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  • 特開-列車監視システムおよびカメラ 図1
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  • 特開-列車監視システムおよびカメラ 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044091
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】列車監視システムおよびカメラ
(51)【国際特許分類】
   B61L 23/00 20060101AFI20240326BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240326BHJP
   B61D 37/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B61L23/00 Z
B60L3/00 Q
B61D37/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149424
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】秀島 竜哉
(72)【発明者】
【氏名】三上 奈央樹
(72)【発明者】
【氏名】住吉 正紀
(72)【発明者】
【氏名】武田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】金枝 杏奈
【テーマコード(参考)】
5H125
5H161
【Fターム(参考)】
5H125AA05
5H125CC01
5H125CD02
5H125EE66
5H161AA01
5H161MM01
5H161MM15
5H161NN01
5H161NN10
(57)【要約】
【課題】列車監視システム内の各カメラに対するIPアドレス等の設定に係る作業負担を軽減する。
【解決手段】ネットワークスイッチ12は、当該列車監視システム内の各カメラ11の取り付け位置を表す情報を含むIPアドレスを個別に対応付けた複数のポートを有し、各ポートに接続されたカメラ11に対して、そのポートに対応するIPアドレスを付与する。カメラ11は、ネットワークスイッチ12への接続に伴ってIPアドレスが付与された際に、付与されたIPアドレスが表す自身の取り付け位置に応じた設定を行う。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークスイッチに接続された複数のカメラを有する列車監視システムにおいて、
前記ネットワークスイッチは、当該列車監視システム内の各カメラの取り付け位置を表す情報を含むIPアドレスを個別に対応付けた複数のポートを有し、各ポートに接続されたカメラに対して、そのポートに対応するIPアドレスを付与し、
前記カメラは、前記ネットワークスイッチへの接続に伴ってIPアドレスが付与された際に、付与されたIPアドレスが表す自身の取り付け位置に応じた設定を行うことを特徴とする列車監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の列車監視システムにおいて、
前記カメラの取り付け位置に応じた設定には、カメラ映像に対する画像反転の要否の設定が含まれることを特徴とする列車監視システム。
【請求項3】
請求項1に記載の列車監視システムにおいて、
前記カメラの取り付け位置に応じた設定には、カメラ名の設定が含まれることを特徴とする列車監視システム。
【請求項4】
請求項1に記載の列車監視システムにおいて、
前記カメラの取り付け位置に応じた設定には、カメラ映像の配信に関する設定が含まれることを特徴とする列車監視システム。
【請求項5】
列車監視システムで使用されるカメラにおいて、
前記列車監視システム内の各カメラの取り付け位置を表す情報を含むIPアドレスを個別に対応付けた複数のポートを有するネットワークスイッチへの接続に伴って、そのポートに対応するIPアドレスが付与された際に、付与されたIPアドレスが表す自身の取り付け位置に応じた設定を行うことを特徴とするカメラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークスイッチに接続された複数のカメラを有する列車監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
駅のプラットホームで乗客が列車に乗降する際の安全確保は、列車運行にとって重要な課題である。そのような安全対策の一環として、列車の各車両の外部側面に取り付けられたカメラでドア付近を撮影し、そのカメラ映像を運転台の映像表示装置に表示させる列車監視システムが開発されている。また、有事の際は、映像記録装置に録画された映像が、状況の把握・分析のために利用されている。
【0003】
本発明に係る技術分野の従来技術としては、以下のようなものがある。例えば、特許文献1には、映像表示装置の画面領域を複数のエリアに分割し、各車両のカメラによって撮影された複数のカメラ映像を各エリアにそれぞれ割り当てて表示させる列車監視システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6758203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の列車監視システムでは、列車の各車両に取り付けた複数のカメラに対して、その取り付け位置に応じてIPアドレスなどの各種の設定を行う必要がある。この設定作業は、列車監視システムの構築時だけでなく、その後のカメラの故障等に伴う交換時にも実施される。しかしながら、多数のカメラに対する設定作業は煩雑であるため、その改善が臨まれていた。
【0006】
本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、列車監視システム内の各カメラに対するIPアドレス等の設定に係る作業負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様に係る列車監視システムは、以下のように構成される。すなわち、ネットワークスイッチに接続された複数のカメラを有する列車監視システムにおいて、ネットワークスイッチは、当該列車監視システム内の各カメラの取り付け位置を表す情報を含むIPアドレスを個別に対応付けた複数のポートを有し、各ポートに接続されたカメラに対して、そのポートに対応するIPアドレスを付与し、カメラは、ネットワークスイッチへの接続に伴ってIPアドレスが付与された際に、付与されたIPアドレスが表す自身の取り付け位置に応じた設定を行う。
【0008】
ここで、カメラの取り付け位置に応じた設定には、カメラ映像に対する画像反転の要否の設定が含まれ得る。
【0009】
また、カメラの取り付け位置に応じた設定には、カメラ名の設定が含まれ得る。
【0010】
また、カメラの取り付け位置に応じた設定には、カメラ映像の配信に関する設定が含まれ得る。
【0011】
本発明の別の態様に係るカメラは、以下のように構成される。すなわち、列車監視システムで使用されるカメラにおいて、列車監視システム内の各カメラの取り付け位置を表す情報を含むIPアドレスを個別に対応付けた複数のポートを有するネットワークスイッチへの接続に伴って、そのポートに対応するIPアドレスが付与された際に、付与されたIPアドレスが表す自身の取り付け位置に応じた設定を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、列車監視システム内の各カメラに対するIPアドレス等の設定に係る作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る列車監視システムの構成例を示す図である。
図2図1の列車監視システムが備えるカメラの構成例を示す図である。
図3図1の列車監視システムにおける機器ID表の例を示す図である。
図4図1の列車監視システムにおける配信データタイプの例を示す図である。
図5図1の列車監視システムにおける配信元ID表の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る列車監視システムの構成例を示してある。図1の列車は、4台の車両、すなわち、1号車10-1、2号車10-2、3号車10-3、4号車10-4を連結して構成されている。図面右方向に列車が進行する場合、1号車10-1が先頭車両となり、4号車10-4が後尾車両となる。図面左方向に列車が進行する場合、4号車10-4が先頭車両となり、1号車10-1が後尾車両となる。なお、列車の車両数は任意であり、より多い又は少ない車両数で列車が編成されてもよい。
【0015】
1号車101の外部側面には、乗客が列車に乗降する様子を撮像するために、その車両のドアに向けて複数のカメラ11を取り付けてある。図1の例では、図面右方向への列車進行を基準にして、車体の右側前方に設置されたカメラ11(A)と、車体の左側前方に設置されたカメラ11(B)と、車体の右側後方に設置されたカメラ11(C)と、車体の左側後方に設置されたカメラ11(D)とが配備されている。カメラ11(A),11(B)は、前方側から後方側を撮影するように配置してある。一方、カメラ11(B),11(C)は、後方側から前方側を撮影するように配置してある。また、2号車10-2~4号車10-4にも、1号車10-1と同様の配置でカメラ11(A)~11(D)を取り付けてある。本例では、1両につき4台のカメラを設けてあるが、より多い又は少ない数のカメラを設けてもよい。
【0016】
列車の一方の端部にある1号車10-1には運転室があり、その中に監視用の映像表示装置13が配備されている。また、列車の反対側の端部にある4号車10-4にも運転室があり、その中にも監視用の映像表示装置が配備されている。1号車10-1の映像表示装置13は、図面右方向に列車が進行する場合に使用され、4号車10-4の映像表示装置13は、図面左方向に列車が進行する場合に使用される。本例では、2台の映像表示装置13(A),13(B)をセットにして運転室に配備しているが、より多い又は少ない数の映像表示装置をセットにして運転室に配備してもよい。
【0017】
列車の一方の端部にある1号車10-1には更に、各車両のカメラ11から配信された映像を記録する映像記録装置14と、上位装置や接点入力から得られる情報に基づいて映像表示装置13の表示ON/OFFなどを制御する制御装置15が配備されている。また、列車の反対側の端部にある4号車10-4にも、映像記録装置14と制御装置15が配備されている。
【0018】
本例では、1号車10-1の映像記録装置14と4号車10-4の映像記録装置14の一方を本番系として動作させ、他方を予備系として待機させるが、両方を並行または協働的に動作させてもよい。また、本例では、1号車10-1の制御装置15と4号車10-4の制御装置15の一方を本番系として動作させ、他方を予備系として待機させるが、両方を並行または協働的に動作させてもよい。
【0019】
また、各車両には、ネットワークスイッチ12が中継装置として配備されている。1号車10-1の中継装置12には、その車両内の機器、すなわち、カメラ11(A)~11(D)、映像表示装置13(A),13(B)、映像記録装置14、及び制御装置15が接続されている。2号車10-2の中継装置12には、その車両内の機器、すなわち、カメラ11(A)~11(D)が接続されている。3号車10-3の中継装置12には、その車両内の機器、すなわち、カメラ11(A)~11(D)が接続されている。4号車10-4の中継装置12には、その車両内の機器、すなわち、カメラ11(A)~11(D)、映像表示装置13(A),13(B)、映像記録装置14、及び制御装置15が接続されている。各車両の中継装置12は更に、隣接する車両の中継装置12と互いにカスケードに接続されており、これにより列車内にIPネットワークが構築されている。
【0020】
次に、本発明の特徴の1つである、各カメラに対する設定作業の自動化について説明する。本システムのネットワークスイッチは、接続されたカメラに対して、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能を用いてIPアドレスを付与する。ここで、本システムの各カメラに付与するIPアドレスは、各カメラの取り付け位置に従って予め定められているものとする。また、カメラとのケーブル接続に使用されるネットワークスイッチの各ポートも、カメラの取り付け位置に従って予め定められているものとする。このため、カメラをネットワークスイッチに接続する際に、カメラの取り付け位置に対応するポートに接続することで、カメラの取り付け位置に対応するIPアドレスがカメラに付与されることになる。従って、カメラは、付与されたIPアドレスから自身の取り付け位置を特定し、取り付け位置に合わせた設定を自身の動作用の設定ファイルに書き込むことで自動設定が完了する。
【0021】
DHCPによるIPアドレス付与は、列車の通常運行を開始するたびに実行するとシステム全体の起動時間の遅延等の影響を及ぼすため、カメラの初回取り付け時のみに実行するものとする。通常、カメラを取り付けた後にその位置を変更することはないため、カメラの初回取り付け時のみの実行で十分である。カメラの取り付け後のシステム起動時(列車運行時)は、固定化されたIPアドレスで列車監視システムは動作する。また、カメラの故障に伴う交換時などにもDHCPによるIPアドレス付与が実行されるが、交換前のカメラと同じIPアドレスが付与される。
【0022】
以下、図1の列車監視システムを例にして、各カメラに対する設定作業の自動化について具体的に説明する。本例のネットワークスイッチ12は、カメラ11との接続に使用される複数のポートを有しており、各ポートには、そのポートに接続されたカメラ11に付与するIPアドレスが事前に割り当てられている。ネットワークスイッチ12は、各ポートに接続されたカメラ11に対して、そのポートの割り当てIPアドレスを付与する。
【0023】
本例のカメラ11は、ネットワークスイッチ12への接続に伴ってIPアドレスが付与された際に、そのIPアドレスに対応する設定を自身の動作に適用するための処理を、自動的に行う。カメラ11は、図2に構成例を示すように、撮像部21と、処理・制御部22と、設定ファイル23と、通信部24と、自動設定部25とを備える。
【0024】
撮像部21は、予め定められた視野内(例えば、ドア付近)を撮像することで得られた映像データを出力する。処理・制御部22は、カメラ11に関する各種の設定を保持する設定ファイル23に従って、撮像部21から出力される映像データに基づく処理・制御を行う。本例の処理・制御部22は、画像反転(フリップ)等の所定の画像処理を施す画像処理部や、画像表示装置13や映像記録装置14に対する配信用ストリームを提供する配信処理部などを有している。通信部24は、ネットワークスイッチ12を介して、システム内の他の機器(画像表示装置13や映像記録装置14など)との通信を行う。自動設定部25は、ネットワークスイッチ12から付与されたIPアドレスに基づいて、自身の取り付け位置に応じた設定を設定ファイル23に書き込む。
【0025】
このような構成のカメラ11を各車両の所定位置に取り付け、その位置に対応するネットワークスイッチ12のポートに接続すると、カメラ11の取り付け位置に応じたIPアドレスが付与される。カメラ11の自動設定部25は、ネットワークスイッチ12によりIPアドレスが付与された際に、そのIPアドレスが表す取り付け位置に応じた設定を設定ファイル23に書き込む。これにより、カメラ11は、自身の取り付け位置に応じた設定で動作するようになる。なお、カメラ11は、更新した設定ファイル23を適用するために再起動が必要な場合には、自動的に再起動される。なお、再起動が必要な場合に、手動で再起動してもよい。
【0026】
次に、列車監視システム内の各カメラに付与するIPアドレスについて説明する。IPアドレスは、列車の車両を特定するための車両情報(ID)、例えば編成の情報や号車番号の情報と、車両におけるカメラの取り付け位置の識別情報である機器情報(ID)等を含んでいる。従って、カメラ11は、ネットワークスイッチ12の適切なポートにケーブル接続した際に付与されたIPアドレスに基づいて、自身の取り付け位置に応じた設定を行うことが可能となる。以下、カメラの取り付け位置に応じた設定について、幾つかの例を挙げて説明する。
【0027】
(1)画像反転(フリップ)の要否の設定
図3には、機器ID表の例を示してある。同図では、図面右方向への列車進行を基準にして、「1位」は車体の右側前方の位置を表し、「2位」は車体の左側前方を表し、「3位」は車体の右側後方を表し、「4位」は車体の左側後方を表す。すなわち、図1におけるカメラ11(A)が1位のカメラであり、カメラ11(B)が2位のカメラであり、カメラ11(C)が3位のカメラであり、カメラ11(D)が4位のカメラである。
【0028】
ここで、各車両の1位の位置または4位の位置にカメラを取り付ける場合に、カメラの構造上、カメラ映像がそのままでは逆さまになるとする。この場合、これらの位置のカメラ(つまり、カメラ11(A)またはカメラ11(D)で撮影されたカメラ映像に対しては、画像反転処理が必要となる。そこで、例えば、IPアドレス=172.xx.x.1が付与されたカメラは、編成ID=1、1号車、1位の位置に取り付けられていることを判別し、カメラ映像に対する画像反転処理が必要である旨を自身の設定ファイル23に書き込む。また、IPアドレス=172.xx.x.2が付与されたカメラは、編成ID=1、1号車、2位の位置に取り付けられていることを判別し、カメラ映像に対する画像反転処理が不要である旨を自身の設定ファイル23に書き込む。このように、各カメラは、自身の取り付け位置を表すIPアドレスに基づいて、カメラ映像に対する画像反転の要否を自動的に設定することができる。
【0029】
(2)カメラ名の設定
各カメラを表す名称(カメラ名)として、「Cam」に号車番号および機器IDを結合した文字列を付与する仕様であるとする。カメラ名は、例えば、画像表示装置13にカメラ映像を表示する際に、カメラ映像の配信元をユーザが認識できるように表示される。そこで、例えば、IPアドレス=172.xx.x.1が付与されたカメラは、編成ID=1、1号車、1位の位置に取り付けられていることを判別し、カメラ名として「Cam11」を自身の設定ファイル23に書き込む。また、IPアドレス=172.xx.x.2が付与されたカメラは、編成ID=1、1号車、2位の位置に取り付けられていることを判別し、カメラ名として「Cam12」を自身の設定ファイル23に書き込む。このように、各カメラは、自身の取り付け位置を表すIPアドレスに基づいて、カメラ名を自動的に設定することができる。
【0030】
(3)カメラ映像の配信に関する設定
次に、カメラ映像の配信先のIPアドレスについて説明する。カメラ映像の配信先のIPアドレスは、配信映像のデータ形式を表す情報、列車の車両を特定するための情報、映像の配信元カメラの識別情報である配信元機器ID等を含んでいる。
【0031】
図4には、配信データタイプの例を示してある。同図では、配信データタイプ=0は「JPEG」形式を示し、配信データタイプ=1は「H.264」形式を示している。また、図5には、配信元ID表の例を示してある。同図では、図面右方向への列車進行を基準にして、「1位」は車体の右側前方の位置を表し、「2位」は車体の左側前方を表し、「3位」は車体の右側後方を表し、「4位」は車体の左側後方を表す。すなわち、図1におけるカメラ11(A)が1位のカメラであり、カメラ11(B)が2位のカメラであり、カメラ11(C)が3位のカメラであり、カメラ11(D)が4位のカメラである。
【0032】
マルチキャスト配信IPアドレス及びコーデックは、前述したように、ネットワークスイッチ12によりIPアドレスが付与された際に、付与されたIPアドレスに応じた設定を設定ファイルに23に書き込むことで、自動的に設定される。
【0033】
以上のように、本例の列車監視システムにおいて、ネットワークスイッチ12は、当該列車監視システム内の各カメラ11の取り付け位置を表す情報を含むIPアドレスを個別に対応付けた複数のポートを有し、各ポートに接続されたカメラ11に対して、そのポートに対応するIPアドレスを付与し、カメラ11は、ネットワークスイッチ12への接続に伴ってIPアドレスが付与された際に、付与されたIPアドレスが表す自身の取り付け位置に応じた設定を行う。
【0034】
このような構成により、カメラをネットワークスイッチの適切なポートに接続するだけで、カメラ自身が、付与されたIPアドレスから取り付け位置を特定し、取り付け位置に合わせた設定を自動的に行うことができる。従って、列車監視システム内の各カメラに対するIPアドレス等の設定に係る作業負担が軽減される。また、カメラの故障等による交換時にも、元のカメラと同じポートに接続し直すだけで、元のカメラと同じIPアドレス等の設定が行われる。これにより、設定ミスを防止できるだけでなく、設定時間も短縮できるので、効率性、信頼性の面でも向上する。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これら実施形態は例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、その他の様々な実施形態をとることが可能であると共に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等の種々の変形を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0036】
また、本発明は、上記の説明で挙げたような装置や、これら装置で構成されたシステムとして提供することが可能なだけでなく、これら装置により実行される方法、これら装置の機能をプロセッサにより実現させるためのプログラム、そのようなプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶する記憶媒体などとして提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、ネットワークスイッチに接続された複数のカメラを有する列車監視システムに利用することが可能である。
【符号の説明】
【0038】
10-1,10-2,10-3,10-4:車両、 11(A)~11(D):カメラ、 12:中継装置、 13(A),13(B):映像表示装置、 14:映像記録装置、 15:制御装置、 21:撮像部、 22:処理・制御部、 23:設定ファイル、 24:通信部、 25:自動設定部

図1
図2
図3
図4
図5