(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044053
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】空調接続装置
(51)【国際特許分類】
F24F 13/02 20060101AFI20240326BHJP
F16L 37/248 20060101ALI20240326BHJP
F16L 33/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
F24F13/02 A
F24F13/02 F
F16L37/248
F16L33/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149367
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】591029921
【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003340
【氏名又は名称】弁理士法人湧泉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 孝友
(72)【発明者】
【氏名】小池 甲一
(72)【発明者】
【氏名】京井 貴史
(72)【発明者】
【氏名】尾形 真幸
【テーマコード(参考)】
3H017
3J106
3L080
【Fターム(参考)】
3H017CA05
3J106BC04
3J106EA01
3J106EB04
3J106EE18
3L080AB02
3L080AB07
3L080AD02
(57)【要約】
【課題】建物の空調設備におけるダクトの端部と空調機器とを簡易に短時間で接続可能な空調接続装置を提供する。
【解決手段】空調機器2と空調ダクト3とを空調接続装置4によって接続する。空調接続装置4は、空調機器2の接続管10に接続される機器側接続筒体30と、空調ダクト3の端部に設けられるダクト側接続筒体40を備えている。機器側接続筒体30には環状隆起部50と案内溝53が形成され、ダクト側接続筒体40には、係止凸部63が形成されている。係止凸部63を案内溝53に通しながら、ダクト側接続筒体40を機器側接続筒体30の外周に嵌め込んで機器側接続筒体30に対して相対回転させることで、環状隆起部50と係止凸部63を筒軸方向に係止させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機器と空調ダクトとを接続する空調接続装置であって、
前記空調機器の接続管に接続される機器側接続筒体と、
前記空調ダクトの端部に設けられるとともに、前記機器側接続筒体の外周又は内周に嵌め込まれて、前記機器側接続筒体に対して相対回転されるダクト側接続筒体と、
を備え、前記機器側接続筒体及び前記ダクト側接続筒体のうち一方には、環状隆起部と、前記環状隆起部を筒軸方向へ横切る案内溝とが形成され、
前記機器側接続筒体及び前記ダクト側接続筒体のうち他方には、前記嵌め込み時に前記案内溝を前記筒軸方向へ通り抜け可能かつ前記嵌め込み後の前記相対回転により前記環状隆起部と筒軸方向に係止可能な係止凸部が形成されていることを特徴とする空調接続装置。
【請求項2】
前記機器側接続筒体及び前記ダクト側接続筒体には、互いに圧接される環状の圧接シール部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の空調接続装置。
【請求項3】
前記ダクト側接続筒体の内周面又は外周面には、前記空調ダクトの螺旋条部と噛み合う螺旋凸条が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の空調設備における接続構造に関し、特に、空調ダクトの端部と空調機器とを接続する空調接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、住宅、商業用ビル、工場などの建物には、冷暖房や換気のための空調設備が設けられている。例えば天井裏には、空気流路を構成する空調ダクトが配管されている。冷暖房や換気を行なう空調機器からは短い接続管が突出されている。該接続管の外周に空調ダクトの端部が嵌められる。空調ダクトの端部の外周側には粘着テープやバンドが巻き付けられる。さらに、ピン、釘、ステープル等でダクトが抜け止めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-197039号公報
【特許文献2】特開2016-035345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従前の空調ダクト接続構造において、粘着テープやバンドを巻き付けたり、さらにピン等を打ち付けたりする作業は、煩雑で時間がかかり、ある程度の熟練度も要する。
本発明は、かかる事情に鑑み、建物の空調設備におけるダクトの端部と空調機器とを簡易に短時間で接続可能な空調接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、空調機器と空調ダクトとを接続する空調接続装置であって、
前記空調機器の接続管に接続される機器側接続筒体と、
前記空調ダクトの端部に設けられるとともに、前記機器側接続筒体の外周又は内周に嵌め込まれて、前記機器側接続筒体に対して相対回転されるダクト側接続筒体と、
を備え、前記機器側接続筒体及び前記ダクト側接続筒体のうち一方には、環状隆起部と、前記環状隆起部を筒軸方向へ横切る案内溝とが形成され、
前記機器側接続筒体及び前記ダクト側接続筒体のうち他方には、前記嵌め込み時に前記案内溝を前記筒軸方向へ通り抜け可能かつ前記嵌め込み後の前記相対回転により前記環状隆起部と筒軸方向に係止可能な係止凸部が形成されていることを特徴とする。
【0006】
好ましくは、前記機器側接続筒体及び前記ダクト側接続筒体には、互いに圧接される環状の圧接シール部が形成されている。
【0007】
好ましくは、前記ダクト側接続筒体の内周面又は外周面には、前記空調ダクトの螺旋条部と噛み合う螺旋凸条が形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、建物の空調設備における空調ダクトの端部と空調機器とを簡易に短時間で接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る空調接続装置をそれぞれ含む2つの空調接続構造を備えた空調設備の平面図である。
【
図2】
図2は、前記2つのうち上流側の空調接続構造の平面断面図である。
【
図3】
図3は、前記2つのうち下流側の空調接続構造の平面断面図である。
【
図4】
図4(a)は、前記空調接続装置を、その機器側接続筒体とダクト側接続筒体とを分離した状態で示す分解平面図である。
図4(b)は、前記分離状態の空調接続装置の分解断面図である。
【
図5】
図5は、
図4(a)のV-V線に沿う、前記機器側接続筒体の正面断面図である。
【
図6】
図6(a)は、
図4(a)のVIa-VIa線に沿う、前記機器側接続筒体の正面断面図である。
図6(b)は、
図4(a)のVIb-VIb線に沿う、前記ダクト側接続筒体の正面断面図である。
【
図7】
図7は、前記空調設備の要素どうしを接続しようとする状態で、一部を断面にして示す平面図である。
【
図8】
図8は、
図7の二点鎖線に示す位置まで接続が進んだ状態における同図のVIII-VIII線に沿う正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、空調設備1は、2つの空調機器2と、空調ダクト3と、2つの空調接続装置4を備えている。2つの空調機器2が、空調ダクト3によって接続されている。かつ、各空調機器2と空調ダクト3とが、空調接続装置4を介して接続されている。言い換えると、空調ダクト3の両端部が、それぞれ空調接続装置4を介して空調機器2と接続されている。
以下、2つの空調機器2どうしを互いに区別するときは、それぞれ符号に「A」、「B」を付す。2つの空調接続装置4を互いに区別するときは、第1の空調機器2A側のものには符号に「A」を付し、第2の空調機器2B側のものには符号に「B」を付す。
【0011】
詳細な図示は省略するが、第1の空調機器2Aは、ボックス型の空調チャンバーであり、外面がEPS等の硬質発泡樹脂からなる断熱カバー2cで覆われている。
図2に示すように、空調機器2Aから接続管10が突出されている。接続管10は、断熱カバー2cと一体の硬質発泡樹脂によって構成されている。接続管10の外周には段差10dが形成されている。段差10dより先端側(
図2において右側)の管部12の外径が、段差10dより空調機器2A側(
図2において左側)の管部11の外径より小さくなっている。先端側管部12の外周には径方向へ突出する係止リング部13が設けられている。
【0012】
図1に示すように、第2の空調機器2Bは、Y形の分岐チャンバーである。第1空調機器2Aからの空調空気が、空調ダクト3を経て、第2空調機器2Aにおいて分流される。
図3に示すように、空調機器2Bから接続管20が突出されている。接続管20の材質は、金属や非発泡の硬質樹脂である。接続管20の外周には、径方向へ突出する2つの外周リング部24,25が並んで形成されている。外周リング部24,25は、接続管20の全周にわたって一定幅の半円状断面に形成されている。
したがって、空調機器2A,2Bの接続管10,20どうしは、材質及び形状が互いに異なっている。
なお、各空調機器2は、空調チャンバーや分岐チャンバーに限らず、冷暖房モジュール、吹出口ユニット、換気チャンバー、ダクト等であってもよい。
【0013】
図1~
図3に示すように、空調ダクト3は、例えば、螺旋条部3aを有する螺旋蛇腹管からなる伸縮可能及び湾曲可能なフレキシブルダクトによって構成されている。
なお、空調ダクトは、これに限らず、柔軟断熱層及び螺旋芯材を有するフレキシブルダクトや、硬質(非フレキシブル)のダクトであってもよい。
【0014】
図1に示すように、第1の空調接続装置4Aと第2の空調接続装置4Bとは、互いに同一構造になっている。
図4(a)に示すように、空調接続装置4(4A,4B)は、機器側の接続筒体30と、ダクト側の接続筒体40とを備えている。
図1に示すように、機器側接続筒体30が、空調機器2の接続管10,20と接続される。ダクト側接続筒体40が、空調ダクト3の端部と接続される。接続筒体30,40どうしが着脱可能に接続される。機器側接続筒体30は、ダクト側接続筒体40を介して空調ダクト3の端部と連なる。
【0015】
詳しくは、
図4(b)に示すように、機器側接続筒体30は、空調機器2側(
図4(b)において左側)の大径筒部31と、空調ダクト3側(
図4(b)において右側)の小径筒部32を有している。
図2及び
図3に示すように、大径筒部31は、接続管10,20の外周に嵌められる。小径筒部32は、接続管10,20より小径に形成されている。
【0016】
図4(a)及び同図(b)に示すように、大径筒部31には、食込み凸条33と、環状内周突起34と、環状内周溝35と、環状外周溝36と、環状隆起部50及び案内溝53とが、この順番で空調機器2側(
図4(b)において左側)から筒軸方向(
図4(b)において左右方向)に並んで形成されている。
【0017】
図4(a)に示すように、大径筒部31における空調機器2側(
図4(a)において左側)の端部は、端リング部31aを構成している。端リング部31aは、当該端リング部31aより空調ダクト3側(
図4(a)において右側)の筒部分31bよりも少し大径になっている。
【0018】
図4(b)に示すように、端リング部31aの内周に食込み凸条33が設けられている。食込み凸条33は、尖った三角形状の断面に形成されて、機器側接続筒体30の径方向内側へ突出されるとともに、螺旋状に延びている。食込み凸条33の螺旋頂部33aの直径は、管部11(
図2)の外直径より少し小さい。食込み凸条33は、接続管10を構成するEPS等の発泡樹脂に食い込み可能である。
【0019】
図4(b)に示すように、端リング部31aと筒部分31bとの間に環状内周突起34が配置されている。
図5に示すように、環状内周突起34は、機器側接続筒体30の全周にわたる環状をなして径方向内側へ突出されている。
図4(b)に示すように、環状内周突起34の断面は、台形になっている。環状内周突起34における空調機器2側(
図4(b)において左側)の壁部34aは、端リング部31aから径方向内側へ向かって空調ダクト3側(
図4(b)において右側)へ傾斜されている。
【0020】
図4(b)に示すように、環状内周突起34の突出端面34bは、食込み凸条33より径方向内側へ突出されている。
図5に示すように、突出端面34bには、更に径方向内側へ突出する複数(ここでは4つ)の突起部34cが形成されている。各突起部34cは、突出端面34bの周方向へ円弧状に延びている。4つの突起部34cは互いに周方向に離れている。隣接する突起部34cどうしの間には、円弧状の切り欠き部34eが形成されている。
【0021】
図4(b)に示すように、環状内周溝35は、食込み凸条33より筒軸方向へ離れて、かつ環状内周突起34の空調ダクト3側(
図4(b)において右側)に近接して配置されている。環状内周溝35は、機器側接続筒体30の全周にわたって一定幅をなして、機器側接続筒体30の内周から外周側へ凹んでいる。環状内周溝35の幅は、外周リング部25の幅より少し小さい。環状内周溝35の溝底における直径は、外周リング部25の外直径より僅かに小さい。
図4(a)に示すように、機器側接続筒体30の外側から見た環状内周溝35の配置部分は、環状凸部35bとなっている。
【0022】
図4(b)に示すように、環状外周溝36は、環状内周溝35の空調ダクト3側(
図4(b)において右側)に近接して配置されるとともに、機器側接続筒体30の外側から見て全周にわたって内周側へ凹んでいる。機器側接続筒体30の内側から見た環状外周溝36の配置部分は、環状凸部36bとなっている。
図9に示すように、環状外周溝36の一箇所には、溝底から径方向外側へ突出するストッパ36sが設けられている。
【0023】
図4(a)に示すように、大径筒部31における空調ダクト3側(
図4(a)において右側)の端部には、環状隆起部50が配置されている。環状隆起部50は、近接する環状凸部36bよりも外周側へ隆起されている。
図6(a)に示すように、環状隆起部50の断面は、径方向外側へ隆起する長い波部51と、径方向内側へ凹む短い波部52とが周方向に交互に連続する環状の波形に形成されている。波部52における径方向外側を向く面によって、案内溝53が構成されている。環状隆起部50には、複数(ここでは8つ)の案内溝53が形成されている。8つの案内溝53は、環状隆起部50の周方向に等間隔置きに配置されている。
図4(a)に示すように、各案内溝53は、環状隆起部50の外周面から凹むとともに、環状隆起部50を筒軸方向へ横切っている。案内溝53の底部は、環状外周溝36の底部と面一に連続している。
図9に示すように、案内溝53は、前記ストッパ36sに対して周方向にずれている。
【0024】
図4(b)に示すように、機器側接続筒体30における大径筒部31と小径筒部32との間に環状壁37が形成されている。したがって、環状壁37は、環状内周突起34及び環状凸部36bより空調ダクト3側(
図4(b)において右側)に配置されている。環状壁37は、環状内周突起34及び環状凸部36bよりも径方向内側へ突出されるとともに、環状壁37は、径方向内側へ向かうにしたがって小径筒部32側(
図4(b)において右側)へ傾斜されている。
【0025】
図4(a)に示すように、環状壁37の径方向内側の端部に小径筒部32が連なっている。小径筒部32には、圧接シール部38が形成されている。圧接シール部38は、半円状の断面形状に形成され、小径筒部32から径方向外側へ突出されるとともに、小径筒部32の全周にわたって環状に延びている。
【0026】
図4(a)に示すように、ダクト側接続筒体40は、機器側筒部41と、ダクト側筒部42を有している。
図6(b)に示すように、機器側筒部41の中間部の断面は、径方向外側へ隆起する長い波部61と、径方向内側へ凹む短い波部62とが周方向に交互に連続する環状の波形に形成されている。短い波部62によって、係止凸部63が構成されている。機器側筒部41の中間部には、径方向内側へ突出する8つ(複数)の係止凸部63が形成されている。8つの係止凸部63が、ダクト側接続筒体40の周方向に等間隔置きに配置されている。
【0027】
図4(a)に示すように、ダクト側接続筒体40における機器側筒部41とダクト側筒部42との間には、台形形状の断面のくびれ部47が形成されている。
図4(b)に示すように、くびれ部47は、ダクト側接続筒体40の全周にわたる環状をなして内周側へ突出されている。くびれ部47の径方向内側を向く突出端部は、圧接シール部48を構成している。圧接シール部48は、圧接シール部38より僅かに小径で、かつ圧接シール部38より幅広の円筒面となっている。
【0028】
図4(b)に示すように、ダクト側筒部42には、螺旋凸条49が形成されている。螺旋凸条49は、ダクト側筒部42の内周面42aから径方向内側へ突出されている。
図4(a)に示すように、螺旋凸条49の形成部分をダクト側筒部42の外側から見ると、螺旋凹溝49bとなっている。
【0029】
図3に示すように、ダクト側筒部42の内周面42aの内径は、空調ダクト3の外径より少し大きい。螺旋凸条49の螺旋ピッチは、空調ダクト3の螺旋条部3aが伸び縮みしていないときの螺旋ピッチとほぼ等しい。
【0030】
2つの空調接続装置4を用いて、各空調機器2と空調ダクト3とが、次のようにして接続され、ひいては空調機器2A,2Bどうしが接続される。
まず、
図7に示すように、第1の空調機器2Aと第1の空調接続装置4Aの機器側接続筒体30とを接続する。すなわち、空調接続装置4Aの機器側接続筒体30を接続管10の外周に嵌める。このとき、機器側接続筒体30を食込み凸条33の螺旋方向と同方向へ回しながら空調機器2Aへ向けて押し込む。これによって、食込み凸条33が、接続管10の管部11の外周部に食い込む(
図2)。やがて、環状の段差10dが、環状内周突起34の壁部34aに突き当たるとともに、管部12の先端部が、環状壁37に突き当たることで、接続管10に対する機器側接続筒体30の嵌め込み位置が規制される(
図2)。
【0031】
図2に示すように、環状段差10dは、全周にわたって壁部34aと密着される。かつ、管部12の先端部は、全周にわたって環状壁37に密着される。これによって、接続管10と機器側接続筒体30との間が気密にシールされる。
【0032】
また、
図7に示すように、第2の空調機器2Bと第2の空調接続装置4Bの機器側接続筒体30とを接続する。すなわち、空調接続装置4Bの機器側接続筒体30を接続管10の外周に嵌める。このとき、空調接続装置4Bの機器側接続筒体30を空調機器2Bの接続管20の外周に嵌めて、機器側接続筒体30を空調機器2Bへ向けて押し込む。これによって、先端側外周リング部25が、環状内周突起34を乗り越えて、環状内周溝35に嵌る(
図3)。環状内周突起34の突起部34cを周方向に間欠配置して切り欠き部34e(
図5)を形成しておくことで、先端側外周リング部25が環状内周突起34を乗り越え易くできる。
【0033】
図3に示すように、先端側外周リング部25は、全周にわたって環状内周溝35の内面に密着される。また、接続管20の先端部が、環状壁37に突き当たるとともに全周にわたって環状壁37に密着される。これによって、接続管20に対する機器側接続筒体30の嵌め込み位置が規制されるとともに、接続管20と機器側接続筒体30との間が気密にシールされる。
【0034】
図7に示すように、空調ダクト3の両端部には、空調接続装置4のダクト側接続筒体40を接続する。詳しくは、空調ダクト3における第1空調機器2A側の端部の外周には、第1空調接続装置4Aのダクト側接続筒体40のダクト側筒部42を嵌める。このとき、ダクト側接続筒体40を回しながら嵌めることによって、螺旋条部3aと螺旋凸条49とを互いに噛み合わせる(
図2)。同様に、空調ダクト3における第2空調機器2B側の端部の外周には、第2空調接続装置4Bのダクト側接続筒体40のダクト側筒部42を回しながら嵌めて、螺旋条部3aと螺旋凸条49とを互いに噛み合わせる(
図3)。
【0035】
その後、
図7に示すように、空調ダクト3を縮める等して、該空調ダクト3の両端のダクト側接続筒体40をそれぞれ対応する機器側接続筒体30の外周に嵌め込む。このとき、
図8に示すように、係止凸部63と案内溝53との周方向位置が互いに一致するように、ダクト側接続筒体40の角度を調節する。これによって、
図7において二点鎖線にて示すように、係止凸部63が案内溝53を筒軸方向へ通り抜けることができる。そして、係止凸部63が環状外周溝36の外周上に配置される(
図2、
図3)。
【0036】
図2及び
図3に示すように、機器側筒部41の先端41eは、機器側接続筒体30の壁部34aと端リング部31aとで作る角部34d(嵌め込み規制部)に突き当たる。また、台形断面のくびれ部47が、環状壁37(嵌め込み規制部)に突き当たる。これによって、ダクト側接続筒体40の機器側接続筒体30に対する嵌め込み位置が規制される。更に、圧接シール部38が全周にわたって圧接シール部48と密着される。これによって、筒体30,40どうし間が気密にシールされる。
【0037】
前記嵌め込み後、
図9に示すように、ダクト側接続筒体40を機器側接続筒体30に対して相対回転させる。これによって、係止凸部63が、案内溝53からずれて環状隆起部50と筒軸方向(
図9において紙面直交方向)に対向される。したがって、ダクト側接続筒体40を機器側接続筒体30に対して引き抜こうとすると、係止凸部63が環状隆起部50に当たって筒軸方向に係止される。これによって、ダクト側接続筒体40が、機器側接続筒体30から抜け止めされる。さらに、1の係止凸部63がストッパ36sに突き当たる。これによって、ダクト側接続筒体40が機器側接続筒体30に対して回り止めされる。
【0038】
このようにして、機器側接続筒体30とダクト側接続筒体40とを簡単に接続することができる。ひいては、空調接続装置4を介して各空調機器2の接続管10,20と空調ダクト3とを簡単に短時間で接続することができる。
【0039】
図1及び
図7に示すように、2つの空調接続装置4は互いに同一構造であるから、第1の空調機器2A用の空調接続装置4と、第2の空調機器2B用の空調接続装置4とを区別する必要が無い。言い換えると、1の空調接続装置4を、第1の空調機器2Aと空調ダクト3との接続用と、第2の空調機器2Bと空調ダクト3との接続用とに兼用できる。空調機器2の接続管が発泡樹脂管10であっても、硬質管20であっても、空調接続装置4を介して、空調ダクト3と簡単に接続することができる。したがって、空調接続装置4は、材質及び形状等の仕様が異なる複数種の接続管10,20に兼用できる。
【0040】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、空調接続装置1は、複数種の空調機器2と空調ダクト3との接続に兼用される必要は必ずしも無く、一種類の空調機器2と空調ダクト3との接続に適用されるものであればよい。
ダクト側接続筒体が、機器側接続筒体内に挿し込まれるようになっていてもよい。
ダクト側接続筒体40に環状隆起部及び案内溝が形成され、機器側接続筒体30に係止凸部が形成されていてもよい。
ダクト側接続筒体40が、空調ダクト3内に挿し込まれるようになっていてもよい。螺旋凸条42が、ダクト側接続筒体40の径方向外側へ突出されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、建物の空調設備に適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 空調設備
2(2A、2B) 空調機器
10 接続管
20 接続管
3 空調ダクト
3a 螺旋条部
4(4A,4B) 空調接続装置
30 機器側接続筒体
36s ストッパ
37 環状壁
38 圧接シール部
40 ダクト側接続筒体
48 圧接シール部
49 螺旋凸条
50 環状隆起部
53 案内溝
63 係止凸部