(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044074
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ジャイロ装置の台座
(51)【国際特許分類】
A63H 3/50 20060101AFI20240326BHJP
A63H 1/00 20190101ALI20240326BHJP
A63H 9/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A63H3/50 Z
A63H1/00 C
A63H9/00 L
A63H9/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149398
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】399132962
【氏名又は名称】知久 守
(72)【発明者】
【氏名】知久 守
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA02
2C150AA21
2C150BC01
2C150BC10
2C150DA21
2C150DA39
2C150DD04
2C150DD14
2C150DD15
2C150DK20
2C150EA04
2C150EA12
2C150EB41
2C150EC12
2C150ED64
2C150FB33
2C150FB43
2C150FD22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】円盤の回転駆動を行う糸、および糸の端を持ちやすくするリングを、ジャイロ装置の台座に収納して、蓋の取り付けおよび取り外しを容易にし、指の怪我の防止と爪の傷に対する保護をする。
【解決手段】台座底面に空けた円柱形状の空洞の淵に、C面加工またはR面加工を施す。指の甲が空洞の淵に当たっても擦りむけない効果、爪が触れても傷付きにくい効果がある。空洞に取り付ける蓋は滑りやすくなるので、蓋の挿入は浅くて良い。
スポンジを材料とする蓋は円柱形状として、外径を台座底面空洞径の1.1倍から1.2倍とする。また厚さを空洞深さの1.1倍から1.2倍とする、蓋はドーム状に膨らみ、つまみ易く取り外しを容易にする。空洞に2本の指を入れる必要は無くなる。指を保護する効果を二重に備え、安全に作業できるジャイロ装置の台座とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジャイロ装置を棚等に飾る置物としたときの台座は、金属を材料として、円柱形状に空けた底面の空洞と、空洞を塞ぐ円柱形状の軟質ポリウレタンフォームの蓋で要部が構成される。
台座底面に空けた円柱形状の空洞の淵に、C面加工またはR面加工を施す。これを第一の手段とする。指の甲が空洞の淵に当たっても擦りむけない効果、爪が触れても傷付きにくい効果がある。台座の自重で蓋が押し込まれるので、空洞に取り付ける蓋の挿入は浅くて良い。加工寸法は、0.5mm以上とする。
軟質ポリウレタンフォームを材料とする蓋は円柱形状として、外径を台座底面空洞径の1.1倍から1.2倍とする。また厚さを空洞深さの1.1倍から1.2倍とする。これを第二の手段とする。棚等の平面から台座を離した時、蓋はドーム状に膨らむ。この膨らみは、蓋をつまみ易くして、取り外しを容易にする効果と、空洞に2本の指を入れる必要を無くす効果と、指を保護する効果がある。
円盤の回転駆動を行う糸、および糸の端を持ちやすくするリングを、見えない台座底面空洞に収納する。第一の手段と第二の手段によって、蓋の取り付けおよび取り外しを容易にした。また、指の怪我の防止および爪の傷に対する保護を二重に備え、安全に作業できるジャイロ装置の台座。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャイロ装置を棚等に飾る置物としたとき、邪魔な駆動部材を収納するようにし、収納と取り出しが容易であると共に、安全である台座に関するものである。
【背景技術】
【0002】
軸に糸を巻き付けて、糸の端を引っ張る事で円盤を回転させる装置にジャイロスコープ(
図5)がある。円盤が高速回転している間は、外枠リングの姿勢を変えても円盤軸は方向を一定に保つ方向保持性と、高速回転している円盤軸に角度を変える力を加えると、軸は90度異なった方向に作用して角度変化するプレセッションの性質を持つ。(前畑幸弥著 「ジャイロコンパスとオートパイロット」 株式会社成山堂書店 2013年)。また、玩具の地球こま(特許第6033481号、
図1)または、(
図6)がある。円盤が高速回転している間は、歳差運動という首振り状態でも倒れずに姿勢を維持する性質がある。この2種類をジャイロ装置と定義し、動力を備えたジャイロコンパスおよび角速度を検出する電子式ジャイロセンサー等を除く。
【0003】
ジャイロ装置の造形は、自然には見られない形状の魅力があり、棚等に飾る置物とすれば用途が広がると考える。置物とした時、円盤の回転駆動を行う糸、および糸の端を持ちやすくするためのリングは邪魔な物となる。別の場所に収納すると紛失の原因になる。
【0004】
円盤の回転駆動を行う糸、および糸の端を持ちやすくするリング(以下、「駆動部材」とする。)を、ジャイロ装置の台座に収納すれば良いと考える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6033481号
【特許文献2】特許第5716105号
【特許文献3】特開2009-11823
【特許文献4】特開2012-232089
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】前畑幸弥著 「ジャイロコンパスとオートパイロット」 株式会社成山堂書店 2013年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする課題は、駆動部材をジャイロ装置の台座に収納した時、収納と取り出しが困難であるとともに、指を怪我する危険がある点である。
【0008】
棚等に飾る置物であるから、駆動部材は見えない様に収納する。収納位置は台座底面の空洞とする。駆動部材の大きさから空洞の大きさが決まる。空洞の大きさから台座の外形と大きさがおおよそ決まる。空洞に駆動部材を収めれば蓋が必要になる。収納しやすく、取り出しやすい、また、加工が容易で安価にしたい。検討の結果、蓋は軟質ポリウレタンフォーム(以下、「スポンジ」とする。)が良い。適度な弾力で収納を支える事もできる。蓋の材料が決まれば台座の空洞の深さがおおよそ決まる。18.0mm程度とした。
【0009】
蓋の外径を台座底面空洞径25.0mmの1.1倍 27.5mm、厚さを空洞深さの3分の2倍 15.0mmの円柱形状で試作して実験1を行った。駆動部材を収納して、蓋の取り付けおよび取り外し時に、蓋がつまみにくい点が判明した。蓋は空洞内の奥まった位置に入り込んでいる。これに対して、内径25.0mmの空洞に2本の指が入らないからである。一方、空洞の淵に指の甲が当たって擦りむける、または爪のネイルカラーが触れて傷が付く事があった。(
図4) 淵の形状が鋭利に角張っているためである。
【0010】
駆動部材を、見えない台座底面に収納して、蓋の取り付けおよび取り外しを容易にしたい。また、怪我なく安全に作業できる台座にする点を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、台座底面に空けた円柱形状である空洞の淵にC面加工または、R面加工を施す。これを第一の手段とする。スポンジを材料とする蓋の外径を台座底面空洞径の1.1倍から1.2倍とする。また厚さを空洞深さの1.1倍から1.2倍とする。これを第二の手段とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第一の手段は、空洞径より外径が大きな蓋と、空洞との滑りを良くする。台座を平面に置いた時、台座の自重によって蓋は空洞に押し込まれ、棚等の平面に密着する。したがって、空洞に挿入する蓋は浅くて良い。この時、指の甲、または、爪が空洞の淵に当たっても、形状がC面または、R面であるため怪我や爪の傷に至る事がなく安全である。
【0013】
第二の手段は、棚等の平面から台座を離した時、蓋は空洞の深さを超えてはみ出してドーム状に膨らむ。膨らんだ蓋はつまみ易く、取り外し易い。空洞に指を入れる必要はない。空洞の淵と指の間に、膨らんだ蓋が挟まることで、怪我を防ぐ。
【0014】
駆動部材を見えない台座底面空洞に収納する。第一の手段と第二の手段によって、蓋の取り付けおよび取り外しを容易にした。また、怪我なく安全に作業できる台座とした。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は発明を実施した図である。(実施例1)
【
図2】
図2は発明を地球こまに適用した図である。(実施例2)
【
図4】
図4は解決しようとする課題の説明図である。
【
図5】
図5は従来装置、ジャイロスコープの図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ジャイロ装置を棚等に飾る置物としたときの台座は、金属を材料として、円柱形状に空けた底面の空洞と、空洞を塞ぐ円柱形状のスポンジの蓋で要部が構成される。
【0017】
収納する駆動部材のリングは、外径20.0mmを想定している。よって、空洞の内径は25.0mmとする。深さは蓋が接する面積が必要であるから、18.0mmとする。台座の円柱形状に空けた底面の空洞は、内径25.0mm、深さ18.0mmになる。外形は、高さ、横幅、奥行き共に、本体の半分以下程度にすると見映えが良い。
【0018】
蓋は台座空洞内面に接して弾力で収納物を支える必要から、材料をスポンジとする。収縮性と弾力が適度であり、加工が容易、かつ安価である。
【0019】
円柱形状の空洞の淵に、0.5mmのC面加工を施して実験2を行った。指の甲が空洞の淵に当たっても擦りむけない。また、爪が触れても傷付きにくい効果を確認した。また、駆動部材を収納し、蓋を浅く取り付けて台座を平面に置いたとき、空洞径より外径が大きな蓋が、空洞内面を滑る事によって、台座の自重で、空洞内に押し込まれる効果を見出した。角張っていた淵による蓋の引っ掛かりが、淵のC面加工によって無くなり、滑りやすくなったと考える。したがって、空洞に取り付ける蓋の挿入は浅くて良い。C面加工寸法は、0.5mm程度で効果があり、大きい方がより良い。また、加工が高度になるがR面加工にするとなお良い。
【0020】
蓋の外径は27.5mmのままで、厚さを空洞深さ18.0mmの1.1倍、約20.0mmとして実験3を行った。棚等の平面から台座を離した時、蓋は空洞の深さを超えた厚さ分が、はみ出してドーム状に膨らむ。この膨らみは、蓋をつまみ易くして、取り付けおよび取り外しを容易にする効果と、空洞に2本の指を入れる必要を無くす効果と、空洞の淵と指との間に挟まる様に作用して、指を保護する効果がある。(
図3)a この時、膨らむ大きさは、台座の自重によって、収縮していた厚さ分である。台座を平面に置いた時に、押し込まれて台座底面まで入り込む。蓋の厚さは空洞深さの 1.1倍から1.2倍が適切である。なお、外径寸法は小さ過ぎると、空洞内面に接して弾力で収納物を支える力が不足する。大き過ぎると、蓋と空洞の滑りが悪くなり、台座を平面に置いた時に、押し込まれにくくなる。
【0021】
本発明を整理すると、台座底面に空けた円柱形状の空洞の淵に、C面加工または、R面加工を施す、これを第一の手段とする。指の甲が空洞の淵に当たっても擦りむけない効果、爪が触れても傷付きにくい効果がある。空洞と蓋の間が滑りやすくなって、台座を平面に置けば、台座の自重で蓋が押し込まれる。よって、空洞に取り付ける蓋の挿入は浅くて良い。C面加工寸法は、0.5mm以上で、大きい方がより良い。R面加工にするとなお良い。
【0022】
スポンジを材料とする蓋は円柱形状として、外径を台座底面空洞径の1.1倍から1.2倍とする。また厚さを空洞深さの1.1倍から1.2倍とする、これを第二の手段とする。棚等の平面から台座を離した時、蓋はドーム状に膨らむ。この膨らみは、蓋をつまみ易くして取り外しを容易にする効果と、空洞に2本の指を入れる必要を無くす効果と、指を保護する効果がある。
【0023】
駆動部材を見えない台座底面空洞に収納する。第一の手段と第二の手段によって、蓋をつまみ易くして、取り付けおよび取り外しを容易にする。また、怪我の防止と爪の傷に対する保護を二重に備え、安全に作業できるジャイロ装置の台座とした。
【実施例0024】
図1は、本発明装置の実施例1の図である。ジャイロ装置を棚等に飾る置物としたときの台座は、金属を材料として、円柱形状に空けた底面の空洞と、空洞を塞ぐ円柱形状のスポンジの蓋で要部が構成される。台座の円柱形状に空けた底面の空洞は、内径25.0mm深さ18.0mmにする。外形は、高さ、横幅、奥行き共に、本体の半分以下程度にする。
【0025】
台座底面に空けた円柱形状の空洞の淵に、C面加工またはR面加工を施す。これを第一の手段とする。指の甲が空洞の淵に当たっても擦りむけない効果、爪が触れても傷付きにくい効果がある。空洞と蓋の間が滑りやすくなって、台座を平面に置けば、台座の自重で蓋が押し込まれる。よって、空洞に取り付ける蓋の挿入は浅くて良い。C面加工寸法は、0.5mm以上とする。R面加工にするとなお良い。
【0026】
スポンジを材料とする蓋は円柱形状として、外径を台座底面空洞径の1.1倍から1.2倍、約28.0mmとする。また厚さを空洞深さの1.1倍から1.2倍、約20.0mmとする。これを第二の手段とする。棚等の平面から台座を離した時、蓋はドーム状に膨らむ。この膨らみは、蓋をつまみ易くして、取り外しを容易にする効果と、空洞に2本の指を入れる必要を無くす効果と、空洞の淵と指との間に挟まる様に作用して、指を保護する効果がある。
【0027】
駆動部材を見えない台座底面空洞に収納する。、第一の手段と第二の手段によって、蓋の取り付けおよび取り外しを容易にした。また、怪我の防止および爪の傷に対する保護を二重に備え、安全に作業できるジャイロ装置の台座とした。