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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044084
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】駐車場システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240326BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20240326BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07B15/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149413
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(74)【代理人】
【識別番号】100181146
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 啓
(72)【発明者】
【氏名】高山 育健
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA01
3E127BA06
3E127BA50
3E127CA23
3E127CA40
3E127CA41
3E127CA47
3E127DA20
3E127DA33
3E127EA04
3E127EA18
3E127EA33
3E127FA09
3E127FA53
3E127FB06
3E127FB11
5L049CC13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】駐車場において精算機等の駐車場機器が不要である駐車場システムを提供すること。
【解決手段】駐車場システムは、駐車場を駐車場情報によって特定して利用を要求する利用手続操作を受け付ける利用者端末10と、利用手続操作後、利用者端末10から少なくとも駐車場情報を駐車利用情報として受信し、駐車利用情報に基づいて駐車料金の決済を行う管理装置20と、を備える。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場を駐車場情報によって特定して利用を要求する利用手続操作を受け付ける利用者端末と、
前記利用手続操作後、前記利用者端末から少なくとも前記駐車場情報を駐車利用情報として受信し、前記駐車利用情報に基づいて駐車料金の決済を行う管理装置と、
を備える駐車場システム。
【請求項2】
前記管理装置は、駐車場事業者が登録した前記駐車場情報を表示し、前記利用手続操作を受け付ける利用者向けフロントエンドを生成し、
前記利用者端末は、前記利用者向けフロントエンドにアクセスし、前記駐車場を特定した後、前記利用手続操作を受け付ける、請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項3】
前記駐車場は、前記利用者端末が前記利用者向けフロントエンドにアクセス可能な案内表示を有する、請求項2に記載の駐車場システム。
【請求項4】
前記利用者端末は、前記利用手続操作時に取得した車両のナンバープレート画像を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記ナンバープレート画像を解析し、入場時の前記ナンバープレート画像と出場時の前記ナンバープレート画像とを照合し、前記車両の入出場を管理する、請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項5】
前記利用者端末は、前記利用手続操作時に車両登録番号を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、入場時の前記車両登録番号と出場時の前記車両登録番号とを照合し、前記車両の入出場を管理する、請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項6】
前記管理装置は、前記駐車料金を算出し、前記利用者端末の前記利用者向けフロントエンドに前記駐車料金を表示させ、
前記利用者端末は、前記利用手続操作時に前記駐車料金の支払方法の設定を受け付ける、請求項2に記載の駐車場システム。
【請求項7】
前記駐車利用情報は、入場時刻と出場時刻とを含み、
前記管理装置は、前記入場時刻と前記出場時刻とから前記駐車料金を算出する、請求項6に記載の駐車場システム。
【請求項8】
施設端末をさらに備え、
前記施設端末は、前記利用者端末に表示された前記駐車利用情報に対応する認証コードを取得し、前記認証コードを割引適用情報とともに前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記認証コードに対応する前記駐車利用情報を照合し、前記割引適用情報を加味して前記駐車料金を算出する、請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項9】
前記管理装置は、前記駐車場事業者が施設に対し提携許可する前記駐車場情報を表示し、前記駐車場の提携登録操作を受け付ける施設向けフロントエンドを生成し、
前記施設端末は、前記施設向けフロントエンドにアクセスし、前記駐車場の提携登録操作を受け付け、
前記管理装置は、前記利用者端末に前記駐車場と提携する施設及び地図情報を表示させる、請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項10】
前記管理装置は、前記利用者端末に前記駐車場と提携する施設の予約申し込み画面を表示させる、請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項11】
前記管理装置は、前記駐車場事業者に対して、前記駐車場事業者が所有する複数の前記駐車場で利用された割引に基づき、前記駐車場毎の割引実績及び請求割合からの請求金額を集計した帳票を送信する、請求項8に記載の駐車場システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場に精算機等を導入不要な駐車場システムに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場の利用者へのサービス提供のためのサービス情報通信システムとして、駐車場を付帯させた店舗の通信端末と、駐車場機器と、プラットフォームとを備えるものが公知となっている(特許文献1)。プラットフォームは、通信端末と駐車場機器との仲介役として機能し、利用者に対して駐車料金の割引サービスを提供している。
【0003】
特許文献1のシステムでは、精算機等の駐車場機器を備えることが前提となっており、駐車場機器であるハードウェアの導入や維持にコストがかかるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-17020号公報
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、駐車場において精算機等の駐車場機器が不要である駐車場システムを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る駐車場システムは、駐車場を駐車場情報によって特定して利用を要求する利用手続操作を受け付ける利用者端末と、利用手続操作後、利用者端末から少なくとも駐車場情報を駐車利用情報として受信し、駐車利用情報に基づいて駐車料金の決済を行う管理装置と、を備える。
【0007】
上記駐車場システムによれば、駐車場の利用において、駐車場側では利用者端末での利用手続操作のみで駐車場の管理を行うため、駐車場に精算機、ゲート、フラップ端末等のハードウェアが不要であり、ハードウェアの導入や維持にかかるコストを削減することができる。
【0008】
本発明の具体的な側面によれば、上記駐車場システムにおいて、管理装置は、駐車場事業者が登録した駐車場情報を表示し、利用手続操作を受け付ける利用者向けフロントエンドを生成し、利用者端末は、利用者向けフロントエンドにアクセスし、駐車場を特定した後、利用手続操作を受け付ける。この場合、利用者向けフロントエンドを利用することにより、利用者自身が駐車場の利用開始手続きを容易に行うことができ、利用者の負担増加を抑えることができる。
【0009】
本発明の別の側面によれば、駐車場は、利用者端末が利用者向けフロントエンドにアクセス可能な案内表示を有する。この場合、利用者が利用者端末を用いて利用者向けフロントエンドに容易にアクセスすることができる。
【0010】
本発明のさらに別の側面によれば、利用者端末は、利用手続操作時に取得した車両のナンバープレート画像を管理装置に送信し、管理装置は、ナンバープレート画像を解析し、入場時のナンバープレート画像と出場時のナンバープレート画像とを照合し、車両の入出場を管理する。この場合、ナンバープレート画像を車両の入出場の管理に用いることにより、駐車場の不正利用を抑制することができる。
【0011】
本発明のさらに別の側面によれば、利用者端末は、利用手続操作時に車両登録番号を管理装置に送信し、管理装置は、入場時の車両登録番号と出場時の車両登録番号とを照合し、車両の入出場を管理する。この場合、車両登録番号を車両の入出場の管理に用いることができる。
【0012】
本発明のさらに別の側面によれば、管理装置は、駐車料金を算出し、利用者端末の利用者向けフロントエンドに駐車料金を表示させ、利用者端末は、利用手続操作時に駐車料金の支払方法の設定を受け付ける。この場合、精算機が設置されていなくても駐車料金を支払うことができる。
【0013】
本発明のさらに別の側面によれば、駐車利用情報は、入場時刻と出場時刻とを含み、管理装置は、入場時刻と出場時刻とから駐車料金を算出する。この場合、利用時間以上の駐車料金を支払う必要がない。また、日単位又は月単位の料金体系で運営している駐車場の収入機会損失を大幅に軽減することができる。
【0014】
本発明のさらに別の側面によれば、施設端末をさらに備え、施設端末は、利用者端末に表示された駐車利用情報に対応する認証コードを取得し、認証コードを割引適用情報とともに管理装置に送信し、管理装置は、認証コードに対応する駐車利用情報を照合し、割引適用情報を加味して駐車料金を算出する。この場合、提携施設での利用に応じて駐車料金を割り引くことができる。また、割引適用の際に、駐車券等の物理媒体を必要とせず、ランニングコストや環境負荷を軽減することができる。また、利用者による不正な割引券の享受を防止できる。
【0015】
本発明のさらに別の側面によれば、管理装置は、駐車場事業者が施設に対し提携許可する駐車場情報を表示し、駐車場の提携登録操作を受け付ける施設向けフロントエンドを生成し、施設端末は、施設向けフロントエンドにアクセスし、駐車場の提携登録操作を受け付け、管理装置は、利用者端末に駐車場と提携する施設及び地図情報を表示させる。この場合、利用者の施設利用を促すことができる。
【0016】
本発明のさらに別の側面によれば、管理装置は、利用者端末に駐車場と提携する施設の予約申し込み画面を表示させる。この場合、利用者の施設利用をさらに促すことができる。
【0017】
本発明のさらに別の側面によれば、管理装置は、駐車場事業者に対して、駐車場事業者が所有する複数の駐車場で利用された割引に基づき、駐車場毎の割引実績及び請求割合からの請求金額を集計した帳票を送信する。この場合、駐車場事業者は、駐車場毎の割引実績及び請求割合からの請求金額を容易に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態の駐車場システム説明する全体的な概念図である。
図2】(A)は、駐車場を説明する概念図であり、(B)は、駐車場の一部を表した図である。
図3】利用者端末を説明する概念的なブロック図である。
図4】(A)は、利用者端末における駐車場利用手続画面の表示例を説明する図であり、(B)は、利用者端末における駐車料金割引サービス手続用の認証コードの表示例を説明する図である。
図5】施設端末を説明する概念的なブロック図である。
図6】管理装置を説明する概念的なブロック図である。
図7】施設端末、事業者端末、管理装置等の間で行われる一連の動作を説明する図である。
図8】利用者端末、管理装置等の間で行われる一連の動作を説明する図である。
図9】利用者端末、施設端末、管理装置等の間で行われる一連の動作を説明する図である。
図10】利用者端末、管理装置等の間で行われる一連の動作を説明する図である。
図11】事業者端末、管理装置の間で行われる一連の動作を説明する図である。
図12】第2実施形態の駐車場システムの動作例を説明する概念図である。
図13】第3実施形態の駐車場システムの動作例を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明に係る駐車場システムの第1実施形態について説明する。
【0020】
図1に示す第1実施形態の駐車場システム100は、利用者USによる駐車場PAの利用や駐車料金の支払いの状況を管理する。また、駐車場システム100は、駐車場PA外で店舗その他の提携施設(以下、施設STとする)によって提供される割引券に相当する付帯サービスの利用を可能にする。具体的には、駐車場システム100は、駐車場PAと施設STとを連携させ、例えば施設STでの買上金額を、提携する駐車場PAの利用料金(以下、駐車料金とする)の割引に適用可能とするものである。また、駐車場システム100は、利用者USに対し施設STの利用促進のための施設情報の案内等を可能にする。また、駐車場システム100は、駐車場事業者BUに対して、駐車場事業者BUが施設STに割引利用料請求をするにあたって請求金額を集計した帳票を提供可能とするものである。
【0021】
駐車場システム100は、駐車場PAの利用者USが個別に所持する利用者端末10と、施設STに設置される施設端末30と、利用者端末10や施設端末30から離れた場所に設置される管理装置20とを備える。説明の便宜上、図1では単一の駐車場PAや施設STを示しているが、本実施形態の駐車場システム100は、複数の駐車場PA及び複数の施設STについて、一括して運用管理を行うものである。駐車場システム100は、多数の施設STや利用者USによって活用されることが前提となっており、施設端末30は、駐車場PA又は駐車場事業者BUと提携する複数の施設ST(例えば店舗等)にそれぞれ設置される。また、駐車場システム100は、駐車場事業者BUが所有する事業者端末40も備えるものであってもよく、駐車場事業者BUは、事業者端末40を介して予めサービスの対象となる駐車場PAに関する情報を管理装置20に登録している。
【0022】
駐車場システム100において、管理装置20は、通信ネットワークNTを介して、利用者端末10、施設端末30、事業者端末40等と通信可能に接続される。この通信ネットワークNTは、具体的にはインターネットであり、利用者端末10、施設端末30、事業者端末40等からの接続を受け付ける。利用者端末10は、利用者USによって操作され、通信ネットワークNTを介して管理装置20に後述する駐車利用情報を送信し、駐車場PAの利用手続きを行う。施設端末30は、施設STの従業者によって操作され、利用者USから駐車場PAの駐車利用情報が提供された場合、通信ネットワークNTを介して管理装置20に駐車利用情報とともに後述する駐車料金の割引適用情報を送信し、管理装置20から割引情報を受信する。ここで、割引情報は、駐車料金割引(具体的には、割引額や割引率)といった電子化された情報であり、施設STにおける駐車場PAの利用者USに対して駐車利用情報の提示を前提として提供される駐車の割引券、回数券等に相当するものである。
【0023】
駐車場システム100では、利用者端末10、施設端末30、及び事業者端末40が、それぞれの端末又は用途に対応するフロントエンドにアクセスすることによって、各種手続き又は各種登録を行うことができる。フロントエンドは、Webブラウザ等において、利用者US等に対する表示や利用者US等による操作の受付を行う画面又はこれを提示し操作を受け付けるアプリケーションである。フロントエンドは、後述する管理装置20のフロントエンド生成部21aで生成され、管理される。具体的には、利用者端末10は、利用者USの操作を受け付けることにより、利用者向けフロントエンドにアクセスし、駐車場PAの利用手続きや施設STでの駐車料金の割引サービスの手続きを行う。施設端末30は、施設STの従業員の操作を受け付けることにより、施設向けフロントエンドにアクセスし、駐車場システム100のサービスを受けるための登録手続きや駐車料金の割引サービスの手続きを行う。事業者端末40は、駐車場事業者BUの操作を受け付けることにより、事業者向けフロントエンドにアクセスし、駐車場システム100のサービスを受けるための登録手続きを行う。以上の各種フロントエンドには、URL情報をエンコードした案内コード(例えば二次元バーコードや一次元バーコード)を読み取ってアクセスしてもよいし、該当URLを直接入力してアクセスしてもよい。また、フロントエンドには、駐車場システム100の利用アプリケーションソフトを利用してアクセスしてもよい。
【0024】
図2(A)及び2(B)は、駐車場PAを説明する概念図である。図2(A)に示すように、駐車場PAは、車両VEを駐車するスペースである複数の車室SPを有する。車室SPには車室番号がそれぞれ付与されている。図2(B)に示すように、駐車場PAは、利用者端末10が後述する利用者向けフロントエンドにアクセス可能な案内表示90を有する。案内表示90を設けることにより、利用者USが利用者端末10を用いて利用者向けフロントエンドに容易にアクセスすることができる。案内表示90は、例えば駐車場PAの出入口に設置された看板SB等に掲示される。なお、案内表示90は、車室SP毎に設けてもよい。案内表示90は、利用者向けフロントエンドにアクセスするためのURL情報をエンコードした案内コードTCであり、例えば二次元バーコードや一次元バーコード等である。また、案内表示90は、案内コードTCに限らず、利用者向けフロントエンドに対応するWebページへのアクセス手順等でもよい。このように、利用者端末10において、駐車場PAを利用するための専用のアプリケーションソフトがなくても、利用者USは、駐車場PAの利用手続きを行うことができる。
【0025】
図1に示す利用者端末10は、駐車場システム100の利用者USが所持し、利用者US自身が駐車場PAの利用手続きを行う際に用いるものである。利用者端末10は、駐車場PAを駐車場情報によって特定して利用を要求する利用手続操作を受け付ける。利用者端末10としては、例えばスマートフォン、タブレットPC等を用いることができる。
【0026】
図3は、利用者端末10を説明する概念図である。図示のように、利用者端末10は、制御部11と、読取部12と、表示部13と、通信部14とを有する。利用者端末10は、制御部11により、不図示の記憶部に格納されたプログラムに基づいて動作する。つまり、制御部11は、読取部12、表示部13、通信部14等の動作を制御する。
【0027】
読取部12は、利用者端末10に内蔵されたカメラ等であり、駐車場PAに設けられた案内表示90の案内コードTC(具体的には、二次元バーコードや一次元バーコード等)を読み取る。また、読取部12は、駐車場PAの利用手続操作時に車両VEのナンバープレートを撮影する。表示部13は、利用者端末10のディスプレイ等の表示画面であり、駐車場利用手続き等のための利用者向けフロントエンドの画面を表示する。また、表示部13は、後述する施設利用時に提示する駐車料金割引サービス要求用の認証コードAC(具体的には、二次元バーコードや一次元バーコード等)や管理装置20から受信した割引情報等を表示する。通信部14は、図1に示す通信ネットワークNTを経由して管理装置20との通信を可能にする。
【0028】
利用者端末10の制御部11は、アプリケーションソフトや利用者USの操作に基づいて動作し、駐車場利用手続きにおいて、読取部12によって駐車場PAに設けられた案内表示90の案内コードTCを読み取る。制御部11は、読み取った案内コードTCをデコードして利用者向けフロントエンドにアクセスするためのURL情報を得る。制御部11は、このURL情報により利用者向けフロントエンドにアクセスし、表示部13に利用手続きのための入力画面を表示させる。利用者USは、表示部13に表示された画面に従い、駐車場利用手続操作を行う。管理装置20から利用者端末10に送信される利用者向けフロントエンドのデータには、駐車場情報が含まれる。駐車場利用手続きの際に、制御部11は、管理装置20に駐車場情報を含む駐車場利用情報を送信する。駐車場情報としては、例えば駐車場名(又は駐車場ID)、場所、車室名(又は車室番号)、駐車料金等が挙げられる。駐車利用情報としては、例えば駐車場名等の他に、入場時刻、出場時刻、ナンバープレート画像、支払い情報等が挙げられる。駐車場システム100における利用者USの特定は、例えば駐車利用情報に含まれる駐車場名又は車室名とナンバープレート画像又は車両登録番号との組み合わせによって行っている。なお、利用者USの特定は、車室名や車両登録番号によって行ってもよいし、利用手続き時に利用者USに個別番号を付与してもよい。
【0029】
図4(A)は、表示部13に表示される駐車場利用手続き時の利用者向けフロントエンドの画面の一例である。利用者向けフロントエンドの画面は、図4(A)に示す例の他に、ナンバープレート画像をアップロードするための画面、駐車料金の支払い設定画面、その他入力画面等がある。利用者USは、画面に表示される指示に従って、駐車場利用手続きの操作を行うことができる。駐車場PAが時間貸しの場合には、利用手続操作は、入場時及び出庫時の2回行う。なお、駐車場PAは、時間貸しの他に1日貸しでもよい。この場合、利用手続操作は、例えば入場時の1回のみでもよい。
【0030】
制御部11が利用者向けフロントエンドにアクセスすると、表示部13に駐車場利用者手続画面が表示され、例えば駐車場PAの車室選択の操作画面が表示される。利用者USは、車両VEを駐車した車室SPを選択する。なお、車室SPを区別せずに駐車場PA全体で利用管理を行う場合、車室選択を省略してもよい。
【0031】
駐車場システム100では、車両VEのナンバープレート画像又は車両登録番号によって、利用者USを区別している。そのため、利用手続きにおいて、制御部11は、読取部12によって車両VEのナンバープレートを撮影し、撮影したナンバープレート画像をアップロードして管理装置20に送信する。
【0032】
駐車場システム100では、管理装置20側で駐車料金の精算処理を行う。そのため、制御部11は、利用手続操作時に駐車料金の支払方法の設定を受け付ける。
【0033】
なお、駐車場利用手続きにおいて、駐車利用情報として利用者USの個人情報(氏名、連絡先等)を入力してもよい。
【0034】
図4(B)は、表示部13に表示される駐車料金割引サービス手続き時の利用者向けフロントエンドの画面に一例である。表示部13には、駐車場利用手続き後、駐車場PAの提携施設情報や提携施設(施設ST)に関する地図情報等が表示される。利用者USは、施設STにおいて駐車料金割引サービス手続きを行う際に、利用者向けフロントエンドの画面の割引サービス手続きを選択して駐車券に相当する認証コードACを表示させる。認証コードACは、駐車利用情報がエンコードされたものとなっている。利用者USは、表示部13に表示された認証コードACを施設STに提示することにより、割引サービスの適用を受けることができる。
【0035】
図1に示す施設端末30は、駐車利用情報とともに利用者USの買上金額等の割引適用情報を管理装置20に送信し、管理装置20から受信した駐車料金の割引情報を提示する。施設端末30は、施設STに設置されている。施設端末30で提示される割引情報は、例えば現在の買上金額に対応する駐車料金割引(具体的には、割引額や割引率)等を含む。なお、駐車料金割引は、買上金額に応じて変動してもよいし、変動せずに固定してもよい。駐車料金割引は、例えば駐車1時間毎の割引額又は割引率であってもよいし、全体の駐車料金から引かれる割引額であってもよいし、時間単位で無料としてもよい。
【0036】
施設端末30は、駐車場システム100において、管理装置20と協働して認証機の機能を有し、専用のハードウェアを必要とせず、例えばスマートフォン、タブレットPC等の既存の端末を利用することができる。施設ST側では、施設向けフロントエンドにアクセスして管理装置20に施設情報を登録のうえ、施設IDを取得する。施設STの従業員は、施設IDとパスワードを施設端末30に入力し、駐車場システム100にログインして当該システムを利用する。
【0037】
図5は、施設端末30を説明する概念的なブロック図である。図示のように、施設端末30は、制御部31と、読取部32と、表示部33と、通信部34とを有する。施設端末30は、制御部31により、不図示の記憶部に格納されたプログラムに基づいて動作する。つまり、制御部31は、読取部32、表示部33、通信部34等の動作を制御する。
【0038】
読取部32は、施設端末30に内蔵されたカメラ等であり、施設STの従業員の操作により駐車利用情報に対応する認証コードACを読み取る。表示部33は、施設端末30のディスプレイ等の表示画面であり、管理装置20から受信した割引情報を表示する。通信部34は、図1に示す通信ネットワークNTを経由して管理装置20との通信を可能にする。
【0039】
施設端末30の制御部31は、アプリケーションソフトや施設STの従業員の操作に基づいて動作し、利用者USが提示した利用者端末10の表示部33に表示される認証コードACを読取部32で読み取る。制御部31は、読み取った認証コードAC、施設ID、及び買上金額を管理装置20に送信する。施設ID、及び買上金額は、割引適用情報に含まれる。制御部31は、管理装置20から駐車利用情報に紐づけられた買上金額に基づく割引情報を受信し、表示部33に表示させる。施設端末30から駐車料金の割引に必要な情報を送信することにより、管理装置20において、駐車利用情報に付随する情報、具体的には施設IDや買上金額を紐づけることができ、的確な割引情報を提供することができる。また、割引適用の際に、駐車券等の物理媒体を必要とせず、ランニングコストや環境負荷を軽減することができる。また、利用者USによる不正な割引券の享受を防止できる。
【0040】
制御部31は、施設向けフロントエンドにアクセスし、表示部33に手続きのための入力画面を表示させる。施設向けフロントエンドへのアクセスは、例えば該当URLを直接入力してもよいし、駐車場システム100の利用アプリケーションソフトを利用してもよい。施設STの従業員は、表示部33に表示された画面に従い、各種手続操作を行う。具体的には、制御部31は、駐車場システム100を利用するため、施設STの従業員の操作により、事前に当該システムの利用登録を行う。すなわち、制御部31は、施設向けフロントエンドにアクセスし、駐車場PAの提携登録操作を受け付ける。また、制御部31は、駐車料金割引サービス手続きにおいて、施設向けフロントエンドの画面の操作により、読取部32によって利用者USが提示した認証コードACを読み取り、割引適用操作を行う。
【0041】
図1に示す事業者端末40は、駐車場システム100を利用するため、駐車場事業者BUの操作により、事前に当該システムの利用登録を行う。すなわち、事業者端末40は、事業向けフロントエンドにアクセスし、管理対象となる駐車場PAの登録操作を受け付ける。事業者向けフロントエンドへのアクセスは、例えば該当URLを直接入力してもよいし、駐車場システム100の利用アプリケーションソフトを利用してもよい。事業者端末40は、例えば駐車場事業者BUの管理下で動作するコンピュータ、スマートフォン、タブレットPC等の既存の端末を利用することができる。詳細は後述するが、駐車場システム100に駐車場PAが登録されることにより、管理装置20において、施設向けフロントエンドや利用者向けフロントエンドが生成される。
【0042】
図1に示す管理装置20は、システム管理者の管理下で動作するコンピュータであり、駐車場PAの利用又は運用を管理する。管理装置20は、利用者端末10での利用手続操作後、利用者端末10から少なくとも駐車場情報を駐車利用情報として受信し、駐車利用情報に基づいて駐車料金の決済を行う。管理装置20は、利用者端末10から送信された駐車利用情報等を登録し、施設端末30から送信された買上金額等を登録し、駐車利用情報に紐づけて買上金額に応じた駐車料金割引を算出する。
【0043】
図6は、管理装置20を説明する概念的なブロック図である。図示のように、管理装置20は、制御部21と記憶部22と通信部23とを有する。管理装置20は、制御部21により、記憶部22に格納されたプログラムに基づいて動作する。つまり、制御部21は、記憶部22、通信部23等の動作を制御する。管理装置20は、通信部23により、図1に示す通信ネットワークNTを経由して利用者端末10及び施設端末30と通信する。
【0044】
制御部21は、フロントエンド生成部21aと照合部21bと料金算出部21cとを有する。
【0045】
フロントエンド生成部21aは、駐車場事業者BUへの表示又は駐車場事業者BUの操作を受け付ける事業者向けフロントエンドを生成する。事業者向けフロントエンドは、駐車場事業者BUのシステム利用手続操作又は駐車場登録手続操作を受け付ける。
【0046】
フロントエンド生成部21aは、施設STの従業員への表示又は従業員の操作を受け付ける施設向けフロントエンドを生成する。施設向けフロントエンドは、駐車場事業者BUが施設STに対し提携許可する駐車場情報を表示し、従業員の駐車場提携登録操作を受け付ける。
【0047】
フロントエンド生成部21aは、利用者USへの表示又は利用者USの操作を受け付ける利用者向けフロントエンドを生成する。利用者向けフロントエンドは、駐車場事業者BUが登録した駐車場情報を表示し、利用者USの駐車場利用手続操作を受け付ける。また、利用者向けフロントエンドには、駐車場PAと提携する施設情報及び当該施設に関連する地図情報を表示させることができる。これにより、提携する施設STの利用を促すことができる。
【0048】
照合部21bは、駐車場利用手続きにおいて、入出場時の車両VEのナンバープレート画像を照合する。ナンバープレート画像を車両VEの入出場の管理に用いることにより、駐車場PAの不正利用を抑制することができる。照合部21bは、利用者端末10から受信したナンバープレート画像を解析する。解析した画像データは記憶部22に記録される。照合部21bは、出場時の利用手続き操作の際に、入場時のナンバープレート画像と出場時のナンバープレート画像とを照合し、画像が一致するか否かを判定する。画像が一致する場合、入出場で同一車両VEの利用手続きが行われていると判断し、駐車料金の決算処理を行う。なお、照合部21bは、ナンバープレート画像の解析の際に、画像から車両登録番号を抽出してもよく、この場合、車両登録番号の一致性を判定してもよい。
【0049】
照合部21bは、駐車料金割引サービス手続きにおいて、駐車場利用手続きの際に登録された駐車利用情報と、施設端末30から受信した認証コードACに対応する駐車利用情報とを照合する。照合部21bは、管理装置20に登録済みの駐車利用情報と施設端末30から受信した駐車利用情報とが一致すると判定した場合、駐車利用情報及び割引適用情報に基づいて得られた割引情報を施設端末30に送信する。割引情報は、駐車利用情報に紐づけて記憶部22に記録される。
【0050】
照合部21bは、駐車料金の精算時に、駐車利用情報に対応する割引情報の有無を判定する。照合部21bは、割引情報がある場合、料金算出部21cに、駐車料金に割引を適用させる。照合部21bは、割引情報がない場合、料金算出部21cに、正規の駐車料金を算出させる。
【0051】
料金算出部21cは、利用者端末10から受信した駐車利用情報に基づいて、駐車料金を算出する。駐車利用情報は、入場時刻と出場時刻とを含んでいる。料金算出部21cは、入場時刻と出場時刻とから駐車料金を算出する。利用者USの利点としては、入出場時刻から駐車料金が計算されるので、利用者USは利用時間以上の駐車料金を支払う必要がない。また、駐車場事業者BUの利点としては、日単位又は月単位の料金体系で運営している駐車場PAの収入機会損失を大幅に軽減することができる。また、料金算出部21cは、割引適用情報を加味して駐車料金を算出する。これにより、提携施設での利用に応じて駐車料金を割り引くことができる。
【0052】
管理装置20の制御部21は、算出された駐車料金について図1に示す外部の決済サーバ50に利用者USが指定した支払い方法による決済依頼を行い、決済処理後、決済サーバ50から決済完了通知を受信する。制御部21は、利用者端末10に精算した駐車料金とともに駐車料金決算完了通知を送信する。精算した駐車料金は、利用者端末10の利用者向けフロントエンドの画面に表示される。管理装置20と利用者端末10との協働で駐車料金の精算処理を行うことにより、精算機が設置されていなくても駐車料金を支払うことができる。
【0053】
制御部21は、駐車場事業者BUに対し記憶部22に記録された割引実績及び請求割合からの請求金額について帳票を送信することができる。すなわち、制御部21は、駐車場事業者BUが所有する複数事業地(駐車場PA)で実際に利用された割引に基づき、事業地毎の割引実績及び予め登録された請求割合からの請求金額を集計した帳票の送信を可能とする。これにより、駐車場事業者BUは、駐車場毎の割引実績及び請求割合からの請求金額を容易に管理することができる。
【0054】
記憶部22には、管理装置20を動作させるプログラムが格納され、駐車場システム100の運用を可能にする。記憶部22には、以上のような動作を可能にするため、駐車場管理データベース22aが格納されている。駐車場管理データベース22aには、駐車場情報、駐車利用情報、施設情報、割引適用情報、割引情報等が記録されている。
【0055】
図7図11を参照して、利用者端末10、管理装置20、施設端末30、事業者端末40等の間で行われる駐車場PAの利用及び精算に関する一連の動作について説明する。駐車場システム100には、駐車場事業者BUがサービスの対象となる駐車場PAを登録するための事業者向けフロントエンドが予め用意されている。
【0056】
(駐車場PAの登録)
図7に示すように、駐車場PAの登録の場面SC1では、駐車場事業者BUの操作によって、事業者端末40の不図示の制御部は、事業者向けフロントエンドに対応するURLで管理装置20にデータを要求し(ステップS11)、事業者向けフロントエンドにアクセスする(ステップS12)。管理装置20の制御部21は、事業者端末40に事業者向けフロントエンドのデータを送信する(ステップS13)。事業者端末40の制御部は、不図示の表示部に事業者向けフロントエンドに基づく画面を表示させる(ステップS14)。事業者端末40は、事業者向けフロントエンドの入力画面に従って、駐車場システム100の利用の申し込みを行う(ステップS15)。これにより、サービスの対象となる駐車場PAの登録を行う。事業者端末40の制御部は、申し込みの際に、管理装置20に事業者情報、駐車場情報等を送信する(ステップS16)。事業者情報としては、例えば事業者名、連絡先等が挙げられる。駐車場情報としては、例えば駐車場名、場所、車室名(又は車室番号)、駐車料金等が挙げられる。駐車料金については、割引料金に関する情報が含まれていてもよい。管理装置20の制御部21は、事業者端末40からの駐車場情報等の受信により、駐車場PAの登録を行い(ステップS17)、事業者端末40にシステム利用申し込み通知を送信する(ステップS18)。その後、管理装置20の制御部21は、登録された駐車場情報等に基づき、フロントエンド生成部21aにおいて、駐車場PAの利用管理に用いる利用者向けフロントエンドと施設向けフロントエンドとを生成する(ステップS19,S20)。
【0057】
(施設STの登録)
施設STの登録の場面SC2では、施設STの従業員等の操作によって、施設端末30の制御部31は、施設向けフロントエンドに対応するURLで管理装置20にデータを要求し(ステップS21)、施設向けフロントエンドにアクセスする(ステップS22)。管理装置20の制御部21は、施設端末30に施設向けフロントエンドのデータを送信する(ステップS23)。施設端末30の制御部31は、表示部33に施設向けフロントエンドに基づく画面を表示させる(ステップS24)。施設端末30は、施設向けフロントエンドの入力画面に従って、駐車場システム100の利用申し込みを行う(ステップS25)。これにより、サービスの対象となる施設STの提携登録を行う。施設端末30の制御部31は、申し込みの際に、管理装置20に施設情報、割引適用情報を送信する(ステップS26)。施設情報としては、例えば施設名、連絡先等が挙げられる。割引適用情報としては、例えば提携駐車場名、提携駐車場の駐車料金に対する割引額又は割引率等が挙げられる。なお、割引適用情報には、後述する図9のステップS57で施設端末30から管理装置20に送信される施設IDや買上金額等も含まれる。管理装置20の制御部21は、施設端末30からの施設情報等の受信により、施設STの登録を行い(ステップS27)、施設端末30にシステム利用申し込み完了通知を送信する(ステップS28)。管理装置20では、施設STと当該施設STと提携する駐車場PAとが紐づけられて記憶部22に記録される。
【0058】
(駐車場PAの入場時の利用手続き)
図8に示すように、駐車場PAの入場時の利用手続きの場面SC3では、利用者USの操作によって、利用者端末10の制御部11は、読取部12を用いて駐車場PAに設けられた案内表示90に掲示された案内コードTC(具体的には、二次元バーコード等)を読み取り(ステップS31)、利用者向けフロントエンドに対応するURLで管理装置20にデータを要求し(ステップS32)、利用者向けフロントエンドにアクセスする(ステップS33)。管理装置20の制御部21は、利用者端末10に利用者向けフロントエンドのデータを送信する(ステップS34)。利用者端末10の制御部11は、表示部13に利用者向けフロントエンドに基づく画面を表示させる(ステップS35)。利用者端末10は、利用者向けフロントエンドの入力画面に従って、駐車場システム100の1回目の利用手続きである入場時利用手続きを行う。具体的には、まず、利用者端末10において、利用者USの操作により、車両VEを駐車した駐車場PAの車室SPを選択する(ステップS36)。次に、利用者端末10は、読取部12を用いて車両VEのナンバープレートを撮影する(ステップS37)。次に、利用者端末10は、駐車料金の支払い方法を設定する(ステップS38)。その後、利用者端末10は、その他必要な入力を行い、駐車場システム100の利用開始を申し込む(ステップS39)。利用者端末10の制御部11は、申し込みの際に、利用者情報、駐車利用情報等を送信する(ステップS40)。利用者情報としては、例えば利用者名、連絡先等が挙げられる。駐車利用情報としては、例えば駐車場名、入場時刻、ナンバープレート画像、支払い情報等が挙げられる。管理装置20の制御部21は、利用者端末10からの駐車利用情報等の受信により、駐車場利用開始手続きを受け付け、利用者登録を行う(ステップS41)。具体的には、管理装置20の制御部21は、ナンバープレート画像の解析を行い、解析結果とともに駐車利用情報等を記憶部22に記録する。その後、管理装置20の制御部21は、利用者端末10に利用開始通知を送信する(ステップS42)。利用者端末10の制御部11は、利用開始通知とともに、提携施設情報や地図情報を受信し、表示部13に提携施設や地図を表示させる(ステップS43)。
【0059】
(提携施設利用による駐車料金割引手続き)
図9に示すように、利用者USは、駐車場PAの提携施設(施設ST)において商品販売や飲食提供といったサービスを受けた場合、所定条件下で、駐車料金の割引という付帯サービス又は優遇を受けることができる。提携施設利用による駐車料金割引手続きの場面SC4では、利用者端末10の制御部11は、利用者USの操作によって、管理装置20に駐車料金割引手続きに用いる認証コードACの発行を要求する(ステップS51)。認証コードACの発行要求は、利用者向けフロントエンドの画面を操作することで行うことができる。この際、利用者端末10の制御部11は、管理装置20に車室情報を含む駐車利用情報を送信する(ステップS52)。管理装置20の制御部21は、利用者端末10からの要求により、駐車利用情報をエンコードし、認証コードACを生成し(ステップS53)、認証コードACを利用者端末10に送信する(ステップS54)。利用者端末10は、表示部13に駐車利用情報に対応した認証コードACを表示させる(ステップS55)。駐車料金の割引を希望する利用者USは、施設STの従業者に対して認証コードACを提示して駐車料金の割引付与を要求する。施設STの従業者は、利用者USの要求に応じて施設端末30を用いて管理装置20に駐車場システム100で要求される所定の情報を送信する。具体的には、従業者が施設端末30を操作して、読取部32によって認証コードACを読み取り(ステップS56)、認証コードAC、割引適用情報等を送信する(ステップS57)。管理装置20の制御部21は、施設端末30から受信した認証コードACをデコードして駐車利用情報を取得し、当該駐車利用情報と管理装置20の記憶部22に記録された駐車利用情報とを照合する(ステップS58)。管理装置20は、上記照合が適正な場合、つまり駐車利用情報が一致する場合(ステップS59のY)、駐車利用情報に紐づけて割引適用情報を記憶部22に記憶する(ステップS60)。なお、管理装置20は、照合ができない場合、つまり駐車利用情報が一致しない場合(ステップS59のN)、施設端末30に割引サービスを利用できない旨(具体的には、利用者エラー)を通知する(ステップS61)。管理装置20の制御部21は、料金算出部21cにおいて、駐車料金に割引適用情報を適用した結果である割引情報、例えば、買上金額から駐車料金割引を算出する(ステップS62)。管理装置20の制御部21は、施設端末30に割引情報を送信する(ステップS63)。施設端末30の制御部31は、管理装置20から割引情報を受信し表示部33に表示させる(ステップS64)。
【0060】
(駐車場PAの出場時の利用手続き)
図10に示すように、駐車場PAの出場時の利用手続きの場面SC5では、利用者USの操作によって、利用者端末10の制御部11は、読取部12を用いて駐車場PAに設けられた案内表示90に掲示された案内コードTC(具体的には、二次元バーコード)を読み取り(ステップS71)、利用者向けフロントエンドに対応するURLで管理装置20にデータを要求し(ステップS72)、利用者向けフロントエンドにアクセスする(ステップS73)。管理装置20の制御部21は、利用者端末10に利用者向けフロントエンドのデータを送信する(ステップS74)。利用者端末10の制御部11は、表示部13に利用者向けフロントエンドに基づく画面を表示させる(ステップS75)。利用者端末10は、利用者向けフロントエンドの入力画面に従って、駐車場システム100の2回目の利用手続きである出場時利用手続きを行う。具体的には、まず、利用者端末10において、利用者USの操作により、車両VEを駐車した駐車場PAの車室SPを選択する(ステップS76)。次に、利用者端末10は、読取部12を用いて車両VEのナンバープレートを撮影する(ステップS77)。その後、利用者端末10は、駐車場システム100の利用終了を申し込む(ステップS78)。利用者端末10の制御部11は、申し込みの際に、駐車利用情報等を送信する(ステップS79)。駐車利用情報としては、例えば駐車場名、出場時刻、ナンバープレート画像等が挙げられる。管理装置20の制御部21は、利用者端末10からの駐車利用情報等の受信により、駐車場利用終了手続きを受け付ける。具体的には、管理装置20の制御部21は、ナンバープレート画像の解析を行い、解析結果とともに駐車利用情報等を記憶部22に記録する(ステップS80)。管理装置20の制御部21は、照合部21bにおいて、入場時のナンバープレート画像と出場時のナンバープレート画像とを照合する(ステップS81)。入場時の画像と出場時の画像とが一致する場合(ステップS82のY)、照合部21bは、利用手続きをしている利用者USが同一であると判定し、ステップS84の駐車料金の算出に進む。入場時の画像と出場時の画像とが一致しない場合(ステップS82のN)、照合部21bは、照合エラーと判定し、利用者端末10に照合エラー通知を送信する(ステップS83)。次に、照合部21bは、駐車利用情報に紐づいた割引情報の有無を判定する(ステップS84)。割引情報がある場合(ステップS84のY)、料金算出部21cは、割引情報を加味して駐車料金を算出する(ステップS85)。割引情報がない場合(ステップS84のN)、料金算出部21cは、通常の駐車料金を算出する(ステップS86)。次に、管理装置20の制御部21は、利用者USが入場時の利用手続きの際に設定した支払い方法に基づき、駐車料金の精算処理を行う(ステップS87)。具体的には、管理装置20の制御部21は、図1に示す決済サーバ50に対し、決算処理を依頼する。決算終了後、管理装置20の制御部21は、決済サーバ50から決済完了通知を受信する。管理装置20の制御部21は、記憶部22に精算情報等を記録し(ステップS88)、利用者端末10に駐車料金決済完了通知を送信する(ステップS89)。利用者端末10の制御部11は、表示部13に駐車料金決算完了を表示させる(ステップS90)。
【0061】
(駐車場事業者BUへの帳票送信)
図11に示すように、帳票送信の場面SC6では、駐車場事業者の操作によって、事業者端末40の制御部は、事業者向けフロントエンドに対応するURLで管理装置20にデータを要求し(ステップS111)、事業者向けフロントエンドにアクセスする(ステップS112)。管理装置20の制御部21は、事業者端末40に事業者向けフロントエンドのデータを送信する(ステップS113)。事業者端末40の制御部は、不図示の表示部に事業者向けフロントエンドに基づく画面を表示させる(ステップS114)。事業者端末40の制御部は、事業者向けフロントエンドの入力画面に従って、施設STに対する割引利用料請求のための帳票を要求する(ステップS115)。管理装置20の制御部21は、駐車場事業者BUが所有する複数の駐車場PAで利用された割引に基づき、駐車場PA毎の割引実績及び請求割合からの請求金額を集計した帳票を出力し(ステップS116)、事業者端末40に帳票を送信する(ステップS117)。事業者端末40は、表示部に管理装置20から受信した帳票を表示させる(ステップS118)。
【0062】
以上で説明した第1実施形態の駐車場システム100では、駐車場PAの利用において、駐車場PA側では利用者端末10での利用手続操作のみで駐車場の管理を行うため、駐車場PAに精算機、ゲート、フラップ端末等のハードウェアが不要であり、ハードウェアの導入や維持にかかるコストを削減することができる。
【0063】
〔第2実施形態〕
以下、図12を参照して、第1実施形態を変形した第2実施形態について説明する。本実施形態の駐車場システム100では、利用者端末10でナンバープレート画像を撮影せずに、車両登録番号を直接入力する。図12は、入場時の利用手続きを示しているが、出場時も同様に車両登録番号を直接入力する。
【0064】
図12に示すように、利用者端末10の制御部11は、利用手続操作時に車両登録番号を管理装置20に送信する(ステップS237)。管理装置20の制御部21は、入場時の車両登録番号と出場時の車両登録番号とを照合し、車両VEの入出場を管理する。
【0065】
〔第3実施形態〕
以下、図13を参照して、第1実施形態を変形した第3実施形態について説明する。本実施形態の駐車場システム100では、利用者端末10において、施設STの予約をすることができる。
【0066】
図13に示すように、駐車場PAの入場時の利用手続きの場面SC3の後、施設の予約手続きの場面SC7において、管理装置20の制御部21は、利用開始通知等を送信する際に(ステップS42)、駐車場PAと提携する施設STの予約を受け付ける利用者向けフロントエンドを送信する。利用者端末10の制御部11は、表示部13に施設STの予約申し込み画面を表示させ(ステップS344)、施設STの予約を受け付け可能とする。これにより、利用者USの施設利用をさらに促すことができる。利用者端末10の制御部11は、利用者USの操作によって施設STの予約を受け付け、管理装置20に予約情報を送信する(ステップS345)。管理装置20の制御部21は、記憶部22に予約情報を記録し(ステップS346)、施設端末30に予約情報を送信する(ステップS347)。施設端末30の制御部31は、不図示の記憶部に予約情報を記録する(ステップS348)。
【0067】
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0068】
例えば、入場時の利用手続きの際に駐車料金の設定を行ったが、出場時の利用手続きの際に行ってもよい。
【0069】
上記実施形態において、施設端末30の表示部33に割引情報を表示させたが、利用者端末10の表示部13にも割引情報を表示させてもよい。
【0070】
上記実施形態において、駐車場システム100は、施設端末30や事業者端末40を省略してもよい。また、駐車場システム100は、管理装置20に決済サーバ50の機能を含めてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10…利用者端末、11…制御部、12…読取部、13…表示部、14…通信部、20…管理装置、21…制御部、21a…フロントエンド生成部、21b…照合部、21c…料金算出部、22…記憶部、22a…駐車場管理データベース、23…通信部、30…施設端末、31…制御部、32…読取部、33…表示部、34…通信部、40…事業者端末、50…決済サーバ、90…案内表示、100…駐車場システム、AC…認証コード、BU…駐車場事業者、NT…通信ネットワーク、PA…駐車場、SB…看板、ST…施設、TC…案内コード、US…利用者、VE…車両
図1
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