(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044046
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】コイル装置
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20240326BHJP
H01F 27/30 20060101ALI20240326BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01F27/29 125
H01F27/30 101A
H01F27/29 G
H01F27/29 P
H01F27/28 128
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149359
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宋 ミヌ
(72)【発明者】
【氏名】都梅 智也
(72)【発明者】
【氏名】土田 せつ
【テーマコード(参考)】
5E043
5E070
【Fターム(参考)】
5E043AB01
5E070AA01
5E070AB01
5E070BA03
5E070EA02
5E070EA06
(57)【要約】
【課題】実装信頼性の高いコイル装置を提供すること。
【解決手段】コイル装置1は、ワイヤ14を巻回してなる巻回部11と、巻回部11から引き出される引出部12aとを有するコイル10と、巻回部11が設けられる巻芯部21と、巻芯部21の軸芯に平行な第1方向の端部に形成された鍔部22aとを有するコア20と、少なくとも鍔部の第1面221に固定される端子具30aと、を有する。第1面221は、段差部23と、鍔部22aの第1方向に垂直な第2方向の一端と段差部23との間に位置する第1領域24と、鍔部22aの第2方向の他端と段差部23との間に位置し、第1領域24に対して凹んだ第2領域25とを有する。端子具30aは、第1領域24に配置され、基板に接続可能な実装部31と、第2領域25に配置され、引出部12aが接続される継線部32と、段差部23に配置され、実装部31と継線部32とに連続する連結部33とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤを巻回してなる巻回部と、前記巻回部から引き出される引出部とを有するコイルと、
前記巻回部が設けられる巻芯部と、前記巻芯部の軸芯に平行な第1方向の端部に形成された鍔部とを有するコアと、
少なくとも前記鍔部の第1面に固定される端子具と、を有し、
前記第1面は、段差部と、前記鍔部の前記第1方向に垂直な第2方向の一端と前記段差部との間に位置する第1領域と、前記鍔部の前記第2方向の他端と前記段差部との間に位置し、前記第1領域に対して凹んだ第2領域とを有し、
前記端子具は、前記第1領域に配置され、基板に接続可能な実装部と、前記第2領域に配置され、前記引出部が接続される継線部と、前記段差部に配置され、前記実装部と前記継線部とに連続する連結部とを有するコイル装置。
【請求項2】
前記実装部の前記第2方向の長さは、前記継線部の前記第2方向の長さよりも長い請求項1に記載のコイル装置。
【請求項3】
前記実装部の前記第2方向の長さは、前記鍔部の前記第2方向の長さの1/2以上である請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項4】
前記実装部は、前記第2方向に沿って、前記段差部またはその近傍から前記鍔部の一端にかけて延在しており、
前記継線部は、前記第2方向に沿って、前記段差部またはその近傍から前記鍔部の他端にかけて延在している請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項5】
前記鍔部は、前記巻芯部の前記第1方向の一端に形成された第1鍔部と、前記巻芯部の前記第1方向の他端に形成された第2鍔部とからなり、
前記端子具は、第1端子具と第2端子具とからなり、
前記第1鍔部には、単一の前記第1端子具が固定され、
前記第2鍔部には、単一の前記第2端子具が固定される請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項6】
前記段差部は、第1段差部と第2段差部とを有し、
前記第1鍔部は、前記第1段差部を有し、
前記第2鍔部は、前記第2段差部を有し、
前記巻芯部の軸芯に対して、前記第1段差部と前記第2段差部とは、前記第2方向の反対側に位置する請求項5に記載のコイル装置。
【請求項7】
前記端子具の少なくとも一部は、接着層を介して、前記第1面に接続されている請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項8】
前記実装部は、前記接着層を介して、前記第1領域に接続されており、
前記継線部は、前記接着層を介して、前記第2領域には接続されておらず、
前記継線部と前記第2領域との間には、隙間が形成されている請求項7に記載のコイル装置。
【請求項9】
前記鍔部は、前記巻芯部が接続された内端面とは前記第1方向の反対側の外端面を有し、
前記端子具は、前記実装部に連続しており、前記外端面に配置される補助実装部を有する請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項10】
前記段差部は、前記第1領域および前記第2領域に対して傾斜しており、
前記連結部は、前記段差部に沿って、前記実装部および前記継線部に対して斜めに延在している請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項11】
前記鍔部は、前記巻芯部が接続された内端面とは前記第1方向の反対側の外端面を有し、
前記継線部の一部は、前記外端面よりも、前記第1方向の外側に突出しており、
前記引出部は、前記外端面よりも前記第1方向の外側で、接続材を介して、前記継線部に接続されている請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項12】
前記実装部は、前記連結部よりも、前記第1方向の内側に突出する突出部を含んでおり、
前記突出部の前記第2方向の長さは、前記鍔部の前記第2方向の長さの1/2以上である請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項13】
前記引出部は、前記巻芯部よりも前記第2方向の外側の位置から、前記第1方向に沿って、前記継線部に向けて引き出される請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項14】
前記巻回部の前記第1方向の端部と前記鍔部との間の前記第1方向に沿った距離は、前記ワイヤの線径と同等以上である請求項1または2に記載のコイル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子具を有するコイル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コアの鍔部に端子具が設けられたコイル装置が知られている(特許文献1)。特許文献1のコイル装置において、端子具は、基板に接続可能な実装部と、コイルの引出部が接続される継線部とを有する。実装部は、例えばハンダなどの接続材を介して、基板に接続される。引出部は、例えばハンダやレーザ溶接などにより、継線部に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のコイル装置のように、実装部と継線部とが近接している場合、継線部に引出部を接続するときに、継線部に加えられた熱(例えばハンダやレーザ溶接による熱)が実装部に及び得る。特に、小型のコイル装置では、実装部に過剰な熱が伝搬された場合、実装部と基板との間の接続信頼性が低下し、コイル装置の実装信頼性が低下するおそれがある。
【0005】
本開示は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、実装信頼性の高いコイル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示のコイル装置は、
ワイヤを巻回してなる巻回部と、前記巻回部から引き出される引出部とを有するコイルと、
前記巻回部が設けられる巻芯部と、前記巻芯部の軸芯に平行な第1方向の端部に形成された鍔部とを有するコアと、
少なくとも前記鍔部の第1面に固定される端子具と、を有し、
前記第1面は、段差部と、前記鍔部の前記第1方向に垂直な第2方向の一端と前記段差部との間に位置する第1領域と、前記鍔部の前記第2方向の他端と前記段差部との間に位置し、前記第1領域に対して凹んだ第2領域とを有し、
前記端子具は、前記第1領域に配置され、基板に接続可能な実装部と、前記第2領域に配置され、前記引出部が接続される継線部と、前記段差部に配置され、前記実装部と前記継線部とに連続する連結部とを有する。
【0007】
本開示のコイル装置では、鍔部の第1面に段差部が形成されている。そして、端子具は、実装部と継線部とに加えて、段差部に配置され、実装部と継線部とに連続する連結部を有する。そのため、コイル装置を基板に実装するときに、例えば、連結部にフィレットを形成しつつ、接続材を介して、実装部さらには連結部を基板に接続することができる。これにより、実装部と基板との接続信頼性が向上し、実装信頼性の高いコイル装置を実現することができる。また、継線部に引出部を接続するときに、過剰な熱が実装部に及ぶことを、連結部によって阻止することができる。したがって、この点においても、実装部と基板との間の接続信頼性を向上させることができる。
【0008】
前記実装部の前記第2方向の長さは、前記継線部の前記第2方向の長さよりも長くてもよい。この場合、実装部の面積、ひいては実装部と基板との接合面積を確保しやすくなり、実装部と基板との間の接続信頼性を向上させることができる。
【0009】
前記実装部の前記第2方向の長さは、前記鍔部の前記第2方向の長さの1/2以上でもよい。この場合も、実装部の面積、ひいては実装部と基板との接合面積を確保しやすくなり、実装部と基板との間の接続信頼性を向上させることができる。また、実装部を基板に接続したときに、基板に対するコイル装置の安定性を向上させる(ぐらつきを防止する)ことができる。
【0010】
前記実装部は、前記第2方向に沿って、前記段差部またはその近傍から前記鍔部の一端にかけて延在しており、前記継線部は、前記第2方向に沿って、前記段差部またはその近傍から前記鍔部の他端にかけて延在していてもよい。この場合、実装部の面積、ひいては実装部と基板との接合面積を確保しやすくなり、実装部と基板との間の接続信頼性を向上させることができる。また、継線部の面積を確保しやすくなり、継線部に対する引出部の接続強度を向上させるとともに、継線部に対する引出部の接続位置の自由度を高めることができる。
【0011】
前記鍔部は、前記巻芯部の前記第1方向の一端に形成された第1鍔部と、前記巻芯部の前記第1方向の他端に形成された第2鍔部とからなり、前記端子具は、第1端子具と第2端子具とからなり、前記第1鍔部には、単一の前記第1端子具が固定され、前記第2鍔部には、単一の前記第2端子具が固定されてもよい。第1鍔部(第2鍔部)に単一の第1端子具(第2端子具)を固定することにより、第1鍔部(第2鍔部)に複数の第1端子具(第2端子具)を固定する場合に比べて、実装部の面積、ひいては実装部と基板との接合面積を確保しやすくなり、実装部と基板との間の接続信頼性を向上させることができる。
【0012】
前記段差部は、第1段差部と第2段差部とを有し、前記第1鍔部は、前記第1段差部を有し、前記第2鍔部は、前記第2段差部を有し、前記巻芯部の軸芯に対して、前記第1段差部と前記第2段差部とは、前記第2方向の反対側に位置してもよい。この場合、第1段差部と第2段差部とが巻芯部の軸芯に対して第2方向の同一側に位置する場合に比べて、コイル装置を基板に実装したときに、基板に対するコイル装置の安定性を向上させる(ぐらつきを防止する)ことができる。
【0013】
前記端子具の少なくとも一部は、接着層を介して、前記第1面に接続されていてもよい。この場合、端子具がコアから離脱することを防止することができる。
【0014】
前記実装部は、前記接着層を介して、前記第1領域に接続されており、前記継線部は、前記接着層を介して、前記第2領域には接続されておらず、前記継線部と前記第2領域との間には、隙間が形成されていてもよい。この場合、端子具の寸法に製造誤差が生じたとしても、その製造誤差を隙間で吸収することができる。これにより、鍔部に対する端子具の取付安定性を向上させることができる。
【0015】
前記鍔部は、前記巻芯部が接続された内端面とは前記第1方向の反対側の外端面を有し、前記端子具は、前記実装部に連続しており、前記外端面に配置される補助実装部を有していてもよい。この場合、例えば、補助実装部にフィレットを形成しつつ、接続材を介して、実装部さらには補助実装部を基板に接続することができる。これにより、実装部と基板との接続強度を補強することができる。
【0016】
前記段差部は、前記第1領域および前記第2領域に対して傾斜しており、前記連結部は、前記段差部に沿って、前記実装部および継線部に対して斜めに延在していてもよい。この場合、連結部の傾斜角度に応じて、第2方向に沿って、実装部と継線部とが離間する。これにより、継線部に引出部を接続するときに、過剰な熱が実装部に及びにくくなる。また、連結部を傾斜させることにより、連結部の面積を確保しやすくなり、連結部に形成されるフィレットの量を増大させることができる。
【0017】
前記鍔部は、前記巻芯部が接続された内端面とは前記第1方向の反対側の外端面を有し、前記継線部の一部は、前記外端面よりも、前記第1方向の外側に突出しており、前記引出部は、前記外端面よりも前記第1方向の外側で、接続材を介して、前記継線部に接続されていてもよい。例えばレーザ溶接によって、引出部を継線部に接続する場合、外端面よりも第1方向の外側で、継線部に向けてレーザを照射することにより、鍔部にレーザが当たることを防止し、コアの破損を回避することができる。
【0018】
前記実装部は、前記連結部よりも、前記第1方向の内側に突出する突出部を含んでおり、前記突出部の前記第2方向の長さは、前記鍔部の前記第2方向の長さの1/2以上である。この場合、突出部の面積に応じて、実装部の面積を拡張することができる。これにより、実装部と基板との接合面積を拡張させ、実装部と基板との間の接続信頼性を向上させることができる。
【0019】
前記引出部は、前記巻芯部よりも前記第2方向の外側の位置から、前記第1方向に沿って、前記継線部に向けて引き出されてもよい。この場合、実装部から離間した位置で、引出部を継線部に向けて引き出すことができる。そのため、コイル装置を基板に実装するときに、例えばハンダなどの接続材が引出部に付着することを防止することが可能であり、これによりショート不良の発生を防止することができる。
【0020】
前記巻回部の前記第1方向の端部と前記鍔部との間の前記第1方向に沿った距離は、前記ワイヤの線径と同等以上でもよい。この場合、巻回部と鍔部とが第1方向に離間するため、コイル装置を基板に実装するときに、接続材が巻回部に付着することを防止することが可能であり、これによりショート不良の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は本開示の一実施形態のコイル装置の斜視図である。
【
図4】
図4は
図1に示すコイル装置のX軸方向から見た側面図である。
【
図6】
図6は
図1に示すコイル装置のY軸方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態を説明する。なお、図示する内容は、本開示の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比などは実物と異なり得る。また、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0023】
図1に示すコイル装置1は、例えばインダクタとして機能し、各種の電気機器の電源等に搭載される。コイル装置1は、コイル10と、コア20と、端子具30aおよび30bとを有する。コイル装置1は、これらの部材に加えて、コア40を有していてもよい。
【0024】
コイル10は、ワイヤ14をコイル状に巻回してなる巻回部11と、巻回部11から引き出される引出部12aおよび12bとを有する。ワイヤ14は、例えば銅線などを絶縁性の被膜13で被覆した絶縁被覆ワイヤでもよい。ワイヤ14の線径は、特に限定されないが、例えば10~300μmである。引出部12aおよび12bにおいて、被膜13が除去されていてもよい。
【0025】
図2に示すように、コア20は、ドラムコアであり、巻芯部21と、鍔部22aおよび22bとを有する。コア20の材質は、金属やフェライト等の磁性材料であるが、特に限定されない。図面において、X軸は、巻芯部21の軸方向に対応する軸である。Y軸は、コア20を平面視したときに、巻芯部21の軸方向に直交する方向に対応する軸である。Z軸は、X軸およびY軸に垂直な軸である。以下では、X軸、Y軸およびZ軸の各々について、コア20の中心に向かう方向を「内側」とし、コア20の中心から離れる方向を「外側」とする。コア20のサイズは、特に限定されないが、例えば、コア20のX軸方向の長さは1~6mmであり、コア20のY軸方向の長さは0.5~3mmであり、コア20のZ軸方向の長さは0.5~3mmである。
【0026】
巻芯部21には、巻回部11(
図1)が設けられる。巻芯部21の軸方向に垂直な断面形状は、特に限定されないが、円形または多角形(例えば八角形)である。鍔部22aは、巻芯部21のX軸方向の一端に形成されており、鍔部22bは、巻芯部21のX軸方向の他端に形成されている。鍔部22aと鍔部22bとは、対称な形状を有する。以下では、重複記載を防止するため、鍔部22aおよび22bに共通する事項について、鍔部22aについてのみ説明する場合がある。
【0027】
鍔部22aは、少なくとも、実装面221と、非実装面222と、内端面223と、外端面224とを有する。同様に、鍔部22bは、少なくとも、実装面221と、非実装面222と、内端面223と、外端面224とを有する。実装面221と非実装面222とは、Z軸方向に関して、反対側に位置している。内端面223と外端面224とは、X軸方向に関して、反対側に位置している。内端面223には、巻芯部21が接続されている。
【0028】
実装面221は、段差部23と、段差部23よりもY軸方向の一方側の第1領域24と、段差部23よりもY軸方向の他方側の第2領域25とを有する。第1領域24は、実装面221のY軸方向の一端と段差部23との間に位置する。第1領域24の大部分は、平坦面(XY平面に平行な面)である。第2領域25は、実装面221のY軸方向の他端と段差部23との間に位置する。第2領域25は第1領域24に対して凹んでおり、第2領域25には凹部26が形成されている。したがって、第2領域25は、第1領域24に比べて、非実装面222に近接した位置に位置する。第2領域25の大部分は、平坦面(XY平面に平行な面)である。
【0029】
段差部23は、第1領域24と第2領域25とに連続しており、Y軸方向に関して、第1領域24と第2領域25との間に位置する。段差部23は、第1領域24および第2領域25に対して傾斜している。第1領域24(第2領域25)に対する段差部23の傾斜角度θは、0°<θ≦90°である。ただし、傾斜角度θは、0°<θ<90°でもよく、45°<θ≦90°でもよく、あるいは45°<θ<90°でもよい。段差部23は、X軸に沿って、内端面223の位置から外端面224の位置まで延在している。
【0030】
第1領域24のY軸方向の長さL1は、第2領域25のY軸方向の長さL2よりも大きくてもよい。また、第1領域24のY軸方向の長さL1は、第2領域25のY軸方向の長さL2と、段差部23のY軸方向の長さL3との和よりも大きくてもよい。例えば、第1領域24のY軸方向の長さL1は、実装面221(鍔部22a)のY軸方向の長さL4の1/2以上であり、あるいは1/2よりも大きい。
【0031】
実装面221の外縁部には、切欠部(面取部)27が形成されていてもよい。切欠部27は段差状に形成されているが、切欠部27の形状は特に限定されない。
図2に示す例では、切欠部27は、実装面221が呈する平面視長方形の4辺に形成されているが、いずれか1つ、2つまたは3つの辺に形成されていてもよい。切欠部27は、鍔部22aの外縁部に割れや欠け等が生じることを防止する機能を有する。なお、切欠部27は、非実装面222にも形成されていてもよい。
【0032】
鍔部22aの段差部23と鍔部22bの段差部23とは、巻芯部21の軸芯に対して、Y軸方向の反対側に位置している。すなわち、鍔部22aの段差部23は、巻芯部21の軸芯よりもY軸正方向側に位置しているのに対して、鍔部22bの段差部23は、巻芯部21の軸芯よりもY軸負方向側に位置している。
【0033】
このような構成の下では、鍔部22aの段差部23と鍔部22bの段差部23とが、巻芯部21の軸芯に対してY軸方向の同一側に位置する場合に比べて、コイル装置1を基板(図示略。以下同様)に実装したときに、基板に対するコイル装置1の安定性を向上させる(Y軸方向の一方側へのコイル装置1のぐらつきを防止する)ことができる。なお、鍔部22aの段差部23と鍔部22bの段差部23とは、巻芯部21の軸芯に対して、Y軸方向の同一側に位置していてもよい。
【0034】
鍔部22aの第1領域24は、巻芯部21の軸芯よりもY軸負方向側に偏在しているのに対して、鍔部22bの第1領域24は、巻芯部21の軸芯よりもY軸正方向側に偏在している。また、鍔部22aの第2領域25は、巻芯部21の軸芯よりもY軸正方向側に偏在しているのに対して、鍔部22bの第2領域25は、巻芯部21の軸芯よりもY軸負方向側に偏在している。そのため、平面視において、コア20の形状は、点対称(180度回転対称)となっている。ただし、鍔部22aの第1領域24と鍔部22bの第1領域24とは、巻芯部21の軸芯に対して、Y軸方向の同一側に位置していてもよい。同様に、鍔部22aの第2領域25と鍔部22bの第2領域25とは、巻芯部21の軸芯に対して、Y軸方向の同一側に位置していてもよい。
【0035】
図3に示すように、端子具30aは、実装部31と、継線部32と、連結部33とを有する。端子具30aは、これらに加えて、補助実装部34と突出部35とを有していてもよい。同様に、端子具30bは、実装部31と、継線部32と、連結部33とを有する。端子具30bは、これらに加えて、補助実装部34と突出部35とを有していてもよい。端子具30aの少なくとも一部は、金属などの導体で構成されていてもよい。端子具30bについても同様である。端子具30aおよび30bの厚みは、特に限定されないが、50~300μmである。端子具30aと端子具30bとは、同一形状を有する。以下では、重複記載を防止するため、端子具30aおよび30bに共通する事項について、端子具30aについてのみ説明する場合がある。なお、本実施形態において、「同一」あるいは「等しい」とは、厳密に等しい場合に限定されず、例えば±5%以内の誤差、あるいは±10%以内の誤差を許容するものとする。
【0036】
図2および
図3に示すように、実装部31は、基板に接続される部分であり、実装面221の第1領域24に配置される。実装部31は、例えばハンダや導電性接着剤などの接続材を介して、基板に接続される。実装部31は第1領域24にのみ配置されていてもよく、あるいは実装部31の一部が第1領域24の外側(例えば、段差部23)に露出していてもよい。実装部31は、第1領域24に平行な面を有し、第1領域24に対向した状態で固定される。なお、本実施形態において、「平行」とは、厳密に平行である場合に限定されず、例えば±5度以内の誤差、あるいは±10度以内の誤差を許容するものとする。また、「垂直」あるいは「直交」とは、厳密に垂直である場合に限定されず、例えば±5度以内の誤差、あるいは±10度以内の誤差を許容するものとする。
【0037】
実装部31は、接着剤(例えば、エポキシ系の接着剤)を介して、第1領域24に接着される。これにより、実装部31と第1領域24との間に接着層が形成され、端子具30aが鍔部22aから離脱することを防止することができる。切欠部27の位置において、実装部31と第1領域24との間には、隙間が形成されていてもよい。
【0038】
図4に示すように、実装部31のY軸方向の長さL5は、継線部32のY軸方向の長さL6よりも長くてもよい。また、実装部31のY軸方向の長さL5は、継線部32のY軸方向の長さL6と連結部33のY軸方向の長さL7との和よりも長くてもよい。この場合、実装部31の面積、ひいては実装部31と基板との接合面積を確保しやすくなり、実装部31と基板との間の接続信頼性を向上させることができる。
【0039】
実装部31のY軸方向の長さL5は、第1領域24のY軸方向の長さL1(
図2)と等しくてもよく、あるいはこれ以下でもよい。すなわち、実装部31のY軸方向の長さL5は、実装面221(鍔部22a)のY軸方向の長さL4の1/2以上でもよく、あるいは1/2よりも大きくてもよい。あるいは、実装部31のY軸方向の長さL5は、端子具30aのY軸方向の全長の1/2以上でもよく、あるいは1/2よりも大きくてもよい。この場合、実装部31を基板に接続したときに、基板に対するコイル装置1の安定性を向上させる(ぐらつきを防止する)ことができる。
【0040】
実装部31は、段差部23(あるいは、段差部23の近傍)から、鍔部22aのY軸負方向側の一端にかけて延在していてもよい。この場合、実装部31の面積、ひいては実装部31と基板との接合面積を確保しやすくなり、実装部31と基板との間の接続信頼性を向上させることができる。ただし、実装部31のY軸負方向側の一端と、鍔部22aのY軸負方向側の一端との間には、隙間が形成されていてもよい。
【0041】
図3に示すように、実装部31は、連結部33よりも、X軸方向の内側に突出する突出部35を含んでいてもよい。突出部35のX軸方向への突出長は、実装部31(突出部35を含む)のX軸方向の全長の5%以上25%以下でもよい。突出部35のY軸方向の長さは、
図4に示す実装面221(鍔部22a)のY軸方向の長さL4の1/2以上でもよく、あるいは1/2よりも大きくてもよい。あるいは、突出部35のY軸方向の長さは、端子具30aのY軸方向の全長の1/2以上でもよく、あるいは1/2よりも大きくてもよい。この場合、突出部35の面積に応じて、実装部31の面積を拡張することができる。これにより、実装部31と基板との接合面積を拡張させ、実装部31と基板との間の接続信頼性を向上させることができる。また、実装部31と実装面221との間の接着面積を拡張することができるため、端子具30aと実装面221との間の接着信頼性を向上させることができる。
【0042】
図5に示すように、突出部35は、鍔部22aの外縁、より詳細には実装面221と内端面223との交差部よりも、X軸方向の外側に位置していてもよい。すなわち、突出部35は、鍔部22aの外縁よりも外側に露出しておらず、鍔部22aの外縁よりも内側に配置されていてもよい。この場合、巻回部11または引出部12aが突出部35に接触しにくくなり、ワイヤ14の破損を防止することができる。なお、突出部35の一部は、切欠部27上に配置されていてもよい。
【0043】
実装部31(突出部35を含む)のX軸方向の全長L8は、連結部33のX軸方向の長さよりも大きいが、これと等しくてもよい。また、実装部31のX軸方向の全長L8は、実装面221(鍔部22a)のX軸方向の長さL9よりも小さいが、これと等しくてもよく、あるいはこれよりも大きくてもよい。実装部31のX軸方向の外側の端部は、鍔部22aの外縁、より詳細には実装面221と外端面224との交差部よりも、X軸方向の内側に位置している。ただし、実装部31のX軸方向の外側の端部は、鍔部22aの外縁よりも外側に露出していてもよい。この場合、実装部31の面積を確保することができる。
【0044】
図3および
図4に示すように、補助実装部34は、実装部31に連続しており、外端面224に配置される。補助実装部34は、実装部31のX軸方向の外側の端部に接続され、実装部31に対して直交している。補助実装部34のY軸方向の長さは、実装部31のY軸方向の長さL5と等しくなっているが、これよりも小さくてもよい。
図6に示すように、補助実装部34と外端面224との間には隙間70が形成されている。ただし、補助実装部34の少なくとも一部が、外端面224に当接していてもよい。あるいは、端子具30aと鍔部22aとの接着強度を確保するために、隙間70に接着剤が充填されていてもよい。補助実装部34には、ハンダや導電性接着剤などの接続材のフィレットが形成される。このように、接続材を介して、補助実装部34を基板に接続することにより、実装部31と基板との接続強度を補強することができる。
【0045】
図4および
図5に示すように、継線部32は、引出部12aまたは12bが接続される部分であり、実装面221の第2領域25に配置される。継線部32は、第2領域25にのみ配置されていてもよく、あるいは継線部32の一部が第2領域25の外側(例えば、段差部23)に露出していてもよい。継線部32は、第2領域25に平行な面を有し、第2領域25に対向した状態で固定される。
【0046】
継線部32は、実装部31とは異なり、接着剤を介して、実装面221(第2領域25)に接着されていない。そのため、継線部32と第2領域25との間には、隙間50(
図4)が形成されている。このように、継線部32と第2領域25との間に隙間50を形成することにより、端子具30aの寸法に製造誤差が生じたとしても、その製造誤差を隙間50で吸収することができる。これにより、鍔部22aに対する端子具30aの取付安定性を向上させることができる。
【0047】
ただし、継線部32は、実装部31と同様に、接着剤を介して、実装面221(第2領域25)に接着されていてもよい。あるいは、継線部32の少なくとも一部が、実装面221(第2領域25)に、接着剤で接着されることなく当接していてもよい。
【0048】
継線部32は、段差部23の近傍(あるいは、段差部23)から、鍔部22aのY軸正方向側の他端にかけて延在していてもよい。この場合、継線部32の面積を確保しやすくなり、継線部32に対する引出部12aの接続強度を向上させるとともに、継線部32に対する引出部12aの接続位置の自由度を高めることができる。ただし、継線部32のY軸正方向側の他端と、鍔部22aのY軸正方向側の他端との間には、隙間が形成されていてもよい。
【0049】
継線部32のY軸方向の長さL6は、連結部33のY軸方向の長さL7よりも大きいが、これと等しくてもよく、あるいはこれよりも小さくてもよい。継線部32のX軸方向の長さは、実装面221のX軸方向の長さL9と等しいが、これよりも小さくてもよく、あるいはこれよりも大きくてもよい。
【0050】
継線部32のX軸方向の内側の端部は、鍔部22aの外縁、より詳細には実装面221と内端面223との交差部よりも、X軸方向の内側に位置していてもよい。すなわち、継線部32のX軸方向の内側の端部は、鍔部22aの外縁よりも外側に露出することなく、鍔部22aの外縁よりも内側に位置していてもよい。この場合、巻回部11または引出部12aが継線部32のX軸方向の内側の端部に接触しにくくなり、ワイヤ14の破損を防止することができる。なお、継線部32のX軸方向の内側の端部は、切欠部27よりも、X軸方向の内側に位置していてもよい。
【0051】
継線部32の一部は、連結部33に対して直交するように、連結部33よりもX軸方向の外側に突出していてもよい。継線部32の一部(継線部32のX軸方向の外側の端部)は、外端面224よりもX軸方向の外側に突出していてもよい。外端面224からの継線部32のX軸方向への突出長は、継線部32のX軸方向の全長の10%以上50%以下でもよい。この場合、継線部32の面積を確保することができる。ただし、継線部32のX軸方向の外側の端部は、外端面224よりもX軸方向の内側に配置されていてもよい。
【0052】
引出部12aは、継線部32に対して、例えばハンダ、レーザ溶接、熱圧着、超音波接合、抵抗ろう付けまたは紫外線硬化樹脂接合により接続される。引出部12bについても同様である。本実施形態では、引出部12aは、レーザ溶接により継線部32に接続されるため、引出部12aの接続位置には、溶接玉60が形成されている。引出部12aは、外端面224よりもX軸方向の外側で、溶接玉60を介して、継線部32に接続されていてもよい。この場合、引出部12aを継線部32に接続するときに、外端面224よりもX軸方向の外側で、継線部32に向けてレーザを照射することができる。これにより、鍔部22aにレーザが当たることを防止し、コア20の破損を回避することができる。
【0053】
連結部33は、段差部23に沿って配置される部分であり、実装部31と継線部32とに連続している。連結部33は、段差部23にのみ配置されていてもよく、あるいは連結部33の一部が段差部23の外側(例えば、第2領域25)に露出していてもよい。コイル装置1を基板に実装するときに、連結部33には、例えばハンダや導電性接着剤などの接続材のフィレットが形成される。連結部33は、段差部23に平行な面を有し、段差部23に対向した状態で配置される。連結部33は、継線部32と同様に、接着剤を介して、実装面221(段差部23)に接着されていない。そのため、連結部33と実装面221(段差部23)との間には、隙間50(
図4)が形成されている。連結部33と段差部23との間の隙間50は、継線部32と第2領域25との間の隙間50と連続している。
【0054】
なお、連結部33は、実装部31と同様に、接着剤を介して、実装面221(段差部23)に接着されていてもよい。あるいは、連結部33の少なくとも一部が、実装面221(段差部23)に対して、接着剤で接着されることなく当接していてもよい。
【0055】
連結部33は、段差部23に沿って、実装部31および継線部32に対して斜めに延在している。この場合、連結部33の傾斜角度に応じて、Y軸に沿って、実装部31と継線部32とが離間する。これにより、継線部32に引出部12aを接続するときに、過剰な熱が実装部31に及びにくくなり、接続材に対する実装部31の接続容易性(例えば、ハンダ濡れ性)を確保することができる。また、連結部33を傾斜させることにより、連結部33の面積を確保しやすくなり、連結部33に形成されるフィレットの量を増大させることができる。
【0056】
実装部31および/または継線部32に対する連結部33の傾斜角度は、第1領域24および/または第2領域25に対する段差部23の傾斜角度と等しいが、これよりも小さくてもよく、あるいは大きくてもよい。実装部31(継線部32)に対する連結部33の傾斜角度θは、0°<θ≦90°である。ただし、傾斜角度θは、0°<θ<90°でもよく、45°<θ≦90°でもよく、あるいは45°<θ<90°でもよい。
【0057】
連結部33のX軸方向の長さは、実装面221のX軸方向の長さL9よりも小さいが、これと等しくてよく、あるいはこれよりも大きくてもよい。連結部33のX軸方向の長さは、特に限定されないが、例えば実装面221のX軸方向の長さL9の1/3倍以上1倍以下である。連結部33は、鍔部22aの外縁よりも内側に位置している。より詳細には、連結部33は、実装面221と内端面223との交差部よりもX軸方向の外側に位置するとともに、実装面221と外端面224との交差部よりもX軸方向の内側に位置している。ただし、連結部33の一部が、鍔部22aの外縁よりも外側に露出していてもよい。なお、連結部33は、実装面221の外縁部に形成された切欠部27よりも内側に位置していてもよい。
【0058】
引出部12aは、巻芯部21よりもY軸方向の外側の位置(巻芯部21のY軸正方向側の外周面)から、X軸に平行な向きで、継線部32に向けて引き出されてもよい。同様に、引出部12bは、巻芯部21よりもY軸方向の外側の位置(巻芯部21のY軸負方向側の外周面)から、X軸に平行な向きで、継線部32に向けて引き出されてもよい。この場合、実装部31から離間した位置で、引出部12aを継線部32に向けて引き出すことができる。そのため、コイル装置1を基板に実装するときに、接続材が引出部12aに付着することを防止することが可能である。これにより、引出部12aの被膜13の溶解を回避し、ショート不良の発生を防止することができる。
【0059】
溶接玉60の近傍において、継線部32に配置(載置)された引出部12aの被膜13は、剥離されている。溶接玉60から離間した位置において、継線部32に配置(載置)された引出部12aの被膜13は、剥離されずに残っていてもよい。同様に、溶接玉60の近傍において、継線部32に配置(載置)された引出部12bの被膜13は、剥離されている。溶接玉60から離間した位置において、継線部32に配置(載置)された引出部12bの被膜13は、剥離されずに残っていてもよい。
【0060】
巻回部11のX軸方向の端部と鍔部22b(鍔部22aについても同様)とのX軸方向の長さL10は、特に限定されないが、例えばワイヤ14の線径の1倍以上、あるいは2倍以上である。この場合、巻回部11と鍔部22bとがX軸方向に離間するため、コイル装置1を基板に実装するときに、例えばハンダなどの接続材が巻回部11に付着することを防止することが可能であり、これによりショート不良の発生を防止することができる。
【0061】
図6に示すように、引出部12aと実装面221(第2領域25)との間には隙間80が形成されている。ただし、引出部12aは、実装面221との間に隙間80が形成されないように、内端面223、実装面221および継線部32に沿って引き出されてもよい。引出部12bについても同様である。
【0062】
図1に示すように、コア40は、直方体形状(板形状)を有する。コア40は、コア20と同様の材料で構成されていてもよく、あるいはコア20とは異なる材料で構成されていてもよい。コア40は、コア20に接着剤によって取り付けられる。より詳細には、コア40は、鍔部22aの非実装面222および鍔部22bの非実装面222に固定される。なお、非実装面222が固定されるコア40の主面およびその反対側の主面の外縁部には、切欠部が形成されていてもよい。コア40の外縁部に割れや欠け等が生じることを防止するためである。
【0063】
次に、コイル装置1の製造方法について説明する。まず、
図1に示すワイヤ14と、コア20と、端子具30aおよび30bとを準備する。次に、鍔部22aの実装面221に端子具30aの実装部31を接着剤で接着し、実装面221に端子具30aを固定する。また、鍔部22bの実装面221に端子具30bの実装部31を接着剤で接着し、実装面221に端子具30bを固定する。次に、巻芯部21にワイヤ14を巻回し、巻回部11を形成する。次に、例えばレーザ溶接により、引出部12aを端子具30aの継線部32に接続するとともに、引出部12bを端子具30bの継線部32に接続する。より詳細には、継線部32のX軸方向の外側の端部(継線部32のうち、外端面224よりもX軸方向の外側に突出した部分)に、引出部12aまたは12bを接続する。次に、必要に応じて、鍔部22aの非実装面222および鍔部22bの非実装面222にコア40を接着剤で接着する。以上のようにして、コイル装置1を製造することができる。
【0064】
図1に示すように、本実施形態のコイル装置1では、コイル装置1を基板に実装するときに、例えば、連結部33にフィレットを形成しつつ、接続材を介して、実装部31さらには連結部33を基板に接続することができる。これにより、実装部31と基板との接続信頼性が向上し、実装信頼性の高いコイル装置1を実現することができる。また、継線部32に引出部12aを接続するときに、過剰な熱が実装部31に及ぶことを、連結部33によって阻止することができる。これにより、接続材に対する実装部31の接続容易性(例えばハンダ濡れ性)の低下を防止することが可能となり、実装部31と基板との間の接続信頼性を向上させることができる。
【0065】
また、継線部32から実装部31に過剰な熱が及びにくくなるため、実装部31と実装面221(第1領域24)との間の接着層の劣化を防止することができる。これにより、端子部30a(端子具30b)と鍔部22a(鍔部22b)との間の接着強度(接着信頼性)を向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態では、鍔部22aには、単一の端子具30aが固定され、鍔部22bには、単一の端子具30bが固定されている。そのため、鍔部22a(鍔部22b)に複数の端子具30a(端子具30b)を固定する場合に比べて、実装部31の面積、ひいては実装部31と基板との接合面積を確保しやすくなり、実装部31と基板との間の接続信頼性を向上させることができる。
【0067】
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々に改変することができる。
【0068】
上記実施形態では、コイル装置1のインダクタへの適用例について説明したが、コイル装置1をインダクタ以外のコイル装置(たとえばトランス)に適用してもよい。
【0069】
上記実施形態において、コイル装置1からコア40を省略してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…コイル装置
10…コイル
11…巻回部
12a,12b…引出部
13…被膜
14…ワイヤ
20,40…コア
21…巻芯部
22a,22b…鍔部
221…実装面
222…非実装面
223…内端面
224…外端面
23…段差部
24…第1領域
25…第2領域
26…凹部
27…切欠部
30a,30b…端子具
31…実装部
32…継線部
33…連結部
34…補助実装部
35…突出部
50,70,80…隙間
60…溶接玉