
また、2値モードにおいて、復号部46は、第2データ列を3個の値の組毎に、2値で表される低分解能値に変換する。例えば、復号部46は、サンプリングして得られた値が000、001、010または011の場合は、0に変換する。また、復号部46は、サンプリングして得られた値が100、101、110または111の場合は、1に変換する。
【0054】
このような情報処理システム10は、2値のパルス振幅変調がされた伝送信号の一部に、2より小さい値のデータ系列を変調することができる。これにより、情報処理システム10は、2より小さい値のデータ系列に対して用いられるライン符号化方式との親和性を高くした、2値のパルス振幅変調をした伝送信号を、送受信することができる。
【0055】
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態に係る情報処理システム10について説明する。第2実施形態に係る情報処理システム10の全体構成は、図1から図3に示した構成と同一である。また、第2実施形態の説明において、第1実施形態と略同一の機能および構成を有する構成要素については、同一の符号を付けて相違点を除き詳細な説明を省略する。第3実施形態以降も同様である。
【0056】
第2実施形態において、伝送信号は、4値のパルス振幅変調がされる。第2実施形態において、第1ライン符号化方式は、128b/132b符号化方式である。また、第2実施形態において、第2ライン符号化方式は、8b/10b符号化方式である。第3実施形態以降も同様である。
【0057】
図7は、128b/132b符号化方式における制御パケットの基本構成を示す図である。ベースバンドデータ列は、128b/132b符号化方式により定められた形式の連続した複数のパケットを含む。
【0058】
複数のパケットのそれぞれは、128b/132b符号化方式により定められたデータ長の複数のブロックを含む。複数のブロックのそれぞれは、データ長が132ビットである。
【0059】
複数のブロックのそれぞれは、同期コードであるシンクヘッダと、シンクヘッダに続くデータ領域とを含む。シンクヘッダは、4ビット長である。データ領域は、128ビット長である。
【0060】
シンクヘッダは、ブロックの先頭であることを示す。復号部46は、シンクヘッダを検出することにより、ブロックの先頭を検出することができる。
【0061】
複数のパケットのうちの1つは、送受信の制御のために用いる予め定められた制御コードを含む制御パケットである。制御パケットは、複数のブロックのそれぞれのデータ領域に制御コードを含む。制御パケットの各ブロックのシンクヘッダは、転送されるブロックの信号を2値で解釈することを受信側に示す所定値(図7において“1”)である。復号部46は、シンクヘッダの値と、制御パケットの先頭のブロックに含まれる所定位置の制御コード(例えば、データ領域の先頭に含まれる制御コード)の内容を参照することにより、パケット構造を識別できる。例えば、復号部46は、制御パケットに含まれるブロックの数および各ブロックに配置される制御コードの位置等を識別することができる。
【0062】
図8は、128b/132b符号化方式におけるデータパケットの基本構成を示す図である。複数のパケットのうちの1つは、実体データであるペイロードデータを含むデータパケットである。データパケットは、1または複数のヘッダブロックと、1または複数のフッタブロックと、1または複数のペイロードブロックとを含む。図8では、ヘッダブロックの数とフッタブロックの数は何れも2である。
【0063】
1または複数のヘッダブロックは、データパケットの先頭に配置される。1または複数のヘッダブロックのそれぞれは、複数のブロックのうちの1つである。1または複数のヘッダブロックのそれぞれは、データ領域に制御コードを含む。
【0064】
1または複数のフッタブロックは、データパケットの末尾に配置される。1または複数のフッタブロックのそれぞれは、複数のブロックのうちの1つである。1または複数のフッタブロックのそれぞれは、データ領域に制御コードを含む。
【0065】
1または複数のペイロードブロックは、データパケットにおける1または複数のヘッダブロックと1または複数のフッタブロックとの間に配置される。1または複数のペイロードブロックのそれぞれは、複数のブロックのうちの1つである。1または複数のペイロードブロックのそれぞれは、データ領域にペイロードデータを含む。
【0066】
1または複数のヘッダブロックのそれぞれのシンクヘッダは、転送されるブロックの信号を2値で解釈することを受信側に示す所定値(図8において“1”)となっている。
【0067】
また、1または複数のフッタブロックのそれぞれのシンクヘッダは、転送されるブロックの信号を2値で解釈することを受信側に示す所定値(図8において“1”)となっている。
【0068】
復号部46は、シンクヘッダの値と、先頭のヘッダブロックに含まれる所定位置の制御コードの内容を参照することにより、パケット構造を識別できる。例えば、復号部46は、データパケットに含まれるブロックの数、ヘッダブロックの位置、フッタブロックの位置、並びに、ヘッダブロックおよびフッタブロックに配置される制御コードの位置等を識別することができる。
【0069】
図9は、第2実施形態に係る制御パケットの一例を示す図である。制御パケットを生成する場合、符号化部44は、伝送データ列に含まれる8ビットの制御コードを取得する。符号化部44は、1つの制御パケットに複数個の制御コードを含める場合、制御コードを1つずつ順次に取得する。
【0070】
制御パケットを生成する場合、符号化部44は、制御コード毎に、8ビットの制御コードを8b/10b符号化方式で符号化する。これにより、符号化部44は、8b/10b符号化方式で符号化した10ビットの制御コードを生成することができる。続いて、符号化部44は、8b/10b符号化方式で符号化した10ビットの制御コードに含まれる各値を、高分解能値に変換する。例えば、符号化部44は、制御コードに含まれる0を、4値モードの最小振幅に変調される最小値である00に変換し、制御コードに含まれる1を、4値モードの最大振幅に変調される最大値である11に変換する。これにより、符号化部44は、高分解能値の系列に変換された20ビットの制御コードを生成することができる。そして、符号化部44は、高分解能値の系列に変換された20ビットの制御コードを、制御パケットにおける所定の位置に含める。
【0071】
このような処理を実行することにより、符号化部44は、制御パケットに含まれる複数のブロックのそれぞれのデータ領域(128ビット)に1または複数の制御コードを含めることができる。
【0072】
なお、第2実施形態においては、符号化部44は、20ビットの制御コードの全体が1つのブロック内に収まるように、1または複数の制御コードをブロック内に含める。ブロックのデータ領域が128ビット長であるのに対して、制御コードは、20ビット長である。従って、ブロックのデータ領域には、制御コードが含まれない余剰領域が生じる。例えば、6個の制御パケットを含むブロックは、8ビットの余剰領域を含む。また、例えば、2個の制御パケットを含むブロックは、88ビット分の余剰領域を含む。
【0073】
そこで、制御パケットを生成する場合、符号化部44は、制御パケットに含まれる複数のブロックのそれぞれについて、余剰領域に対応するビット数の余剰データを生成する。そして、符号化部44は、制御パケットに含まれる複数のブロックのそれぞれおける制御コードが含まれない余剰領域に、生成した余剰データを含める。
【0074】
余剰データは、高分解能値の系列に表されたデータ列であってもよい。また、例えば、余剰データは、4値を表す値の予め定められた系列のデータ列であってもよい。また、余剰データは、直流レベルが0となるようなパターンのデータであってもよい。また、余剰データは、所定の値に固定されたデータであってもよい。このような余剰データを生成することにより、符号化部44は、制御パケットに含まれる複数のブロックのそれぞれについて、データ領域に含める128ビット分のデータ列を生成することができる。
【0075】
制御パケットを取得した場合、復号部46は、取得した制御パケットに含まれるブロックのデータ領域から、20ビットの制御コードを取得する。制御パケットに複数の制御コードが含まれる場合、復号部46は、複数の制御コードの全てを1つずつ順次に取得する。
【0076】
復号部46は、20ビットの制御コード毎に、取得した20ビットの制御コードを2個の値の組毎に低分解能値に変換する。これにより、復号部46は、低分解能値の系列に変換された10ビットの制御コードを生成することができる。
【0077】
続いて、復号部46は、低分解能値の系列に変換された10ビットの制御コードを、8b/10b符号化方式で復号する。これにより、復号部46は、8b/10b符号化方式で復号した8ビットの制御コードを生成することができる。そして、復号部46は、8b/10b符号化方式で復号した8ビットの制御コードを伝送データ列に含めて、出力する。なお、復号部46は、制御パケットにおける制御コードが含まれない余剰領域における余剰データについては、復号せずに廃棄する。
【0078】
図10は、第2実施形態に係るデータパケットの一例を示す図である。データパケットを生成する場合、符号化部44は、伝送データ列に含まれる128ビットのペイロードデータを取得する。そして、符号化部44は、128ビットのペイロードデータを無変換で、ペイロードブロックのデータ領域に含める。なお、符号化部44は、伝送データ列に含まれるデータ列を何らかの方式により符号化した後にペイロードブロックのデータ領域に含めてもよい。
【0079】
また、データパケットを生成する場合、符号化部44は、伝送データ列に含まれる8ビットの制御コードを取得する。符号化部44は、1つのデータパケットに複数個の制御コードを含める場合、1つずつ順次に制御コードを取得する。
【0080】
データパケットを生成する場合、符号化部44は、制御コード毎に、8ビットの制御コードを8b/10b符号化方式で符号化する。続いて、符号化部44は、8b/10b符号化方式で符号化した10ビットの制御コードに含まれる各値を、高分解能値に変換する。そして、符号化部44は、高分解能値の系列に変換された20ビットの制御コードを、データパケットにおける1または複数のヘッダブロックおよび1または複数のフッタブロックに含める。
【0081】
さらに、符号化部44は、1または複数のヘッダブロックおよび1または複数のフッタブロックのうちの制御コードが含まれない余剰領域に対応するビット数の余剰データを生成する。そして、符号化部44は、1または複数のヘッダブロックおよび1または複数のフッタブロックのそれぞれにおける余剰領域に、生成した余剰データを含める。これにより、符号化部44は、ヘッダブロックまたはフッタブロックについて、データ領域に含める128ビット分のデータ列を生成することができる。
【0082】
また、データパケットを取得した場合、復号部46は、1または複数のペイロードブロックのそれぞれのデータ領域から、128ビットのペイロードデータを取得する。そして、復号部46は、1または複数のペイロードブロックのそれぞれに含まれるペイロードデータを伝送データ列に含めて、出力する。なお、復号部46は、1または複数のペイロードブロックのそれぞれに含まれるペイロードデータを何らかの方式により復号した後にデータ列に含めて、出力してもよい。
【0083】
また、データパケットを取得した場合、復号部46は、1または複数のヘッダブロックおよび1または複数のフッタブロックのそれぞれのデータ領域から、20ビットの制御コードを取得する。データパケットに複数の制御コードが含まれる場合、復号部46は、複数の制御コードの全てを順番に取得する。
【0084】
復号部46は、20ビットの制御コード毎に、取得した20ビットの制御コードを2個の値の組毎に低分解能値に変換する。続いて、復号部46は、低分解能値の系列に変換された10ビットの制御コードを、8b/10b符号化方式で復号する。そして、復号部46は、8b/10b符号化方式で復号した8ビットの制御コードを伝送データ列に含めて、出力する。なお、復号部46は、1または複数のヘッダブロックおよび1または複数のフッタブロックにおける制御コードが含まれない余剰領域における余剰データについては、復号せずに廃棄する。
【0085】
図11は、第2実施形態に係る符号化部44の構成を示す図である。符号化部44は、データリンク部36から伝送データ列を受け取る。符号化部44は、受け取った伝送データ列に対して、ブロックに同期したサイクル毎に処理を行う。
【0086】
第2実施形態に係る符号化部44は、8-10変換部62と、高分解能化部64と、符号化バッファ66と、余剰データ発生部68と、第1マルチプレクサ70と、第2マルチプレクサ72と、ライン符号化部74と、符号化制御部76とを備える。
【0087】
8-10変換部62は、データリンク部36からK/D信号および伝送データ列を受け取る。8-10変換部62は、K/D信号に基づき伝送データ列における制御コードの位置を判断する。8-10変換部62は、伝送データ列に制御コードが含まれる場合、伝送データ列から制御コードを取得する。伝送データ列に含まれる制御コードは、8ビットである。8-10変換部62は、1サイクルに複数個の制御コードを取得してもよい。
【0088】
8-10変換部62は、取得した制御コードを8b/10b符号化方式で符号化する。これにより、8-10変換部62は、10ビットの制御コードを生成することができる。なお、8-10変換部62は、1サイクルに複数の制御コードを取得した場合には、複数の制御コードのそれぞれを8b/10b符号化方式で符号化する。
【0089】
高分解能化部64は、8-10変換部62から、8b/10b符号化方式で符号化した10ビットの制御コードを受け取る。高分解能化部64は、受け取った10ビットの制御コードに含まれる各値を4値のパルス振幅変調における最大振幅に変調される最大値または最小振幅に変調される最小値の何れかを表す高分解能値に変換する。これにより、高分解能化部64は、高分解能値の系列に変換された20ビットの制御コードを生成することができる。なお、高分解能化部64は、1サイクルにおいて、複数の制御コードを取得した場合には、複数の制御コードのそれぞれを、高分解能値の系列に変換された20ビットの制御コードに変換する。
【0090】
符号化バッファ66は、高分解能化部64から、高分解能値の系列に変換された20ビットの制御コードを受け取る。符号化バッファ66は、受け取った高分解能値の系列に変換された20ビットの制御コードを、受け取った順に出力する。また、符号化バッファ66は、高分解能値の系列に変換された20ビットの制御コードを次のサイクルにおいてブロックに含める場合、受け取った20ビットの制御コードを次のサイクルまで保持する。
【0091】
余剰データ発生部68は、制御コードを含むブロックを処理するサイクルにおいて、余剰領域に含める余剰データを発生する。
【0092】
第1マルチプレクサ70は、符号化バッファ66から20ビットの制御コードを受け取る。また、第1マルチプレクサ70は、余剰データ発生部68から出力された余剰データを受け取る。第1マルチプレクサ70は、符号化制御部76による制御に従って、サイクル内において、20ビットの制御コードおよび余剰データの何れか一方を選択して出力する。これにより、第1マルチプレクサ70は、制御コードを含むブロックを生成するサイクルにおいて、128ビットのデータ列を出力することができる。
【0093】
第2マルチプレクサ72は、データリンク部36から128ビット分の伝送データ列を受け取る。また、第2マルチプレクサ72は、第1マルチプレクサ70から128ビットのデータ列を受け取る。第2マルチプレクサ72は、符号化制御部76による制御に従って、サイクル毎に、128ビットの伝送データ列または第1マルチプレクサ70から出力されたデータ列の何れかを一方を選択して出力する。第2マルチプレクサ72は、ペイロードブロックを生成する場合、データリンク部36からの128ビット分の伝送データ列を出力する。また、第2マルチプレクサ72は、制御コードを含むブロックを生成する場合、第1マルチプレクサ70からの128ビットのデータ列を出力する。
【0094】
ライン符号化部74は、サイクル毎に、第2マルチプレクサ72から出力された128ビットのデータ列を受け取る。ライン符号化部74は、128ビットのデータ列の先頭に、4ビットの同期コードであるシンクヘッダを付加して、132ビットのデータ列を生成する。ライン符号化部74は、シンクヘッダの値を符号化制御部76により制御に応じて変更する。なお、ライン符号化部74は、シンクヘッダを除くブロック内のデータに対して予め定められた方式でスクランブル処理をしてもよい。そして、ライン符号化部74は、サイクル毎に、生成した132ビットのデータ列を、1ブロック分のベースバンドデータ列として、送信回路40に出力する。
【0095】
符号化制御部76は、データリンク部36からK/D信号および伝送データ列を受け取る。符号化制御部76は、K/D信号および伝送データ列の内容に応じて、第1マルチプレクサ70の切り替えタイミングを制御する。
【0096】
また、符号化制御部76は、K/D信号および伝送データ列の内容に応じて、第2マルチプレクサ72の切り替えタイミングを制御する。また、符号化制御部76は、K/D信号および伝送データ列の内容に応じて、ライン符号化部74により生成されるシンクヘッダの値を制御する。
【0097】
このような構成の符号化部44は、データリンク部36から受け取った伝送データ列を128b/132b符号化方式で符号化してベースバンドデータ列に変換することができる。さらに、符号化部44は、伝送データ列に含まれる制御コードを8b/10b符号化方式で符号化することができる。さらに、符号化部44は、8b/10b符号化方式で符号化した制御コードに含まれる各値を、4値のパルス振幅変調における最大振幅に変調される最大値または最小振幅に変調される最小値の何れかを表す高分解能値に変換することができる。そして、符号化部44は、高分解能値の系列に変換された制御コードを、128b/132b符号化方式で符号化したベースバンドデータ列に含めることができる。
【0098】
図12は、第2実施形態に係る復号部46の構成を示す図である。復号部46は、サイクル毎に、受信回路42から、1ブロック分の132ビットのベースバンドデータ列を取得する。復号部46は、受け取った132ビットのベースバンドデータ列に対してブロックに同期したサイクル毎に処理を行う。
【0099】
第2実施形態に係る復号部46は、ライン復号部80と、低分解能化部82と、10-8変換部84と、復号バッファ86と、第3マルチプレクサ88と、復号制御部90とを備える。
【0100】
ライン復号部80は、サイクル毎に、1ブロック分の132ビットのベースバンドデータ列を受信回路42から受け取る。ライン復号部80は、132ビットのベースバンドデータ列の先頭の4ビットのシンクヘッダを復号制御部90に与え、残りの128ビットのデータ列を低分解能化部82および第3マルチプレクサ88に与える。ライン復号部80は、シンクヘッダを除く128ビットのデータ列に対して、予め定められた方式でデスクランブル処理をしてもよい。
【0101】
低分解能化部82は、制御コードを含むブロックを復号するサイクルである場合、復号制御部90の制御に従い、128ビットのベースバンドデータ列から、1または複数個の20ビットの制御コードを取得する。なお、低分解能化部82は、128ビットのベースバンドデータ列のうち、制御コードが含まれない余剰領域における余剰データを廃棄する。
【0102】
低分解能化部82は、取得した20ビットの制御コードのそれぞれを2個の値の組毎に低分解能値に変換する。これにより、低分解能化部82は、10ビットの制御コードを生成することができる。
【0103】
10-8変換部84は、低分解能化部82から10ビットの制御コードを取得する。10-8変換部84は、10ビットの制御コードを取得する毎に、取得した10ビットの制御コードを8b/10b符号化方式で復号する。これにより、10-8変換部84は、8ビットの制御コードを生成することができる。さらに、10-8変換部84は、伝送データ列が、制御コードであるか、ペイロードデータであるかを示すK/D信号を生成する。10-8変換部84は、生成したK/D信号をデータリンク部36へ出力する。
【0104】
復号バッファ86は、8b/10b符号化方式で復号した8ビットの制御コードを、受け取った順に出力する。また、復号バッファ86は、受け取った8ビットの制御コードを次のサイクルにおいて伝送データ列に含める場合、受け取った8ビットの制御コードを次のサイクルまで保持する。
【0105】
第3マルチプレクサ88は、ライン復号部80がペイロードブロックを受け取った場合、ライン復号部80から受け取ったペイロードブロックのデータ領域に含まれる128ビットのペイロードデータを受け取る。第3マルチプレクサ88は、ライン復号部80が制御コードを含むブロックを受け取った場合、復号バッファ86から出力された制御コードを受け取る。第3マルチプレクサ88は、復号制御部90による制御に従って、サイクル毎に、128ビットのペイロードデータまたは復号バッファ86から出力された制御コードの何れかを一方を選択して、伝送データ列として出力する。
【0106】
復号制御部90は、ライン復号部80から、シンクヘッダを受け取る。復号制御部90は、シンクヘッダの位置に応じて、低分解能化部82による20ビットの制御コードの取得位置を制御する。復号制御部90は、シンクヘッダの内容に応じて、第3マルチプレクサ88から、ライン復号部80から出力された128ビットのペイロードデータを出力させるか、10-8変換部84が復号した制御コードを出力させるかを制御する。
【0107】
このような構成の復号部46は、受信回路42から受け取ったベースバンドデータ列のうちのペイロードデータを伝送データ列に含めることができる。また、復号部46は、受信回路42から受け取ったベースバンドデータ列のうちの制御コードを2個の値の組毎に2値で表される低分解能値に変換することができる。さらに、復号部46は、低分解能値の系列に変換された制御コードを8b/10b符号化方式で復号して伝送データ列に含めることができる。
【0108】
以上のような、第2実施形態に係る情報処理システム10は、4値のパルス振幅変調がされた伝送信号の一部から、8b/10b符号化方式で符号化された制御コードを復調することができる。これにより、第2実施形態に係る情報処理システム10は、8b/10b符号化方式との親和性を高くした、4値のパルス振幅変調をした伝送信号を、送受信することができる。
【0109】
図13は、第2実施形態の変形例に係るブロックの一例を示す図である。データパケットを生成する場合、符号化部44は、ヘッダブロックまたはフッタブロックの余剰領域のデータ長が20ビット以上である場合、ペイロードデータの一部である部分ペイロードデータを含めてもよい。
【0110】
ヘッダブロックまたはフッタブロックの余剰領域のデータ長が20ビット以上である場合、8-10変換部62は、伝送データ列から、ペイロードデータの一部である8ビットの部分ペイロードデータを取得する。なお、8-10変換部62は、複数個の部分ペイロードデータを取得してもよい。
【0111】
8-10変換部62は、取得した8ビットの部分ペイロードデータのそれぞれを、8b/10b符号化方式で符号化する。これにより、8-10変換部62は、10ビットの部分ペイロードデータを生成することができる。
【0112】
高分解能化部64は、8-10変換部62から、8b/10b符号化方式で符号化した10ビットの部分ペイロードデータを受け取る。高分解能化部64は、受け取った10ビットの部分ペイロードデータに含まれる各値を高分解能値に変換する。これにより、高分解能化部64は、20ビットの部分ペイロードデータを生成することができる。そして、符号化制御部76は、第1マルチプレクサ70を制御して、高分解能値の系列に変換された20ビットの部分ペイロードデータを、ヘッダブロックまたはフッタブロックにおける制御コードが含まれない余剰領域に含める。
【0113】
また、取得したデータパケットにおけるヘッダブロックまたはフッタブロックの余剰領域に部分ペイロードデータが含まれている場合、低分解能化部82は、制御コードに加えて、余剰領域の20ビットの部分ペイロードデータを取得する。また、低分解能化部82は、余剰領域に複数の部分ペイロードデータが含まれている場合、複数の部分ペイロードデータのそれぞれを取得する。
【0114】
低分解能化部82は、20ビットの部分ペイロードデータを取得する毎に、取得した20ビットの部分ペイロードデータを2個の値の組毎に低分解能値に変換する。これにより、低分解能化部82は、10ビットの部分ペイロードデータを生成することができる。
【0115】
10-8変換部84は、低分解能化部82から10ビットの部分ペイロードデータを取得する。10-8変換部84は、10ビットの部分ペイロードデータを取得する毎に、取得した10ビットの部分ペイロードデータを8b/10b符号化方式で復号する。これにより、10-8変換部84は、8ビットの部分ペイロードデータを生成することができる。
【0116】
復号バッファ86は、8b/10b符号化方式で復号した8ビットの部分ペイロードデータを、制御コードとともに受け取った順に出力して、伝送データ列に含める。また、復号バッファ86は、受け取った8ビットの部分ペイロードデータを次のサイクルにおいて伝送データ列に含める場合、受け取った8ビットの部分ペイロードデータを次のサイクルまで保持する。
【0117】
このような第2実施形態の変形例に係る情報処理システム10は、余剰領域を少なくしてデータの転送効率を向上させることができる。
【0118】
(第3実施形態)
つぎに、第3実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
【0119】
図14は、第3実施形態に係るデータパケットの一例を示す図である。第3実施形態における符号化部44aは、伝送信号における振幅を単位期間毎に累加算した累積値を算出する。
【0120】
伝送信号の振幅は、一例として、取り得る最大振幅と最小振幅との中間値が0として表される。例えば、00が変調された単位期間における伝送信号の振幅は、-3となる。また、例えば、01が変調された単位期間における伝送信号の振幅は、-1となる。また、例えば、10が変調された単位期間における伝送信号の振幅は、+1となる。また、例えば、11が変調された単位期間における伝送信号の振幅は、+3となる。
【0121】
データパケットは、ペイロードブロックを含む。ペイロードブロックに含まれるペイロードデータは、直流成分が0となるように符号化したデータでない可能性がある。直流成分が0ではないデータが変調された伝送信号を受信する場合、受信回路42は、伝送信号を精度良くサンプリングすることができない可能性がある。
【0122】
そこで、第3実施形態に係る符号化部44aは、データパケットに含まれる1または複数のヘッダブロックおよび1または複数のフッタブロックのそれぞれにおける制御コードが含まれない余剰領域に、累積値を0に近づける方向に変調される補正データ列を含める。また、符号化部44aは、制御パケットに含まれる複数のブロックのそれぞれにおける制御コードが含まれない余剰領域に、累積値を0に近づける方向に変調される補正データ列を含めてもよい。これにより、符号化部44aは、伝送信号の直流成分を0に近づけることができる。従って、受信回路42は、このような補正データ列が変調された伝送信号を受信することにより、伝送信号を精度良くサンプリングすることができる。
【0123】
図15は、累積値の変化の一例を示す図である。例えば、制御コードを含むブロックのサイクルにおいて、直前のブロックにおいて累積値が0以上である場合、符号化部44aは、振幅値が負となる補正データ列を余剰領域に含める。また、例えば、制御コードを含むブロックのサイクルにおいて、直前のブロックにおいて累積値が0より小さい場合、符号化部44aは、振幅値が正となる補正データ列を余剰領域に含める。これにより、符号化部44aは、累積値を0に近づけて、伝送信号の直流成分を0に近づけることができる。
【0124】
例えば、符号化部44aは、単位期間毎に振幅を変化させる補正データ列を、余剰領域に含める。例えば、符号化部44aは、累積値が0以上である場合には、図15に示すような、単位期間毎に、振幅値が-1(01)と、-3(00)とが交互に変化する補正データ列を余剰領域に含める。また、例えば、符号化部44aは、累積値が0より小さい場合には、単位期間毎に、振幅値が+1(10)と、+3(11)とを交互に変化する補正データ列を余剰領域に含める。これにより、符号化部44aは、受信回路42において精度良くクロックを再生することができる伝送信号を生成することができる。
【0125】
図16は、第3実施形態に係る符号化部44aの構成を示す図である。第3実施形態に係る符号化部44aは、図11に示した第2実施形態に係る符号化部44の余剰データ発生部68に代えて、正パターン発生部94と、負パターン発生部96と、第4マルチプレクサ98と、DCレベル制御部100とを備える。
【0126】
正パターン発生部94は、伝送信号の振幅の累積値を正方向に変化させる補正データ列を発生する。負パターン発生部96は、伝送信号の振幅の累積値を負方向に変化させる補正データ列を発生する。第4マルチプレクサ98は、DCレベル制御部100による制御に応じて、正パターン発生部94から発生される補正データ列、または、負パターン発生部96から発生される補正データ列の何れか一方を選択する。第4マルチプレクサ98は、選択した補正データ列を第1マルチプレクサ70へと出力する。
【0127】
DCレベル制御部100は、第2マルチプレクサ72から出力されるデータ列に基づき、単位期間毎に伝送信号の振幅を累加算した累積値を算出する。DCレベル制御部100は、累積値が0以上である場合、第4マルチプレクサ98に負パターン発生部96から発生された補正データ列を選択させる。DCレベル制御部100は、累積値が0より小さい場合、第4マルチプレクサ98に正パターン発生部94から発生された補正データ列を選択させる。また、DCレベル制御部100は、算出した累積値を8-10変換部62にも与える。8-10変換部62は、例えば、フッタブロックに含まれる制御コードを、直前に与えられた累積値に基づき、累積値を0に近づけるように8b/10b符号化方式により符号化する。
【0128】
このような構成の符号化部44aは、余剰領域に、累積値を0に近づける方向に補正データ列を含めることができる。なお、第3実施形態に係る復号部46は、図12に示した第2実施形態に係る復号部46と同一の構成である。第3実施形態に係る復号部46は、低分解能化部82が余剰データを破棄するのに代えて、低分解能化部82が補正データ列を破棄する。
【0129】
このような第3実施形態に係る情報処理システム10は、伝送効率を維持しながら、伝送信号の直流成分を0に近づけることができる。従って、第3実施形態に係る情報処理システム10は、伝送効率を維持しながら、伝送信号を精度良く受信することができる。
【0130】
(第4実施形態)
つぎに、第4実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
【0131】
図17は、第4実施形態に係るデータパケットの一例を示す図である。第4実施形態における符号化部44bは、伝送信号における振幅を単位期間毎に累加算した累積値を算出する。第4実施形態において、伝送信号の振幅は、取り得る最大振幅と最小振幅との中間値が0として表される。例えば、符号化部44bは、第3実施形態と同様の方法で、伝送信号における振幅の累積値を算出する。
【0132】
そして、データパケットを生成する場合、符号化部44bは、累積値の絶対値が予め定められた第1閾値より大きくなった後、累積値の絶対値が予め定められた第2閾値より小さくなるまでの第1期間において、ペイロードブロックに含めるペイロードデータを、2値モードで符号化する。すなわち、第1期間において、符号化部44bは、ペイロードブロックに含めるペイロードデータを8b/10b符号化方式で符号化する。例えば、符号化部44bは、ペイロードデータを8ビット毎に所定個の部分ペイロードデータを取得する。そして、符号化部44bは、8ビットの部分ペイロードデータのそれぞれを、8b/10b符号化方式で符号化する。これにより、符号化部44bは、10ビットの部分ペイロードデータを生成することができる。
【0133】
続いて、第1期間において、符号化部44bは、8b/10b符号化方式で符号化したペイロードデータに含まれる各値を高分解能値に変換する。例えば、符号化部44bは、8b/10b符号化方式で符号化した10ビットの部分ペイロードデータに含まれる各値を高分解能値に変換する。これにより、符号化部44bは、高分解能値の系列である20ビットの部分ペイロードデータを生成することができる。
【0134】
そして、第1期間において、符号化部44bは、高分解能値の系列に変換されたペイロードデータをペイロードブロックに含める。例えば、符号化部44bは、1つのペイロードブロックに、高分解能値の系列に変換された20ビットの部分ペイロードデータを6個含める。
【0135】
また、データパケットを生成する場合、符号化部44bは、第1期間とは異なる第2期間、つまり、累積値の絶対値が第2閾値より小さくなった後に累積値の絶対値が第1閾値より大きくなるまでの期間において、ペイロードブロックに含めるペイロードデータを、4値モードで符号化する。すなわち、符号化部44bは、第2期間において、ペイロードデータを第1ライン符号化方式で符号化してペイロードブロックに含める。例えば、符号化部44bは、第2期間において、128ビットのペイロードデータを無変換でペイロードブロックに含める。
【0136】
ペイロードブロックに含まれるペイロードデータは、直流成分が0となるように符号化したデータでない可能性がある。これに対して、8b/10b変換されたデータ列は、直流成分が0となるように符号化される。
【0137】
従って、符号化部44bは、伝送信号の振幅の累積値の絶対値が第1閾値より大きくなった場合、その後、2値モードでペイロードデータを符号化することにより、伝送信号の振幅の累積値の絶対値を0に近づく方向に変化させることができる。また、符号化部44bは、伝送信号の振幅の累積値の絶対値が第2閾値より小さくなった場合、その後、4値モードでペイロードデータを符号化することにより、伝送効率を高くすることができる。
【0138】
また、第4実施形態における復号部46は、伝送信号における振幅を単位期間毎に累加算した累積値を算出する。
【0139】
データパケットを取得した場合、復号部46は、累積値の絶対値が第1閾値より大きくなった後、累積値の絶対値が第2閾値より小さくなるまでの第3期間において、ペイロードブロックにおけるペイロードデータを、2値モードで復号する。すなわち、第3期間において、復号部46は、ペイロードブロックにおけるペイロードデータから20ビット毎に部分ペイロードデータを取得する。復号部46は、取得した20ビットの部分ペイロードデータを2個の値の組毎に低分解能値に変換する。これにより、復号部46は、低分解能値の系列に変換された10ビットの部分ペイロードデータを生成することができる。
【0140】
続いて、第3期間において、復号部46は、低分解能値の系列に変換された10ビットの部分ペイロードデータを、8b/10b符号化方式で復号する。これにより、復号部46は、8ビットの部分ペイロードデータを生成することができる。そして、復号部46は、第3期間において、8b/10b符号化方式で復号した8ビットの部分ペイロードデータを伝送データ列に含める。なお、復号部46は、ペイロードブロックにおける部分ペイロードデータが含まれない余剰領域における余剰データを復号せずに廃棄する。
【0141】
また、データパケットを取得した場合、復号部46は、第3期間とは異なる第4期間、つまり、累積値の絶対値が第2閾値より小さくなった後に累積値の絶対値が第1閾値より大きくなるまでの期間において、ペイロードブロックにおけるペイロードデータを、4値モードで復号する。すなわち、復号部46は、第4期間において、ペイロードデータを第1ライン符号化方式で復号して伝送データ列に含める。例えば、復号部46は、第4期間において、128ビットのペイロードデータを無変換で伝送ブロック列に含める。
【0142】
図18は、第4実施形態に係る符号化部44bの構成を示す図である。第4実施形態に係る符号化部44bは、図11に示した第2実施形態に係る符号化部44の構成に加えて、第1DCレベル検出部102をさらに備える。
【0143】
第4実施形態に係る8-10変換部62、高分解能化部64および符号化バッファ66は、制御コードに加えて、ペイロードデータに対しても2値モードでの処理を実行する。
【0144】
すなわち、8-10変換部62は、伝送データ列に含まれるペイロードデータを8ビット毎に分割して、8ビットの部分ペイロードデータを取得する。8-10変換部62は、取得した8ビットの部分ペイロードデータを、8b/10b符号化方式で符号化する。これにより、8-10変換部62は、10ビットの部分ペイロードデータを生成することができる。
【0145】
高分解能化部64は、8-10変換部62から、8b/10b符号化方式で符号化した10ビットの部分ペイロードデータを受け取る。高分解能化部64は、受け取った10ビットの部分ペイロードデータに含まれる各値を高分解能値に変換する。これにより、高分解能化部64は、20ビットの部分ペイロードデータを生成することができる。
【0146】
符号化バッファ66は、高分解能値の系列に変換された20ビットの部分ペイロードデータを受け取る。符号化バッファ66は、受け取った高分解能値の系列に変換された20ビットの部分ペイロードデータを受け取った順に出力する。また、符号化バッファ66は、高分解能値の系列に変換された20ビットの部分ペイロードデータを次のサイクルにおいてペイロードブロックに含める場合、受け取った20ビットの部分ペイロードデータを次のサイクルまでに保持する。
【0147】
第1DCレベル検出部102は、第2マルチプレクサ72から出力されるデータ列に基づき、単位期間毎に伝送信号の振幅を累加算した累積値の絶対値を算出する。データパケットを生成する場合において、第1DCレベル検出部102は、累積値の絶対値が第1閾値より大きくなった後、累積値の絶対値が第2閾値より小さくなるまでの第1期間において、第2マルチプレクサ72に、高分解能値の系列に変換された20ビットの部分ペイロードデータを選択させる。これにより、第1DCレベル検出部102は、第1期間において、ペイロードブロックに高分解能値の系列に変換された20ビットの部分ペイロードデータを含めることができる。また、第1DCレベル検出部102は、算出した累積値を8-10変換部62にも与える。8-10変換部62は、例えば、フッタブロックに含まれる制御コードを、直前に与えられた累積値に基づき、累積値を0に近づけるように8b/10b符号化方式により符号化する。
【0148】
また、データパケットを生成する場合において、第1DCレベル検出部102は、第2期間において、第2マルチプレクサ72に、伝送データ列から取得した無変換の128ビットのペイロードデータを選択させる。これにより、第1DCレベル検出部102は、第2期間において、ペイロードブロックに、128b/132b符号化方式で符号化したペイロードデータを含めることができる。
【0149】
このような構成の符号化部44bは、データパケットを生成する場合、累積値の絶対値が予め定められた第1閾値より大きくなった後、累積値の絶対値が予め定められた第2閾値より小さくなるまでの第1期間において、ペイロードブロックに含めるペイロードデータを、2値モードで符号化することができる。また、このような構成の符号化部44bは、データパケットを生成する場合、第2期間において、ペイロードブロックに含めるペイロードデータを、4値モードで符号化することができる。
【0150】
図19は、第4実施形態に係る復号部46bの構成を示す図である。第4実施形態に係る復号部46bは、図12に示した第2実施形態に係る復号部46の構成に加えて、第2DCレベル検出部104をさらに備える。
【0151】
第4実施形態に係る低分解能化部82、10-8変換部84および復号バッファ86は、制御コードに加えて、ペイロードデータに対しても2値モードでの処理を実行する。
【0152】
低分解能化部82は、ペイロードブロックを復号するサイクルである場合、復号制御部90の制御に従い、128ビットのベースバンドデータ列を20ビットの部分ペイロードデータ毎に取得する。なお、低分解能化部82は、128ビットのベースバンドデータ列のうち、余剰領域における余剰データを廃棄する。
【0153】
低分解能化部82は、20ビットの部分ペイロードデータのそれぞれを2個の値の組毎に低分解能値に変換する。これにより、低分解能化部82は、10ビットの部分ペイロードデータを生成することができる。
【0154】
10-8変換部84は、低分解能化部82から10ビットの部分ペイロードデータを取得する。10-8変換部84は、10ビットの部分ペイロードデータを取得する毎に、取得した10ビットの部分ペイロードデータを8b/10b符号化方式で復号する。これにより、10-8変換部84は、8ビットの部分ペイロードデータを生成することができる。
【0155】
復号バッファ86は、8b/10b符号化方式で復号した8ビットの部分ペイロードデータを、受け取った順に出力して伝送データ列に含める。また、復号バッファ86は、受け取った8ビットの部分ペイロードデータを次のサイクルにおいて伝送データ列に含める場合、受け取った8ビットの部分ペイロードデータを次のサイクルまで保持する。
【0156】
第2DCレベル検出部104は、ライン復号部80から出力されるデータ列に基づき、単位期間毎に伝送信号の振幅を累加算した累積値の絶対値を算出する。データパケットを取得した場合において、第2DCレベル検出部104は、累積値の絶対値が第1閾値より大きくなった後、累積値の絶対値が第2閾値より小さくなるまでの第3期間において、第3マルチプレクサ88に、8ビットの部分ペイロードデータを選択させる。これにより、第2DCレベル検出部104は、第3期間において、伝送データ系列に8ビットの部分ペイロードデータを含めることができる。
【0157】
また、データパケットを取得した場合において、第2DCレベル検出部104は、第3期間とは異なる第4期間において、第3マルチプレクサ88に、ライン復号部80から出力された無変換の128ビットのペイロードデータを選択させる。これにより、第2DCレベル検出部104は、第4期間において、伝送データ列に、128b/132b符号化方式で復号したペイロードデータを含めることができる。また、第2DCレベル検出部104は、算出した累積値を10-8変換部84にも与える。10-8変換部84は、例えば、フッタブロックに含まれる制御コードを、直前に与えられた累積値に基づき、累積値を0に近づけるように8b/10b符号化方式により復号する。
【0158】
このような構成の復号部46は、データパケットを取得した場合、累積値の絶対値が第1閾値より大きくなった後、累積値の絶対値が第2閾値より小さくなるまでの第3期間において、ペイロードデータを2値モードで復号することができる。また、このような構成の復号部46は、データパケットを取得した場合、第4期間において、ペイロードデータを4値モードで復号することができる。
【0159】
以上のような第4実施形態に係る情報処理システム10は、伝送効率を維持しながら、伝送信号の直流成分を0に近づけることができる。従って、第4実施形態に係る情報処理システム10は、伝送効率を維持しながら、伝送信号を精度良く受信することができる。
【0160】
(第5実施形態)
つぎに、第5実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
【0161】
図20は、第5実施形態に係るブロックの一例を示す図である。符号化部44は、伝送データ列のうちの一部の第2データ列(制御コードまたは部分ペイロードデータ)を2値モードで符号化することにより、高分解能値の系列に変換した20ビットの第2データ列を生成する。これに対して、128b/132b符号化方式のデータ領域は、128ビットである。従って、符号化部44は、20ビット長の複数の第2データ列を1つのブロックに収まるようにデータ領域内に配置した場合、データ領域に第2データ列が含まれない余剰領域(例えば8ビット)が生じる。
【0162】
そこで、第5実施形態において、符号化部44は、ブロックのデータ領域の末尾に配置される20ビットの第2データ列(制御コードまたは部分ペイロードデータ)を、連続した2つのブロックに分割して含める。例えば、符号化部44は、ある第1ブロックに余剰領域が発生する場合、第1ブロックの最後に配置される20ビットの第2データ列を、余剰領域に相当するデータ長の前半の部分データ列と、残りの後半の部分データ列との2つに分割する。符号化部44は、前半の部分データ列を第1ブロックのデータ領域の末尾に配置する。そして、符号化部44は、後半の部分データ列を一時的にバッファに蓄積し、次のサイクルにおいて第1ブロックに続く第2ブロックのデータ領域の先頭に配置する。
【0163】
また、第5実施形態において、連続した2つのブロックに第2データ列が分割して含まれている場合、復号部46は、連続した2つのブロックに含まれる2つのベースバンドデータ列を合成したデータ列から第2データ列を取得する。例えば、復号部46は、第1ブロックと第2ブロックとが連続している場合、第1ブロックのベースバンドデータ列における末尾の一部分と、第2ブロックのベースバンドデータ列における先頭の一部分とを合成して、第2データ列を取得する。
【0164】
例えば、復号部46は、第1ブロックのデータ領域の末尾から取得した前半の部分データ列を復号せずにバッファに一時的に蓄積する。そして、復号部46は、次のサイクルにおいて、バッファに一時的に蓄積された前半の部分データ列と第2ブロックのデータ領域の先頭から取得した後半の部分データ列とを合成する。これにより、復号部46は、連続した2つのブロックに含まれる2つのベースバンドデータ列を合成したデータ列から第2データ列を取得することができる。
【0165】
図21は、第5実施形態に係るブロックの他の一例を示す図である。第1ライン符号化方式は、128b/132b符号化方式に代えて、64b/68b符号化方式であってもよい。64b/68b符号化方式のデータ領域は、64ビットであるので、20ビット長のデータ列を配置した場合、128b/132b符号化方式と同様に、余剰領域が生じる。従って、第1ライン符号化方式として64b/68b符号化方式を用いる場合も、符号化部44は、高分解能値の系列に変換した第2データ列(例えば、制御コードまたはペイロードデータ)を、連続した2つのブロックに分割して含めてもよい。
【0166】
このような第5実施形態に係る情報処理システム10は、余剰領域を少なくしてデータの転送効率を向上させることができる。
【0167】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0168】
10 情報処理システム
12 ホスト装置
14 メモリシステム
16 ホスト内プロセッサ
18 ホスト内通信部
20 メモリ装置
22 メモリコントローラ
24 メモリシステム内プロセッサ
26 メモリシステム内通信部
38 データ変換部
40 送信回路
42 受信回路
44,44a,44b 符号化部
46 復号部
48 パルス振幅変調回路
50 送信増幅器
52 受信増幅器
54 クロック再生回路
56 サンプリング回路
62 8-10変換部
64 高分解能化部
66 符号化バッファ
68 余剰データ発生部
70 第1マルチプレクサ
72 第2マルチプレクサ
74 ライン符号化部
80 ライン復号部
82 低分解能化部
84 10-8変換部
86 復号バッファ
88 第3マルチプレクサ
90 復号制御部
94 正パターン発生部
96 負パターン発生部
98 第4マルチプレクサ
100 DCレベル制御部
102 第1DCレベル検出部
104 第2DCレベル検出部
図1
図2
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図21